眼科装置位置合わせシステム及びその方法
眼科装置に対して眼の最適位置を決定するシステム及び方法が開示される。方法の実施例は、眼科装置に対して第1位置にある眼の状態で、眼の表面の画像を有するデータを受信することを含む。画像の中のエッジ特徴は位置特定され、エッジ特徴に関する鮮鋭度計算が、鮮鋭値を得るために、既定のアルゴリズムを用いて実行される。眼の表面は、眼科装置に対して第2位置に調整され、鮮鋭値が、既定のアルゴリズムに基づいて最適な眼の位置が獲得されたことである1つの指示である最大値になるまで、上記ステップは繰り返される。システムの実施例は、プロセッサと、プロセッサにインストール可能なソフトウェアパッケージを有し、ソフトウェアパッケージは、上記計算を実行するように構成される。眼科装置に対して第2位置に眼の表面を調整する手段が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角膜(cornel)の波面測定及びレーザ補助角膜手術(laser-assisted cornel surgery)を実施するためのシステム及び方法に関し、特に、手術を受ける目の焦点を最適化するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
波面導入屈折性のレーザ手術によって、角膜切除を行う技術は知られている。波面センサは、収差(aberration)マップ、及び、固有のもの又は外的に適用される特徴になり得る身体構造上(anatomical)の目印に対してその位置を測定する。あるときは幾何学上の登録情報と共に、収差データは、切除を実行するために通常使用される処置エキシマレーザに直接転送される。
【0003】
眼科装置(ophthalmic device)において、測定又は削除装置を、治療上(therapeutically)有効にするように、眼から所定の距離に、そして、眼を正確に調整して位置合わせることは、極めて重要である。あるシステムでは、眼は、必ず中心にあり、オペレータと画像とのインタラクションのために焦点が明確に合っていなければならない。レーザビームが眼に対して既定の平面に焦点を合わせること、又は、例えばエキシマレーザシステムでは、眼の効果的なその後の計測、例えば波面測定のために、眼を位置合わせることも重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
眼科装置の位置合わせを支援する既知の技術では、角膜頂点(cornel apex)によって、赤外線ビーム光のような多数のビーム光の方向を変えるもの、及び、多数のビーム光の角膜上の投影であって、自動で又はオペレータにより眼の位置定めの精度を評価するようなものがある。眼が、治療上効果的な位置に無いと判断されるなら、そのとき、装置、及び/又は、頭/眼は、眼が最適に、又は、既定の許容範囲内に再配置するために動かされ得る。
【0005】
位置合わせ問題を解決するための最新の既知アプローチは、典型的には誤差を条件としたものであり、オペレータ及び/又は付加的なハードウェアによる介入を要求するものである。それゆえ、人間のオペレータ又は付加的なハードウェアを必要とせずに、眼の位置合わせにおける精度を改善し且つ自動化するシステム及び方法を提供することが有効である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、眼科装置に対して眼の最適位置を決定するシステム及び方法に向けられる。最適位置は、眼科装置が目的のために望まれる状態で治療上有効になるように、眼を配置する位置である。最適位置は、治療上有効な範囲のために望まれる眼科装置においていかなる場所であることはもちろん、その設計許容値の制限に対して眼科装置が実行できるように、眼を位置合わせることも含む。例えば、最適位置は、増加する位置合わせ制約内で眼科装置が達成しうる最高の焦点に、眼の選択された特徴の画像が合う位置になり得る。
本発明の方法の実施例は、眼科装置に対して第1位置にある眼の表面の画像を有するデータを受信するステップを含む。画像の中のエッジ特徴は位置特定され、エッジ特徴に関する鮮鋭度計算(sharpness calculation)が、鮮鋭値(sharpness value)を得るために、既定のアルゴリズムを用いて実行される。眼の表面は、眼科装置に対して第2位置に調整され、鮮鋭値が、既定のアルゴリズムに基づいて最適な眼の位置が獲得されたことである1つの指示である最大値になるまで、上記ステップは繰り返される。
焦点パラメータについては、例えば、位置調整は、鮮鋭値が最大値になるまで第1位置を徐々に増加させ、最適な焦点位置が通過したことを示して、減少し始める。第1とは反対方向の第2方向に位置調整することは、鮮鋭値が最大値を獲得したと判断された場所に戻りうる。
【0007】
本発明に係る眼科装置に対して眼の最適位置を決定するシステムの実施例は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能なソフトウェアパッケージを有する。ソフトウェアパッケージは、上記計算を実行するように構成される。眼科装置に対して第2位置に眼の表面を調整する手段が提供される。それから、ソフトウェアパッケージは、第2位置の眼に関する新しい画像を受信し、鮮鋭値が、最適な眼の位置が獲得されたことを示す最大値になるまで、上記計算ステップを繰り返す。鮮鋭値を最大化することは、最適な眼の位置が獲得されたことの1つの指示である。
【0008】
本発明のシステム及び方法の実施例は、眼科装置が既に眼の表面を撮像し且つ画像を捕捉する手段を有するなら、付加的なハードウェアを必要としないという利点がある。付加的エレメントは、最適なセンタリング及び焦点位置を計算し、且つ、必要となる眼科装置の動きを示すか又は自動位置合わせ機能の存在に従う眼科装置位置を動かすかのどちらかのためのソフトウェアパッケージを有することができる。
【0009】
ソフトウェア又は画像とインタラクションするオペレータのどちらかが必要となるケースでは、画像装置の制限の範囲で、画像の中の特徴が可能な限り鮮鋭になることが好ましい。本発明の実施例、画像内の特徴の明確さを最大化することによって焦点を最適化することができる。
本発明を特徴付ける特性は、機構及び操作方法の両方、さらなる目的及びその効果と共に、添付図と共に使用される次の記述からより良く理解されるだろう。図面は、説明及び記述の目的のためであり、本発明を制限する定義として意図されてはいないことが明確に理解されるだろう。本発明によって達成されるこれら及び他の目的、提示される効果は、次の記述を添付図と共に読むことで十分に明確になるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のより完全な理解及び本発明の効果は、同種の特徴を示す同種の参照符号を含む添付図を併用して、次の記述を参照することによって獲得し得る。
【0011】
本発明の好ましい実施例の記述は、これから、図1〜6Cを参照して表される。眼の位置定めシステム10の典型的な実施例は、図1において概略的に描かれ、図2A及び2Bにおいて典型的な方法100が描かれる。
【0012】
