説明

着色ポリアミド微粒子を含有する化粧料組成物

【課題】皮膚表面のてかりや小じわ改善効果に優れ、しかも着色後に色落ちしにくく、鮮やかな色合いを安定して保つことができる化粧料組成物を提供する。
【解決手段】化粧料基材及びポリアミド微粒子を含有する組成物であって、該ポリアミド微粒子が、プラズモン吸収による発色を生じる金属微粒子であって、その表面が含窒素高分子で保護された金属微粒子を担持してなる着色ポリアミド微粒子であることを特徴とする化粧料組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色ポリアミド微粒子を含有する化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド微粒子は、化粧料原料、例えばファンデーション、アイシャドー、アイライナー、口紅等の「のび」や「すべり」等の感触を向上する材料として用いられている。これらの化粧料には、ポリアミド粉末以外に、要求される機能に応じて無機又は有機の粉体、液体成分が含まれており、着色が必要な場合には、更に顔料や有機色素が混合されている。しかしながら、これらの顔料や着色色素は、通常別々に混合分散されるために、顔料や有機色素が遊離して製品の安定性に問題が生じることがあった。
そこで、ポリアミド微粒子自体に赤色、青色等の法定の有機色素を着色する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、塩化金酸の還元により得られる金粒子をマイカやタルク等の無機担体表面にコーティングした顔料を含む化粧料が開示されている。しかしながら、無機担体表面にコーティングされた金粒子は、還元反応終了後の洗浄工程で徐々に外れてしまうため、金粒子のコーティング後に更に表面処理する必要があった。
特許文献2には、金属化合物を溶媒に溶解し、高分子顔料分散剤を加えた後、還元する、コロイド溶液の製造方法が開示されている。しかしながら、金属溶液調製後に高分子顔料分散剤を加えても、十分な着色は得られない。
特許文献3には、有機酸性色素で染着された球状ポリアミド粉末を含有する化粧料が開示されている。しかしながら、特許文献3でも、若干の色落ちがあることが指摘されている。
特許文献4には、塩化金酸と、保護高分子としてポリエチレンイミンの溶液を加熱混合、乾燥させることにより、金微粒子を保護高分子中に分散させる微粒子の製造方法が開示されている。
特許文献5には、含窒素高分子で保護された金微粒子と、アクリル酸含有高分子からなる金属微粒子−高分子複合体顔料が開示されている。
特許文献6には、特定の物性を有するポリアミド多孔質粒子を含む皮膚用及び毛髪用の化粧料組成物が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平1−215865号公報
【特許文献2】特開平11−80647号公報
【特許文献3】特開2002−332211号公報
【特許文献4】特開2000−281797号公報
【特許文献5】特開2006−104254号公報
【特許文献6】特開2005−239575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、皮膚表面のてかりや小じわ改善効果に優れ、しかも着色後に色落ちしにくく、鮮やかな色合いを安定して保つことができる化粧料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、化粧料組成物に添加するポリアミド微粒子として、プラズモン吸収による発色を生じる金属微粒子の表面を含窒素高分子で保護した金属微粒子を担持した着色ポリアミド微粒子を用いると、皮膚表面での光異常反射、いわゆる「てかり」を効果的に抑制することができ、小じわや凹み等の肌の欠陥を効果的に隠蔽でき、しかも着色後に水等による色落ちが起こりにくく、鮮やかな色合いが安定して保たれることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、化粧料基材及びポリアミド微粒子を含有する組成物であって、該ポリアミド微粒子が、プラズモン吸収による発色を生じる金属微粒子であって、その表面が含窒素高分子で保護された金属微粒子を担持してなる着色ポリアミド微粒子であることを特徴とする化粧料組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、皮膚表面のてかりや小じわ改善効果に優れ、しかも着色後に色落ちしにくく、鮮やかな色合いを安定して保つことができる化粧料組成物、例えばファウンデーション、リップクリーム、アイシャドウ用等の組成物、薬剤等を担持又は吸着する治療用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の化粧料組成物は、化粧料基材及びポリアミド微粒子を含有する組成物であって、該ポリアミド微粒子が、プラズモン吸収による発色を生じる金属微粒子であって、その表面が含窒素高分子で保護された金属微粒子を担持してなる着色ポリアミド微粒子であることを特徴とする。
