説明

睡眠環境調整システム及び睡眠環境調整方法

【課題】快適な睡眠環境を形成するための光・音・温度の制御による睡眠環境調整方法及びこれを実現する睡眠環境調整システムを提案する。
【解決手段】光発生手段14と、音発生手段16と、空調手段18とを少なくとも備えた睡眠環境調整システム10にて、入眠時刻までの温度入眠準備時間をかけて温度を約3℃低下させ、前記入眠時刻から光入眠予備時間をかけて、約30ルクスから約0ルクスまで照度を減少させ、前記入眠時刻から、前記光入眠予備時間よりも長い音入眠予備時間をかけて、任意の音量から約0デシベルまで音量を減少させる。起床時刻までに温度起床準備時間をかけて、温度を約3℃上昇させ、前記起床時刻までに光起床準備時間をかけて、約0ルクスから約1000ルクスまで照度を増大させ、前記起床時刻までに音起床準備時間をかけて、約0デシベルから所定の起床設定音量まで、音量を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、快適な入眠、睡眠及び起床を与える睡眠環境を形成するための睡眠環境調整方法及びこれを実現する睡眠環境調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代人の多くは、昼は太陽の光より暗い室内で過ごし、夜は明るい環境で過ごすという、自然界の昼夜の明暗変化に則らない生活をしている。このため、日中に十分な光の刺激を受けずにいると、睡眠が浅くなったり、目覚めが悪くなったりという不調が現れることがわかっており、従来、生体リズムを整えるために、光で刺激を与えることが行われている。
【0003】
また、起床時において、周囲が暗い状態で目覚まし時計の音が鳴ると、就寝者の身体が急な刺激に驚き、不快感を招くことがあるため、就寝者の身体に光を徐々に浴びせて起床準備を促し、起床準備が整った状態で該就寝者に目覚まし時計の音の刺激を与えて、該就寝者を心地よく目覚めさせるための技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、目覚まし時計、ラジオ、テレビ、テープレコーダ又はレコードプレーヤである覚醒器具と、照明器具とを備えた、目覚装置が提案されている。この目覚装置は、照明器具の照度を小から大に自動変化させるとともに、覚醒機器よりも先に照明器具を出力させて、目覚まし音が鳴る前に、周囲の環境を徐々に明るくして、就寝者を快適に目覚めさせることができるようにしたものである。
【0005】
また、心地良い目覚めのために、就寝者に与える光の照度変化を制御するとともに、これに合わせて音や空調を制御する技術が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献2では、光出力を変化させる照明制御プログラムを実行する制御回路を有する照明機器と、エアコン、目覚まし時計、オーディオ、テレビ、ラジオ、調理器などの家電製品である「照明以外の他機器」を備えた、照明装置が提案されている。この照明装置は、照明機器と、照明以外の他機器の制御回路に赤外線のリモコン受光部を設けて制御信号を送信し、照明以外の他機器の出力を照明制御プログラムに連動するように制御することによって、使用者に人間工学的に快起、入眠、リラックス等をできるようにしたものである。
【特許文献1】特開昭60−250290号公報
【特許文献2】特開2004−146227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、光と、その他の複数の環境要素を統合して制御するものが公知となっており、照明の照度の変化や値、空調の温度制御など、個々の環境要素に関して最適条件を提案したものはあるが、これらの連係を最適に組み合わせた提案はない。
【0008】
また、睡眠環境は個別性が高く、個々の人によって快適と感じる睡眠のための環境(温度、湿度、音響、照明等)は異なることが一般的である。このような人によって異なる快適にきめ細かく対応して睡眠環境を整え、睡眠の質を向上させるためには、図1に示すように、寝室全体の環境(二次睡眠環境)と、寝具で寝ている人の周りの環境(1.5次睡眠環境)と、寝具と人とで形成される環境(一次睡眠環境)とに分けて、これらの環境を制御するアプローチが有効である。
【0009】
この、1.5次睡眠環境を個々に制御可能とすることにより、複数人のための寝室であっても、同室で眠る他人からの干渉を受けることなく個々が快適な睡眠環境を得ることができる。しかし、従来、睡眠環境の制御が及ぶ範囲は、寝具や寝具に備える懐炉や電気毛布等の暖房具などにより形成される一次睡眠環境や、寝室に設けられた空調装置や照明器具などにより形成される二次睡眠環境であることが、一般的である。
【0010】
そこで、本発明では上記従来技術及び上記課題に鑑み、快適な入眠、睡眠及び起床を与える睡眠環境を形成するための光・音・温度の制御と、これを用いて上記1.5次睡眠環境を整えることが可能な、睡眠環境調整システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