眼科装置11に対して眼の最適(治療上効果的)な位置を決定する方法の実施例100は、プロセッサ12の中でデータを受信するステップ(ブロック102)を有する。データは、例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラ、スチールカメラ、又は、プロセッサ12と通信するフレーム取得手段14で収集された眼13の表面の画像を含む。その画像は、眼科装置11に対して第1位置にある眼で収集される(ブロック101)。眼科装置11は、例えば、制限無く、フェムト秒レーザ・マイクロケラトーム、エキシマレーザのような処置レーザ、誤差測定器(aberrometer)、眼の正確な位置合わせに必要となる技術に密接な既知の他の眼科装置である。
【0013】
(ここではプロセッサ12の一部として表される)メモリ17の中に在住され得るソフトウェアパッケージ15は、画像の中のエッジ特徴(edge feature)を位置特定するためのコードセグメントを含む(ブロック103)。メモリ17は、プロセッサ12に操作的に連結された別個のメモリでも良く、又は、プロセッサ12と一体部分であり得る。エッジ特徴は、制限する意図は無いが、強膜血管(sclera blood vessel)、又は、虹彩(iris)の特徴を含む。眼によく焦点を当てた画像は、相対的に鋭敏なエッジを有し、それゆえ、選択された眼の特徴は、像に焦点が合うとき、最も明確になるということが仮定される。像に焦点がいくらか合わないとき、画像は和らげられ、これらの特徴のエッジは、明確にならない。さらに、画像が明確なエッジを有するとき、画像内の高周波情報の量は高い。
【0014】
プロセッサ12(制御回路)は、単一の処理装置又は複数の処理装置であっても良い。そのような処理装置は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートウェイ、プログラマブルロジックデバイス、状態機械、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は操作指令に基づく(アナログ及び/又はデジタル)信号を操作するいかなる装置であっても良い。プロセッサ12に連結されたメモリ17、又は、制御回路は、単一の記憶装置又は複数の記憶装置であっても良い。そのような記憶装置は、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、非揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、及び/又はデジタル情報を記憶するいかなる装置であっても良い。マイクロプロセッサ又は制御回路が、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を介して1つ以上の機能を実装するとき、対応する操作指令を記憶するメモリは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路の中、又は、外部に組み込まれることに留意すべきである。メモリは、図2A及び2Bに関係して説明及び記述されるステップ及び/又は機能の少なくとも幾らかに対応する操作指令(例えば、ソフトウェアパッケージ15)を記憶し、マイクロプロセッサ又は制御回路は、その操作指令を実行する。
【0015】
また、ソフトウェアパッケージ15は、プロセッサ12に、鮮鋭値を出力するための既定の鮮鋭ファンクションアルゴリズム(sharpness function algorithm)を用いてエッジ特徴に関する鮮鋭度計算を実行させるように操作可能なコードセグメントを含む。その鮮鋭ファンクションアルゴリズムは、ブロック104で選択される。そのアルゴリズムは、制限する意図は無いが、画像グレーレベル分散及び大きさの評価、画像の隣接領域間の強度差の計算、ヒストグラムベースアプローチ、ラプラスのようなエッジ検出マスク、及びフーリエ変換機能を含む。鮮鋭ファンクションアルゴリズムは、例えば、画像属性、アルゴリズムが適応されるべき周波数、及び/又は精度要求に基づいて選択され得る。
【0016】
アルゴリズムを選択するために使用される基準の例として、フーリエ変換ベースのアプローチは、大量の詳細データを出力し、そして、とても洗練された機能が、既定問題を最適に解決するために開発され、微調整され得る。しかしながら、大きな画像のフーリエ変換は、膨大な計算を要求し、そして、その処理を実行するために相対的に大きな時間が、ある応用においては問題になり得る。
逆に言えば、ピクセル強度差は、次式のように機能する。
【0017】
【数1】
【0018】
上式は、相対的に小さな計算問題を有するが、フーリエベースアプローチの柔軟性が不足する。それゆえ、異なる機能が、特定の実施の詳細及び要求によって決められるのが好ましいだろう。そのような異なる機能は、この技術分野における当業者には知られているが、本発明の範囲においても考慮される。
【0019】
制限する意図は無いが、フーリエ変換アプローチは、ここで議論される。フーリエ変換、典型的には高速フーリエ変換を計算することによって、より高い空間周波数にある情報量が決定され得る。高い空間周波数コンテンツを最大化するように装置から眼への距離を設定することによって、画像焦点は、最適化され、それゆえ、装置から眼への距離もまた最適化される(例えば、眼科装置は、装置の制限に対して治療上有効になるだろう)。
【0020】
図3は、波面センサ上で捕捉された眼の典型的な画像を説明する。この眼は、よく焦点が合っており、強膜及び虹彩特徴が明確に見える。関心領域は、その画像、及び、焦点が外れた様々な角度における同じ眼の画像から選択される(ブロック105)。瞼又はまつげを含まない領域を選択するのが好ましい。必要なら、強膜上の異なる領域(例えば、強膜の左右上下)、瞼からの領域、又はそれらの組合せのような複数の領域が使用され得る。ソフトウェアパッケージ15は、光源の画像のような画像の中のアーチファクトを自動で取り除くことができる関心領域を選択するアルゴリズムを備えても良い。
【0021】
2次元高速フーリエ変換(FFT)は、各々の画像に関して実行される(ブロック107)。FFTにおける支配的な特徴は、ちょうど中心(「DC」)値及びDCに近い値である。これらは、本ケースでは無縁であるが、データを規格化するために使用されうる。図4A〜4Eは、最も鮮鋭(図4A)から最も不鮮鋭(図4E)への各画像の擬似色プロットであり、対応するFFTは、図4F〜4Jに提供される。この典型的計算においては、制限を意図するものではないが、使用されるFFTサイズは、256×512である。これらのプロットにおいて、DCに近いデータは、中及び高周波コンテンツを見ることを容易にするために削除される(ブロック108)。これらのプロットでは、高周波数コンポーネントは、中央にあり、それから、関心データは、隅から離れる。画像がより不鮮鋭になると、プロットは隅から離れて移りが良くなる、即ち、隅では、中及び高周波数における情報が少ないのがわかる。
【0022】
代替実施例においては、ハミングウィンドウ(Hamming window)のような、調和窓関数(harmonic windowing function)がFFT前の関心領域に適用され得る(ブロック106)。そのような操作から達成される調和したアーチファクトの有益な減少に加えて、非補正の眼の動きから起こり得るわずかな分散又はシフトに対する本発明の感度は、減少され得る。領域の周辺近くのデータが窓関数によって最大限弱められるので、この利益は達成される。
