説明

着回し自在被服

【課題】一の被服で複数種類の着回しを可能とすることによって、複数バージョンのファッション性の異なる着回しを楽しむことができ、飽きがくることなく、さらには、自分の個性を存分に発揮することが可能な着回し自在被服の提供を図る。
【解決手段】略円形状生地と、該略円形状生地に縫付けられる筒状伸縮性生地と、同様に該略円形状生地に縫付けられる二つの略長方形状伸縮性生地とからなり、略円形状生地の中央部分に所定の径を有する孔が設けられるとともに、該孔に前記筒状伸縮性生地が縫付けられ、かつ、略円形状生地所定の外縁及びその対称外縁にそれぞれ前記略長方形状伸縮性生地が縫付けられ、該略長方形状伸縮性生地には縫付けた辺に対し略直交する一辺に少なくとも一以上の止め具を備えるとともに、かかる止め具を備えた辺と反対の辺には止め具受け部を備えた構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一の被服で複数種類の着回しが可能な、着回し自在被服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から人は被服を着用しており、それは生活をする上で必要不可欠なものである。それが最近では、かかる生活上から着用するだけでなく、ファッションとして自分を着飾るために被服を着用するようになってきている。そして、その自分を着飾るために、他人とは違う被服を着用することで、自分を個性的に表現しようとするようになる。しかしながら、他人が自分と同じ被服を着用しているのを目撃し、気まずくなった経験をしたことのある人も多いはずである。すなわち、他人が持ってない被服を購入しようとしてもほとんど不可能であって、全くのオリジナルとなると手作りによる一品物の被服しかないのが現状である。
【0003】
そこで、一般にリバーシブルといわれている裏返しても着用可能な被服が種々提案されている。これによれば、表側と裏側とで模様等の装飾デザインを違えることによって、一の被服でファッション性の異なる表裏2バージョンの着回しが可能となる。しかしながら、2バージョンのみでは変化に乏しく、結局気に入った装飾デザインの方のみを着用するようになってしまい、また、他人と同じリバーシブルの被服であった場合に、二分の一の確率で同じ装飾デザインとなってしまう危険性もある。
【0004】
また、被服に取外し可能な部材を装着することにより、かかる部材の取外しや組合わせ等によって様々な形態を呈する被服も提案されている。例えば、袖腕を肩口や袖の中間部位から取外すことが可能な被服がある。これによれば、確かに夏冬兼用の被服としては便利であるが、ファッション性についてはほとんど差がなく、上記問題点を解決するには至っていない。また、ワッペン等装飾部材を取外し可能として、着用時によってかかる装飾部材を種々変更することが可能な被服もある。これによれば、かかる装飾部材を変えることで多少の変化をもたらすことにはなるが、前記同様ファッション性についてはほとんど差がなく、結局上記問題点を解決するには至っていない。
【特許文献1】特開2004−183202号公報
【特許文献2】特開2003−247110号公報
【特許文献3】特開2001−55610号公報
【特許文献4】特開2000−234207号公報
【特許文献5】実開平1−165879号公報
【特許文献6】実開昭63−123613号公報
【特許文献5】実開昭61−159309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題点に鑑み、本発明は、一の被服で複数種類の着回しを可能とすることによって、複数バージョンのファッション性の異なる着回しを楽しむことができ、飽きがくることなく、さらには、自分の個性を存分に発揮することが可能な着回し自在被服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、略円形状生地と、該略円形状生地に縫付けられる筒状伸縮性生地と、同様に該略円形状生地に縫付けられる二つの略長方形状伸縮性生地とからなり、略円形状生地の中央部分に所定の径を有する孔が設けられるとともに、該孔に前記筒状伸縮性生地が縫付けられ、かつ、略円形状生地所定の外縁及びその対称外縁にそれぞれ前記略長方形状伸縮性生地が縫付けられ、該略長方形状伸縮性生地には縫付けた辺に対し略直交する一辺に少なくとも一以上の止め具を備えるとともに、かかる止め具を備えた辺と反対の辺には止め具受け部を備えた構成となっている。
