着色塗料における隠蔽効率を向上させる方法

【課題】コーティング組成物について改良された隠蔽性および低減された粗粒を提供する。
【解決手段】a)吸着性分散剤を含むTiOスラリーの水性分散物を吸着性ラテックスと接触させて混合物を形成する工程であって、前記TiOスラリーと前記吸着性ラテックスとの前記混合物のpHが前記TiOと前記吸着性分散剤との間の相互作用を抑制するのに充分高い工程、次いで、b)工程a)の前記混合物の前記pHを、前記TiOと前記吸着性ラテックスとの間の相互作用を促進させるのに充分に下げて、それにより複合体を形成する工程を含み、前記吸着性ラテックスがイタコン酸またはその塩の構造単位を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は着色塗料における隠蔽効率を向上させる方法に関する。TiOに吸着するラテックスバインダーがTiOと複合体を形成し、塗料膜により大きな顔料効率をもたらすことが知られている。この吸着性ポリマーを塗料におけるバインダーの部分(プレ複合体)として使用して隠蔽を最大化し、かつ第2の非吸着性(レットダウン)バインダーを使用して他の所望の特性を達成しかつコストを低減させることが可能である。現在のプレ複合体技術、特にホスホエチルメタクリラート(PEM)のような高度に反応性の官能性モノマーを使用して製造されるプレ複合体で多くの場合観察される問題の1つは、複合体の製造の際に起こり、かつTiOとの反応性プレ複合体の制御されていない反応から生じる粗粒の形成である。粗粒を制御するために、配合者は凝集を回避するように制御された条件下で吸着性ラテックスを顔料と注意深く混合しなければならなず、これは多くの場合高価な高剪断混合を必要とする。
【0002】
あるいは、低反応性のプレ複合体、例えば、イタコン酸のような低反応性モノマーから製造されるプレ複合体を用いることにより粗粒は制御されうるが、残念なことに、これらプレ複合体から製造されるコーティング配合物はより反応性のプレ複合体から製造されるコーティングよりも有意に低い隠蔽性を示す。よって、制御されかつコスト効果的な方法で、ラテックスバインダーおよびTiOを含む配合物における隠蔽性を向上させ、かつ粗粒形成を低減させることが有利であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって、制御されかつコスト効果的な方法で、ラテックスバインダーおよびTiOを含む配合物における隠蔽性を向上させ、かつ粗粒形成を低減させることが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、a)吸着性分散剤を含むTiOスラリーの水性分散物を吸着性ラテックスと接触させて混合物を形成する工程であって、前記TiOスラリーと前記吸着性ラテックスとの前記混合物のpHが前記TiOと前記吸着性分散剤との間の相互作用を抑制するのに充分高い工程;次いで、b)工程a)の前記混合物の前記pHを、前記TiOと前記吸着性ラテックスとの間の相互作用を促進させるのに充分に下げて、それにより複合体を形成する工程を含む方法であって、前記吸着性ラテックスがイタコン酸またはその塩の構造単位を含む方法を提供することにより当該技術分野における必要性に取り組む。本発明の方法はコーティング配合物についてより良好な隠蔽性および低減された粗粒を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、a)吸着性分散剤を含むTiOスラリーの水性分散物を吸着性ラテックスと接触させる工程であって、前記TiOスラリーと前記吸着性ラテックスとの前記混合物のpHが前記TiOと前記吸着性分散剤との間の相互作用を抑制するのに充分高い工程;次いで、b)工程a)の前記組成物の前記pHを、前記TiOと前記吸着性ラテックスとの間の相互作用を促進させるのに充分に下げて、それにより複合体を形成する工程を含む方法であって、前記吸着性ラテックスがイタコン酸またはその塩の構造単位を含む、方法である。
【0006】
第1の工程においては、TiOおよび分散剤の水性分散物(TiOスラリー)が吸着性ラテックス(プレ複合体とも称される)と接触させられる。TiOスラリーのpHは、その通常の水準から、典型的には約7.5〜9から、TiOとその後に添加される吸着性分散剤との間の相互作用を抑制するのに充分高い水準まで、好ましくは約10〜約12のpHまで、適切な塩基であらかじめ調節される。この混合物は、TiO粒子の表面上に吸着した分散剤の少なくとも幾分かを除去するのに充分な時間にわたってこの上昇したpHに有利に維持され;分散剤の性質およびTiOの表面特性に応じて、この維持時間は概して約10分〜約24時間であるが、より長い維持時間が使用されても良い。適切な維持時間の後で、次いで、このpHは所望の水準まで、概して8.5〜9まで下げられる。
【0007】