【0023】
典型的実施例では、データにおけるより低い周波数から最大周波数までのFFT上の積分を含んで、数的指標(metrics)が計算される(ブロック109)。その積分を計算するために使用されるデータの量を増加又は減少するために、より低い周波数値は変更される。これらの数的指標は、図5のプロットに表されるように、1.0のピーク値を有するように規格化される。最大周波数コンポーネントのみが使用されるとき、数的指標はボケの少ない量でさえ極めて敏感であることがわかる。これらのデータを、物体が最良の焦点にあるときを決定するために有益である。しかしながら、その値は、少量のボケの後でさえ、事実上一定になる(図5の線は平らである)ので、この数的指標は、異なるが適度のレベルのボケを有する画像の間を区別するために使用され得る。幾らかの低い周波数を含む積分は、ボケの高いレベルにある各画像のための差異を示し、それで、よりボケた画像の間の区別に使用されるが、最小ボケケースでは少ない。そのため、最適な数的指標は、分散のタイプを明らかにし、大きいレベルのボケ及び小さいレベルのボケの両方の間の区別をするために使用されるような異なる周波数からの情報を組み合わせることができる(ブロック110)。この明確な積分の例は、多くの起こり得るアプローチのただの1つであることを、当業者であれば理解するだろう。
【0024】
図6A〜6Cは、最初の画像(図6A)と低いボケ画像(図6B)との間に小さな違いがどのように表れるかを説明するためのグレースケールのあるフルサイズ画像を示す。これは、まさに高周波数情報に見られる本発明の極めて高い感度を表す。図6Cにも表されるように、その例の最大のボケケースである。
【0025】
ここで表された例は、ポストFFTデータが最適な装置−眼の位置を手助けするために必要な情報をどのように有するかを示している。
【0026】
使用時には、眼の表面の画像が、複数回とられ(例えば、所望の位置が得られない場合)(ブロック111)、眼の表面13は、眼科装置11に対して第2位置に調整され(ブロック112)、及び、最適な眼の位置が達成されたことを示す鮮鋭値が最大化されるまで前のステップが繰り返される。
【0027】
この位置が決定されると、眼13は、既定の位置に配置される(ブロック113)。眼を位置合わせることは、本発明の範囲を限定することを意図せず、位置合わせ装置16の使用によるような、当該技術分野の当業者にとって好ましい手段によって、ソフトウェア15及びプロセッサ12の制御の下で、手動又は自動でもたらされる。例えば、制限するものではないが、患者は手動で位置合わせられ、眼科装置は手動で位置合わせられ、及び/又は、眼科装置又は患者が支えられる机/椅子(例えば、位置合わせ装置16)は、機械的及び電気的制御システム、及びこれら方法の組合せによって自動で位置合わせられ得る。眼が、所望の位置にあるとき、必要な処置が眼科装置11を用いて眼13に対して実行される(ブロック114)。
【0028】
この処置の間、上述した手順を使用して、最適な眼の位置が維持されることを決定しても良く(ブロック115)、その場合、眼の位置に対する付加的な調整が必要ならされ得る(ブロック116)。
【0029】
位置合わせ誤差は、例えば、長さの単位でオペレータに示されることが考えられる。その情報は、キャリブレーションステップが実行されるまで、手続きを抑制又は止めるために使用され得る。加えて、スペクトル(ポストFFT)データを距離誤差に関係付けるために、その情報は、装置−眼の距離を小さく、処置を実行する前に最適位置の周りの既知の量、変化するためにも使用され得る。
【0030】
上述においては、ある特定の用語が簡潔さ、明確さ、及び理解のために使用されたが、そのような言葉はここでは記述目的のために使用され、広く解釈されることを意図したのであるので、不必要な制限が、従来技術の要求を超えてそれらから意味されることは無い。さらに、ここで説明され記述された装置の実施例は、例示の目的であり、実際の詳細な構成を抽出するために、本発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明に係る眼の位置合わせシステムの一実施例の概念図である。
【図2A】図2Aは、高速フーリエ変換鮮鋭アルゴリズムのケースのための本発明に係る方法の典型的な実施例を提供するフローチャートである。
【図2B】図2Bは、高速フーリエ変換鮮鋭アルゴリズムのケースのための本発明に係る方法の典型的な実施例を提供するフローチャートである。
【図3】図3は、眼の中の焦点が合った画像を示す図である。
【図4A】図4Aは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4B】図4Bは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4C】図4Cは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4D】図4Dは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4E】図4Eは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4F】図4Fは、図4Aに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図4G】図4Gは、図4Bに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図4H】図4Hは、図4Cに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図4I】図4Iは、図4Fは、図4Dに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図4J】図4Jは、図4Eに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図5】図5は、不鮮鋭な画像のレベル対中及び高周波スペクトルコンテンツの変動のプロットを示す図である。
【図6A】図6Aは、最小不鮮鋭度を示して、素早い動き(lash)及び瞼(lid)を含む眼の画像を示す図である。
【図6B】図6Bは、最小不鮮鋭度(図6A)と図5で使用された最大不鮮鋭度(図6C)との違いを示して、素早い動き及び瞼を含む眼の画像を示す図である。
【図6C】図6Cは、最大不鮮鋭度を示して、素早い動き及び瞼を含む眼の画像を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、角膜(cornel)の波面測定及びレーザ補助角膜手術(laser-assisted cornel surgery)を実施するためのシステム及び方法に関し、特に、手術を受ける目の焦点を最適化するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