【0007】
また、本発明は、前記略長方形状伸縮性生地が、着回し自在被服を折り畳んで略円形状生地所定の外縁に縫付けられた略長方形状伸縮性生地とその対称外縁に縫付けられた略長方形状伸縮性生地とを重ね合わせた際に、一方の略長方形状伸縮性生地に備えられた止め具と他方の略長方形状伸縮性生地に備えられた止め具受け部とが重なり合うように、略円形状生地に対して縫付けられている構成とすることができる。
【0008】
さらに、本発明は、前記略円形状生地の中心を通り且つ二つの略長方形状伸縮性生地の中心を結んだ線に直行する線上において、略円形状生地外縁の一方に止め具あるいは止め具受け部を備えるとともに、略円形状生地の中央部分を挟んでその対称側における孔の外縁付近の一方に止め具受け部あるいは止め具を備えた構成を採用することができる。
【0009】
またさらに、本発明は、前記略円形状生地の中心を通り且つ二つの略長方形状伸縮性生地の中心を結んだ線に直行する線上において、略円形状生地外縁の両方に止め具あるいは止め具受け部を備えるとともに、孔の外縁付近の両方に止め具受け部あるいは止め具を備えた構成とすることもできる。
【0010】
さらにまた、本発明は、二つの略半円形状生地を直線部分で縫い合わせることにより、前記略円形状生地を構成させることもできる。
【0011】
そしてまた、本発明は、前記略円形状生地、略半円形状生地、筒状伸縮性生地及び略長方形状伸縮性生地が、ニット生地である構成を採ることもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる着回し自在被服によれば、一の被服で複数種類の着回しをすることが可能となって、何度着てもその都度着回しパターンを変化することで、複数バージョンのファッション性の異なる着回しを楽しむことができ、同じ服を着用することによる飽きがなくなる。
【0013】
そしてまた、万が一他人が自分と同じ被服を着用していた場合であっても、着回しパターンによって異なるファッション性を創出することができるとともに、その場で簡単に着回しパターンを変更することも可能であって、自分の個性を存分に発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明にかかる着回し自在被服1は、一の被服で複数種類の着回しを可能とすることによって、複数バージョンのファッション性の異なる着回しを自在に楽しめることを最大の特徴とする。以下、本発明にかかる着回し自在被服1の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明にかかる着回し自在被服1の実施形態を示す展開図である。該着回し自在被服1は、略円形状生地2と、該略円形状生地2に縫付けられる筒状伸縮性生地4と、同様に該略円形状生地2に縫付けられる二つの略長方形状伸縮性生地5とから構成される。略円形状生地2の中央部分には、所定の径を有する孔3が設けられるとともに、該孔3には、前記筒状伸縮性生地4が縫付けられる。また、略円形状生地2所定の外縁及びその対称外縁には、それぞれ前記略長方形状伸縮性生地5が縫付けられる。そして、その略長方形状伸縮性生地5において、略円形状生地2に縫付けた辺n1に対し略直交する一辺n2に、少なくとも一以上の止め具6が備えられるとともに、かかる止め具6を備えた辺n2と反対の辺n3には、止め具受け部7が備えられている。
【0016】
略円形状生地2の中央部分に設けられる孔3の径については特に限定はないが、少なくとも人の頭が通過できる以上の径を有すればよい。また、その孔3に縫付けられる筒状伸縮性生地4の長さは、人の首H1の長さ以下あるいは折り畳んで首H1の長さ以下になる程度であればよい。さらに、略長方形状伸縮性生地5は、着回し自在被服1を折り畳んで略円形状生地2所定の外縁に縫付けられた略長方形状伸縮性生地5とその対称外縁に縫付けられた略長方形状伸縮性生地5とを重ね合わせて一つの筒状体を形成させた際に、該筒状体内に人の腰周りが収まる程度以上の幅を有するものとし、そしてまた、略円形状生地2から突出する長さは任意とする。またさらに、略長方形状伸縮性生地5に備えられる止め具6及び止め具受け部7の構造については特に限定はなく、ボタンとボタン受け孔3、フックとフック掛け等、種々の態様が考え得る。
