説明

着脱自在かつ収納自在なクロスバーを備える車用荷台

【課題】支持レールにクロスバーを収納自在な車用荷台を提供する。
【解決手段】一対の支持レールと少なくとも1つのクロスバーとを有する車用荷台システムである。クロスバーは、その両端の各々に終端支持部を有する。各々の支持レールは、当該支持レールの長手方向の軸と平行に延伸する、延伸したへこみを含む。延伸したへこみは、収納される方向に配置されたクロスバーを受け止めるために、概ねクロスバーに従って形作られ得る。各々の支持レールは、少なくとも1つの一次施錠バーおよび少なくとも一対の二次施錠バーを有する。一次施錠バーは、クロスバーが支持レールの間で垂直方向に延伸して作用する状態にあるときに、クロスバーを支持する。一対の二次施錠バーは、クロスバーが一の支持レールの中の収納される方向に配置されるとき、一次施錠バーに対して互いに概ね垂直となるように配置され、延伸したへこみの中においてクロスバーを支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許仮出願第60/934,491号(出願日2007年6月13日)に基づく優先権主張を伴う米国特許出願第12/136,854号(出願日2008年6月11日)および米国特許出願公開第2008−0308590号の一部継続出願である米国特許出願12/639,480(出願日2009年12月16日)に基づく優先権主張を伴う。これら全開示を参照することにより、これら全開示は、本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、車用荷台システムおよび方法に関する。本開示の車用荷台システムおよび方法は、一対の支持レールに収納することが可能な一対のクロスバーを含んでいる。そして、車用荷台システムが、その上においての荷物の支持の使用を必要とするとき、これらクロスバーは、素早く且つ容易に、収納された状態から、支持レール間を延伸して作用する状態へと移動させることができる。
【背景技術】
【0003】
車用荷台は、外側ボディ表面の上方においてさまざまな形状およびサイズを有する荷物を輸送するため、さまざまな自動車用用途に使用される。典型的には、一対の延伸されたレールが、車の外側ボディ表面に対して、おおむね互いに平行するように固定されている。それから、一対のレールに対し、1又は複数のクロスバーが、その両端部分によって固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的なクロスバーは、収納可能ではない。つまり、荷台が使用されないときでさえ、クロスバーは、一対のレール間において一対のレールに対して垂直方向に延伸した状態で、一対のレールに対して固定されている。もちろん、クロスバーが取り外し可能になっていれば、クロスバーはレールからそっくりそのまま取り外されることができる。しかし、このことは、クロスバーの保管の問題だけでなく、車用荷台の残りからのクロスバーの物理的な分解をせざるを得ないという不都合をも生じさせていた。多くの場合、分解のために外部ツールが要求され、ユーザに対してさらなる不都合を与える。車両の中に構成要素の保管場所を確保することは困難であり、貴重で限られた荷物スペースを消費してしまう。クロスバーを車両から離して保管することは、ユーザが車とともに自宅又は職場から離れており、クロスバーが自宅又は職場に保管されている場合に、車用荷台を使用する必要が生じたときのように不都合な事態を生じさせ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一の側面は、一対の支持レールと少なくとも1つのクロスバーを有し得る車用荷台システムを含む。この車用荷台システムにおいて、クロスバーは、両端のそれぞれに終端支持部を有し得る。また、それぞれの支持レールは、当該支持レールの長手方向の軸と平行に延伸している、延伸したへこみを含み得る。この延伸したへこみは、収納される方向に配置されたクロスバーを受け止めるために、おおむねクロスバーに従って形作られ得る。また、それぞれの支持レールは、クロスバーが支持レールの間を垂直方向に延伸して作用する状態にあるときに、クロスバーを支持するための、少なくとも1つの一次施錠バー、および、クロスバーが一の支持レールの中の収納される方向に配置されるとき、一次施錠バーに対して互いにおおむね垂直となるように配置され、延伸したへこみの中においてクロスバーを支持するための、少なくとも一対の二次施錠バーを有し得る。また、それぞれの終端支持部は、クロスバーを作用する状態または収納された状態のどちらか一方に配置するように、クロスバーを一次施錠バーまたは二次施錠バーのどちらか一方に対して固定するための、施錠アッセンブリを含み得る。
【0006】
本開示のもう一つの側面は、車の外側ボディ表面に固定された一対の支持レールを含む車用荷台システムを含み得る。この車用荷台システムにおいて、一対のクロスバーのそれぞれは、その上において荷物を固定するため、両端のそれぞれに終端支持部を有し得る。また、それぞれの支持レールは、当該支持レールの長手方向の軸と平行に延伸している、延伸したへこみを含み得る。この延伸したへこみは、収納される方向に配置された連携する一のクロスバーを受け止めるため、そして、連携する一のクロスバーの上部表面は、連携する支持レールの上部表面とおおむね同じ高さであるように、おおむねクロスバーに従って形作られている。また、それぞれの支持レールは、互いに離れて配置された一対の一次施錠バーをさらに含み得る。それぞれの支持レールのそれぞれの一次施錠バーは、支持レールの間においておおむね垂直となって、作用する状態にある第1のクロスバーの支持に協力している。そして、支持レールの他方の一次施錠バーは、支持レールの間においておおむね垂直となるように延伸して作用する状態にあり、且つ、第1のクロスバーとおおむね平行な、第2のクロスバーの支持に適合するようになる。また、それぞれの支持レールは、一対の二次施錠バーをさらに含んでいる。第1のクロスバーが第1の支持レールの延伸したへこみに配置されたとき、第1のクロスバーは、第1の支持レールに設けられた二次施錠バーに固定され、そして、第2のクロスバーが収納される方向に配置されるとき、第2のクロスバーは、第2の支持レールの延伸したへこみの中で固定される。そして、それぞれのクロスバーのそれぞれの終端支持部は、何らかの施錠バーへの係合に適合した、施錠アッセンブリを含んでおり、それぞれの施錠アッセンブリは、施錠アッセンブリを、支持レールに対して係合されている状態および係合されていない状態とへ配置するための、ユーザ従動可能な作動部材を含んでいる。
【0007】
