説明

着脱ユニットおよび画像形成装置

【課題】取り外された着脱ユニットの回転体の損傷を低減すること。
【解決手段】
ユニット本体(11)が被装着装置(U1)に装着される装着方向の下流側に向けて回転体(PR)を付勢する付勢部材(19)と、第1の被支持部(32b)と第1の支持部(16)との間に支持され且つ回転体(PR)の一端側を回転可能に支持する第1の回転支持部材(21)であって、着脱方向に沿って移動可能に支持された第1の回転支持部材(21)と、第2の被支持部(33b)と第2の支持部(26)との間に支持され且つ回転体(PR)の他端側を回転可能に支持する第2の回転支持部材(28)であって、着脱方向に沿って移動可能に支持された第2の回転支持部材(28)と、を備えた着脱ユニット(U2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、経時的な損耗や故障等に対応するために、内部の部品を着脱可能な着脱ユニットとして、画像形成装置本体に対して、着脱、交換が可能な構成とすることが知られている。着脱ユニットの内部に回転体を有し、本体側に設けられた駆動源と、装着時に連結するための技術として、以下の特許文献1、2記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2001−117308号公報には、感光体ドラム(11)を有する感光体ユニットにおいて、感光体ドラム(11)が感光体ユニット内で軸方向に移動可能に支持されており、感光体ユニットがプリンタ本体(10)に装着されると、プリンタ本体(10)から延びる駆動軸(41)に支持されたジョイント(42)により感光体ドラム(11)の後フランジ(31)が支持され且つ前方に押されて、感光体ドラム(11)の前フランジ(30)をスプリング(32)を介して支持する加圧支持部材(33)が玉軸受け(25)の内輪に接触することで、感光体ドラム(11)が回転可能な状態となる構成が記載されている。
特許文献1記載の構成では、感光体ドラム(11)が取り外されると、スプリング(32)の付勢力により後方に押され、前フランジ(30)と後フランジ(31)とが、感光体ケース(24)の加圧支持部材受け孔(24a)と後フランジ受け孔(24b)とに落下して支持される構成が記載されている。
【0004】
特許文献2としての特開2000−162922号公報には、感光体ドラム(222a)を有するプロセスユニット(2)が複写機本体(1)に装着される場合に、感光体ドラム(222a)の後側のフランジ(4b)は、複写機本体(1)から延びる回転駆動軸(6)の後部のガイド部材(61)に嵌合して位置決めがされ、感光体ドラム(222a)の前側のフランジ(4a)は、フランジ(4a)を貫通する回転駆動軸(6)の前端にネジ止めされ且つベアリング(10c)に回転可能に支持されるロック部材(16)により、位置決めがされる構成が記載されています。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−117308号公報(「0011」〜「0020」、図2、図4)
【特許文献2】特開2000−162922号公報(「0038」〜「0049」、図2、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、取り外された着脱ユニットの回転体の損傷を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の着脱ユニットは、
被装着装置に装着されるユニット本体と、
前記ユニット本体に支持された回転体であって、前記被装着装置に配置され且つ前記ユニットの着脱方向に沿って延びる回転軸が挿入されて回転が伝達される前記回転体と、
前記ユニット本体が前記被装着装置に装着される装着方向の下流側に向けて前記回転体を付勢する付勢部材と、
前記回転体に設けられ且つ前記ユニット本体の前記装着方向の下流側に配置され、前記ユニット本体が装着された場合に前記回転軸に支持された接触部に接触して前記装着方向の上流側に押される被接触部と、
前記回転体の一端側に配置された第1の被支持部と、
前記回転体の他端側に配置された第2の被支持部と、
前記ユニット本体に設けられ且つ前記第1の被支持部に対応して配置された第1の支持部と、
前記ユニット本体に設けられ且つ前記第2の被支持部に対応して配置された第2の支持部と、
前記第1の被支持部と前記第1の支持部との間に支持され且つ前記回転体の一端側を回転可能に支持する第1の回転支持部材であって、前記第1の被支持部および前記第1の支持部の少なくとも一方に対して前記着脱方向に沿って移動可能に支持された前記第1の回転支持部材と、
