説明

着色ストランドおよびその使用

【課題】a)選択された熱可塑性エラストマー系ポリマーおよびb)ペリレン色素を含んでなる着色+ストランドの提供。
【解決手段】熱可塑エラストマー系のポリエステル、ポリアミドの群、スチレンブロックコポリマーの群、またはこれらのポリマーの2種以上の混合物から選択される熱可塑エラストマー系ポリマーにペリレン色素を含有させ繊維とする。得られたストランドは、乗り物の内装品用に、事務椅子用カバーにおいて、または機能服においてきわめて有用である。それらには、低摩耗性と低い熱吸収性とを兼ね備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択された色素により着色され、乗り物、事務椅子用および機能服用にきわめて有用であるストランドに関する。このストランドは、低減した熱吸収性と低摩耗性を兼ね備える。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性エラストマーストランドは、着色だけでなく帯電防止効果を得るために、カーボンブラックによって着色されることが多い。このようなストランドは、例えば、乗り物の繊維内装品の成分として用いられる。カーボンブラックの使用には問題がないとは言えないことが明らかになっている。カーボンブラックによって着色したストランドは摩擦に対する抵抗性が限られており、また、カーボンブラックによる黒色着色は、直接的なインソレーションの場合、そのストランドの部分における高い熱吸収をもたらし、次にこれによって乗り物内の環境制御に不利な作用が及ぼされる。
ストランドの着色剤としては、ペリレン色素がすでに知られている。例えば特許文献1には、溶液染色および安定化されたナイロン繊維が記載されている。これらは、ペリレン色素などの少なくとも1種の顔料だけでなく、安定化剤として選択された立体障害を受けたピペリジン化合物を含む。
【0003】
液体から布繊維を染色するための方法は、特許文献2、特許文献3および特許文献4からのものが知られている。とりわけペリレン色素を用いることができる。
【0004】
特許文献5には、成分の1つがペリレンテトラカルボン酸誘導体である着色剤の混合物の使用による線状ポリエステルの原液染色が記載されている。線状ポリエステルにおいて得られた着色は、色が明るくて強く、また耐光性である。
特許文献6には、誘電率が高く、キャパシターにおける誘電体として、特に、高周波数範囲における適用で有用な高分子量ペリレン色素が記載されている。
特許文献7には、熱可塑性ポリアミド、赤リンおよびメラミン化合物を含んでなる熱可塑性成形組成物が開示されている。この文献によると、耐衝撃性改良剤もまた使用することができる。耐衝撃性改良剤の例としては、この目的ですでに使用されている通常のエラストマーが挙げられる。
特許文献8には、熱可塑性エラストマー系ポリウレタンに機能的材料を適用するための方法が記載されている。
特許文献9には、熱可塑性ポリマー、セリウム含有白色色素およびさらに着色剤を含んでなる熱可塑性成形組成物が開示されている。熱可塑性エラストマー系ポリウレタンが、熱可塑性ポリマーとして挙げられている。
特許文献10には、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ゴム弾性ポリマー、リン含有安定化剤および有機酸を含んでなる熱可塑性成形組成物が記載されている。ゴム弾性ポリマーとして使用するための広範囲の化合物が、この文献に挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】DE 69804440T2
【特許文献2】DE−A−1 469 694
【特許文献3】DE−A−1 619 607
【特許文献4】DE−A−29 12 497
【特許文献5】DE−A−27 32 586
【特許文献6】DE 38 14 647 A1
【特許文献7】DE 10 2005 049 297 A1
【特許文献8】DE 101 62 348 A1
【特許文献9】DE 199 57 899 A1
【特許文献10】DE 199 30 527 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、きわめて良好な弾性特性と強力で耐光性着色とを兼ね備え、また摩擦に対して良好な抵抗性を有しかつまた赤外線範囲における吸収性の低いストランドを提供することである。これらのストランドは、日光照射の際、または赤外線の部分を含む照射によって、カーボンブラック着色ストランドに比較して明らかに昇温されにくい。さらに、これらのストランドは高い伸展性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、選択された熱可塑性エラストマー系ポリマーの形態における軟質ポリマーおよびペリレン色素を処理することにより、まさに上記の性質の有利な組み合わせを有するストランドを形成できることが判明した。
