説明

着用物を製作するための丸編管体、および、縫い目なし丸編着用物を製作する方法

【課題】中央部分に帯部分を有し、上側および下側部分が単層の布である衣服と、その製造方法とを提供すること。
【解決手段】上側部分10と、下側部分20と、前記上側部分10と前記下側部分20との間の連結部の帯部分30とからなる一般に管状の丸編み衣服8を構成する。丸編み衣服8において、帯部分30には、電子装置200が収容され、電子装置200は、たとえば、電極システム32を介して、衣服装着者の心電信号を受け、それを心電状態を示す信号に変換して外部に発信し、その信号を受信することによって、衣服装着者の心電状態を知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用物を製作するための丸編管体、および、縫い目なし丸編着用物を製作する方法に関し、特に、布地電極を含むようになっている帯部分を有する着用物とこうした着用物を製作する方法に関する。すなわち、本発明は、特に、継目なし丸編により形成されるとともに、着用者の胴部のまわりにぴったりとフィットする帯部分を有する着用物または衣服において、前記帯部分は、着用者の生体生理学的信号等の信号を監視する布地電極または電極システムを有する着用物または衣服に関する。電極に加えて、センサ、コネクタおよび電線等のその他の部品が、前記帯部分内または帯部分上に内蔵されうる。
【背景技術】
【0002】
コーニンクレッカ・フィリップス・エレクトロニクスN.V.(Koninklijke Philips Electronics N.V.)に譲渡された米国特許出願(下記特許文献1に記載)に、衣服そのものより一般に小さい寸法のセンサ帯を有するルーズフィット形衣服が開示されている。このセンサ帯は弾性を有して、使用者の身体にぴったりと沿う一方で、衣服の残りの部分は相対的にゆったりしている。このセンサ帯は、該帯内に内蔵されるセンサ電極を着用者の身体に当接させて保持する。センサ帯は、衣服の編成工程において編み針を変更して丸編の管体直径を小さくすることによって形成される高弾性かつ可撓性の帯ひもまたは連結部分により衣服の残りの部分に取り付けられ、編成作業の時間と複雑さとがさらに有意に増加する。
【0003】
継目なし丸編生地は、丸編生地の1個以上の縁部または耳において帯部分またはつぎ目部分を備えて形成されてきた。帯部分は、一般に、装飾、補強または着用中の衣服の支持またはこれらの何らかの組合せに用いられる二つ折り縁部である。サラ・リー社(Sara Lee Corporation)に譲渡された米国特許(下記特許文献2に記載)に、下側帯部分を有する丸編ブラジャー構造が示されている。アルバ・ウォルデンシアン社(Alba-Waldensian, Inc.)に譲渡された米国特許(下記特許文献3に記載)には、ブラジャーの下側縁部に一体編成の円筒状つぎ目部分または帯部分を有するまた他のブラジャー構造が示されている。
【特許文献1】米国特許出願第2006/0117805号公報
【特許文献2】米国特許第6,886,367号公報
【特許文献3】米国特許第6,178,784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで、完成品のニット衣料の中央部分に帯部分として残留することを意図される一体編成の帯部分を編地の中央部分に配置して形成する方法は知られていなかった。特に、衣服の上側および下側部分が単層の布である衣服の中央部分に帯部分を形成する方法は、示されていなかった。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、特に、中央部分に帯部分を有し、上側および下側部分が単層の布である衣服と、その製造方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては、上記課題を解決するために、請求項1に記載のように、
着用物を製作するための丸編管体において、前記着用物は、第1および第2の管状端部を有する第1の単層管状部分と、第1および第2の管状端部を有する管状二重つぎ目部分または連結部分と、第1および第2の管状端部を有する第2の単層管状部分と、前記連結部分内の折畳み部と、前記連結部分が折り畳まれ、つぎ目部分または帯部分を形成しているときに、前記連結部分において、前記第1の管状部分と前記第2の管状部分とを互いに接合させる手段とを有し、前記連結部分の第1の管状端部は前記第1の単層管状部分の第2の管状端部に接続され、前記第2の単層管状部分の第1の管状端部は前記連結部分の第2の管状端部に接続されていることを特徴とする丸編管体を構成する。
【0007】
また、本発明においては、請求項2に記載のように、
請求項1に記載の丸編管体において、前記連結部分は、自身内に形成された布地電極を有することを特徴とする丸編管体を構成する。
【0008】
また、本発明においては、請求項3に記載のように、
請求項1に記載の丸編管体において、該丸編管体は縫い目なしであり、前記帯部分は、着用者の胸部、胴部、腹部、脚部、腕部または前頭部のまわりに巻きついて接触するように前記着用物内に配置されていることを特徴とする丸編管体を構成する。
【0009】
また、本発明においては、請求項4に記載のように、
請求項2に記載の丸編管体において、前記連結部分を折畳むことは、第1の布地電極が前記連結部分内に形成される第2の布地電極と物理的かつ電気的に接触する原因となることを特徴とする丸編管体を構成する。
【0010】
また、本発明においては、請求項5に記載のように、
請求項1に記載の丸編管体において、前記帯部分は、電気または電子装置もしくは電気または電子部品がその中に挿入、取付けまたは配設されうる中央開口部を有することを特徴とする丸編管体を構成する。
【0011】
また、本発明においては、請求項6に記載のように、
請求項4に記載の丸編管体において、前記帯部分は、電気または電子装置もしくは電気または電子部品がその中に挿入、取付けまたは配設され、1個以上の前記布地電極と電気的に接触しうる中央開口部を有することを特徴とする丸編管体を構成する。
【0012】
また、本発明においては、請求項7に記載のように、
請求項5に記載の丸編管体において、前記帯部分内の中央開口部は、電子装置または部品を受け入れるためのスロットと連通することを特徴とする丸編管体を構成する。
【0013】
また、本発明においては、請求項8に記載のように、
請求項5に記載の丸編管体において、前記電子装置は、心拍数監視装置、心電信号、脳波または心拍数変動監視装置、筋電計、ペースメーカー読取装置、電気皮膚センサ、パルス酸素濃度計、サーミスタ、アンテナ、加速度計、電池、データロガー、無線送信器、表示装置、個人用音楽プレーヤー、スピーカ、携帯電話、携帯情報端末、加温または冷却装置、呼吸センサ、LED、光源、振動器、ドップラー計測器、ひずみ計、皮膚当て布、注射器具、止血帯または圧迫帯であることを特徴とする丸編管体を構成する。
【0014】
また、本発明においては、請求項9に記載のように、
請求項5に記載の丸編管体において、前記電気部品は、電線、ケーブル、相互連結部、コネクタ、RIPバンドまたはスナップであることを特徴とする丸編管体を構成する。
【0015】
また、本発明においては、請求項10に記載のように、
請求項1に記載の丸編管体において、前記第2の単層管状部分の第2の端部は、前記第1の単層管状部分と前記連結部分または第2の単層管状部分とが接合される位置に形成される線において前記つぎ目部分または帯部分の上に折り返されて、前記第2の単層管状部分が前記帯部分を覆うようになることを特徴とする丸編管体を構成する。
【0016】
また、本発明においては、請求項11に記載のように、
請求項1に記載の丸編管体において、前記第1の単層管状部分の第1の端部は、仕上げ加工を施されて、肩部分と、腕部を通す孔と、頚部を通す孔とが形成されることを特徴とする丸編管体を構成する。
【0017】
また、本発明においては、請求項12に記載のように、
請求項1に記載の丸編管体において、前記第2の単層管状部分の前記第2の端部は、仕上げ加工を施されて、脚を通す孔またはシャツの縁を作ることを特徴とする丸編管体を構成する。
【0018】
また、本発明においては、請求項13に記載のように、
請求項1に記載の丸編管体において、前記第1の単層管体の前記第1の端部は、仕上げ加工を施されて、シャツ、つなぎ服、レオタード、腕バンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下からなる群から選ばれる前記着用物の開口部を形成することを特徴とする丸編管体を構成する。
【0019】
また、本発明においては、請求項14に記載のように、
請求項12に記載の丸編管体において、前記第2の単層管体の前記第2の端部は、仕上げ加工を施されて、シャツ、つなぎ服、レオタード、腕バンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下からなる群から選ばれる前記着用物の開口部を形成することを特徴とする丸編管体を構成する。
【0020】
また、本発明においては、請求項15に記載のように、
請求項1に記載の丸編管体において、前記第1および第2の単層管状部分と前記連結部分とは、1つの縫い目なし丸編管体から連続的に形成されることを特徴とする丸編管体を構成する。
【0021】
また、本発明においては、請求項16に記載のように、
請求項1に記載の丸編管体において、第2のつぎ目部分または帯部分をさらに有することを特徴とする丸編管体を構成する。