前記第2の被支持部と前記第2の支持部との間に支持され且つ前記回転体の他端側を回転可能に支持する第2の回転支持部材であって、前記第2の被支持部および前記第2の支持部の少なくとも一方に対して前記着脱方向に沿って移動可能に支持された前記第2の回転支持部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明の画像形成装置は
着脱ユニットが収容されるユニット収容部と、前記ユニット収容部に配置され且つ前記着脱ユニットの着脱方向に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に支持された接触部と、を有する画像形成装置本体と、
前記ユニット収容部に収容される着脱ユニットのユニット本体と、前記ユニット本体に支持され且つ前記回転軸が挿入されて回転が伝達される回転体と、前記着脱ユニットが前記画像形成装置本体に装着される装着方向の下流側に向けて前記回転体を付勢する付勢部材と、前記回転体に設けられ且つ前記着脱ユニットの前記装着方向の下流側に配置され、前記着脱ユニットが装着された場合に前記接触部に接触して前記装着方向の上流側に押される被接触部と、前記回転体の一端側に配置された第1の被支持部と、前記回転体の他端側に配置された第2の被支持部と、前記ユニット本体に設けられ且つ前記第1の被支持部に対応して配置された第1の支持部と、前記ユニット本体に設けられ且つ前記第2の被支持部に対応して配置された第2の支持部と、前記第1の被支持部と前記第1の支持部との間に支持され且つ前記回転体の一端側を回転可能に支持する第1の回転支持部材であって、前記第1の被支持部および前記第1の支持部の少なくとも一方に対して前記着脱方向に沿って移動可能に支持された前記第1の回転支持部材と、前記第2の被支持部と前記第2の支持部との間に支持され且つ前記回転体の他端側を回転可能に支持する第2の回転支持部材であって、前記第2の被支持部および前記第2の支持部の少なくとも一方に対して前記着脱方向に沿って移動可能に支持された前記第2の回転支持部材と、を有する前記着脱ユニットと、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、取り外された着脱ユニットの回転体の損傷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図2】図2は図1の画像形成装置において開閉部が開放位置に移動した状態の説明図である。
【図3】図3は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図4】図4は図3のトナー像形成装置部分の要部拡大図である。
【図5】図5は実施例1のプロセスユニットの感光体部分の部分断面図であり、図5Aは図4のVA−VA線断面図、図5Bは前側の軸受け部分の拡大説明図である。
【図6】図6は図5に示すプロセスユニットが画像形成装置本体から取り外された状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0012】
図1は実施例1の画像形成装置の斜視図である。
図2は図1の画像形成装置において開閉部が開放位置に移動した状態の説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像形成装置本体の一例であって、被装着装置の一例としてのプリンタ本体U1を有する。プリンタ本体U1の上面には、第1の媒体排出部の一例としての第1排出トレイTRh、いわゆるフェイスダウントレイTRhが設けられている。前記第1排出トレイTRhの媒体排出方向の先端側において、上面の前部には、利用者が入力操作する操作部UIが設けられており、前記操作部UIには表示部等が設けられている。プリンタUの上部前面には、開閉部の一例としてのフロントパネルUaが配置されており、フロントパネルUa下端部が左右方向に延びる回転軸により、プリンタU本体に回転可能に支持されている。図2において、プリンタ本体U1には、ユニット収容部の一例として、プロセスユニット収容部U1aおよびトナーカートリッジ収容部U1bとが形成されており、フロントパネルUaが図1に示す閉塞位置から図2に示す開放位置に移動すると、現像剤容器の一例としてのトナーカートリッジTCや、着脱体ユニットの一例としてのプロセスユニットU2を交換することが可能になっている。
【0013】