【0008】
したがって本発明は、a)熱可塑性エラストマー系ポリエステル(TPE−E)、熱可塑性エラストマー系ポリアミド(TPE−A)、熱可塑性エラストマー系スチレンブロックコポリマー(TPE−S)、およびそれらの2種以上の組み合わせの群から選択される熱可塑性エラストマー系ポリマー、ならびにb)ペリレン色素を含んでなるストランドを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明により用いられる熱可塑性エラストマー系ポリマーは上記のタイプのものである。このようなポリマーは当業者に知られている。
熱可塑性エラストマー系ポリマーは一般に、モノマーの種々の組み合わせから構成されるブロックコポリマーである。これらのブロックは一般に、硬質セグメントおよび軟質セグメントを含んでなる。TPE−EおよびTPE−Aの場合、軟質セグメントは一般に、ポリアルキレングリコールに由来する。TPE−EおよびTPE−Aの場合、硬質セグメントは一般に、短鎖ジオールまたはジアミンに由来する。ジオール/ジアミン由来だけでなく、硬質および軟質セグメントは、脂肪族、環式脂肪族および/または芳香族ジカルボン酸から構成される。
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび/またはポリブチレングリコールは、特に好適なポリアルキレングリコールである。
【0010】
特に好適な短鎖ジオールは、脂肪族および/または環式脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはそれらの混合物である。2個から4個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、特に、エチレングリコールおよびブタンジオールが好ましい。また、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの環式脂肪族ジオールが好ましい。
特に好適な短鎖ジアミンは、脂肪族および/または芳香族のジアミン、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、キシリレンジアミンである。ヘキサメチレンジアミンが好ましいジアミンである。
上記のジカルボン酸は、熱可塑性エラストマー系のポリエステルまたはポリアミドのさらなる構成要素である。脂肪族、環式脂肪族および/または芳香族のジカルボン酸が該当し、例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸がある。テレフタル酸、セバシン酸またはシクロヘキサンジカルボン酸は、ブロックコポリマーの主要な酸構成要素である。
熱可塑性エラストマー系スチレンブロックコポリマーの例は、スチレン−エチレンのブロック、プロピレン−スチレンのブロック(SEPS)、スチレン−エチレンのブロックおよびブタジエン−スチレンのブロック(SEBS)、またはスチレンのブロックおよびブタジエンのブロック(SBS)などのブロックコポリマーである。
【0011】
本明細書の熱可塑性エラストマー系ポリマーは、古典的なエラストマーと同様の室温挙動を有するが、加熱すると可塑的に変形可能であり、したがって、熱可塑性の挙動を示す。これらの熱可塑性エラストマー系ポリマーは、加熱の際にポリマー分子の分解なしに結合しなくなる架橋の物理点(例えば、二次的原子価力または微結晶)を有する小領域を有する。
本発明のストランドの製造に有用なペリレン色素は、当業者に知られている。
有用なペリレン色素としては、熱可塑性エラストマー系ポリマーを含有するマトリックスに組み込まれた際に、またはこれらのポリマーから構成されたストランドの表面に適用した際に、ポリマーの着色を生じさせる基本的ペリレン構造の任意の化合物が挙げられる。
【0012】
ペリレン色素の特に有用なクラスは、ペリレン自体、すなわち、ペリジナフチレン、およびペリレン誘導体である。ペリレン誘導体の例は、二無水物、ビス−N−アルキルジイミドなどのビス−N−炭化水素ジイミドを含むジイミド、テトラカルボン酸エステルまたはテトラカルボン酸アミドなどのペリレンのテトラカルボン酸およびそれらの誘導体;ペリレンのジ、トリまたはテトラアルキル誘導体、ペリレンのジまたはテトラケトン、ペリレンのジ、トリまたはテトラヒドロキシ誘導体、ペリレンのジ、トリまたはテトラエーテルである。