【0009】
〔着色ポリアミド微粒子〕
(ポリアミド微粒子)
本発明に用いられるポリアミド微粒子の形態は、特に限定されない。例えば、真球状、略球状、勾玉形状、筒状又はダンベル状の単体又は混合物であってもよい。しかしながら、ポリアミド微粒子(群)の70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上が単一種類の粒子形状で構成された均一な粒子形態、特に真球状又は略球状であることが好ましい。単一種類の粒子が70質量%未満であると、粒子形状のばらつきにより、金属微粒子を均一に担持できない場合がある。
ポリアミド微粒子の特に好適な形態としては、均一なポリアミド溶液から核が生成し、それを中心として、多数の高分子フィブリルが三次元等方ないし放射状に成長して分枝した糸状体ないし板状体に伸びた球晶である形態が挙げられる。
ポリアミド微粒子の数平均粒子径は、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは1.0〜25μm、更に好ましくは3.0〜15μmである。該数平均粒子径が0.1μm未満であると、二次凝集力が強く、取り扱い操作性が悪くなり、また、肌の起伏を隠すのに十分ではなく、分散性が劣るため、肌のりにむらがでることがある。一方、該数平均粒子径が50μmを超えると、皮膚への付着性が落ち、ざらつき感が増し、化粧料としての感触が劣ることがある。
なお、ポリアミド微粒子の形状が、筒状又はダンベル状である場合は、その平均粒子長が0.5〜25μmであることが好ましい。この場合の平均粒子長とは、筒状又はダンベル状粒子の両端間の最も直線距離の長い長さを意味し、粒子径は粒子中央部の径であり、ダンベル状粒子の場合は、最も細い部分の径を意味する。
【0010】
ポリアミド微粒子は、その粒子径分布において、数平均粒子径(又は数基準平均粒子径)(Dn)に対する体積平均粒子径(又は体積基準平均粒子径)(Dv)の比(Dv/Dn)が好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは、1.0〜1.5、更に好ましくは1.0〜1.3である。数平均粒子径(Dn)に対する体積平均粒子径(Dv)の比〔粒子径分布指数(PDI)〕が1に近いほど粒子の分散が均一になるため、化粧料組成物に加えた場合に、その製造や使用に際して優れた効果を示す。
粒子径分布指数(PDI)は次式で表される。
【0011】
【数1】

【0012】
本発明に用いられるポリアミド微粒子は、非孔質構造でも多孔質構造であってもよいが、多孔質構造を有するポリアミド多孔質粒子は、同じ粒子径の非孔質状ポリアミド微粒子と比較して、比表面積が大きいため、多くの金属微粒子を担持することができるので好ましい。
ポリアミド微粒子のBET比表面積は、好ましくは0.1〜80m2/g、より好ましくは0.5〜50m2/g、更に好ましくは、1〜40m2/gである。比表面積が0.1m2/g未満であると、金属微粒子を十分に担持することができない場合がある。
ポリアミド多孔質粒子の平均細孔径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.3μmである。平均細孔径が0.005μm未満であると、金属微粒子を細孔内に十分に担持することができず、0.5μmを超えると、粉体の力学的強度が弱くなることがある。
また、ポリアミド多孔質粒子の空孔率は30〜70%であることが好ましい。空孔率が30%未満であると金属微粒子を十分に内部に担持できなくなることがあり、70%を超えると、ポリアミド多孔質粒子の均一な形状が保てなくなり、取り扱いが悪くなることがある。
【0013】
本発明におけるポリアミドとしては、特に制限はなく、従来公知の脂肪族ポリアミド及び芳香族ポリアミドの中から、任意のものを、適宜一種又は二種以上選択して使用することができる。ここで、脂肪族ポリアミドとは、分子鎖中に芳香環を有しないポリアミドを指し、芳香族ポリアミドとは、分子鎖中に芳香環を有するポリアミドを指す。
このようなポリアミドとしては、アミノカルボン酸、ラクタム又はジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするポリアミドを挙げることができる。
アミノカルボン酸としては炭素数6〜12のアミノカルボン酸が挙げられ、例えば、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