【0022】
また、本発明においては、請求項17に記載のように、
縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、第1の管状部分を編み出す第1のコースを実行する段階と、管状つぎ目部分または連結部分を前記第1の管状部分に編み付けてから編み出す第2のコースを実行する段階と、第2の管状部分を前記連結部分に編み付けてから編み出す第3のコースを実行する段階と、前記連結部分内の折り目において前記第2の管状部分を前記第1の管状部分の上に折り畳む段階と、前記折り目から離間する位置において前記第1の管状部分を前記第2の管状部分に前記管状部分の全周にわたって接合して、つぎ目部分または帯部分を形成する段階と、前記第2の管状部分を折り返す段階とを有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0023】
また、本発明においては、請求項18に記載のように、
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、円筒管状の前記連結部分内において、着用者の皮膚に接触する第1の電極と電子装置に接続される第2の電極とを形成する段階をさらに有し、前記第1の電極は、前記連結部分が折り畳まれた後に、前記帯部分内において前記第2の電極と物理的に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0024】
また、本発明においては、請求項19に記載のように、
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、腕部を通す孔と頚部を通す孔とを完成させる段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0025】
また、本発明においては、請求項20に記載のように、
請求項19に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第1の管状部分における前記腕部を通す孔と前記頚部を通す孔とを完成させるために、肩縫いを行う段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0026】
また、本発明においては、請求項21に記載のように、
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第2の管状部分の下縁部において脚を通す孔を完成させる段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0027】
また、本発明においては、請求項22に記載のように、
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、接合は、縫い合わせ、編み合わせまたは接着留めによって行われることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0028】
また、本発明においては、請求項23に記載のように、
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第2の管状部分は、前記第2の管状部分が折り返されると、前記帯部分を覆うことを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0029】
また、本発明においては、請求項24に記載のように、
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第1の管状部分の端部を仕上げ加工して、シャツ、つなぎ服、レオタード、アームバンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下からなる群から選ばれる該着用物の開口部を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0030】
また、本発明においては、請求項25に記載のように、
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第2の管状部分の端部を仕上げ加工して、シャツ、つなぎ服、レオタード、アームバンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下からなる群から選ばれる該着用物の開口部を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0031】
また、本発明においては、請求項26に記載のように、
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記帯部分の内側に形成されるポケットと連通するスリットまたは開口部を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0032】
また、本発明においては、請求項27に記載のように、
請求項18に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電子装置を前記帯部分内に、前記帯部分に形成されるスリットを介して挿入するとともに前記電子装置を少なくとも1個の前記電極に接続する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0033】
また、本発明においては、請求項28に記載のように、
請求項26に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電子装置を前記開口部内に挿入する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0034】
また、本発明においては、請求項29に記載のように、
請求項26に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記ポケット内に収納される電気または電子装置は、心拍数監視装置、心電信号、脳波または心拍数変動監視装置、筋電計、ペースメーカー読取装置、電気皮膚センサ、パルス酸素濃度計、サーミスタ、アンテナ、加速度計、電池、データロガー、無線送信器、表示装置、個人用音楽プレーヤー、スピーカ、携帯電話、携帯情報端末、加温または冷却装置、呼吸センサ、LED、光源、振動器、ドップラー計測器、ひずみ計、皮膚当て布、注射器具、止血帯または圧迫帯であることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0035】
また、本発明においては、請求項30に記載のように、
請求項26に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記ポケット内に収納される電気または電子部品は、電線、ケーブル、相互連結部、コネクタ、RIPバンドまたはスナップであることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0036】
また、本発明においては、請求項31に記載のように、
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、第2の管状つぎ目部分または連結部分を前記第2の管状部分に編み付けてから編み出す第4のコースを実行する段階と、第3の管状部分を前記第2の連結部分に編み付けてから編み出す第5のコースを実行する段階と、前記第2の連結部分内の折り目において前記第3の管状部分を前記第2の管状部分の上に折り畳む段階と、前記折り目から離間する位置において、前記第2の管状部分を前記第3の管状部分に前記管状部分の全周にわたって接合して、第2のつぎ目部分または帯部分を形成する段階と、前記第3の管状部分を折り返す段階とをさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0037】
また、本発明においては、請求項32に記載のように、
人体胴部に適合する継目なし丸編着用物を製作する、縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、単層の管体を編んで形成する段階と、前記単層の管体を折り目のまわりにおいて折り畳んで、内側および外側部分を有する二重層管体を形成する段階と、前記折り目から、あらかじめ設定された距離において前記二重層管体の全周にわたる接合線に沿って前記管体の部分を互いに接合して、円筒管状の管状帯部分または二重つぎ目部分を形成する段階と、前記二重層の前記外側部分を前記内側部分から離すともに、前記外側部分を前記接合線のまわりにおいて折り返して、該着用物の単層の上側部分と、帯部分と、単層の下側部分とを形成する段階とを有し、前記帯部分は、該着用物が着用されると、人体胴部に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0038】
また、本発明においては、請求項33に記載のように、
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記管体において前記折り目の両側に、着用者の皮膚に接触する第1の電極と電子装置に接続される第2の電極とを形成する段階をさらに有し、前記第1の電極は、前記管体が折り畳まれた後には、前記帯部分内において前記第2の電極に物理的に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0039】
