説明

着弾マーキングベスト

【課題】部隊対部隊の模擬射撃訓練中の向上した教育を可能にする実際の着弾点及び方向性評価で役立つ、着弾マーキングベストを提供する。
【解決手段】着弾マーキングベストは、取付具130、被覆層140、基材層210、及び基層150から形成されるターゲット面220を備える。被覆層と基層は異なる色を有する。被覆層が、殺傷力のない銃器から発射された発射物の衝撃を受けた点で剥がれ落ちて基層を露出させ、発射物の着弾点を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺傷力のない銃器(non-lethal firearm)から発射された発射物(projectile) の着弾点(point of impact)を示すための器具に関する。特に、本発明は、部隊対部隊(force-on-force)の模擬射撃訓練中の向上した教育(instruction)を可能にする実際の着弾点及び方向性評価で役立つ、従来の防弾ベスト(ballistics vest)に付加するものに関する。
【背景技術】
【0002】
過去10年間、警察当局及び軍隊では、部隊対部隊(FOF)訓練、又は実戦に基づいた殺傷力のある武器のシミュレーション訓練が、必須の訓練方法として定着してきた。一般的に、FOF訓練は、6mm又は8mm径のプラスチック弾を発射する殺傷力のないマーキングタイプ又はレプリカタイプの銃器で武装し且つ演習する参加者(role playing participant)を参加させる。訓練の過程では、アドレナリンの上昇した状態で職分を果たし且つ死に至る可能性がある対立下を生き残るように参加者らをよりよく訓練するために、参加者らの反応及び戦術が分析され見直される。
【0003】
通常、FOF訓練シミュレーションは、次の2つの基本的なタイプからなる装備、すなわち、塗料が充填されたマーキング弾(marking cartridge)を発射するように変更が加えられた銃器、又は一般に「エアソフト」ガンと称されるプラスチック球(BB弾)を撃つレプリカからなる装備を必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本発明の幾つかある実施の形態は、防弾ベスト(ballistic vest)上の着弾点及び着弾角度を示すのに用いる着弾マーキングベスト(IMV)システムを提供することによって、上記の要求事項及び他の要求事項に応えるものである。
【0005】
一実施の形態では、本発明は、次の着弾マーキングベストとして特徴付けることができる。この着弾マーキングベストは、可撓性を有する材料を含み且つ三次元的(3D)ターゲット面を形成する基材層(backing layer)と、基材層の外部表面の少なくとも一部を覆うように基材層に接着され且つ第1の色を有する基層(substrate layer)と、基層上に配置されると共に基層の外部表面全体を実質的に覆い且つ基層の第1の色とは異なる第2の色である被覆層と、基材層に接続されると共に防弾ベストに取り付けられるように構成された取付具(attachment device)とを備える。
【0006】
別の実施の形態では、本発明は、次の着弾マーキング防弾ベストを形成する方法として特徴付けることができる。この方法は、可撓性を有する材料を含む基材層を三次元的(3D)ターゲット面に形成するステップと、基層を、基材層の外部表面の少なくとも一部を覆うように基材層に接着するステップとを含み、上記接着するステップでは、基層が第1の色を有している。この方法はさらに、被覆層を、基層の外部表面積を実質的に覆うように基層上に配置するステップと、取付具を基材層に固定するステップとを含み、上記配置するステップでは、被覆層が基層の第1の色とは異なる第2の色であり、上記固定するステップでは、取付具が防弾ベストに取り付けられるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態による、防弾ベストと一緒に組み合わせられた(cooperated together)着弾マーキングベストの斜視図である。
【図2】図1の着弾マーキングベストの斜視図である。
【図3】基材層、基層及び基層から形成されるターゲット面で構成される着弾マーキングベストを形成するのに用いられる背部パネルの概略図である。
【図4】基材層、基層、ターゲット面、接着剤塗布部及び被覆層と共に図3の背部パネルを示す図である。
【図5】基材層、基層及び基層から形成されるターゲット面を有する着弾マーキングベストを形成するのに用いられる側部パネルの概略図である。
【図6】基材層、基層、基層から形成されるターゲット面及び被覆層と共に図5の側部パネルを示す概略図である。
【図7】着弾マーキングベストを形成するのに用いられる完全な形のパネルの二次元的概略図である。
