説明

着色縫合糸構造

【課題】識別可能な端部を有し、しかもグレアを減少させた超高分子量縫合糸を提供する。
【解決手段】着色縫合糸(10)が超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)で作られた1つ又は2つ以上の端部(26,28)を備えたフィラメントの細長い編組体を含む。縫合糸は細長い編組体中への組み込み前又は後に着色可能な又は染色可能な第2及び第3の端部を更に有する。本発明は、UHMWPE構造中に編み込まれた互いに異なるカラー方式又はパターンの少なくとも2つの端部を備えた二色又は同時編組体の構造により手術中に縫合糸端部の認識具合の向上を外科医に提供する。着色端部のうちの一方は縫合糸の一端から他端まで連続的に延びる。他方の着色端部を端部の半分のみ着色するのが良い。これにより2つの識別可能な端部を備えた縫合糸が得られる一方、縫合糸の長さに沿って色の連続線が以前と記して維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、縫合糸に関する。本発明は、特に、縫合糸の着色構造に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年4月27日に出願された先の出願の米国特許仮出願第61/172,989号の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
縫合糸は、一般に、治癒プロセスを助け又は血管に圧力を加えて出血を止めるために、外傷、切開創又は手術により切断された組織を互いに保持するよう用いられている。縫合糸は、吸収性である場合があれば非吸収性である場合もある。非吸収性縫合糸は、本来的に無色の材料、例えばシルク、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン又は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)で作られている。縫合糸は、一般に、編組マルチフィラメント構造かモノフィラメント構造かのいずれかであるが、縫合糸は、撚り構造と称される場合もある。縫合糸の形態は、通常、その構成繊維の腰(剛さ)又は繊維弾性率によって決まる。縫合糸は、これらの取り扱い及び結索特性のために良好な柔軟性(しなやかさ)を必要とする。かくして、腰が強すぎる繊維を縫合糸サイズが大きい場合にモノフィラメント形態で用いることはできず、これとは異なり、デニールの小さなフィラメントの束で使用される。次に、マルチフィラメントのこれらストランドを互いに編組して縫合糸を形成する。縫合糸直径が大きくなると、通常、編組シースの内側にコアを追加する。弾性率が約600,000psi(4,137MPa)以下の繊維をモノフィラメント形態で使用することができる。ただし、これよりも低い弾性率が好ましい。かくして、ポリエステル及びUHMWPE縫合糸がマルチフィラメント編組体に用いられ、ポリプロピレンは、モノフィラメント縫合糸として用いられる。特性がボーダーラインにあるナイロン66のような何種類かの材料は、マルチフィラメント構造とモノフィラメント構造の両方に用いられる。デニールの細かいシルクのような天然繊維は、マルチフィラメント構造で用いることができるに過ぎない。
【0004】
縫合糸を製造するために用いられる合成及び大抵の天然材料は、色が付いていない。編組マルチフィラメント及びモノフィラメントの2つの基本的な構造に関し、縫合糸の多くの形式は、これらの特性が互いに極めて異なっている場合であっても、他の縫合糸から見分けがつかない。かくして、縫合糸の着色が有意義であることは、長年知られている。色によって縫合糸の互いに異なる形式が見分けられるだけでなく、色は、外科医が手術中、血液野中において縫合糸の後を追うのを助けることが知られている。
【0005】
縫合糸は、植え込み型器具であり、特定の縫合糸材料に関して連邦規則コード(CFR)に列挙されている特定の着色剤しか使用することができない。また、かかる規則により、各縫合糸材料に関し各着色剤について最大重量パーセントに制限が課されている。かくして、全ての縫合糸材料について利用できる色には制限がある。また、縫合糸材料にこれらのポリマー特性に基づいてどのような色を追加できるか及び縫合糸材料をどのように縫合糸の状態に加工するかについては或る固有の制限がある。
【0006】
内視鏡下手術手技の出現により、狭いスペースで結び目を正しく作るために縫合糸及びこれらのそれぞれの端部を正しく識別する上で外科医に追加のプレッシャがかかることになった。縫合中、医師は、互いに類似した縫合糸の端部を見分けなければならない場合があるが、このことは、縫合糸の両端部が無色か同一色かのいずれかの同一の外観を有している場合、一層困難になる。
【0007】