また、本発明においては、請求項34に記載のように、
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記帯部分の内側部分と連通する開口部を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0040】
また、本発明においては、請求項35に記載のように、
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記上側部分において頚部を通す孔と腕部を通す孔とを完成させる段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0041】
また、本発明においては、請求項36に記載のように、
請求項35に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記上側部分において肩縫いを行なって、頚部を通す孔と腕部を通す孔とを完成させる段階をさらに有することを特徴とする丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0042】
また、本発明においては、請求項37に記載のように、
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記下側部分において脚部を通す孔を仕上げ加工する段階をさらに有することを特徴とする丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0043】
また、本発明においては、請求項38に記載のように、
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、接合は、縫い合わせ、編み合わせ、熱封着、スポット接着および棒止めからなる群から選ばれることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0044】
また、本発明においては、請求項39に記載のように、
請求項33に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電子装置を前記帯部分内に挿入する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0045】
また、本発明においては、請求項40に記載のように、
請求項33に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電子装置を前記帯部分内に、前記帯部分に形成される開口部を介して挿入するとともに前記電子装置を前記第1および第2の電極に接続する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0046】
また、本発明においては、請求項41に記載のように、
請求項40に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記電子装置は、心拍数監視装置、心電信号、脳波または心拍数変動監視装置、筋電計、ペースメーカー読取装置、電気皮膚センサ、パルス酸素濃度計、サーミスタ、アンテナ、加速度計、電池、データロガー、無線送信器、表示装置、個人用音楽プレーヤー、スピーカ、携帯電話、携帯情報端末、加温または冷却装置、呼吸センサ、LED、光源、振動器、ドップラー計測器、ひずみ計、皮膚当て布、注射器具、止血帯または圧迫帯であることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0047】
また、本発明においては、請求項42に記載のように、
請求項40に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記帯部分に収納される電気または電子部品は、電線、ケーブル、相互連結部、コネクタ、RIPバンドまたはスナップであることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0048】
また、本発明においては、請求項43に記載のように、
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記帯部分内または前記帯部分上に電極を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0049】
また、本発明においては、請求項44に記載のように、
請求項43に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記電極は、前記管体内に一体的に編み込まれる電極と、縫い付けられる電極と、前記帯部分内において重なり合う前記接合線の両側の第1および第2の布地電極と、導電性繊維接合部を介して電気的に接続される層電極と、熱圧着加工される金属ポリマー電極とからなる群から選ばれることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0050】
また、本発明においては、請求項45に記載のように、
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、第2の周方向の管状帯部分または二重つぎ目部分を形成する段階をさらに有し、前記第2の帯部分は、該着用物が着用されると、人体胴部に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0051】
また、本発明においては、請求項46に記載のように、
縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、単層の管体を編む段階と、拾い縫いを用いて前記管体内につぎ目部分または帯部分を形成する段階と、前記単層の管体の一部分を前記つぎ目部分または帯部分の上に折り畳む段階と、前記管体を仕上げ加工して、該着用物を形成する段階とを有し、前記帯部分は、該着用物を着用する着用者の皮膚に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0052】
また、本発明においては、請求項47に記載のように、
請求項46に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電極を前記帯部分内または帯部分上に形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【0053】
また、本発明においては、請求項48に記載のように、
請求項46に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、拾い縫いを用いて前記管体に第2のつぎ目部分または帯部分を形成する段階をさらに有し、前記第2の帯部分は、該着用物を着用する着用者の皮膚に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法を構成する。
【発明の効果】
【0054】
本発明の実施によって、中央部分に帯部分を有し、上側および下側部分が単層の布である衣服と、その製造方法とを提供することが可能となり、たとえば、着用者の胴部のまわりにぴったりとフィットする着用物または衣服であって、着用者の生体生理学的信号等の信号を監視する電極システムと電子装置とを有する着用物を提供することが可能となり、着用者の生体生理学的信号等の信号を外部から監視することが容易となるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
第1の様態において、本発明に係る丸編管体を用いて製作される着用物は、第1および第2の管状端部を有する第1の単層管状部分と、第1および第2の管状端部を有する第2の単層管状部分とを有し、管状二重つぎ目部分または連結部分が、前記第1の単層管状部分と前記第2の単層管状部分との間に配置される。連結部分が折り畳まれ、前記連結部内に折り畳み部を形成しているときに、第1の管状部分と第2の管状部分とが互いに接合されて、前記連結部分においてつぎ目部分または帯部分が形成される。このように形成される帯部分は、着用物内に配置されて、着用者の胸部、胴部、腹部、脚部、腕部または前頭部のまわりに巻きつき、かつ接触する。最も望ましくは、前記第1および第2の単層管状部分と前記連結部分とは、1個の継目なし丸編管体により連続的に形成される。
【0056】
美観を高めた衣服または着用物を創出するために、第2の単層管状部分の第2の端部は、第1の管状部分と連結部分または第2の管状部分とが接合される位置に形成される線においてつぎ目部分または帯部分の上に折り返されて、第2の単層管状部分が帯部分を覆うようになる。衣服または着用物は、その後、仕上げ加工される。たとえば、第1の単層管状部分の第1の端部は、仕上げ加工されて、肩部分と、腕部を通す孔と、頚部を通す孔とが形成され、第2の単層管状部分の第2の端部は、仕上げ加工されて、脚部を通す孔またはシャツの縁が創出される。代表的な衣服または着用物には、シャツ、つなぎ服、レオタード、アームバンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下が含まれる。
【0057】
