説明

着色粒子分散液及びその製造方法並びにインクジェットインク

【課題】本発明は、形成される画像を加熱すると、十分に消色させることが可能な着色粒子分散液及びインクジェットインク並びに該着色粒子分散液の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】着色粒子分散液は、コア・シェル構造を有する着色粒子が水中に分散しており、着色粒子は、平均粒径が30nm以上400nm以下であり、平均粒径に対するシェルの平均膜厚の比が3%以上8%以下であり、コアは、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含み、顕色剤は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸又は炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基により置換されているフェノールであり、シェルは、親水基を有するビニル系重合体を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色粒子分散液、着色粒子分散液の製造方法及びインクジェットインクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々のインクが用いられているが、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含むインクが知られている。
【0003】
特許文献1には、ビニル系単量体を原料とする乳化重合体であって、ロイコ染料と顕色剤とを含有することにより発色している乳化重合体が開示されている。このとき、ビニル系単量体が、シアノ基含有ビニル系単量体Aと、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、スルホン酸基、リン酸基、並びにこれらの官能基から誘導される基から選択される一種又は二種以上の基を有するビニル系単量体Bと、ビニル系単量体A、B以外のビニル系単量体Cと、を混合したビニル系単量体である。
【0004】
しかしながら、このような乳化重合体を用いて形成される画像を加熱しても、重合体が発色状態のロイコ染料及び顕色剤の消色を阻害し、十分に消色させることができないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑み、形成される画像を加熱すると、十分に消色させることが可能な着色粒子分散液及びインクジェットインク並びに該着色粒子分散液の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の着色粒子分散液は、コア・シェル構造を有する着色粒子が水中に分散しており、前記着色粒子は、平均粒径が30nm以上400nm以下であり、平均粒径に対する前記シェルの平均膜厚の比が3%以上8%以下であり、前記コアは、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含み、前記顕色剤は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸又は炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基により置換されているフェノールであり、前記シェルは、親水基を有するビニル系重合体を含む。
【0007】
本発明の着色粒子分散液の製造方法は、コア・シェル構造を有する着色粒子が水中に分散している液を製造する方法であって、ロイコ染料及び顕色剤を含む組成物を加熱して溶融させる工程と、該溶融した組成物を、界面活性剤を含む水中に分散させる工程と、該組成物が分散した水に親水基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を添加する工程と、該親水基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を重合して前記シェルを形成する工程と、該シェルが形成された水を20℃/s以上80℃/s以下の速度で冷却させて前記コアを形成する工程を有し、前記着色粒子は、平均粒径が30nm以上400nm以下であり、平均粒径に対する前記シェルの平均膜厚の比が3%以上8%以下であり、前記顕色剤は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸又は炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基により置換されているフェノールであり、前記組成物に対する前記界面活性剤の質量比が2%以上10%以下であり、前記界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤である。
【0008】
本発明のインクジェットインクは、コア・シェル構造を有する着色粒子が水中に分散しており、前記着色粒子は、平均粒径が30nm以上400nm以下であり、平均粒径に対する前記シェルの平均膜厚の比が3%以上8%以下であり、前記コアは、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含み、前記顕色剤は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸又は炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基で置換されているフェノールであり、前記シェルは、親水基を有するビニル系重合体を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、形成される画像を加熱すると、十分に消色させることが可能な着色粒子分散液及びインクジェットインク並びに該着色粒子分散液の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ロイコ染料及び顕色剤の発色濃度と温度の関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
【0012】
本発明の着色粒子分散液は、コア・シェル構造を有する着色粒子が水中に分散している。このとき、コアは、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含み、シェルは、親水基を有するビニル系重合体を含む。このため、本発明の着色粒子分散液を用いて形成される画像を加熱した場合に、ビニル系重合体が発色状態のロイコ染料及び顕色剤の消色を阻害せず、十分に消色させることができる。
【0013】
顕色剤は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸又は炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基により置換されているフェノールである。
【0014】
着色粒子の平均粒径は、30〜400nmであり、50〜300nmが好ましく、50〜200nmがさらに好ましい。着色粒子の平均粒径が400nmを超えると、着色粒子分散液の分散安定性及び吐出安定性が低下する。一方、平均粒径が30nm未満の着色粒子を製造することは困難である。
【0015】
なお、平均粒径は、メディアン径であり、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2100(島津製作所社製)を用いて測定することができる。
【0016】
着色粒子の平均粒径に対するシェルの平均膜厚の比は、3〜8%であり、4〜7%が好ましい。着色粒子の平均粒径に対するシェルの平均膜厚の比が3%未満であると、着色粒子の強度が低下し、8%を超えると、発色濃度が低下する。
【0017】
なお、シェルの平均膜厚は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができる。
【0018】
顕色剤は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するため、顕色剤の分子間の凝集力を制御することができる。
【0019】
顕色剤が有する炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基としては、特に限定されないが、置換基により置換されていてもよいアルキル基、置換基により置換されていてもよいアルケニル基等が挙げられ、直鎖状及び分枝鎖状のいずれであってもよい。置換基としては、特に限定されないが、ハロゲン原子、アルコキシ基、オキソ基等が挙げられる。
【0020】
顕色剤は、ホスホン酸基、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するため、電子受容性を有し、ロイコ染料を発色させることができる。
【0021】
炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸は、一般式
−PO(OH)・・・(1)
(式中、Rは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基である。)
で表される化合物であることが好ましい。
【0022】
一般式(1)で表わされる化合物としては、特に限定されないが、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸等が挙げられる。
【0023】
炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸は、一般式
−CH(OH)−COOH・・・(2)
(式中、Rは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基である。)
で表される化合物、α位又はβ位の炭素がハロゲン原子により置換されている化合物、α位、β位又はγ位の炭素がオキソ基により置換されている化合物、一般式
【0024】
【化1】

(式中、Rは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基であり、Xは、−O−又は−S−であり、Xが−O−である場合、nは1であり、Xが−S−である場合、nは1又は2である。)
で表される化合物、一般式
【0025】
【化2】

(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は脂肪族炭化水素基であり、R、R及びRの少なくとも1つは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基である。)
で表される化合物、一般式
【0026】
【化3】

(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は脂肪族炭化水素基であり、R及びRの少なくとも1つは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基である。)
で表される化合物又は一般式
【0027】
【化4】