外科医が縫合糸の導入側端部を導出側端部から識別するのを助ける一手法は、半部又は一端部が着色され、他方の半部又は他端部が白色のままである「ハーフアンドハーフ(半々の)」形縫合糸を用いることである。例えば、米国コネチカット州06238コベントリ・メインストリート1295所在のテレフレックス・メディカル(Teleflex Medical)社は、1998年以来ポリエステル編組テープを製造しており、かかるポリエステル編組テープでは、その半分がD&C Green No.6で染色されている。したがって、テープは、緑色の一端部及び非染色状態の白色の一端部を有する。しかしながら、白色のUHMWPEヤーンで作られた縫合糸は、1つには繊維の高い結晶性に起因して染色可能ではなく、従って、一方の側部を他方の側部から識別するよう浸染できない。したがって、UHMWPEの無色編組体に色を追加するためには、染色可能な繊維材料のモノフィラメントかマルチフィラメントかのいずれかを編組縫合糸構造中に組み込むことが必要である。次に、この構造を、染色可能な繊維だけを着色し、UHMWPE繊維を着色しない染浴中に中ほどまで浸漬させるのが良い。縫合糸構造中においてモノフィラメントヤーンとマルチフィラメントヤーンを同時に編組することは極めて稀であるが、モノフィラメントは明るい色を編組体全体に与えることができるのでこの用途にモノフィラメントを用いるのが良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ハーフアンドハーフ形式により、外科医は1本の個々の縫合糸ストランドの導入側端部と導出側端部を識別することができるが、ハーフアンドハーフ形式は、同一形式の縫合糸が2本又は3本以上用いられている場合には何の助けにもならない。これらの場合において、縫合糸の種々の導入側端部と導出側端部の相互の区別は存在しない。
【0009】
加うるに、これら端部は、個々のハーフアンドハーフ形縫合糸では識別可能であるが、縫合糸の半分は、白色のままであり、明るい光の下、例えば内視鏡下手術で用いられる明るい光の下で観察される白色のグレア(まぶしさ)は依然として相当なものである場合がある。したがって、これら縫合糸の無色部分のグレアを軽減することも又必要である。
【0010】
したがって、識別可能な端部を有し、はっきりとした接合部を有し、しかも手術野におけるグレアを減少させたUHMWPE縫合糸を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の要望は、大部分、本発明によって満たされ、この場合、幾つかの実施形態では、本明細書において説明した欠点を少なくとも或る程度までは解決することができる縫合糸が提供される。
【0012】
本発明の実施形態によれば、縫合糸は、フィラメントの細長い編組体を含む。フィラメントの細長い編組体は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の1つ又は2つ以上の第1の端部を有する。少なくとも1つの第2の端部は、着色可能な材料で作られている。少なくとも1つの第2の端部が着色可能な材料で作られている。少なくとも1つの第2の端部は、単一の連続した色を呈する。少なくとも1つの第3の端部が染色可能な材料で作られている。少なくとも1つの第3の端部は、任意の1種類の着色剤用のその長さの一部分について連続した色に染色されている。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、縫合糸がフィラメントの細長い編組体を含む。縫合糸の細長い編組体は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)マルチフィラメント繊維から成る少なくとも第1の端部及び染色可能な繊維材料で作られた少なくとも第2の端部を有する。第2の端部は、単一の連続した第1の色を呈する。少なくとも第3の端部が染色可能な繊維材料で作られている。第3の端部の少なくとも第1の部分は、連続した第2の色に染色されている。第2の色は、第1の色とは異なるのが良い。また、第3の端部の第2の部分は、第2の色とは異なる連続した第3の色に染色されるのが良い。第3の色も又、第1の色とは異なるのが良い。少なくとも1つの第3の端部の第1の部分と第3の端部の第2の部分との接合線は、縫合糸の形成の際の一ステップ中におけるしみ込み防止化合物の塗布に起因してはっきりとしている。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、縫合糸の少なくとも1つの第2の端部は、ナイロン又はポリエステルのうちの1つのような染色可能な繊維で作られるのが良い。少なくとも1つの第3の端部は、ポリプロピレンモノフィラメント、ナイロン、ポリエチレン又はポリエステルのうちの1つで作られるのが良い。加うるに、縫合糸は、コアを有するのが良い。細長い編組体の長さの半分は、少なくとも1つの第3の端部を着色するよう染浴中に浸漬されるのが良い。変形例として、細長い編組体は、第3の端部を着色すると共に超高分子量ポリエチレンから成る第1の端部をエッチングし又はシャドウイングするよう染浴中に浸漬されるても良い。少なくとも1つの第2の端部を着色するために用いられる染料は、媒染染料であるのが良く、染料は、少なくとも1つの第3の端部を着色するために用いられる染料は、酸、バット又は溶剤染料のうちの1つである。加うるに、編組体は、編組体の第1の部分に施された第1の色パターン及び編組体の第2の部分に施された第2の色パターンを有するのが良く、第2の色パターンは、第1の色パターンとは異なる。
【0015】
本発明の別の観点によれば、縫合糸の製造方法は、超高分子量ポリエチレンの少なくとも第1の端部、染色可能な材料から成る少なくとも第2の端部、及び染色可能な材料から成る少なくとも第3の端部から細長い縫合糸を編組するステップと、第2の端部を第1の連続した第1の色に染色するステップと、第3の端部の少なくとも第1の部分を連続した第2の色に染色するステップとを有する。この方法は、第2の端部及び第3の端部を編組前に染色するステップを更に有するのが良く、変形例として、第3の端部の第1の部分を第3の端部が縫合糸の状態に編組された後に染色するステップを更に有しても良い。第3の端部の第2の部分を第3の連続した色に染色するのが良い。加うるに、細長い縫合糸の少なくとも半分を染浴中に浸漬させるのが良い。
