説明

着脱が容易なスタータ

本発明は,本体12,及び本体12の一つの端面に配置された一対の挿入端子13を有するスタータに関するもので,少なくとも一つの凹部がこの本体12のもう一つの端面に形成されている。本発明に準拠したスタータは,何ら特別な工具を用いることなく,簡単で便利に取り付けられる,又は交換されることが出来る。更に,本発明に準拠したスタータは,簡単な構造を持ち,従来のスタータを製造するための装置及びプロセスを大幅に変更することなく,簡単に製造されることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスタータに関する。
【背景技術】
【0002】
スタータは,多くの種類の照明器具において広く使われている。スタータは,照明器具の点灯時には短時間の放電を用いて閉回路を形成するよう機能し,これによって同照明器具を点灯させる。寿命が来ると,このスタータは機能しなくなり,新しいものと交換する必要がある。図1は従来のスタータの側面図であり,図2は,図1に示されたスタータの平面図で,挿入端子を持っていない端面を示している。図1及び図2に示されているように従来のスタータ1は一般には,二つの閉じた端面を持つ円筒型の本体2と,この円筒型本体2中に含まれる電子回路のアセンブリと,閉じた端面の一方を貫いて前記電子アセンブリから延在している一対の挿入端子3と,このスタータ1の作動状態を示すために円筒型本体2の反対側の端面にある穴4とを有する。
【0003】
使用時には,スタータは照明器具のハウジング内に挿入される。美観上及び安全上,このスタータは通常は上記照明器具のハウジング内に埋め込まれていて当該スタータが外部に露出することは殆どない。外部からアクセスすることが容易ではないので,スタータの取り付け及び交換は困難となる。これゆえ,スタータを取り付け,交換するために,時には特別な工具が必要となる。これは大変不便である。
【0004】
従って改善されたスタータを提供することが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は,従来技術の欠点及び問題の克服,並びに何らかの特別な工具無しで外部から容易にアクセス出来,スタータの取り付け及び交換が簡単で容易であるようなスタータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のこの目的を達成するために,本体及び本体の一方の端面に配置された一対の挿入端子を有するスタータが供され,このスタータは少なくとも一つの凹部が,本体のもう一方の端面に形成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施例によるスタータが,添付の図を参照して詳細に説明されよう。
【0008】
図3は本発明によるスタータの側面図であり,図4は,図3に示されたスタータの挿入端子を持たない端面を示している平面図である。図3及び図4に示されているように,本発明によるスタータ11は一般には,二つの閉じた端面を持つ円筒型の本体12と,この円筒型本体12中に含まれる電子アセンブリと,閉じた端面の一方を貫いて前記電子アセンブリから延在している一対の挿入端子13と,このスタータ11の作動状態を示すために円筒型本体12の反対側の端面にある穴14とを有する。
【0009】
従来のスタータ1とは異なり,本発明によるスタータ11は,本体12の挿入端子を持たない端面に形成された一対の凹部15を更に有する。この一対の凹部15の間の距離は,一対の挿入端子13の端子と端子との間の距離と実質的には等しいように選ばれる。好ましくはこの対になっている凹部15は,反対側に在る一対の挿入端子13と対応している位置に配置される。好ましくはこの一対の凹部15の形状は,一対の挿入端子13の形状と同じでもよい。好ましくはこの一対の凹部15の寸法は,一対の挿入端子13の寸法より若干大きくし,一対の挿入端子13が一対の凹部15へ簡単に挿入出来るようにする。もちろん,本発明によるこのスタータ11は,複数の対になった凹部15を更に有してもよい。好ましくは各々の対になった凹部15は,直径方向にお互いに反対側に配置される。
【0010】
図5は,本発明によるスタータの取り付け,又は交換の動作を概観的に示し,図6は,本発明によるスタータの取り付け時,又は交換時の二つのスタータの係合された状態を概観的に示す。明確さ及び利便性のために,照明器具のハウジングは図示されていない。図5及び図6に示されているように,下側に在る本発明によるスタータ11を交換するために,もう一つのスタータ11'を矢印Aによって示される方向でスタータ11に向かって挿し込み,スタータ11'の一対の挿入端子13'を,スタータ11の挿入端子を持たない端面に形成されている一対の凹部15に挿し込むことが出来る。二つのスタータの係合の状態が,図6に詳細に示されている。次に,照明器具のハウジングからスタータ11を取り外すことが出来るように,スタータ11'はスタータ11を同じ方向に回転させるために矢印Bによって概観的に示された方向とは反対方向に(反時計回りに)回される。この後スタータ11は,スタータ11'を用いて片手で掴めるよう照明器具のハウジングから僅かに引き出される。新しいスタータを取り付けるためには,図6に示されているように一緒に係合されている2個のスタータを照明器具のハウジングに挿入することのみが必要であり,2個のスタータを矢印Bで概観的に示されている方向(時計回り)に回し,その後上側のスタータを取り除く。
【0011】