(式中、Rは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基であり、nは0又は1であり、mは整数であり、nとmの和は2又は3である。)
で表される化合物であることが好ましい。
【0028】
一般式(2)で表わされる化合物としては、特に限定されないが、α−ヒドロキシドデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等が挙げられる。
【0029】
α位又はβ位の炭素がハロゲン原子により置換されている化合物としては、特に限定されないが、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸等が挙げられる。
【0030】
α位、β位又はγ位の炭素がオキソ基により置換されている化合物としては、特に限定されないが、2−オキソドデカン酸、2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキサデカン酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエイコサン酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソドデカン酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキサデカン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエイコサン酸、3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘキサデカン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソドコサン酸等が挙げられる。
【0031】
一般式(3)で表される化合物としては、特に限定されないが、2−(ドデシルオキシ)コハク酸、2−(テトラデシルオキシ)コハク酸、2−(ヘキサデシルオキシ)コハク酸、2−(オクタデシルオキシ)コハク酸、2−(エイコシルオキシ)コハク酸、2−(ドコシルオキシ)コハク酸、2−(テトラコシルオキシ)コハク酸、2−(ドデシルチオ)コハク酸、2−(テトラデシルチオ)コハク酸、2−(ヘキサデシルオキシ)コハク酸、2−(オクタデシルチオ)コハク酸、2−(エイコシルチオ)コハク酸、2−(ドコシルチオ)コハク酸、2−(テトラコシルチオ)コハク酸、2−(ドデシルジチオ)コハク酸、2−(テトラデシルジチオ)コハク酸、2−(ヘキサデシルジチオ)コハク酸、2−(オクタデシルジチオ)コハク酸、2−(エイコシルジチオ)コハク酸、2−(ドコシルジチオ)コハク酸、2−(テトラコシルジチオ)コハク酸等が挙げられる。
【0032】
一般式(4)で表される化合物としては、特に限定されないが、ドデシルコハク酸、トリデシルコハク酸、テトラデシルコハク酸、ペンタデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸、エイコシルコハク酸、ドコシルコハク酸、2,3−ジヘキサデシルコハク酸、2,3−ジオクタデシルコハク酸、2−メチル−3−ドデシルコハク酸、2−メチル−3−テトラデシルコハク酸、2−メチル−3−ヘキサデシルコハク酸、2−メチル−3−ドデシルコハク酸、2−エチル−3−ドデシルコハク酸、2−プロピル−3−ドデシルコハク酸、2−オクチル−3−ヘキサデシルコハク酸、2−テトラデシル−3−オクタデシルコハク酸等が挙げられる。
【0033】
一般式(5)で表される化合物としては、特に限定されないが、ドデシルマロン酸、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、テトラコシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテトラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコシルマロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラコシルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチルテトラコシルマロン酸等が挙げられる。
【0034】
一般式(6)で表される化合物としては、特に限定されないが、2−ドデシルグルタル酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、2−ドコシルグルタル酸、2−ドデシルアジピン酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸等が挙げられる。
【0035】
炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸としては、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪酸によりアシル化されているヒドロキシトリカルボン酸を用いてもよい。
【0036】
炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪酸としては、特に限定されないが、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
【0037】
ヒドロキシトリカルボン酸としては、特に限定されないが、クエン酸等が挙げられる。
【0038】
炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基により置換されているフェノールは、一般式
【0039】
【化5】

(式中、R10は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基であり、Yは、−S−、−O−、−CONH−又は−COO−であり、nは1〜3の整数である。)
で表される化合物であることが好ましい。
【0040】
一般式(7)で表される化合物としては、特に限定されないが、p−(ドデシルチオ)フェノール、p−(テトラデシルチオ)フェノール、p−(ヘキサデシルチオ)フェノール、p−(オクタデシルチオ)フェノール、p−(エイコシルチオ)フェノール、p−(ドコシルチオ)フェノール、p−(テトラコシルチオ)フェノール、p−(ドデシルオキシ)フェノール、p−(テトラデシルオキシ)フェノール、p−(ヘキサデシルオキシ)フェノール、p−(オクタデシルオキシ)フェノール、p−(エイコシルオキシ)フェノール、p−(ドコシルオキシ)フェノール、p−(テトラコシルオキシ)フェノール、p−ドデシルカルバモイルフェノール、p−テトラデシルカルバモイルフェノール、p−ヘキサデシルカルバモイルフェノール、p−オクタデシルカルバモイルフェノール、p−エイコシルカルバモイルフェノール、p−ドコシルカルバモイルフェノール、p−テトラコシルカルバモイルフェノール、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸オクタデシル、没食子酸エイコシル、没食子酸ドコシル、没食子酸テトラコシル等が挙げられる。
【0041】
ロイコ染料は、電子供与性を有し、無色又は淡色の染料前駆体である。
【0042】
ロイコ染料としては、特に限定されないが、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物等が挙げられる。中でも、一般式
【0043】
【化6】

(式中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、Rは、炭素数が1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基又は置換基により置換されていてもよいフェニル基であり、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子、メチル基、ハロゲン原子又は置換されていてもよいアミノ基である。)
で表される化合物又は一般式
【0044】
【化7】