ラクタムとしては、炭素数6〜12のラクタム類が挙げられ、例えば、α−ピロリドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ε−エナントラクタム等が挙げられる。
【0014】
ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ヒペラジン、アミノエチルピペラジン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられる。
【0015】
本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマー又はコポリマーを各々単独又は混合物の形で用いることができる。
本発明で使用されるポリアミドの具体例としては、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/66、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6T/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6I/6)、ポリドデカミド/ポリヘキサメチレンテレフタラミドコポリマー(ポリアミド12/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)コポリマー(ポリアミド6T/M5T)、ポリキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、およびこれらの混合物ないし共重合樹脂が挙げられる。
上記ポリアミドの中では、脂肪族ポリアミドが好ましく、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12又はポリアミド6/66共重合樹脂が好ましく、材料の取り扱い性の観点から、特にポリアミド6が好ましい。
真球ポリアミド微粒子の市販品としては、例えば、東レ株式会社の「SP−500」、住化エンビロサイエンス株式会社の「HK−5000」、ガンツ化成株式会社の「ガンツパール」等が挙げられる。また、ポリアミド多孔質粒子としては、特開2005−120203号公報等で示されたポリアミド多孔質粒子やアルケマ社の「ORGASOL」等が挙げられる。
【0016】
(金属微粒子)
本発明に用いる金属微粒子は、プラズモン吸収による発色を生じる金属微粒子であって、その表面が含窒素高分子で保護されている。
金、銀等の貴金属は、バルクでは金属光沢を示すが、ナノサイズの微粒子は、粒径に特異な波長の光を吸収する。例えば、空気中にある直径20nmの金粒子は、波長540nmに吸収ピークを持ち、赤色を呈する。これは、金粒子の局在表面プラズモン共鳴(LPR)と呼ばれる現象に起因している。局在表面プラズモン共鳴とは、ナノサイズの微粒子表面近傍に存在する自由電子が入射光と共鳴するものである。金属の種類、粒子径、粒子の誘電率、粒子周辺の媒体の誘電率によってこの共鳴波長は異なる。本発明において、表面プラズモン共鳴により特定の波長の光を吸収することをプラズモン吸収と呼ぶ。
【0017】
金属微粒子の形状は特に制限されず、球状、不定形状、塊状、針状、棒状等の種々の形状のものを用いることができる。しかし、純粋な色調を得る観点から、金属微粒子の形状、粒子径が揃っており、凝集してない球状の粒子であることが好ましい。その粒子径は、好ましくは0.001〜0.5μm、より好ましくは0.0015〜0.1μm、更に好ましくは0.002〜0.05μm、特に好ましくは、0.003〜0.02μmである。該粒子径が0.001μm未満の金属微粒子は、プラズモン共鳴による発色をしにくく、好ましくない。また、0.5μmを超える金属微粒子は、大きすぎてプラズモン共鳴による発色がしにくく、ポリアミド微粒子との粒径差が小さくなりポリアミド微粒子への担持が困難となるため、好ましくない。
金属微粒子の担持量は、ポリアミド微粒子に対して、好ましくは0.001〜20質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、更に好ましくは0.05〜5質量%である。金属微粒子の担持量が0.001質量%未満であると、金属微粒子のプラズモン共鳴による発色が充分でない。20質量%を超えると、金属微粒子の凝集を抑えるのが困難である。
金属微粒子としては、可視光領域で局在プラズモン共鳴を起こす金属が好ましい。具体的には、金、銀、銅又はそれらの複合体(合金、混合物等)が挙げられる。
【0018】
