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着色単分散粒子およびその製造方法
説明

着色単分散粒子およびその製造方法

【課題】単分散で球状であり、顔料内包量が多い着色単分散粒子を提供すること。
【解決手段】 メタクリル酸メチルを70質量%以上含む樹脂粒子をシード粒子とし、これを70質量%以上の(メタ)アクリル酸メチルと3〜8質量%のジビニルベンゼンを含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含有する膨潤液で、前記シード粒子との重量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させて得た多孔性単分散粒子に、顔料を凝集させることにより得られる着色単分散粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色単分散粒子およびその製造方法に関し、更に詳細には、顔料内包量が多く、粒径の揃った着色単分散粒子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、樹脂粒子を染料で染色して作製した着色樹脂粒子は、着色安定性等が足りないという問題点があり、樹脂粒子の着色方法としては、顔料による着色が望ましいとされていた。
【0003】
従来、樹脂粒子を顔料で着色させる方法としては、顔料を含有したモノマーを用い、懸濁重合で着色粒子を作製する方法(特許文献1)や、重合トナーに関する報告(特許文献2および3)がなされているが、これらに記載の着色粒子や重合トナーは、いずれも粒径分布が広く、単分散にならなかった。
【0004】
また、樹脂粒子として多孔質粒子を作製し、それに顔料を保持せしめる方法も報告(特許文献4)されているが、この方法で得られる多孔質粒子には顔料が凝集しにくく、顔料内包量が少ないものであった。
【特許文献1】特開2004−4506号公報
【特許文献2】特開2004−271816号公報
【特許文献3】特開2004−226449号公報
【特許文献4】特開2000−191818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたものであり、単分散で球状であり、顔料内包量が多い着色単分散粒子を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の製法で作製された多孔性単分散粒子に顔料を凝集させることにより優れた性質を有する着色単分散粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、ポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これを70質量%以上のメタクリル酸メチルと3〜8質量%のジビニルベンゼンを含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させて得た多孔性単分散粒子に、顔料を凝集させることにより得られる着色単分散粒子である。
【0008】
また、本発明はポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これを70質量%以上のメタクリル酸メチルと3〜8質量%のジビニルベンゼンとを含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させ、次いで得られた多孔性単分散粒子に、顔料を凝集させることを特徴とする着色単分散粒子の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の着色単分散粒子は、単分散で球状であり、顔料内包量が多いものである。
【0010】
従って、本発明の着色単分散粒子は、電子ペーパー用表示素子、液晶表示パネル用スペーサー、プリンターのトナー、化粧品等に利用可能なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の着色単分散粒子は、ポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これを70質量%以上のメタクリル酸メチルと3〜8質量%のジビニルベンゼンを含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含有する膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、これを重合させて得られる多孔性単分散粒子を利用して製造される。
【0012】