(式中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、Rは、炭素数が1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基又は置換基により置換されていてもよいフェニル基であり、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基又はハロゲン原子である。)
で表される化合物が好ましい。
【0045】
フェニル基に対する置換基としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0046】
アミノ基に対する置換基としては、特に限定されないが、アルキル基、置換基により置換されていてもよいアリール基、置換基により置換されていてもよいアラルキル基等が挙げられる。
【0047】
アリール基、アラルキル基に対する置換基としては、特に限定されないが、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0048】
一般式(8)又は(9)で表される化合物としては、特に限定されないが、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−プロピル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−n−プロピル−N−イソプロピル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−sec−ブチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン、3−(N−n−アミル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−n−オクチルアミノ−7−(p−クロロフェニル)アミノフルオラン、3−n−パルミチルアミノ−7−(p−クロロフェニル)アミノフルオラン、3−ジ−n−オクチルアミノ−7−(p−クロロフェニル)アミノフルオラン、3−(N−n−アミル−N−n−ブチル)アミノ−7−(p−メチルカルボニルフェニル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−フェニルアミノフルオラン等が挙げられる。
【0049】
一般式(8)又は(9)で表される化合物以外のロイコ染料としては、特に限定されないが、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−3'−トリフルオルメチルフェニル)アミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタム、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジアルミノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブルー、6'−クロロ−8'−メトキシベンゾインドリノスピロピラン、6'−ブロモ−2'−メトキシベンゾインドリノスピロピラン、3−(2'−ヒドロキシ−4'−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2'−メトキシ−5'−クロロフェニル)フタリド、3−(2'−ヒドロキシ−4'−ジメチルアミノフェニル)−3−(2'−メトキシ−5'−ニトロフェニル)フタリド、3−(2'−ヒドロキシ−4'−ジエチルアミノフェニル)−3−(2'−メトキシ−5'−メチルフェニル)フタリド、3−(2'−メトキシ−4'−ジメチルアミノフェニル)−3−(2'−ヒドロキシ−4'−クロロ−5'−メトキシフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−p−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−p−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロロフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3')−6'−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4'−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4',5'−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2',4'−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジプロピルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ピロリジノ−6−クロロ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(m−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロ−7−(o−クロロフェニル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(2',3'−ジクロロフェニル)アミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−ブロモフェニル)アミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロフェニル)アミノフルオラン、3−(2'−メトキシ−4'−ジメチルアミノフェニル)−3−(2'−ヒドロキシ−4'−クロロ−5'−クロロフェニル)フタリド、3−(2'−ヒドロキシ−4'−ジメチルアミノフェニル)−3−(2'−メトキシ−5'−クロロフェニル)フタリド、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロロフェニルアミノ)キサンチル]安息香酸ラクタム、3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−n−プロピル−N−m−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン、3−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−7−アミノフルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7−アミノフルオラン、3−(N−プロピル−N−フェニルアミノ)−7−アミノフルオラン、3−[N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−プロピル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−メチル−N−(p−エチルフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−エチル−N−(p−エチルフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−プロピル−N−(p−エチルフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−メチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−エチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−プロピル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−メチル−N−(p−クロロフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−エチル−N−(p−クロロフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−[N−プロピル−N−(p−クロロフェニル)アミノ]−7−アミノフルオラン、3−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−7−(メチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7−(メチルアミノ)フルオラン、3−(N−プロピル−N−フェニルアミノ)−7−(メチルアミノ)フルオラン、3−[N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−(エチルアミノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−(ベンジルアミノ)フルオラン、3−[N−メチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ]−7−(メチルアミノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ]−7−(エチルアミノ)フルオラン、3−[N−メチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ]−7−(ベンジルアミノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ]−7−(ベンジルアミノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−7−(ジメチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7−(ジメチルアミノ)フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−ジエチルアミノフルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−(ジエチルアミノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−7−(ジプロピルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7−(ジプロピルアミノ)フルオラン、3−[N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−(ジベンジルアミノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−(ジベンジルアミノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−[ビス(p−メチルベンジル)アミノ]フルオラン、3−[N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−(アセチルアミノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−(ベンゾイルアミノ)フルオラン、3−[N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−7−(o−メトキシベンゾイルアミノ)フルオラン、3−[N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−6−メチル−7−(フェニルアミノ)フルオラン、3−[N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−6−t−ブチル−7−(p−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−6−メチル−7−[(N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]フルオラン、3−[N−プロピル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−6−メチル−7−[N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−5−メチル−7−(ベンジルアミノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−5−クロロ−7−(ジベンジルアミノ)フルオラン、3−[N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−5−メトキシ−7−(ジベンジルアミノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−6−メチルフルオラン、3−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]−5−メトキシフルオラン、3−(ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−p−メチルフェニルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N,N−ジアリルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン等が挙げられる。
【0050】
ロイコ染料に対する顕色剤のモル比は、通常、1〜20であり、2〜10が好ましい。ロイコ染料に対する顕色剤のモル比が1未満である場合又は20を超える場合は、発色濃度が低下することがある。
【0051】
図1に、本発明で用いられるロイコ染料及び顕色剤の発色濃度と温度の関係の一例を示す。Aは、常温における消色状態を示し、Bは、ロイコ染料及び顕色剤が加熱溶融している発色状態を示す。また、Cは、常温における発色状態を示す。
【0052】
Aの状態のロイコ染料及び顕色剤を加熱して温度がTになると、図中、実線で示すように、ロイコ染料及び顕色剤が溶融して発色濃度が上昇し、Bに達する。さらに、Bの状態のロイコ染料及び顕色剤を急冷すると、図中、実線で示すように、発色状態を維持したまま、常温に戻り、Cに達する。一方、Bの状態のロイコ染料及び顕色剤を徐冷すると、図中、点線で示すように、発色濃度が低下し、消色状態となった後、常温に戻り、Aに達する。
【0053】
また、Cの状態のロイコ染料及び顕色剤を加熱して温度がTになると、図中、破線で示すように、発色濃度が低下し、消色状態となり、Dに達する。さらに、Dの状態のロイコ染料及び顕色剤を冷却すると、図中、破線で示すように、消色状態を維持したまま、常温に戻り、Aに達する。
【0054】
なお、Tは、発色開始温度であり、Tは、消色開始温度である。また、TからTまでの温度が消色温度領域となる。
【0055】
図1からもわかるように、本発明で用いられるロイコ染料及び顕色剤は、消色温度領域が発色開始温度より低いため、常温における発色状態から消色温度領域に加熱することにより消色する。また、ロイコ染料及び顕色剤は、発色開始温度に加熱した後、冷却する動作と、消色温度領域に加熱した後、冷却する動作を交互に実施することにより、発色及び消色を繰り返すことができる。
【0056】
なお、図1は、本発明で用いられるロイコ染料及び顕色剤の一例を示すものであり、発色開始温度及び消色開始温度は、ロイコ染料及び顕色剤の組み合わせにより異なる。また、Bの状態における発色濃度と、Cの状態における発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。例えば、ロイコ染料及び顕色剤の組み合わせによっては、Bの状態における発色濃度が小さいが、Cの状態における発色濃度が大きい場合もある。
【0057】
コアは、ロイコ染料の消色を促進するために、消色促進剤をさらに含んでもよい。
【0058】
消色促進剤は、アミド基、ウレタン結合及びウレア結合の少なくとも1つを有する化合物であればよい。中でも、一般式
−NHCO−R・・・(10)
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が7〜22の直鎖状のアルキル基、分枝鎖状のアルキル基又は不飽和アルキル基である。)
で表される化合物、一般式
−NHCO−R−CONH−R・・・(11)
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が7〜22の直鎖状のアルキル基、分枝鎖状のアルキル基又は不飽和アルキル基であり、Rは、炭素数が1〜10の2価基である。)
で表される化合物、一般式
−CONH−R−NHCO−R・・・(12)
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が7〜22の直鎖状のアルキル基、分枝鎖状のアルキル基又は不飽和アルキル基であり、Rは、炭素数が1〜10の2価基である。)
で表される化合物、一般式
−NHCOO−R・・・(13)
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が7〜22の直鎖状のアルキル基、分枝鎖状のアルキル基又は不飽和アルキル基である。)
で表される化合物、一般式
−NHCOO−R−OCONH−R・・・(14)
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が7〜22の直鎖状のアルキル基、分枝鎖状のアルキル基又は不飽和アルキル基であり、Rは、炭素数が1〜10の2価基である。)
で表される化合物、一般式
−OCONH−R−NHCOO−R・・・(15)
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が7〜22の直鎖状のアルキル基、分枝鎖状のアルキル基又は不飽和アルキル基であり、Rは、炭素数が1〜10の2価基である。)
で表される化合物又は一般式
【0059】
【化8】