波面導入屈折性のレーザ手術によって、角膜切除を行う技術は知られている。波面センサは、収差(aberration)マップ、及び、固有のもの又は外的に適用される特徴になり得る身体構造上(anatomical)の目印に対してその位置を測定する。あるときは幾何学上の登録情報と共に、収差データは、切除を実行するために通常使用される処置エキシマレーザに直接転送される。
【0003】
眼科装置(ophthalmic device)において、測定又は削除装置を、治療上(therapeutically)有効にするように、眼から所定の距離に、そして、眼を正確に調整して位置合わせることは、極めて重要である。あるシステムでは、眼は、必ず中心にあり、オペレータと画像とのインタラクションのために焦点が明確に合っていなければならない。レーザビームが眼に対して既定の平面に焦点を合わせること、又は、例えばエキシマレーザシステムでは、眼の効果的なその後の計測、例えば波面測定のために、眼を位置合わせることも重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
眼科装置の位置合わせを支援する既知の技術では、角膜頂点(cornel apex)によって、赤外線ビーム光のような多数のビーム光の方向を変えるもの、及び、多数のビーム光の角膜上の投影であって、自動で又はオペレータにより眼の位置定めの精度を評価するようなものがある。眼が、治療上効果的な位置に無いと判断されるなら、そのとき、装置、及び/又は、頭/眼は、眼が最適に、又は、既定の許容範囲内に再配置するために動かされ得る。
【0005】
位置合わせ問題を解決するための最新の既知アプローチは、典型的には誤差を条件としたものであり、オペレータ及び/又は付加的なハードウェアによる介入を要求するものである。それゆえ、人間のオペレータ又は付加的なハードウェアを必要とせずに、眼の位置合わせにおける精度を改善し且つ自動化するシステム及び方法を提供することが有効である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、眼科装置に対して眼の最適位置を決定するシステム及び方法に向けられる。最適位置は、眼科装置が目的のために望まれる状態で治療上有効になるように、眼を配置する位置である。最適位置は、治療上有効な範囲のために望まれる眼科装置においていかなる場所であることはもちろん、その設計許容値の制限に対して眼科装置が実行できるように、眼を位置合わせることも含む。例えば、最適位置は、増加する位置合わせ制約内で眼科装置が達成しうる最高の焦点に、眼の選択された特徴の画像が合う位置になり得る。
本発明の方法の実施例は、眼科装置に対して第1位置にある眼の表面の画像を有するデータを受信するステップを含む。画像の中のエッジ特徴は位置特定され、エッジ特徴に関する鮮鋭度計算(sharpness calculation)が、鮮鋭値(sharpness value)を得るために、既定のアルゴリズムを用いて実行される。眼の表面は、眼科装置に対して第2位置に調整され、鮮鋭値が、既定のアルゴリズムに基づいて最適な眼の位置が獲得されたことである1つの指示である最大値になるまで、上記ステップは繰り返される。
焦点パラメータについては、例えば、位置調整は、鮮鋭値が最大値になるまで第1位置を徐々に増加させ、最適な焦点位置が通過したことを示して、減少し始める。第1とは反対方向の第2方向に位置調整することは、鮮鋭値が最大値を獲得したと判断された場所に戻りうる。
【0007】
本発明に係る眼科装置に対して眼の最適位置を決定するシステムの実施例は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能なソフトウェアパッケージを有する。ソフトウェアパッケージは、上記計算を実行するように構成される。眼科装置に対して第2位置に眼の表面を調整する手段が提供される。それから、ソフトウェアパッケージは、第2位置の眼に関する新しい画像を受信し、鮮鋭値が、最適な眼の位置が獲得されたことを示す最大値になるまで、上記計算ステップを繰り返す。鮮鋭値を最大化することは、最適な眼の位置が獲得されたことの1つの指示である。
【0008】
本発明のシステム及び方法の実施例は、眼科装置が既に眼の表面を撮像し且つ画像を捕捉する手段を有するなら、付加的なハードウェアを必要としないという利点がある。付加的エレメントは、最適なセンタリング及び焦点位置を計算し、且つ、必要となる眼科装置の動きを示すか又は自動位置合わせ機能の存在に従う眼科装置位置を動かすかのどちらかのためのソフトウェアパッケージを有することができる。
【0009】
ソフトウェア又は画像とインタラクションするオペレータのどちらかが必要となるケースでは、画像装置の制限の範囲で、画像の中の特徴が可能な限り鮮鋭になることが好ましい。本発明の実施例、画像内の特徴の明確さを最大化することによって焦点を最適化することができる。
本発明を特徴付ける特性は、機構及び操作方法の両方、さらなる目的及びその効果と共に、添付図と共に使用される次の記述からより良く理解されるだろう。図面は、説明及び記述の目的のためであり、本発明を制限する定義として意図されてはいないことが明確に理解されるだろう。本発明によって達成されるこれら及び他の目的、提示される効果は、次の記述を添付図と共に読むことで十分に明確になるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のより完全な理解及び本発明の効果は、同種の特徴を示す同種の参照符号を含む添付図を併用して、次の記述を参照することによって獲得し得る。
【0011】
本発明の好ましい実施例の記述は、これから、図1〜6Cを参照して表される。眼の位置定めシステム10の典型的な実施例は、図1において概略的に描かれ、図2A及び2Bにおいて典型的な方法100が描かれる。
【0012】
眼科装置11に対して眼の最適(治療上効果的)な位置を決定する方法の実施例100は、プロセッサ12の中でデータを受信するステップ(ブロック102)を有する。データは、例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラ、スチールカメラ、又は、プロセッサ12と通信するフレーム取得手段14で収集された眼13の表面の画像を含む。その画像は、眼科装置11に対して第1位置にある眼で収集される(ブロック101)。眼科装置11は、例えば、制限無く、フェムト秒レーザ・マイクロケラトーム、エキシマレーザのような処置レーザ、誤差測定器(aberrometer)、眼の正確な位置合わせに必要となる技術に密接な既知の他の眼科装置である。
【0013】
(ここではプロセッサ12の一部として表される)メモリ17の中に在住され得るソフトウェアパッケージ15は、画像の中のエッジ特徴(edge feature)を位置特定するためのコードセグメントを含む(ブロック103)。メモリ17は、プロセッサ12に操作的に連結された別個のメモリでも良く、又は、プロセッサ12と一体部分であり得る。エッジ特徴は、制限する意図は無いが、強膜血管(sclera blood vessel)、又は、虹彩(iris)の特徴を含む。眼によく焦点を当てた画像は、相対的に鋭敏なエッジを有し、それゆえ、選択された眼の特徴は、像に焦点が合うとき、最も明確になるということが仮定される。像に焦点がいくらか合わないとき、画像は和らげられ、これらの特徴のエッジは、明確にならない。さらに、画像が明確なエッジを有するとき、画像内の高周波情報の量は高い。