金属微粒子は、その表面が含窒素高分子で保護されている。含窒素高分子としては、分子構造に−NH2を持つものが特に望ましい。これは、ポリアミド微粒子の表面に存在するポリアミド末端のカルボン酸(−COOH)又はカルボニル基(>C=O)と親和性の高く、一部カルボン酸(−COOH)と含窒素高分子の−NH2との間で、アミド結合が形成されるからであると考えられる。このことにより、金属微粒子を被覆した含窒素高分子はポリアミド微粒子表面に対して強く結合されるため、金属微粒子はポリアミド微粒子内に強く担持され、容易に脱離することがなくなると考えられる。
含窒素高分子の例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリアニリン、ポリアニリン誘導体、ポリピロール、ポリピロール誘導体等が挙げられる。これらの中では、保護効果の観点から、ポリエチレンイミンが好ましい。
【0019】
ポリエチレンイミンは、一級、二級、又は三級アミンからなる枝別れ構造を有するアミン基密度が高く、高極性のポリアミンであり、反応性に富んだ水溶性ポリマーである。前記の一級、二級、又は三級アミンは、金属微粒子、特に金微粒子を形成する金原子と共有結合や配位結合を形成しやすく、粒成長及び二次粒子の生成を抑制し、微粒子の分散性を高めることになる。
ポリエチレンイミンの分子量は、好ましくは500〜100,000、より好ましくは1,000〜50,000、更に好ましくは1,500〜20,000である。分子量が500未満であると、金微粒子を安定化させることができにくくなるので好ましくない。分子量が100,000を超えると、ポリエチレンイミン溶液の粘度が高くなり、金属微粒子の分散性が悪化するので好ましくない。
【0020】
(着色ポリアミド微粒子の製造)
本発明における着色ポリアミド微粒子は、ポリアミド微粒子を分散させた溶液中で、含窒素高分子の共存下に、金属種を含むイオンを還元することにより製造することができる。この方法によれば、還元により生成する金属微粒子が含窒素高分子に被覆された状態でポリアミド微粒子に担持されるので、含窒素高分子がポリアミド微粒子表面で強く結合されるため、金属微粒子はポリアミド微粒子内に強く担持され、容易に脱離することがなくなる。これに対し、還元後の金属微粒子溶液にポリアミド微粒子を接触させる方法では、金属微粒子はポリアミド微粒子にほとんど担持されない。また、一部が担持されたとしても、洗浄などによって容易に脱離する。
【0021】
金属種を含むイオンを生じる化合物としては、金、銀、銅等の金属の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩等が挙げられる。これらの中では、金の塩化物、特にテトラクロロ金酸四水和物(HAuCl4・4H2O)(以下、「塩化金酸」という)が入手性、溶解性の面から好ましい。
金属種の還元方法は特に限定されない。例えば、(i)ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム等の無機還元剤を用いて常温又は低温で、好ましくは−10〜25℃で還元する方法、(ii)ポリエチレンイミン、トリエチルアミン等のアミン類を用いて50〜100℃、好ましくは60〜80℃で還流することにより還元する方法、(iii)メタノール、エタノール等のアルコール中において50〜100℃、好ましくは60〜80℃で還流することにより還元する方法、(iv)クエン酸、アスコルビン酸、ホルムアルデヒド等の有機還元剤を用いて50〜100℃、好ましくは60〜80℃で還流することにより還元する方法、(v)常温で紫外光を照射することにより還元する方法等が挙げられる。
なお、ポリエチレンイミンのように含窒素高分子自体が還元作用を有する場合には、他の還元剤を使用しなくてもよい。
着色ポリアミド微粒子の製造工程として、ポリアミド微粒子を分散させた溶液、含窒素高分子、金属種を含むイオン及び還元剤は、イオンを還元する前にすべてを均一に混合することができれば、着色の度合いはそれらの添加順序には影響されない。
上記方法により製造された着色ポリアミド微粒子は、デカンテーション、ろ過又は遠心分離等の方法で固液分離し、必要に応じて、その後真空乾燥や恒温乾燥を用いて乾燥させることができる。
【0022】
金微粒子の製造において、金属種を含む化合物に塩化金酸、含窒素化合物にポリエチレンイミンを用いる場合は、その混合比率は、塩化金酸100重量部に対してポリエチレンイミンを、好ましくは5〜2000重量部、より好ましくは10〜1000重量部、更に好ましくは、30〜500重量部、特に好ましくは、50〜200重量部添加することが望ましい。
ポリエチレンイミンと塩化金酸との反応では、塩化金酸イオンとポリエチレンイミンとの錯形成が起こり、還元反応により塩化金酸イオンが金原子に還元され、金原子の凝集が起こり1〜100nmのナノサイズの微粒子に成長する。粒成長でナノサイズの大きさに止まるのは、錯形成していたポリエチレンイミンが周りを保護し、成長を阻止するためと考えられる。