(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が7〜22の直鎖状のアルキル基、分枝鎖状のアルキル基又は不飽和アルキル基であり、Rは、炭素数が4〜10の3価基である。)
で表される化合物が好ましい。
【0060】
、R及びRとしては、特に限定されないが、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ステアリル基、ベヘニル基、オレイル基等が挙げられる。
【0061】
としては、特に限定されないが、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘプタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、−(CHO(CH−、−(CHO(CH−、−(CHO(CHO(CH−等が挙げられる。
【0062】
としては、特に限定されないが、化学式
【0063】
【化9】

で表される化合物等が挙げられる。
【0064】
一般式(10)〜(16)で表される化合物としては、特に限定されないが、C1123−CONH−C1225、C1531−CONH−C1633、C1735−CONH−C1837、C1735−CONH−C1835、C2141−CONH−C1837、C1531−CONH−C1837、C1735−CONH−CH−NHCO−C1735、C1123−CONH−CH−NHCO−C1123、C15−CONH−C−NHCO−C1735、C9H19−CONH−C2H4−NHCO−C9H19、C11H23−CONH−C−NHCO−C1123、C1735−CONH−C−NHCO−C1735、(CHCHC1435−CONH−C−NHCO−C1435CH(CH、C2143−CONH−C−NHCO−C2143、C1735−CONH−C12−NHCO−C1735、C2143−CONH−C12−NHCO−C2143、C1733−CONH−CH−NHCO−C1733、C1733−CONH−C−NHCO−C1733、C2141−CONH−C−NHCO−C2141、C1733−CONH−C12−NHCO−C1733、C17−NHCO−C−CONH−C1837、C1021−NHCO−C−CONH−C1021、C12H25−NHCO−C−CONH−C1225、C1837−NHCO−C−CONH−C1837、C2143−NHCO−C−CONH−C2143、C1837−NHCO−C12−CONH−C1837、C1835−NHCO−C−CONH−C1835、C1835−NHCO−C16−CONH−C1835、C1225−OCONH−C1837、C1327−OCONH−C1837、C1633−OCONH−C1837、C1837−OCONH−C1837、C2143−OCONH−C8H37、C1225−OCONH−C1633、C1327−OCONH−C1633、C1633−OCONH−C1633、C1837−OCONH−C1633、C2143−OCONH−C1633、C1225−OCONH−C1429、C1327−OCONH−C1429、C1633−OCONH−C1429、C1837−OCONH−C1429、C2245−OCONH−C1429、C1225−OCONH−C1237、C1327−OCONH−C1237、C1633−OCONH−C1237、C1837−OCONH−C1237、C2143−OCONH−C1237、C2245−OCONH−C1837、C1837−NHCOO−C−OCONH−C1837、C1837−NHCOO−C−OCONH−C1837、C1837−NHCOO−C−OCONH−C1837、C1837−NHCOO−C12−OCONH−C1837、C1837−NHCOO−C16−OCONH−C1837、C1837−NHCOO−COC−OCONH−C1837、C1837−NHCOO−COC−OCONH−C1837、C1837−NHCOO−C1224−OCONH−C1837、C1837−NHCOO−COCOC−OCONH−C1837、C1633−NHCOO−C−OCONH−C1633、C1633−NHCOO−C−OCONH−C1633、C1633−NHCOO−C−OCONH−C1633、C1633−NHCOO−C12−OCONH−C1633、C1633−NHCOO−C16−OCONH−C1633、C1837−OCONH−C12−NHCOO−C1837、C1633−OCOHN−C12−NHCOO−C1633、C1429−OCOHN−C12−NHCOO−C1429、C1225−OCOHN−C12−NHCOO−C1225、C1021−OCOHN−C12−NHCOO−C1021、C17−OCOHN−C12−NHCOO−C17、化学式
【0065】
【化10】