【0016】
かくして、本明細書における本発明の詳細な説明を良く理解することができるようにするため、又、当該技術分野に対する本発明の貢献を良く理解することができるようにするため、本発明の或る特定の実施形態の概要をかなり広義に説明する。当然のことながら、本発明の追加の実施形態を以下に説明するが、これらは、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を形成する。
【0017】
この点に関し、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その用途において以下の説明又は図面に記載されたコンポーネントの構成の細部及び配置状態に限定されないことは理解されるべきである。本発明は、上述の実施形態に加えて種々の実施形態で実施できると共に種々の仕方で実施できる。また、本明細書並びに要約書において採用した語句及び用語は、説明の目的のためであり、本発明を限定するものと考えられるべきではないということは理解されるべきである。
【0018】
したがって、当業者であれば、本発明の基礎となる概念は、本発明の幾つかの目的を達成するための他の構造、方法及びシステムの設計のための基礎として容易に利用できることは理解されよう。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲は、かかる均等構成例が本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、均等構成例を含むものと解されることは重要である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態としての着色縫合糸を示す図である。
【図2】本発明の実施形態としての編組着色縫合糸を示す図である。
【図3】本発明の実施形態としての着色縫合糸のための直列配置パターンを概略的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態としての着色縫合糸のための並置パターンを概略的に示す図である。
【図5】本発明の実施形態としての着色縫合糸のための交差配置を概略的に示す図である。
【図6】本発明の実施形態としての編組着色縫合糸の断面図である。
【図7】本発明の実施形態の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、幾つかの実施形態において、編組着色縫合糸構造を提供する。着色縫合糸は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)で作られた少なくとも第1の端部を有するフィラメントの細長い編組体である。縫合糸は、好ましくは、互いに編組されたUHMWPEの数個の端部を有する。UHMWPEの端部は、当該技術分野において周知であるようにマルチフィラメント繊維である。編組着色縫合糸は、単一の連続した色の染料か顔料かのいずれかであるのが良い着色剤を含む材料で作られた端部及び長さの少なくとも一部分がそれとは異なる色に染色されている染色可能な材料で作られた別の端部を更に有する。好ましくは、互いに異なる着色端部のかかる染色部分は、縫合糸の長さの半分を構成する。本発明は、互いに異なる色の少なくとも2つの端部がUHMWPE構造の状態に編組された2色同時編組構造により手術中における縫合糸端部の認識具合の向上を外科医に与える。着色端部のうちの一方は、縫合糸の一端から他端まで連続的に延びている。他方の着色端部は、この端部の半分だけが着色されている。これにより、2つの識別可能な端部を備えた縫合糸を提供する一方で、縫合糸の長さに沿って連続した色の線が依然として維持される。
【0021】
次に、図面を参照して本発明を説明するが、図全体にわたり、同一の参照符号は同一の部分を示している。図1は、本発明の編組着色縫合糸10の一端部を示している。編組着色縫合糸10は、図1に示されているように、軸線Aの上方に位置する第1の半部12及び軸線Aの下に位置する第2の半部14を有している。第1の半部12と第2の半部14が出会う箇所は、編組着色縫合糸10の接合部16である。一実施形態では、編組着色縫合糸10は、UHMWPE、例えば顔料[フタロシアニネート(2‐)]銅を含むポリプロピレンモノフィラメント及び染色可能な別の材料、例えばナイロン又はポリエステルのような連続した長さの着色剤を含む材料で作られるのが良い。UHMWPEは、一般に無色であり、無色領域18として図1に示されている。加うるに、第1の半部12は、着色領域20,22を含み、第2の半部14は、着色領域20にマッチした着色領域24を含む。これら着色領域20,22,24は、米国食品薬品局(FDA)により使用が認可された着色剤を含むモノフィラメント又はマルチフィラメント端部材料を含むことにより作られている。
【0022】