吸着性ラテックスのpHも、そのラテックスがTiOスラリーと接触させられる場合に、TiOと吸着性ラテックスとの間の相互作用を抑制するのに充分高いpHを有する混合物を生じさせる様な水準であるか、またはその水準まで上げられる。よって、例えば、pH〜10の吸着性ラテックスがpH〜10のTiOスラリーと混合されて所望の影響を達成することができるが、得られる混合物がTiO粒子と吸着性ラテックスとの間の相互作用を抑制するのに充分高いpHを有する限りは、比較的低いpH(〜8.5)を有する吸着性ラテックスと、比較的高いpH(〜12)を有するTiOスラリーとを混合することによって同じ結果を達成することも可能である。
【0008】
pHを上げるのに使用される塩基は有機もしくは無機であることができる。適する有機塩基の例には、アルカノールアミン、例えば、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、および2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパン−ジオールが挙げられ;適する無機塩基の例には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物および炭酸塩、例えば、NaOH、KOHおよびNaCOが挙げられる。アンモニアも適する塩基である。
【0009】
適するプレ複合体には、アクリル、スチレン−アクリル、ビニルエステルおよびエチレン−ビニルエステル含有ラテックスが挙げられる。アクリルラテックスは好ましくは、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、エチルアクリラート、ブチルアクリラートおよびエチルヘキシルアクリラートおよびこれらの組み合わせなどのアクリラートおよびメタクリラートの構造単位を含む。好ましいビニルエステルラテックスは酢酸ビニルラテックスであり;好ましいビニルエステル−エチレンラテックスは酢酸ビニル−エチレンラテックスである。
【0010】
用語「構造単位」は対応するモノマーの重合から形成される基を言及するために使用される。メチルメタクリラートおよびイタコン酸の構造単位は例示される通りである:
【化1】

破線はポリマー骨格への接続の部分を示す。
【0011】
プレ複合体は、TiO粒子の表面に吸着する、ポリマー骨格にペンダントなイタコン酸またはイタコン酸塩吸着性部分の構造単位をさらに含む。好ましくは、イタコン酸もしくはイタコン酸塩群の構造単位の濃度はプレ複合体の重量を基準にして0.5から5重量パーセントまで、より好ましくは3重量パーセントまでの範囲である。アルミナ、シリカ、およびジルコニア酸化物並びにこれらの組み合わせのような金属酸化物でTiO粒子が表面処理されうることが理解される。よって、TiO粒子の表面の吸着力は表面処理の特性で変動する。
【0012】
TiOは概して粉体として供給され、これは水性分散物にされ、または水性スラリーとして供給される。いずれの場合であっても、TiOの表面に吸着する分散剤が、この顔料粒子を安定化するために概して使用される。吸着した粒子は不都合なことに、隠蔽効率を向上させるためにスラリーとブレンドされる吸着性ラテックス粒子(プレ複合体粒子)の吸着を妨げる。
【0013】
pHの上昇は、分散剤除去が望まれるこのTiO粒子の表面から分散剤を除去するためのメカニズムを提供すると思われる。よって、ラテックスが高pHスラリーに添加される場合には、そのpHが吸着を促進するのに充分に下げられたら、ラテックス粒子はTiO粒子の表面への吸着について分散剤との競合で勝ちうる;ラテックス粒子がTiOに対して分散剤よりも大きな親和性を有するのでこの現象がおこる。このpHは適切な酸、例えば、クエン酸で下げられることができるが、pHを上昇させるために使用された塩基が揮発性である場合には(例えば、アンモニア)、酸で、または塩基を蒸発させもしくは沸騰除去することによりpHを下げることが可能であろう。イタコン酸の構造単位を含む低反応性プレ複合体ポリマーは結果的に、(たとえあったとしても)非常にわずかな粗粒しか生じさせず、かつ高pHでTiOスラリーと吸着性ラテックスとを接触させることを伴わない方法と比較して隠蔽性の驚くべき向上を生じさせる。
【0014】
吸着性ラテックスは、TiO粒子の表面へのラテックスの実質的に完全な吸着を確実にするのに充分な量で有利に添加される。吸着性ラテックスの量が粒子の表面を覆うのに不充分である場合には、望まれない凝集が起こりうる。よって、幾分かの量の遊離の吸着性ラテックスが好ましくは最終的な複合体中に存在する。
【0015】