即ち、請求項1においては、光発生手段と、前記光発生手段の発光量を調整する光制御手段と、音発生手段と、前記音発生手段の発音量を調整する音制御手段と、空調手段と、前記空調手段より発生する冷風又は温風の温度及び風量を調整する温度制御手段と、時間計測を行う計時手段と、前記光制御手段、音制御手段及び温度制御手段を制御する制御手段とで、睡眠環境調整システムを構成し、前記制御手段の制御信号を受けて前記温度制御手段は、所定の入眠時刻までの所定の温度入眠準備時間をかけて、温度を約3℃低下させるように、前記空調手段を動作させ、前記制御手段の制御信号を受けて前記光制御手段は、前記入眠時刻から所定の光入眠予備時間をかけて、約30ルクスから約0ルクスまで照度を減少させるように、光発生手段を動作させ、前記制御手段の制御信号を受けて前記音制御手段は、前記入眠時刻から、前記光入眠予備時間よりも長い所定の音入眠予備時間をかけて、任意に設定した音量から約0デシベルまで音量を減少させるように、前記音発生手段を動作させるものである。
【0013】
請求項2においては、前記温度入眠準備時間を、1〜5時間の範囲にある時間とし、前記光入眠予備時間を、5〜30分の範囲にある時間とし、前記音入眠予備時間を、10〜30分の範囲にある時間とするものである。
【0014】
請求項3においては、光発生手段と、前記光発生手段の発光量を調整する光制御手段と、音発生手段と、前記音発生手段の発音量を調整する音制御手段と、空調手段と、前記空調手段より発生する冷風又は温風の温度及び風量を調整する温度制御手段と、時間計測を行う計時手段と、前記光制御手段、音制御手段及び温度制御手段を制御する制御手段とで、睡眠環境調整システムを構成し、前記制御手段の制御信号を受けて前記温度制御手段は、所定の起床時刻までに所定の温度起床準備時間をかけて、温度を約3℃上昇させるように、前記空調手段を動作させ、前記制御手段の制御信号を受けて前記光制御手段は、前記起床時刻までに所定の光起床準備時間をかけて、約0ルクスから約1000ルクスまで照度を増大させるように、光発生手段を動作させ、前記制御手段の制御信号を受けて前記音制御手段は、前記起床時刻までに所定の音起床準備時間をかけて、約0デシベルから所定の起床設定音量まで、音量を増大させるように、前記音発生手段を動作させるものである。
【0015】
請求項4においては、前記温度起床準備時間を、2〜5時間の範囲にある時間とし、前記光起床準備時間を、1〜3時間の範囲にある時間とし、前記音起床準備時間を、1〜3時間の範囲にある時間とするものである。
【0016】
請求項5においては、カーテンで寝具の周囲を包囲して画成した空間の睡眠環境を整えるために設けたものである。
【0017】
請求項6においては、就寝者の睡眠環境を調整するために、光発生手段と、音発生手段と、空調手段とを少なくとも備えた睡眠環境調整システムにて、前記空調手段にて、所定の入眠時刻までの所定の温度入眠準備時間をかけて、温度を約3℃低下させる過程と、前記光発生手段にて、前記入眠時刻から所定の光入眠予備時間をかけて、約30ルクスから約0ルクスまで照度を減少させる過程と、前記音発生手段にて、前記入眠時刻から、前記光入眠予備時間よりも長い所定の音入眠予備時間をかけて、任意に設定した音量から約0デシベルまで音量を減少させる過程とを、具備する睡眠環境調整方法である。
【0018】
請求項7においては、前記温度入眠準備時間を、1〜5時間の範囲にある時間とし、前記光入眠予備時間を、5〜30分の範囲にある時間とし、前記音入眠予備時間を、10〜30分の範囲にある時間とするものである。
【0019】
請求項8においては、就寝者の睡眠環境を調整するために、光発生手段と、音発生手段と、空調手段とを少なくとも備えた睡眠環境調整システムにて、前記空調手段にて、所定の起床時刻までに所定の温度起床準備時間をかけて、温度を約3℃上昇させる過程と、前記光発生手段にて、前記起床時刻までに所定の光起床準備時間をかけて、約0ルクスから約1000ルクスまで照度を増大させる過程と、前記音発生手段にて、前記起床時刻までに所定の音起床準備時間をかけて、約0デシベルから所定の起床設定音量まで、音量を増大させる過程とを、具備する睡眠環境調整方法である。
【0020】
請求項9においては、前記温度起床準備時間を、2〜5時間の範囲にある時間とし、前記光起床準備時間を、1〜3時間の範囲にある時間とし、前記音起床準備時間を、1〜3時間の範囲にある時間とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0022】
請求項1においては、光、音、温度の睡眠環境調整制御を行うことによって、入眠時の就寝者の体温変動が速やかに行われて該就寝者の身体を速やかに睡眠させる状態に導くことができ、メラトニン分泌量増大により就寝者は深い眠りを得ることができ、さらに、就寝者は、リラックスした状態で入眠することができる。これにより、就寝者は総合的に質の良い睡眠を得ることができる。