図2は、図1に示された編組着色縫合糸10の第2の半部14の拡大図である。編組着色縫合糸10は、端部の細長い編組体の形態を取り、織物の外観を呈している。編組着色縫合糸10の端部は、モノフィラメント又はマルチフィラメント端部であるのが良い。半部12,14の両方に存在する連続着色材料の端部は、符号24で示された着色領域を形成するようUHMWPEと織編されている。編組着色縫合糸10は、端部を編組機上に保持するボビンの配置状態に応じて、種々のパターンに編組できる。考えられるパターンについて以下に更に説明する。
【0023】
図1及び図2に示されている編組着色縫合糸10は、非着色モノフィラメントUHMWPEヤーン18の14個の端部を着色ポリプロピレンモノフィラメント、例えば青色ポリプロピレンモノフィラメントの一端部及び透明なモノフィラメントナイロンの一端部と同時編組するための16キャリヤ型編組機を用いることにより一例としてUSPサイズ2縫合糸用に製造できる。次に、編組着色縫合糸10をフレームに巻き付け、第1の半部12をFDAにより認可された色浴中に浸漬して第1の半部12のナイロンを例えば濃緑色に着色する。UHMWPEも着色ポリプロピレンも濃緑色染料を吸収しない。この結果、編組着色縫合糸10の第1の半部12は、無色の領域18、青色の領域20及び濃緑色の領域22を有することになる。編組着色縫合糸10の第2の半部14は、無色領域18,25及び青色領域24を有する。
【0024】
変形例では、別の実施形態の一例として、図1及び図2に示されている編組着色縫合糸10は、UHMWPEの14個の端部をFDA認可着色剤であるロッグウッド抽出物で全体が染色された黒色ナイロンモノフィラメントの一端部及び透明なモノフィラメントナイロンの一端部と同時編組するための16キャリヤ型編組機を用いることにより製造されても良い。次に、編組着色縫合糸10の巻き付けフレームをFDA認可着色剤の染浴中に中ほどまで浸漬させて透明なナイロンの端部の半分を着色する。色は、既に全体が着色されたUHMWPE又は黒色ナイロンの連続端部によって吸収されず、無色ナイロンの半分だけが染色される。ロッグウッド抽出物は媒染染料であるので、これは染料によって置き換えられることはないように思われる。
【0025】
染料はロッグウッド抽出物で染色されたナイロンの黒色には影響を及ぼさないということが判明しているので、この発見を利用すると、本発明のツートンカラー(二色)のハーフアンドハーフ形縫合糸を調製することができる。例えば、第1の端部が無色UHMWPEヤーンであり、第2の端部が連続青色ポリプロピレンモノフィラメントであり、第3の端部の半部が染色黒色モノフィラメントナイロンである場合、編組体が染浴中で処理されると、ツートーンのハーフアンドハーフ形縫合糸が作られる。色を吸収する編組体の部分だけは、ツートーンのハーフアンドハーフ形縫合糸を与えるナイロンの無色半部である。
【0026】
図1に示されているように、上述した仕方で作られ又は別の同様の仕方で作られた編組着色縫合糸10は、第2の半部14に施された色パターンから見分けることができる色パターンを備えた第1の半部12を有する。したがって、外科医は、編組着色縫合糸10の第1の端部26を第2の端部28から見分けることができる。これにより、混乱が防止されると共に縫合が容易に且つ早くなり、しかも手技全体が早くなる。また、色パターンを編組着色縫合糸10の第1の半部12と第2の半部14の両方に施しているので、内視鏡下及び他の手術で用いられる強烈な光からの「白色グレア」が減少する。加うるに、色パターンを編組着色縫合糸10の第1の半部12と第2の半部14の両方に施したことにより、外科医は、編組着色縫合糸10の第1の半部12と編組着色縫合糸10の第2の半部14の接合部16を容易に見分けることができる。接合部16は、一層はっきりと見える。
【0027】
図3、図4及び図5は、例示のパターン、例えば直列配置型パターン、並置型パターン及び交差型パターンを示しており、これらは、編組機を種々の仕方でセットアップすることにより作ることができる多くのパターンのうちの2,3の例である。図3は、本発明の実施形態による直列配置型パターンを示している。編組着色縫合糸110の第1の半部112は、2色のパターンを有し、各色は、直列に繰り返されている。縫合糸の場又は領域118は、無色のUHMWPE端部の編組体で作られている。第1の色は、符号120で表示された領域により表わされ、第2の色は、符号122で表示された領域により表わされている。第1の色は、着色材料、例えばナイロン又はポリプロピレンの第1の同時編組端部を用いることにより組み込まれている。第2の色は、無色の染色可能な材料、例えばナイロンの第2の同時編組端部を用いることにより組み込まれ、かかる材料は、第2の色をもたらすための染料又は着色剤内に縫合糸の長さの一部分について後で浸漬される。この例では、縫合糸の長さの第1の半部112が浸漬される。編組着色縫合糸110の第2の半部114は、符号124で表示された領域により表わされている単一の着色パターンを有し、この単一の色パターンは、着色材料の第1の同時編組端部の組み込みの結果であり、領域120の色に一致している。編組着色縫合糸110の第2の半部114は、着色剤中に浸漬されていないので、無色染色可能材料の他方の半分、即ち第2の同時編組端部は、無色のままである。
【0028】