【図8】被覆層、基層及び基材層を含む着弾マーキングベストを構成する各層の断面図である。
【図9】接着剤パッチ塗布部及び被覆パッチ層を有する被覆層パッチ体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明は、限定する意味で解釈されるべきではなく、単に例示的な実施形態の一般的原理を記載する目的でなされる。本発明の範囲は、特許請求の範囲を参照して判断されるべきである。
【0009】
マーキング弾システムの広く認識されている欠点には、マーキング弾の弾薬の一発あたりの単価が高いこと、及び安全手順の強化に対する要求が増大していることが含まれている。例えば、変更が加えられた銃器を用いることによって、実銃器(live firearms)をマーキング弾の弾薬を用いて機能するように改造する参加者があらわれ、実弾及び十分に機能する銃器が訓練環境に導入されてしまう可能性が高まるという危険性が引き起こされる。エアソフトガン及びプラスチックBB弾を使用することは、シミュレーション訓練の費用を軽減する役割を果たすが、プラスチックBB弾は、演習者(role player)への着弾又は着弾角度の確認に必要なマーキング表示を提供することができない。
【0010】
ここで図1を参照すると、取付具130、被覆層140、及び基層150から形成されたターゲット面を備える着弾マーキングベスト(IMV)120と共に防弾ベスト110が示されている。
【0011】
一実施形態では、防弾ベスト110は、ユーザーの身体の上に重なり且つ防弾ベストとして機能することができる保護ベストシステムである。好ましい実施形態では、防弾ベスト110は、ユーザーの上半身領域又は胴領域を覆うように構成され、そしてユーザーの腕、首及び胴のための穴を有する。しかしながら、代替の実施形態では、防弾ベスト110は、ユーザーの身体の本質的にはいずれの部分を覆うような形としても又は構成としてもよい。防弾ベスト110は、ユーザーの身体との協働を容易にするために、1つ以上の固定具を有することができる。例を目的とすると、防弾ベスト110は、限定はされないが次のような固定手段を有することができ、この固定手段は、紐、弾性のある紐、留め金具、ジッパー、ボタン、磁気的手段、接着手段、又は、ベルクロ(登録商標)(VELCRO)若しくは機能的に同等物のようなマジックテープ(登録商標)型の固定具などである。防弾ベスト110は、1つ以上の層で構成することもできるが、好ましい実施形態では、防弾ベスト110は1つの可撓性を有し且つ耐衝撃性のある材料で構成されることになる。例を目的とすると、防弾ベスト110は、プラスチック、又は、ケブラー(登録商標)(Kevlar)、ナイロン若しくは綿の織物からなる自由に浮動する(free-floating)層で構成することができる。
【0012】
好ましい一実施形態では、着弾マーキングベスト(IMV)120は、このIMV120が防弾ベスト110の外側表面全体を実質的に覆うように、取付具130を介して防弾ベスト110と機械的に一緒に組み合わせられる(cooperated with)。この構成では、IMV120と共に防弾ベスト110を着用しているユーザーの胴は、防弾ベスト110が単独で着用されている場合と実質的に同じ領域にわたってIMV120によって覆われることになる。好ましい一実施形態では、IMV120を防弾ベスト110に固定するために用いられる取付具130は、ベルクロ(登録商標)又は機能的に同等物のようなマジックテープ(登録商標)型の固定具を有する。しかしながら、IMV120と防弾ベスト110との間で協働させることは、限定はされないが次のようなものを含む事実上任意の好適な固定手段を用いて達成することができ、上記固定手段は、紐、弾性のある紐、留め金具、ジッパー、ボタン、磁気的手段、接着手段、又はベルクロ(登録商標)若しくは機能的に同等物のようなマジックテープ(登録商標)型の固定具などを含む。
【0013】
代替の実施形態では、IMV120は、ワイヤーフレーム又はバリスティックナイロンの保持具のような運搬具(carrying device)(図示せず)を介して防弾ベスト110と機械的に一緒に組み合わせることができる。この実施形態では、IMV120は、IMV120の少なくとも一部が外側表面上で露出するように運搬具と一緒に組み合わせることができる。IMV120が防弾ベスト110と共に着用されるか又は単独で着用されるかに関係なく、IMV120の外側表面は三次元的(3D)ターゲット面を効果的に形成する。
【0014】