この多孔性単分散粒子の製造に用いられるシード粒子(以下、単に「シード粒子」ということがある)は、ポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%(以下、単に「%」で示す)以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上含むアクリル系樹脂粒子である。このシード粒子は常法により製造することができ、例えば、ポリメタクリル酸メチル等の粒径の小さい基本粒子を、メタクリル酸メチル等の膨潤モノマーで膨潤させた後、重合させることにより得ることができる。この膨潤・重合は複数回行なっても良い。また、シード粒子は前記方法で製造する他に、乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法等の重合方法により直接製造することもできる。なお、シード粒子を製造する際に用いる膨潤モノマーには前記メタクリル酸メチルの他に共重合成分として、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン等を含んでいても良い。なお、このシード粒子がメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを30%以上、スチレンを5%以上含むと多孔性単分散粒子が得られないことがあるため好ましくない。
【0013】
これらシード粒子の形状としては、球形であることが好ましい。また、このシード粒子の平均粒径としては0.5μm〜4.5μmが好ましく、特に1.3μm〜3.5μmが好ましい。このシード粒子の重量平均分子量は特に制限されないが、15万〜30万が好ましく、特に18万〜27万が好ましい。この重量平均分子量が15万より小さいと多孔質になりにくいことがあり、30万より大きいと開孔が一極に偏ることがあり、歪な粒子になることがある。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定された標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0014】
上記多孔性単分散粒子の製造に当たって、上記シード粒子は、70質量%以上のメタアクリル酸メチルと3〜8質量%のジビニルベンゼンを含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含有する膨潤液で膨潤させることが必要である。
【0015】
上記膨潤液に含まれるモノマー混合物はメタアクリル酸メチルを70%以上、好ましくは、80%以上、更に好ましくは90%以上含むものである。また、モノマー混合物はジビニルベンゼンを3〜8%、好ましくは3〜6%含むものである。このジビニルベンゼンは架橋剤として作用するものであり、これが3%より少ないと多孔にならないことがあり、8%よりも多いと多孔質の孔の開きが一極に集中することがあるため好ましくない。
【0016】
上記モノマー混合物には、シード粒子の製造の場合と同様に前記メタクリル酸メチルの他に、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン等のモノマーを含んでいても良い。なお、メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量は、モノマー混合物中に27%以下、好ましくは17%以下、更に好ましくは7%以下である。これらのモノマーが27%を超えると、多孔質にならないことがあり好ましくない。また、スチレンモノマーは5%以上含むと多孔性単分散粒子が得られないことがあり好ましくない。
【0017】
また、上記膨潤液に含まれる油溶性重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤等を利用することができる。この油溶性重合開始剤は、モノマー混合物100重量部に対し、0.2〜4重量部程度、特に1〜2重量部程度が好ましい。
【0018】
この膨潤液によりシード粒子を膨潤させるためには、一定温度で一定時間の膨潤時間を設けることが好ましく、その好適な範囲は、室温〜50℃で0.5〜3時間である。シード粒子はこの膨潤液により質量比で20〜80倍程度に膨潤させることが好ましい。
【0019】
また、上記膨潤液には、水およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の乳化剤を添加し、ホモジナイザー等で予め乳化させておくことが好ましい。更に、これら膨潤液には亜硝酸ナトリウム、ハイドロキノン等の重合禁止剤等を添加しても良い。
【0020】
上記のようにして膨潤液で膨潤させたシード粒子は、次いで重合反応に付される。この重合反応はシード重合法等の常法により行うことができる。また、重合反応の条件も常法の通常の条件により行うことができる。
【0021】
また、重合の際には、分散安定剤として、反応系中にポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ヒドロキシプロピルセルロース等を添加しても良い。
【0022】
更に、重合後には、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコールの水溶液、水等で洗浄、ろ過等の精製を行っても良い。
【0023】
斯くして得られる多孔性単分散粒子は、その形状がほぼ球状であり、表面だけでなく内部まで通じる孔を有する多孔性のものである。また、この多孔性単分散粒子は、粒径分布が狭く、単分散である。具体的には、この多孔性単分散粒子の平均粒径は、2〜15μm程度、好ましくは5〜10μm程度である。また、粒径の分散性(ばらつき)を示すCV値は、通常15%未満、好ましくは10%未満の範囲にある。更に、その比表面積は、0.7〜10m/g程度である。この多孔性単分散粒子の比表面積は、同程度の粒径を有する真球状粒子の比表面積と比較すると2〜10倍程度高い値を有する。なお、この多孔性単分散粒子の表面帯電性はマイナスであるが、例えばアミド基、アミノ基等の官能基を有するモノマーを常法により添加(導入)し、プラスとすることができるなど表面帯電性を変えることも可能である。