本開示のさらなる側面は、車の外側ボディ表面に固定された一対の支持レールを含む車用荷台システムを含み得る。この車用荷台システムにおいて、一対のクロスバーのそれぞれは、その上において荷物を固定するため、両端のそれぞれに終端支持部を有し得る。また、それぞれの支持レールは、当該支持レールの長手方向の軸と平行に延伸している、延伸したへこみを含み得る。この延伸したへこみは、収納される方向に配置された連携する一のクロスバーを受け止めるため、そして、連携する一のクロスバーの上部表面は、連携する支持レールの上部表面とおおむね同じ高さであるように、おおむねクロスバーに従って形作られている。それぞれの支持レールは、互いに離れて配置された一対の一次施錠バーをさらに含み得る。それぞれの支持レールのそれぞれの一次施錠バーは、支持レールの間においておおむね垂直となって、作用する状態にある第1のクロスバーの支持に協力している。そして、支持レールの他方の一次施錠バーは、支持レールの間においておおむね垂直となるように延伸して作用する状態にあり、且つ、第1のクロスバーとおおむね平行な、第2のクロスバーの支持に適合するようになる。また、それぞれの支持レールは、一対の二次施錠バーをさらに含んでいる。第1のクロスバーが第1の支持レールの延伸したへこみに配置されたとき、第1のクロスバーは、第1の支持レールに設けられた二次施錠バーに固定され、第2のクロスバーが収納される方向に配置されるとき、第2のクロスバーは、第2の支持レールの延伸したへこみの中で固定される。そして、それぞれのクロスバーのそれぞれの終端支持部は、何らかの施錠バーへの係合に適合した施錠アッセンブリを含んでいる。それぞれの施錠アッセンブリは、作動部材、施錠部材、およびばねを含み得る。作動部材は、開いた状態と閉じた状態との間での、ユーザ従動可能である。施錠部材は、ユーザ従動可能な作動部材の動作に反応して、施錠アッセンブリを、支持レールに対して係合された状態および係合されていない状態とへ配置するためのものである。ばねは、ユーザ従動可能な作動部材の状態に依存している施錠部材を、開いた状態および閉じた状態へと付勢するためのものである。
【0008】
本項にて記述される図面は、説明のためにのみ用いられるものであり、如何なる場合にも本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】自動車の屋根部分に取り付けられ、一対のクロスバーが作用状態(すなわち、収納されていない状態)にある、本開示の車用荷台の斜視図である。
【図2】2つのクロスバーが収納状態にある、図1に示した車用荷台の斜視図である。
【図3】クロスバーが配置されていない状態の、車用荷台の平面図である。
【図4】第1の前側支持部材の拡大斜視図である。
【図5】第2の前側支持部材の拡大平面図である。
【図6】第1の後側支持部材の拡大斜視図である。
【図7】前側クロスバーの第1の終端部の構成部品の組立斜視図である。
【図8】第1の後側支持部材に加えて、前側クロスバーの第2の終端部の構成部品の組立斜視図である。
【図9】図8に示した終端支持部の終端支持構成部品の中に取り付けられている施錠部材が示されている側断面図である。
【図10】後側クロスバーの第1の終端部の構成部品の組立斜視図である。
【図11】図10に示した終端支持部の終端支持構成部品の中に取り付けられた施錠部材の側断面図である。
【図12】後側クロスバーの第2の終端部および第2の後側支持部材の構成部品の組立斜視図である。
【図13】図2に示した終端支持構成部品の底面図である。
【図14】第2の後側支持部材に係合する、後側クロスバーの第2の終端部の底面斜視図である。
【図15】第2の後側支持部材の拡大斜視図である。
【図16】後側クロスバーの施錠部材が開錠状態にある、後側クロスバーおよび2つの後側支持部材の側断面図である。
【図17】後側クロスバーの施錠部材が施錠状態にある、図16に示したクロスバーと支持部材の図である。
【図18】第2の前側支持部材に係合する、前側クロスバーの第2の終端支持部の斜視断面図である。
【図19】第2の前側支持部材に係合する、後側クロスバーの第1の終端支持部の側面部分断面図である。
【図20】本開示に該当する、車の外側ボディの表面に固定された、車用荷台システムの他の実施形態の斜視図を示す。
【図21】このシステムの一の支持レールの拡大斜視図を示す。
【図22】一の支持レールの取り付けバーに取り付けられて作用状態にある、このシステムの一のクロスバーの拡大図を示す。
【図23】一の終端支持アッセンブリの組立斜視図、およびこのシステムの一の支持レールの部分組立斜視図を示す。
【図24】互いに隣接して配置されている作動部材および施錠部材の斜視図を示す。
【図25】図20の区分線25−25に従って得られる終端支持部の側断面図であり、支持レールの一の取り付けバーに取り付けられて閉じた状態にある、終端支持部を示している。
【図26】開いた状態にある、図25の終端支持部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は、単なる例示であり、本開示、出願、又は使用の範囲を制限する意図はなされていない。
【0011】
図1〜3には、車用荷台装置10が示されている。車用荷台装置10は、自動車12の外側ボディ表面14に取り付けられている。車用荷台装置10は、第1の前側支持部材16および第2の前側支持部材18のそれぞれと、第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22のそれぞれとを含んでいる。第1の構成(すなわち、各クロスバーが作用する構成)では、前側クロスバー24は、第1の前側支持部材16および第2の前側支持部材18に支持される。そして、後側クロスバー26は、第2の後側支持部材20および第2の後側支持部材22に支持される。第2の構成(すなわち、各クロスバーが収納された構成)では、前側クロスバー24は、第1の前側支持部材16および第1の後側支持部材20に支持される。そして、後側クロスバー26は、第2の前側支持部材18および第2の後側支持部材22に支持される。図2では、各クロスバーが収納された構成が示されており、この構成では、前側クロスバー24および後側クロスバー26は、空気抵抗を最小限にするのに、都合よい場所に設けられている。
【0012】
さらに、図3および4を参照すると、第1の前側支持部材16は、部分的に球形状を有するへこみ28と、一対の穴30を含んでいる。へこみ28は、この後の節でさらに記載されているようなピボット動作のため、前側クロスバー24の第1の終端支持部24aを取り付ける目的で使用される。穴30は、固定部材による、第1の前側支持部材16の下の外側ボディ表面14に対する、ブラケット(図示しない)の固定を可能にする。また、穴30は、第1の前側支持部材16が外側ボディ表面14に固定されることを可能にする。へこみ28もまた、穴32を有している。この穴32は、この後の節でより詳細に記載されているように、そこへの第1の終端支持部24aの取り付けを容易にするためのものである。
【0013】
図3および5は、第2の前側支持部材18を、より詳細に説明する。第2の前側支持部材18は、開口部34を含んでいる。この開口部34は、前側クロスバー24の第2の終端支持部24b、または、後側クロスバー26の第1の終端支持部26aのどちらか一方を、取り付けられるようにするためのものである。
【0014】