【0014】
プロセッサ12(制御回路)は、単一の処理装置又は複数の処理装置であっても良い。そのような処理装置は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートウェイ、プログラマブルロジックデバイス、状態機械、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は操作指令に基づく(アナログ及び/又はデジタル)信号を操作するいかなる装置であっても良い。プロセッサ12に連結されたメモリ17、又は、制御回路は、単一の記憶装置又は複数の記憶装置であっても良い。そのような記憶装置は、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、非揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、及び/又はデジタル情報を記憶するいかなる装置であっても良い。マイクロプロセッサ又は制御回路が、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を介して1つ以上の機能を実装するとき、対応する操作指令を記憶するメモリは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路の中、又は、外部に組み込まれることに留意すべきである。メモリは、図2A及び2Bに関係して説明及び記述されるステップ及び/又は機能の少なくとも幾らかに対応する操作指令(例えば、ソフトウェアパッケージ15)を記憶し、マイクロプロセッサ又は制御回路は、その操作指令を実行する。
【0015】
また、ソフトウェアパッケージ15は、プロセッサ12に、鮮鋭値を出力するための既定の鮮鋭ファンクションアルゴリズム(sharpness function algorithm)を用いてエッジ特徴に関する鮮鋭度計算を実行させるように操作可能なコードセグメントを含む。その鮮鋭ファンクションアルゴリズムは、ブロック104で選択される。そのアルゴリズムは、制限する意図は無いが、画像グレーレベル分散及び大きさの評価、画像の隣接領域間の強度差の計算、ヒストグラムベースアプローチ、ラプラスのようなエッジ検出マスク、及びフーリエ変換機能を含む。鮮鋭ファンクションアルゴリズムは、例えば、画像属性、アルゴリズムが適応されるべき周波数、及び/又は精度要求に基づいて選択され得る。
【0016】
アルゴリズムを選択するために使用される基準の例として、フーリエ変換ベースのアプローチは、大量の詳細データを出力し、そして、とても洗練された機能が、既定問題を最適に解決するために開発され、微調整され得る。しかしながら、大きな画像のフーリエ変換は、膨大な計算を要求し、そして、その処理を実行するために相対的に大きな時間が、ある応用においては問題になり得る。
逆に言えば、ピクセル強度差は、次式のように機能する。
【0017】
【数1】
【0018】
上式は、相対的に小さな計算問題を有するが、フーリエベースアプローチの柔軟性が不足する。それゆえ、異なる機能が、特定の実施の詳細及び要求によって決められるのが好ましいだろう。そのような異なる機能は、この技術分野における当業者には知られているが、本発明の範囲においても考慮される。
【0019】
制限する意図は無いが、フーリエ変換アプローチは、ここで議論される。フーリエ変換、典型的には高速フーリエ変換を計算することによって、より高い空間周波数にある情報量が決定され得る。高い空間周波数コンテンツを最大化するように装置から眼への距離を設定することによって、画像焦点は、最適化され、それゆえ、装置から眼への距離もまた最適化される(例えば、眼科装置は、装置の制限に対して治療上有効になるだろう)。
【0020】
図3は、波面センサ上で捕捉された眼の典型的な画像を説明する。この眼は、よく焦点が合っており、強膜及び虹彩特徴が明確に見える。関心領域は、その画像、及び、焦点が外れた様々な角度における同じ眼の画像から選択される(ブロック105)。瞼又はまつげを含まない領域を選択するのが好ましい。必要なら、強膜上の異なる領域(例えば、強膜の左右上下)、瞼からの領域、又はそれらの組合せのような複数の領域が使用され得る。ソフトウェアパッケージ15は、光源の画像のような画像の中のアーチファクトを自動で取り除くことができる関心領域を選択するアルゴリズムを備えても良い。
【0021】
2次元高速フーリエ変換(FFT)は、各々の画像に関して実行される(ブロック107)。FFTにおける支配的な特徴は、ちょうど中心(「DC」)値及びDCに近い値である。これらは、本ケースでは無縁であるが、データを規格化するために使用されうる。図4A〜4Eは、最も鮮鋭(図4A)から最も不鮮鋭(図4E)への各画像の擬似色プロットであり、対応するFFTは、図4F〜4Jに提供される。この典型的計算においては、制限を意図するものではないが、使用されるFFTサイズは、256×512である。これらのプロットにおいて、DCに近いデータは、中及び高周波コンテンツを見ることを容易にするために削除される(ブロック108)。これらのプロットでは、高周波数コンポーネントは、中央にあり、それから、関心データは、隅から離れる。画像がより不鮮鋭になると、プロットは隅から離れて移りが良くなる、即ち、隅では、中及び高周波数における情報が少ないのがわかる。
【0022】
代替実施例においては、ハミングウィンドウ(Hamming window)のような、調和窓関数(harmonic windowing function)がFFT前の関心領域に適用され得る(ブロック106)。そのような操作から達成される調和したアーチファクトの有益な減少に加えて、非補正の眼の動きから起こり得るわずかな分散又はシフトに対する本発明の感度は、減少され得る。領域の周辺近くのデータが窓関数によって最大限弱められるので、この利益は達成される。
【0023】
典型的実施例では、データにおけるより低い周波数から最大周波数までのFFT上の積分を含んで、数的指標(metrics)が計算される(ブロック109)。その積分を計算するために使用されるデータの量を増加又は減少するために、より低い周波数値は変更される。これらの数的指標は、図5のプロットに表されるように、1.0のピーク値を有するように規格化される。最大周波数コンポーネントのみが使用されるとき、数的指標はボケの少ない量でさえ極めて敏感であることがわかる。これらのデータを、物体が最良の焦点にあるときを決定するために有益である。しかしながら、その値は、少量のボケの後でさえ、事実上一定になる(図5の線は平らである)ので、この数的指標は、異なるが適度のレベルのボケを有する画像の間を区別するために使用され得る。幾らかの低い周波数を含む積分は、ボケの高いレベルにある各画像のための差異を示し、それで、よりボケた画像の間の区別に使用されるが、最小ボケケースでは少ない。そのため、最適な数的指標は、分散のタイプを明らかにし、大きいレベルのボケ及び小さいレベルのボケの両方の間の区別をするために使用されるような異なる周波数からの情報を組み合わせることができる(ブロック110)。この明確な積分の例は、多くの起こり得るアプローチのただの1つであることを、当業者であれば理解するだろう。