【0017】
尚、図1に示すように、着回し自在被服1を折り畳んで略円形状生地2所定の外縁に縫付けられた略長方形状伸縮性生地5とその対称外縁に縫付けられた略長方形状伸縮性生地5とを重ね合わせた際に、一方の略長方形状伸縮性生地5に備えられた止め具6と他方の略長方形状伸縮性生地5に備えられた止め具受け部7とが重なり合うように、略長方形状伸縮性生地5を略円形状生地2に対して縫付ける構成も考え得る。すなわち、一方向から着回し自在被服1を見た場合に、一方の略長方形状伸縮性生地5に備えられた止め具6及び止め具受け部7と他方の略長方形状伸縮性生地5に備えられた止め具6及び止め具受け部7とが互い違いになるよう、略長方形状伸縮性生地5が略円形状生地2に対して縫付けられる態様である。かかる構成とすることで、着回し自在被服1を折り畳んだ際に、重ね合わされた二つの略長方形状伸縮性生地5における互いの止め具6と止め具受け部7とを止め合わせることによって、一つの筒状体を形成させることが可能となる。
【0018】
さらに、前記略円形状生地2の中心を通り且つ二つの略長方形状伸縮性生地5の中心を結んだ線に直行する線上において、略円形状生地2外縁に止め具8あるいは止め具受け部9を備えるとともに、孔3の外縁付近に止め具受け部9あるいは止め具8を備えた構成も考え得る。そしてかかる構成において、略円形状生地2外縁の一方に止め具8あるいは止め具受け部9を備えるとともに、孔3の外縁付近の一方に止め具受け部9あるいは止め具8を備えた構成とすることもできるし、また、略円形状生地2外縁の両方に止め具8あるいは止め具受け部9を備えるとともに、孔3の外縁付近の両方に止め具受け部9あるいは止め具8を備えた構成とすることもできる。図2は、かかる構成を採用した場合の本発明にかかる着回し自在被服1を示す展開図である。尚、一方にのみ止め具8及び止め具受け部9を備える構成を採る場合、孔3の外縁付近に備えられる止め具受け部9あるいは止め具8は、略円形状生地2の中央部分を挟んで該略円形状生地2外縁に備えられた止め具8あるいは止め具受け部9の対称側における孔3の外縁付近に備えられる。また、略円形状生地2外縁に止め具8を備えた場合には、孔3の外縁付近には止め具受け部9が備えられ、逆に略円形状生地2外縁に止め具受け部9を備えた場合には、孔3の外縁付近には止め具8が備えられることはいうまでもない。そしてまた、止め具8及び止め具受け部9の構造について特に限定がないことは、前記同様である。かかる構成とすることで、後に実施形態で説明するように、本発明にかかる着回し自在被服1の着回しのバージョンがさらに増すこととなる。
【0019】
本発明にかかる着回し自在被服1の略円形状生地2について、二つの略半円形状生地2a・2bを直線部分で縫い合わせることにより、該略円形状生地2を構成させること考え得る。図3は、かかる構成を採用した場合の本発明にかかる着回し自在被服1を示す展開図である。かかる構成とすることで、二つの略半円形状生地2a・2bが繋ぎ合わさって略円形状生地2に直線状の縫い目10が入ることとなって、かかる縫い目10が本発明にかかる着回し自在被服1における一種の装飾模様を構成することとなる。
【0020】
尚、上記各構成における各生地の材質については特に限定するものではなく、シルクや綿、毛糸、合成繊維等、種々の材質が考え得る。そして、筒状伸縮性生地4並びに略長方形状伸縮性生地5については、伸縮性を有するように形成されていればよい。また、これら略円形状生地2、略半円形状生地2a・2b、筒状伸縮性生地4、略長方形状伸縮性生地5の形成手段について特に限定はないが、一の実施形態としてニット生地とすることが考え得る。その際、これら略円形状生地2または略半円形状生地2a・2b、筒状伸縮性生地4、略長方形状伸縮性生地5のうち、いずれか一の生地のみをニット生地とすることも考え得るし、二以上の生地あるいは全部の生地をニット生地とすることも考え得る。
【0021】
次に、上記各構成からなる本発明にかかる着回し自在被服1の着回し着用例について、図4から図18に基づいて説明する。
【0022】