(式中、nは、12、14、16又は18である。)
で表される化合物、化学式
【0066】
【化11】

(式中、nは、12、14、16又は18である。)
で表される化合物、化学式
【0067】
【化12】

(式中、nは、12、14、16又は18である。)
で表される化合物等が挙げられる。
【0068】
消色促進剤の添加量は、顕色剤100質量部に対して、0.1〜300質量部であることが好ましく、3〜100質量部がさらに好ましい。消色促進剤の添加量は、顕色剤100質量部に対して、0.1質量部未満であると、消色促進剤の添加効果が発揮されないことがあり、300質量部を超えると、発色濃度が低下することがある。
【0069】
コアは、消色に関する機能性化合物として、消色制御剤等をさらに含んでもよい。
【0070】
シェルに含まれるビニル系重合体が有する親水基としては、特に限定されないが、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、スルホン酸基、リン酸基、これらの官能基から誘導される基等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0071】
本発明の着色剤分散液は、水と共に、水溶性有機溶媒を併用してもよい。
【0072】
水溶性有機溶媒としては、特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオグリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素化合物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0073】
本発明の着色粒子分散液の製造方法は、ロイコ染料及び顕色剤を含む組成物を加熱して溶融させる工程と、溶融した組成物を、界面活性剤を含む水中に分散させる工程と、組成物が分散した水に親水基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を添加する工程と、親水基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を重合してシェルを形成する工程と、シェルが形成された水を20〜80℃/sの速度で冷却させてコアを形成する工程を有する。このとき、界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤である。これにより、平均粒径が10〜800nmであり、平均粒径に対するシェルの平均膜厚の比が3〜8%である着色粒子が得られる。
【0074】
シェルが形成された水を冷却する速度が20℃/s未満であると、発色状態のロイコ染料及び顕色剤が消色し、80℃/sを超えると、ロイコ染料及び顕色剤の結晶構造にダメージを与え、消色速度が低下する。
【0075】
アニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム等の高級脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩;ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0076】
ノニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、脂肪族アルカノールアミド、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0077】
溶融した組成物を、界面活性剤を含む水中に分散させる際の界面活性剤に対する組成物の質量比は、通常、10〜40であり、11〜30が好ましく、12〜20がさらに好ましい。
【0078】
溶融した組成物を、界面活性剤を含む水中に分散させる方法としては、特に限定されないが、転相乳化法、高圧乳化法等の乳化法が挙げられる。
【0079】
乳化法は、通常、乳化剤を添加した水中に油成分を添加した後、分散機等を用いて攪拌する方法(直接乳化法)、乳化剤を添加した油成分を水中に添加する方法(自然乳化法)である。
【0080】
転相乳化法は、乳化剤を添加した油成分に水を添加する方法である。具体的には、まず、W/O型エマルジョンが形成され、水の添加量の増大に伴って粘度が増大し、O/W型エマルジョンに転相する。転相する際に、せん断力を印加することにより、粒径分布が狭く、粒径が小さいエマルジョンを形成することができる。このようなエマルジョンは、分散安定性に優れる。せん断力を印加する際には、攪拌棒や分散機を用いることができる。
【0081】
分散機としては、特に限定されないが、スリーワンモーター、ホモミキサー、ホモジナイザー等が挙げられる。
【0082】
高圧乳化法は、高圧下で乳化する方法であり、高圧乳化機を用いる(例えば、WO95/35157号参照)。
【0083】
処理圧は、通常、70MPa以上であり、100〜300MPaが好ましく、150〜250MPaがさらに好ましい。また、背圧を、処理圧に対して、0.2〜5%とすることが好ましい。
【0084】
高圧乳化機としては、特に限定されないが、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、DeBEE2000(ビー・イー・イー社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、アルティマイザー(タウテクノロジー社製等の液−液衝突型の高圧乳化機;マントン−ガウリン型の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
【0085】
親水基を有するビニル系単量体としては、特に限定されないが、ビニルスルホン酸、N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0086】
親水基を有するビニル系単量体と親水基を有さないビニル系単量体を併用してもよい。
【0087】
親水基を有さないビニル系単量体としては、特に限定されないが、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0088】
ビニル系単量体を重合する温度は、通常、60〜80℃である。
【0089】
なお、組成物が分散した水を冷却して粒子を形成した後、粒子を加熱して溶融させ、ビニル系単量体を添加してもよい。
【0090】
また、組成物が分散した水にビニル系単量体を添加する前に、水及び界面活性剤を添加してもよい。
【0091】
本発明のインクジェットインクは、コア・シェル構造を有する着色粒子が水中に分散している。なお、着色粒子の構成は、本発明の着色粒子分散液と同様である。
【0092】
インクジェットインク中の着色粒子の含有量は、通常、1〜20質量%であり、5〜10質量%が好ましい。インクジェットインク中の着色粒子の含有量が1質量%未満であると、発色濃度が低下することがあり、20質量%を超えると、吐出安定性が低下することがある。
【0093】
本発明のインクジェットインクは、バインダー樹脂を含むことが好ましい。
【0094】
インクジェットインク中のバインダー樹脂の含有量は、通常、1〜50質量%であり、1〜20質量%が好ましい。
【0095】
本発明のインクジェットインクは、水と共に、水溶性有機溶媒を併用してもよい。
【0096】
水溶性有機溶媒としては、特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオグリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素化合物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0097】
インクジェットインク中の水及び水溶性有機溶媒の総含有量は、通常、1〜90質量%である。また、インクジェットインク中の水溶性有機溶媒の含有量は、通常、1〜40質量%である。
【0098】
水溶性有機溶媒は、湿潤剤として、インクジェットインクの乾燥を調整することができると共に、吐出安定性を向上させることができる。
【0099】
バインダー樹脂としては、着色粒子を対象物に固着させることが可能であれば、特に限定されないが、エマルジョン樹脂、アルカリ可溶型樹脂、水溶性樹脂等が挙げられる。
【0100】
本発明のインクジェットインクは、連続方式、オンデマンド方式等の汎用のインクジェット記録装置に直接収容して用いてもよいし、インクカートリッジに収容し、インクカートリッジをインクジェット記録装置にセットして用いてもよい。
【0101】
本発明のインクジェットインクを噴射させて画像を形成することが可能な対象物としては、特に限定されないが、紙、合成紙、コート紙、プラスチックシート;プラスチック、木材、金属、ガラス等の造形体;布帛、不織布等が挙げられる。
【0102】
本発明のインクジェットインクは、紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素の消光剤、スーパーオキシドアニオンの消光剤等の光安定化剤をさらに含んでもよい。
【0103】
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ヘプトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3,6−ジクロロ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3,6−ジクロロ−4−エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メチルアクリルオキシ)プロポキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2−ヒドロキシ−5−トリル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−トリル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−トリル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−エトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸カルボキシフェニル、サリチル酸トリル、サリチル酸ドデシルフェニル等のサリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤;p−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−p−ヒドロキシ安息香酸、紫外線により転位してベンゾフェノンとなるレゾシノールモノベンゾエート、2',4'−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0104】
酸化防止剤としては、特に限定されないが、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−イソプロピリデンビスフェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)−4−クレゾール、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン、p−ヒドロキシフェニル−3−ナフチルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、チオビス(β−ナフトール)、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンズイミダゾール、アルドール−2−ナフチルアミン、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、安息香酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、3,3'−チオジプロピオン酸ジラウリル、3,3'−チオジプロピオン酸ジステアリル、トリス(4−ノニルフェニル)ホスファイト等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0105】
一重項酸素の消光剤としては、特に限定されないが、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、β−カロテン、1,3−シクロヘキサジエン、2−ジエチルアミノメチルフラン、2−(N−メチルアニリノ)フラン、9−(ジエチルアミノメチル)アントラセン、5−ジエチルアミノメチル−6−フェニル−3,4−ジヒドロキシピラン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−o−エチルホスホン酸ニッケル、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−o−ブチルホスホン酸ニッケル、ニッケル[2,2'−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミン、ニッケル[2,2'−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]−2−エチルヘキシルアミン、ニッケルビス[2,2'−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]、ニッケルビス[2,2'−スルホンビス(4−オクチルフェノラート)]、ニッケルビス(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル−N−n−ブチルアルドイミン)、ニッケルビス(ジチオベンジル)、ニッケルビス(ジチオビアセチル)等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0106】
スーパーオキシドアニオンの消光剤としては、特に限定されないが、スーパーオキシドジスムターゼとコバルト(III)及びニッケル(II)の錯体等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0107】
本発明のインクジェットインクは、必要に応じて、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、電導度調整剤、浸透剤、防腐剤等をさらに含んでもよい。
【0108】
なお、本発明の着色粒子分散液は、インクジェットインク以外に、筆記具用インク、トナー、感熱記録媒体、電子ペーパー、サイネージ等に適用することができる。
【実施例】
【0109】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、部及び%は、それぞれ質量部及び質量%を意味する。
【0110】
[実施例1−1〜1−13]
表1に示すロイコ染料及び顕色剤を、顕色剤に対するロイコ染料のモル比が1/2となるように秤量した後、乳鉢で粉砕し、組成物を得た。
【0111】
【表1】