折り返された連結部分により形成される帯部分は、電気または電子装置または部品が挿入、収容、取付けまたは配設されうる中央開口部を形成する。電気または電子装置あるいは電気または電子部品は、1個以上の電極に取り付けられうるか、または1個以上の電極と通信しうる。前記中央開口部は、電子装置またはその他の部品を受け入れるスロットまたは開口部と連通しうる。代表的な電子装置には、心拍数監視装置、心電信号、脳波または心拍数変動監視装置、筋電計、ペースメーカー読取装置、電気皮膚センサ等のセンサ、パルス酸素濃度計、サーミスタ、アンテナ、加速度計、電池、データロガー、無線送信器、表示装置、個人用音楽プレーヤー、スピーカ、携帯電話、携帯情報端末、加温または冷却装置、呼吸センサ、LED、光源、振動器、ドップラー計測器、ひずみ計、皮膚当て布、注射器具、止血帯または圧迫帯が含まれる。前記中央開口部内に挿入されうるか、または前記中央開口部に付随しうるその他の部品には、電線、ケーブル、相互連結部、コネクタ、光ファイバー光導体、RIPバンドまたはスナップが含まれる。
【0058】
ひとつの実施の形態例において、前記連結部分は、1個以上の布地電極を自身内に形成されて有する。また他の実施の形態例において、前記連結部分を折り畳むことにより、第1の布地電極が、前記連結部分に形成される第2の布地電極と物理的かつ電気的に接触する。中央開口部内の電気装置は、少なくとも1個の前記布地電極と通信する。さらに他の実施の形態例において、1個を超える個数の帯部分または二重つぎ目部分が着用物に形成される。
【0059】
また他の形態においては、継目なし丸編着用物の製作方法において、
第1の管状部分を編み出す第1連のコースを実行する段階と、
管状つぎ目部分または連結部分を前記第1の管状部分に編み付けてから編み出す第2連のコースを実行する段階と、
第2の管状部分を前記連結部分に編み付けてから編み出す第3連のコースを実行する段階と、
前記連結部分内の折り目において前記第2の管状部分を前記第1の管状部分の上に折り畳む段階と、
前記折り目から離間する位置において前記第1の管状部分を前記第2の管状部分に前記管状部分の全周にわたって接合して、つぎ目部分または帯部分を形成する段階と、
前記第2の管状部分を折り返す段階とを有することを特徴とする継目なし丸編着用物の製作方法である。
【0060】
接合は、縫い合わせ、編み合わせ、熱封着、スポット溶接または接着によって行なわれうる。ひとつの実施の形態例において、第2の管状部分は、該第2の管状部分が折り返されると、つぎ目部分または帯部分を覆って、衣服または着用物の美観を高める。前記方法段階を繰り返して、第2または多数のつぎ目部分または帯部分を衣服に形成することができる。
【0061】
所望の特徴を有する衣服または着用物が形成されうる。たとえば、頚部を通す孔および腕部を通す孔は、第1の管状部分に形成され得、脚部を通す孔またはシャツの縁は、第2の管状部分に形成されうる。前記方法にしたがって製作される代表的な衣服または着用物には、シャツ、つなぎ服、レオタード、アームバンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下が含まれる。
【0062】
ひとつの実施の形態例において、第1および第2の布地電極は、円周管状の形状の連結部分内に形成されて、第1の電極が着用者の皮膚に接触し、第2の電極が電子装置に接続され、第1の電極は、前記連結部分が折り畳まれた後に、第2の電極に物理的に接触する。
【0063】
また他の実施の形態例においては、1個以上の電極が、前記連結部分において帯部分またはつぎ目部分内または上に形成されうる。前記電極は、管体内において一体的に編み込まれる電極、縫い付けられる電極、帯部分内において重なり合う、接合線の両側の第1および第2の布地電極、導電性繊維接合部を介して電気的に接続される層電極および熱圧着加工される金属ポリマー電極のいずれか1つ以上でありうる。
【0064】
前記方法は、前記帯部分内に形成される開口部内に、前記帯部分に形成されるスリットまたは開口部を介して、電子装置またはその他の部品を挿入する段階をさらに含む。前記電子装置は、心拍数監視装置、心電信号、脳波または心拍数監視装置、筋電図、ペースメーカー読取装置、電気皮膚センサ等のセンサ、パルス酸素濃度計、サーミスタ、アンテナ、加速度計、電池、データロガー、無線送信器、表示装置、個人用音楽プレーヤー、スピーカ、携帯電話、携帯情報端末、加温または冷却装置、呼吸センサ、LED、光源、振動器、ドップラー計測器、ひずみ計、皮膚当て布、注射器具、止血帯または圧迫帯でありうる。前記開口部内に挿入されうるか、または前記開口部に付随しうるその他の部品には、電線、ケーブル、相互連結装置、コネクタ、光ファイバー光導体、RIPバンドまたはスナップが含まれる。
【0065】
前記に記載の特徴および利点に加えて、本発明の新規な特徴および利点は、同様の参照符号が同様の部分を示す添付図面とともに以下の詳細な説明を読むことにより、当業者には明らかになろう。
【0066】
(実施の形態例)
図面を詳細に参照すると、図1に、上側部分10(第1の単層管状部分)と、下側部分20(第2の単層管状部分)と、前記上側部分10と前記下側部分20との間の連結部分の帯部分30とからなる一般に管状の丸編み衣服8が示されている。衣服8は、胸に向けて下がるネックラインを有する袖なしシャツであるが、要望に応じて、袖またはその他の様式のネックラインを有して形成されうる。部分10および20は、以下により詳細に説明されるように、縫い合わせにより帯部分30に接合される。帯部分30は、略管状の形状の衣服8の内周のまわりに延在する略管状の形状を有する。要望があれば、多数の帯部分が衣服8に形成されうるが、図1には、単一の帯部分30が示されている。帯部分30は、電気または電子装置200またはその他の部品が挿入または収容されうる中央開口部を自身内に形成する。
【0067】
帯部分30は、任意で、電極システム32を含みえて、その電極システム32は、帯部分30の非導電部分により取り巻かれるとともに前記非導電部分から電気的に絶縁される。電極システム32は、衣服に内蔵される場合は、図2に示される電気信号処理装置等の電気または電子装置200とともに用いられるように適合化されうる。この電気または電子装置200は、心拍数監視装置、心電信号、脳波または心拍数変動監視装置、筋電図、ペースメーカー読取装置、電気皮膚センサ等のセンサ、パルス酸素濃度計、サーミスタ、アンテナ、加速度計、電池、データロガー、無線送信器(ポーラー(Polar)製ウェアリンク送信機(WEARLINK transmitter)等)、表示装置、個人用音楽プレーヤー(たとえばMp3)、スピーカ、携帯電話、携帯情報端末、加温または冷却装置、呼吸センサ、LED、光源、振動器、ドップラー発信器または受信器、ひずみ計、皮膚当て布、注射器具、止血帯または圧迫帯でありうる。前記電気装置200は、開口部35を介して挿入されうる。
【0068】
電気装置200に追加されるものまたは代わるものとして、帯部分30は、自身内または自身上において、電線、ケーブル、相互連結装置、コネクタ、光ファイバー光導体、RIPバンドそしてまたはスナップ等のその他の部品(図示せず)を収容または保持しうる。
【0069】
前記電気装置200は、たとえば監視される生体生理学的信号を代表とする信号を、図3に示される手首装着式表示装置202等の表示装置に送信しうる。この表示装置は、運動器具または医療器具またはその他の装置(図示せず)内に収容されてもよい。前記表示装置202は、電気装置200から伝えられる電気信号を表す表示を行なう。電極システム32は、着用者の皮膚への電気信号または着用者の皮膚からの電気信号の送信に適合可能である。たとえば、このような布地電極は、受動的に測定される信号を用いて、かつ/または加えられる電気的刺激に対する身体反応を測定して、着用者の生体生理学的な監視を行なうようにされうる。
【0070】
布地電極システム32は、任意で、図5に示されるように(図12〜16も参照)、少なくとも部分的に重複する関係に配置されて、たとえば図1に示される衣服8の上側管状部分10と下側管状部分20との間の連結部に接続される帯部分30を形成する第1の布部分34と第2の布部分36とを少なくとも有しうる。前記第1の布部分34は、少なくとも第1の導電部分(第1の「電極」)32aからなり得、前記第2の布部分36は、少なくとも第2の導電部分(第2の「電極」)32bを構成要素としうる。第1の電極32aと第2の電極32bとは、協働して、前記電極32aおよび32bの対向面間において少なくとも部分的な物理的接触部分をもたらす。この物理的接触部分が、以って、第1および第2の電極間における電気伝導を確立する。これらの電極は、布地製でありえるとともに、帯部分30の非導電性の布と完全に一体化可能であって、前記電極を着用者の身体に接触させうる。
【0071】
図4に、図1の衣服と同様に構成される、帯部分30を内蔵するつなぎ服9が図示されている。このつなぎ服9は、ユニタードまたはレオタードまたはスポーツウェアまたはアスレチックウェアでありうる。一般に、帯部分30は、衣服8または9の略胴部または胸部に配置されうる。衣服または着用物9の帯部分30と上側部分10とは、衣服または衣服8のこうした部分と実質的に同様でありうる一方で、下側部分20’は、股部分と脚部分とを含む。
【0072】
つなぎ服9の上側部分10は、袖または異なるネックラインまたは当業者に周知のその他の上衣の特徴(図示せず)を有するようにされてもよい。衣服の特定の例には、シャツ、タンクトップ、レオタードまたはユニタード等の上半身と下半身との全身用衣服および下着が含まれる。管状の着用物は、バンド、帯、ストッキングまたはレギンスとなって、腕部または脚部のまわりに用いられるようにもされうる。以下に、特に、着用物として衣服8を参照して、本発明を一般に説明するが、このように参照される特定の衣服は、単なる例証にすぎないことが理解されるべきである。
