説明

着色装置

【課題】電線の被覆材などの着色対象物に対し、色むらがなく、しかも鮮明に、着色を行うことが可能な着色装置を提供する。
【解決手段】着色装置は、インクを貯留可能な貯留部材27と、インクの吸収及び放出が可能なインク受渡ユニット28と、インク受渡ユニット28を、貯留部材27に接触させ貯留部材27からインクを吸収するインク吸収位置、及び電線に当接させインクを放出するインク放出位置の間で移動させる移動機構部29とを具備する。特に、インク受渡ユニット28は、毛細管現象が生じる有底の細い空隙を有し先端部が貯留部材27に接することで、インクを空隙内に吸収する吸収部材と、空隙内に収容され、外部に突出する突出位置、及び空隙内に没入する没入位置の間で移動可能な放出可動部材と、放出可動部材を突出位置側に付勢する付勢部材とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色装置に関し、特に、電線の被覆材にインクを付着させて着色部を形成する着色装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気製品には配線用の電線が数多く使用されている。これらの電線は、銅等で形成された芯線と、塩化ビニール等の樹脂で形成された被覆材(「外皮」とも称す)とから構成されている。また、電気製品や自動車には、複数の電線を束ねたワイヤーハーネスも使用されている。ワイヤーハーネスでは、それぞれの電線の端部に端子が圧着されるとともに、それらの端子が、一つまたは複数のコネクタにまとめて接続されており、コネクタを介して電気部品の基板等に連結されるようになっている。
【0003】
ところで、ワイヤーハーネスを製造するには、それぞれの電線を、コネクタの、対応する位置に間違えることなく接続する必要がある。そこで、これらの対応を視覚的に認識させる手段として、使用する電線を色分けし、コネクタの種類やピン番号に対応させることが一般に行われている。つまり、被覆材の色に基づいて、接続位置を特定させる方法である。
【0004】
しかし、この方法を採用した場合、互いに異なる色の多種類(例えば10種類)の電線を用意する必要があり、また、加工機によって電線を切断したり先端部分の被覆材を除去したりする際に、加工機に供給される電線を頻繁に取り替えなければならず、生産性が悪くなっていた。特に、多品種少量生産に対応した場合には、加工機の稼働率が大幅に低下していた。さらに、被覆材の色分けだけでは識別できる情報の数に限りがあった。
【0005】
そこで、特許文献1に示すように、電線の被覆材に、各種情報に応じた所定の配色で着色する着色装置が提案されている。つまり、それぞれの情報に対応した位置に、情報の内容に対応した色の着色剤を付着させることで、複数の着色部を形成するものである。これによれば、それぞれの着色部の色に基づいて各種情報を認識させることができるとともに、使用される電線の種類を大幅に減らし加工機の稼働率を上げることが可能になる。
【0006】
また、特許文献1に記載の着色装置には、着色剤を電線の被覆材に向かって噴射する噴射手段(ノズル)が備えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の着色装置のように着色剤を被覆材に噴射する方法では、噴射手段から噴射された着色剤が飛散するため、着色部における着色が不鮮明となり、見栄えを低下させるとともに、色の識別が困難となるおそれがあった。特に、複数の着色部を隣接して形成する場合には、それぞれの着色部の境界がわかり難くなり、ひいては各種情報を誤って認識させることも懸念されていた。
【0008】
なお、噴射手段を電線に極力近づけて配置すれば、着色剤の飛散を抑え、不鮮明さを抑制することが可能になるが、一般に可撓性の電線を、噴射手段に対して精度よく送り込むことは難しいため、例えば電線を送る途中で、被覆材が噴射手段に接触したり離れたりし、色むらを生じさせるおそれがあった。特に、被覆材に付着した着色剤が、噴射手段に擦れた場合には、尾を引いた状態となり、他の着色部と交わるおそれもあった。
【0009】
また、噴射手段から噴射された着色剤のうち、電線に付着しなかった着色剤は、無駄になるばかりでなく、電線の近傍で浮遊し、色むらを助長させていた。
【0010】
さらに、このような噴射手段を用いて電線の被覆材に円環状の着色部を形成しようとすると、電線を中心として複数個(例えば三つ)の噴射手段を周方向に所定の間隔で配置しなければならず、これによれば複数の噴射手段が電線を中心に向き合って配置されることから、それぞれの噴射手段から噴射された着色剤が、対向する噴射手段にも付着することとなり、噴射手段の清掃や手入れに手間を要する。
【0011】
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、電線の被覆材などの着色対象物に、色むらがなく、しかも鮮明に、着色を行うことが可能な着色装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明にかかる着色装置は、