得られた組成物10%に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム2%及び水(残余)を加え、80℃に加熱した後、T.K.ホモミキサーMARKII(PRIMIX社製)を用いて、12000rpmで撹拌して粗乳化液を得た。
【0112】
粗乳化液を、マイクロフルイダイザーM−140K(マイクロフルイディスク社)を用いて、温度80℃、処理圧175MPa、背圧3.5MPa、流量0.5mL/minの条件で、繰り返し5回処理して、乳化液を得た。なお、マイクロフルイダイザーには、加熱材を捲いて、加熱した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含むコアを形成し、懸濁液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は40℃/sであった。
【0113】
冷却管、温度計、分液ロート及び撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコを温水槽中にセットし、水400部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム3部を入れた。次に、懸濁液300部を加えて攪拌し、80℃まで昇温した後、30分間攪拌した。さらに、過硫酸アンモニウム0.5部を加えた後、メタクリロニトリル2部、メタクリル酸2部及びスチレン5部の混合液を3時間で添加して、5時間重合し、シェルを形成した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含むコアを形成し、黒色粒子分散液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は30℃/sであった。
【0114】
表2に、実施例1−1〜1−13の黒色粒子分散液の特性を示す。
【0115】
【表2】

[平均粒径]
レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2100(島津製作所社製)を用いて、黒色粒子分散液の平均粒径を測定した。
【0116】
[シェルの平均膜厚]
透過型電子顕微鏡JEH−2010(日本電子社製)を用いて、シェルの平均膜厚を測定した。
【0117】
[粘度]
デジタル回転粘度計LVDV−II型(英弘精機社製)を用いて、せん断速度150s−1における黒色粒子分散液の粘度を25℃で測定した。
【0118】
[実施例2−1〜2−5]
表3に示すロイコ染料及び顕色剤を、顕色剤に対するロイコ染料のモル比が1/2となるように秤量し、乳鉢で粉砕し、組成物を得た。
【0119】
【表3】

得られた組成物10%に、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩・3%、ステアリン酸ナトリウム3%及び水(残余)を加え、80℃に加熱した後、T.K.ホモミキサーMARKII(PRIMIX社製)を用いて、12000rpmで撹拌して粗乳化液を得た。
【0120】
粗乳化液を、マイクロフルイダイザーM−140K(マイクロフルイディスク社)を用いて、温度80℃、処理圧175MPa、背圧3.5MPa、流量0.5mL/minの条件で、繰り返し5回処理して、乳化液を得た。なお、マイクロフルイダイザーには、加熱材を捲いて、加熱した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含むコアを形成し、懸濁液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は50℃/sであった。
【0121】
冷却管、温度計、分液ロート及び撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコを温水槽中にセットし、水500部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩3部及びステアリン酸ナトリウム(界面活性剤)4部を入れた。次に、懸濁液300部を加えて攪拌し、80℃まで昇温した後、30分間攪拌した。さらに、過硫酸カリウム0.5部を加えた後、アクリロニトリル4部、アクリル酸3部、メタクリル酸グリシジル3部及びスチレン1部の混合液を、3時間で添加して、5時間重合し、シェルを形成した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含むコアを形成し、黒色粒子分散液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は40℃/sであった。
【0122】
表4に、実施例2−1〜2−5の黒色粒子分散液の特性を示す。
【0123】
【表4】

[実施例3−1〜3−4]
表5に示すロイコ染料及び顕色剤を、顕色剤に対するロイコ染料のモル比が1/2となるように秤量し、乳鉢で粉砕し、組成物を得た。
【0124】
【表5】

得られた組成物を用いた以外は、実施例1−1〜1−13と同様にして、黒色粒子分散液を得た。
【0125】
表6に、実施例3−1〜3−4の黒色粒子分散液の特性を示す。
【0126】
【表6】

[実施例4−1〜4−3]
表7に示すロイコ染料及び顕色剤を、顕色剤に対するロイコ染料のモル比が1/2となるように秤量し、乳鉢で粉砕し、組成物を得た。
【0127】
【表7】

得られた組成物10%に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム2%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル3%及び水(残余)を加え、80℃に加熱した後、T.K.ホモミキサーMARKII(PRIMIX社製)を用いて、12000rpmで撹拌して粗乳化液を得た。
【0128】
粗乳化液を、マイクロフルイダイザーM−140K(マイクロフルイディスク社)を用いて、温度80℃、処理圧175MPa、背圧3.5MPa、流量0.5mL/minの条件で、繰り返し5回処理して、乳化液を得た。なお、マイクロフルイダイザーには、加熱材を捲いて、加熱した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含むコアを形成し、懸濁液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は30℃/sであった。
【0129】
冷却管、温度計、分液ロート及び撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコを温水槽中にセットし、水500部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム2部及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル1部を入れた。次に、懸濁液300部を加えて攪拌し、80℃まで昇温した後、30分間攪拌した。さらに、過硫酸カリウム0.4部を加えた後、アクリロニトリル5部、メタクリル酸1部、スチレン1部及びメタクリル酸グリシジル2部の混合液を、3時間で添加して、5時間重合し、シェルを形成した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含むコアを形成し、黒色粒子分散液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は40℃/sであった。
【0130】
表8に、実施例4−1〜4−3の黒色粒子分散液の特性を示す。
【0131】
【表8】

[実施例5−1〜5−12]
表9に示すロイコ染料及び顕色剤を、顕色剤に対するロイコ染料のモル比が1/2となるように秤量し、乳鉢で粉砕し、組成物を得た。
【0132】
【表9】