また別の実施形態では、IMV120は、防弾ベスト110を全く用いることなく着用することができる。例えば、IMV120は、それのみで着用されてもよく、又はユーザーの衣類の上から着用されてもよい。実施形態によっては、取付具130は、ユーザーの衣類製品と協働するように構成されてもよく、又はユーザーの衣類製品に付着させるように構成されてもよい。他の実施形態では、取付具130は、衣類又は防弾ベスト110との機械的な協働がIMV120の効果的な使用には不要であるように、ユーザーの身体の一部と協働するように構成することができる。
【0015】
以下でさらに詳細に説明するように、IMV120は、下にある基層150の頂部に配置される被覆層140で構成され、それによって、ターゲットの意匠は、基層150の領域が被覆層140で覆い隠されていないことによって(基層150の露出した領域によって)形成されている。一実施形態では、基層150は紙又はプラスチック材料で構成することができる。代替の実施形態では、基層はプラスチックフィルムで構成することができるが、基層は、基層150と被覆層140との間のコントラストによる差異を表すのに好適な本質的には任意の材料で構成することができる。
【0016】
実施形態によっては、被覆層140は、下にある基層150が直接には見えず且つターゲットのパターンが認識できないように基層150を完全に覆ってもよい。そのかわりとして、ターゲットの意匠は、被覆層140内若しくは被覆層140上とするか、又は基層150内若しくは基層150上とすることができる(そして、被覆層140によって覆い隠されるか、又は被覆層140によって覆い隠されていない基層150の領域と位置が合わせされる)。ターゲットの模様が、同心円の模様(すなわちターゲット意匠)を含んでいてもよく、又は、ターゲットの模様が、ターゲットがより露出し且つ腋窩などのユーザーの防弾ベストによって保護され得ない領域のような非常に重要なターゲット位置を示してもよい。
【0017】
使用中、一緒になった防弾ベスト110及びIMV120の組み合わせ体を着用しているユーザーは、IMV120の外側表面によって効果的に覆われることになる。よって、模擬訓練用銃器と併せて用いる場合、IMV120の外側表面上に配置されている被覆層140は、銃弾の衝撃(ballistic impact)を受けた時に剥がれ落ち、下にある基層150を露出させることになる。好ましい実施形態では、被覆層140は、IMV120に対する着弾方向及び着弾点が第三者によって容易に確かめられるように明るい色の基層150と明暗を有するために、暗い色又は暗い色素からなることになる。実施形態によっては、被覆層140は、黒、艶消しの黒、艶消しのオリーブドラブ又はアースカラーとすることができ、そして、基層150は、明るい橙色、黄色又は緑色とすることができる。しかしながら、被覆層140及び基層150の色合いは、基層150と被覆層140との間に目に見えるコントラストをもたらす任意の組み合わせとすることができる。代わりとして、このコントラストは、可視スペクトル領域では目に見えないが、例えば赤外線スペクトル領域では検出可能であるか、又は例えば被覆層140ではなく露出した基層150の例えば蛍光発光を生じさせるように選択された照射源の下で検出可能であってもよい。
【0018】
好ましい実施形態では、IMV120は、6mm又は8mm径のプラスチックBB弾を発射する殺傷力のないマーキング用銃器又はレプリカの銃器(例えば「エアソフト」ガン)と併せて用いられることになる。しかしながら、IMV120は、IMV120の外側表面上の被覆層140を除去するのに好適な任意の銃器/銃器のレプリカ又は銃弾と共に用いることができると考えられる。
【0019】
ここで図2を参照すると、取付具130、被覆層140、基材層210、及び基層150から形成されるターゲット面220を備えるIMV120のより詳細な斜視図が示されている。
【0020】
好ましい一実施形態では、基材層210は、三次元的なベストの形状で構成され、IMV120の内側表面を形成している。例えば、基材層210は、ユーザーの身体の湾曲に適合する薄膜高密度発泡体で構成することができる。代替の実施形態では、基材層は、実質的に任意の好適な可撓性及び/又は剛性を有する材料を含むことができる。しかしながら、好ましい実施形態では、基材層210は、以下でさらに説明するように被覆層140が剥がれ落ちることを容易にする半貫通可能な材料で構成されることになる。
【0021】
使用中、基層150は、基材層210の外側表面の全て又は一部を覆うように、接着剤塗布を用いて(以下でさらに詳細に説明するようにして)基材層210上に配置されている。次いで、基層150の外側表面は、被覆層140がないことで露呈する基層150の目に見える部分(又は上述したように他の方法で識別可能な部分)によってターゲット面220が画定されるように、被覆層140で覆われている。代替の実施形態では、被覆層140は、基層150の外側表面全体を覆ってもよく、又は実質的に任意の所望の模様若しくは意匠を形成するように基層150の任意の断片的な部分(fractional portion)を覆ってもよい。次いで、取付具130は、基材層210に固定されており、上記の図1に示されるような防弾ベスト110に取り付けられるように構成されている。