「インクを貯留可能な貯留部材と、
インクの吸収及び放出が可能なインク受渡ユニットと、
該インク受渡ユニットを、前記貯留部材に接触させ該貯留部材からインクを吸収するインク吸収位置、及び着色対象物に当接させインクを放出するインク放出位置の間で移動させる移動機構部と、を具備し、
前記インク受渡ユニットは、
毛細管現象が生じる有底の細い空隙を有し、先端部が前記貯留部材に接することで、該貯留部材に貯留されているインクを前記空隙内に吸収する吸収部材と、
前記空隙内に収容され、該空隙の先端から外部に突出する突出位置と前記空隙内に没入する没入位置との間で移動可能に支持され、前記突出位置から前記没入位置に移動することで、前記空隙内に満たされたインクを前記先端部から溢れさせる放出可動部材と、
該放出可動部材を前記突出位置側に付勢する付勢部材と
を備える」
ことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、「貯留部材」としては、合成樹脂で作った海綿状のスポンジ等、インクを吸収して保持する部材、またはインクを液体のまま収容する容器、を例示することができる。なお、貯留部材に対し必要に応じてインクを補給するインク補給手段をさらに備えるようにしてもよい。また、「着色対象物」としては電線の被覆材を例示することができるが、その他の部材を対象とすることも可能である。また、「付勢部材」としては、金属製のスプリング、伸縮性(可撓復元性)を有するゴムまたは軟質樹脂材を挙げることができる。なお、これらの付勢部材は、「放出可動部材」と一体で成形することも可能である。
【0014】
本発明の着色装置によれば、インク受渡ユニットが、インク吸収位置とインク放出位置との間で移動する。インク吸収位置に移動すると、貯留部材に接触し貯留部材に貯留されているインクを吸収する。詳しく説明すると、インク受渡ユニットは、細い空隙を有する吸収部材を備えており、その先端部が貯留部材に接すると、貯留部材に貯留されているインクを、表面張力の作用(毛細管現象)によって吸取り、空隙内に貯える。
【0015】
一方、インク受渡ユニットがインク放出位置に移動すると、着色対象物(例えば電線)に当接しインクを放出する。詳しく説明すると、インク受渡ユニットにおける吸収部材の空隙内には放出可動部材が収容されており、放出可動部材は突出位置と没入位置との間で移動可能に支持されるとともに、付勢部材によって突出位置側に付勢されているため、インク受渡ユニットが着色対象物に当接すると、放出可動部材が突出位置から没入位置に向かって変位する。つまり、放出可動部材の少なくとも一部が空隙の外に突出した状態から、空隙内に没入するように変化する。この際、空隙の底面は塞がれているため、空隙内に満たされていたインクは、放出可動部材の移動に伴って空隙の先端部から溢れ、着色対象物の表面に付着する。
【0016】
このように、空隙内のインクを溢れさせて、定量のインクを着色対象物の表面に直接付着させることから、色むらがなく、しかも鮮明な着色が可能となる。
【0017】
本発明の着色装置において、
「前記吸収部材の前記空隙は、仕切部材により幅方向が複数の区画に区切られ、
前記放出可動部材は、それぞれの前記区画に一つずつ収容されている」
構成とすることができる。
【0018】
ところで、放出可動部材を空隙内に没入させることでインクを溢れ出させる構成では、インクが放出可動部材の周囲から溢れることとなり、ひいては着色対象物に、インクを均等に付着させることが困難となる可能性がある。特に、着色部が比較的広い場合には、着色された色に濃淡が生じる可能性がある。
【0019】
これに対し、本発明の着色装置によれば、空隙の幅方向が複数の区画に区切られ、それぞれの区画に放出可動部材が一つずつ収容されているため、複数の放出可動部材が着色対象物に当接し、突出位置から没入位置に移動すると、それぞれの区画からインクが溢れ出る。したがって、着色対象物に付着させるインクを着色部全体に亘って分散させ、均等に付着させることが可能となる。
【0020】
また、本発明の着色装置において、
「前記インク受渡ユニットは、前記着色対象物に当接することで、該着色対象物の表面に複数の微細孔を生じさせる凹凸部をさらに備える」
構成とすることができる。
【0021】
ところで、電線の被覆材等、インクの吸収特性を有しない部材を着色対象物とした場合には、着色対象物の表面にインクを付着させても浸透しないため、表面に沿ってインクが広まり滲んでしまう可能性がある。
【0022】
これに対し、本発明の着色装置によれば、インク受渡ユニットの先端部に凹凸部が形成されており、インク受渡ユニットが着色対象物(例えば電線の被覆材)に当接すると、着色対象物の表面に複数の微細孔が形成される。このため、インクがそれぞれの微細孔に浸透し、吸収特性がよくなる。したがって、着色対象物の表面が例えば塩化ビニールのようにインクの吸収特性を有しない材質であっても、比較的容易に且つ鮮明に着色させることができる。
【0023】
また、本発明の着色装置において、