図3は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図3において、プリンタUには、画像情報送信装置の一例としてホストコンピュータHCが電気的に接続されており、ホストコンピュータHCから送信された画像情報や制御信号等の電気信号は、プリンタUの制御部の一例としてのコントローラCに入力される。前記コントローラCは、入力される画像情報を一時的に記憶し、前記画像情報を予め設定された時期に潜像形成用の情報に変換して、潜像形成回路の一例としてのレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された情報に応じて駆動信号を潜像形成装置ROSに出力する。なお、前記操作部UI、レーザ駆動回路DLと、後述の現像ロールGa、転写ロールRtに電圧を印加する電源回路E等の動作はコントローラCにより制御される。
【0014】
図4は図3のトナー像形成装置部分の要部拡大図である。
図3、図4において、前記潜像形成装置ROSの左方には、黒色のトナー像を形成する可視像形成装置の一例としてのトナー像形成装置U2が配置されている。潜像形成装置ROSから出射された潜像形成光の一例としてのレーザビームLは、回転する感光体PRに入射される。
図3、図4において、実施例1のトナー像形成装置U2は、像保持体の一例として、回転軸PRaを中心に矢印方向に回転する感光体PRを有する。前記感光体PRの周囲には、感光体PRの回転方向に沿って、帯電部材の一例としての帯電ロールCRと、現像装置Gと、像保持体用の清掃器の一例としての感光体クリーナCLとが配置されている。また、前記トナー像形成装置U2はユニット化されており、プロセスユニット2としてプリンタ本体U1に着脱可能に構成されている。図2において、前記プロセスユニットU2の着脱は、プリンタ本体U1の前面に開閉可能に支持されたフロントカバーUaを開放した状態で行われる。
【0015】
図3、図4において、前記感光体PRの表面は、帯電電圧が印加される帯電ロールCRにより帯電された後、潜像書込位置Q1において潜像形成装置ROSのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。前記静電潜像が形成された感光体PR表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域Q3を順次通過する。
現像装置Gは、内部に現像剤の一例としてのトナーを収容する現像容器Vを有する。前記現像容器V内には、現像領域Q2で感光体PRと対向し且つ現像電圧が印加される現像剤保持体の一例としての現像ロールGaが回転可能に支持されている。また、現像容器V内には、トナーを現像ロールGaに撹拌しながら搬送するトナー撹拌部材Gb,Gcが回転可能に支持されている。したがって、現像ロールGaの回転に伴って表面に保持されたトナーが現像領域Q2に搬送され、現像領域Q2を通過する感光体PR上の静電潜像が可視像の一例としてのトナー像に現像される。
【0016】
前記現像容器Vの前端部には、プリンタUに固定支持された現像剤補給装置の一例としてのカートリッジトナー補給装置TH1の補給路の一端が接続されている。前記カートリッジトナー補給装置TH1の補給路の他端は、現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジTCの排出口TC3に接続されている。
図3において、トナーカートリッジTCは、内部にトナーを収容する容器本体の一例としてのカートリッジ本体TC1を有し、前記カートリッジ本体TC1内には容器内搬送部材の一例としてのトナー搬送部材TC2が回転可能に支持されている。したがって、現像装置Gでのトナーの消費に応じて、前記トナー搬送部材TC2が回転駆動してカートリッジ本体TC1内のトナーを、排出口TC3に搬送する。排出口TC3から排出されたトナーは、カートリッジトナー補給装置TH1の補給経路内の図示しない補給用搬送部材により現像装置Gの現像容器Vに搬送される。
【0017】
前記トナーカートリッジTCは、プリンタUに対して前後方向に挿抜することにより着脱可能に構成されている。前記トナーカートリッジTCの着脱は、図2に示すように、プリンタ本体U1の前面に開閉可能に支持されたフロントカバーUaを開放した状態で行う。
前記感光体PR、帯電ロールCR、静電潜像形成装置ROS、現像装置G等により、感光体PR上にトナー像を形成するトナー像形成装置U2が構成されている。
【0018】
図1、図3において、プリンタUの下部には、媒体収容部の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が複数設けられている。複数の給紙トレイTR1〜TR4は、前記転写領域Q3に搬送するための媒体の一例として記録用シートSを収容している。