【0073】
図5〜11に示されるように、衣服構造に内蔵されうる任意の電極システム32は、衣服8と完全に一体化されるとともに、着用者の身体に接触するようにされうる導電部分、すなわち電極32aおよび32bからなりうる。図5では、単純化のため、および帯部分30の外側布部分36上における電極32bの配向を示すために、上側および下側部分10および20は省略されている。図5には、さらにまた、あらゆる電気雑音の低減または消去のために設けられうるとともに、導電体または電線39により電極システム32に接続されうる任意の接地電極37が図示されている。任意の追加電極を有するシステムは、2005年9月30日出願の「3個の電極を有する生理学的監視用着用物(Physiological Monitoring Wearable Having Three Electrodes)」という名称の、係属中の米国特許出願第11/163,017号に説明されており、前記出願の開示内容は、あらゆる有用な目的のために、参照として本明細書に取り入れられる。
【0074】
編み構造は、衣服8の非導電性の布と任意の電極システム32の導電性の布とに用いられうる。この編み構造は、たとえば、シングルジャージ、モックリブ編みおよびゴム編み1×1および1×3構造の中から選ばれうる。当業者には周知のように、このような編地において、ウェール、すなわち縦に列をなす編目は、一般に、布の表側(奇数ウェール)と裏側(偶数ウェール)とにおいて交互に結合する。この種のゴム編地は、長さおよび幅方向に良好な弾性を有することがわかっており、身体形状に良好にフィットする衣服が得られる。電極システム32に用いられる導電糸は、帯部分30の第1および第2の布部分34および36から電気的に絶縁されうる。
【0075】
非導電糸または従来の織編用糸は、前記布部分の大部分に有利に用いられうる。これらの糸には、たとえば、綿、セルロース系繊維、絹、ラミー、ポリエステルおよび/またはナイロンが含まれうる。前記布部分は、ポリエステルおよびナイロンの「硬い」糸と、米国デラウェア州ウィルミントンのインビスタ社(INVISTATM S.a.r.l.)製スパンデックスの商標であるライクラ(LYCRA(R))等の弾性糸とを組み合わせたものも含みうる。
【0076】
導電糸を任意の電極システム32の一部分として用いて、身体との電気接続を確立させることができる。たとえば、第1および第2の布地電極32aおよび32bは、帯部分30の布の一部分に縫い付けられるか、編み込まれるか、または織り込まれて、当て布状または畝状の導電性の編地を形成する導電糸であってもよい。例証的な導電糸は、カラヤンニ(Karayianni)の国際特許第2004/097089A1号に開示されており、前記特許の開示内容は、あらゆる有用な目的のために、参照として本明細書に取り入れられる。
【0077】
導電糸としての使用に適する材料には、たとえば、前記の国際特許第2004/097089A1号(カラヤンニ(Karayianni))に開示された糸が含まれる。前記特許に開示の弾性導電糸(中空スピンドルの二重被覆70デニール紡績ナイロン糸およびエレクトロ・ファインドラート(Elektro Feindraht)の20ミクロンの銀メッキ銅線)は、以下ではETG1糸と呼ぶライクラ(LYCRA(R))のタイプ162「透明」の上において、本質的に、弾性的伸縮性を達成しうるとともに、本明細書に開示のような編み構造に向きうる。国際特許第2004/097089A1号の開示にしたがった弾性導電糸の製作に適する非弾性導電フィラメントには、米国ジョージア州マリエッタのベカルト・ファイバー・テクノロジーズ(BEKAERT Fiber Technologies)製の糸(このような糸は、コンデュフィル(CONDUFIL(R))80デシテックスかつ24フィラメントの糸からなりうる)とレアード・ソーコイト・インダストリーズ(Laird Sauquoit Industries)(米国ペンシルヴェニア州スクラントン郵便番号18505)製エクスタティック(Xstatic(R))(たとえば70デニールかつ34フィラメントの70デニール2本撚り銀鍍金ナイロン糸)とを含む。
【0078】
図6〜10に、これもまた前記に参照として引用され、かつ取り入れられた2005年3月16日出願の米国特許出願第11/082,240号に説明されているいくつかの任意の例証的な電極が図示されている。図6および7に、隆起部分または畝部38を有する導電糸編み当て布33からなりうる内側、または第1の電極32aの上面図および底面図の略図が示されている。図8および9には、隆起部分または畝部40を有する導電糸編み当て布43からなりうる外側、または第1の電極32bの上面図および底面図の略図が示されている。図10には、内側電極32aに関して図示されたものとはまた別の上面設計を有する電極32a’が示されている。電極32a’は、ゴム編構造(たとえば1×1または1×3のゴム編)を含む異なる種類の編み構造を用いて製作される連続的な一連の畝部40’を有しうる。これらのいずれの電極の設計も、任意の接地電極37の形成において採用されうる。
【0079】
次に、本発明の作用の様態をより具体的に説明する。再び図1および4を参照すると、衣服8および9は、一体的な布地電極システム32を有する帯部分30を有して図示されている。図5にも示されているように、金属コネクタ50またはスナップが設けられて、開口部35を介して帯部分の内側に挿入されうる電気または電子装置200に接続されうる。開口部35は、第2の布部分36のみに設けられてもよく、または任意で下側部分20に設けられてもよい。布部分34上の電極32aおよび37は、図5においては、配向を示すために破線で示されている。
【0080】
図11に、図1の線9−9における部分断面図が示されており、電気または電子装置200が第1および第2の布部分34および36間においてどのように保持され、かつ任意の電極32aおよび32bに対して配向されるかが図示されている。前記装置200は、着用者の心臓の電気的活動または着用者の呼吸による胸部の動きに関連ある電気信号、たとえば、単位時間毎の心拍数の検出等の生体生理学的監視を行なうことができる。装置200は、開口部35を介して、折り返された帯部分30の対向布面34および36間の空間内に挿入される。装置200は、導電糸部分32bに取り付けられる導電接点50と係合する2個の球状の電極コネクタ210を有しうる。導電接点50は、たとえば金属導電体等のあらゆる導電材料により製作されうる。導電接点210は、部分的に球状の外形を有して、接点50とスナップ接続されうる。この用途に適するスナップ係合接点50は、たとえば英国グロースターシャー州リドニー市ホワイトクロフトのPRYM NEWEY テキスタイル・グループ(PRYM NEWEY Textile Group)から入手可能な11mmの接点でありうる。補強布(図示せず)が、各スナップ50の裏に、たとえばインビスタ社(INVISTA S.a.r.l.)から入手可能なコーデュラ/クールマックス(CORDURA/COOLMAX(R))の織布片の形態をとって設けられうる。これらの補強布は、摩耗を減少させる役割を果たすとともに、布電極32b内に配置されるスナップ50の耐用寿命を延ばすのに役立ちうる。
【0081】
電極システム32を介して、電気信号は、電極32bと接点50とを経て、電気装置200に関連ある導電接点210に伝えられうる。当然ながら、これに代わる方法として電気信号が逆に電気装置200から発せられて電極32aにより皮膚に伝えられうることは予期される。
【0082】
布地電極を含むようになっている帯部分を胸部に有する着用物を製作するための簡易かつ費用効果的な方法は、一例として図12〜16に示されている。図1および4の衣服8または9等の着用物は、継目なし(丸)編機を用いて製作されうる。丸編工程は、SMA−8−TOP1継目なしボディサイズ13インチのサントーニ(SANTONI)編機(イタリア国グルッポ・ロナティ(GRUPPO LONATI)製)等の商業的に入手可能な装置において行なわれうる。
【0083】
最初に図12を参照すると、編地11は、線B−B’の上および下に配向される第1の部分34と第2の部分36とを有する連結部分31により分離されるとともに、前記連結部分に接続される上側部分10と下側部分20とを有する単一の丸編管体として形成される。好ましくは、部分10、20および31は、同じ丸編管体により継目なしに、かつ連続的に形成される。これに代わる方法として、これらの部分は、別個に形成されるとともに、縫い合わせ、切って縫い合わせる方法および当業者に周知のその他の接合方法により、互いに接合されて、図12に示される編地11を形成しうる。
【0084】
縫目パターンは、上側部分10を形成する第1のコースと連結部分31を形成する第2のコースとの間において、第1の丸編パターンから第2の丸編パターンに変化しうる。この編目パターンは、その後、連結部分31を形成する第2のコースと編地11の下側部分20を形成する第3のコースとの間において、再び第2の丸編パターンから変化しうる。連結部分31は、上側部分10との間の直線状の接続部と下側部分20との間の直線状の接続部とを有して図示されているが、編目パターンをこれらの接続部において変化させて、曲線状またはその他の形状の接続部分を形成させてもよい。