図3および6は、第1の後側支持部材20を、より詳細に説明する。第1の後側支持部材20は、一定の間隔で離れて設けられた、複数の差入口36を含んでいる。複数の差入口36のそれぞれは、互いに整列された固定環38を有している。どの差入口36も、後側クロスバー26が作用している状態のとき、後側クロスバー26の終端支持部26aと、第1の後側支持部材20とを、容易に係合させるために利用される。これはまた、第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22に沿った、後側クロスバー26の位置調整を可能にする。開口部40は、前側クロスバー24が収納された状態のときに、前側クロスバー24の終端支持部24bが、第1の後側支持部材20に係合することを可能にする。チャンネル42は、後側クロスバー26の位置が変更されるとき、終端支持部26aがそこを滑りながら移動できるようにする。底壁42に設けられた穴44は、外部の固定部材(図示しない)、例えばRIVNUT(登録商標)固定部材により、自動車12の外側ボディ表面14に、第1の後側支持部材20を固定する目的で使用される。
【0015】
図7には、前側クロスバー24の第1の終端支持部24aの構造が示されている。第1の終端支持部24aは、固定部材52の挿入が可能な穴50を有する終端支持構成部品48を含んでいる。球形部分54は、終端支持構成部品48と一体形成されている。また、球形部分54は、差入口56を含んでいる。この差入口56は、前側クロスバー24をその終端支持部24bにおいて、持ち上げられて、第2の前側支持部材18から離すことを可能にする。球形部分54もまた、固定部材52の周辺において、前側クロスバー24のピボット動作を可能にする。固定部材52は、一旦、終端支持部24aが第1の前側支持部材16に組み立てられると、たやすく取り除くことができなくなるように、開口60を通り抜けて、ブラケット58へ固定される。ブラケット58は、一対の固定部材、例えばRIVNUT(登録商標)固定部材(図示せず)によって、自動車12の外側ボディ表面14に保持され得る。一対の固定部材は、ブラケット58の一対のフランジのそれぞれに設けられた穴62に通り抜けるよう延伸されている。ブラケット58は、外側ボディ表面14に対して固定される。ブラケット58は、第1の終端支持部24aを装着するための、構造的に強固な位置を与える。蓋53は、穴50に装飾されたカバーを供給する目的で利用される。
【0016】
終端支持構成部品48は、前側クロスバー24のクロスバー構成部品64の第1の終端部分64aに固定されることが可能である。この点について、クロスバー構成部品64が環状の構成部品を形成することが、認識されるだろう。クロスバー構成部品64は、構造的に強固な素材(例えば、押し出し成形されたアルミニウム、又は、ロール形状を有するアルミニウム)によって作られていることが好ましい。固定部材66は、終端支持部48がクロスバー構成部品64に対して固定的されるように、第1の終端部分64に設けられた穴(図示しない)を通り抜けて、終端支持部48に設けられた開口部(図示しない)に係合するように、延伸している。
【0017】
さらに図7に示すように、第1の前側支持部材16は、自動車12の外側ボディ表面14上に置かれた、取り付けパッド68の上方に配置され得る。取り付けパッド68は、ゴム又は何らかの他の適当な素材によって作られ得る。取り付けパッド68は、第1の前側支持部材16を取り付けるときに、擦れや接触から外側ボディ表面14を保護することができる。開口部70は、ブラケット58のための間隙を与える。
【0018】
図8には、前側クロスバー24の第2の終端支持部24bの構造がより詳細に示されている。終端支持部24bは、終端支持構成部品72を含んでいる。終端支持構成部品72は、差込部74および基盤部76を有している。差込部74は、前側クロスバー24のクロスバー構成部品64の終端部64bに挿入され得る。終端支持部64bに設けられた穴(図示しない)および差込部74に設けられた穴(図示せず)を通り抜けるように延伸する、1又は複数の固定部材75によって、終端部64は差込部74へ固定される。図8はまた、複数の穴77aを有するパッド77も説明する。パッド77は、第1の後側支持部材20と外側ボディ表面12aとの間に置かれ得る。穴77aは、延伸された固定部材(図示せず)がそこを通り抜けて、この固定部材が第1の後側支持部材20の開口部を通り抜けることにより、第1の後側支持部材20を外側ボディ表面12aへ固定されることを可能にする。
【0019】
終端支持構成部品72の基盤部76は、開口部78を有している。開口部78は、施錠部材80をその中で受け止める。施錠部材80は、把持部82およびあご部84を含んでいる。開口部86は、終端支持構成部品72に設けられた開口部90を通り抜けて延伸された、軸支ピン88を受け止める。この手法によれば、施錠部材80は、終端支持構成部品72の開口部78の中で、軸支される。
【0020】
図9に示すように、付勢部材92は、軸支ピン88を覆うように位置されている。そして、付勢部材92は、施錠部材80の表面94と、終端支持構成部品72の内壁表面96とに、突き当たっている。付勢部材92は、施錠部材80のあご部84を、図17に示されているような標準施錠位置で施錠された状態へと、付勢するよう作用する。収納された状態では、あご部84は、第1の後側支持部材20の開口部40と係合する。
【0021】
図10には、後側クロスバー26の第1の終端支持部26aがより詳細に示されている。第1の終端支持部26aは、終端支持構成部品98を含んでいる。終端支持構成部品98は、差込部100および基盤部102を有している。終端支持構成部品98は、管状のクロスバー構成部品103の終端部103aへ挿入され、そして、複数のねじ部材105によって、そこへの固定が可能になっている。ねじ部材105は、クロスバー構成部品103に設けられた穴を通り抜けて、終端支持構成部品98の差込部100に設けられたねじ穴の中に入るように、延伸している。
【0022】
終端支持構成部品98の基盤部102は、開口部104と、その開口部104の中に配置された施錠部材106とを含んでいる。施錠部材106には、軸支ピン110を受け止める開口部108が設けられている。この軸支ピン110もまた、基盤部102に設けられた開口部112まで延伸している。これにより、施錠部材106は、開口部104の内部において、軸支されている。図11に示すように、トーションバネ形状を有している付勢部材114は、軸支ピン110を覆うように設けられている。また、付勢部材114の一方の脚部は、終端支持構成部品98の表面116に接しており、他方の脚部は、施錠部材106の内壁表面118に接している。この構成は、継続的に、施錠部材106を、図17に示すような標準施錠位置に付勢する機能をもたらす。
【0023】
さらに、図10および図11に示すように、施錠部材106もまた、把持部120およびあご部122を含んでいる。ユーザは、把持部120をつかんで、施錠部材106を、終端支持部26aが装着されたどちらかの支持部材(すなわち、第2の前側支持部材18または第1の後側支持部材20のどちらか)と係合しなくなるまで、開錠状態へと、促すことができる。あご部122は、終端支持部26aを、第2の前側支持部材18または第1の後側支持部材20のどちらか一方に施錠する機能を有する。