図3において、プリンタUの下部内部には、出入される給紙トレイTR1〜TR4の左右両端部を移動可能に支持する容器案内部材の一例としてのレールRL1,RL1が配置されている。したがって、左右一対のレールRL1,RL1により各給紙トレイTR1〜TR4は前後方向に移動可能に支持されており、前記各給紙トレイTR1〜TR4はプリンタUの前面から出入可能である。
【0019】
図3において、前記各給紙トレイTR1〜TR4の給紙側の上部には、給紙装置Kが配置されている。前記給紙装置Kは、媒体取出部材の一例としてのピックアップロールRpと、媒体搬送部材の一例としてのフィードロールおよび媒体分離部材の一例としてのリタードロールからなる捌き部材の一例としてのさばきロールRsとを有する。
給紙装置KのピックアップロールRpにより取出された記録用のシートSは、さばきロールRsにより1枚ずつ分離されて、本体搬送路SH1に給紙される。給紙されたシートSは、本体搬送路SH1に配置された複数の搬送部材の一例としてのシート搬送ロールRaにより搬送される。シート搬送ロールRaにより搬送されたシートSは、時期調整部材の一例としてのレジロールRrにより、感光体PR表面のトナー像が転写領域Q3に移動する時期に合わせて、前記転写領域Q3に搬送される。
【0020】
また、プリンタUの左側部には、手差し部の一例としての手差トレイTR0が装着されている。前記手差トレイTR0から給紙されたシートSは、手差用の追加搬送路SH5から、手差搬送路SH2を通過して、前記本体搬送路SH1のシート搬送ロールRaにより搬送され、レジロールRrにより前記転写領域Q3に搬送される。
図3において、前記転写領域Q3には転写電圧が印加される転写装置の一例としての転写ロールRtが配置されている。この転写ロールRtは転写領域Q3において前記感光体PRに予め設定された圧力で接触しており、転写領域Q3を通過するシートSに感光体PR上のトナー像を転写する。
【0021】
図4において、感光体PR表面のトナー像が転写領域Q3においてシートSに転写された後、前記感光体PRは、感光体クリーナCLの清掃部材の一例としてのクリーニングブレードCL1により表面に付着した残留現像剤の一例としての残留トナーが除去、回収され、清掃される。クリーニングブレードCL1で除去された残留トナーは、清掃容器の一例としてのクリーナ容器CL2に収容される。クリーナ容器CL2内の現像剤は、回収搬送部材の一例としての回収オーガCL3で前方に搬送され、前端に設けられた回収路CL4を通じて、現像容器V内に戻され、再使用される。
感光体クリーナCLにより表面に付着した残留トナーが回収された感光体PRは、前記帯電ロールCRにより再び帯電される。なお、実施例1では、帯電ロールCRには、温度検出部材の一例として、帯電ロールCRの温度を検出する温度センサSN1が配置されている。
【0022】
前記転写領域Q3において未定着のトナー像が転写されたシートSは、トナー像が未定着の状態で定着装置Fの定着領域Q4に搬送される。定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、加熱ロールFhと加圧ロールFpが接触する定着領域Q4においてトナー像が加熱定着される。
前記トナー像形成装置U2と、転写ロールRt、定着装置Fにより、シートSに画像を記録する画像記録部材U2+Rt+Fが構成されている。
定着トナー像が形成されたシートSは、媒体案内部材の一例としてのシートガイドに案内されて排出部材の一例としての排紙ロールR1に搬送される。シートSは、前記排紙ロールR1により、媒体排出口の一例としてのシート排出口Haから前記第1排出トレイTRhに排出される。
【0023】
プリンタUの内部の定着装置F上方には、前記シート排出口Haに接続された本体反転路SH3が設けられている。また、前記手差しトレイTR0の上部には、追加装置である媒体反転装置の一例としてのシート反転装置U3が装着されている。前記シート反転装置U3の内部には、前記本体反転路SH3に接続される追加反転路の一例としてのオプション反転路SH4が形成されている。したがって、両面印刷時には、前記定着領域Q4でトナー像が定着されたシートSは、前記本体シート反転路SH3、オプション反転路SH4を通過して、前記レジロールRrに搬送され、前記転写領域Q3に再送される。
前記本体反転路SH3、オプション反転路SH4により、反転路SH3+SH4が構成されている。
【0024】
また、前記シート反転装置U3には、シートSの画像記録面が上面になる状態で排出される追加媒体排出部の一例としてのオプション排紙トレイTRh1、いわゆる、フェイスアップトレイTRh1が設けられている。前記オプション排紙トレイTRh1と前記本体反転路SH3との間には、追加排出路の一例としてのオプション排出路SH6が設けられており、ユーザによりオプション排紙トレイTRh1に排出することが指定された場合、シートSは、前記本体反転路SH3から前記オプション排出路SH6を通過して、前記オプション排紙トレイTRh1に排出される。