図4は、本発明の実施形態による並置型パターンを示している。編組着色縫合糸210の第1の半部212は、2つの色が並んで位置するパターンを有する。縫合糸の場又は領域218は、無色であるUHMWPE端部の編組体で作られている。第1の色は、符号220で表示された領域により表わされ、第2の色は、符号222で表示された領域により表わされている。第1の色は、第2の色の上に位置し、2つの着色領域は、互いに全体として平行である。第1の色は、着色材料、例えばナイロン又はポリプロピレンの第1の同時編組端部を用いることにより組み込まれている。第2の色は、無色の染色可能な材料、例えばナイロンの第2の同時編組端部を用いることにより組み込まれ、かかる材料は、第2の色をもたらすための染料又は着色剤内に縫合糸の長さの一部分について後で浸漬される。この例では、縫合糸の長さの第1の半部212が浸漬される。編組着色縫合糸210の第2の半部214は、符号224で表示された領域により表わされている単一の着色パターンを有し、この単一の色パターンは、着色材料の第1の同時編組端部の組み込みの結果であり、領域220又は領域222のうちの一方の色に一致している。編組着色縫合糸210の第2の半部214は、着色剤中に浸漬されていないので、無色染色可能材料の他方の半分、即ち第2の同時編組端部は、無色のままである。
【0029】
図5は、本発明の実施形態としての交差型パターンを示している。編組着色縫合糸310の第1の半部312は、2つの色が並んで位置するパターンを有する。縫合糸の場又は領域318は、無色であるUHMWPE端部の編組体で作られている。第1の色は、符号320で表示された領域により表わされ、第2の色は、符号322で表示された領域により表わされている。第1の色領域は、第2の色領域に対して角度をなしており、V字形の交差型パターンを形成している。第1の色は、無色の染色可能な材料、例えばナイロン又はポリプロピレンの第1の同時編組端部を用いることにより組み込まれる。第2の色は、無色の染色可能な材料、例えばナイロンの第2の同時編組端部を用いることにより組み込まれ、かかる材料は、第2の色をもたらすための染料又は着色剤内に縫合糸の長さの一部分について後で浸漬される。この例では、縫合糸の長さの第1の半部312が浸漬される。編組着色縫合糸310の第2の半部314は、符号324で表示された領域により表わされている単一の着色パターンを有し、この単一の色パターンは、着色材料の第1の同時編組端部の組み込みの結果である。編組着色縫合糸310の第2の半部314は、着色剤中に浸漬されていないので、無色染色可能材料の他方の半分、即ち第2の同時編組端部は、無色のままである。
【0030】
図6及び図7は、本発明の編組着色縫合糸410を示している。縫合糸410は、例えばUHMWPE、ナイロン又はポリエチレンのような材料で作られたモノフィラメント又はマルチフィラメント端部を有する。端部440は、UHMWPEで作られ、全体として無色である。端部442は、連続的に着色されたナイロン又はポリエチレンのモノフィラメント又はマルチフィラメント端部で作られている。端部444は、無色ナイロンのモノフィラメント又はマルチフィラメントで作られている。次に、編組着色縫合糸410をフレームに巻き付け、半部をFDAにより認可された色浴中に浸漬してナイロン端部444の長さの半分を濃緑色のような色に着色する。加うるに、縫合糸410は、オプションとして、コア446を有するのが良く、コア446は、マルチフィラメントヤーン、モノフィラメントヤーン又はモノフィラメント若しくはマルチフィラメント端部447の編組体の形態をしているのが良い。図7に示されているように、連続着色ナイロン又はポリエチレンのモノフィラメント又はマルチフィラメント端部で作られた端部442は、着色編組縫合糸410に色パターン448を生じさせる。
【0031】
上述した色の組み合わせに加えて、既存の縫合糸材料に関し、FDAにより列記された他の認可着色剤との他の組み合わせも又本発明の範囲に含まれる場合がある。かくして、染料及び着色フィラメントは、上述した染料及び着色フィラメントには限定されない。FDAにより認可された任意適当な着色剤又は着色材料を用いることができる。例えば、青色着色剤で着色された高密度ポリエチレンモノフィラメント、クロム‐コバルト−アルミニウム酸化物も又、連続色を含む第2のコンポーネントとして使用できる。第3のコンポーネントの場合、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリブチレンテレフタレート(PBT))も又、編組着色縫合糸に組み込み可能であり、半分が染色される。
【0032】
また、或る1つの材料について既に認可されている様々な色の既存の着色剤及び染料は、最終的に他の材料についても認可されるという可能性がある。例えば、第2のコンポーネントに関し、ポリプロピレンモノフィラメントで作られた連続モノフィラメントは、D&C Green #6又はD&C Violet #2で着色される可能性がある。第3のコンポーネントに関し、マルチフィラメントポリ‐L‐ラクチド(PLLA)吸収性ヤーンを編組着色縫合糸に組み込み、半分を着色剤、例えばD&C Green #6又はD&C Violet #2で着色する。これら着色剤のどれもポリプロピレン又はPLLA縫合糸材料として列記されていないが、含有状態の染料の全てが放出されるPGAのような吸収性縫合糸へのこれらの安全な使用は、他の縫合糸材料へのこれらの使用に関する検討事項である。かくして、本明細書において説明する本発明は、認可された縫合糸材料及び列記された色着色剤の現在における一覧には限定できず、新たに列記される着色剤及び新た認可される縫合糸材料で実施できる。
【0033】
