説明

着脱体及び画像形成装置

【課題】着脱体を画像形成装置本体から取り外す操作性を向上させる。
【解決手段】画像形成装置本体に対して予め定められた取外方向へ取り外し可能に装着される着脱体本体と、前記着脱体本体に設けられた把持部と、前記着脱体本体に設けられ、前記着脱体本体の前記画像形成装置本体への装着状態において前記画像形成装置本体の被掛止部に掛け止めされて前記着脱体本体の前記画像形成装置本体からの取り外しを規制し、前記把持部が前記着脱体本体から前記取外方向へ引き出される動作に連動して前記被掛止部に対する掛け止め位置から退避する掛止部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱体及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、像担持体を含む画像形成手段と、前記像担持体上に形成されたトナー像が転写される用紙を収納する用紙トレイと、転写後の前記像担持体表面から除去されたトナーを収納する廃トナーボックスとを有し、かつ、前記用紙トレイと前記廃トナーボックスは隣接して配置されるとともに、画像形成装置本体に対して同一方向に取り出し可能に構成された画像形成装置において、前記廃トナーボックスの前面をカバーする外装扉と、前記外装扉の開閉運動に従って駆動され、前記用紙トレイの引き出しの規制、および、当該規制の解除を行うロック手段と、を有することを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【0003】
特許文献2に開示される画像形成装置は、中間転写体ユニットに固定されているクリーナユニット23の長手方向端部に設けられ廃トナーの排出口δを有する突出部35と、廃トナーボトル保持部材50に保持されている廃トナーボトル37に設けた取入口γとを嵌合させ、クリーナユニット23に廃トナーボトル37を接続することで、中間転写ユニットの当接離間動作に連動して、クリーナユニット23及び廃トナーボトル37が上下運動する構成とされている。一方、廃トナーボトル37を保持する廃トナーボトル保持部材50は、中間転写ユニットの当接離間手段に位置決めされる構成としているため、廃トナーボトル37を保持しながら上下動するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−169050号公報
【特許文献2】特開2003−156946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、着脱体を画像形成装置本体から取り外す操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、画像形成装置本体に対して予め定められた取外方向へ取り外し可能に装着される着脱体本体と、前記着脱体本体に設けられた把持部と、前記着脱体本体に設けられ、前記着脱体本体の前記画像形成装置本体への装着状態において前記画像形成装置本体の被掛止部に掛け止めされて前記着脱体本体の前記画像形成装置本体からの取り外しを規制し、前記把持部が前記着脱体本体から前記取外方向へ引き出される動作に連動して前記被掛止部に対する掛け止め位置から退避する掛止部と、を備える着脱体である。
【0007】
請求項2の発明は、前記着脱体本体に設けられ、前記掛止部を前記掛け止め位置へ付勢する付勢部材を備え、前記掛止部は、前記付勢部材の付勢力に対抗して前記取外方向へ前記把持部が引き出されることによって、当該引き出される動作に連動して前記掛け止め位置から退避する請求項1又は2に記載の着脱体である。
【0008】
請求項3の発明は、前記付勢部材は、前記掛止部と一体に形成されたバネで構成されている請求項2に記載の着脱体である。
【0009】
請求項4の発明は、前記把持部は、帯状に形成され、前記引き出される動作により長手方向中間部が前記着脱体本体から離間することで生じる張力によって前記付勢力に対抗して前記掛止部を前記掛け止め位置から退避させる請求項2又は3に記載の着脱体である。
【0010】
請求項5の発明は、前記掛止部は、前記着脱体本体の側部の上下方向の異なる位置に一対配置され、前記把持部における少なくとも長手方向中間部は、一対の前記掛止部の一方から他方に向かって、上下方向に対して斜めに配置されている請求項4に記載の着脱体である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の着脱体としてのトナー収容容器と、前記トナー収容容器が着脱される画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に設けられ、前記掛止部が掛け止めされる被掛止部と、を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の構成によれば、把持部が着脱体本体から取外方向へ引き出される動作に連動して掛止部が被掛止部に対する掛け止め位置から退避する構成でない場合に比べ、着脱体を画像形成装置本体から取り外す操作性を向上させることができる。
【0013】
本発明の請求項2の構成によれば、作業者が把持部を放すことで、掛止部を掛け止め位置へ復帰させることができる。
【0014】
本発明の請求項3の構成によれば、付勢部材が掛止部と一体に形成されたバネでない場合に比べ、部品点数を低減できる。
【0015】
本発明の請求項4の構成によれば、本構成を備えない場合に比べ、着脱体における取外方向に沿った厚みを小さくできる。
【0016】
本発明の請求項5の構成によれば、本構成を備えない場合に比べ、掛止部の配置位置の自由度が増す。
【0017】
本発明の請求項6の構成によれば、本構成におけるトナー収容容器を備えない場合に比べ、トナー収容容器を画像形成装置本体から取り外す操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る収容容器が取り外された状態の画像形成装置本体の構成を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係る収容容器の一部及び排出管の構成を示す断面図である。
【図4】図3に示す構成において、排出管が収容容器へ挿入された状態を示す断面図である。
【図5】カバーが取り外された状態の画像形成装置本体の構成を示す概略図である。
【図6】カバーが取り付けられた状態の画像形成装置本体の構成を示す概略図である。