図4及び図5は、本発明にかかる着回し自在被服1の第一の着用例を示す説明図であり、図4は正面図、図5は背面図である。まず前記略円形状生地2を半分に折り畳む。その際、前記二つの略長方形状伸縮性生地5の中心を結んだ線に沿って折り畳む。そして、該略長方形状伸縮性生地5の重なり合った辺n2と辺n3に備えられている止め具6と止め具受け部7によって、略長方形状伸縮性生地5を筒状に繋ぎ止める。この状態とした着回し自在被服1は、折り畳まれた略円形状生地2の内側からその中心に設けられた孔3に頭と首H1を通し、また、筒状に繋ぎ止められた略長方形状伸縮性生地5内へ手と腕先H2を通して、図4並びに図5に示すような、胴回りを拘束しない斬新なデザインを奏する着用状態となる。
【0023】
図6及び図7は、上記同様、本発明にかかる着回し自在被服1の第一の着用例を示す説明図であり、図6は正面図、図7は背面図である。上記図4及び図5との違いは、縫い目10を有することである。すなわち、略半円形状生地2a・2bを縫い合わせて略円形状生地2を構成させた場合を示している。かかる構成を採用することで、図6並びに図7に示す通り、縫い目10がほどよいアクセントを奏する装飾模様を構成することとなる。
【0024】
図8及び図9は、本発明にかかる着回し自在被服1の第二の着用例を示す説明図であり、図8は正面図、図9は背面図である。前記同様、はじめに前記略円形状生地2を半分に折り畳む。その際、略円形状生地2の中心を通り且つ二つの略長方形状伸縮性生地5の中心を結んだ線に直行する線に沿って折り畳む。したがって、二つの略長方形状伸縮性生地5が互いに重なり合う状態となる。そして、略長方形状伸縮性生地5の互いに重なり合った辺n2・n3に備えられている止め具6と止め具受け部7とを繋ぎ止めることによって、二つの略長方形状伸縮性生地5が一つの筒状体として形成される。この状態とした着回し自在被服1は、折り畳まれた略円形状生地2の内側からその中心に設けられた孔3に頭と首H1を通し、また、一つの筒状体として形成された二つの略長方形状伸縮性生地5を胴回りに位置させて、図8並びに図9に示すような着用状態となる。その際、二つの略長方形状伸縮性生地5における互いの止め具6と止め具受け部7が両脇腹部分に配置されることとなる。そして、略円形状生地2の縁部が末広がりとなった斬新なデザインを奏する。
【0025】
図10及び図11は、本発明にかかる着回し自在被服1の第三の着用例を示す説明図であり、図10は正面図、図11は背面図である。前記同様、まず前記略円形状生地2を半分に折り畳む。その際、前記二つの略長方形状伸縮性生地5の中心を結んだ線に沿って折り畳む。そして、該略長方形状伸縮性生地5の重なり合った辺n2と辺n3に備えられている止め具6と止め具受け部7によって、略長方形状伸縮性生地5を筒状に繋ぎ止める。さらに、重なり合った略円形状生地2のうち一枚を、重なり合わせた反体面に折り返し、その略円形状生地2外縁に備えられた止め具8あるいは止め具受け部9と、略円形状生地2の中央部分を挟んでその対称側における孔3の外縁付近に備えられた止め具受け部9あるいは止め具8とを繋ぎ止める。この状態とした着回し自在被服1は、折り畳まれた略円形状生地2を背中から前方へ包み込むように巻き込み、筒状に繋ぎ止められた略長方形状伸縮性生地5内へ手と腕先H2を通すことにより、図10並びに図11に示すような、全体としてショールを羽織ったイメージに近いながらも斬新なデザインを奏する着用状態となり、特に図11に示すように、後ろからみて非常に斬新なデザインを奏する着用状態となる。
【0026】
図12及び図13は、本発明にかかる着回し自在被服1の第四の着用例を示す説明図であり、図12は正面図、図13は背面図である。前記同様、まず前記略円形状生地2を半分に折り畳む。その際、前記二つの略長方形状伸縮性生地5の中心を結んだ線に沿って折り畳む。そして、該略長方形状伸縮性生地5の重なり合った辺n2と辺n3に備えられている止め具6と止め具受け部7によって、略長方形状伸縮性生地5を筒状に繋ぎ止める。さらに略円形状生地2を、折り畳んだ長手方向と平行に束ね合わせあるいは折り畳む等、一本の帯状体にまとめあげる。この状態とした着回し自在被服1は、首H1の周りに巻きつけることによって、図12並びに図13に示すように、フリンジのついたマフラーを巻いているようなイメージの着用状態となる。
【0027】