【0022】
ここで図3を参照すると、ターゲット面220を形成する基層150と共にIMV120の背部パネル310の2D(二次元的)概略図が示されている。好ましい一実施形態では、基層150は、結果として生じるターゲット面220が背部パネル310の一部しか覆わないように構成されている。しかしながら、代替の実施形態では、基層150は、結果として生じるターゲット面220が背部パネル310の表面積の実質的に所望のいずれの部分も覆うようにサイズが決められてもよい。
【0023】
ここで図4を参照すると、IMV120の背部パネル310の2D(二次元的)切欠図が示されている。背部パネル310は、基材層210、基層150、接着剤塗布部410及び被覆層140を備えている。好ましい実施形態では、接着剤塗布部410は、感圧接着剤で構成されている。実施形態によっては、接着剤塗布部410は、基層150を基材層210に取り外し可能に貼り付けることができるように、基層における被覆層140とは反対側の面上に配置される。代替の実施形態では、接着剤塗布部410は、基層150を取り外し可能に貼り付けるという同様の目的を達成するために基材層210の外側表面上に配置することができる。
【0024】
実際には、接着剤塗布部410は、基材層210に貼り付けられる基層150の各部分での簡便な取り替えを可能にする。この特徴によって、ユーザーは、基層150における使用済み又は着用済みの部分が新しくなった被覆層140を含んだ新しい基層部分150と容易に交換することができるように、IMV120の外側表面の変更/取り替えを容易に行うことが可能となる。
【0025】
ここで図5を参照すると、基層150によって画定されるターゲット面520と共に側部パネル510の概略図が示されている。側部パネル510は、IMV120の側面部分及び前面部分を形成している。
【0026】
好ましい一実施形態では、IMV120が防弾ベスト110と一緒に組み合わせられたとき、図5に示されるターゲット面520は、ユーザーの胴の周りに巻き付いて防弾ベスト110の脇の下の部分及び胸の部分を覆うように構成されることになる。ターゲット面520をこの特定の位置に位置決めすることによって、FOFの参加者に対して、実際の又は模擬の銃撃戦への参加時に脇の下の領域及び胸の領域の露出を避けるように指示するのを容易にすることができる。代替の実施形態では、基層150は、IMV120の外側表面に対して本質的には所望のいかなる位置又は配置でもターゲット面520を作り出すように構成されてよい。
【0027】
ここで図6を参照すると、被覆層140、基材層210、及びターゲット面520を形成するための基層150と共に、図5の側部パネルが示されている。好ましい実施形態では、被覆層140は、下にある基層150の帯が、被覆層140が存在しない領域によって露呈するように、基層150の一部のみを覆っている。基層150のこの露呈した部分は、IMV120の外側表面上において目で識別することができるターゲット面520の境界を画定している。しかしながら、ターゲット面520の境界が目で識別可能であるが、ターゲット面520の大部分は被覆層140によって覆い隠されたままである。代替の実施形態では、被覆層140は、下にあるターゲット面520が全体的に覆い隠されるように、基層150の実質的に表面全体を覆ってもよい。
【0028】
実際には、側部パネル510は、IMV120の側部を形成するように構成されている。そのような構成では、ターゲット面520は、参加者の腕の下からIMV120の中央の胸の部分への領域にわたる三次元的(3D)表面を形成することになる。代替の実施形態では、ターゲット面は、IMV120の実質的に任意の部分上に位置してよく、そしてIMV120の外側表面積全体又は外側表面積の任意の部分を覆ってもよい。
【0029】
ここで図7を参照すると、基材層210を含む完全な形のパネル710の概略的な(2D[二次元的な])図が示されている。実際には、完全な形のパネル710における基材層210は、図1及び図2に関して上述したように、IMV120を形成するのに用いる三次元的なベスト形状に形づくられる。しかしながら、代替の実施形態では、基材層210は、衝撃を受けた事実を記録するのに用いる2D(二次元的)又は3D(三次元的)ターゲット面を生み出すべき本質的には任意の形状を形成するように構成されてよい。
【0030】