【0023】
請求項2においては、光、音、温度の睡眠環境調整制御に好適な時間設定を与え、効果的に睡眠環境調整システムを動作させることができる。
【0024】
請求項3においては、光、音、温度の睡眠環境調整制御を行うことによって、起床時の就寝者の体温変動が速やかに行われて該就寝者の身体を速やかに覚醒させる状態に導くことができ、メラトニン分泌抑制と光刺激により覚醒度の向上により就寝者は眠りから覚めやすい状態を得ることができ、さらに、就寝者は、活動的に気分を高めた状態で起床することができる。これにより、就寝者は総合的に質の良い睡眠を得ることができる。
【0025】
請求項4においては、光、音、温度の睡眠環境調整制御に好適な時間設定を与え、効果的に睡眠環境調整システムを動作させることができる。
【0026】
請求項5においては、カーテンに囲まれた空間の外への、光の漏れ、音の伝播及び気流の流出が抑制されて心理的にも隣のベッドからの独立感が得られるので、カーテンに囲まれた空間内に独立した睡眠環境を形成可能である。このように就寝者に個別の睡眠環境を形成することによって、同一の寝室に在りながらも、各就寝者に好適な睡眠環境の差異や、各就寝者の生活時間の差異があっても、これに煩わされることなく、個々の就寝者に適した光、音、温度の睡眠環境を整えることができる。
【0027】
請求項6においては、光、音、温度の睡眠環境調整制御を行うことによって、入眠時の就寝者の体温変動が速やかに行われて該就寝者の身体を速やかに睡眠させる状態に導くことができ、メラトニン分泌量増大により就寝者は深い眠りを得ることができ、さらに、就寝者は、リラックスした状態で入眠することができる。これにより、就寝者は総合的に質の良い睡眠を得ることができる。
【0028】
請求項7においては、光、音、温度の睡眠環境調整制御に好適な時間設定を与え、効果的に睡眠環境調整システムを動作させることができる。
【0029】
請求項8においては、光、音、温度の睡眠環境調整制御を行うことによって、起床時の就寝者の体温変動が速やかに行われて該就寝者の身体を速やかに覚醒させる状態に導くことができ、メラトニン分泌抑制と光刺激により覚醒度の向上により就寝者は眠りから覚めやすい状態を得ることができ、さらに、就寝者は、活動的に気分を高めた状態で起床することができる。これにより、就寝者は総合的に質の良い睡眠を得ることができる。
【0030】
請求項9においては、光、音、温度の睡眠環境調整制御に好適な時間設定を与え、効果的に睡眠環境調整システムを動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は睡眠環境の考え方を説明する図、図2は本発明に係る睡眠環境調整システムのブロック図、図3は本発明の実施例に係る睡眠環境調整システムを備えた寝室の様子を示す図、図4は寝室家具の構造を示す図である。
図5は睡眠環境制御における光・音・温度の変化を示す図である。
図6は入眠時の睡眠環境制御の流れ図、図7は起床時の睡眠環境制御の流れ図である。
図8は光制御手段による照度制御をした場合の温度制御の有無の対比結果を示す図、図9は音制御手段による音量制御の結果を示す図、図10は睡眠環境調整システムの効果を説明する図である。
【0032】
本発明に係る睡眠環境調整方法及び睡眠環境調整システム10は、主に、就寝者の光環境、音環境及び温度環境を整えることによって、該就寝者に心地よい眠りを提供するためのものである。
【0033】
図2に示すように、前記睡眠環境調整システム10は、制御手段11、計時手段12、光制御手段13、光発生手段14、音制御手段15、音発生手段16、温度制御手段17、及び空調手段18等で構成される。
【0034】
前記光制御手段13は、照度調整可能である光発生手段14より発する光の照度を制御する手段である。なお、後述するが、睡眠環境調整システム10に発光色の異なる複数の照明を備えて、光発生手段14より発する光の色を光制御手段13にて制御することもできる。前記光制御手段13は、制御手段11に電気的に接続されており、制御手段11の制御信号を受けて光発生手段14を動作させる。
【0035】
前記音制御手段15は、音量調整可能な音発生手段16より発する音の音量を制御する手段である。該音制御手段15は、制御手段11に電気的に接続されており、制御手段11の制御信号を受けて音発生手段16を動作させる。
【0036】
前記温度制御手段17は、空調手段18より送風される冷風又は温風の温度や風量を制御する手段である。該温度制御手段17は、制御手段11に電気的に接続されており、制御手段11の制御信号を受けて空調手段18を動作させる。
【0037】
前記制御手段11は、上記光制御手段13、音制御手段15、温度制御手段17に対して制御信号を送信し、これらを連係動作させるように制御する手段である。制御手段11には、前記計時手段12が接続される。該計時手段12では、設定された入眠時刻及び起床時刻に関わる時間計測を行うことができる。