【0085】
管状編地11の形成が終わると、前記方法の次の段階は、図13および14に示されている。下側部分20と編地11の第2の部分36とが、上側部分10と第1の布部分34との上に図12の線B−B’のまわりにおいて折り返されて、図13および14に示されるように、二層の管状編地11’が形成される。図13において、管状編地11’は、裏返されて図示されており、電極32aの位置が示されている。図14においては、図12の線B−B’のまわりにおける折返し工程により形成されるところの管状編地11’が図示されており、布部分36上における電極32bの配置が示されている。図13および14は、いずれの図にも二層の管状編地11’が示されているが、図13は、こうした管状編地11’が図14に図示されている管状編地11’の状態から裏返されて示されているという関係にある。
【0086】
連結部分31の第1および第2の布部分34および36は、次に、線C−C’において編地の全周にわたって縫い合わせ、接着またはその他の適切な方法により接合または結合されて、帯部分30を形成しうる。B−B’からC−C’までの距離、すなわち帯部分30の幅は、布部分34および36間において該帯部分内に保持される装置200の大きさに基づいて決定されてもよく、またはその他の設計パラメータに基づいてもよい。前記布部分がこのようにして接合されると、帯部分30は、布部分34および36の対向面間において内部空間を形成する。電極32aおよび32bの対向面は、帯部分30内のこの内部空間内において互いに接触する。サニトーニ(SANITONI)機等の丸編機において、前記接合段階は、トランスファジャックに所望の個数のコース分の糸を保持させて、連結部分において前記つぎ目部分または帯幅を形成することによって達成されうる。その後、トランスファジャックが目移しを行なって、折り返し部分の二重のつぎ目部分または帯部分が再結合または形成されるとともに、衣服の残りの部分が全周にわたって編み続けられる。第2または多数の二重つぎ目部分または帯部分が単一の衣服に形成される場合は、これらの段階が繰り返されうる。この工程を必要とされる回数だけ何度も繰り返して、衣服に複数の帯部分を形成することができる。
【0087】
布部分34および36が接合されて帯部分30が形成されると、次に、編地11’の下側部分20は、図14の線C−C’のまわりの回転矢印により示されるように、線C−C’のまわりにおいて上側部分10から再び下方に折り返されて、図15に示される管状編地11”が形成されうる。図15の管状編地11”は、これにより、上側部分10の単層の布と、下側部分20の単層の布と、下側部分20と上側部分10との間の中央部分または連結部分において形成される帯部分30とを有する。下側部分20の布は、帯部分30の上に重なるとともに、電極32bを覆い隠す。
【0088】
図17に、図15の線15−15における断面図が示されており、管状編地11”における帯部分30の構造がよりわかりやすく図示されている。帯部分30は、管状編地11”の全周にわたって延在するとともに、衣服の下側部分20を形成する折り返された布により覆われる。したがって、図17は、管状編地11”の前側と後側との両方の帯部分30の断面図である。管状編地11”の前側の帯部分30は、電極32aおよび32bを含む(図17の左側部分参照)が、この断面図の場合は、管状編地11”の後側の帯部分30は、電極を含まない(図17の右側参照)。電極は、帯部分30内のさまざまな位置に配置されうるため、図17に限定することが意図されるわけではない。図17には、縫い合わせにより達成される線C−C’(図14に図示)に沿った接続部を表す縫い目45が示されている。前記のように、連結部分におけるこうした接続は、縫い付け(たとえば棒止め)、編み合わせ(たとえばダイアル編み)、熱封着またはスポット接着等のその他の接合手段または技術によって行なわれてもよい。
【0089】
最後に、腕部を通す孔、ネックラインおよび裾縁を裁断で形成するともに、仕上げ加工を施して、図16に示されるような完成品の衣服8を形成することができる。これに代わる方法として、裾縁は、一体的な編みつぎ目部分または帯部分として形成されてもよい。図4の上下続きのユニタードまたはレオタードを創出するために、また他の方法として、下側部分20を裁ち切るとともに縫い合わせて、脚部を通す孔および股部を形成させてもよい。
【0090】
衣服8、9は、こうした着用物が電極またはその他の生理学的監視手段を含む場合により良好な接触のために、着用者の胸部または胴部のまわりにおいてよりぴったりとフィットしうる帯部分30を有する。衣服8、9は、専ら女性用に設計されるブラジャーほど限定的ではない。このような衣服8、9は、男性にとってより着心地がよいが、女性でも着用することができるスタイルを有する。上側部分10と下側部分20とは、帯部分30よりゆったりして、より着心地がよくなるような大きさとされうる。
【0091】
前記衣服または着用物の構造は、驚くべきことに、単一層の布の上側部分10と単一層の布の下側部分20と略中央に配置される帯または二重つぎ目部分30とを有する。前記衣服または着用物は、大部分において該衣服または着用物が単一層の布であるため、より着心地がよく、かつ涼しい。加えて、前記帯部分は、該帯部分が折り返された後に下側部分20により覆い隠され、このことが衣服の美観を高める。電極およびその他の部品は、帯部分上または帯部分内に内蔵されうる。センサまたはその他の部品は、皮膚に接触しうるが、それにもかかわらず、こうしたセンサまたは部品に関連ある電極が皮膚から緩衝または絶縁されて、着心地が高められる。それが望まれる場合は、前記帯または二重つぎ目部分30を衣服内において中央に配置しなくてもよい。加えて、要望があれば、帯状の布を別途に縫い付けることまたは第1の帯または二重つぎ目部分を丸編生地内に形成させる前記方法段階を繰り返して第2またはさらに他の帯または二重つぎ目部分分を創出すること等により、多数の帯または二重つぎ目部分を衣服内に形成させることができる。
【0092】
当業者には、前記の詳細な説明から、本発明の精神および範囲内に含まれるさまざまな変更または改変が明らかになるため、前記の詳細な説明に示される本発明の好適な実施の形態例は、単に例証として示されていることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】1個以上の布地電極を含む帯部分を有する上半身用着用物(たとえばシャツ)の図である。
【図2】図1の布地電極との通信用の電気装置の図である。
【図3】図1に示された電気装置と通信するための手首装着式表示装置の図である。
【図4】上半身と下半身とに着用するようになっており、かつ図1の上半身用着用物に匹敵する布地電極を含む帯部分を有するまた他の着用物(たとえばユニタード)の図である。
【図5】帯部分のまわりに互いに離間して配置される多数の電極システムを有する帯部分または連結部分の図である。
【図6】第1の布地電極の上面図である。
【図7】第1の布地電極の底面図である。
【図8】第2の布地電極の上面図である。
【図9】第2の布地電極の底面図である。
【図10】異なる種類の編み構造を用いて製作される導電部分からなる布地電極の図である。
【図11】図1の線9−9における断面図を90°だけ回転させて紙面の長手方向に合わせた、生物物理学的監視を行ないうる電子機器と通信するようになっている1対の布地電極を示す断面図である。
【図12】編成後かつさらなる組立前の第1製造段階における丸編生地であって、帯部分において一体的な布地電極システムの部品を形成されて有する丸編生地の図である。
【図13】折り目B−B’のまわりにおいて下側部分が上側部分の上に折り畳まれた後の、図12の丸編生地の第1の内側面の図である。
【図14】図13の丸編生地の第2の内側面の図である。
【図15】点線の折り目C−C’のまわりにおいて丸編生地の下側部分が上側部分から折り返された後の、図13および12の丸編生地の外側面の図である。
【図16】アームホール、ネックラインおよびヘムが裁ち落とされ、かつ仕上げ加工された後の、図15の丸編生地から形成された上半身用着用物(たとえばシャツ)の図である。
【図17】図15の帯部分または連結部分の線15−15における断面図である。
【符号の説明】
【0094】
8:衣服、9:つなぎ服、10:上側部分、11、11’、11”:編地、20、20’:下側部分、30:帯部分、31:連結部分、32:電極システム、32a:第1の導電部分、32a’:電極、32b:第2の導電部分、33:導電糸編み当て布、34:第1の布部分、35:開口部、36:第2の布部分、37:接地電極、39:電線、40:畝部、43:導電糸編み当て布、45:縫い目、50:金属コネクタ、200:電子装置、202:手首装着式表示装置、210:電極コネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用物を製作するための丸編管体において、
前記着用物は、
第1および第2の管状端部を有する第1の単層管状部分と、
第1および第2の管状端部を有する管状二重つぎ目部分または連結部分と、
第1および第2の管状端部を有する第2の単層管状部分と、
前記連結部分内の折畳み部と、
前記連結部分が折り畳まれ、つぎ目部分または帯部分を形成しているときに、前記連結部分において、前記第1の管状部分と前記第2の管状部分とを互いに接合させる手段とを有し、