ここで図8を参照すると、被覆層140、基層150、接着剤塗布部410及び基材層210を備えるIMV120の断面図が示されている。一実施形態では、IMV120の構造は、図8に示されるように、接着された被覆層140と、基層150と、基材層210とによって形成されている。好ましい一実施形態では、接着剤塗布部410は、接着面が基材層210の外側表面上に形成されるように、基材層210に恒久的に固定される。この構成では、基層150は、接着剤塗布部410の接着面を介して基材層210に取り外し可能に接着することができる。代替の実施形態では、接着剤塗布部410は、基層150における被覆層140とは反対側の下面上に恒久的に配置されることが可能である。
【0031】
実際には、被覆層140は、銃弾の衝撃を受けた時に剥がれ落ち、下にある基層150を露出させるように構成されている。好ましい一実施形態では、基層150は、被覆層の暗い色(例えば黒、艶消しの黒、艶消しのオリーブドラブ又はアースカラー)と比べて容易にコントラストをなすことができる明るい色(例えば明るい橙色又は黄色)で構成される。しかしながら、被覆層140及び基層150は、互いから(目で見て又は別の方法で)区別しやすい実質的には任意の材料で構成することができる。このコントラストをなす配色を用いると、ユーザーは、下にある基層150を露出させるように被覆層140が剥がれ落ちてしまっているIMV120表面上の場所を識別することによって、銃弾の衝撃を受けた点又はその角度を視覚的に識別することができる。
【0032】
IMV120が銃弾の衝撃を受けた後、IMV120の外側表面上の被覆層140を新しくすることが望ましい。好ましい実施形態では、新たな被覆層140は、下にある基層150を、新たな被覆層140を含む新たな基層と単に取り替えることによって、IMV120に加えることができる。一実施形態では、基層150は、被覆層140とは反対側に配置される接着剤塗布部410を含む。この構成では、基層150は、ユーザーが簡単に取り替えるために使用済みの基層150及び接着剤塗布部410を剥離することができるように、基材層210に取り外し可能に貼り付けられることができる。
【0033】
ここで図9を参照すると、被覆パッチ層930及び接着剤パッチ塗布部920を含む被覆層パッチ体910の切欠図が示されている。被覆層パッチ体910の被覆パッチ層930は、IMV120に関して上述した被覆層140と同様のものである。被覆層パッチ体910は、一方の面に被覆パッチ層930を備えると共に、反対側の面に接着剤パッチ塗布部920を備えている。好ましい実施形態では、被覆層パッチ体は、直径が約1インチ(約2.54cm)の円形形状であるということになるが、代替の実施形態では、被覆層パッチ体は実質的に任意の形状又はサイズであってもよい。
【0034】
実際には、被覆層パッチ体910を用いて、IMV120の被覆層140をタッチアップすることができる。例えば、被覆層パッチ体910は、銃弾の衝撃を受けたことに起因して剥がれ落ちてしまったIMV120の被覆層140の各部分を覆うように用いることができる。そのため、被覆層パッチ体910は、基層150全体を取り替える必要なくIMV120の外側表面を修復するための迅速且つ安価な方法を提供する。
【0035】
上述は本発明の好ましい実施形態の全面的な説明であるが、種々の代替形態、変更形態及び均等物を用いることが可能である。従って、本発明の範囲は、上述の説明を参照して判断されるべきではなく、添付の特許請求の範囲を、それらの均等物の全ての範囲と併せて参照することによって判断されるべきである。好ましいか否かにかかわらず本明細書において記載されたあらゆる特徴は、好ましいか否かにかかわらず本明細書において記載された任意の他の特徴と組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着弾マーキングベストにおいて、
可撓性を有する材料を含み、三次元的(3D)ターゲット面を形成する基材層と、
前記基材層の外部表面の少なくとも一部を覆うように前記基材層に接着され、第1の色を有する基層と、
前記基層上に配置されると共に前記基層の外部表面全体を実質的に覆う被覆層であって、前記基層の前記第1の色とは異なる第2の色である被覆層と、
前記基材層に接続されると共に防弾ベストに取り付けられるように構成された取付具と
を備える着弾マーキングベスト。
【請求項2】
前記防弾ベストをさらに備え、前記防弾ベストが前記基材層と機械的に一緒に組み合わせられる請求項1に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項3】