【0024】
本発明の着色単分散粒子の製造は、上記の多孔性単分散粒子に顔料を凝集させることにより行われる。この凝集に用いられる顔料としては、アニオン性、カチオン性またはノニオン性の顔料から選ばれる顔料の1種または2種以上が好ましい。
【0025】
上記顔料のうち、アニオン性の顔料としては、ボンジェットブラックCW1(Bonjet Black CW1オリエント化学製)等の黒色顔料、SAホワイト14663(御国色素製)、SAホワイト14664(御国色素製)等の白色顔料、SAエロ−NF−117(御国色素製)等の黄色顔料等が挙げられる。また、カチオン性の顔料としては、プラスブラックC(御国色素製製)等の黒色顔料等が挙げられる。更に、ノニオン性の顔料としては、PSM−ブラックC(PSM-Black C:御国色素製)等の黒色顔料等が挙げられる。
【0026】
多孔性単分散粒子に上記顔料を凝集させるには、多孔性単分散粒子と顔料とを水等に分散させた分散液を常法により調製し、これを攪拌すればよい。この凝集を好ましく行うためには水等の沸点までの可能な高温で0.5〜3時間程度加熱しながら攪拌するのがよい。また、この凝集は所望の顔料内包量となるように顔料を換えて複数回行ってもよい。
【0027】
なお、多孔性単分散粒子の顔料内包量をより高める方法としては、まず始めに、粒径が相対的に小さい顔料を多孔性単分散粒子に凝集(1次凝集)させ、次に、1次凝集で用いた顔料よりも粒径が相対的に大きい顔料を多孔性単分散粒子に凝集(2次凝集)させる方法が挙げられる。上記1次凝集においては平均粒径が0.2μm未満の顔料、好ましくは0.15μm以下の顔料を用い、2次凝集においては平均粒径が0.2μm以上の顔料を用いることが好ましい。この凝集方法を行えば、多孔性単分散粒子の内部にまで顔料が浸透するので、多量に顔料を内包した着色単分散粒子を得ることができる。
【0028】
また、多孔性単分散粒子の顔料内包量をより高める他の方法としては、顔料として多孔性単分散粒子の表面帯電性と同じ符号の顔料を用い、これを多孔性単分散粒子に凝集させる際に、表面張力を低下させる添加剤を添加する方法が挙げられる。上記添加剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびブタノールから選ばれる低級アルコールの1種または2種以上が挙げられ、好ましくはイソプロピルアルコールが使用される。この添加剤を用いた凝集を好ましく行うためには、多孔性単分散粒子と顔料とを水等に分散させた分散液に添加剤を添加し、水と添加剤との共沸点以下で0.5〜3時間程度加熱しながら攪拌する方法が挙げられる。また、上記凝集方法においては、添加剤の添加前に、予め多孔性単分散粒子と顔料とを水等に分散させた分散液を、室温程度で0.5〜3時間程度攪拌してもよい。この凝集方法を行えば、1つの顔料が多孔性単分散粒子の内部と表面に効率よく緻密に吸着するため好ましい。なお、多孔性単分散粒子の表面帯電性は、例えば、多孔性単分散粒子を50ppm程度まで希釈したエマルジョンをゼータサイザー3000HS型(シスメックス(株)製)を用いて測定されたゼータ電位で決定することができる。
【0029】
本発明の着色単分散粒子を製造においては、上記のようにして顔料の凝集を行った後に、更に、メカノケミカル法で処理することが好ましい。これにより凝集した顔料が固定化される。メカノケミカル法には、市販のボールミル、自動乳鉢等の他、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械製作所)やメカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株))等を利用することができる。これらの中でも特に気流中で衝撃を与え、顔料を固定化するハイブリダイゼーションシステムが好ましい。
【0030】
斯くして得られる本発明の着色単分散粒子は、単分散で顔料内包量が2〜30質量%、好ましくは5〜18質量%と大きいものである。
【0031】
この着色単分散粒子は、顔料内包量が多く、単分散で球状であり、粒径が整っていることから液晶の電子ペーパー用表示素子、液晶表示パネル用スペーサー、プリンターのトナー、化粧品等に有利に利用することができるものである。
【実施例】
【0032】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0033】
製 造 例 1
シード粒子Aの作製(1段目):
1Lのセパラブルフラスコに、膨潤モノマーとしてのメタクリル酸メチル84重量部、ベンゾイルパーオキサイドを1.3重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.7重量部および水200重量部を入れ、ホモジナイザーで乳化させた。これに0.4μmのPMMAシード粒子(MP−1100:綜研化学(株)製)を15.4重量部加え、80rpmで撹拌しながら、50℃で40分膨潤させた。これを更に撹拌しながら、75℃で1.5時間重合させ、シード粒子Aを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は0.75μmで、単分散(CV値:2.1%)であった。