前記連結部分の第1の管状端部は前記第1の管状部分の第2の管状端部に接続され、
前記第2の管状部分の第1の管状端部は前記連結部分の第2の管状端部に接続されていることを特徴とする丸編管体。
【請求項2】
請求項1に記載の丸編管体において、前記連結部分は、自身内に形成された布地電極を有することを特徴とする丸編管体。
【請求項3】
請求項1に記載の丸編管体において、該丸編管体は縫い目なしであり、前記帯部分は、着用者の胸部、胴部、腹部、脚部、腕部または前頭部のまわりに巻きついて接触するように前記着用物内に配置されていることを特徴とする丸編管体。
【請求項4】
請求項2に記載の丸編管体において、前記連結部分を折畳むことは、第1の布地電極が前記連結部分内に形成される第2の布地電極と物理的かつ電気的に接触する原因となることを特徴とする丸編管体。
【請求項5】
請求項1に記載の丸編管体において、前記帯部分は、電気または電子装置もしくは電気または電子部品がその中に挿入、取付けまたは配設されうる中央開口部を有することを特徴とする丸編管体。
【請求項6】
請求項4に記載の丸編管体において、前記帯部分は、電気または電子装置もしくは電気または電子部品がその中に挿入、取付けまたは配設され、1個以上の前記布地電極と電気的に接触しうる中央開口部を有することを特徴とする丸編管体。
【請求項7】
請求項5に記載の丸編管体において、前記帯部分内の中央開口部は、電子装置または部品を受け入れるためのスロットと連通することを特徴とする丸編管体。
【請求項8】
請求項5に記載の丸編管体において、前記電子装置は、心拍数監視装置、心電信号、脳波または心拍数変動監視装置、筋電計、ペースメーカー読取装置、電気皮膚センサ、パルス酸素濃度計、サーミスタ、アンテナ、加速度計、電池、データロガー、無線送信器、表示装置、個人用音楽プレーヤー、スピーカ、携帯電話、携帯情報端末、加温または冷却装置、呼吸センサ、LED、光源、振動器、ドップラー計測器、ひずみ計、皮膚当て布、注射器具、止血帯または圧迫帯であることを特徴とする丸編管体。
【請求項9】
請求項5に記載の丸編管体において、前記電気部品は、電線、ケーブル、相互連結部、コネクタ、RIPバンドまたはスナップであることを特徴とする丸編管体。
【請求項10】
請求項1に記載の丸編管体において、前記第2の単層管状部分の第2の端部は、前記第1の単層管状部分と前記連結部分または第2の単層管状部分とが接合される位置に形成される線において前記つぎ目部分または帯部分の上に折り返されて、前記第2の単層管状部分が前記帯部分を覆うようになることを特徴とする丸編管体。
【請求項11】
請求項1に記載の丸編管体において、前記第1の単層管状部分の第1の端部は、仕上げ加工を施されて、肩部分と、腕部を通す孔と、頚部を通す孔とが形成されることを特徴とする丸編管体。
【請求項12】
請求項1に記載の丸編管体において、前記第2の単層管状部分の前記第2の端部は、仕上げ加工を施されて、脚を通す孔またはシャツの縁を作ることを特徴とする丸編管体。
【請求項13】
請求項1に記載の丸編管体において、前記第1の単層管体の前記第1の端部は、仕上げ加工を施されて、シャツ、つなぎ服、レオタード、腕バンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下からなる群から選ばれる前記着用物の開口部を形成することを特徴とする丸編管体。
【請求項14】
請求項12に記載の丸編管体において、前記第2の単層管体の前記第2の端部は、仕上げ加工を施されて、シャツ、つなぎ服、レオタード、腕バンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下からなる群から選ばれる前記着用物の開口部を形成することを特徴とする丸編管体。
【請求項15】
請求項1に記載の丸編管体において、前記第1および第2の単層管状部分と前記連結部分とは、1つの縫い目なし丸編管体から連続的に形成されることを特徴とする丸編管体。
【請求項16】
請求項1に記載の丸編管体において、第2のつぎ目部分または帯部分をさらに有することを特徴とする丸編管体。
【請求項17】
縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、
第1の管状部分を編み出す第1のコースを実行する段階と、
管状つぎ目部分または連結部分を前記第1の管状部分に編み付けてから編み出す第2のコースを実行する段階と、
第2の管状部分を前記連結部分に編み付けてから編み出す第3のコースを実行する段階と、
前記連結部分内の折り目において前記第2の管状部分を前記第1の管状部分の上に折り畳む段階と、
前記折り目から離間する位置において前記第1の管状部分を前記第2の管状部分に前記管状部分の全周にわたって接合して、つぎ目部分または帯部分を形成する段階と、
前記第2の管状部分を折り返す段階とを有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項18】
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、
円筒管状の前記連結部分内において、着用者の皮膚に接触する第1の電極と電子装置に接続される第2の電極とを形成する段階をさらに有し、
前記第1の電極は、前記連結部分が折り畳まれた後に、前記帯部分内において前記第2の電極と物理的に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項19】
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、腕部を通す孔と頚部を通す孔とを完成させる段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項20】
請求項19に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第1の管状部分における前記腕部を通す孔と前記頚部を通す孔とを完成させるために、肩縫いを行う段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項21】
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第2の管状部分の下縁部において脚を通す孔を完成させる段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項22】
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、接合は、縫い合わせ、編み合わせまたは接着留めによって行われることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項23】
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第2の管状部分は、前記第2の管状部分が折り返されると、前記帯部分を覆うことを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項24】
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第1の管状部分の端部を仕上げ加工して、シャツ、つなぎ服、レオタード、アームバンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下からなる群から選ばれる該着用物の開口部を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項25】
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記第2の管状部分の端部を仕上げ加工して、シャツ、つなぎ服、レオタード、アームバンド、手首バンド、帽子、レギンス、ストッキングおよび靴下からなる群から選ばれる該着用物の開口部を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項26】
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記帯部分の内側に形成されるポケットと連通するスリットまたは開口部を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項27】
請求項18に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電子装置を前記帯部分内に、前記帯部分に形成されるスリットを介して挿入するとともに前記電子装置を少なくとも1個の前記電極に接続する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項28】
請求項26に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電子装置を前記開口部内に挿入する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項29】