【0038】
なお、前記制御手段11に赤外線信号送信部段を設け、光制御手段13、音制御手段15及び温度制御手段17には赤外線信号受信部を設けて、これらの赤外線信号送信部及び赤外線信号受信部とから成る赤外線通信手段を利用して、制御手段11と、光制御手段13、音制御手段15又は温度制御手段17との間で制御信号の送受信を行うことができる。
この場合、就寝者の就寝場所近傍に制御手段11及び該制御手段11への入力手段を配置すれば、睡眠環境調整システム10における光・音・温度の調整を制御手段11にて一元管理できるため、複数台のリモコン等の操作手段を用いる操作の煩雑性を解消することができる。
【0039】
上記睡眠環境調整システム10は、例えば、図3及び図4に示すような、寝室に設けられた寝室家具に構成される。この例に示す寝室では、二台のベッド20・20が備えられ、二人が同室で就寝するための部屋とされている。
【0040】
前記各ベッド20は、床に載置されたベッドフレーム24と、該ベッドフレーム24に載置されたマット23と、頭部に設けられたヘッドボード22とで構成される。このベッド20のヘッドボード22の両側部には、該ヘッドボード22を挟み込む状態に収納25・25が設けられる。
【0041】
前記ベッド20のヘッドボード22には、タッチパネル28が設けられる。該タッチパネル28は、睡眠環境調整システム10の制御手段11に、設定温度、設定音量、設定照度などの環境制御のための情報や、入眠時刻及び起床時刻などの制御のための情報を入力する、該制御手段11への入力手段として機能するものである。
【0042】
また、このタッチパネル28では、音発生手段16にて発生させる音の再生・停止や、発生させる音の選択などの、音制御手段15に対する入力操作を、制御手段11を介して行うことができる。
さらに、前記タッチパネル28では、光発生手段14にて発生させる光の点灯・消灯や、発生させる光の色の選択などの、光制御手段13に対する入力操作を、制御手段11を介して行うことができる。
これに加え、前記タッチパネル28では、空調手段18にて発生させる冷風又は温風の運転・停止や、発生させる冷風又は温風の温度・風量などの、温度制御手段17に対する入力操作を、制御手段11を介して行うことができる。
【0043】
また、前記ベッド20・20の上方には、下がり天井21が設けられる。すなわち、寝室の天井よりも、更に低い天井が設けられる。この下がり天井21を設けることで、ベッド20で就寝する就寝者から天井が近くなり、該就寝者は適度な圧迫感を得ることができ、心理的に眠りに入り易い環境が形成される。
【0044】
そして、前記下がり天井21の天井面には、各ベッド20・20の周囲を個々に囲うカーテン27のためのレール26が設けられる。該レール26に垂下されたカーテン27により、同室内に在る各ベッド20・20を、独立した空間に配置することが可能と成る。
【0045】
なお、カーテン27は、レース等の半透過布材から成り、空間を視覚的に柔らかに画成しながらも、該カーテン27に囲まれた空間の外への、光の漏れ、音の伝播及び気流の流出を抑制し、カーテン27に囲まれた空間内に独立した睡眠環境を形成可能としている。
このように就寝者に個別の睡眠環境を形成することによって、同一の寝室に在りながらも、各就寝者に好適な睡眠環境の差異や、各就寝者の生活時間の差異があっても、これに煩わされることなく、個々の就寝者に適した睡眠環境を整えることができる。
【0046】
前記下がり天井21の内部には、空調手段18が構成される。そして、該空調手段18からの冷風又は温風の吹出口は、下がり天井21の天井面(吹出口30・30)と、前記ベッド20のヘッドボード22(吹出口29)とに、それぞれ設けられる。
【0047】
下がり天井21の吹出口30から吹き出された冷風又は温風によって、前記カーテン27で画成された空間内の温度が調節される。すなわち、図1に示す「1.5次睡眠環境」の温度調整を可能となる。
また、ヘッドボード22の吹出口29から吹き出された冷風又は温風によって、就寝者の頭部を冷却することができ、睡眠に好適な「足暖頭冷」の温度環境の形成を図ることができる。
【0048】
前記収納25には、オーディオプレーヤ等の音発生手段16が配置される。そして、該音発生手段16の出力部を構成する振動子が、ベッド20のヘッドボード22に貼設され、該ヘッドボード22が音発生手段16の出力部であるスピーカとして機能する。
これにより、ヘッドボード22全体から音が発生するので、就寝者は、眠りに引き込まれるようなサウンドに包まれることとなる。
【0049】
また、前記ベッド20のヘッドボード22の内部には、光発生手段14としての照明装置14Aが設けられる。この照明装置14Aでは、夜の光をイメージした電球色の蛍光灯より光が発生し、発生した光の照度を変化させることができる。照明装置14Aから発された光はヘッドボード22の周囲を照らし、就寝者にとって間接照明となる。就寝前のくつろぎ時間には、この照明装置14Aを点灯して、睡眠準備のために気持ちをリラックスさせることができる。