【0024】
図10を参照すると、ブラケット124は、開口部34の中へ設けられている。そして、ブラケット124は、当該ブラケット124に設けられている穴128を通り抜けるように延伸している一対の固定部材126によって、外側ボディ表面14に固定されている。固定部材126としては、RIVNUT(登録商標)または他の適当な固定部材であっても良い。ブラケット124は、へり部130を含んでいる。へり部130は、前側クロスバー24が作用状態にあり、第2の前側支持部材18が施錠されているときに、終端支持部24bのあご部84と係合することが可能である。保護パッド132は、外側ボディ表面14上に設けられており、この外側ボディ表面14を保護する。切り欠き134は、ブラケット124のためのすき間を与える。終端支持構成部品98は、回転輪136をさらに含んでいる。回転輪136は、基盤部102に設けられた穴(図示せず)に係合するねじ部材138によって、基盤部102に保持される。回転輪136は、第1の後側支持部材20に設けられたチャンネル42の中へ、終端支持部26aがかみ合わされたとき、後側クロスバー26の容易且つ円滑な滑り動作を助けるため、回転することができる。
【0025】
図12には、終端支持部26bの構造がより詳細に示されている。終端支持部26bは、終端支持構成部品140を含んでいる。終端支持構成部品140は、基盤部142、球形部144、および差込部146を有している。組み立てられる際、差込部146は、クロスバー構成部品103に設けられた終端103bの中に挿入される。ねじ部材147は、クロスバー構成部品103に設けられた穴の中を通り抜けるように挿入され、終端支持構成部品140に設けられたねじ穴(図示せず)の中を通り抜ける。そして、ねじ部材147は、終端支持構成部品140を、クロスバー構成部品103に対して固定的に保持する。
【0026】
終端支持部26bもまた、開口部148を含んでいる。開口部148の中には、施錠部材150が設けられる。施錠部材150は、基盤部152、把持部154、およびあご部156を有している。基盤部152はさらに、軸支ピン160が挿入されて通り抜ける、穴158を含んでいる。軸支ピン160はまた、終端支持構成部品140に設けられた穴162を通り抜けるように挿入される。これにより、軸支ピン160は、終端支持構成部品140の内部における、施錠部材150のピボット動作を可能にする。
【0027】
図12、14、15、および16に示すように、終端支持構成部品140もまた、第2の後側支持部材22に形成されたチャンネル166の中に設けられた取り付けブロック164によって、ピボット動作のための固定がなされる。チャンネル166は、半円状の壁部168を有する。壁部168は、終端支持構成部品140がそこへ組み立てられる際、終端支持構成部品140に設けられた球形部144の支持を助ける。開口部170は、取り付けブロック164がチャンネル166の中へ挿入されるのを可能にする。第2の後側支持部材22は、複数の底壁部172(図14)を含んでいる。複数の底壁部172のそれぞれは、穴174を有している。穴174には、第2の後側支持部材22が自動車12の外側ボディ表面14に締結される際、固定部材(例えば、RIVNUT(登録商標))が通り抜けるように挿入される。後側クロスバーが作用構成をとるとき、固定環176には、施錠部材150のあご部156が、その中で係合される。これにより、固定環176は、後側クロスバー26の、長手方向への逆らった動作を固定する。ゴム製の取り付けパッド175または他の適当な保護形状を有するパッドは、第2の後側支持部材22と外側ボディ表面14との間に配置される。複数の穴175aのそれぞれは、取り付けパッド175を通り抜けるように延伸するRIVNUT(登録商標)のような固定部材を受け入れる。
【0028】
図12および13を参照すると、終端支持構成部品140もまた、差入口178を含んでいる。差入口178は、保持部材180のシャフトを受け止める。このシャフトは、部分的にねじ山が形成されている。開口部179は、施錠部材150のあご部156が、その中を通り抜けて、その中から突き出ることができるようになっている。取り付けブロック164が第2の後側支持部材22のチャンネル166に配置された後、固定部材182は、保持部材180のシャフトに対して、螺合または圧入される。これにより、固定部材182は、終端支持構成部品140を、取り付けブロック164に対して固定する。差入口178は、球形表面144及び取り付け表面166とともにかみ合う。差入口178は、後側クロスバー26が持ち上げれられることを許容するだけでなく、後側クロスバー26が収納される状態と作用する状態との間において、ピボット動作する。差入口178を使用することは、高い優位性をもたらす。それは、差入口178を使用することが、終端支持部26aが第2の前側支持部材18または第1の後側支持部材20のどちらかに対して結合または分離されるように、終端支持部26aの上げ下げを可能とし、そして、終端支持部20aが第2の前側支持部材18および第1の後側支持部材20の間において動作するとき、他に存在するであろう遊びの問題を取り除くからである。
【0029】
図14〜16に示すように、取り付けブロック164は、後側クロスバー26の第2の後側支持部材22からの分離を必要とせず、第2の後側支持部材22のチャンネル166の中をスライドできる寸法となっている。したがって、必要に応じて、後側クロスバー26は、第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22に沿って移動され、再配置可能となっている。この例では、固定環38および176によって、第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22に沿った、後側クロスバー26が固定可能な、異なる4つの位置が定義されている。
【0030】
図10、12、16、および17に示すように、ケーブル184は、終端支持部26aの施錠部材106に固定された、第1の終端部184aを有している。ケーブル184は、鉄、可能ならばナイロン、又は他の適当な強度を有する素材によって作られたものであっても良い。第1の終端部184aは、施錠部材106のチャンネル186の中で支持されている。そして、ケーブル184の拡大されたヘッド部分188は、施錠部材106にかみ合わされており、ヘッド部分188が、施錠部材106から引っ込んでしまうことを防止する。ケーブル184の第2の終端部184bは、施錠部材150のアーチ型肩部190を超えるよう延伸している。そして、ケーブル184の拡大されたヘッド部分192は、施錠部材150にかみ合わされており、ヘッド部分188が、施錠部材150から引っ込んでしまうことを防止する。コイルスプリング形状を有する付勢部材194は、終端支持構成部品140の差込部146の中の遮蔽穴196に設けられている。この付勢部材194は、ブロック198(図16および17)に接する。付勢部材194は、ケーブル184において、施錠部材106および140の標準施錠状態(図16)の維持を助けるための、張力を働かせることができるように、縮められ、またはケーブル184に固定されている。