連続着色繊維の一端部及び無色であるが染色可能な端部の一端部を標準型編組構造で置き換えることに加えて、本発明は又、先ず最初に、第2のコンポーネント材料と第3のコンポーネント材料の両方の小径モノフィラメント又は低デニールマルチフィラメントをUHMWPEマルチフィラメント編組ボビンに同時に巻くことによって実施できる。このオプションとしての方法は、高強度材料による低強度着色材料の置換が編組縫合糸の性能特性全体に悪影響を及ぼす小キャリヤ型編組機を用いる縫合糸サイズに特に適している。例えば、USPサイズ5‐0高強度縫合糸が3キャリヤ型編組機で編組される。編組体の一端部が連続色の端部で置き換えられると共に別の端部が無色であるが染色可能な繊維で置き換えられる場合、高強度繊維の約67%が失われる。この状況は、本発明の第2のコンポーネント及び第3のコンポーネントをUHMWPEヤーンの編組機ボビンに同時に巻くことにより改善される。この構造が半分染色されると、これは、本発明の利点を有することになろう。このオプションは僅かな数の端部を有する編組体に向けられているが、これは、あらゆるサイズの縫合糸構造に確実に利用できる。しかしながら、高強度UHMWPE端部を低強度端部で置き換えた場合に観察される引張強度の減少量は、交換用端部がUHMWPE端部への衝撃を緩和し又はUHMWPE端部を互いに隔離しそうであり、このことにより、残りのUHMWPE端部に起因して保たれる引張強度が高いので、期待される減少量よりも常に少ない。
【0034】
本発明は、縫合糸のカバー又は外側シースの改良に関するので、本発明は、コアレス縫合糸とコア付き縫合糸の両方に利用できる。コアは、撚り又は非撚りマルチフィラメント、編組コア又はモノフィラメントコアを含む任意の構造のものであるのが良い。しかしながら、UHMWPE編組縫合糸の大抵のサイズに関し、コアレス構造が好ましい。これは、コアレス構造が高弾性率UHMWPEヤーンで作られた縫合糸に良好な結索特性を与えるからである。他の縫合糸材料の場合、コアは、通常、シースが約USPサイズ5‐0よりも大きな縫合糸サイズで縫合に最適ではない扁平なプロフィールに潰れるのを阻止するために必要である。75GPaを超えるUHMWPEの極めて高い繊維弾性率は、他の合成編組繊維における約3〜10GPaの繊維弾性率とは対照的に、シースがその取り扱い中、平べったくならないようにする主要な要因である。コアレスUHMWPE編組体は、これが結索力により圧縮されると、平べったくなる。この現象は、結び目の薄型化及び結索特性の向上に寄与する。
【0035】
本発明のための実験中、染料濃度、追加された酸の濃度、染色の温度及び染色の時間の或る特定の染色条件が或る程度のシャドウイング又は表面改質を含むUHMWPE繊維を生じさせる場合のあることも又認識された。幾つかの場合、UHMWPEの通常の明るい仕上げが減少したように見える。したがって、表面改質技術により非着色UHMWPE縫合糸の「グレア」も又減少させることができる場合がある。周知のように、ポリエチレンの表面は、化学的処理、光化学的処理、表面グラフティング、表面酸化、ハロゲン化、プラズマ、ハロゲン化又はコロナ処理により改質可能である。UHMWPE表面へのシャドウイングの追加は、本発明の縫合糸の半分染色端部により提供される識別を促進するように思われる。かくして、縫合糸構造で用いられる繊維のシャドウイングは、縫合糸を識別する上で重要な性質であり得る。
【0036】
半分染色プロセスは、多種多様なプロセス方法により実施できる。好ましい方法のうちの1つは、縫合糸をフレームに巻き付け、次にその半分を染浴中に浸漬させることである。当然のことながら、フレームは、種々のサイズ及び形状のものであって良く、かかる形状としては、扁平な形状、正方形の形状、長方形の形状又は丸形の形状が挙げられる。また、幾つかの縫合糸に関し、染色が、他の器具で又はかせ染め形態でも起こりうる。半分染色プロセスは又、縫合糸のあらかじめ切断された縫合糸片について実施でき、かかる縫合糸片は、次に、縫合糸の束の状態で半分染色される。確実なこととして、染色法の促進の助けとなる他の手段を想到できる。例えば、半分染色端部と他端部との間の接合部は、シリコーン液のようなしみ込み防止(アンチウイッキング)化合物を染料浸漬プロセスの実施前に接合線に塗布することによっても改良できるということも又発見された。
【0037】
本発明の着色縫合糸は、編組プロセス前に半分染色を実施することによっても製造できる。この方法では、無色であるが染色可能な繊維をスケイン又はフレーム上で半分染色し、次に編組機ボビンに移送する。次に、本発明の縫合糸は、全部で3つの形式の端部を編組機で互いに編組することにより製造できる。この方法で必要な追加の染色ステップはない。ハーフアンドハーフプロセスのために染浴を混合すると共に用いる手順は、一般に、当業者に知られている手順である。例えば、緑色半分染色では、約0.02〜0.2重量%の濃度でD&C Green No.5の水溶液を調製し、この場合、濃度が約2〜10%の酢酸を追加する。染浴を加熱し、縫合糸の半分を約5〜120分の期間にわたり染浴中に浸漬させる。縫合糸をすすぎ洗いして過剰な染料を除去し、洗浄し、そして次の処理のために乾燥させる。
【0038】