【0025】
(感光体の駆動軸およびプロセスユニットの説明)
図5は実施例1のプロセスユニットの感光体部分の部分断面図であり、図5Aは図4のVA−VA線断面図、図5Bは前側の軸受け部分の拡大説明図である。
図6は図5に示すプロセスユニットが画像形成装置本体から取り外された状態の説明図である。
図5、図6において、実施例1のプリンタUのプリンタ本体U1には、回転軸の一例として、プロセスユニットU2が着脱される着脱方向の一例としての前後方向に沿って延びる駆動軸1が支持されている。前記駆動軸1には、図示しない駆動源の一例としてのモータから駆動が伝達される。前記駆動軸1は、前後方向に延びる円柱状に形成されており、前端部には、後部および中央部の大径部1aよりも小径の小径部1bが形成されている。前記小径部1bには、回転伝達部の一例として、小径部1bを貫通して径方向の外側に突出する伝達ピン2が支持されている。なお、伝達ピン2の径方向の長さは、大径部1aの直径以下の長さに設定されている。
前記大径部1aの後端部には、接触部の一例として、筒状のテーパ駒3が固定支持されており、前記テーパ駒3の前端部は、前方に行くに連れて外表面が小径になる円錐状の接触面3aが形成されている。
【0026】
図5、図6において、前記プロセスユニットU2は、ユニット本体の一例としてのユニットフレーム11を有する。ユニットフレーム11は、本体前部の一例としての前側に配置された円板状の前フレーム12と、本体後部の一例としての後側に配置された円板状の後フレーム13とを有する。
前フレーム12の内周には、前方に延びる前筒部12aが形成されており、後フレーム13の内周には、後方に延びる後筒部13aが形成されている。
【0027】
前記前筒部12aの内周面には、第1の支持部の一例として、筒状の前スリーブ16が固定支持されている。前記前スリーブ16の後端には、内周側に突出する円板状の前停止部16aが形成されている。前停止部16aの内周には、駆動軸1の外径よりも大径の貫通口16bが形成されており、駆動軸1との間に十分な隙間があいた状態で駆動軸1が貫通可能に構成されている。
前記前スリーブ16の前端には、第1の付勢支持体の一例として、内周側に延びる円板状の第1のバネ支持筒17が支持されている。バネ支持筒17には、第1の付勢支持部の一例として、前方に凹んだバネ支持凹部17aが形成されており、バネ支持凹部17aの内周側には、駆動軸1が貫通する貫通口17bが形成されている。
【0028】
バネ支持筒17の後方には、第2の付勢支持体の一例として、筒状のスライド筒18が配置されている。スライド筒18は、後方に行くに連れて径が大きくなる円錐状のスライド本体18aを有し、スライド本体18aの前端には、駆動軸1が貫通する貫通口18bが形成されている。スライド本体18aの後端には、第2の付勢支持部の一例として、径方向外方に延びる中空円板状のバネ支持部18cが一体的に形成されている。前記バネ支持部18cの外周には、被案内部の一例として、前後方向に延びる筒状の被ガイド筒18dが一体的に形成されている。被ガイド筒18dの外周面は、前スリーブ16の内周面に接触しており、スライド筒18は前スリーブ16の内周面に案内されて、前後方向に移動可能に支持されている。前記被ガイド筒18dの後端には、回転支持部材の接触部の一例として、ベアリング接触部18eが形成されている。
前記バネ支持部18cとバネ支持凹部17aとの間には、付勢部材の一例として、スライド筒18を後方に付勢するコイルスプリング19が支持されている。
【0029】
前記スライド筒18と前スリーブ16の前停止部16aとの間には、第1の回転支持部材の一例としての前ベアリング21が配置されている。実施例1の前ベアリング21は、従来公知の玉軸受け、いわゆるボールベアリングにより構成されており、外輪の一例として、周方向の外方に配置された円環状のアウタレース21aと、内輪の一例として、周方向の内方に配置された円環状のインナレース21bと、転動体の一例として、アウタレース21aおよびインナレース21bの間に配置され且つアウタレース21aとインナレース21bを相対的に回転可能に支持するボール21cとを有する。
実施例1のアウタレース21aは、前スリーブ16の内周面により前後方向に移動可能に支持されている。すなわち、実施例1の前ベアリング21は前スリーブ16により前後方向に摺動可能に支持されている。また、アウタレース21aの前端には、コイルスプリング19で後方に付勢されたスライド筒18のベアリング接触部18eが接触しており、コイルスプリング19により前ベアリング21は後方に付勢されている。