ペリレン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミドおよび/またはN,N’ジメチル−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミドを用いることが特に好ましい。
いずれかの特定の場合に使用するために選択されるペリレン色素は、ポリマーマトリックスとの適合性およびそのストランドに望まれる特定の色相に依存する。このように選択の基準は、当業者に知られている。
【0013】
本発明のストランドにおけるペリレン色素は、単独で、または任意にさらなる色素と組み合わせて、混合物の形態で使用することができる。ペリレン色素は、例えば、乾燥色素、液体色素、封入化色素、色素分散物の形態で、または最も好ましくは、担体ポリマー、例えば、ポリオレフィンまたは上記の熱可塑性エラストマー系ポリマーの1種と共に、マスターバッチの形態で使用することができる。
熱可塑性エラストマー系ポリマー内へのペリレン色素の導入または熱可塑性エラストマー系ポリマー上へのペリレン色素の適用は、先行技術に記載された種々の方法に従って実施することができる。これらには、例えば、ペリレン色素と該ポリマーとの混合、該ポリマー内へのペリレン色素の溶解および/または分散および熱可塑性エラストマー系ポリマーで構成されたストランドの表面に対してオーバーコートとしてペリレン色素を適用することが含まれる。
【0014】
好ましい一実施形態において、本発明の組成物は、前記成分a)およびb)に加えて、前記成分a)の熱可塑性エラストマー系ポリマーの融点の範囲内またはそれ未満にある融点、好ましくは、成分a)の熱可塑性エラストマー系ポリマーの融点の少なくとも10℃低い融点を有するポリマーである成分c)をさらに含んでなる。
成分c)は選択されたポリマーを含んでなる。一般に考慮されるものは、本発明の組成物の調製に用いられるマスターバッチのポリマー成分である。押出し機中で十分な成形性および混和性を確実にするために、成分c)のポリマーの融点は、成分a)のポリマーの融点の範囲または好ましくは、成分a)のポリマーの融点の少なくとも10℃低い融点である必要がある。
成分c)の好適なポリマーの例は、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン、または熱可塑性エラストマー系ポリマーである。後者が特に好ましい。マスターバッチに関しては、成分a)のポリマーと同じタイプのポリマー、例えば、成分a)がTPE−Eである場合は、TPE−Eを含有することが特にきわめて好ましい。
【0015】
本発明によって用いられるマスターバッチにおいて、ペリレン色素は分散の状態にある。ストランドの製造の過程で、ここでのマスターバッチは該ポリマーマトリックス内に組み込まれる。ペリレン分子がストランドを着色する。驚くべきことにペリレン色素はストランドを着色する一方で、熱照射を限定された程度だけ吸収し、したがって、該ストランドはカーボンブラック着色による場合よりも日光照射の際に昇温が少ないと判断される。したがって、着色されたストランドは良好な耐摩耗性を有することも明らかになった。
本発明の組成物は、成分a)、b)および任意のc)に加えて、添加物d)をさらに含んでなる。
その例は、加水分解安定化剤、処理補助剤、抗酸化剤、UV安定化剤、可塑剤、滑剤、さらに顔料、粘度調節剤または結晶化促進剤である。
加水分解安定化剤の例としては、カルボジイミドまたはエポキシ化化合物である。
処理促進剤の例としては、シロキサン、ワックス、または比較的長鎖のカルボン酸またはそれらの塩、脂肪族、芳香族のエステルまたはエーテルである。
抗酸化剤の例としては、リン酸エステルなどのリン化合物、または立体障害を受けたフェノールである。
UV安定化剤の例としては、ベンゾフェノン類またはベンゾトリアゾール類などのUV吸収性化合物、またはHALSタイプの化合物(「ヒンダードアミン光安定化剤」)である。
可塑剤の例としては、ジオクチルフタレートである。
滑剤の例としては、ポリオレフィンワックス類である。
さらに顔料または艶消剤の例としては、有機染料顔料または二酸化チタンである。
粘度調節剤の例としては、多塩基カルボン酸およびそれらのエステルまたは多価アルコールである。
【0016】
本発明のストランドは、従来の方法、例えば、紡糸口金ダイを通して可塑化ポリマー塊を押し出し、形成されたストランドを冷却後、引き続き従来の延伸工程および弛緩工程に供することによって得ることができる。