【0034】
製 造 例 2
シード粒子Bの作製(2段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを82.1重量部、シード粒子として製造例1で得たシード粒子Aを17.9重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Bを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は1.3μmで、単分散(CV値:2.0%)であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法、カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定した重量平均分子量(Mw)は、22万であった。
【0035】
製 造 例 3
シード粒子Cの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを90.7重量部、シード粒子として製造例2で得たシード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Cを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.2%)であり、重量平均分子量は22万であった。
【0036】
製 造 例 4
多孔性単分散粒子の作製:
セパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル95重量部とジビニルベンゼン5重量部とを含むモノマー混合物、ベンゾイルパーオキサイド1.3重量部、乳化剤(TP−BN−2070M:テイカ製)0.7重量部および水200重量部を入れ、ホモジナイザーで乳化させた。これに製造例3で作製したシード粒子C(重量平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)2.5重量部を加え、攪拌しながら、50℃で40分間膨潤させた。これに、ポリビニルアルコール0.5重量部を加え、引き続き攪拌することにより40倍に膨潤させた。膨潤後、更にポリビニルアルコールを1.5重量部加え、引続き攪拌しながら75℃で1.5時間重合し、多孔性単分散粒子を作製した。重合終了後、重合液をろ過し、更にイソプロピルアルコール水溶液、水の順序で2回ずつ洗浄とろ過を行い、単量体と乳化剤を除去し、粒子を得た。
【0037】
上記で得られた粒子についてSEM観察を行い、粒径を測定したところ10μmであった(図1)。また、粒子の形状をSEM像から評価した。その結果、粒子の形状は球形で多孔状であった。更に、粒子の分散性をCV値により評価した。CV値はSEM写真により2000個の粒子の粒径を測定し、その変動係数より算出した。その結果、CV値は2.5%であり、単分散であった。また更に、粒子の比表面積をMacsorb 1208型(マウンテック製)で測定した結果、比表面積は2.1m/gであった。これらの結果から本実施例で得られた粒子は多孔性単分散粒子であった。更にまた、この粒子のゼータ電位をゼータサイザー3000HS型(シスメックス(株)製)で測定したところ、−30mVであった。
【0038】
実 施 例 1
着色単分散粒子の作製(1):
製造例4で作製した、多孔性単分散粒子の90重量部をセパラブルフラスコに取り、これに、アニオン性の黒色顔料(カーボンブラック(Bonjet Black CW1(平均粒径0.1μm):オリエント化学製))6重量部と、水900重量部とを加え、90℃で1時間加熱処理を行った。続いて、ノニオン性の黒色顔料(カーボンブラック(PSM-Black
C(平均粒径0.25μm):御国色素製))の8重量部を加え、更に、90℃で1時間加熱処理し、顔料を多孔性単分散粒子に凝集させた。凝集処理終了後、処理液をろ過し、更にアルコール水溶液、水の順序で洗浄を行い、余分の顔料と乳化剤を除去した。洗浄処理後、顔料と多孔性単分散粒子の複合粒子をろ過し、110℃で24時間乾燥した。この複合粒子のSEM観察を行った結果を図2に示した。
【0039】
乾燥した複合粒子を、ハイブリダイザー(奈良機械製)を用い、7000rpmで、5分間処理することにより、顔料分子が内包され固定された着色単分散粒子が得られた。熱分解実験により顔料内包量が10質量%であることが確認された。この着色単分散粒子のSEM観察を行った結果を図3に示した。
【0040】
実 施 例 2
着色単分散粒子の作製(2):
アニオン性の黒色顔料に代えてアニオン性の白色顔料(酸化チタン(SAホワイト14663(平均粒径0.13μm):御国色素製)の6重量部を用い、ノニオン性の黒色顔料に代えてアニオン性の白色顔料(酸化チタン(SAホワイト14664(平均粒径0.27μm):御国色素製))の10重量部を用いる以外は実施例1と同様に複合粒子を作製した。
【0041】
得られた複合粒子は、着色単分散粒子であった。熱分解実験により顔料内包量が14質量%であることが確認された。
【0042】
比 較 例 1
比較粒子の作製(1):