「前記着色対象物は電線であり、
前記貯留部材、前記インク受渡ユニット、前記移動機構部は、それぞれ一対ずつ備えられ、
一対の前記インク受渡ユニットは、前記インク放出位置において前記電線を挟持するように配置され、
一対の前記移動機構部は、インクを放出する際、それぞれの前記インク受渡ユニットを前記電線の接線に沿って反対方向に同時に直線運動させる」
構成とすることができる。
【0024】
本発明の着色装置によれば、電線の被覆材に円環帯状の着色部を形成することが可能になる。詳しく説明すると、一対のインク受渡ユニットが対向して設けられており、それぞれのインク受渡ユニットはインク放出位置に達すると、電線を挟持するように、すなわちそれぞれの吸収部材が電線に圧接した状態で向き合って配置される。また、インクを放出する際には、それぞれのインク受渡ユニットは電線を挟持したまま、電線の接線に沿って互いに反対方向に直線運動させられる。これにより、電線に回転力が加えられ、電線はそれぞれの吸収部材の先端部に沿って圧接したまま回転することとなり、ひいては電線の周面に対し円環帯状の着色部が形成される。
【発明の効果】
【0025】
このように、本発明によれば、電線の被覆材などの着色対象物に、定量のインクで、色むらがなく、しかも鮮明に、着色を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態の着色装置を備える電線処理システムの概略構成を示す模式図である。
【図2】着色装置の構成、特にインク受渡ユニットがインク吸収位置の状態を示す正面図である。
【図3】着色装置の構成、特にインク受渡ユニットがインク放出位置の状態を示す正面図である。
【図4】(a)はインク受渡ユニットを分解して斜めから見た分解斜視図であり、(b)はインク受渡ユニットの要部の構成を示す断面図である。
【図5】インク受渡ユニットの作用を模式的に示す説明図である。
【図6】着色装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】着色された電線の一例を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態である着色装置1について、図1乃至図7に基づき説明する。また、着色装置1の説明に先立ち、着色装置1が適用される電線処理システム2の構成について説明する。
【0028】
(電線処理システム全体の概略構成)
図1に示すように、電線処理装置2は、白色の電線Dを供給する電線供給機構3と、端部の被覆材が除去された所定長さの電線Dを製造する電線切断皮剥装置4と、電線供給機構3及び電線切断皮剥装置4の間に配設され電線切断皮剥装置4に供給される電線Dに対して着色部6を形成する着色装置1とを具備して構成されている。また、電線処理システム2には、電線切断皮剥装置4によって製造された電線Dの端部に圧着端子Tを圧着させる端子圧着装置7(7a〜7c)も備えられている。そして、端子圧着装置7によって端子圧着工程が行われ、その後、電線Dの端部に圧着された圧着端子TをコネクタCに接続するコネクタ接続工程が行われる。以下、各装置について詳細に説明する。
【0029】
(電線供給機構の構成)
まず、電線供給機構3は、白色の電線Dが巻かれた回転ドラム11と、回転ドラム11から繰り出された電線Dを着色装置1に向かって案内する電線送りガイド12とを備えている。また、図示しないが、回転ドラム11及び電線送りガイド12の間には、複数のローラ間を通過させることで電線Dを真直ぐに矯正する癖取器が配設されている。
【0030】
(電線切断皮剥装置の構成)
電線切断皮剥装置4は、箱型の筐体15を有し、その上面に、電線Dに対して切断加工及び皮剥加工を行うための複数の部材が取付けられている。具体的には、上面の中央部分に一対の切断切込機構16が配設され、これにより電線Dの切断及び切込を可能にしている。なお、「切込」とは、電線Dの端部の被覆材を除去するために被覆材に環状の溝を形成する工程である。切断切込機構16の紙面右側には、切断切込機構16に対して電線Dの送込み及び引戻しを行う第一電線移送機構18が配設され、切断切込機構16の紙面左側には、電線Dの引出し及び送戻しを行う第二電線移送機構19が配設されている。これらの電線移送機構18,19は、電線Dを挟持しながら回転可能な一対の送りローラ18a,19a、夫々の送りローラ18a,19aを回転させる駆動手段(図示しない)、及び駆動手段を制御することにより送りローラ18a,19aの回転数及び回転方向を変化させる駆動制御手段(図示しない)を備えている。なお、電線移送機構18は、着色装置1に電線Dを供給するための移送手段としても用いられ、送りローラ18aの回転数(すなわち駆動手段の回転数)を基に、それぞれの着色ユニット22(後述する)に対する電線Dの位置を認識することが可能になっている。また、電線移送機構18,19の間には、円筒状のガイド部材20が所定の間隔で配設されており、電線Dを円滑に移送できるように、電線Dの移送方向を規制している。また、図示しないが、電線切断皮剥装置4には、加工される電線Dの条件を設定するための操作手段が設けられており、筐体15の内部には、操作手段の出力に基づいて、切断切込機構16及び電線移送機構18,19を制御する制御ユニットが収容されている。