【0024】
図6A〜6Cは、最初の画像(図6A)と低いボケ画像(図6B)との間に小さな違いがどのように表れるかを説明するためのグレースケールのあるフルサイズ画像を示す。これは、まさに高周波数情報に見られる本発明の極めて高い感度を表す。図6Cにも表されるように、その例の最大のボケケースである。
【0025】
ここで表された例は、ポストFFTデータが最適な装置−眼の位置を手助けするために必要な情報をどのように有するかを示している。
【0026】
使用時には、眼の表面の画像が、複数回とられ(例えば、所望の位置が得られない場合)(ブロック111)、眼の表面13は、眼科装置11に対して第2位置に調整され(ブロック112)、及び、最適な眼の位置が達成されたことを示す鮮鋭値が最大化されるまで前のステップが繰り返される。
【0027】
この位置が決定されると、眼13は、既定の位置に配置される(ブロック113)。眼を位置合わせることは、本発明の範囲を限定することを意図せず、位置合わせ装置16の使用によるような、当該技術分野の当業者にとって好ましい手段によって、ソフトウェア15及びプロセッサ12の制御の下で、手動又は自動でもたらされる。例えば、制限するものではないが、患者は手動で位置合わせられ、眼科装置は手動で位置合わせられ、及び/又は、眼科装置又は患者が支えられる机/椅子(例えば、位置合わせ装置16)は、機械的及び電気的制御システム、及びこれら方法の組合せによって自動で位置合わせられ得る。眼が、所望の位置にあるとき、必要な処置が眼科装置11を用いて眼13に対して実行される(ブロック114)。
【0028】
この処置の間、上述した手順を使用して、最適な眼の位置が維持されることを決定しても良く(ブロック115)、その場合、眼の位置に対する付加的な調整が必要ならされ得る(ブロック116)。
【0029】
位置合わせ誤差は、例えば、長さの単位でオペレータに示されることが考えられる。その情報は、キャリブレーションステップが実行されるまで、手続きを抑制又は止めるために使用され得る。加えて、スペクトル(ポストFFT)データを距離誤差に関係付けるために、その情報は、装置−眼の距離を小さく、処置を実行する前に最適位置の周りの既知の量、変化するためにも使用され得る。
【0030】
上述においては、ある特定の用語が簡潔さ、明確さ、及び理解のために使用されたが、そのような言葉はここでは記述目的のために使用され、広く解釈されることを意図したのであるので、不必要な制限が、従来技術の要求を超えてそれらから意味されることは無い。さらに、ここで説明され記述された装置の実施例は、例示の目的であり、実際の詳細な構成を抽出するために、本発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明に係る眼の位置合わせシステムの一実施例の概念図である。
【図2A】図2Aは、高速フーリエ変換鮮鋭アルゴリズムのケースのための本発明に係る方法の典型的な実施例を提供するフローチャートである。
【図2B】図2Bは、高速フーリエ変換鮮鋭アルゴリズムのケースのための本発明に係る方法の典型的な実施例を提供するフローチャートである。
【図3】図3は、眼の中の焦点が合った画像を示す図である。
【図4A】図4Aは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4B】図4Bは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4C】図4Cは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4D】図4Dは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4E】図4Eは、最も鮮鋭から最も不鮮鋭に変動する眼の画像を示す図である。
【図4F】図4Fは、図4Aに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図4G】図4Gは、図4Bに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図4H】図4Hは、図4Cに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図4I】図4Iは、図4Fは、図4Dに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図4J】図4Jは、図4Eに対応する高速フーリエ変換のプロットを示す図である。
【図5】図5は、不鮮鋭な画像のレベル対中及び高周波スペクトルコンテンツの変動のプロットを示す図である。
【図6A】図6Aは、最小不鮮鋭度を示して、素早い動き(lash)及び瞼(lid)を含む眼の画像を示す図である。
【図6B】図6Bは、最小不鮮鋭度(図6A)と図5で使用された最大不鮮鋭度(図6C)との違いを示して、素早い動き及び瞼を含む眼の画像を示す図である。
【図6C】図6Cは、最大不鮮鋭度を示して、素早い動き及び瞼を含む眼の画像を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科装置に対して眼の最適位置を決定する方法であって、
(a)眼科装置に対して第1位置にある眼の表面の画像を有するデータを受信するステップと、
(b)前記画像の中のエッジ特徴を位置特定するステップと、
(c)鮮鋭値を得るために、既定のアルゴリズムを用いて前記エッジ特徴に関する鮮鋭度計算を実行するステップと、
(d)前記眼科装置に対して第2位置に前記眼の表面を調整するステップと、
(e)前記鮮鋭値が、最適な眼の位置が獲得されたことを示す最大値になるまで、ステップ(a)〜(d)を繰り返すステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記エッジ特徴は、強膜血管及び虹彩からなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記既定のアルゴリズムは、画像グレーレベル分散及び大きさの評価、前記画像の隣接領域間の強度の計算、ヒストグラムベースアプローチ、エッジ検出マスク、及びフーリエ変換機能からなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
画像属性、前記アルゴリズムが適応されるべき周波数、及び精度要求に基づいて前記アルゴリズムを選択するステップをさらに有する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記既定のアルゴリズムは、高速フーリエ変換を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記鮮鋭度計算は、中及び高周波コンテンツを優先的に保持するために前記画像データを検査し、且つ、前記保持された中及び高周波コンテンツの中の情報量を決定するステップを有し、