【図7】本実施形態に係る収容容器の構成を示す斜視図である。
【図8】本実施形態に係る対向壁の構成を示す斜視図である。
【図9】本実施形態に係る収容容器の構成を示す斜視図である。
【図10】本実施形態に係るカバー及び把持部を取り外した状態の収容容器の構成を示す斜視図である。
【図11】本実施形態に係るカバーを取り外した状態の収容容器の構成を示す斜視図である。
【図12】本実施形態に係るカバーを取り外した状態の収容容器の構成を示す正面図である。
【図13】本実施形態に係る把持部の一部及び掛止部材を拡大して示す断面図及び拡大正面図である。
【図14】図13に示す構成において、把持部に対して引き出し動作を行った動作図である。
【図15】図14に示す構成において、さらに、把持部に対して引き出し動作を行った動作図である。
【図16】本実施形態に係る掛止部の構成及び比較例に係る掛止部の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。なお、下記のX方向、−X方向、Y方向(上方)、−Y方向(下方)、Z方向及び−Z方向は、図中に示す矢印方向である。また、図中の「○」の中に「×」が記載されたものは、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味し、図中の「○」の中に「・」が記載されたものは、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。
【0020】
画像形成装置10は、図1に示すように、各構成部品が設けられる画像形成装置本体11を備えている。画像形成装置本体11の内部には、用紙等の記録媒体Pが収容される収容部12と、記録媒体Pに画像を形成する画像形成部14と、収容部12から画像形成部14へ記録媒体Pを搬送する搬送部16と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、が設けられている。また、画像形成装置本体11の上部には、画像形成部14によって画像が形成された記録媒体Pが排出される排出部18が設けられている。
【0021】
画像形成部14は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像を形成する画像形成ユニット22Y、22M、22C、22K(以下、22Y〜22Kと示す)と、画像形成ユニット22Y〜22Kで形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト24と、画像形成ユニット22Y〜22Kで形成されたトナー画像を中間転写ベルト24に転写する第1転写ロール26と、第1転写ロール26によって中間転写ベルト24に転写されたトナー画像を中間転写ベルト24から記録媒体Pへ転写する第2転写ロール28と、を備えている。なお、画像形成部14は、上記の構成に限られず、他の構成であっても良く、記録媒体Pに画像を形成するものであればよい。
【0022】
画像形成ユニット22Y〜22Kは、水平方向(X方向)に対して傾斜した状態で、画像形成装置本体11に並んで配置されている。また、画像形成ユニット22Y〜22Kは、一方向(例えば、図1における時計回り方向)へ回転する感光体32をそれぞれ有している。なお、画像形成ユニット22Y〜22Kは、同様に構成されているので、図1において、画像形成ユニット22M、22C、22Kの各部の符号を省略している。
【0023】
各感光体32の周囲には、感光体32の回転方向上流側から順に、感光体32を帯電させる帯電装置の一例としての帯電ロール23と、帯電ロール23によって帯電した感光体32を後述の露光装置36が露光することで感光体32に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置38と、が設けられている。
【0024】
画像形成ユニット22Y〜22Kの斜め下方には、帯電ロール23によって帯電した感光体32を露光して感光体32に静電潜像を形成する露光装置36が設けられている。露光装置36は、制御部20から送られた画像信号に基づき静電潜像を形成するようになっている。制御部20から送られる画像信号としては、例えば、制御部20が外部装置から取得した画像信号がある。
【0025】
現像装置38は、感光体32へ現像剤を供給する現像剤供給体38Aと、現像剤供給体38Aへ付与される現像剤を攪拌しながら搬送する複数の搬送部材38Bと、を備えている。
【0026】
中間転写ベルト24は、環状に形成されると共に、画像形成ユニット22Y〜22Kの上側(Y方向側)に配置されている。中間転写ベルト24の内周側には、中間転写ベルト24が巻き掛けられる巻掛ロール42、43、44、45が設けられている。中間転写ベルト24は、巻掛ロール42、43、44、45のいずれかが回転駆動することによって、感光体32と接触しながら一方向(例えば、図1における反時計回り方向)へ循環移動(回転)するようになっている。なお、巻掛ロール42は、第2転写ロール28に対向する対向ロールとされている。
【0027】
第1転写ロール26は、中間転写ベルト24を挟んで感光体32に対向している。第1転写ロール26と感光体32との間が、感光体32に形成されたトナー画像が中間転写ベルト24に転写される第1転写位置T1とされている。
【0028】
第2転写ロール28は、中間転写ベルト24を挟んで巻掛ロール42に対向している。第2転写ロール28と巻掛ロール42との間が、中間転写ベルト24に転写されたトナー画像が記録媒体Pに転写される第2転写位置T2とされている。
【0029】
搬送部16は、収容部12に収容された記録媒体Pを送り出す送出ロール46と、送出ロール46に送り出された記録媒体Pが搬送される搬送路48と、搬送路48に沿って配置され送出ロール46によって送り出された記録媒体Pを第2転写位置T2へ搬送する複数の搬送ロール50と、が設けられている。
【0030】
第2転写位置T2より搬送方向下流側には、画像形成部14によって記録媒体Pに形成されたトナー画像を記録媒体Pに定着させる定着装置40が設けられている。この定着装置40より搬送方向下流側には、トナー画像が定着された記録媒体Pを排出部18へ排出する排出ロール52が設けられている。
【0031】