【0031】
(着色装置の構成)
着色装置1は、白色の電線Dに、一色または複数色のインクを順に付着させ、図7に示すように複数の着色部6を電線Dの長手方向に沿って形成するものである。なお、着色部6の色を白色とする場合には、着色部6Pに示すように、その着色部6Pの両端に一対の細い線(外郭線)を黒色で描くことで、着色部6Pの色が白色であることを明確にしている。
【0032】
着色装置1の構成について具体的に説明する。図1に示すように、着色装置1は、電線供給機構3から電線切断皮剥装置4に向って一定方向に送られる電線Dの被覆材に対し、インクを順次付着させ、円環状の着色部6を形成する複数個(本例では10個)の着色ユニット22を備えている。これらの着色ユニット22は、架台21に取着されるとともに、電線Dの送り方向(紙面左右方向)に沿って一定の間隔で並設されており、インクの色が互いに異なっている。具体的には、一番右側の着色ユニット22から順に、黒,茶,赤,橙,黄,緑,青,紫,灰,白のインクをそれぞれ付着させることが可能な10種類の着色ユニット22が並設されている。また、着色装置1の架台21には、各着色ユニット22に対し、それぞれ別々にインクを補給する複数個(本例では10個)のインク補給ユニット23(図2参照)と、電線Dに付着したインクをまとめて乾燥させる紫外線乾燥ユニット24(図1参照)とが取付けられている。
【0033】
それぞれの着色ユニット22は、図2に示すように、架台21(図1参照)に固定され中央に電線挿通孔26aが形成されたベース板26と、ベース板26に取付けられインクを貯留可能な貯留部材27と、インクの吸収及び放出が可能なインク受渡ユニット28と、インク受渡ユニット28をインク吸収位置(図2参照)及びインク放出位置(図3参照)の間で移動させる移動機構部29とを備えている。なお、詳細は後述するが、インク吸収位置とは、インク受渡ユニット28を貯留部材27に接触させ貯留部材27からインクを吸収する位置であり、インク放出位置とは、インク受渡ユニット28を着色対象物である電線Dに当接させ、電線Dの被覆材にインクを放出する位置である。また、各着色ユニット22には、貯留部材27、インク受渡ユニット28、及び移動機構部29が、それぞれ一対ずつ設けられており、ベース板26の電線挿通孔26aを中心として対称に配置されている。特に、一対のインク受渡ユニット28は、インク放出位置に移動したとき、電線Dを挟持するように配置されている(図3参照)。
【0034】
貯留部材27は、インク補給ユニット23によって補給されたインクを吸収して保持するものであり、本例では合成樹脂製のスポンジで形成されている。また、それぞれの貯留部材27は、取付部材27aを介してベース板26に固定されており、インク受渡ユニット28の先端部分が接触すると収縮し、インク受渡ユニット28が離れると復元するようになっている。
【0035】
図4に示すように、それぞれのインク受渡ユニット28は、板状のケース30と、ケース30内に収容された吸収部材32と、吸収部材32の空隙31内に収容され突出位置及び没入位置の間で移動可能な放出可動部材35と、を備えて構成されている。詳しく説明すると、ケース30は、貯留部材27または電線Dに当接可能な先端部分に、所定の深さの溝部30aが形成されるとともに、その溝部30aの中央部分から後部側(紙面左側)に向かって嵌込孔30bが形成され、後述するT字形の支持部材33を先端側から嵌入させることが可能となっている。なお、白色の着色部6を形成するためのインク受渡ユニット28には、ケース30のみが設けられ、吸収部材32及び放出可動部材35は備えられていない。つまり、ケース30の先端面のみによって一対の細い線が描かれるようになっている。
【0036】
また、ケース30の先端面、すなわち溝部30aの両側に位置し、電線Dの被覆材に当接する面には、極めて小さな複数の凹凸部39が形成されており、電線Dの被覆材に当接した際、その表面に複数の微細孔を形成することが可能となっている。この微細孔はインクを浸透させるために形成され、これによれば、電線Dの被覆材がインクの吸収特性を有しない材質で形成されているにも拘らず、インクを比較的容易に且つ鮮明に付着することが可能になっている。
【0037】
吸収部材32は、先端部が貯留部材27に接することで、貯留部材27に貯留されているインクを表面張力の作用(毛細管現象)によって吸取るものである。具体的に吸収部材32は、ケース30との協働で溝部30a内に空隙31を形成するT字形の支持部材33と、空隙31に収容され、空隙31を複数の区画38(図5(a)参照)に仕切る略C字形の複数の仕切部材34とを備えている。支持部材33は、ケース30の嵌込孔30bに嵌挿される棒状の軸部33a及び掛止爪部33bと、ケース30の溝部30a内に空隙31を形成する空隙形成部33cと、空隙31内に収容された複数枚の仕切部材34及び放出可動部材35を保持する保持部33dとから構成されている。ここで、爪部33bは軸部33aに対し弾性変形可能に設けられており、底部分が幅広に形成された嵌込孔30b内で復元させることで、嵌込孔30bから抜けないように支持されている。また、空隙31は有底の空間であり、毛細管現象を生じさせることが可能な大きさの隙間となっている。なお、仕切部材34は金属製であり、極めて薄く形成されている。