得られた組成物を用いた以外は、実施例1−1〜1−13と同様にして、黒色粒子分散液を得た。
【0133】
表10に、実施例5−1〜5−12の黒色粒子分散液の特性を示す。
【0134】
【表10】

[実施例6−1、6−2]
表11に示すロイコ染料及び顕色剤を、顕色剤に対するロイコ染料のモル比が1/2となるように秤量し、乳鉢で粉砕し、組成物を得た。
【0135】
【表11】

得られた組成物を用いた以外は、実施例2−1〜2−5と同様にして、黒色粒子分散液を得た。
【0136】
表12に、実施例6−1、6−2の黒色粒子分散液の特性を示す。
【0137】
【表12】

[実施例7−1〜7−7]
表13に示すロイコ染料及び顕色剤を、顕色剤に対するロイコ染料のモル比が1/2となるように秤量し、乳鉢で粉砕し、組成物を得た。
【0138】
【表13】

得られた組成物10%に、スルホコハク酸ナトリウム0.5%及び水(残余)を加え、80℃に加熱した後、T.K.ホモミキサーMARKII(PRIMIX社製)を用いて、12000rpmで撹拌して粗乳化液を得た。
【0139】
粗乳化液を、マイクロフルイダイザーM−140K(マイクロフルイディスク社)を用いて、温度80℃、処理圧175MPa、背圧3.5MPa、流量0.5mL/minの条件で、繰り返し5回処理して、乳化液を得た。なお、マイクロフルイダイザーには、加熱材を捲いて、加熱した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含むコアを形成し、懸濁液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は50℃/sであった。
【0140】
冷却管、温度計、分液ロート及び撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコを温水槽中にセットし、水400部及びスルホコハク酸ナトリウム3部を入れた。次に、懸濁液300部を加えて攪拌し、80℃まで昇温した後、30分間攪拌した。さらに、過硫酸カリウム0.5部を加えた後、アクリロニトリル3部、リン酸2−アクリロイルオキシエチル3部、スチレン1部及びジビニルベンゼン1部の混合液を、3時間で添加して、5時間重合し、シェルを形成した。次に、0℃の氷浴中で冷却して、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含むコアを形成し、黒色粒子分散液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は40℃/sであった。
【0141】
表14に、実施例7−1〜7−7の黒色粒子分散液の特性を示す。
【0142】
【表14】

[実施例8−1〜8−4]
表15に示すロイコ染料及び顕色剤を、顕色剤に対するロイコ染料のモル比が1/2となるように秤量し、乳鉢で粉砕し、組成物を得た。
【0143】
【表15】

得られた組成物を用いた以外は、実施例4−1〜4−3と同様にして、黒色粒子分散液を得た。
【0144】
表16に、実施例8−1〜8−4の黒色粒子分散液の特性を示す。
【0145】
【表16】

[実施例9−1〜9−12]
表17に示すロイコ染料及び顕色剤を、顕色剤に対するロイコ染料のモル比が1/2となるように秤量し、乳鉢で粉砕し、組成物を得た。
【0146】
【表17】

得られた組成物を用いた以外は、実施例1−1〜1−13と同様にして、黒色粒子分散液を得た。
【0147】
表18に、実施例9−1〜9−12の黒色粒子分散液の特性を示す。
【0148】
【表18】

[比較例1]
冷却管、温度計、分液ロート及び撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコを温水槽中にセットし、水400部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム12部を入れた。次に、ロイコ染料FUJI yellow 3(富士写真フイルム社製)2部、顕色剤フォスファノールRB410(東邦化学工業社製)5部及び消色促進剤WEP−8(日油社製)50部を加えて撹拌し、90℃まで昇温した後、30分間攪拌し、70℃まで降温した。さらに、過硫酸アンモニウム1部を加えた後、メタクリロニトリル5部、メタクリル酸1部及びスチレン5部からなる混合液を、3時間で添加して、5時間で重合した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、平均粒径が120nm、粘度が3.5mPa・s、固形分が17.0%の黄色粒子分散液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は40℃/sであった。
【0149】
[比較例2]
冷却管、温度計、分液ロート及び撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコを温水槽中にセットし、水500部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩5部、ステアリン酸ナトリウム10部及び過硫酸カリウム1部を入れ、80℃まで昇温した後、30分間攪拌した。次に、アクリロニトリル10部、アクリル酸1部、メタクリル酸グリシジル1部、スチレン10部、ロイコ染料H−2114(山田化学社製)3部、顕色剤の没食子酸プロピル6部及び消色促進剤エキセパールBS(花王社製)50部からなる混合液を3時間で添加して、5時間重合した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、平均粒径が170nm、粘度が3.9mPa・s、固形分が16.2%の緑色粒子分散液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は40℃/sであった。
【0150】
[比較例3]
冷却管、温度計、分液ロート及び撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコを温水槽中にセットし、水400部、スルホコハク酸ナトリウム3部及び過硫酸アンモニウム0.5部を入れた。次に、ロイコ染料Pink535(山田化学社製)4部、顕色剤のリン酸ジ−n−ブチル5部及び消色促進剤エキセパールMY−M(花王社製)50部を加えて撹拌し、80℃まで昇温した後、30分間攪拌した。さらに、アクリロニトリル14部、リン酸2−アクリロイルオキシエチル1部、スチレン5部及びジビニルベンゼン1部からなる混合液を3時間で添加して、5時間重合した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、平均粒径が150nm、粘度が3.7mPa・s、固形分が20.0%の桃色粒子分散液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は40℃/sであった。
【0151】
[比較例4]
冷却管、温度計、分液ロート及び撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコを温水槽中にセットし、水500部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム20部及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム10部を入れた。次に、ロイコ染料Pink535(山田化学社製)5部、ロイコ染料FUJI yellow 3(富士写真フイルム社製)4部、顕色剤フォスファノールRB410(東邦化学工業社製)8部及び消色促進剤エキセパールSS(花王社製)50部を加えて撹拌し、90℃まで昇温した後、30分間攪拌し、70℃まで降温した。さらに、過硫酸カリウム0.4部を加えた後、アクリロニトリル16部、メタクリル酸1部、メタクリル酸グリシジル2部及びスチレン2.5部からなる混合液を、3時間で添加して、5時間で重合した。次に、0℃の氷浴中で冷却し、平均粒径が110nm、粘度が8.1mPa・s、固形分が17.7%の橙色粒子分散液を得た。このとき、棒状の熱電対を用いて、温度変化を測定したところ、冷却速度は40℃/sであった。
【0152】
[分散安定性]
12ヶ月静置した後の着色粒子分散液の平均粒径を、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2100(島津製作所社製)を用いて測定し、分散安定性を評価した。なお、初期の平均粒径に対する12ヶ月静置した後の平均粒径の比が1.2未満である場合を〇、1.2倍以上である場合を×として、判定した。
【0153】
[消色性1]
着色粒子分散液に含まれる着色粒子10部及び固形分が40%の水溶性ウレタンバインダーW−5661(三井化学社製)40部を混合し、塗工液を得た。次に、ベーカーアプリケーターYBA型(ヨシミツ精機社製)を用いて、間隙幅を25μmに設定し、普通紙マイペーパー(リコー社製)にベタ画像を形成した。さらに、100℃に加熱したアイロンを直接押し当てて放冷した後、X−Rite(X−rite社)を用いて画像濃度を測定し、消色性を評価した。なお、画像濃度が0.1未満である場合を〇、0.1以上である場合を×として、判定した。このとき、X−Rite(X−rite社)を用いて、マイペーパーの地肌濃度を3回測定したところ、平均値は0.086であった。
【0154】
[インクジェットインクの作製]
着色粒子分散液に含まれる着色粒子8.0%、2−メチルブタンジオール(和光純薬試薬社製)17.5%、グリセリン(和光純薬試薬社製)8.5%、2−エチルヘキサンジオール(和光純薬試薬社製)2.0%、フッ素系界面活性剤FS300(Dupont社製)1.0%、固形分が40%のアクリルエマルジョンKPX(東洋インキ社製)2.0%、固形分が40%のウレタンエマルジョンW920(三井化学社製)1.0%、pH調整剤2−アミノ−2−エチル−1、3−プロパンジオール(和光純薬試薬社製)0.6%、緩衝剤N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(和光純薬試薬社製)0.05%及び水(残余)を混合した後、0.8μmのディスポーザブルメンブレンフィルター(アドバンテック東洋社製)を用いてろ過し、インクジェットインクを得た。
【0155】
[消色性2]
詰め替え用インクカートリッジのエプソン用インクリフィルビギナーボックスECOTYPE−E7、型番BB−E7(ダイコー社製)にインクジェットインクを収容した。
【0156】
詰め替え用インクカートリッジをIJプリンターのエプソンNX−201(エプソン社製)にセットし、コピー用紙のマイペーパー、マイリサイクルペーパー及びTYPE6200(以上、リコー社製)にベタ画像を形成した。さらに、100℃に加熱したアイロンを直接押し当てて放冷した後、X−Rite(X−rite社)を用いて画像濃度を測定し、消色性を評価した。なお、画像濃度が0.1未満である場合を〇、0.1以上である場合を×として、判定した。このとき、X−Rite(X−rite社)を用いて、マイペーパー、マイリサイクルペーパー及びTYPE6200の地肌濃度を3回測定したところ、平均値は、それぞれ0.086、0.114及び0.074であった。
【0157】
表19に、実施例及び比較例の着色粒子分散液の評価結果を示す。なお、実施例1−1〜1−13の評価結果は同一であるため、実施例1と記載し、実施例2〜9についても同様である。
【0158】
【表19】