また、着色縫合糸に利用できる色のパレットは、厳密に制御されるということに注目することが重要である。というのは、縫合糸は、植え込み型器具だからである。認可されていない着色剤を用いることは、FDAの色担当部門(Color Division)により粗悪品であると見なされる。特定のポリマーに関する色は、米国連邦規則コード(CFR)に列記されていなければならない。したがって、縫合糸における色又は色の組み合わせは、縫合糸製品を作るために使用されるカラーポリマー又は繊維に利用できる技術ではなく、FDA規則により極端に制限されている。
【0039】
色をポリマー、繊維又は編組ヤーンに与えるために利用できる着色剤は、FDAにより列記されていなければならず、しかも、染料か顔料かのいずれかとして分類可能なものである。顔料は、どの溶剤中でも溶けるというわけではなく、これがマルチフィラメントヤーンかモノフィラメントヤーンかのいずれかに押し出される前に、ポリマー原樹脂中に配合されなければならない。顔料は又、ゲル遠心繊維を着色するためにゲル状溶液中に懸濁されるのが良い。染料も又、ポリマー樹脂中に配合されるのが良く又は重合の終わりに溶融状態のポリマーに添加されるのが良い。しかしながら、染料は溶剤中で可溶性を示すので、染料は、縫合糸を製造するために用いられる繊維又は編組ヤーンを「溶剤染色」するために使用できる。当然のことながら、この方法は、繊維が特定の染料を受け入れることができるかどうかによって制限される。ポリプロピレン又はUHMWPEの結晶性ポリマー繊維のような高い結晶性ポリマー繊維を通常の方法によっては溶剤染色することができない。FDAは、届け出すべき染料を水への溶解度に関して“FD&C”又は有機溶剤への溶解度に関し“D&C”かのいずれかとして命名している。D&C Green #5のようなD&C染料の中には、水への溶解度が制限され、繊維を水溶液中で染色するために使用できるものがある。
【0040】
以下の表1は、縫合糸を着色する際に用いられる着色剤の例を一覧表示している。
【表1】

【0041】
以下の表2は、110デシテックス(dtex)UHMWPEヤーンの14個の端部を備えたUSPサイズ2縫合糸に関し、非吸収性同時編組体及び吸収性同時編組体に関する考えられる色の組み合わせの種々の実施形態の例を示している。しかしながら、この表中に記載されている着色剤の中には、一覧表示したポリマーへの使用に関してFDAによってまだ認可されていないものがある。
【0042】
【表2】

【0043】
加うるに、以下の表3は、本発明の種々の実施形態による編組着色縫合糸の例を詳細に記載している。図3に記載されている構成は、表5により完全に記載された考えられる組み合わせのサブセットである。
【表3】

【0044】
以下の表4は、表1、表2及び表3で用いられた略語の説明を記載している。利用できる縫合糸材料及び着色剤の数が所与である場合、他の多くの組み合わせが考えられる。
【表4】

【0045】
以下の表5は、本発明の種々の実施形態による縫合糸に関する別の形式の編組体構造に関する追加の細部を記載している。表5は、編組機上にセットアップされるべきボビン上における種々の繊維の考えられる配置状態を記載しておらず、編組機は、製造される縫合糸製品に非着色繊維及び着色繊維の対応の互いに異なる構成を与え、これらのうちの幾つかが、例示として、表3に記載されている。加うるに、考えられる非着色繊維及び着色繊維の多くの追加の構成が存在し、表5に記載されている例は、本発明をいかなる仕方においても限定するものではない。表5では、“CLRナイロンサイズ/デシテックス”は、染色可能な繊維の“少なくとも1つの第3の端部”を意味している。“着色サイズ/デシテックス”は、連続着色繊維の“少なくとも1つの第2の端部”を意味している。染色可能及び連続繊維に使用に可能に列記された“サイズ”は、本発明の縫合糸を編組するのに必要なUSP直径範囲に基づく端部のサイズの推定値である。しかしながら、他の要因、例えば取り扱い特性又は外科医の好みに応じて、編組の際に大径の端部か小径の端部かのいずれでも用いることができる。
【0046】
【表5】

【0047】
図5に詳細に記載されている編組体の構造では、端部の全個数は、“N”で表わされている。超高分子量ポリエチレンで作られた端部の最大個数は、“N−2”であり、透明である端部の最大個数は、N/2である。
【0048】
本発明の多くの特徴及び利点は、詳細な説明から明らかであり、かくして、添付の特許請求の範囲に記載された本発明は、本発明の真の精神及び範囲に属する本発明のかかる全ての特徴及び利点を含むものである。さらに、多くの改造例及び変形例が当業者に容易に想到できるので、本発明を図示すると共に説明した構成及び作用そのものには限定されず、従って、適当な改造例及び均等例は、全て、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
10,110,210,310,410 編組着色縫合糸
12,14 縫合糸半部
16 接合部
18,25 無色領域
20,22,24 着色領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維の細長い編組体を含み、該編組体は、
超高分子量ポリエチレンから成る1つ又は2つ以上の第1の端部と、
着色可能な材料から成り、単一の連続した色から成る少なくとも1つの第2の端部と、