上記方法により製造された着色ポリアミド微粒子は、プラズモン吸収による発色を生じ、かつ含窒素高分子で保護された金属微粒子がポリアミド微粒子に強固に担持された微粒子となっている。
【0023】
〔化粧料組成物〕
本発明の化粧料組成物は、化粧料基材及び前記の着色ポリアミド微粒子を含有する。化粧料基材は特に限定されず、公知のものを適宜使用することができる。また、通常、香料成分を含有する。香料成分も公知のものを適宜選択して使用することができる。
化粧料組成物は、その構成成分や目的により、皮膚、唇、頭皮、鹿毛、眼、爪又は髪等に適用することができる。代表的な化粧料組成物の形態としては、ペースト状又は粉状のものや、エマルジョン液体として肌に塗布しやすいもの等が挙げられる。
本発明の化粧料組成物は、前記着色ポリアミド微粒子100重量部に対して油溶性媒体等の液体媒体を10〜300重量部含むものであることが好ましい。液体媒体としては、油性又はラッテックスのものが望ましく、揮発性又は不揮発性シリコーンオイル、流動パラフィン、植物性油、ワックス、グリセリン、エチレングリコール等が好ましい。
【0024】
本発明の化粧料組成物を、ファウンデーションに用いる場合、着色ポリアミド微粒子1〜25質量%及び無機充填材(A)1〜20質量%を含有し、特に着色ポリアミド微粒子2〜20質量%及び無機充填材(A)1〜15質量%を含有することが好ましい。ファウンデーション用の化粧料組成物は、化粧の下地として肌に直接塗り付け、肌の凹凸を滑らかにし、肌の欠陥やくぼみを隠す等の効果を有し、また、上塗り化粧材と肌と間にあって、双方に対して密着性を示す。ファウンデーション用の化粧料組成物は、クリーム状、水溶液、エマルジョン、ジェル等の形態からなる。
ファウンデーション用の化粧料組成物は、必要に応じて、更に脂肪酸及びその誘導体、エマルジョン、シリコーンオイル、水溶性ポリマー、有機添加物等を含むことができる。
【0025】
無機充填材(A)としては、チタン、シリカ、タルク、カオリン、マイカ、珪藻土等が挙げられる。脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、パルミトール酸、ミリストオレイン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸等のポリ不飽和脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸の誘導体としては、ヒドロキシ化、エステル化したもの等が挙げられる。
エマルジョンは、油中水型が好ましい。油相としてはシリコーンオイル(揮発性シリコーンオイル、不揮発性シリコーンオイル)、鉱物油、植物油、蜜蝋、油脂、ワヅクス等の非シリコーン有機油又はそれらの混合物を用いることができる。水溶性ポリマーとしては、ボリビニルアルコール、ボリビニルピロリドン、ボリアクリルカルボン酸系等が挙げられ、有機添加物としては、アミノ酸、尿素等の湿潤剤、香料、色素、防腐剤等が挙げられ、油溶性媒体としては、パラフィン、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、カルナバワックス、植物油、蜜蝋、シリコーンオイル、脂肪族アルコール等が挙げられる。
【0026】
また、着色ポリアミド微粒子の表面及び細孔内に、無機充填材(B)又は有機充填材を内包又は坦持させることによって、さらなる光散乱機能の付与や脂質や水分、保湿性剤、栄養分内包材の徐放等による効果の持続性を付与することもできる。
無機充填材(B)としては、例えば酸化鉄(黄色酸化鉄、ベンガラ、黒色酸化鉄)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、炭化珪素、有機色素、群青、紺青、カーボンブラック、酸化鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、インジウム―スズ複合酸化物、シリカ―酸化リチウム複合酸化物、マグネタイト、マグヘマイト、マンガン・ジンクフェライト、希土類鉄ガーネット、ニッケル・ジンクフェライト、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、ヒドロキシアパタイト、αー燐酸カルシウム、βー燐酸カルシウム、γ―燐酸カルシウム、燐酸八カルシウム、モンモリロナイト等の粘土質物、マイカ、タルク等の単体又は混合物が挙げられる。
【0027】
有機充填材としては、皮膚や毛髪に対する保湿効果や栄養補給効果及びすべり感、しなやかさ、つやの向上等の効果の高い成分が用いられる。