前記基材層が、前記防弾ベストの外側表面の少なくとも一部を覆うように構成された請求項1に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項4】
前記基材層が、前記防弾ベストの前記外側表面に適合するような形状である請求項3に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項5】
前記基層がターゲット意匠を形成する請求項1に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項6】
前記被覆層が剥がれ落ちる被覆である請求項1に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項7】
前記被覆層が、銃弾の衝撃を受けた点で剥がれ落ちて前記基層を露出させるようにさらに構成された請求項6に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項8】
前記被覆層の前記第2の色が、(i)黒色、(ii)艶消しのオリーブドラブ色、又は(iii)アースカラーのうちの1つである請求項1に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項9】
前記基層が前記被覆層とは異なる色である請求項8に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項10】
前記取付具がフック状ファスナーを含む請求項1に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項11】
前記取付具がループ状ファスナーを含む請求項1に記載の着弾マーキングベスト。
【請求項12】
着弾マーキング防弾ベストを形成する方法であって、
可撓性を有する材料を含む基材層を三次元的(3D)ターゲット面に形成するステップと、
基層を、前記基材層の外部表面の少なくとも一部を覆うように前記基材層に接着するステップであって、前記基層が第1の色を有するステップと、
被覆層を、前記基層の外部表面積を実質的に覆うように前記基層上に配置するステップであって、前記被覆層が前記基層の前記第1の色とは異なる第2の色であるステップと、
取付具を前記基材層に固定するステップであって、前記取付具が防弾ベストに取り付けられるように構成されたステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記基材層が、前記基材層を前記基層に接着するのに用いる接着剤塗布部をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基層が、前記基層を前記基材層に接着するのに用いる接着剤塗布部をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記取付具を用いて前記基材層を前記防弾ベストに取り付けるステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記基材層が、前記防弾ベストの外側表面の少なくとも一部を覆うように構成された請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記被覆層が、銃弾の衝撃を受けた点で剥がれ落ちて前記基層を露出させるように構成された請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記基層がターゲット意匠を形成する請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記取付具がフック状ファスナーを含む請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記取付具がループ状ファスナーを含む請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−181004(P2012−181004A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−4246(P2012−4246)
【出願日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【出願人】(512009816)アペックス・タクティカル・スペシャルティーズ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】APEX TACTICAL SPECIALTIES, INC.
【住所又は居所原語表記】715 Santa Maria Avenue, Suite D, Los Osos, California 93402, United States of America