前記最適な眼の位置を決定することは、前記保持された中及び高周波コンテンツの中の決定された情報量が最大値である眼の位置を選択することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記高速フーリエ変換の使用の前に、前記エッジ特徴を含む前記画像の領域に、調和窓関数を適用するステップをさらに有する請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記鮮鋭値を最大化するステップは、前記画像の中の異なるレベルの区別を可能にするために、多数の周波数値で前記高速フーリエ変換から獲得された情報を使用することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記鮮鋭値を最大化することに続いて、前記最適な眼の位置に前記眼を位置合わせるステップをさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記位置合わせステップは、前記眼の位置の手動及び自動のうちの1つで実行される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記眼科装置で前記眼に対する所望の処置を実行するステップをさらに有する請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記所望の処置の実行ステップの間、前記最適な眼の位置が維持されることを確実にするために前記(a)〜(b)のステップ及び前記眼を位置合わせるステップを有する請求項9に記載の方法。
【請求項13】
眼科装置に対して眼の最適位置を決定するシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサにインストール可能なソフトウェアパッケージであって、
(a)眼科装置に対して第1位置にある眼の表面の画像を有するデータを、前記プロセッサを介して受信し、
(b)前記画像の中のエッジ特徴を位置特定し、
(c)鮮鋭値を得るために、既定のアルゴリズムを用いて前記エッジ特徴に関する鮮鋭度計算を実行するように構成されるソフトウェアパッケージと、
前記眼科装置に対して第2位置に前記眼の表面を調整する手段とを有し、
前記ソフトウェアパッケージは、前記鮮鋭値が、最適な眼の位置が獲得されたことを示す最大値になるまで、前記第2位置に調整した後に、ステップ(a)〜(c)を繰り返すように構成されるシステム。
【請求項14】
前記エッジ特徴は、強膜血管及び虹彩からなるグループから選択される請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記既定のアルゴリズムは、画像グレーレベル分散及び大きさの評価、前記画像の隣接領域間の強度差の計算、ヒストグラムベースアプローチ、エッジ検出マスク、及びフーリエ変換機能からなるグループから選択される請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記ソフトウェアパッケージは、画像属性、前記アルゴリズムが適応されるべき周波数、及び精度要求に基づいて前記アルゴリズムを選択するように構成される請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記既定のアルゴリズムは、高速フーリエ変換を含む請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記鮮鋭度計算は、中及び高周波コンテンツを優先的に保持するために前記画像データを検査し、且つ、前記保持された中及び高周波コンテンツの中の情報量を決定することによって実行され、
最適な眼の位置の決定は、前記保持された中及び高周波コンテンツの中の決定された情報量が最大値である眼の位置を選択することを含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ソフトウェアパッケージは、前記高速フーリエ変換の使用の前に、前記エッジ特徴を含む前記画像の領域に、調和窓関数を構成される請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記鮮鋭値の最大化は、前記画像の中の異なるレベルの区別を可能にするために、多数の周波数値で前記高速フーリエ変換から獲得された情報を使用することによってなされる請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記鮮鋭値を最大化することに続いて、前記最適な眼の位置に前記眼を位置合わせる手段をさらに有する請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記位置合わせ手段は、前記プロセッサと通信して前記眼の位置の自動調整をもたらす手段、及び、前記眼の位置の手動調整をもたらす手段のうちの1つを有する請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ソフトウェアパッケージは、前記眼に対する所望の処置を実行するために前記眼科装置を指示するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記所望の処置の実行の間、前記ソフトウェアパッケージは、最適な眼の位置が維持されることを確実にするために前記(a)〜(d)のステップを繰り返すように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項1】
眼科装置に対して眼の最適位置を決定する方法であって、
(a)眼科装置に対して第1位置にある眼の表面の画像を有するデータを受信するステップと、
(b)前記画像の中のエッジ特徴を位置特定するステップと、
(c)鮮鋭値を得るために、既定のアルゴリズムを用いて前記エッジ特徴に関する鮮鋭度計算を実行するステップと、
(d)前記眼科装置に対して第2位置に前記眼の表面を調整するステップと、
(e)前記鮮鋭値が、最適な眼の位置が獲得されたことを示す最大値になるまで、ステップ(a)〜(d)を繰り返すステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記エッジ特徴は、強膜血管及び虹彩からなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記既定のアルゴリズムは、画像グレーレベル分散及び大きさの評価、前記画像の隣接領域間の強度の計算、ヒストグラムベースアプローチ、エッジ検出マスク、及びフーリエ変換機能からなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
画像属性、前記アルゴリズムが適応されるべき周波数、及び精度要求に基づいて前記アルゴリズムを選択するステップをさらに有する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記既定のアルゴリズムは、高速フーリエ変換を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記鮮鋭度計算は、中及び高周波コンテンツを優先的に保持するために前記画像データを検査し、且つ、前記保持された中及び高周波コンテンツの中の情報量を決定するステップを有し、