多孔性単分散粒子と同径(10μm)のポリスチレン粒子(SX−1000:綜研化学(株)製)を用いて実施例1と同条件で顔料の凝集を行った。顔料にはアニオン性の黒色顔料(カーボンブラック(Bonjet Black CW1:オリエント化学製))、ノニオン性の黒色顔料(カーボンブラック(PSM-Black C:御国色素製))、カチオン性の黒色顔料(カーボンブラック(プラスブラック C:御国色素製))およびアニオン性の白色顔料(酸化チタン(SAホワイト14664:御国色素製))をそれぞれ用いた。いずれの顔料もポリスチレン粒子には凝集しなかった。
【0043】
比 較 例 2
比較粒子の作製(2):
多孔性単分散粒子と同径(10μm)の非多孔性球状PMMA粒子(MX−1000:綜研化学(株)製)を用いて実施例1と同条件で顔料の凝集を行った。顔料にはアニオン性の黒色顔料(カーボンブラック(Bonjet Black CW1:オリエント化学製))を用いた。熱分解実験により顔料内包量が1質量%であることが確認された。
【0044】
実 施 例 3
着色単分散粒子の作製(3):
製造例4で作製した、多孔性単分散粒子90重量部をセパラブルフラスコに取り、これにアニオン性の黄色顔料(SAエロ−NF−117:御国色素製)15重量部と、水900重量部とを入れ、室温で1時間攪拌処理を行った。その後、90℃で1時間加熱処理し、顔料を多孔性単分散粒子に凝集させた。凝集処理終了後、処理液をろ過し、更にアルコール水溶液、水の順序で洗浄を行い、余分の顔料と乳化剤を除去した。洗浄処理後、顔料と多孔性単分散粒子の複合粒子をろ過し、110℃で24時間乾燥した。
【0045】
乾燥した複合粒子を、ハイブリダイザー(奈良機械製)を用いて、7000rpmで、5分間処理することにより、顔料分子が内包され固定された着色単分散粒子が得られた。熱分解実験により顔料内包量が4.5質量%であることが確認された。
【0046】
実 施 例 4
着色単分散粒子の作製(4):
製造例4で作製した、多孔性単分散粒子90重量部をセパラブルフラスコに取り、これにアニオン性の黄色顔料(SAエロ−NF−117:御国色素製)15重量部と、水900重量部とを入れ、室温で1時間攪拌処理を行った。その後、更にイソプロピルアルコールを100重量部入れ、温度を共沸点の90℃程度に上げ1時間加熱処理し、顔料を多孔性単分散粒子に凝集させた。凝集処理終了後、処理液をろ過し、更にアルコール水溶液、水の順序で洗浄を行い、余分の顔料と乳化剤を除去した。洗浄処理後、顔料と多孔性単分散粒子の複合粒子をろ過し、110℃で24時間乾燥した。
【0047】
乾燥した複合粒子を、ハイブリダイザー(奈良機械製)を用い、7000rpmで、5分間処理することにより、顔料分子が内包され固定された着色単分散粒子が得られた。熱分解実験により顔料内包量が15質量%であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の着色単分散粒子は、単分散で球状であり、顔料内包量が多いため、電子ペーパー用表示素子、液晶表示パネル用スペーサー、プリンターのトナー、化粧品等に利用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は製造例4で作製した多孔性単分散粒子についてのSEM像である。
【図2】図2は実施例1で作製した複合粒子についてのSEM像である。
【図3】図3は実施例1で作製した着色単分散粒子についてのSEM像である。 以 上

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これを70質量%以上のメタクリル酸メチルと3〜8質量%のジビニルベンゼンとを含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させて得た多孔性単分散粒子に、顔料を凝集させることにより得られる着色単分散粒子。
【請求項2】
顔料内包量が2〜30質量%である請求項第1項記載の着色単分散粒子。
【請求項3】
顔料がアニオン性、カチオン性またはノニオン性の顔料から選ばれる1種または2種以上である請求項第1項または第2項記載の着色単分散粒子。
【請求項4】
ポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これを70質量%以上のメタクリル酸メチルと3〜8質量%のジビニルベンゼンを含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させ、次いで得られた多孔性単分散粒子に、顔料を凝集させることを特徴とする着色単分散粒子の製造方法。
【請求項5】
顔料が、アニオン性、カチオン性またはノニオン性の顔料から選ばれる1種または2種以上である請求項第4項記載の着色単分散粒子の製造方法。
【請求項6】
顔料を凝集させた後に、更に、メカノケミカル法で処理することを特徴とする請求項第4項または第5項記載の着色単分散粒子の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−274250(P2006−274250A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−54407(P2006−54407)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000202350)綜研化学株式会社 (135)
【Fターム(参考)】