【0031】
図16および17に示すように、後側クロスバー26が作用する構成と収納された構成との間で動かされているとき、または、後側クロスバー26が第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22に沿って再配置されるとき、ユーザは、施錠部材106の把持部120、又は施錠部材150の把持部154を、手でつかみ、上方へ持ち上げて、それぞれ、終端支持構成部品98又は140から離すことができる。ケーブル184は、同時に、他方の施錠部材106又は150が開錠状態となるためのピボット動作を引き起こす。選択された施錠部材106又は150が持ち上げられた位置で保持されている間、図16に示されているように、後側クロスバー26は、第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22に沿って、異なる固定環38および176の組によって定義される新たな位置へ、滑りながら移動することができる。あるいは、図19に示されているように、終端支持部26aが第2の前側支持部材18上に位置することで、後側クロスバー26は、作用する状態から、収納された状態へと、ピボット動作することができる。この状態では、終端支持構成部品106のかぎ部122は、第2の前側支持部材18の開口部34に係合する。どちらの場合も、自動車12の一方の側から、ユーザは、終端支持部26aおよび26bの両方とも、第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22から、施錠および開錠することができる。これにより、後側クロスバー26を再配置する際に、または、後側クロスバー26を収納された状態と作用する状態との間で移動させる際に、ユーザが自動車12の両側を歩いていったりきたりする必要性がなくなる。これにより、後側クロスバー26の操作における、容易性および利便性が、著しく増加する。
【0032】
図18を参照すると、前側クロスバー24が作用状態にあるとき、施錠部材80のあご部84は、第2の前側支持部材18の開口部34を通り抜けるように延伸し、ブラケット124のフランジ130と互いに係合する(フランジ130もまた、図10で視認される)。後側クロスバー26が収納された状態にあるとき、終端支持部26aの施錠部材106は、第2の前側支持部材18の開口部34を通り抜けるように延伸し、第2の前側支持部材18に係合する(図19)。前側クロスバー24および後側クロスバー26が収納されている状態においては、前側クロスバー24および後側クロスバー26は、なめらかで、美しく、心地よい形状をなして、第1の前側支持部材16と第1の後側支持部材20との組、および第2の前側支持部材18と第2の後側支持部材22との組を、橋渡しする。収納された前側クロスバー24および後側クロスバー26もまた、自動車10の空力特性のさらなる改良を助ける。特に優位な点は、前側クロスバー24および後側クロスバー26の収納は、終端支持部24a、24b、26a、および26bの、第1の前側支持部材16、第2の前側支持部材18、第1の後側支持部材20、および第2の後側支持部材22からの分解を必要とせずに、成し遂げられるということである。さらに、前側クロスバー24および後側クロスバー26が収納された状態での前側クロスバー24および後側クロスバー26の再配置、または、収納された状態から作用する状態への再移動のために、何らの外部ツールが必要とされない。
【0033】
図3から明らかなように、この例では、自動車12の外側ボディ表面14は、その前部12aの方が、その後部12bよりも、わずかに幅広い。しかしながら、第1の後側支持部材20のチャンネル42、および第2の後側支持部材22のチャンネル166は、それぞれ、第1の後側支持部材20の最外側縁部200、および第2の後側支持部材22の最外側縁部202に対して、僅かに互いに平行にならないように形成されている。これは、チャンネル42とチャンネル166とが互いに並列な状態を維持しつつ、外側ボディ表面14の側縁部の長手方向に対して、第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22を、おおむね並列に取り付けられることを可能にする。チャンネル42とチャンネル166とが互いに並列な状態をなしていることにより、終端支持部26aおよび26bを、動きにくさを生じさせることなく、チャンネル42および166に沿ってスライド移動させることができる。さらに、第1の前側支持部材16と第2の前側支持部材18との間の空間が僅かに幅広いということは、開口部28と開口部34との間の距離が、チャネル42とチャネル166との間の距離よりも僅かに大きいことを意味する。この点について説明すると、前側クロスバー24の全長は、後側クロスバー26の全長よりも、わずかに長い。これもまた、第1の前側支持部材16のへこみ28と、第1の後側支持部材20の開口部40との間隔が、第2の前側支持部材18の開口部34と、最も後方の固定環175aとの間隔よりも、僅かに大きくなるという結果をもたらす。もちろん、第1の前側支持部材16および第2の前側支持部材18同士の間隔と、第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22同士の間隔とが同じであれば、前側クロスバー24の全長と、後側クロスバー26の全長とが同じになり得る。この場合、第1の前側支持部材16および第2の前側支持部材18の終端支持点同士と、第1の後側支持部材20および第2の後側支持部材22の終端支持点同士とで、終端支持点間に異なる間隔を設ける必要性はなくなる。
【0034】
終端支持構成部品98および140は、施錠部材106および150と同様に、高強度のプラスチック又は強度を有し、耐久性のある他の適当な素材を用いても良い。第1の前側支持部材16、第2の前側支持部材18、第1の後側支持部材20、および第2の後側支持部材22もまた、高強度プラスチック、アルミニウム、または、強度を有し、耐久性のある他の適当な素材を用いても良い。
【0035】
図20には、本開示のもう一つ側面に即した車用荷台システム200が示されている。車用荷台システム200は、車204の、外側ボディ表面202に固定されている。ここで、車204としては、SUV(Sport Utility Vehicle)、バン、ステーションワゴン、クロスオーバー、セダン、トラック、または車の上部に荷台を載せる必要がある任意の車が挙げられる。する車用荷台システム200には、適当な手段(例えば、RIVNUT(登録商標))によって外側ボディ表面202に自在に固定される、一対の支持レール206が含まれ得る。一対の支持レール206は、車204の長手軸方向に延伸され、互いに並列に固定される。1又は複数のクロスバー208が含まれている。しかし、たいていの用途では、システム200において2つのクロスバー208が採用される。それぞれのクロスバー208は、そのクロスバー構成部材212の両端のそれぞれに、終端支持部210を含む。
【0036】