【0038】
放出可動部材35は、仕切部材34と略同じ厚みの金属板で形成され、隣接する仕切部材34の間に挟まれるように空隙31に収容されている(模式的に示す図5(a)を参照)。また、放出可動部材35は、略C字形に形成されており、支持部材33の保持部33dによって係止されるとともに、支持部材33の空隙形成部33cと保持部33dとの間に挿入される部分が弾性を有している。つまり、図4(b)に示すように、放出可動部材35には、付勢部材37が一体成形されており、これにより、放出可動部材35の先端部分35aがケース30の溝部30aから外部に突出するように付勢されている。
【0039】
一方、図2に示すように、着色ユニット22には、一対の移動機構部29が左右に並んで配置されており、紙面右側の移動機構部29は、右側のインク受渡ユニット28を上下に移動させるため、ベース板26に固定され上下方向に配設された第一リニアガイド41と、第一リニアガイド41に沿って摺動可能な第一摺動部材42と、第一摺動部材42の前面側に連結されるとともにインク受渡ユニット28を取着した第一可動部材43と、第一可動部材43の下端をピストン45によって押圧するエアシリンダ44とを備えている。つまり、エアシリンダ44の動作によって右側のインク受渡ユニット28が上方の位置(インク放出位置)に移動するように構成されている。なお、第一可動部材43の上端部分は、左右一対の切欠(図示しない)によって三分割されており、その中央に位置する部分にスプリング47が装着されている。このスプリング47は、インク放出位置に移動した際、ベース板26に固定されたバネ受け部46に当接するものであり、第一可動部材43を滑らかに停止させることを可能にしている。また、第一可動部材43の下部左側面には、ラック43aが形成されており、ベース板26に軸支されたピニオン49に噛合されている。
【0040】
また、紙面左側の移動機構部29は、左側のインク受渡ユニット28を上下に移動させるため、ベース板26に固定され上下方向に配設された第二リニアガイド50と、第二リニアガイド50に沿って摺動可能な第二摺動部材51と、第二摺動部材51の前面側に連結された第二可動部材52とを備えており、第二可動部材52の下部右側面に形成されたラック52aがピニオン49に噛合されている。つまり、第一可動部材43がエアシリンダ44によって上方へ移動すると、ピニオン49を介して第二可動部材52が下方へ移動するように構成されている。また、第二可動部材52の可動側係止部53とベース板26の固定側係止部54との間にスプリング55が掛け渡されており、スプリング55の弾性力によって第二可動部材52及び第一可動部材43を元の位置(インク吸収位置)に復帰させるようになっている。
【0041】
インク補給ユニット23は、図2に示すように、ベース板26に取着されそれぞれの貯留部材27まで延出された一対の供給管60と、内部にインクが収容されピストン61aを押圧することによって先端からインクを送出する一対の注入器61と、それぞれの注入器61の先端と供給管60の一端とを繋ぐゴム管62と、モータ63(図6参照)を有しモータ63の回転を制御することにより、注入器61におけるピストン61aを任意の距離だけ移動させる押出し機構(図示しない)と、を備えている。
【0042】
また、紫外線乾燥ユニット24は、図1に示すように、高圧水銀ランプ等からなる照射器(図示しない)を備えており、電線Dの被覆材に付着されたインク(紫外線硬化型塗料)に対して紫外線を照射することにより、インクを瞬間的に乾燥させるものである。これによれば、着色ユニット22によって複数の着色部6を形成した後、すぐに電線切断皮剥装置4へ移送させることが可能となる。このため、着色装置1による着色処理と電線切断皮剥装置4による切断皮剥工程とを連続的に行うことができ、生産性が高められる。
【0043】