前記最適な眼の位置を決定することは、前記保持された中及び高周波コンテンツの中の決定された情報量が最大値である眼の位置を選択することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記高速フーリエ変換の使用の前に、前記エッジ特徴を含む前記画像の領域に、調和窓関数を適用するステップをさらに有する請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記鮮鋭値を最大化するステップは、前記画像の中の異なるレベルの区別を可能にするために、多数の周波数値で前記高速フーリエ変換から獲得された情報を使用することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記鮮鋭値を最大化することに続いて、前記最適な眼の位置に前記眼を位置合わせるステップをさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記位置合わせステップは、前記眼の位置の手動及び自動のうちの1つで実行される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記眼科装置で前記眼に対する所望の処置を実行するステップをさらに有する請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記所望の処置の実行ステップの間、前記最適な眼の位置が維持されることを確実にするために前記(a)〜(b)のステップ及び前記眼を位置合わせるステップを有する請求項9に記載の方法。
【請求項13】
眼科装置に対して眼の最適位置を決定するシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサにインストール可能なソフトウェアパッケージであって、
(a)眼科装置に対して第1位置にある眼の表面の画像を有するデータを、前記プロセッサを介して受信し、
(b)前記画像の中のエッジ特徴を位置特定し、
(c)鮮鋭値を得るために、既定のアルゴリズムを用いて前記エッジ特徴に関する鮮鋭度計算を実行するように構成されるソフトウェアパッケージと、
前記眼科装置に対して第2位置に前記眼の表面を調整する手段とを有し、
前記ソフトウェアパッケージは、前記鮮鋭値が、最適な眼の位置が獲得されたことを示す最大値になるまで、前記第2位置に調整した後に、ステップ(a)〜(c)を繰り返すように構成されるシステム。
【請求項14】
前記エッジ特徴は、強膜血管及び虹彩からなるグループから選択される請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記既定のアルゴリズムは、画像グレーレベル分散及び大きさの評価、前記画像の隣接領域間の強度差の計算、ヒストグラムベースアプローチ、エッジ検出マスク、及びフーリエ変換機能からなるグループから選択される請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記ソフトウェアパッケージは、画像属性、前記アルゴリズムが適応されるべき周波数、及び精度要求に基づいて前記アルゴリズムを選択するように構成される請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記既定のアルゴリズムは、高速フーリエ変換を含む請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記鮮鋭度計算は、中及び高周波コンテンツを優先的に保持するために前記画像データを検査し、且つ、前記保持された中及び高周波コンテンツの中の情報量を決定することによって実行され、
最適な眼の位置の決定は、前記保持された中及び高周波コンテンツの中の決定された情報量が最大値である眼の位置を選択することを含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ソフトウェアパッケージは、前記高速フーリエ変換の使用の前に、前記エッジ特徴を含む前記画像の領域に、調和窓関数を構成される請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記鮮鋭値の最大化は、前記画像の中の異なるレベルの区別を可能にするために、多数の周波数値で前記高速フーリエ変換から獲得された情報を使用することによってなされる請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記鮮鋭値を最大化することに続いて、前記最適な眼の位置に前記眼を位置合わせる手段をさらに有する請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記位置合わせ手段は、前記プロセッサと通信して前記眼の位置の自動調整をもたらす手段、及び、前記眼の位置の手動調整をもたらす手段のうちの1つを有する請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ソフトウェアパッケージは、前記眼に対する所望の処置を実行するために前記眼科装置を指示するように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記所望の処置の実行の間、前記ソフトウェアパッケージは、最適な眼の位置が維持されることを確実にするために前記(a)〜(d)のステップを繰り返すように構成される請求項21に記載のシステム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図4J】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図4J】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【公表番号】特表2009−502346(P2009−502346A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524142(P2008−524142)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/029169
【国際公開番号】WO2007/016231
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(504230051)アルコン リフラクティブホライズンズ,インコーポレイティド (12)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/029169
【国際公開番号】WO2007/016231
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(504230051)アルコン リフラクティブホライズンズ,インコーポレイティド (12)
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