【0050】
一方、前記照明装置14Aの上方には、光発生手段14としての照明装置14Bが設けられる。この照明装置14Bでは、朝又は昼の光をイメージした昼白色の蛍光灯より光が発生し、発生した光の照度を変化させることができる。起床時には、この照明装置14Bを点灯して、就寝者の身体に起床の準備をさせることができ、また、夜間においても読書灯として利用することができる。
【0051】
続いて、上記構成の睡眠環境調整システム10の制御について説明する。
【0052】
なお、制御手段11には、入眠時刻と、起床時刻と、音発生手段16より起床時に生する音の音量(起床設定音量)と、空調手段18より発生する冷風又は温風にて調整される温度(標準設定温度)とが、予め設定されている。これらはいずれも任意の値であるが、起床設定音量は同室で就寝する他人に聞こえない程度の音とすることが望ましい。
また、後述する、光入眠予備時間、光起床準備時間、音入眠予備時間、音起床準備時間、温度入眠準備時間、温度起床準備時間は、いずれも制御手段11に予め設定されている。
【0053】
先ず、入眠時における睡眠環境調整システム10の制御から説明する。
図5及び図6に示すように、設定された入眠時刻の「温度入眠準備時間」だけ前になったことが計時手段12にて検出されると(S30)、制御手段11は、温度制御手段17の入眠制御を開始させる(S31)。
【0054】
温度制御手段17では、入眠制御を開始すると、空調手段18より冷風又は温風を発生させて、カーテン27で画成された空間(1.5次睡眠環境)内の温度を、入眠時刻までの温度入眠準備時間をかけて、連続的に標準設定温度から約3℃低下させる。これにより、入眠時刻にはカーテン27で画成された空間の温度は標準設定温度よりも約3℃低い温度となる。
【0055】
前記温度入眠準備時間は、標準設定温度から睡眠時の温度へ移行するまでにかける時間であって、約4時間とする。
温度制御手段17による入眠制御の開始時刻を入眠時刻の約4時間前と設定するのは、就寝するために適した就寝者の体温調整をさせるために約4時間の時間が必要であり、これより短すぎると環境の温度変化に就寝者の体温調整が対応できずに、該就寝者が違和感(肌寒さ)を覚えることがあり、また、これより長すぎると、就寝者の身体に就寝準備を早く開始させすぎて該就寝者の活動を鈍らせることになるからである。
但し、就寝準備のために必要な時間は、個々の就寝者により多少異なるので、温度入眠準備時間を、1〜5時間の、就寝者に適当な時間を設定することもできる。
【0056】
続いて、設定された入眠時刻となったことが計時手段12にて検出されると(S32)、制御手段11は、光制御手段13の入眠制御を開始させる(S33)とともに、音制御手段15の入眠制御を開始させる(S34)。
【0057】
光制御手段13では、入眠制御を開始すると、光発生手段14のうち、夜の光をイメージした電球色の光を発生する照明装置14Aを点灯し、その照度を「入眠照度」とする。なお、入眠の数時間前には、電球色の光を発生する照明装置14Aを点灯して、その照度を「入眠準備照度」とし、入眠時刻までの間に連続的に照度を「入眠照度」まで変化させることが好ましい。
【0058】
前記入眠照度は、約30ルクスとする。
照度が30ルクスよりも大きい値であると、就寝者は眩しさを感じて眠りにつくことが難しいとされているからである。また、照度が30ルクスよりも小さい値であると、就寝者は急激に活動できない暗さとなったように違和感を覚えるからである。但し、入眠照度は厳密に30ルクスではなく、20〜40ルクスの照度を設定することもできる。
また、前記入眠準備照度は、約100ルクスとする。100ルクスの照度は、就寝者の心身を休めて就寝準備に入らせるために適した明るさだからである。
【0059】
上述のように、光制御手段13の入眠制御では、入眠時刻に光発生手段14である照明装置14Bの発する光の照度を入眠照度まで低下させる。そして、光制御手段13は、入眠時刻から「光入眠予備時間」をかけて連続的に約0ルクスまで、光発生手段14である照明装置14Bの発する光の照度を低下させ、消灯する。すなわち、入眠時刻から光入眠予備時間をかけて、光発生手段14により発される光がフェードアウトすることとなる。
【0060】
前記光入眠予備時間は、入眠時刻から消灯までの時間であり、約10分とする。
入眠時刻から消灯までの時間が短すぎると、就寝者が寝入る前に急速に暗くなって違和感を覚えることがあり、逆に、長すぎると、いつまでも明るいので就寝者がなかなか寝付けなくなり、睡眠のリズムが乱れてしまうので、光入眠予備時間は約10分が適当である。
但し、就寝者によって寝入るまでに必要な時間は異なるので、光入眠予備時間を5〜30分の間の適宜時間を設定することができる。
【0061】
また、音制御手段15では、入眠制御を開始すると、「音入眠予備時間」をかけて、音発生手段16の音量を連続的に入眠時の任意の音量から約0デシベルまで低下させる。すなわち、入眠時刻から音入眠予備時間をかけて、音発生手段16により発される音がフェードアウトすることとなる。