【0030】
前記後筒部13aの内周面には、第2の支持部の一例として、筒状の後スリーブ26が固定支持されている。後スリーブ26の後端には、軸案内部材の一例として、プロセスユニットU2の後端部に配置された後端カバー27が支持されている。後端カバー27の内周部には、プロセスユニットU2の装着時に駆動軸1を案内するように前方に行くに連れて内径が小さくなる円錐状の案内面27aが形成されている。
前記後スリーブ26の前部の内周面には、第2の回転支持部材の一例としての後ベアリング28が配置されている。実施例1の後ベアリング28は、前ベアリング21と同様に、従来公知のボールベアリングにより構成されており、アウタレース28a、インナレース28bおよびボール28cとを有する。実施例1の後ベアリング28は、アウタレース28aが、後スリーブ26の内周面に圧入等により固定支持されている。
【0031】
図5、図6において、前フレーム12と後フレーム13との間には、回転体の一例としての感光体PRが配置されている。実施例1の感光体PRは、感光体本体の一例として、表面に感光層が形成された円筒状の感光体スリーブ31を有する。感光体スリーブ31の前後両端には、前接続部の一例としての前フランジ32と、後支持部の一例としての後フランジ33とが配置されている。
実施例1の前フランジ32は、前接続部の本体の一例として、感光体スリーブ31の前端を外周で固定支持する円板状の前フランジ本体32aを有する。前フランジ本体32aの内周には、第1の被支持部の一例として、前後方向に延びる筒状の前フランジ筒部32bが一体的に形成されており、前フランジ筒部32bの内周面には、駆動軸1の小径部1bが貫通可能な貫通口32cが形成されている。なお、実施例1の前フランジ32の貫通口32cは、後方から前方に行くに連れて内径が大きくなるように設定されており、後端部が小径部1bの外径に対応する内径に設定されている。したがって、駆動軸1が貫通口32cに挿入されると、駆動軸1が貫通口32cの後端に接触し、駆動軸1に対して前フランジ32が位置決めがされる。
【0032】
前記前フランジ筒部32bの前部の外周面には、前記前ベアリング21のインナレース21bが支持されている。実施例1の前フランジ32では、前ベアリング21のインナレース21bが圧入等により固定支持されている。したがって、実施例1の前フランジ32は、前スリーブ16の内周面に沿って前後方向に移動可能な前ベアリング21と一体的に、前スリーブ16に対して前後方向に移動可能な状態で支持されている。
また、前フランジ筒部32bの後端には、回転被伝達部の一例として、駆動軸1の伝達ピン2に対応する位置に、周方向に沿って鋸歯状の凹凸が形成されたセレーション32dが形成されている。したがって、プロセスユニットU2がプリンタ本体U1に装着されて、駆動軸1が挿入されると、セレーション32dの凹凸に伝達ピン2が嵌って、駆動軸1から前フランジ32に回転が伝達可能な状態となり、駆動軸1と感光体PRが一体的に回転可能な状態となる。
【0033】
実施例1の後フランジ33は、後接続部の本体の一例として、感光体スリーブ31の後端を外周で固定支持する円板状の後フランジ本体33aを有する。後フランジ本体33aの内周には、第2の被支持部の一例として、後方に向けて延びる筒状の後フランジ筒部33bが一体的に形成されている。後フランジ筒部33bの後部には、後ベアリング28のインナレース28bが前後方向に移動可能に支持されている。すなわち、後ベアリング28は、後フランジ筒部33bの外周面に前後方向に摺動可能に支持されている。
なお、後フランジ筒部33bの前部には、第2の停止部の一例として、後部よりも大径に形成され、後ベアリング28のインナレース28bに接触可能な後停止部33cが形成されている。
【0034】
後フランジ筒部33bの後端には、テーパ駒3の接触面3aに接触可能な被接触部33dが形成されている。したがって、実施例1の後フランジ筒部33bは、内径が、駆動軸1の大径部1aの外径よりも大きく且つテーパ駒3の前端の外径以上で後端の外径以下の大きさに設定されている。したがって、プロセスユニットU2がプリンタ本体U1に装着されて、駆動軸1が挿入されると、被接触部33dがテーパ駒3の接触面3aに接触し、突き当てられ、後フランジ33の駆動軸1に対する位置決めがされる。
【0035】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、画像形成動作が開始されると、駆動軸1が回転して、伝達ピン2やセレーション32dを介して感光体PRが回転し、潜像形成、現像、転写、定着が行われて、記録シートSに画像が形成される。