表19より、実施例の黒色粒子分散液は、分散安定性及び消色性が優れることがわかる。一方、比較例の着色粒子は、コア・シェル構造を有さないため、消色性が劣ることがわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0159】
【特許文献1】特開2003−221405号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア・シェル構造を有する着色粒子が水中に分散しており、
前記着色粒子は、平均粒径が30nm以上400nm以下であり、平均粒径に対する前記シェルの平均膜厚の比が3%以上8%以下であり、
前記コアは、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含み、
前記顕色剤は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸又は炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基により置換されているフェノールであり、
前記シェルは、親水基を有するビニル系重合体を含むことを特徴とする着色粒子分散液。
【請求項2】
前記炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸は、一般式
−PO(OH)
(式中、Rは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基である。)
で表される化合物であり、
前記炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸は、一般式
−CH(OH)−COOH
(式中、Rは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基である。)
で表される化合物、α位又はβ位の炭素がハロゲン原子により置換されている化合物、α位、β位又はγ位の炭素がオキソ基により置換されている化合物、一般式
【化1】

(式中、Rは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基であり、Xは、−O−又は−S−であり、Xが−O−である場合、nは1であり、Xが−S−である場合、nは1又は2である。)
で表される化合物、一般式
【化2】

(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は脂肪族炭化水素基であり、R、R及びRの少なくとも1つは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基である。)
で表される化合物、一般式
【化3】

(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は脂肪族炭化水素基であり、R及びRの少なくとも1つは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基である。)
で表される化合物又は一般式
【化4】

(式中、Rは、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基であり、nは0又は1であり、mは整数であり、nとmの和は2又は3である。)
で表される化合物であり、
前記炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基により置換されているフェノールは、一般式
【化5】

(式中、R10は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基であり、Yは、−S−、−O−、−CONH−又は−COO−であり、nは1以上3以下の整数である。)
で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の着色粒子分散液。
【請求項3】
コア・シェル構造を有する着色粒子が水中に分散している液を製造する方法であって、
ロイコ染料及び顕色剤を含む組成物を加熱して溶融させる工程と、
該溶融した組成物を、界面活性剤を含む水中に分散させる工程と、
該組成物が分散した水に親水基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を添加する工程と、
該親水基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を重合して前記シェルを形成する工程と、
該シェルが形成された水を20℃/s以上80℃/s以下の速度で冷却させて前記コアを形成する工程を有し、
前記着色粒子は、平均粒径が30nm以上400nm以下であり、平均粒径に対する前記シェルの平均膜厚の比が3%以上8%以下であり、
前記顕色剤は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸又は炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基により置換されているフェノールであり、
前記組成物に対する前記界面活性剤の質量比が2%以上10%以下であり、
前記界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤であることを特徴とする着色粒子分散液の製造方法。
【請求項4】
コア・シェル構造を有する着色粒子が水中に分散しており、
前記着色粒子は、平均粒径が30nm以上400nm以下であり、平均粒径に対する前記シェルの平均膜厚の比が3%以上8%以下であり、
前記コアは、発色状態のロイコ染料及び顕色剤を含み、
前記顕色剤は、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有するホスホン酸、炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸又は炭素数が12以上の脂肪族炭化水素基により置換されているフェノールであり、
前記シェルは、親水基を有するビニル系重合体を含むことを特徴とするインクジェットインク。

【図1】
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【公開番号】特開2012−224827(P2012−224827A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96482(P2011−96482)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】