また、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pを反転させて、再び第2転写位置T2へ送り戻すための反転搬送路37が、搬送路48に対する中間転写ベルト24とは反対側(X方向側)に設けられている。記録媒体Pの両面に画像を形成する際には、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pが、排出ロール52によりスイッチバックされて反転搬送路37に導かれて第2転写位置T2へ送り戻されるようになっている。
【0032】
なお、本実施形態では、画像形成ユニット22Y〜22Kは、画像形成装置本体11に対して着脱可能とされ、中間転写ベルト24は、後述の除去装置61とユニット化されて、除去装置61と一体に画像形成装置本体11に対して着脱可能とされている。
【0033】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10における、記録媒体Pへ画像を形成する画像形成動作について説明する。
【0034】
本実施形態に係る画像形成装置10では、収容部12から送出ロール46によって送り出された記録媒体Pが、複数の搬送ロール50によって第2転写位置T2へ送り込まれる。
【0035】
一方、画像形成ユニット22Y〜22Kでは、帯電ロール23によって帯電した感光体32が、露光装置36によって露光されて感光体32に静電潜像が形成される。その静電潜像が現像装置38によって現像されて感光体32にトナー画像が形成される。画像形成ユニット22Y〜22Kで形成された各色のトナー画像は、第1転写位置T1にて中間転写ベルト24に重ねられて、カラー画像が形成される。そして、中間転写ベルト24に形成されたカラー画像が、第2転写位置T2にて記録媒体Pへ転写される。
【0036】
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置40へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置40により定着される。記録媒体Pの片面へのみ画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、記録媒体Pは排出ロール52により排出部18へ排出される。記録媒体Pの両面へ画像を形成する場合には、片面に画像が形成された後、記録媒体Pは、排出ロール52でスイッチバックされ、反転して反転搬送路37へ送り込まれる。さらに、反転搬送路37から再び第2転写位置T2へ送り込まれ、画像が記録されていない反対面に、上記と同様に画像が形成され、記録媒体Pの両面へ画像が形成され、排出ロール52により排出部18へ排出される。以上のように、一連の画像形成動作が行われる。
【0037】
(残留トナーを除去する除去装置)
次に、残留トナーを除去する除去装置について説明する。
【0038】
画像形成ユニット22Y〜22Kは、図1に示すように、それぞれ、中間転写ベルト24へトナー画像を転写した後に、感光体32に残留した残留トナーを除去する除去装置60を備えている。この除去装置60は、感光体32の外周において、第1転写位置T1に対する感光体32の回転方向下流側、かつ、帯電ロール23に対する感光体32の回転方向上流側に設けられている。
【0039】
除去装置60は、除去装置60の各構成部品が設けられる筐体62と、筐体62に設けられ感光体32に接触して感光体32に残留している残留トナーを除去する除去部材64と、筐体62に設けられ除去部材64が除去した残留トナーを後述のトナー収容容器80(図7参照)へ搬送する搬送部材66と、を備えている。
【0040】
筐体62は、感光体32に対向する位置(感光体32側)で開口する開口部62Aを有している。筐体62の内部には、除去部材64で除去された残留トナーが収容される収容空間Sが形成されている。
【0041】
除去部材64は、先端部が感光体32に接触するように筐体62の開口部62Aに設けられている。除去部材64は、例えば、感光体32に接触して感光体32の残留トナーを掻き取るゴム等のブレードで構成されている。除去部材64で除去された残留トナーは、その自重等により、筐体62内部の収容空間Sに収容されるようになっている。
【0042】
なお、画像形成ユニット22Y〜22Kにおける除去装置60は、同様に構成されているので、図1において、画像形成ユニット22Y、22M、22Cにおける除去装置60の各部の符号を省略している。
【0043】
また、画像形成装置10は、記録媒体Pへトナー画像を転写した後に中間転写ベルト24に残留した残留トナーを除去する除去装置61を備えている。この除去装置61は、中間転写ベルト24の外周において、中間転写ベルト24を挟んで巻掛ロール43と対向する対向位置に設けられている。
【0044】
除去装置61は、除去装置61の各構成部品が設けられる筐体63と、筐体63に設けられ中間転写ベルト24に接触して中間転写ベルト24に残留している残留トナーを除去する除去部材65と、筐体63に設けられ除去部材65が除去した残留トナーを後述のトナー収容容器80(図7参照)へ搬送する搬送部材66と、を備えている。
【0045】
筐体63は、中間転写ベルト24に対向する位置(中間転写ベルト24側(X方向側))で開口する開口部63Aを有している。筐体63の内部には、除去部材65で除去された残留トナーが収容される収容空間Sが形成されている。
【0046】
除去部材65は、先端部が中間転写ベルト24に接触するように筐体63の開口部63Aに設けられている。除去部材65は、例えば、中間転写ベルト24に接触して中間転写ベルト24の残留トナーを掻き取るゴム等のブレードで構成されている。除去部材65で除去された残留トナーは、その自重等により、筐体63内部の収容空間Sに収容されるようになっている。
【0047】
(搬送部材66及び排出管68の具体的な構成)
次に、搬送部材66及び排出管68の具体的な構成について説明する。なお、除去装置61における搬送部材66及び排出管68の構成は、除去装置60における搬送部材66及び排出管68の構成と同様であるので、適宜、説明を省略する。
【0048】
各画像形成ユニット22Y〜22Kには、図2に示すように、除去装置60の筐体62から水平方向(−Z方向)へ突出する排出管68が設けられている。排出管68の内部は、筐体62内部の収容空間S(図1参照)と通じており、筐体62内部の収容空間Sに収容された残留トナーが、排出管68の内部へ流入可能とされている。除去装置61においては、筐体63から水平方向(−Z方向)へ突出する排出管68が設けられ、その排出管68の内部が筐体63内部の収容空間S(図1参照)と通じている。