もう一つの態様においては,本発明によるスタータは照明器具のランプ管を用いて取り付ける,又は交換することが出来る。斯様な事例では,スタータの一対の凹部間の距離はランプ管の一端に配置された一対の挿入端子の間の距離と実質的に同一であるように選ばれる。好ましくはこの一対の凹部の形状は,ランプ管の一端に配置されている一対の挿入端子の形状と同じでもよい。好ましくはこの一対の凹部の寸法は,ランプ管の一端に配置されている一対の挿入端子の寸法より若干大きくし,ランプ管の一端に配置されている一対の挿入端子が一対の凹部へ容易に挿入するようにする。勿論,本発明によるスタータは,複数の凹部を更に有することが出来る。好ましくは各々の対になった凹部は直径方向にお互いに反対側に配置される。本実施例によれば,スタータを取付ける,又は交換することが必要なときは,ランプ管の一端に配置された一対の挿入端子は,スタータの挿入端子を持っていない端面に形成された一対の凹部へ挿入され,その後,スタータの取り付け又は交換のため,所望の方向へ回転される。
【0012】
明らかに本発明によるスタータは,何ら特別な工具無しで容易に便利に取り付け,又は交換されることが出来る。さらに,本発明によるスタータは簡単な構造を持ち,従来のスタータを製造するための装置及びプロセスを大幅に変更すること無く,容易に製造することが出来る。
【0013】
本発明が詳細に説明されてきて,当業者は本発明の概念を変えることなく本発明の変更がなされることを理解するであろう。例えば,本体の挿入端子を持っていない一端に形成された一対の凹部は,一つのS字に,楕円に,又は長方形に置き換えることが可能である。このS字の,楕円の,又は長方形の凹部へ挿入されるもう一つのスタータの挿入端子を用いて,特別な工具を使うこと無くスタータを便利に取り付け,又は交換することが可能である。これゆえ,図解し,説明した好ましい実施例のみに本発明を限定することは意図していない。それよりむしろ,本発明の範囲は,添付されている請求項及びそれらと同等の態様によって決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来のスタータの側面図を示し,右側がこのスタータの上面で,左側がこのスタータの挿入端子の側である。
【図2】図1で示されたスタータの平面図で,挿入端子の無い側,即ちスタータの穴の側を示している。
【図3】本発明によるスタータの側面図を示す。
【図4】図3に示されたスタータの平面図で,挿入端子の無い側,即ち凹部を有する側を示している。
【図5】本発明に準拠してスタータを取り付ける,又は交換する動作を概観的に示す。
【図6】本発明に準拠してスタータを取り付ける,又は交換するときに二つのスタータが係合された状態を概観的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体,及び本体の一方の端面に配置された一対の挿入端子を有し,少なくとも1個の凹部が,この本体のもう一方の端面に形成されているスタータ。
【請求項2】
前記スタータは前記本体のもう一方の端面に形成されている少なくとも一対の凹部を有する,請求項1に記載のスタータ。
【請求項3】
前記少なくとも一対の凹部の対の間の距離が,前記一対の挿入端子の対の間の距離と実質的に同一である,請求項2に記載のスタータ。
【請求項4】
前記少なくとも一対の凹部の形状が,前記一対の挿入端子の形状と同じである,請求項2に記載のスタータ。
【請求項5】
前記少なくとも一対の凹部の寸法が,前記一対の挿入端子の寸法より僅かに大きい,請求項2に記載のスタータ。
【請求項6】
前記スタータは一対の凹部を有し,当該一対の凹部が反対側の端面に在る一対の挿入端子に対応する位置に配置されている,請求項2に記載のスタータ。
【請求項7】
前記少なくとも一対の凹部の対の間の距離が,照明器具のランプ管の一端に配置されている一対の挿入端子の対の間の距離と実質的に同一である,請求項2に記載のスタータ。
【請求項8】
前記少なくとも一対の凹部の形状が,照明器具のランプ管の一端に配置されている一対の挿入端子の形状と同じである,請求項2に記載のスタータ。
【請求項9】
前記少なくとも一対の凹部の寸法が,照明器具のランプ管の一端に配置されている前記一対の挿入端子の寸法より僅かに大きい,請求項2に記載のスタータ。
【請求項10】
複数の対になった凹部を有し,各々の対は直径方向にお互いに反対側に配置されている,請求項2ないし9のいずれか一項に記載のスタータ。
【請求項11】
前記本体は,二つの閉じた端面を持つ円筒形の本体である,請求項2ないし9のいずれか一項に記載のスタータ。
【請求項12】
前記本体中に含まれる電子アセンブリを更に有し,前記本体の一方の端面を貫いていて前記電子アセンブリから一対の挿入端子が延在する,請求項2ないし9のいずれか一項に記載のスタータ。
【請求項13】
前記スタータの作動状態を示すための穴が前記本体のもう一つの端面に形成された,請求項2ないし9のいずれか一項に記載のスタータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−506493(P2009−506493A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527554(P2008−527554)
【出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052817
【国際公開番号】WO2007/023418
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】