保湿性剤としては、グリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3ジブチレングリコール、ポリグリセロール、ソルビトール、グルコース、スクコース、ポリエチレングリコール、メチルグルセス、マルチトール、マンニトール、マグネシウムグルコナート、ヘキシレングリコール又は水溶性のシリコーンを含有する酸を用いることができる。また、ヒアルロン酸やフコイダン等も用いることができる。
脂質及び栄養分としては、セラミド、コラーゲン、ビタミンA類、ビタミンC類、ビタミンE類及びビタミン誘導体、各種アミノ酸が挙げられる。
【0028】
本発明の化粧料組成物は、アイシャドウ、アイライナー、リップクリーム、口紅用に用いる場合として用いることもできる。
また、化粧した肌を洗浄するクレンジング剤として用いることもできる。この場合、着色ポリアミド微粒子は、球状粒子が好ましく、好ましくは多孔質ポリアミド微粒子のうち90質量%以上が球状粒子であり、更に好ましくは98質量%以上が球状粒子である。また、本発明で規定した筒状又はダンベル状の多孔質ポリアミド微粒子を用いることも好ましい。
【0029】
本発明の化粧料組成物は、皮膚治療を兼ねた組成物とすることができる。この場合、薬効成分を粒子の表面および細孔内に内包又は坦持させ、徐放させことにより、治癒効果と化粧効果の持続性を高める観点から、着色ポリアミド微粒子を好ましくは5〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%、及び薬効成分を好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.2〜20質量%を含有することが好ましい。
薬効成分としては、肌の脱脂、湿潤作用の薬剤、又は肌の脱色作用、肌の凹凸修復作用、皮膚の軟化作用、皮膚病の治療及び芳香作用等がある公知の薬剤を用いることができる。
化粧料組成物は、脂肪性肌を処理するための活性剤を含んでもよい。活性剤としては、例えば、β−ラクタム誘導体、シプロフロキサシン、ノルマルフロキサシン、テトラサイクリン及びその塩、エリスロマイシン及びその塩等、及び植物からの抽出物等を含んでいてもよい。
【実施例】
【0030】
次に、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、平均粒子径、比表面積、平均細孔径、空孔率、金属微粒子の存在確認・定量・接着安定性、及び化粧料の評価は、以下に示す方法により行った。
【0031】
(平均粒子径)
ポリアミド微粒子及び金属微粒子の平均粒子径、粒子径分布は、走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子株式会社製、「JCM-5700」)、を用いて撮影後、微粒子100個の粒子径の平均値として算出した。
(比表面積)
ポリアミド微粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法3点測定で行った。
【0032】
(平均細孔径、空孔率)
ポリアミド微粒子の平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した。測定範囲は、0.0036〜14μmの範囲で平均細孔径を求めた。ポリアミド微粒子の空孔率は、1個の粒子中のポリアミドの体積と空間体積の割合を表す。ここで、ポリアミドの密度をρとして、空孔率P(porosity)を次式で表すことができる。
P=Vp/(Vp+Vs)
ここで、Vp;粒子内空孔体積、Vs;粒子内ポリマー体積
即ち、粒子内累積細孔容積をP1とすると、Pは下記式で表される。
P=P1/(P1+(1/ρ))×100
細孔径に対する累積細孔容積の図から、粒子内累積細孔容積を算出し、上式に従って、粒子内空孔率Pを算出する。このときポリアミド微粒子の密度ρは、DSCで求めた結晶化度χと結晶密度ρc 、非晶密度ρa からρを求めた。
ρ=χ・ρc +(1−χ)・ρa
ここでポリアミド6の結晶密度は1.23cm3/g、非晶密度は1.09cm3/g、ポリアミド12の結晶密度は1.1cm3/g、非晶密度は0.99cm3/gとした。
【0033】
(金属微粒子の存在確認・定量・着安定性)
着色ポリアミド微粒子中の金属微粒子の存在は、着色ポリアミド微粒子の色及び断面のTEM写真によって確認した。
着色ポリアミド微粒子中の金属微粒子の定量は、乾燥後の着色ポリアミド微粒子試料5mgを硫硝酸にて湿式分解後、ICP発光分析法によって、着色ポリアミド微粒子試料中の金属成分の発光強度から質量分率を求めた。
着色ポリアミド微粒子中の金属微粒子の接着安定性は、超純水中に分散させた着色ポリアミド微粒子を1時間撹拌したのち、溶液部の着色を可視吸光分析することにより確認した。