【0049】
各搬送部材66の一端部(Z方向側端部)は、各筐体62(除去装置61において筐体63)内に設けられ、搬送部材66の他端部(−Z方向側端部)は、図3に示すように、排出管68の内部に設けられている。すなわち、搬送部材66は、筐体62(除去装置61において筐体63)の収容空間S(図1参照)から排出管68の内部に渡って設けられている。
【0050】
搬送部材66は、回転可能な回転軸66Aと、回転軸66Aに対してその軸周りに螺旋状に設けられた螺旋部材66Bと、を備えて構成されている。回転軸66Aの一端部(Z方向側端部)が、図示はしないが、筐体62のZ方向側の側壁に回転可能に支持されている。回転軸66Aの一端部(Z方向側端部)が、図示しないモータからの回転力を受けて回転軸66Aが回転するようになっている。螺旋部材66Bは、回転軸66Aの回転により、残留トナーを筐体62の収容空間S(図1参照)から排出管68へ搬送するようになっている。
【0051】
排出管68は、大径部68Aと、大径部68Aと同軸上にその先端部(−Z方向端部)に一体に設けられた小径部68Bと、を有して構成されている。大径部68Aの先端部(−Z方向端部)には、後述のシャッタ88の被押し面88Cを押す押し面72が、小径部68Bの径方向外側で小径部68Bの軸周りに環状に形成されている。押し面72は、小径部68Bの先端側(−Z方向側)に向けられている。
【0052】
排出管68における押し面72の反対側(Z方向側)の面は、後述の開閉管74の被規制面75に当って開閉管74の移動を規制する規制面73とされている。規制面73は、大径部68Aの後端側(Z方向側)に向けられている。
【0053】
小径部68Bには、小径部68Bの軸方向に貫通し後述の突出部87が挿入される挿入孔70が形成されている。
【0054】
大径部68Aにおける排出管68の突出方向(−Z方向)中間部には、大径部68A内部の残留トナーを大径部68Aの外部へ排出するための排出口69が、大径部68Aの管壁における下方側(−Y方向側)の周方向一部に形成されている。
【0055】
大径部68Aにおける排出口69よりも後端側(Z方向側)の内壁には、径方向内側に張り出して、先端側(−Z方向)を向く環状の張出面77が形成されている。
【0056】
排出管68の内部には、排出口69を開閉する開閉管74が排出管68の同軸上に設けられている。開閉管74は、排出管68の軸方向(−Z方向、Z方向)に移動可能とされている。
【0057】
開閉管74は、大径部74Aと、大径部74Aと同軸上にその先端部(−Z方向端部)に一体に設けられた小径部74Bと、を有して構成されている。大径部74Aの先端部(−Z方向端部)には、排出管68の規制面73に当って開閉管74の移動が規制される被規制面75が、小径部74Bの径方向外側で小径部74Bの軸周りに環状に形成されている。
【0058】
小径部74Bは、排出管68の挿入孔70の挿入可能な径とされている。小径部74Bの先端面76は、後述の突出部87の先端部87Aに押される被押し面とされている。
【0059】
大径部74Aの先端側(−Z方向側)の管壁における下方側(Y方向側)の周方向一部には、大径部74Aの管壁を貫通し、排出管68の排出口69を開放する開放口75Aが形成されている。開閉管74における開放口75Aよりも後端側(Z方向側)の管壁の一部は、排出管68の排出口69を閉鎖する閉鎖部75Bとされている。
【0060】
開閉管74は、被規制面75が排出管68の規制面73に当って移動が規制された状態で閉鎖部75Bによって排出管68の排出口69を閉鎖する閉鎖位置(図3に示す位置)と、開放口75Aによって排出管68の排出口69を開放する開放位置(図4に示す位置)と、の間を移動可能とされている。
【0061】
開閉管74の大径部74Aの後端と排出管68の大径部68Aの張出面77との間には、開閉管74を閉鎖位置に付勢する付勢部材の一例としての圧縮コイルバネ71が設けられている。
【0062】
(本実施形態に係るトナー収容容器80の構成)
次に、本実施形態に係るトナー収容容器80の構成を説明する。
【0063】
着脱体の一例としてのトナー収容容器80は、除去装置60及び除去装置61が除去した残留トナー(廃トナー)を収容する収容容器であり、廃トナーで満たされた場合に交換される消耗部品である。トナー収容容器80は、図5に示すように、画像形成装置本体11における−Z方向側の側部に着脱可能に設けられている。
【0064】
画像形成装置本体11における−Z方向側の側部には、図6に示すように、画像形成装置本体11に取り付けられた状態のトナー収容容器80を覆うカバー13が着脱可能(又は開閉可能)に設けられている。従って、図5に示すように、カバー13が画像形成装置本体11から取り外された状態(又は画像形成装置本体11に対して開放された状態)において、トナー収容容器80が画像形成装置本体11に対して着脱されるようになっている。
【0065】
なお、本実施形態では、画像形成ユニット22Y〜22Kの除去装置60の排出管68及び、中間転写ベルト24に設けられた除去装置60の排出管68が、トナー収容容器80の後述の挿入口93Aに対して挿入されるため、画像形成ユニット22Y〜22K及び中間転写ベルト24の画像形成装置本体11に対する着脱は、排出管68がトナー収容容器80に干渉しないように、トナー収容容器80が画像形成装置本体11から取り外された状態において、行われるようになっている。
【0066】
図7に示すように、トナー収容容器80は、画像形成装置本体11に対して予め定められた取外方向へ取り外し可能に装着される着脱体本体の一例としての収容容器本体(筐体)84を備えている。収容容器本体84は、図4に示すように、排出管68から排出された残留トナーを収容する収容部85を内部に有している。
【0067】
収容容器本体84は、図7に示すように、排出管68が挿入される挿入口93Aが形成された挿入壁93と、挿入壁93における排出管68の被挿入側にある被挿入面93B(図3参照)に対向する対向壁83と、挿入壁93と対向壁83との間で収容部85(図3参照)の周囲を囲むように設けられた周囲壁94と、を備えて構成されている。
【0068】