好ましい一実施形態において、該ストランドを製造するために、成分a)などのポリマーをさらに含有するマスターバッチにペリレン色素を組み込むか、または成分c)の異なるポリマーをポリマーa)に組み込む。
用語「ストランド」は、ごく一般的には、有限の長さの繊維(ステープルファイバー)、無限の長さの繊維(フィラメント)およびそれらから構成されたマルチフィラメント、またはステープルファイバーから二次的に紡糸されたヤーンを称すると理解すべきである。モノフィラメントの形態における溶融紡糸ストランドが好ましい。
【0017】
本明細書におけるモノフィラメントは個別ストランドである。それらの直径は一般に、0.055mm〜2.00mmの範囲、好ましくは、0.10mm〜0.60mmの範囲である。
特に好ましい実施形態において、本発明のストランドはモノフィラメントとして存在する。
本発明のストランドの線密度は、広範囲内で変化し得る。その例としては、1dtex〜45,000dtex、特に100dtex〜4,000dtexである。
本発明のストランドの断面形状は、自由に選択でき、例としては、円形、楕円形またはnが3以上のn角形がある。
本発明のストランドにおける成分a)、b)、任意のc)および/または任意のd)の量は広範囲内で選択することができる。
【0018】
一般的に、本発明のストランドは、ストランドの全質量に対して、70重量%〜99.999重量%、好ましくは、95重量%〜99.98重量%の成分a)を含有する。本発明のストランドの成分a)の量は、目的とする使用および/または考慮された方法の関数として、当業者によって選択される。
本発明のストランド中のペリレン色素の量は同様に、目的とする使用および/または考慮された方法の関数として、当業者によって選択される。
本発明のストランド中のペリレン色素の量は、ストランドの全質量に対して、一般に、0.0001重量%〜5重量%の範囲であり、ペリレン色素の量は好ましくは、0.001重量%〜1重量%の範囲であり、特に、0.01重量%〜0.5重量%の範囲であり、より好ましくは、0.02重量%〜0.1重量%の範囲である。
本発明のストランドにおける任意の成分c)の量は同様に、目的とする使用および/または考慮された方法の関数として、当業者によって選択される。
この成分の量は、該線維の全質量に対して、一般に、0重量%〜25重量%の範囲である。
同様に、任意に使用される添加物d)の割合は、目的とする使用および/または考慮された方法の関数に従って、当業者により選択される。添加物d)の割合は、ストランドの全質量に対して、一般に20重量%まで、好ましくは10重量%までである。
【0019】
本発明のストランドの製造に必要とする成分a)、b)、任意のc)および/または任意のd)はそれ自体公知であるか、いくつかの場合は市販されているか、またはそれ自体公知の方法に従って得ることができる。
本発明のストランドは、編織物、特に織物、レイドスクリム布、ループ形成性編物、ブレードファブリック(編組)またはループ延伸性編物の製造に用いられることが好ましい。
本発明のストランドは、例えば、陸用、水上用または航空用の乗り物の繊維内装品、より好ましくは、自動車および軍用乗り物の繊維内装品にとって有用である。好ましいさらなる使用は、事務椅子用カバーおよび機能服における使用である。
これらの使用は同様に、本発明の主題の一部を形成する。
本発明を以下の実施例においてより具体的に説明するが、これは単に理解を助けるものであって限定するものではない。
【実施例】
【0020】
実施例1
モノフィラメントの製造のため、溶融紡糸範囲で、チップ状の熱可塑性エラストマー系ポリエステル(イタリア国、Chignolo d’lsola、Radicinovapics S.p.A.からのHeraflex E 5620)を用いた。紡糸操作の前に、押出し機の下行パイプ内で、8重量%のマスターバッチ(ドイツ国、リヒテンフェルス、Lifocolor Farben GmbH & Co、KGからのLifocolor Black 9000169 TPE)をTPE−Eチップのストリーム内に重量混合した。この混合物を押出し機内で融解し、紡糸ポンプによりスピンパックへ供給し、微細なドリル−ホールを通して紡糸してモノフィラメントを形成し、これを水浴内でクエンチし、引き続き、3段階の加熱で延伸し、スピン仕上げし、フランジボビン上に巻き上げた。
Lifocolor Black 9000169 TPEマスターバッチは、熱可塑性エラストマー系ポリエステルにおけるペリレン色素の化合物であった。
得られたモノフィラメントは、以下のファイバー特性を有した:
直径 0.30mm
靭性 28cN/tex
破断時の伸び 43%
160℃における自由熱収縮 45%
【0021】
得られたモノフィラメントは、これに匹敵するカーボンブラックで着色したものに比べて、明らかに低い熱吸収性と顕著な黒色が組み合わされていた。
55℃での同一の照射および照射時間に曝露した際、カーボンブラック色素によるサンプルは、40分後に80℃の温度に達したが、ペリレン色素によるサンプルはこの値よりあきらかに低く留まった。さらに比較のために、色素として二酸化チタンによる同一のモノフィラメントを挙げてある。これは、40分の加熱時間後、51℃の温度に達した。照射の際のストランドの温度を下表に表す。
【0022】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)熱可塑性エラストマー系ポリエステル、熱可塑性エラストマー系ポリアミドの群、熱可塑性エラストマー系スチレンブロックコポリマーの群、またはこれらのポリマーの2種以上の混合物から選択される熱可塑性エラストマー系ポリマー、およびb)ペリレン色素を含んでなるストランド。
【請求項2】
前記熱可塑性エラストマー系ポリマーが熱可塑性エラストマー系ポリエステルである、請求項1に記載のストランド。
【請求項3】
前記熱可塑性エラストマー系ポリエステルが、脂肪族、環式脂肪族および/または芳香族のジカルボン酸、および脂肪族および/または環式脂肪族のジオールならびにポリアルキレングリコールに由来する、請求項2に記載のストランド。
【請求項4】
前記ペリレン色素が前記熱可塑性エラストマー系ポリマーを含んでなるマトリックス内に組み込まれており、および/または前記熱可塑性エラストマー系ポリマーから構成されたファイバーの表面に適用されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のストランド。
【請求項5】
前記ペリレン色素が、ペリレン、ペリレンテトラカルボン酸二無水物および/またはペリレンテトラカルボン酸ジイミドである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の線維。
【請求項6】
前記成分a)およびb)に加えて、前記成分a)の熱可塑性エラストマー系ポリマーの融点の範囲内、または未満の融点を有するポリマーである成分c)をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のストランド。
【請求項7】
前記成分a)、b)および任意のc)に加えて、添加物d)をさらに含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のストランド。
【請求項8】
前記さらなる添加物d)が、加水分解安定化剤、処理補助剤、抗酸化剤、UV安定化剤、可塑剤、滑剤、顔料、導電化剤、粘度調節剤、結晶化促進剤、またはそれらの2種以上の組み合わせの群から選択される、請求項7に記載のストランド。
【請求項9】
前記ペリレン色素が、0.001重量%〜0.1重量%、好ましくは、0.02重量%〜0.06重量%の量で含まれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のストランド。
【請求項10】
モノフィラメントとしての、請求項1〜9のいずれか一項に記載のストランド。
【請求項11】
編織布の製造、特に織物、レイドスクリム布、ループ形成性編物、ブレードファブリックまたはループ延伸性編物の製造における、請求項1〜10のいずれか一項に記載のストランドの使用。
【請求項12】
前記ストランドが、事務椅子用カバーの製造、または機能服の製造において使用される、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記ストランドが、陸用、水上用または航空用の乗り物の内装品に使用される、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
前記陸用乗り物が、自動車、特に軍用乗り物である、請求項13に記載の使用。

【公開番号】特開2010−43401(P2010−43401A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187915(P2009−187915)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【出願人】(501078281)テイジン モノフィラメント ジャーマニイ ゲー・エム・ベー・ハー (11)
【Fターム(参考)】