図21を参照すると、支持レール206のより詳細を見ることができる。図20に示されている2つの支持レール206は、左右対称且つ機械的に同一の構成を有している。したがって、支持レール206のうちの一つについてのみ詳細を述べることにし、以下の記述が他の支持レール206にも等しく適用することが理解されるものとする。支持レール206は、延伸したへこみ216を有するフレーム部214を含んでいる。へこみ216は、フレーム部214の長手方向に沿って延伸している。へこみ216は、クロスバー208が収納された状態のときにクロスバー208を収納するための、空間を与える。支持レール206もまた、一対の一次施錠バー218を含んでいる。一次施錠バー218は、フレーム部214に沿っている位置に配置されている。クロスバー208が作用状態にあるとき、外部ボディ表面202の上方に、好適に荷物を支持するため、一次施錠バー218が配置されている空間は、クロスバー208から十分に離れる。それぞれのクロスバー208の終端支持部210は、施錠アッセンブリ209を含んでいる。施錠アッセンブリ209は、クロスバー208を作用している状態で固定するため、一次施錠バー218を施錠することができる。作用状態にあるクロスバー208は、僅かに支持レール206の上方に位置している。クロスバー208が収納された状態では、支持レールは、それぞれの支持レール206の表面206aと実質的に平坦となるように、延伸したへこみの中に位置される。
【0037】
さらに図21に示すように、一次施錠バー218の部分220は、伸縮ひもおよび他の類似する固定用具による縛り領域を形成するため、一体的に形成された一対の取り付け肩部220aによって分離され得る。ここで、縛り領域においては、典型的には荷物を荷台に固定するために用いられる伸縮ひもおよび他の類似する固定用具が、荷物が車用荷台システム200によって支持されるように固定される。支持レール206には、縛り領域220が2つだけ示されているが、より多数またはより少数の縛り領域が採用できることが認められる。縛り領域は、施錠バー218に直接に隣接して配置されてなくても良いが、ここで開示された配置では、縛り領域が、それぞれの一次施錠バー218の一部分を単純に利用することによって形成されている。もし分離された施錠バー部材が採用された場合、縛り部材は、支持レール206に沿った他の場所に配置されても良い。それぞれの一次施錠バー218は、1つの取り付け肩部218aおよび複数の取り付け肩部220aのうちの1つによって形成される。一次施錠バー218は、それぞれの支持レール216の製造中に挿入形成されてもよいし、取り付け肩部218aおよび220aに適切に形成された穴に挿入され、終端蓋とともにその中で保持さるようにしてもよい。この製造方法は、支持レール206を形成する従来の形成方法において、適切な高強度プラスチックを形成する工程を含む。
【0038】
図22を参照すると、複数の終端支持部210のうちの一つの拡大図が示されている。終端支持部210は、終端支持ハウジング222を含んでいる。終端支持ハウジング222は、施錠アッセンブリ209を収納する。施錠アッセンブリ209は、把持可能な、作動部材224を含んでも良い。作動部材224が、個人の1又は複数の指でつかまれ、回転させられることで、支持レール206に対して終端支持部210を係合させたり、係合を解除させたりする。終端支持ハウジング222もまた、一体成形された、一又は複数の縛り環226を含んでも良い。縛り環226は、外部の伸縮ひも、または同様の固定用具とともに使用される。
【0039】
図23および24を参照すると、終端支持部210および支持レール206の構造をより詳細に見ることができる。支持レール206もまた、一対の二次施錠バー228(図23では、そのうちの1つだけが示されている)を含んでいる。それぞれの二次施錠バー228は、穴230の中で固定される。そして、それぞれの二次施錠バー228は、くぼみ232を横断するように、くぼみ232の中を通って伸びている。フレーム216には、穴230と連携して二次施錠バー228を受け止める、第2の遮蔽穴(図示せず)が形成されていても良い。くぼみ232は、延伸するへこみ216の一端に形成されている。第2の二次施錠バー228が配置される、延伸するへこみ216の他端には、くぼみ232と同様の他方のくぼみ(図示せず)が形成されている。このくぼみ232は、図21に示されているように、クロスバー208全体がこのくぼみ232に置かれたときに、クロスバー208の上部表面が、支持レール206の上部表面206と実質的に平坦になるように、終端支持部210に対して、余分な逃がしを与える。図21に示すように、クロスバー208が収納されている状態のとき、複数の終端支持部210のそれぞれの施錠アッセンブリ209は、一の支持レール206の二次施錠バー228と係合している。一方、図2に示されているように、クロスバー208が作用する状態のとき、複数の終端支持部210のそれぞれの施錠アッセンブリ209は、2つの支持レール206のそれぞれの一次施錠バー218と係合している。
【0040】
さらに、図23および24を参照すると、終端支持部208が、終端支持ハウジング222を含んでおり、終端支持ハウジング222は、互いに隣接して形成された開口部236およびへこみ238を有することを見ることができる。終端支持ハウジング222もまた、圧入された軸支ピン244を受け止めて支持するための1対の開口部240、および、圧入された軸支ピン246を受け止めて支持するための1対の開口部242を含んでいる。軸支ピン244は、終端支持ハウジング222の中の作動部材224を軸支するため、作動部材224に形成された穴224aを通って伸びている。ねじ部材248および250は、1又は複数の穴254を介して、終端支持ハウジング222の差込部をクロスバー部材212の終端部へ固定するために使用される。終端支持部210は、作動部材224および施錠部材256をさらに含んでいる。施錠部材256は、軸支ピン246によって軸支されている。軸支ピン246は、施錠部材256に形成された穴256aを通って伸びている。図24を参照すると、作動部材24がカム作用表面258を含んでおり、施錠部材256がカム従動表面260およびフック部262を含んでいることを見ることができる。突起部264は、施錠部材256の表面から伸びている。そして、作動部材224は、突起部256を受け止めるための十分な幅を有する切り欠き266を含んでいる。作動部材224および施錠部材256、そしてこれらに関連する軸支ピン244および246が集まり、終端支持部210の施錠アッセンブリ209を形成する。
【0041】
図25および26には、係合された状態(図25)、および係合されていない状態(図26)の終端支持部210が示されている。係合された状態では、作動部材224のカム作用表面258は、施錠部材256の末端部268に接触して配置されている。作動部材224は、施錠部材256の末端部268において作動部材224によって与えられたオーバーセンター付勢力(over center biasing pressure)によって、閉じた状態を維持している。その結果として、フック部262が一次施錠バー218と接触している。したがって、図25は、終端支持部210が作用する状態又は係合された状態を示している。