本発明の方法によって製造される複合体は、コーティング組成物(塗料など)を製造するのに適する多くの成分、例えば、溶媒;充填剤;顔料、例えば、二酸化チタン、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、粉砕ガラス、三水和アルミナ、タルク、三酸化アンチモン、フライアッシュ、およびクレイ;ポリマー封入顔料、例えば、ポリマー封入もしくは部分封入顔料粒子、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、もしくはリトポン粒子;二酸化チタンのような顔料の表面に吸着性もしくは結合性のポリマーもしくはポリマーエマルション;中空顔料、例えば、1以上の空隙を有する含量;分散剤、例えば、アミノアルコールおよびポリカルボキシラート;界面活性剤;脱泡剤;防腐剤、例えば、殺生物剤、殺カビ剤、殺真菌剤、殺藻剤およびこれらの組み合わせ;流動剤;レベリング剤;並びに追加の中和剤、例えば、水酸化物、アミン、アンモニアおよび炭酸塩のいずれと配合されてもよい。
【0016】
例えば、コーティング組成物は、i)100nm〜500nmの範囲の直径および少なくとも1.8の屈折率を有する不透明化顔料粒子、例えば、二酸化チタン粒子;ii)封入用ポリマー;並びにiii)封入された不透明化顔料粒子およびポリマーのためのポリマー系分散剤;を含むポリマー封入不透明化顔料粒子を含むことができる。このポリマー封入不透明化顔料粒子は、例えば、米国特許出願公開第2010/0298483A1号に記載されている。別の例においては、コーティング組成物は国際公開第2007/112503A1号に記載されるようなポリマー封入不透明化顔料粒子を含むことができる。
【実施例】
【0017】
以下の実施例は例示目的だけのためのものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0018】
中間体1:イタコン酸からのプレ複合体ポリマーの製造
DI水(346.0g)、ラウレス硫酸ナトリウム(36.0g、31%活性)、ブチルアクリラート(BA、689.8g)、メチルメタクリラート(MMA、484.1g)、およびウレイドメタクリラートの50%水溶液(UMA、24.6g)を混合することにより、ステージ1モノマーエマルション(ME1)が調製された。DI水(200.0g)、ラウレス硫酸ナトリウム(21.5g、31%活性)、BA(370.35g)、MMA(292.05g)、およびUMAの50%水溶液(13.25g)を混合することにより、ステージ2モノマーエマルション(ME2)が調製された。パドルスターラー、熱電対、窒素入口、および還流凝縮器を備えた5リットルの反応器である四つ口丸底フラスコが組立てられた。DI水(800.0g)、ラウレス硫酸ナトリウム(3.50g、31%活性)およびイタコン酸(37.9g)がこのフラスコに入れられ、攪拌が開始された。窒素雰囲気下でフラスコの内容物は80℃に加熱され、そしてME1の一部(47.5g)がこのケトルに添加され、その後DI水すすぎ(30g)が添加された。内容物は1分間攪拌され、その時間の後に、DI水(10g)中のAPS(0.45g)の溶液が添加され、その後、10gのDI水中のブルゴライト(Bruggolite)FF6還元剤(0.45g)の溶液を添加し、次いで、DI水(22.3g)中の硫酸鉄七水和物(0.02g)およびエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(0.013g)の溶液を添加した。さらに3分後、残りのME1がこのフラスコに64分間かけて添加された。同時に、DI水(101.5g)中の過硫酸アンモニウム(APS、1.65g)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(t−BHP、1.90g)の溶液、並びにDI水(103.5g)中のブルゴライトFF6還元剤(2.20g)の溶液が1.0g/分の流量でこのフラスコに別々に供給された。ME1供給の完了後、DI水(25g)がすすぎとして添加された。次いで、ME2がこのフラスコに30分間にわたって添加され、その時間の後に、ME2を収容していた容器がDI水(25g)ですすがれ、これは次いでこのフラスコに添加された。フラスコの内容物は添加中79〜81℃に維持された。次いで、このバッチはレドックス対がこのケトルに添加された時間中冷却された。レドックス対の添加の完了後で、温度が30〜40℃の範囲に到達したときに、DI水(23.8g)中の水性アンモニア(23.8g、濃縮28%)の溶液が添加され、その後殺生物剤を添加した。粒子サイズは152nmであると認められ、49.3%の固形分で8.0のpHであった。
【0019】
中間体2:メタクリル酸からのプレ複合体ポリマーの製造