周囲壁94は、図3に示すように、挿入壁93と一体に形成されており、図7に示すように、挿入壁93の−Y方向端でX方向に延びる第1壁94Aと、挿入壁93の−X方向端でY方向に延びる第2壁94Bと、第1壁94AのX方向端から第2壁94BのY方向端へ向けて上り勾配の排出管68の数分の階段状に形成された第3壁94Cと、を有して構成されている。この周囲壁94と対向壁83とは、超音波溶着、振動溶着等の溶着や、ネジ止めなどによって、固定されている。
【0069】
挿入口93Aは、複数の排出管68の配置方向H(図2参照)に沿って各排出管68に対応した位置に5つ設けられている。これにより、5つの排出管68のそれぞれが、トナー収容容器80の画像形成装置本体11への装着動作に伴って、各挿入口93Aに一括で(一度に)挿入されるようになっている。また、各挿入口93Aは、挿入壁93をその厚み方向に貫通する円孔で構成されている。
【0070】
挿入壁93の被挿入面93Bであって各挿入口93Aの縁には、図3に示すように、挿入壁93と円筒壁86との間を封止する封止部材90が、設けられている(図7参照)。封止部材90は、図4に示すように、挿入壁93の挿入口93Aに挿入された排出管68と挿入壁93との間を封止する封止部材としても機能するようになっている。
【0071】
周囲壁94は、挿入壁93及び対向壁83とで収容容器本体84の外壁をなしている。なお、周囲壁94は、挿入壁93ではなく、対向壁83と一体に設けられていてもよい。
【0072】
図8に示すように、対向壁83には、対向壁83から挿入壁93側(Z方向側)へ延びる円筒壁86を備えている。具体的には、円筒壁86は、対向壁83の厚み方向(Z方向)を軸方向とする円筒状(管状)とされている。円筒壁86は、対向壁83における挿入壁93と対向する対向面83Aにおいて挿入壁93側(Z方向側)へ突出するように、対向壁83と一体に形成されている。
【0073】
円筒壁86の先端部(Z方向側端部)86Cは、図3に示すように、Z方向視にて、挿入口93Aの外周を囲んでいる。これにより、円筒壁86内に排出管68が挿入される被挿入空間86Bが形成される。この被挿入空間86Bは、円筒壁86によって収容部85と仕切られている。
【0074】
対向壁83の対向面83Aには、円筒壁86の内部で、円筒壁86の軸方向に沿って挿入壁93側(Z方向)へ突出する突出部87が設けられている。突出部87は、具体的には、円筒壁86の軸中心部で棒状(円柱状)に形成されている。突出部87は、排出管68が被挿入空間86Bに挿入された場合において、圧縮コイルバネ71の付勢力に対抗して、開閉管74の小径部74Bの先端面76を先端部87Aで押し、開閉管74を開放位置へ移動させる押し部材として機能するようになっている。
【0075】
さらに、対向壁83の対向面83Aには、後述の圧縮コイルバネ81を保持する円筒状の保持部89が、円筒壁86の内部において突出部87の軸周りに突出部87の外周を囲むように設けられている。
【0076】
円筒壁86の突出方向(Z方向)中間部には、排出管68からの残留トナーを収容部85へ流入させる流入口86Aが、円筒壁86の管壁における下方側(−Y方向側)の周方向一部に形成されている。
【0077】
円筒壁86の内部には、流入口86Aを開閉可能である開閉部の一例としてのシャッタ88が設けられている。シャッタ88は、円筒壁86の同軸上に設けられた円筒状の部材で構成されている。
【0078】
シャッタ88は、円筒壁86の流入口86Aを閉鎖する閉鎖位置(図3に示す位置)と、円筒壁86の流入口86Aを開放する開放位置(図4に示す位置)と、の間を、円筒壁86の軸方向(−Z方向、Z方向)に移動可能とされている。
【0079】
シャッタ88の内部には、円筒状の内筒部88Aがシャッタ88と一体に設けられている。内筒部88Aとシャッタ88との間には、対向壁83側(−Z方向側)に圧縮コイルバネ71の保持するための保持溝88Bが形成されている。
【0080】
内筒部88Aの挿入壁93側(Z方向側)には、排出管68の押し面72に押される被押し面88Cが形成されている。
【0081】
円筒状の内筒部88Aと対向壁83との間には、シャッタ88を閉鎖位置に付勢する付勢部材の一例としての圧縮コイルバネ81が、内筒部88Aの保持溝88Bと対向壁83の保持部89とで保持されている。
【0082】
(トナー収容容器80における把持部130及び掛止部材104の構成)
次に、トナー収容容器80における把持部130及び掛止部材104の構成について説明する。
【0083】
図9に示すように、トナー収容容器80は、収容容器本体84に設けられた把持部130と、収容容器本体84における把持部130の長手方向(X方向及び−X方向)両端側のそれぞれに設けられ、画像形成装置本体11の被掛止部11A(図2及び図5参照)に掛け止めされる掛止部120(ラッチ)を有する掛止部材104と、を備えている(−X方向側の掛止部120は、図8参照)。
【0084】
各掛止部材104は、弾性を有する弾性材料、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)等の樹脂材料で構成されており、弾性変形可能とされている。
【0085】
後述のカバー140及び把持部130を取り外した状態のトナー収容容器80を図示する図10に示すように、各掛止部材104は、対向壁83における取出方向側(−Z方向側)の側面83Bに沿ってX方向に延びる第1腕部106と、周囲壁94に沿ってトナー収容容器80の装着方向(Z方向)に沿って延びる第2腕部108と、を有しており、平面視(−Y方向視)にて、L字状に形成されている。
【0086】
対向壁83における各第1腕部106が配置される配置位置には、それぞれ、凹部83Cが形成されている。各凹部83C内には、側面83BよりもZ方向側に一段奥まった奥面83Eと、奥面83Eの外周に沿った(凹部83Cの内縁に沿った)側壁83Dが形成されている。各奥面83Eには、−Z方向に突出する突出部83Fが形成されている。
【0087】
各第1腕部106は、対向壁83の側面83Bに沿って配置される第1部位106Aと、凹部83C内で奥面83Eに沿って第1部位106AよりもZ方向側に配置される第2部位106Bと、第1部位106Aと第2部位106Bとをつなぐ連結部106Cと、を有している。
【0088】