請求項26に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記ポケット内に収納される電気または電子装置は、心拍数監視装置、心電信号、脳波または心拍数変動監視装置、筋電計、ペースメーカー読取装置、電気皮膚センサ、パルス酸素濃度計、サーミスタ、アンテナ、加速度計、電池、データロガー、無線送信器、表示装置、個人用音楽プレーヤー、スピーカ、携帯電話、携帯情報端末、加温または冷却装置、呼吸センサ、LED、光源、振動器、ドップラー計測器、ひずみ計、皮膚当て布、注射器具、止血帯または圧迫帯であることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項30】
請求項26に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記ポケット内に収納される電気または電子部品は、電線、ケーブル、相互連結部、コネクタ、RIPバンドまたはスナップであることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項31】
請求項17に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、
第2の管状つぎ目部分または連結部分を前記第2の管状部分に編み付けてから編み出す第4のコースを実行する段階と、
第3の管状部分を前記第2の連結部分に編み付けてから編み出す第5のコースを実行する段階と、
前記第2の連結部分内の折り目において前記第3の管状部分を前記第2の管状部分の上に折り畳む段階と、
前記折り目から離間する位置において、前記第2の管状部分を前記第3の管状部分に前記管状部分の全周にわたって接合して、第2のつぎ目部分または帯部分を形成する段階と、
前記第3の管状部分を折り返す段階とをさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項32】
人体胴部に適合する継目なし丸編着用物を製作する、縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、
単層の管体を編んで形成する段階と、
前記単層の管体を折り目のまわりにおいて折り畳んで、内側および外側部分を有する二重層管体を形成する段階と、
前記折り目から、あらかじめ設定された距離において前記二重層管体の全周にわたる接合線に沿って前記管体の部分を互いに接合して、円筒管状の管状帯部分または二重つぎ目部分を形成する段階と、
前記二重層の前記外側部分を前記内側部分から離すともに、前記外側部分を前記接合線のまわりにおいて折り返して、該着用物の単層の上側部分と、帯部分と、単層の下側部分とを形成する段階とを有し、
前記帯部分は、該着用物が着用されると、人体胴部に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項33】
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記管体において前記折り目の両側に、着用者の皮膚に接触する第1の電極と電子装置に接続される第2の電極とを形成する段階をさらに有し、前記第1の電極は、前記管体が折り畳まれた後には、前記帯部分内において前記第2の電極に物理的に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項34】
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記帯部分の内側部分と連通する開口部を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項35】
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記上側部分において頚部を通す孔と腕部を通す孔とを完成させる段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項36】
請求項35に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記上側部分において肩縫いを行なって、頚部を通す孔と腕部を通す孔とを完成させる段階をさらに有することを特徴とする丸編着用物を製作する方法。
【請求項37】
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記下側部分において脚部を通す孔を仕上げ加工する段階をさらに有することを特徴とする丸編着用物を製作する方法。
【請求項38】
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、接合は、縫い合わせ、編み合わせ、熱封着、スポット接着および棒止めからなる群から選ばれることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項39】
請求項33に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電子装置を前記帯部分内に挿入する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項40】
請求項33に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電子装置を前記帯部分内に、前記帯部分に形成される開口部を介して挿入するとともに前記電子装置を前記第1および第2の電極に接続する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項41】
請求項40に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記電子装置は、心拍数監視装置、心電信号、脳波または心拍数変動監視装置、筋電計、ペースメーカー読取装置、電気皮膚センサ、パルス酸素濃度計、サーミスタ、アンテナ、加速度計、電池、データロガー、無線送信器、表示装置、個人用音楽プレーヤー、スピーカ、携帯電話、携帯情報端末、加温または冷却装置、呼吸センサ、LED、光源、振動器、ドップラー計測器、ひずみ計、皮膚当て布、注射器具、止血帯または圧迫帯であることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項42】
請求項40に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記帯部分に収納される電気または電子部品は、電線、ケーブル、相互連結部、コネクタ、RIPバンドまたはスナップであることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項43】
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記帯部分内または前記帯部分上に電極を形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項44】
請求項43に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、前記電極は、前記管体内に一体的に編み込まれる電極と、縫い付けられる電極と、前記帯部分内において重なり合う前記接合線の両側の第1および第2の布地電極と、導電性繊維接合部を介して電気的に接続される層電極と、熱圧着加工される金属ポリマー電極とからなる群から選ばれることを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項45】
請求項32に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、第2の周方向の管状帯部分または二重つぎ目部分を形成する段階をさらに有し、前記第2の帯部分は、該着用物が着用されると、人体胴部に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項46】
縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、
単層の管体を編む段階と、
拾い縫いを用いて前記管体内につぎ目部分または帯部分を形成する段階と、
前記単層の管体の一部分を前記つぎ目部分または帯部分の上に折り畳む段階と、
前記管体を仕上げ加工して、該着用物を形成する段階とを有し、
前記帯部分は、該着用物を着用する着用者の皮膚に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項47】
請求項46に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、電極を前記帯部分内または帯部分上に形成する段階をさらに有することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。
【請求項48】
請求項46に記載の縫い目なし丸編着用物を製作する方法において、拾い縫いを用いて前記管体に第2のつぎ目部分または帯部分を形成する段階をさらに有し、前記第2の帯部分は、該着用物を着用する着用者の皮膚に接触することを特徴とする縫い目なし丸編着用物を製作する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−111225(P2008−111225A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280468(P2007−280468)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(505470889)テクストロニクス, インク. (17)
【Fターム(参考)】