【0062】
前記音入眠予備時間は、入眠時刻から音が消えるまでの時間であり、約15分とする。
前記光発生手段14が消灯してからも、音が消えることのないように、入眠時刻から音が消えるまでの時間(音入眠予備時間)は、入眠時刻から消灯までの時間(光入眠予備時間)よりも長く設定する。入眠に際して、聴覚よりも視覚の方が先に感覚が鈍ることから、これに合わせるためである。
但し、就寝者によって寝入るまでに必要な時間は異なるため、音入眠予備時間を10〜30分の間の適宜時間を設定することができる。
【0063】
上述の通り、光制御手段13、音制御手段15及び温度制御手段17による入眠制御にて、就寝者の入眠時の睡眠環境を、光、音、温度の各要素で調整することができる。
なお、入眠制御を終了してから、次に示す起床制御までの間は、カーテン27で画成された空間(1.5次睡眠環境)内の温度は略一定に保持される。
そして、消灯後は、原則として光の殆どない暗い状態が維持されるが、夜中に起きたときの歩行のために、図4に示すように、ベッド20のベッドフレーム24に足下灯33を設けて、該足下灯33を点灯させることができる。なお、前記足下灯33はLEDで構成し、照度センサを備えて、所定の明るさとなったことを検出して点灯・消灯するものとすることが好ましい。
【0064】
続いて、起床時における睡眠環境調整システム10の制御を説明する。
図5及び図7に示すように、設定された起床時刻の「温度起床準備時間」前になったことが計時手段12にて検出されると(S40)、制御手段11は、温度制御手段17の起床制御を開始させる(S41)。
【0065】
温度制御手段17では、起床制御を開始すると、空調手段18より冷風又は温風を発生させて、カーテン27で画成された空間(1.5次睡眠環境)内の温度を、標準設定温度より約3℃低い温度から、起床時刻までの温度起床準備時間をかけて連続的に約3℃上昇させる。これにより、入眠時刻にはカーテン27で画成された空間の温度は標準設定温度となる。
【0066】
前記温度起床準備時間は、睡眠時の温度から標準設定温度へ移行するための時間であり、約4時間とする。
温度制御手段17による起床制御の開始時刻を起床時刻の約4時間前と設定するのは、就寝者の身体を活動に適した状態に体温調整させるために約4時間の時間が必要であり、これより短すぎると環境の温度変化に就寝者の体温調整が対応できず、また、これより長すぎると、就寝者の身体に起床準備を早く開始させすぎて該就寝者が設定した起床時刻よりも早く目覚めてしまうからである。
但し、起床準備のために必要な時間は、個々の就寝者により多少異なるので、温度起床準備時間として、2〜5時間の就寝者に適当な時間を設定することもできる。
【0067】
続いて、設定された起床時刻の「音起床準備時間」前になったことが計時手段12にて検出されると(S42)、制御手段11は、光制御手段13の起床制御を開始させる(S43)。
【0068】
光制御手段13では、起床制御を開始すると、光発生手段14のうち、朝又は昼の光をイメージした昼白色の光を発生する照明装置14Bを点灯する。そして、起床時刻まで光起床準備時間をかけて連続的に照度を「起床照度」まで増大させる。
【0069】
前記起床照度は、就寝者の顔面において約1000ルクスとする。
起床時に明るい光を浴びせることで、就寝者の身体を一気に覚醒させ、生体リズムを整えるためである。また、明るい光を受けることにより、音発生手段16による音刺激の音量が市販の目覚まし時計のような大音量でなくとも、自然と目覚めることができる。
【0070】
なお、図4に示すように、下がり天井21の側面に照明32を設けて、起床時刻に合わせて点灯させたり、図3に示すように、寝室に設けたカーテン31を電動とし、起床時刻に合わせて、該カーテン31を自動的に引いたりして、起床時刻に合わせて、就寝者の1.5次睡眠環境だけでなく二次睡眠環境も明るくするように連動させることもできる。
【0071】
前記光起床準備時間は、光発生手段14が点灯してから起床時刻までの時間であり、約2時間とする。
就寝者の身体に光を徐々に浴びせて起床準備を促すために、僅かな光から、生体リズムを整えることができる程度に十分に明るい光となるまで照度を変化させるが、急激に明るい光で就寝者を照らすと、該就寝者は瞼を通して光量の急激な変化を感じ取り、身体の起床準備ができていない状態で起きてしまうこととなる。従って、就寝者に光による刺激を与えて十分な起床準備をさせて、自然な目覚めを促すためには、約2時間程度の時間をかけて徐々に照度を上昇させていくことが必要となるのである。また、約4時間の前記温度起床準備時間との関連において、就寝者の起床のための体温調整が在る程度進行した状態で光刺激を与えることが好ましく、光起床準備時間を約2時間とすることが適している。
但し、就寝者の睡眠時間等を考慮して、光起床準備時間として、1〜3時間の就寝者に適当な時間を設定することもできる。