プリンタUの使用に伴って、プロセスユニットU2内の部品の経時的な損耗や故障等が発生すると、フロントパネルUaが開放されて、プロセスユニットU2の交換が行われる。
図5、図6において、実施例1の感光体PRは、ユニットフレーム11に対して、前後のベアリング21,28を介して、フランジ32,33が回転可能に支持されており、上下、左右方向の位置が決められていると共に、前後方向に移動可能に支持される。
【0036】
したがって、図5に示すように、プロセスユニットU2がプリンタ本体U1に装着された状態では、フランジ32,33に駆動軸1が挿入されて、テーパ駒3が後フランジ33の被接触部33dを前方に押すと共に、コイルスプリング19が前ベアリング21を介して感光体PRの前フランジ32を後方に付勢している。よって、コイルスプリング19に付勢されて後フランジ33がテーパ駒3に突き当てられており、感光体PRの前後方向の位置が決められている。
また、図6において、プロセスユニットU2がプリンタ本体U1から取り外された状態では、コイルスプリング19が前ベアリング21を後方に付勢し、前ベアリング21のアウタレース21aまたは後ベアリング28のインナレース28bが、前停止部16aまたは後停止部33cに接触し、前後方向の位置が決められる。
【0037】
ここで、特許文献1に示すような従来の構成では、プロセスユニット等の着脱ユニットが、プリンタ本体等の被装着装置から取り外されると、感光体等の回転体の軸方向に交差する方向である左右方向や上下方向に回転体が移動可能な状態となっている。この構成では、着脱ユニットを運搬や着脱作業等で取り扱う際に、回転体が内部で移動、傾斜等して、回転体の近傍に配置された部材に接触する恐れがあり、回転体や近傍の部品が損傷や故障する恐れがあった。
これに対して、実施例1のプロセスユニットU2では、軸方向は、停止部16a,33cとベアリング21,28との接触とコイルスプリング19の付勢力で図6に示す位置に保持されると共に、軸方向に交差する方向は、ベアリング21,28がフランジ32,33を支持することで移動不能な状態で保持されている。したがって、プロセスユニットU2の運搬時等に、内部の部品どうしが接触する等して、損傷、故障することが低減されている。
【0038】
また、特許文献2に示すような従来の構成では、着脱ユニットを装着した後に、ネジを使用して回転軸を締結する必要があり、部品点数が多く、費用が上昇する問題や、着脱時にネジを締結、締結解除するための工具が必要になったり、ネジを締結、解除する工程が必要となって、作業が面倒である問題がある。
これに対して、実施例1のプロセスユニットU2では、プリンタU2を軸方向に挿入するだけで、感光体PRの位置決めがされると共に、プロセスユニットU2の着脱が可能になっている。したがって、実施例1のプロセスユニットU2は、簡素な構成で、費用の上昇が抑制され、作業も容易に可能になっている。
【0039】
さらに、実施例1のプロセスユニットU2では、各ベアリング21,28を支持する前スリーブ16と後スリーブ26は、ベアリング21,28の位置に対応するスリーブ16,26の外周面に対応して、軸方向に交差する方向に延びる前フレーム12および後フレーム13が配置されている。すなわち、感光体PRの前後両端を受けるベアリング21,28の外周側は、スリーブ16,26を介して、径方向に延びる前フレーム12および後フレーム13に支持されている。ここで、前フレーム12および後フレーム13の位置がベアリング21,28の位置からずれている場合、感光体PRの回転時に軸方向に交差する方向の振動や変形、いわゆる振れが発生すると、スリーブ16,26も振れと同様にたわんでしまう恐れがあるが、実施例1では、前フレーム12,13が、スリーブ16,26を挟んでベアリング21,28の裏側に配置されており、感光体PRの回転が安定しやすくなっている。
【0040】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置を例示したが、これに限定されず、多色、いわゆるカラーの画像形成装置に適用可能である。
(H02)前記実施例において、着脱ユニットの一例として、プロセスユニットを例示したが、これに限定されず、回転体を有する着脱ユニット、例えば、トナーカートリッジや、クリーナCL等で回収された現像剤を回収する回収ボックスや、現像ユニット等の任意の着脱ユニットに適用可能である。
【0041】