ところで、本実施形態の着色装置1は、演算及び制御を行う中央情報処理装置(CPU)と、読み出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)からなる補助記憶装置とを備えており、予め入力されたプログラムに従って、着色装置1のコントローラに指令を出力するようになっている。図6に基づき詳しく説明すると、着色装置1には、機能的な構成として、複数の加工工程における電線の加工情報を作業者に数値で入力させるための加工情報入力手段65と、数値と色との関連付けが記憶された色相情報記憶部66と、入力された加工情報に対応する色を夫々設定する色相設定手段67と、設定された複数の色を順に並べて色の配列パターンを生成する配列パターン生成手段68とを備えている。また、着色装置1は、電線切断皮剥装置4の第一電線移送機構18に設けられたローラ18aの回転数に基づいてそれぞれの着色ユニット22に対する電線Dの位置を認識する電線位置認識手段69と、それぞれの着色ユニット22の配列(すなわち、それぞれ着色ユニット22によって付着されるインクの色の配列)を記憶する着色ユニット配列記憶部70とを備えている。さらに、着色装置1は、配列パターン生成手段68によって生成された配列パターン、電線位置認識手段69によって認識された電線Dの位置、及び着色ユニット配列記憶部70に記憶されたインクの色の配列に基づいて、各エアシリンダ44を駆動し、配列パターンに応じた複数の着色部6を電線Dの長手方向に沿って形成する着色制御手段71を備えている。
【0044】
ここで、加工情報入力手段65によって入力される加工情報には、コネクタCのハウジングに関するハウジング情報、及び電線Dを接続するコネクタCに関するコネクタ情報が含まれている。なお、コネクタ情報には、コネクタCの極数、コネクタCに接続される電線の本数、及び電線Dを接続するピン番号が含まれている。また、加工情報に加え、電線Dの種別や加工工程に関する管理情報、及び電線Dの使用者が任意に設定することが可能な顧客情報も入力することが可能となっている。なお、夫々の情報は十進数で表すように、情報の内容と数値とが予め対応付けられており、例えばハウジング情報は二桁の数値、コネクタ情報は夫々二桁(合計六桁)の数値、管理情報は五桁の数値、顧客情報は三桁の数値で表される。
【0045】
色相情報記憶部66には、十進数で用いられる「0」〜「9」までの数値と、夫々の数値に対応する色との関連付けが記憶されている。本例では、JIS C5062(IEC62)で定義されている固定抵抗器のカラーコードと同じ関連付けを採用しており、数値の「0,1,2,3,4,5,6,7、8,9」を夫々「黒,茶,赤,橙,黄,緑,青,紫,灰,白」に対応付けている。
【0046】
色相設定手段67は、色相情報記憶部66に記憶されている関連付けに基づいて、加工情報入力手段65によって入力された加工情報に対応する色を夫々設定する。例えば、図7に示すように、ハウジング情報が「20」、管理情報が「15428」の場合には、夫々の情報に対応する色として「赤,黒」、「茶,緑,黄色,赤,灰」が設定される。また、同様に、コネクタ情報におけるピン番号が「06」、本数が「12」、極数が「13」の場合には、夫々の情報に対する色として「黒,青」、「茶,赤」、「茶,橙」が設定される。さらに、顧客情報が「629」の場合には、顧客情報に対する色として「青,赤,白」が設定される。
【0047】
配列パターン生成手段68は、色相設定手段67で設定された各色相を情報順、具体的には、ハウジング情報、管理情報、コネクタ情報、及び顧客情報の順で並べることにより、色相の配列パターンを生成する。例えば上記の例では、「赤、黒、茶、緑、黄、赤、灰、黒、青、茶、赤、茶、橙、青,赤、白」が配列パターンとして設定される。なお、配設パターンには、夫々の情報に対応した着色位置を示す位置データも含まれており、隣合う着色部6同士の間に所定の隙間が生じるように、特に各情報の区切りの隙間が広くなるように複数の色が一列に配列される。また、複数の情報のうち入力されなかった情報がある場合には、その情報に対応する位置には情報がないことを示す無色の色相が設定されるようになっている。
【0048】
着色制御手段71は、一方向に送られる電線Dに対して配列パターンに応じた着色を行えるように、配列パターン生成手段68によって生成された配列パターン(すなわちそれぞれの着色部6の位置とそこに着色される色との関係)と、着色ユニット配列記憶部70によって記憶された色の配列と、電線位置認識手段69によって認識される着色部6の位置とから、それぞれの着色部6が、対応する色の着色ユニット22に達したかを判定し、達したときに、その着色ユニット22のエアシリンダ44を動作させることで、それぞれの着色部6に、対応する色のインクを付着させる。これにより、着色部6a,6bにはハウジング情報に対応する色が付けられ、同様に、着色部6c,6d,6e,6f,6gには管理情報に対応する色、着色部6h,6iにはコネクタ情報のピン番号に対応する色、着色部6j,6kには本数に対応する色、着色部6l,6mには極数に対応する色、着色部6n,6o,6pには顧客情報に対応する色が夫々付けられる。したがって、作業者は、夫々の着色部6における色及び位置を確認することにより、夫々の情報を認識することが可能になる。
【0049】