【0072】
そして、設定された起床時刻の「音起床準備時間」前になったことが計時手段12にて検出されると(S44)、制御手段11は、音制御手段15の起床制御を開始させる(S45)。
【0073】
音制御手段15では、起床制御を開始すると、音発生手段16の音量をゼロから音起床準備時間をかけて連続的に起床設定音量まで増大させる。すなわち、起床時刻の音起床準備時間から、音発生手段16により発される音がフェードインして、起床時刻には起床設定音量となる。
【0074】
前記音起床準備時間は、音発生手段16が音の発生を開始してから起床時刻までの時間であり、約2時間とする。
起床前から、微小音を音発生手段16にて発生させ、この音量を徐々に大きくすることによって、就寝者に起床準備を促し、起床準備が整った状態で、音刺激を受けて起こされるのではなく、より自然に目が覚めるという感覚で覚醒させるためには、約2時間程度の時間が必要となるのである。また、約4時間の前記温度起床準備時間との関連において、就寝者の起床のための体温調整が在る程度進行した状態で音刺激を与えることが好ましく、音起床準備時間を約2時間とすることが適している。さらに、約2時間の前記光起床準備時間との関連において、視覚より聴覚の方が先に目覚めるため、音刺激の方が光刺激より多少早く又は同時程度に与えることが好ましく、音起床準備時間を約2時間とすることが適している。
但し、就寝者の睡眠時間等を考慮して、音起床準備時間として、1〜3時間の就寝者に適当な時間を設定することもできる。
【0075】
上述の通り、光制御手段13、音制御手段15及び温度制御手段17による起床制御にて、就寝者の起床時の睡眠環境を、光、音、温度の各要素で調整することができる。
【0076】
なお、図8では、光制御手段13による光発生手段14の睡眠環境調整制御(入眠制御及び起床制御)を行うことを前提として、温度制御手段17による空調手段18の睡眠環境調整制御の有無による効果の対比を示している。
【0077】
光と温度の睡眠環境調整制御を行った場合は、光のみの睡眠環境調整制御を行った場合と比較して、入眠時の就寝者の体温の低下に係る時間が短く、より早く該就寝者の身体が睡眠状態となることがわかる。
また、光と温度の睡眠環境調整制御を行った場合は、光のみの睡眠環境調整制御を行った場合と比較して、起床時の就寝者の体温の上昇にかかる時間が短く、より早く該就寝者の身体が覚醒することがわかる。
【0078】
さらに、光と温度の睡眠環境調整制御を行った場合は、光のみの睡眠環境調整制御を行った場合と比較して、睡眠ホルモンであるメラトニンの夜間の分泌量が多く、就寝者がより深く眠れていることがわかる。このため、起床後の眠気の強さは、光と温度の睡眠環境調整制御を行った場合は、光のみの睡眠環境調整制御を行った場合と比較して、少なく、すっきりと目覚めることがわかる。
【0079】
一方、図9では、音制御手段15による音発生手段16の睡眠環境調整制御(入眠制御及び起床制御)の効果を示している。
音の睡眠環境調整制御を行った場合は、行わなかった場合と比較して、心拍数が減少し、入眠時の交感神経指標は少なく、起床時の副交感神経指標は少ないことがわかる。つまり、音の睡眠環境調整制御を行った場合は、行わなかった場合と比較して、入眠時は、よりリラックスする傾向があり、起床時は、より活動的になる傾向が見られる。
【0080】
以上より、図10に示すように、睡眠環境調整システム10にて、光、音、温度の睡眠環境調整制御を行うことによって、相乗的に効果を得て、入眠時と起床時の就寝者の体温変動が速やかに行われて該就寝者の身体を速やかに睡眠・覚醒させる状態に導くことができ、メラトニン分泌量増大により就寝者は深い眠りを得ることができ、さらに、就寝者は、リラックスした状態で入眠し、活動的に気分を高めた状態で起床することができる。つまり、就寝者は総合的に質の良い睡眠を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】睡眠環境の考え方を説明する図。
【図2】本発明に係る睡眠環境調整システムのブロック図。
【図3】本発明の実施例に係る睡眠環境調整システムを備えた寝室の様子を示す図。
【図4】寝室家具の構造を示す図。
【図5】睡眠環境制御における光・音・温度の変化を示す図。
【図6】入眠時の睡眠環境制御の流れ図。
【図7】起床時の睡眠環境制御の流れ図。
【図8】光制御手段による照度制御をした場合の温度制御の有無の対比結果を示す図。
【図9】音制御手段による音量制御の結果を示す図。
【図10】睡眠環境調整システムの効果を説明する図。
【符号の説明】
【0082】
10 睡眠環境調整システム
11 制御手段
12 計時手段
13 光制御手段
14 光発生手段
15 音制御手段
16 音発生手段
17 温度制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光発生手段と、
前記光発生手段の発光量を調整する光制御手段と、
音発生手段と、