各第2部位106Bには、各突出部83Fが挿し通され、X方向に長さを有する長孔110が形成されている。この長孔110が、各突出部83Fが挿し通されることで、各掛止部材104がX方向及び−X方向に移動可能に支持されている。具体的には、各掛止部材104は、収容容器本体84の画像形成装置本体11への装着状態において画像形成装置本体11の被掛止部11Aに掛止部120が掛け止めされる掛け止め位置(図13参照)と、掛止部120が当該掛け止め位置から退避する退避位置(図15参照)と、の間をX方向及び−X方向に移動するようになっている。
【0089】
各第2部位106Bの長孔110におけるトナー収容容器80のX方向中央側(以下、単に、「X方向中央側」という)の内縁が、突出部83Fに当って、各掛止部120が掛け止め位置を超えて退避位置とは反対側であるトナー収容容器80のX方向外側(以下、単に、「X方向外側」という)へ移動することが阻止されるようになっている。
【0090】
なお、トナー収容容器80のX方向中央側とは、一対の掛止部材104のうちのX方向側の掛止部材104において、−X方向側を意味し、一対の掛止部材104のうちの−X方向側の掛止部材104において、X方向側を意味する。把持部130における後述の一対の連結部分134においても同様である。また、トナー収容容器80のX方向外側とは、一対の掛止部材104のうちのX方向側の掛止部材104において、X方向側を意味し、一対の掛止部材104のうちの−X方向側の掛止部材104において、−X方向側を意味する。把持部130における後述の一対の連結部分134においても同様である。
【0091】
また、各第2部位106Bの長孔110におけるX方向外側の内縁が、突出部83Fに当って、各掛止部120が退避位置を超えて掛け止め位置とは反対側であるX方向中央側へ移動することが阻止されるようになっている。
【0092】
各第2部位106Bにおける長孔110のX方向中央側には、各掛止部120(各掛止部材104)を掛け止め位置に付勢する付勢部材の一例としてのバネ116が形成されている。各バネ116は、上下方向に折り返す波形に形成されている。各バネ116の伸縮方向(X方向)一端部が、凹部83C内のX方向中央側の側壁83Dに当って、当該側壁83Dを押すことで、各掛止部120が掛け止め位置に付勢されている。本実施形態では、各バネ116は、各掛止部120(各掛止部材104)と一体に形成されている。
【0093】
各第2部位106Bにおける長孔110のX方向外側には、−Z方向に突出する突出部112が形成されている。突出部112は、図11に示すように、把持部130の後述の各連結部分134に形成された長孔136に挿し通されるようになっている。
【0094】
各掛止部120は、第2腕部108のZ方向側端部に設けられている。図13に示すように、第2部位106Bと収容容器本体84の周囲壁94との間には、隙間Aが形成されており、各掛止部120がX方向中央側に移動するように、第2部位106Bが弾性変形可能とされている。
【0095】
各掛止部120は、具体的には、X方向外側に向けられた爪部で構成されている。各掛止部120は、装着方向側(Z方向側)を向く第1面120Aが、装着方向側にいくにつれてX方向中央側に傾斜し、取外方向側(−Z方向側)を向く第2面120Bが、取外方向に対して直交している。なお、第2面120Bは、取外方向に対して傾斜していてもよい(図16(B)(C)参照)。一方、画像形成装置本体11に設けられた被掛止部11Aは、具体的には、図2に示すように、掛止部120を構成する爪部が引っ掛かることが可能な凹部で構成されている。
【0096】
掛止部120を構成する爪部は、収容容器本体84の画像形成装置本体11への装着状態において、図13に示すように、画像形成装置本体11の被掛止部11Aに掛け止めされるようになっている。掛止部120が、収容容器本体84の画像形成装置本体11への装着状態において被掛止部11Aに掛け止めされることで、収容容器本体84の画像形成装置本体11からの取り外しが規制されるようになっている。図15に示すように、掛止部120が被掛止部11Aに対する掛け止め位置から退避することで収容容器本体84の画像形成装置本体11からの取り外しが許容されるようになっている。
【0097】
図12に示すように、−X方向側の掛止部材104は、収容容器本体84の上下方向中央部に配置されている。X方向側の掛止部材104は、−X方向側の掛止部材104に対して、下方側(−Y方向側)に配置されている。これにより、本実施形態では、掛止部120は、収容容器本体84の側部の上下方向の異なる位置に一対配置されている。具体的には、一対の掛止部120は、挿入口93Aの配置方向B(図7参照)と傾きが同じ方向となるように配置されており、X方向側の掛止部120は、−X方向側の掛止部120に対して、下方側(−Y方向側)で被掛止部11Aに掛け止めされるようになっている。なお、一対の掛止部120の上下方向中央を結ぶ線と、X方向両端側にある2つの挿入口93Aの中心を結ぶ線と、が平行となることが望ましい。
【0098】
把持部130は、掛止部材104と同様に、弾性を有する弾性材料、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)等の樹脂材料で構成されており、弾性変形可能とされている。把持部130は、画像形成装置本体11に対する収容容器本体84(トナー収容容器80)の少なくとも取り外しの際に作業者が把持するためのものであり、対向壁83の側面83Bに沿って配置されている。
【0099】
後述のカバー140を取り外した状態のトナー収容容器80を図示する図11及び図12に示すように、把持部130は、帯状に形成されており、長手方向中間部をなす把持部分132と、長手方向両端部のそれぞれをなし各掛止部材104に連結される連結部分134と、を有して構成されている。
【0100】
各連結部分134は、X方向に沿った帯状に形成されている。X方向側の連結部分134は、−X方向側の連結部分134に対して、下方側(−Y方向側)に配置されている。把持部分132は、一対の連結部分134をつなぐように、上下方向及びX方向に対して斜めに配置されている。すなわち、把持部分132は、一対の掛止部120(掛止部材104)の一方から他方に向かって、上下方向及びX方向に対して斜めに配置されている。なお、把持部130の全体が、一対の掛止部120(掛止部材104)に向かって、上下方向及びX方向に対して斜めに配置される構成であってもよい。
【0101】