図14は、本発明にかかる着回し自在被服1の第五の着用例を示す説明図である。前記同様、はじめに前記略円形状生地2を半分に折り畳む。その際、略円形状生地2の中心を通り且つ二つの略長方形状伸縮性生地5の中心を結んだ線に直行する線に沿って折り畳む。したがって、二つの略長方形状伸縮性生地5が互いに重なり合う状態となる。そして、略長方形状伸縮性生地5の互いに重なり合った辺n2・n3に備えられている止め具6と止め具受け部7とを繋ぎ止めることによって、二つの略長方形状伸縮性生地5が一つの筒状体として形成される。この状態とした着回し自在被服1は、折り畳まれた略円形状生地2の中心に設けられた孔3から脚H3を通して筒状伸縮性生地4を胴回りに位置するように配置し、また、一つの筒状体として形成された二つの略長方形状伸縮性生地5内に脚H3を通すことによって、図14に示すような、独創的なデザインのスカート着用状態となる。尚、かかる着用態様における略円形状生地2の中心に設ける孔3の径は、少なくとも人の臀部回りが通過できる以上の径を有することとなる。
【0028】
図15は、本発明にかかる着回し自在被服1の第六の着用例を示す説明図である。はじめに、略円形状生地2に縫付けられた二つの略長方形状伸縮性生地5のうち、一方の略長方形状伸縮性生地5における辺n2と他方の略長方形状伸縮性生地5における辺n3とを結ぶ線に沿って、略円形状生地2を折り畳む。そしてさらに、二つの略長方形状伸縮性生地5が互いに重なるように略円形状生地を折り畳み、その重なり合った略長方形状伸縮性生地5の互いの辺n2・n3に備えられている止め具6と止め具受け部7とを繋ぎ止めることによって、着回し自在被服1全体が一つ筒状体として形成される。この状態とした着回し自在被服1は、最初に折り畳んだ辺を胴回りに位置させ、かつ、略長方形状伸縮性生地5を腰脇に位置するように配置して、形成された筒状体内に脚H3が通されることによって、図15に示すような、斜めに大きくカットされたイレギュラーヘムラインを形成するスカート着用状態となる。
【0029】
図16から図18は、本発明にかかる着回し自在被服1の第七の着用例を示す説明図であり、図16及び図17は正面図、図18は背面図である。前記同様、略円形状生地2に縫付けられた二つの略長方形状伸縮性生地5のうち、一方の略長方形状伸縮性生地5における辺n2と他方の略長方形状伸縮性生地5における辺n3とを結ぶ線に沿って、略円形状生地2を折り畳む。そしてさらに、二つの略長方形状伸縮性生地5が互いに重なるように略円形状生地を折り畳み、その重なり合った略長方形状伸縮性生地5の互いの辺n2・n3に備えられている一方あるいは両方の止め具6と止め具受け部7とを繋ぎ止めることによって、着回し自在被服1全体が一つ筒状体として形成される。その際、両方の止め具6と止め具受け部7とを繋ぎ止めた場合は図16に、一方の止め具6と止め具受け部7とを繋ぎ止めた場合は図17に示すような状態となる。この状態とした着回し自在被服1は、形成された筒状体に首H1を通して最初に折り畳んだ辺を肩に掛けるように位置させ、かつ、略長方形状伸縮性生地5を胸の正面に位置するように配置することによって、図16から図18に示すような、斬新でファッション性の高いショールを羽織ったイメージの着用状態となる。
【0030】
尚、以上説明した着用例はあくまで例示であり、本発明にかかる着回し自在被服1によれば、着用者個々人の創作的思考により、略円形状生地2の折り畳み方や止め具6・8と止め具受け部7・9の使い方等如何によって、上記以外にも種々個性的な着用例を見出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明にかかる着回し自在被服の一の実施形態を示す展開図である。
【図2】本発明にかかる着回し自在被服の他の実施形態を示す展開図である。
【図3】本発明にかかる着回し自在被服の他の実施形態を示す展開図である。
【図4】本発明にかかる着回し自在被服の第一の着用例を示す正面図である。
【図5】本発明にかかる着回し自在被服の第一の着用例を示す背面図である。
【図6】本発明にかかる着回し自在被服の第一の着用例を示す正面図である。
【図7】本発明にかかる着回し自在被服の第一の着用例を示す背面図である。
【図8】本発明にかかる着回し自在被服の第二の着用例を示す正面図である。
【図9】本発明にかかる着回し自在被服の第二の着用例を示す背面図である。