(H03)前記実施例において、前ベアリング21はアウタレース21a側が摺動し、後ベアリング28はインナレース28b側が摺動する構成を例示したが、これに限定されず、摺動する側は任意の組合せとすることが可能である。
(H04)前記各実施例において、停止部16a,33cはいずれか一方のみとすることが可能である。
(H05)前記実施例において、コイルスプリング19を前側に配置する構成を例示したが、これに限定されず、後ろ側に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1…回転軸、
3…接触部、
11…ユニット本体、
16…第1の支持部、
19…付勢部材、
21…第1の回転支持部材、
26…第2の支持部、
28…第2の回転支持部材、
32b…第1の被支持部、
33b…第2の被支持部、
33d…被接触部、
PR…回転体、
U…画像形成装置、
U1…被装着装置、画像形成装置本体、
U1a…ユニット収容部、
U2…着脱ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被装着装置に装着されるユニット本体と、
前記ユニット本体に支持された回転体であって、前記被装着装置に配置され且つ前記ユニットの着脱方向に沿って延びる回転軸が挿入されて回転が伝達される前記回転体と、
前記ユニット本体が前記被装着装置に装着される装着方向の下流側に向けて前記回転体を付勢する付勢部材と、
前記回転体に設けられ且つ前記ユニット本体の前記装着方向の下流側に配置され、前記ユニット本体が装着された場合に前記回転軸に支持された接触部に接触して前記装着方向の上流側に押される被接触部と、
前記回転体の一端側に配置された第1の被支持部と、
前記回転体の他端側に配置された第2の被支持部と、
前記ユニット本体に設けられ且つ前記第1の被支持部に対応して配置された第1の支持部と、
前記ユニット本体に設けられ且つ前記第2の被支持部に対応して配置された第2の支持部と、
前記第1の被支持部と前記第1の支持部との間に支持され且つ前記回転体の一端側を回転可能に支持する第1の回転支持部材であって、前記第1の被支持部および前記第1の支持部の少なくとも一方に対して前記着脱方向に沿って移動可能に支持された前記第1の回転支持部材と、
前記第2の被支持部と前記第2の支持部との間に支持され且つ前記回転体の他端側を回転可能に支持する第2の回転支持部材であって、前記第2の被支持部および前記第2の支持部の少なくとも一方に対して前記着脱方向に沿って移動可能に支持された前記第2の回転支持部材と、
を備えたことを特徴とする着脱ユニット。
【請求項2】
着脱ユニットが収容されるユニット収容部と、前記ユニット収容部に配置され且つ前記着脱ユニットの着脱方向に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に支持された接触部と、を有する画像形成装置本体と、
前記ユニット収容部に収容される着脱ユニットのユニット本体と、前記ユニット本体に支持され且つ前記回転軸が挿入されて回転が伝達される回転体と、前記着脱ユニットが前記画像形成装置本体に装着される装着方向の下流側に向けて前記回転体を付勢する付勢部材と、前記回転体に設けられ且つ前記着脱ユニットの前記装着方向の下流側に配置され、前記着脱ユニットが装着された場合に前記接触部に接触して前記装着方向の上流側に押される被接触部と、前記回転体の一端側に配置された第1の被支持部と、前記回転体の他端側に配置された第2の被支持部と、前記ユニット本体に設けられ且つ前記第1の被支持部に対応して配置された第1の支持部と、前記ユニット本体に設けられ且つ前記第2の被支持部に対応して配置された第2の支持部と、前記第1の被支持部と前記第1の支持部との間に支持され且つ前記回転体の一端側を回転可能に支持する第1の回転支持部材であって、前記第1の被支持部および前記第1の支持部の少なくとも一方に対して前記着脱方向に沿って移動可能に支持された前記第1の回転支持部材と、前記第2の被支持部と前記第2の支持部との間に支持され且つ前記回転体の他端側を回転可能に支持する第2の回転支持部材であって、前記第2の被支持部および前記第2の支持部の少なくとも一方に対して前記着脱方向に沿って移動可能に支持された前記第2の回転支持部材と、を有する前記着脱ユニットと、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−103509(P2012−103509A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252367(P2010−252367)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】