把持部分132は、画像形成装置本体11から引き出されることによって、−Z方向に凸状となるように湾曲しながら収容容器本体84から離間し、作業者が手を通す空間(画像形成装置本体11との間の空間)を拡大可能となっている(図14及び図15参照)。
【0102】
各連結部分134には、各突出部83F及び各突出部112が挿し通され、X方向に長さを有する長孔136が形成されている。各連結部分134の長孔136に、各突出部83F及び各突出部112が挿し通されることで、各連結部分134がX方向に移動可能に支持されている。また、各連結部分134は、掛止部材104の第2部位106Bに重なって配置されている。
【0103】
そして、把持部分132が引き出される動作により把持部分132が画像形成装置本体11から離間することで生じる張力によって、各連結部分134がX方向中央側に移動するようになっている。
【0104】
把持部130では、把持部分132が引き出される動作に伴って各連結部分134がX方向中央側に移動すると、長孔136におけるX方向外側が、まず、各突出部112に当って、掛止部材104を、各バネ116の付勢力に対抗して、退避位置へ移動させるようになっている。
【0105】
対向壁83の凹部83Cのそれぞれには、図9に示すように、掛止部材104の第2部位106Bに重なる各連結部分134を覆うカバー140が設けられている。カバー140は、各第2部位106B及び各連結部分134を−X方向(X方向)に移動可能に各連結部分134を押さえることで、第2部位106Bの突出部83Fからの離脱、各連結部分134の突出部83F及び突出部112からの離脱を阻止している。
【0106】
なお、X方向側に配置された掛止部材104の第1部位106Aにおける第2腕部108側(X方向)は、対向壁83の側面83Bに形成された支持部83Gによって、−Z方向への移動が規制されつつ、X方向に移動可能に支持されている。
【0107】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用を説明する。
【0108】
まず、画像形成装置本体11に対してトナー収容容器80を装着する装着動作について説明する。
【0109】
トナー収容容器80を画像形成装置本体11に装着する場合には、まず、作業者は、カバー13(図6参照)を画像形成装置本体11から取り外し(図5参照)、この取り外し状態において、トナー収容容器80を画像形成装置本体11に対して装着方向(−Z方向)へ押し込む。このとき、掛止部材104の掛止部120の第1面120Aが、被掛止部11Aの縁に当りながら装着方向(−Z方向)に移動することで、掛止部材104の第2腕部108が弾性変形して、掛止部120が被掛止部11Aに掛け止めされる(図13参照)。
【0110】
トナー収容容器80が画像形成装置本体11に装着されると、図4に示すように、排出管68が、挿入壁93の挿入口93Aを通じて円筒壁86内の被挿入空間86Bに挿入される。これにより、排出管68の押し面72が、圧縮コイルバネ81の付勢力に対抗して、シャッタ88の被押し面88Cを押し、シャッタ88を開放位置に移動させる。さらに、突出部87の先端部87Aが、圧縮コイルバネ71の付勢力に対抗して、開閉管74の先端面76を押し、開閉管74を開放位置へ移動させる。
【0111】
これにより、開閉管74の開放口75Aが排出管68の排出口69を開放すると共に、シャッタ88が円筒壁86の流入口86Aを開放し、排出管68からトナー収容容器80の収容部85への残留トナーの流入が可能となる。
【0112】
本実施形態では、トナー収容容器80が画像形成装置本体11に対して装着された状態では、圧縮された圧縮コイルバネ81及び圧縮コイルバネ71からの反力よって、トナー収容容器80は取外方向(−Z方向)に押される。圧縮コイルバネ81及び圧縮コイルバネ71は、挿入口93Aに位置するため、トナー収容容器80は、挿入口93Aに配置位置に沿って、反力を受ける。これに対して、本実施形態では、掛止部120が挿入口93Aに配置方向B(図7参照)と傾きが同じ方向となるように配置されているので、当該反力に対抗して、掛止部120が被掛止部11Aに掛け止めされる。
【0113】
次に、画像形成装置本体11に装着されたトナー収容容器80を画像形成装置本体11から取り外す動作について説明する。
【0114】
トナー収容容器80を画像形成装置本体11から取り外す場合には、まず、作業者は、把持部130の把持部分132と収容容器本体84との間に指先を入れて、図14に示すように、当該把持部分132を把持して把持部分132を−Z方向に引き出す。これにより、作業者が手を通す空間(把持部分132と画像形成装置本体11との間の空間)が拡大される。なお、図13は、把持部分132の引き出し動作前を示し、図14は、把持部分132の引き出し動作後を示す。
【0115】
また、把持部分132が−Z方向に引き出されると、把持部130の各連結部分134は、X方向中央側に移動し、長孔136におけるX方向外側が、各突出部112に当たる。なお、当該内縁が、各突出部112に当るまでは、各掛止部材104は移動せず、各連結部分134のみが移動する。
【0116】
さらに、作業者が、図15に示すように、把持部分132を−Z方向に引き出すと、作業者が手を通す空間(把持部分132と画像形成装置本体11との間の空間)が、さらに拡大される。また、各突出部112が、長孔136におけるX方向外側の内縁に押され、各バネ116の付勢力に対抗して、各掛止部材104がX方向中央側へ移動する。これにより、各掛止部材104の掛止部120が退避位置に移動し、収容容器本体84の画像形成装置本体11からの取り外しが許容される。
【0117】
さらに、作業者が、把持部分132を−Z方向に引き出すことで、トナー収容容器80が画像形成装置本体11から取り外される。
【0118】
作業者が、把持部130を放すと、各バネ116の付勢力により、各掛止部材104がX方向外側へ移動し、把持部130の把持部分132がZ方向に移動し、収容容器本体84に接近する(図13参照)。
【0119】
本実施形態では、把持部130の把持部分132が−Z方向に引き出される動作に連動して掛止部120が被掛止部11Aに対する掛け止め位置から退避するので、把持部130の引き出し操作とは別に、掛止部120を退避させる操作が不要となり、トナー収容容器80を画像形成装置本体11から取り外す操作性が向上する。
【0120】