また、着色装置1は、機能的な構成として、作業者によって入力された情報に基づいて電線Dの直径を認識する電線径認識手段73と、各着色ユニット22におけるエアシリンダ44の作動回数をカウントしそれぞれの着色ユニット22による着色回数を認識する着色回数認識手段74と、電線径認識手段73によって認識された電線Dの直径、及び着色回数認識手段74によって認識された着色回数に基づいて、それぞれの着色ユニット22におけるインクの使用量(すなわち貯留部材27の乾き具合)を推測し、その使用量に応じてモータ63の回転を制御することで、インク補給ユニット23によるインクの補給量を制御する着色剤補給制御手段75とを備えている。これにより、貯留部材27に貯留されるインクの量を適量に保ち、インク受渡ユニット28の吸収部材32によるインクの吸収を安定化させることが可能になっている。
【0050】
次に、着色装置1における着色ユニット22の作用について、図2、図3、及び図5を基に説明する。なお、図5は、インク受渡ユニット28の構成を模式的に示したものである。待機状態では、図2及び図5(b)に示すように、インク受渡ユニット28は、インク吸収位置に移動し、貯留部材27に当接する。インク受渡ユニット28は、空隙31を有する吸収部材32を備えており、その先端部が貯留部材27に接するため、貯留部材27に貯留されているインクLが、表面張力の作用(毛細管現象)によって吸い取られ、空隙31内に貯えられる。特に、空隙31は幅方向が仕切部材34によって複数の区画38に区切られているため、それぞれの区画38内にインクLが満たされる。
【0051】
一方、電線Dにインクを付着させる場合には、図3及び図5(c)に示すように、インク受渡ユニット28は、エアシリンダ44の動作によってインク放出位置に移動し、電線Dの被覆材に当接する。インク受渡ユニット28における吸収部材32の空隙31内には放出可動部材35が収容されており、放出可動部材35は付勢部材37によって突出位置側に付勢されている(図5(a)参照)ため、インク受渡ユニット28が電線Dの被覆材に当接すると、放出可動部材35が突出位置から没入位置に向かって変位する。つまり、放出可動部材35の一部が空隙31の外へ突出した状態から、空隙31内に没入するように変化する。この際、空隙31の底面は塞がれているため、空隙31内に満たされていたインクLは、放出可動部材35の移動に伴って空隙31の先端側から溢れ、電線Dの表面に付着する。特に、放出可動部材35は、それぞれの区画38に一つずつ収容されているため、複数の放出可動部材35が電線Dに当接し、突出位置から没入位置に移動すると、それぞれの区画38からインクが溢れ出る。したがって、電線Dの着色部6に付着させるインクLを着色部6全体に亘って分散させ、均一に付着させることが可能となる。
【0052】
また、インク受渡ユニット28におけるケース30(図4参照)の先端部には凹凸部39が形成されているため、吸収部材32が電線Dに圧接すると、着色部6の表面に複数の微細孔が形成される。
【0053】
さらに、一対のインク受渡ユニット28は対向して設けられており、互いに連動するとともに、インク放出位置に達すると、図3に示すように、電線Dを挟持するように、すなわちそれぞれの吸収部材32が電線Dに圧接した状態で向き合って配置される。また、インクLを放出する際には、それぞれのインク受渡ユニット28は電線Dを挟持したまま、電線Dの接線に沿って互いに反対方向に直線運動する。これにより、電線Dに回転力が加えられ、電線Dはそれぞれの吸収部材32の先端部に沿って圧接したまま回転する。すなわち、一対の吸収部材32の先端部が電線Dの周囲に沿って順に圧接することから、電線Dの周面に円環帯状の着色部6が形成される。
【0054】
なお、着色動作の終了後、エアシリンダ44による押圧が解除されると、一対のインク受渡ユニット28は、スプリング55の復元力によってインク放出位置からインク吸収位置に戻る。これにより、電線Dは挟持された状態から開放され、長手方向に送ることが可能になる。また、インク受渡ユニット28は、インク吸収位置に戻るため、再び区画38内にインクLが満たされた状態となる。
【0055】
以上のように、本実施形態の着色装置1によれば、空隙31内のインクLを溢れさせて、定量のインクLを電線Dの被覆材の表面に直接付着させることから、色むらがなく、しかも鮮明に着色することができる。
【0056】
また、本実施形態の着色装置1によれば、空隙31の幅方向が複数の区画38に区切られ、それぞれの区画38に放出可動部材35が一つずつ収容されているため、着色部6全体に亘ってインクLを分散させ、均一に付着させることができる。
【0057】
また、本実施形態の着色装置1によれば、インク受渡ユニット28の先端部に凹凸部39が形成されているため、被覆材がインクの吸収特性を有しない材質であるにも拘らず、比較的容易に且つ鮮明に着色することができる。
【0058】
また、本実施形態の着色装置1によれば、一対のインク受渡ユニット28によって電線Dを挟持しながら回転させるため、電線Dの周囲に沿って円環帯状の着色部6を形成することができる。
【0059】
さらに、本実施形態の着色装置1によれば、電線供給機構3と電線切断皮剥装置4との間に配設され、電線供給機構3から送られた白色の電線Dに対してインクLを付着させるため、着色部6を形成する工程と、所定長さの電線を製造する工程とを一連の工程として連続的に行うことができる。また、電線切断皮剥装置4の切断切込機構16によって電線Dが切断される前にインクを付着させるため、切断された所定長さの電線Dを保持しながら一定方向に移動させるような特別の機構を備える必要がなく、電線送り機構の構成をシンプルなものとすることができる。