【図10】本発明にかかる着回し自在被服の第三の着用例を示す正面図である。
【図11】本発明にかかる着回し自在被服の第三の着用例を示す背面図である。
【図12】本発明にかかる着回し自在被服の第四の着用例を示す正面図である。
【図13】本発明にかかる着回し自在被服の第四の着用例を示す背面図である。
【図14】本発明にかかる着回し自在被服の第五の着用例を示す説明図である。
【図15】本発明にかかる着回し自在被服の第六の着用例を示す説明図である
【図16】本発明にかかる着回し自在被服の第七の着用例を示す正面図である。
【図17】本発明にかかる着回し自在被服の第七の着用例を示す正面図である。
【図18】本発明にかかる着回し自在被服の第七の着用例を示す背面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 着回し自在被服
2 略円形状生地
2a 略半円形状生地
2b 略半円形状生地
3 孔
4 筒状伸縮性生地
5 略長方形状伸縮性生地
6 止め具
7 止め具受け部
8 止め具
9 止め具受け部
10 縫い目
H1 首
H2 腕先
H3 脚
n1 略円形状生地への縫付け辺
n2 n1に略直交する一辺
n3 n2の対称辺



【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円形状生地と、該略円形状生地に縫付けられる筒状伸縮性生地と、同様に該略円形状生地に縫付けられる二つの略長方形状伸縮性生地とからなり、略円形状生地の中央部分に所定の径を有する孔が設けられるとともに、該孔に前記筒状伸縮性生地が縫付けられ、かつ、略円形状生地所定の外縁及びその対称外縁にそれぞれ前記略長方形状伸縮性生地が縫付けられ、該略長方形状伸縮性生地には縫付けた辺に対し略直交する一辺に少なくとも一以上の止め具を備えるとともに、かかる止め具を備えた辺と反対の辺には止め具受け部を備えたことを特徴とする着回し自在被服。
【請求項2】
前記略長方形状伸縮性生地が、着回し自在被服を折り畳んで略円形状生地所定の外縁に縫付けられた略長方形状伸縮性生地とその対称外縁に縫付けられた略長方形状伸縮性生地とを重ね合わせた際に、一方の略長方形状伸縮性生地に備えられた止め具と他方の略長方形状伸縮性生地に備えられた止め具受け部とが重なり合うように、略円形状生地に対して縫付けられていることを特徴とする請求項1に記載の着回し自在被服。
【請求項3】
前記略円形状生地の中心を通り且つ二つの略長方形状伸縮性生地の中心を結んだ線に直行する線上において、略円形状生地外縁の一方に止め具あるいは止め具受け部を備えるとともに、略円形状生地の中央部分を挟んでその対称側における孔の外縁付近に止め具受け部あるいは止め具を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着回し自在被服。
【請求項4】
前記略円形状生地の中心を通り且つ二つの略長方形状伸縮性生地の中心を結んだ線に直行する線上において、略円形状生地外縁の両方に止め具あるいは止め具受け部を備えるとともに、孔の外縁付近両方に止め具受け部あるいは止め具を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着回し自在被服。
【請求項5】
二つの略半円形状生地を直線部分で縫い合わせることにより、前記略円形状生地を構成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の着回し自在被服。
【請求項6】
前記略円形状生地または略半円形状生地、筒状伸縮性生地、略長方形状伸縮性生地のうち、いずれか一以上がニット生地であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の着回し自在被服。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−214021(P2006−214021A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26218(P2005−26218)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(595149656)大島メリヤス株式会社 (1)