【0034】
(化粧料の評価)
モニターテスト:健康な成人女性50名を被験者とするパネルを構成し、各化粧料組成物を施してもらい、その感想を聞き取り、下記の基準で評価した。
AA:顕著な改善効果が見られた。
BB:改善効果が若干見られた。
CC:改善効果が見られなかった。
【0035】
製造例1
(1)ポリアミド6(宇部興産株式会社製、1013B、分子量13,000)50gを、m−クレゾール溶液950gに溶解し、濃度5質量%m−クレゾール溶液を得た。この溶液を攪拌しながら、メタノール5kgと水1kgからなる混合液6kgを40秒かけて投入した。攪拌を続け、溶液が均一になった時点で攪拌を停止し、静置したところ、しばらくして、ポリアミド6粒子が析出した。さらに2時間静置後、ろ紙を用いてろ別した析出物を、ろ紙上で25℃のメタノール10000mlで3回洗浄した。次に、熱風乾燥機で、温度60℃で、8時間乾燥し、続けて真空乾燥機で温度60℃で、8時間乾燥した。乾燥したポリアミド6微粒子10gを保温付きソックスレー抽出器に充填し、抽出器内にメタノールを10時間還流して、多孔質ポリアミド6微粉末と接触させた。次に乾燥微粒子をメタノール10質量%スラリーにして、180℃にて噴霧乾燥を行い、ポリアミド多孔質微粒子を得た。
得られたポリアミド多孔質微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果、数平均粒子径10.2μm、体積平均粒子径10.7μmの比較的均一な多孔質略球状粒子であった。PDIは1.04、比表面積は9.5m2/g、平均細孔径は、0.136μm、空孔率は61%であった。
【0036】
(2)得られたポリアミド多孔質微粒子2.5gをエタノール475g中に分散させ、該溶液に塩化金酸(和光純薬工業株式会社製、テトラクロロ金(III)酸四水和物、特級)1質量%水溶液8g、ポリエチレンイミン(和光純薬工業株式会社製、平均分子量10,000)1質量%水溶液5gを添加し、エタノール中で混合した。該溶液を70℃で1時間還流したところ、赤色ポリアミド微粒子がエタノール中に分散した懸濁液となった。ろ過して固液分離した後、真空乾燥を行うことにより、金微粒子のプラズモン吸収により赤色に着色したポリアミド微粒子が得られた。このとき、ろ液は透明であった。
(3)得られたポリアミド多孔質微粒子の断面TEM写真を図1に示し、着色ポリアミド微粒子のSEM写真を図2に示す。図1及び2から、金粒子の担持によるポリアミド微粒子の形態の変化がないこと、及び粒径5nmの金微粒子がポリアミド微粒子に分散していることが確認できる。ポリアミド微粒子の平均粒径に変化はなかった。
また、ポリアミド微粒子の比表面積は10.1m2/g、平均細孔径は、0.097μm、着色ポリアミド微粒子中の金の含有量は0.49質量%であった。また、前記着色ポリアミド微粒子1gを50gの超純水に添加して1時間撹拌後、ろ過してろ液を回収し、可視吸収スペクトル装置を用いて、前記ろ液と超純水の400〜800nmの透過率を測定して、透過率の差を求めた結果、透過率の差はほとんど見られず、着色剤の溶出又は脱離は認められなかった。
【0037】
比較製造例1
塩化金酸0.75g及びポリエチレンイミン0.5gを水500mlに溶解させた後、70℃で1時間還流することにより、ポリエチレンイミンで保護した暗赤色の金ナノ粒子水溶液を調製した。この金ナノ粒子水溶液中に製造例1(1)で得られたポリアミド多孔質微粒子2.5gを分散させて、70℃で攪拌した後、粒子をろ過洗浄した結果、ほとんど着色されないポリアミド微粒子が得られた。ろ液は暗赤色のままであった。
【0038】
実施例1(ファウンデーションクリームの調製)
製造例1で得られた着色ポリアミド微粒子を用いて、下記の1−A〜F成分及び水を均一に混合して、ファウンデーションクリームを調製した。
1−A成分:シクロメチコーン(22質量%)、セチルジメチコーン(0.2質量%)
1−B成分:マイカ(0.1質量%)、シリカ(1質量%)、チタン(7.5質量%)、酸化亜鉛(3質量%)
1−C成分:トリヒドロキシステアリン(0.3質量%)、シクロメチコーン(1質量%)
1−D成分:プロピルパラペン(0.75質量%)
1−E成分:製造例1で得られた着色ポリアミド微粒子(5.0質量%)
1−F成分:グリセリン(8質量%)、ボリビニルビロリドン(0.5質量%)、塩化ナトリウム(2.0質量%)、デヒドロ酢酸ナトリウム(0.3質量%)、フェノキシェタノール(0.25質量%)、EDTA4ナトリウム(0−1質量%)
水:(残余) 計100質量%
得られたファウンデーションクリームについて、小じわに対する改善効果、化粧時ののび特性及び感触を、下記の方法により評価した。その結果を表1に示す。また、赤色は色落ちしにくく、色合いを安定して保つことができた。