【0060】
以上、本発明を実施するための最良の形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すように本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計の変更が可能である。
【0061】
すなわち、上記実施形態では、各着色部6の間にインクLを付着させない領域(すなわち隙間)を形成するものを示したが、隙間を形成することなく複数の着色部6を連続的に形成するようにしてもよい。これによれば、所定の長さの電線に対して一層多くの情報を付与することが可能になる。
【0062】
また、上記実施形態では、数値化された情報と色との対応付けとして、固定抵抗のカラーコードと同様の方式を採用したが、カラーコードと関係のない対応付けを採用することもできる。但し、固定抵抗のカラーコードは慣用的に用いられ周知性が高いため、着色部6の色と加工情報との間での変換ミスを極力抑えることができる。
【0063】
また、上記実施形態では、インクとして紫外線硬化型の塗料を用い、紫外線乾燥ユニット24によって乾燥させるものを示したが、乾燥装置の構成は特に限定されるものではなく、例えば熱風を吹付けることによって乾燥させる構成を採用してもよい。
【0064】
さらに、上記実施形態の着色装置1では、一定方向に送られる電線Dに対し、複数の着色部6を順次形成するもの、すなわちそれぞれの着色部6の色と、それぞれの着色ユニット22によって付着させるインクの色とが一致する順に、着色ユニット22を動作させるものを示したが、電線Dを双方向に送り、着色部6の配列順または着色ユニット22の配列順に、それぞれの着色ユニット22を動作させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 着色装置
27 貯留部材
28 インク受渡ユニット
29 移動機構部
31 空隙
32 吸収部材
34 仕切部材
35 放出可動部材
37 付勢部材
38 区画
39 凹凸部
D 電線(着色対象物)
L インク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】国際公開第2004/049354号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを貯留可能な貯留部材と、
インクの吸収及び放出が可能なインク受渡ユニットと、
該インク受渡ユニットを、前記貯留部材に接触させ該貯留部材からインクを吸収するインク吸収位置、及び着色対象物に当接させインクを放出するインク放出位置の間で移動させる移動機構部と、を具備し、
前記インク受渡ユニットは、
毛細管現象が生じる有底の細い空隙を有し、先端部が前記貯留部材に接することで、該貯留部材に貯留されているインクを前記空隙内に吸収する吸収部材と、
前記空隙内に収容され、該空隙の先端から外部に突出する突出位置と前記空隙内に没入する没入位置との間で移動可能に支持され、前記突出位置から前記没入位置に移動することで、前記空隙内に満たされたインクを前記先端部から溢れさせる放出可動部材と、
該放出可動部材を前記突出位置側に付勢する付勢部材と
を備える
ことを特徴とする着色装置。
【請求項2】
前記吸収部材の前記空隙は、仕切部材により幅方向が複数の区画に区切られ、
前記放出可動部材は、それぞれの前記区画に一つずつ収容されている
ことを特徴とする請求項1に記載の着色装置。
【請求項3】
前記インク受渡ユニットは、前記着色対象物に当接することで、該着色対象物の表面に複数の微細孔を生じさせる凹凸部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着色装置。
【請求項4】
前記着色対象物は電線であり、
前記貯留部材、前記インク受渡ユニット、前記移動機構部は、それぞれ一対ずつ備えられ、
一対の前記インク受渡ユニットは、前記インク放出位置において前記電線を挟持するように配置され、
一対の前記移動機構部は、インクを放出する際、それぞれの前記インク受渡ユニットを前記電線の接線に沿って反対方向に同時に直線運動させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の着色装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−39550(P2013−39550A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179877(P2011−179877)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(593098646)株式会社小寺電子製作所 (22)
【Fターム(参考)】