また、本実施形態では、各掛止部120が被掛止部11Aに対する掛け止め位置から退避するので、各掛止部120が被掛止部11Aに対する掛け止め位置から退避しない場合に比べ、トナー収容容器80を画像形成装置本体11から引き出す力が小さくて済み、トナー収容容器80を画像形成装置本体11から取り外す操作性が向上する。
【0121】
また、本実施形態では、各掛止部120が被掛止部11Aに対する掛け止め位置から退避するので、各掛止部120の第2面120Bを被掛止部11Aから抜けやすい角度にする必要が無い。すなわち、図16(B)に示すように、掛止部120の第2面120Bを取外方向(−Z方向)にいくにつれてX方向中央側に傾斜させて、第2面120Bが被掛止部11Aに当ってX方向中央側に移動するように構成する必要が無く、本実施形態のように、取外方向(−Z方向)に対して直交する角度として(図16(A)参照)、掛止部120を被掛止部11Aに対して強固に掛け止めしても、トナー収容容器80を画像形成装置本体11から取り外せる。
なお、各掛止部120の第2面120Bは、図16(C)に示すように、取外方向(−Z方向)にいくにつれてX方向外側に傾斜させる角度としてもよい。図16に示す一点鎖線は、取外方向(−Z方向)に対して直交する線を示す。
【0122】
このように、本実施形態では、掛止部120を被掛止部11Aに対して強固に掛け止めされるので、トナー収容容器80をカバー13で押さえてトナー収容容器80の−Z方向の移動を規制する必要が無いので、カバー13を厚く構成する必要がない。これにより、画像形成装置10の取出方向(−Z方向)に沿った厚みが小さくなる。
【0123】
また、本実施形態では、作業者が、把持部130を放すと、各バネ116の付勢力により、把持部130の把持部分132がZ方向に移動し、収容容器本体84に接近するので、把持部130が占める取出方向(−Z方向)のスペースが小さくなり、トナー収容容器80の取出方向(−Z方向)の厚みを小さくなる。これにより、画像形成装置10の取出方向(−Z方向)に沿った厚みが小さくなる。
【0124】
なお、本実施形態では、画像形成装置本体11に対して着脱される着脱体として、トナー収容容器80を用いたが、これに限られず、画像形成装置本体11に対して着脱される構成部品であればよい。
【0125】
また、本実施形態では、画像形成装置本体11に対して着脱されるトナー収容容器80としては、廃トナーを収容する収容容器を用いたが、これに限られず、例えば、現像装置38へ供給されるトナーを収容する収容容器であってもよく、トナーが収容される収容容器であればよい。
【0126】
また、本実施形態では、掛止部120が一対設けられていたが、収容容器本体84に対して一つだけ設けられる構成であってもよい。この場合では、例えば、一対の掛止部120のうちの一方に替えて、収容容器本体84の−Z方向側の面に当たって収容容器本体84の−Z方向側の移動を規制する規制部を用いてもよい。
【0127】
また、本実施形態では、各掛止部材104を掛け止め位置に付勢する付勢部材の一例としてのバネ116が、掛止部120と一対設けられていたが、掛止部120と別体で設けれる構成であってもよい。
【0128】
また、本実施形態では、把持部130は、帯状に形成され、把持部分132がX方向に対して斜めに配置されていたが、把持部130の形状及び配置位置は、これに限られず、種々の形状、種々の形状とすることができる。
【0129】
また、本実施形態では、一対の掛止部120は、上下方向にずれた位置に配置されていたが、上下方向の同じ位置に配置されていてもよい。
【0130】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。
【符号の説明】
【0131】
10 画像形成装置
11 画像形成装置本体
11A 被掛止部
80 トナー収容容器(着脱体の一例)
84 収容容器本体(着脱体の一例)
116 バネ(付勢部材の一例)
120 掛止部
130 把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して予め定められた取外方向へ取り外し可能に装着される着脱体本体と、
前記着脱体本体に設けられた把持部と、
前記着脱体本体に設けられ、前記着脱体本体の前記画像形成装置本体への装着状態において前記画像形成装置本体の被掛止部に掛け止めされて前記着脱体本体の前記画像形成装置本体からの取り外しを規制し、前記把持部が前記着脱体本体から前記取外方向へ引き出される動作に連動して前記被掛止部に対する掛け止め位置から退避する掛止部と、
を備える着脱体。
【請求項2】
前記着脱体本体に設けられ、前記掛止部を前記掛け止め位置へ付勢する付勢部材を備え、
前記掛止部は、前記付勢部材の付勢力に対抗して前記取外方向へ前記把持部が引き出されることによって、当該引き出される動作に連動して前記掛け止め位置から退避する請求項1又は2に記載の着脱体。
【請求項3】
前記付勢部材は、前記掛止部と一体に形成されたバネで構成されている請求項2に記載の着脱体。
【請求項4】
前記把持部は、帯状に形成され、前記引き出される動作により長手方向中間部が前記着脱体本体から離間することで生じる張力によって前記付勢力に対抗して前記掛止部を前記掛け止め位置から退避させる請求項2又は3に記載の着脱体。
【請求項5】
前記掛止部は、前記着脱体本体の側部の上下方向の異なる位置に一対配置され、
前記把持部における少なくとも長手方向中間部は、一対の前記掛止部の一方から他方に向かって、上下方向に対して斜めに配置されている請求項4に記載の着脱体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の着脱体としてのトナー収容容器と、
前記トナー収容容器が着脱される画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に設けられ、前記掛止部が掛け止めされる被掛止部と、
を備える画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2013−68824(P2013−68824A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207789(P2011−207789)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】