【0039】
比較例2(ファウンデーションクリームの調製)
実施例1において、1−E成分として、製造例1で得られた着色ポリアミド微粒子5.0質量%の代わりに、ポリアミド多孔質微粒子(アルケマ社製「ORGASOL 2002UD NAT COS」)4.95質量%及び有機着色料赤色106号0.05質量%を用いた以外は、実施例1と同様に行った。また、汗等による赤色の色落ちが見られた。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
実施例2(リップクリームの調製)
下記の2−A〜G成分を80〜85℃にて溶解混合した後、2−H成分として、製造例1で得られた着色ポリアミド微粒子を混合し、所定の容器に流し込み、冷却固化して、リップクリームを調製した。
2−A成分:パラフィン:15.0質量%
2−B成分:キャンデリラワックス:3.0質量%
2−C成分:カルナウバワツクス:2.0質量%
2−D成分:メチルフェニルポリシロキサン:40.0質量%
2−E成分:流動パラフィン:29.8質量%
2−F成分:香料:0.2質量%
2−G成分:酸化防止剤:適量
2−H成分:製造例1で得られた着色ポリアミド微粒子10.0質量%
得られたリップクリームについて、使用時ののび特性及び感触を評価した結果、のび特性及び感触はいずれもAA評価であった。また、赤色は色落ちしにくく、鮮やかな色合いを安定して保つことができた。
【0042】
実施例3(アイシャドウの調製)
下記の3−A〜G成分を均一混合した後、更に3−H〜K成分を添加混合して、アイシャドウを調製した。
3−A成分:タルク:10.0質量%
3−B成分:カオリン:6.0質量%
3−C成分:炭酸マグネシウム:1.0質量%
3−D成分:ステアリン酸亜鉛:5.0質量%
3−E成分:酸化チタン:2.0質量%
3−F成分:酸化チタン被覆雲母:20−0質量%
3−G成分:製造例1で得られた着色ポリアミド微粒子50.0質量%
3−H成分:ソルビタンセスキオレエート:1.0重星%
3−I成分:流動パラフィン:5.0質量%
3−J成分:香料:少量
3−K成分:防腐剤:少量
得られたアイシャドウについて、使用時ののび特性及び感触を評価した結果、のび特性及び感触はいずれもAA評価であった。
【0043】
実施例4(治療用化粧料)
製造例1で得られた着色ポリアミド微粒子にイソヘキサデカンを10質量%担持した皮膚軟化剤を添加したクリームを調製した。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】製造例1で得られたポリアミド多孔質微粒子の断面SEM写真である。
【図2】製造例1で得られた着色ポリアミド微粒子のSEM写真である。
【図3】製造例1で得られた着色ポリアミド微粒子の断面TEM写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料基材及びポリアミド微粒子を含有する組成物であって、該ポリアミド微粒子が、プラズモン吸収による発色を生じる金属微粒子であって、その表面が含窒素高分子で保護された金属微粒子を担持してなる着色ポリアミド微粒子であることを特徴とする化粧料組成物。
【請求項2】
ポリアミド微粒子の平均一次粒子径が0.1〜50μmである請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
金属微粒子の平均一次粒子径が0.001〜0.5μmである請求項1又は2に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
金属微粒子の担持量が、ポリアミド微粒子に対して0.001〜20質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料組成物
【請求項5】
金属微粒子が、金、銀、銅又はそれらの複合体からなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料組成物。
【請求項6】
含窒素高分子がポリエチレンイミンである請求項1〜5のいずれかに記載の化粧料組成物。
【請求項7】
ポリアミド微粒子が多孔質構造を有する請求項1〜6のいずれかに記載の化粧料組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−235028(P2009−235028A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85737(P2008−85737)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】