【0042】
終端支持部210を開錠するには、ユーザが、1又は複数の指によって、作動部材224を縁部270で上方へ持ち上げる。この際、作動部材224が閉じた状態を維持するためのオーバーセンター付勢力(over center biasing force)に打ち勝つ、十分な力が要求される。図25に示されている状態で、ユーザは、縁部270をつかみ、上方への持ち上げを開始する。これにより、軸支ピン244を軸として、作動部材224を反時計回りに回転させる。所定の位置において、カム作用表面258は、そのオーバーセンター位置(over center position)を通り過ぎる。そして、作動部材224は、オーバーセンター付勢力によって、強制的に移動し、図26に示す係合されていない状態へと遷移する。同時に、施錠部材256は、作動部材224によって、軸支ピン246を軸として、時計回りに移動される。これにより、施錠部材256のフック部262は、一次施錠バー218と係合しなくなる。作動部材224の表面272および終端支持ハウジング222の表面273は、協力して、作動部材224が係合されていない状態にある間、作動部材224の反時計回り方向への回転動作を積極的に停止させる。これにより、作動部材224が、回転することによって、おおよその垂直位置を通り過ぎてしまうことを防ぐ。係合されていない状態では、カム作用表面258は、カム従動表面260の縁部274に接する(すなわち、下方に押圧する)。一度、図26に示す状態に移動されると、終端支持ハウジング222の内部表面276もまた、施錠部材256の、さらなる時計回り動作の防止を助ける。両方の終端支持部210が図26に示す開いた状態にあるとき、これら終端支持部210を有するクロスバー208は、支持レール206の上方へ持ち離され、必要に応じ、作用する状態又は収納された状態へと、再配置されることが可能である。
【0043】
車用荷台システム200は、クロスバーが収納された状態のとき、目立たずに、非常に高い空力効果が得られるとともに、非常に美しく心地良い形状をなす。クロスバー208は、外部ツールを必要とされず、ユーザによって、わずか数秒で、収納された状態から作用する状態へ、または作用する状態から収納された状態へと、移動する。終端支持部210のそれぞれの施錠部材256は、連携するクロスバー208を収納する方向および作用する方向の双方へと施錠するため作動するから、クロスバーを、作用する方向および収納される方向へと固定するための分離した施錠部材は要求されない。これにより、車用荷台システム200は、製造の観点で、高いコスト効果および高い部品効果をもたらす。
【0044】
以上、さまざまな実施形態を述べたが、これらの優れた技術は、本開示を逸脱しない範囲で、改良または変形が可能である。これらの例では、さまざまな実施形態を説明したが、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。それゆえ、この記述およびクレームは、関連技術を考慮して、その範囲を解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の支持レールと、
両端のそれぞれに終端支持部を有する、少なくとも1つのクロスバーと
を備え、
それぞれの前記支持レールは、当該支持レールの長手方向の軸と平行に延伸している、延伸したへこみを含んでおり、前記延伸したへこみは、収納される方向に配置された前記クロスバーを受け止めるために、おおむね前記クロスバーに従って形作られており、
それぞれの前記支持レールは、前記クロスバーが前記支持レールの間で垂直方向に延伸して作用する状態にあるときに、前記クロスバーを支持するための、少なくとも1つの一次施錠バーをさらに含んでおり、
それぞれの前記支持レールは、前記一次施錠バーに対して互いにおおむね垂直となるように配置された二次施錠バーであって、前記クロスバーが一の前記支持レールの中の前記収納される方向に配置されるとき、前記延伸したへこみの中において前記クロスバーを支持するための、少なくとも一対の二次施錠バーをさらに含んでおり、
それぞれの前記終端支持部は、前記クロスバーを作用する状態または収納された状態のどちらか一方に配置するように、前記クロスバーを前記一次施錠バーまたは前記二次施錠バーのどちらか一方に対して固定するための、施錠アッセンブリを含んでいる
ことを特徴とする車用荷台システム。
【請求項2】
前記施錠アッセンブリは、前記終端支持部を係合されていない状態および係合された状態へ配置するための、ユーザによる把持が可能な作動部材を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の車用荷台システム。
【請求項3】
前記施錠アッセンブリは、前記作動部材と連絡し、且つ、前記作動部材によって、前記一次施錠バーまたは前記二次施錠バーの1つと係合する第1の状態と、前記一次施錠バーまたは前記二次施錠バーのいずれとも係合しておらず、それぞれの前記支持レールからの取り外しが可能な第2の状態との間で移動可能な、施錠部材をさらに備えている
ことを特徴とする請求項2に記載の車用荷台システム。
【請求項4】
前記作動部材は、カム作用表面を含んでおり、
前記施錠部材は、カム従動表面を含んでおり、
前記カム作用表面は、前記作動部材が開いた状態および閉じた状態に移動するときの、前記カム従動表面に従動するように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の車用荷台システム。
【請求項5】
前記施錠部材は、前記施錠部材が前記一次施錠バーまたは前記二次施錠バーの1つと係合するためのフック部を含んでいる
ことを特徴とする請求項4に記載の車用荷台システム。
【請求項6】
それぞれの前記延伸したへこみは、前記クロスバーが前記収納される方向に配置されるとき、前記終端支持部がその中に収納される、互いに離れて配置された一対のくぼみ部を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の車用荷台システム。
【請求項7】
追加の一対の終端支持部を有している追加のクロスバーをさらに含んでおり、
前記追加の一対の終端支持部は、前記追加のクロスバーが収納された方向に配置されるとき、前記二次施錠バーと係合することが可能となっており、
前記追加の一対の終端支持部は、それぞれの前記支持レールに設けられたそれぞれの前記一次施錠バーの1つと、係合することが可能となっている
ことを特徴とする請求項1に記載の車用荷台システム。
【請求項8】
それぞれの前記終端支持部は、ハウジングを含んでおり、
前記ハウジングは、外部の荷物固定用ひもを固定可能な縛り環を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の車用荷台システム。
【請求項9】
車の外側ボディ表面に固定された一対の支持レールと、
一対のクロスバーと
を備え、
前記一対のクロスバーのそれぞれは、両端のそれぞれに終端支持部を有し、