染色可能な材料から成る少なくとも1つの第3の端部とを有し、該第3の端部の少なくとも一部分は、連続した色を呈する、縫合糸。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第2の端部は、ポリプロピレンモノフィラメント、ナイロン、ポリエチレン、又はポリエステルのうちの1つから成る、請求項1記載の縫合糸。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第3の端部は、ナイロン又はポリエステルのうちの一方から成る、請求項1記載の縫合糸。
【請求項4】
前記編組体は、前記編組体の第1の部分に施された第1の色パターン及び前記編組体の第2の部分に施された第2の色パターンを有し、前記第2の色パターンは、前記第1の色パターンとは異なっている、請求項1記載の縫合糸。
【請求項5】
前記細長い編組体の長さの半分は、前記少なくとも1つの第3の端部を着色するよう染浴中に浸漬される、請求項1記載の縫合糸。
【請求項6】
前記細長い編組体は、前記第3の端部を着色すると共に超高分子量ポリエチレンから成る前記第1の端部をエッチングし又はシャドウイングするよう染浴中に浸漬される、請求項1記載の縫合糸。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第2の端部を着色するために用いられる染料は、媒染染料である、請求項1記載の縫合糸。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第3の端部を着色するために用いられる染料は、酸、バット又は溶剤染料のうちの1つである、請求項1記載の縫合糸。
【請求項9】
繊維織物の細長い編組体を含み、該編組体は、
少なくとも超高分子量ポリエチレンから成る第1の端部と、
少なくとも染色可能な材料から成り、単一の連続した第1の色からなる第2の端部と、
少なくとも染色可能な材料から成る第3の端部とを有し、該第3の端部の少なくとも第1の部分は、連続した第2の色に染色されている、縫合糸。
【請求項10】
前記第2の色は、前記第1の色とは異なる、請求項9記載の縫合糸。
【請求項11】
前記第3の端部の第2の部分は、前記第2の色とは異なる連続した第3の色に染色されている、請求項9記載の縫合糸。
【請求項12】
前記編組体は、前記編組体の第1の部分に施された第1の色パターン及び前記編組体の第2の部分に施された第2の色パターンを有し、前記第2の色パターンは、前記第1の色パターンとは異なっている、請求項11記載の縫合糸。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第3の端部の前記第1の部分と前記第3の端部の第2の部分との接合線は、前記縫合糸の形成の際の一ステップ中におけるしみ込み防止化合物の塗布に起因してはっきりとしている、請求項9記載の縫合糸。
【請求項14】
前記第2の端部は、ポリプロピレンモノフィラメント、ナイロン、ポリエチレン、又はポリエステルのうちの1つから成る、請求項9記載の縫合糸。
【請求項15】
前記第3の端部は、ナイロン又はポリエステルのうちの一方から成る、請求項9記載の縫合糸。
【請求項16】
前記細長い編組体の長さの半分は、前記第3の端部を着色するよう染浴中に浸漬される、請求項9記載の縫合糸。
【請求項17】
前記細長い編組体は、前記第3の端部を着色すると共に超高分子量ポリエチレンから成る前記第1の端部をエッチングし又はシャドウイングするよう染浴中に浸漬される、請求項9記載の縫合糸。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第2の端部を着色するために用いられる染料は、媒染染料である、請求項9記載の縫合糸。
【請求項19】
前記第3の端部を着色するために用いられる染料は、酸、バット又は溶剤染料のうちの1つである、請求項9記載の縫合糸。
【請求項20】
縫合糸の製造方法であって、
超高分子量ポリエチレンの少なくとも第1の端部、染色可能な材料から成る少なくとも第2の端部、及び染色可能な材料から成る少なくとも第3の端部から細長い縫合糸を編組するステップと、
前記第2の端部を第1の連続した第1の色に染色するステップと、
前記第3の端部の少なくとも第1の部分を連続した第2の色に染色するステップとを有する、方法。
【請求項21】
前記第2の端部及び前記第3の端部は、編組前に染色される、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記第3の端部の前記第1の部分は、前記第3の端部が前記縫合糸の状態に編組された後に染色される、請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記第3の端部の第2の部分を第3の連続した色に染色するステップを更に有する、請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記細長い縫合糸の少なくとも半分を染浴中に浸漬させるステップを更に有する、請求項20記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−255175(P2010−255175A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−115776(P2010−115776)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(500552489)テレフレックス・メディカル・インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】