DI水(346.0g)、ラウレス硫酸ナトリウム(36.0g、31%活性)、BA(689.8g)、MMA(484.1g)、メタクリル酸(MAA、32.6g)およびUMAの溶液(24.6g、50%水性)を混合することにより、ステージ1モノマーエマルション(ME1)が調製された。DI水(200.0g)、ラウレス硫酸ナトリウム(21.5g、31%活性)、BA(370.35g)、MMA(292.05g)、MAA(17.55g)およびUMA(50%水溶液を13.25g)を混合することにより、ステージ2モノマーエマルション(ME2)が調製された。パドルスターラー、熱電対、窒素入口、および還流凝縮器を備えた5リットルの四つ口丸底フラスコに、攪拌しつつ、DI水(800.0g)およびラウレス硫酸ナトリウム(3.50g、31%活性)が入れられた。窒素雰囲気下でフラスコの内容物は80℃に加熱され、そしてME1の一部(47.5g)がこのケトルに添加され、その後DI水すすぎ(30g)が添加された。内容物は1分間攪拌され、その時間の後に、DI水(10g)中のAPS(0.45g)の溶液が添加され、その後、DI水(10g)中のブルゴライトFF6還元剤(0.45g)の溶液を添加し、次いで、DI水(22.3g)中の硫酸鉄七水和物(0.02g)およびエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(0.013g)の溶液を添加した。さらに3分後、残りのME1がこのフラスコに64分間かけて添加された。同時に、DI水(101.5g)中のAPS(1.65g)およびt−BHP(1.90g)の溶液、並びにDI水(103.5g)中のブルゴライトFF6還元剤(2.20g)の溶液が1.0g/分の流量でこのフラスコに別々に供給された。ME1供給の残りの添加の完了後、DI水(25g)がすすぎとして添加された。次いで、ME2がこのフラスコに30分間にわたって添加され、その時間の後に、DI水(25g)がすすぎとして添加された。フラスコの内容物は添加中79〜81℃に維持された。次いで、このバッチはレドックス対がこのケトルに添加された時間中冷却された。レドックス対の添加の完了後で、温度が30〜40℃の範囲に到達した時に、DI水(23.8g)中の水性アンモニア(23.8g、濃縮28%)の溶液が添加され、その後殺生物剤を添加した。粒子サイズは112nmであると認められ、48.6%の固形分で8.0のpHであった。
【0020】
実施例1および比較例1〜3:配合物のpH検討
表1は実施例1および比較例1(これらはイタコン酸(IA)の構造単位を有するプレ複合体ポリマーを使用する)、並びに比較例2および3(これらはメタクリル酸(MAA)の構造単位を有するプレ複合体ポリマーを使用する)のための塗料を製造するのに使用された材料についての配合を示す。
【0021】
実施例1については、TiOスラリー(タイ−ピュア(Ti−Pure)R−746スラリー)がAMP(商標)−95 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(ザダウケミカルカンパニーまたはその関連会社の商標)でpH11に調節された。このスラリーは一晩(〜18時間)pH11に保たれ、その時間の後で、このスラリーは、500rpmの混合速度で、プレ複合体ポリマー、脱泡剤(フォームスター(Foamstar)A−34脱泡剤)および水の混合物に添加された。5分間の混合の後で、次いで、このスラリー/プレ複合体混合物は10%クエン酸でpH8.0に中和され、水で希釈されて複合体を形成した。
【0022】
アクリルエマルション(ロープレックス(RHOPLEX)(商標)VSR−1050LOEアクリルエマルション、ザダウケミカルカンパニーまたはその関連会社の商標)を収容する別の容器に、混合しつつ、この複合体の一部分が入れられた。次いで、エキステンダーグラインド(水;分散剤(タモール(Tamol)165A分散剤);界面活性剤(バイク(BYK)−348界面活性剤);脱泡剤(フォームスターA−34脱泡剤);およびエキステンダー(ミネックス(Minex)10エキステンダー))がこの容器に添加され、次いで、不透明ポリマー(ローパック(ROPAQUE)(商標)ウルトラE不透明ポリマー(ザダウケミカルカンパニーまたはその関連会社の商標))、および造膜助剤(オプティフィルム(Optifilm)エンハンサー400造膜助剤)が添加され、それぞれは表1に示される量および順序で調製された。次いで、この塗料は、5%KOHを添加することによってpH8.8に調節された。次いで、RM1(アクリゾール(ACRYSOL)(商標)RM−2020NPRレオロジー調節剤、ザダウケミカルカンパニーまたはその関連会社の商標)、RM2(アクリゾール(商標)RM−8Wレオロジー調節剤)および水が添加されて塗料を製造した。
【0023】
比較例1はTiOスラリーのpHが供給された水準の8.5から塩基で調節されなかった(よって、複合体を中和するためにクエン酸は使用されなかった)ことを除いて、実質的に実施例1に記載されたように調製された。比較例2は実施例1に記載された手順で調製され、および比較例3は、IA含有プレ複合体ポリマーの代わりにMAA含有プレ複合体ポリマーが使用されたことを除いて、比較例1について記載される手順によって調製された。