それぞれの前記支持レールは、当該支持レールの長手方向の軸と平行に延伸している、延伸したへこみを含んでおり、
前記延伸したへこみは、収納される方向に配置された連携する一の前記クロスバーを受け止めるために、おおむね前記クロスバーに従って形作られており、
連携する一の前記クロスバーの上部表面は、連携する前記支持レールの上部表面とおおむね同じ高さであり、
それぞれの前記支持レールは、互いに離れて配置された一対の一次施錠バーをさらに含んでおり、
それぞれの支持レールのそれぞれの前記一次施錠バーは、前記支持レールの間でおおむね垂直となって、作用する状態にある第1の前記クロスバーを共同で支持し、
前記支持レールの他方の前記一次施錠バーは、前記支持レールの間でおおむね垂直となるように延伸して前記作用する状態にある第2の前記クロスバーであって、第1の前記クロスバーとおおむね平行な第2の前記クロスバーを支持するように構成されており、
それぞれの前記支持レールは、一対の二次施錠バーをさらに含んでおり、
第1の前記クロスバーが前記第1の前記支持レールの前記延伸したへこみに配置されたとき、第1の前記クロスバーは、第1の前記支持レールに設けられた前記二次施錠バーに固定され、
前記第2の前記クロスバーが前記収納される方向に配置されるとき、前記第2の前記クロスバーは、前記第2の前記支持レールの前記延伸したへこみの中で固定され、
それぞれの前記クロスバーのそれぞれの前記終端支持部は、前記施錠バーの何れへも係合できるように構成された施錠アッセンブリを含んでおり、
それぞれの前記施錠アッセンブリは、前記施錠アッセンブリを、前記支持レールに対して係合されている状態および係合されていない状態とへ配置するための、ユーザ従動可能な作動部材を含んでいる
ことを特徴とする車用荷台システム。
【請求項10】
それぞれの前記施錠アッセンブリの前記作動部材は、連携する前記終端支持部によって、軸支されており、
それぞれの前記作動部材は、さらにカム作用表面を含んでおり、
それぞれの前記施錠アッセンブリは、前記カム作用表面と接触するカム従動表面を有する、軸支された施錠部材を、さらに含んでおり、
前記施錠部材は、選択された前記一次施錠バーおよび前記二次施錠バーを係合するため、前記作動部材の動作に反応する
ことを特徴とする請求項9に記載の車用荷台システム。
【請求項11】
それぞれの前記施錠部材は、突起部を含んでおり、
それぞれの前記作動部材は、突起部を受け止めて、施錠部材および作動部材のピボット動作の間、作動部材と施錠部材との連携の維持を幇助するためのスロットを含んでいる
ことを特徴とする請求項10に記載の車用荷台システム。
【請求項12】
それぞれの前記終端支持部は、外部の固定具へ係合するための縛り部を有しているハウンジングを含んでいる
ことを特徴とする請求項9に記載の車用荷台システム。
【請求項13】
それぞれの前記延伸したへこみは、互いに反対側の終端部に、一対のくぼみを含んでおり、
それぞれの前記くぼみは、前記終端支持部をその中に格納するために十分な大きさの寸法となっている
ことを特徴とする請求項9に記載の車用荷台システム。
【請求項14】
格納されたそれぞれの前記終端支持部は、ユーザによる前記作動部材の把持を幇助するためのへこみを含んでいる
ことを特徴とする請求項9に記載の車用荷台システム。
【請求項15】
それぞれの前記一次施錠バーの一部は、外部の荷物固定具を取り付けることが可能な部分を有している
ことを特徴とする請求項9に記載の車用荷台システム。
【請求項16】
それぞれの前記クロスバーは、前記クロスバーが前記作用する状態で固定されるとき、前記支持レールよりも上方の高さに載置される
ことを特徴とする請求項9に記載の車用荷台システム。
【請求項17】
車の外側ボディ表面に固定された一対の支持レールと、
一対のクロスバーと
を備え、
前記一対のクロスバーのそれぞれは、両端のそれぞれに終端支持部を有し、
それぞれの前記支持レールは、当該支持レールの長手方向の軸と平行に延伸している、延伸したへこみを含んでおり、
前記延伸したへこみは、収納される方向に配置された連携する一の前記クロスバーを受け止めるために、おおむね前記クロスバーに従って形作られており、
連携する一の前記クロスバーの上部表面は、連携する前記支持レールの上部表面とおおむね同じ高さであり、
それぞれの前記支持レールは、互いに離れて配置された一対の一次施錠バーをさらに含んでおり、
それぞれの支持レールのそれぞれの前記一次施錠バーは、前記支持レールの間でおおむね垂直となって、作用する状態にある第1の前記クロスバーを共同で支持し、
前記支持レールの他方の前記一次施錠バーは、前記支持レールの間でおおむね垂直となるように延伸して前記作用する状態にある第2の前記クロスバーであって、第1の前記クロスバーとおおむね平行な第2の前記クロスバーを支持するように構成されており、
それぞれの前記支持レールは、一対の二次施錠バーをさらに含んでおり、
第1の前記クロスバーが前記第1の前記支持レールの前記延伸したへこみに配置されたとき、第1の前記クロスバーは、第1の前記支持レールに設けられた前記二次施錠バーに固定され、
前記第2の前記クロスバーが前記収納される方向に配置されるとき、前記第2の前記クロスバーは、前記第2の前記支持レールの前記延伸したへこみの中で固定され、
それぞれの前記クロスバーのそれぞれの前記終端支持部は、前記施錠バーの何れへも係合できるように構成された施錠アッセンブリを含んでおり、
それぞれの前記施錠アッセンブリは、開いた状態と閉じた状態との間での、ユーザ従動可能な作動部材と、前記ユーザ従動可能な作動部材の動作に反応して、前記施錠アッセンブリを、支持レールに対して係合された状態および係合されていない状態とへ配置するための施錠部材とを含んでいる
ことを特徴とする車用荷台システム。
【請求項18】
それぞれの前記ユーザ従動可能な作動部材および前記施錠部材は、それぞれの前記終端支持部の中に軸支されている
ことを特徴とする請求項17に記載の車用荷台システム。
【請求項19】
前記施錠部材は、連携するクロスバーが配置された方向に依存して、前記一次施錠バーおよび前記二次施錠バーのうちの1つに係合するためのフック部
を含むことを特徴とする請求項18に記載の車用荷台システム。
【請求項20】
前記作動部材は、差入口を含んでおり、
前記施錠部材は、前記作動部材および前記施錠部材が軸動するときに、前記差入口に係合する突起部を含んでいる
ことを特徴とする請求項17に記載の車用荷台システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−126521(P2011−126521A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−279719(P2010−279719)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(501410056)ジェイエーシー プロダクツ,インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】