前記音発生手段の発音量を調整する音制御手段と、
空調手段と、
前記空調手段より発生する冷風又は温風の温度及び風量を調整する温度制御手段と、
時間計測を行う計時手段と、
前記光制御手段、音制御手段及び温度制御手段を制御する制御手段とで、
睡眠環境調整システムを構成し、
前記制御手段の制御信号を受けて前記温度制御手段は、所定の入眠時刻までの所定の温度入眠準備時間をかけて、温度を約3℃低下させるように、前記空調手段を動作させ、
前記制御手段の制御信号を受けて前記光制御手段は、前記入眠時刻から所定の光入眠予備時間をかけて、約30ルクスから約0ルクスまで照度を減少させるように、光発生手段を動作させ、
前記制御手段の制御信号を受けて前記音制御手段は、前記入眠時刻から、前記光入眠予備時間よりも長い所定の音入眠予備時間をかけて、任意に設定した音量から約0デシベルまで音量を減少させるように、前記音発生手段を動作させる
ことを特徴とする睡眠環境調整システム。
【請求項2】
前記温度入眠準備時間を、1〜5時間の範囲にある時間とし、
前記光入眠予備時間を、5〜30分の範囲にある時間とし、
前記音入眠予備時間を、10〜30分の範囲にある時間とする、
請求項1に記載の睡眠環境調整システム。
【請求項3】
光発生手段と、
前記光発生手段の発光量を調整する光制御手段と、
音発生手段と、
前記音発生手段の発音量を調整する音制御手段と、
空調手段と、
前記空調手段より発生する冷風又は温風の温度及び風量を調整する温度制御手段と、
時間計測を行う計時手段と、
前記光制御手段、音制御手段及び温度制御手段を制御する制御手段とで、
睡眠環境調整システムを構成し、
前記制御手段の制御信号を受けて前記温度制御手段は、所定の起床時刻までに所定の温度起床準備時間をかけて、温度を約3℃上昇させるように、前記空調手段を動作させ、
前記制御手段の制御信号を受けて前記光制御手段は、前記起床時刻までに所定の光起床準備時間をかけて、約0ルクスから約1000ルクスまで照度を増大させるように、光発生手段を動作させ、
前記制御手段の制御信号を受けて前記音制御手段は、前記起床時刻までに所定の音起床準備時間をかけて、約0デシベルから所定の起床設定音量まで、音量を増大させるように、前記音発生手段を動作させる
ことを特徴とする睡眠環境調整システム。
【請求項4】
前記温度起床準備時間を、2〜5時間の範囲にある時間とし、
前記光起床準備時間を、1〜3時間の範囲にある時間とし、
前記音起床準備時間を、1〜3時間の範囲にある時間とする、
請求項3に記載の睡眠環境調整システム。
【請求項5】
カーテンで寝具の周囲を包囲して画成した空間の睡眠環境を整えるために設けた、
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の睡眠環境調整システム。
【請求項6】
就寝者の睡眠環境を調整するために、光発生手段と、音発生手段と、空調手段とを少なくとも備えた睡眠環境調整システムにて、
前記空調手段にて、所定の入眠時刻までの所定の温度入眠準備時間をかけて、温度を約3℃低下させる過程と、
前記光発生手段にて、前記入眠時刻から所定の光入眠予備時間をかけて、約30ルクスから約0ルクスまで照度を減少させる過程と、
前記音発生手段にて、前記入眠時刻から、前記光入眠予備時間よりも長い所定の音入眠予備時間をかけて、任意に設定した音量から約0デシベルまで音量を減少させる過程とを、
具備することを特徴とする睡眠環境調整方法。
【請求項7】
前記温度入眠準備時間を、1〜5時間の範囲にある時間とし、
前記光入眠予備時間を、5〜30分の範囲にある時間とし、
前記音入眠予備時間を、10〜30分の範囲にある時間とする、
請求項6に記載の睡眠環境調整方法。
【請求項8】
就寝者の睡眠環境を調整するために、光発生手段と、音発生手段と、空調手段とを少なくとも備えた睡眠環境調整システムにて、
前記空調手段にて、所定の起床時刻までに所定の温度起床準備時間をかけて、温度を約3℃上昇させる過程と、
前記光発生手段にて、前記起床時刻までに所定の光起床準備時間をかけて、約0ルクスから約1000ルクスまで照度を増大させる過程と、
前記音発生手段にて、前記起床時刻までに所定の音起床準備時間をかけて、約0デシベルから所定の起床設定音量まで、音量を増大させる過程とを、
具備することを特徴とする睡眠環境調整方法。
【請求項9】
前記温度起床準備時間を、2〜5時間の範囲にある時間とし、
前記光起床準備時間を、1〜3時間の範囲にある時間とし、
前記音起床準備時間を、1〜3時間の範囲にある時間とする、
請求項8に記載の睡眠環境調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−44201(P2007−44201A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231004(P2005−231004)
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】