【0024】
【表1】

【0025】
表2は表1に示される例の隠蔽性能を示す。
【0026】
【表2】

【0027】
結果は、イタコン酸ベースのプレ複合体ポリマーと一緒にされた11.0の当初pHのTiOスラリーを使用して調製された配合物(実施例1)は7.10S/milの隠蔽性をもたらし、これは8.5の当初pHのTiOスラリーを使用したもの(比較例1、6.42S/mil)よりも著しい改良であることを示す。これに対して、高pHのTiOスラリーをメタクリル酸(MAA)から製造されたプレ複合体ポリマーに添加したもの(比較例2)は8.5の当初pHでスラリーを添加したもの(比較例3)と比べて隠蔽性に影響を及ぼさなかった。
【0028】
クベルカ−ムンク(Kubelka−Munk)S/mil試験方法
S/milは最終塗料配合物のそれぞれについて以下のように決定された:それぞれの塗料について、1.5milバードドローダウンバーを用いて黒色剥離チャート(レネタフォームRC−BC)上に2つのドローダウンが準備され、このチャートは一晩乾燥させられた。型を用いて、X−ACTOナイフで各チャート上から3.25”×4”矩形が切り出された。BYKガードナー45°反射率計を用いて、その矩形の頂部に始まり斜めにそれぞれの印を付けられた領域の5回の測定でy−反射率が測定され、そして平均y−反射率が記録された。3”25milブロックドローダウンバーを用いて、黒色ビニルチャート(レネタフォームP121−10N)上にそれぞれの塗料について厚膜ドローダウンが準備され、そしてそのチャートは一晩乾燥させられた。y−反射率がこのドローダウンの5つの異なる領域において測定され、そして平均y−反射率が記録された。クベルカ−ムンク隠蔽値Sは式1によって与えられる:
【数1】

式中、Xは平均膜厚さであり、Rは厚膜の平均反射率であり、およびRは薄膜の黒色上の平均反射率である。Xは塗料膜の重量(Wpf)、乾燥膜の密度(D);および膜面積(A)から計算されうる。3.25”×4”型の膜面積は13インチであった。
【数2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)吸着性分散剤を含むTiOスラリーの水性分散物を吸着性ラテックスと接触させて混合物を形成する工程であって、前記TiOスラリーと前記吸着性ラテックスとの前記混合物のpHが前記TiOと前記吸着性分散剤との間の相互作用を抑制するのに充分高い工程、次いで、
b)工程a)の前記混合物の前記pHを、前記TiOと前記吸着性ラテックスとの間の相互作用を促進させるのに充分に下げて、それにより複合体を形成する工程を含み、
前記吸着性ラテックスがイタコン酸またはその塩の構造単位を含む
方法。
【請求項2】
工程a)の前に、前記TiOスラリーの前記pHが7.5〜9から約10〜12に上げられる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スラリーの前記pHが10〜12に少なくとも10分間維持される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記吸着性ラテックスがアクリル、スチレン−アクリル、ビニルエステルまたはエチレン−ビニルエステル含有ラテックスである請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記TiOスラリーの前記pHがアルカノールアミンで上げられ、かつ前記酸がカルボン酸含有化合物である請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記複合体を塗料組成物に配合する工程をさらに含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記混合物中の前記吸着性ラテックスの量が、TiOに対して、TiO粒子の凝集を抑制するのに充分な濃度である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記複合体を、レオロジー調節剤、顔料、エキステンダー、バインダー、分散剤、脱泡剤、防腐剤、殺生物剤、流動剤およびレベリング剤、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤と混合する工程をさらに含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

【公開番号】特開2013−87284(P2013−87284A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−205763(P2012−205763)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】