睡眠評価装置および睡眠評価方法
【課題】睡眠評価装置において、計測結果を容易に理解される態様で表示する。
【解決手段】睡眠レベルの計測の後、表示装置20には、現在時刻を表示する表示欄211、睡眠状態時間を表示する表示欄214、いびきが発生したことを示す画像を表示する表示欄218、睡眠時間における睡眠状態と覚醒状態とを区別して表示するための表示欄213、睡眠時間中に覚醒状態が生じたことを示す画像を表示する表示欄216、および、睡眠時間中の覚醒状態が生じた時間(覚醒状態時間)を示す表示欄217が表示される。
【解決手段】睡眠レベルの計測の後、表示装置20には、現在時刻を表示する表示欄211、睡眠状態時間を表示する表示欄214、いびきが発生したことを示す画像を表示する表示欄218、睡眠時間における睡眠状態と覚醒状態とを区別して表示するための表示欄213、睡眠時間中に覚醒状態が生じたことを示す画像を表示する表示欄216、および、睡眠時間中の覚醒状態が生じた時間(覚醒状態時間)を示す表示欄217が表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は睡眠評価装置および睡眠評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、睡眠を計測する装置に関し、種々の技術が開示されている。
たとえば、特許文献1(特開2007−319238号公報)には、睡眠の深さの時間変化を計測し、当該計測結果をグラフ表示する技術が開示されている。また、特許文献2(特開2009−22671号公報)では、12時間分の血圧等の生体情報の計測結果をレーダーチャートの形式で表示する技術が開示されている。
【0003】
上記特許文献1および特許文献2に開示されるように、単に計測結果が連続的に表示された場合でも、専門家であれば、その専門的な知識に基づいて、当該連続的な計測結果の傾向を把握し、また、別の日の計測結果と比較等することにより、当該計測結果を有効に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−319238号公報
【特許文献2】特開2009−022671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、専門的な知識を持たない者には、上記したような特許文献1または特許文献2に開示されたような連続的な計測結果を、傾向などを把握して有効利用することは困難である。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、睡眠評価装置において、計測結果を容易に理解される態様で表示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従った睡眠評価装置は、寝床上の被測定者の身体の動きを検出するための体動検出手段と、体動検出手段の検出結果に基づいて、第1の期間における被測定者の睡眠状態を判別するための第1の判別手段と、第1の判別手段による判別結果に基づいて、第1の期間より長い第2の期間ごとに睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別するための第2の判別手段と、第2の判別手段による判別結果を表示装置に表示させるための表示手段とを備え、表示手段は、第2の判別手段による判別結果に基づいて、睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示装置にさらに表示させる。
【0008】
好ましくは、途中覚醒の発生に関する情報は、少なくとも睡眠状態における途中覚醒の発生の時間または回数である。
【0009】
好ましくは、表示手段は、表示装置において円状に配列された複数の表示部を表示させ、第2の判別手段による判別結果を、各表示部を一定の期間に対応させながら、複数の表示部を用いて表示させる。
【0010】
好ましくは、表示手段は、睡眠状態と覚醒状態のうち、いずれか一方の状態に判別された期間に対応する表示部と、他方の状態に判別された期間に対応する表示部とを、互いに異なる表示態様で表示させる。
【0011】
好ましくは、表示手段は、睡眠状態と覚醒状態のうち、いずれか一方の状態に判別された期間に対応する表示部を点灯表示させ、他方の状態に判別された期間に対応する表示部を点滅表示させる。
【0012】
好ましくは、第1の判別手段は、第1および第2の期間より長い特定の期間について、第1の期間ごとに被測定者の睡眠状態を判別し、表示手段は、特定の期間における、第2の判別手段による判別結果での睡眠状態または覚醒状態のいずれかの累積時間を、表示装置にさらに表示させる。
【0013】
好ましくは、第2の判別手段は、第1の判別手段による判別結果に基づいて被測定者の起床状態をさらに判別し、表示手段は、第2の判別手段が被測定者の起床状態を判別したことに応じて、表示装置に睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示させる。
【0014】
好ましくは、特定の期間の終了を指定する情報の入力を受け付ける入力手段をさらに備え、表示手段は、入力手段に対する入力がなされたことに応じて、表示装置に睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示させる。
【0015】
好ましくは、被測定者のいびきの発生を検出する検出手段をさらに備え、表示手段は、表示装置において、さらに、検出手段が被測定者のいびきを検出した場合には、いびきの発生が検出されたことを示す情報を表示させる。
【0016】
好ましくは、表示手段は、表示装置に、さらに、第1の判別手段による判別結果を表示させる。
【0017】
本発明に従った睡眠評価方法は、寝床上の被測定者の身体の動きを検出するための体動検出手段を備えた睡眠評価装置において実行される睡眠評価方法であって、体動検出手段の検出結果に基づいて、第1の期間における被測定者の睡眠状態を判別するステップと、第1の期間における判別の結果に基づいて、第1の期間より長い第2の期間ごとに睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別するステップと、第2の期間における判別の結果を表示装置に表示させるステップと、第2の期間における判別の結果に基づいて、睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示装置に表示させるステップとを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、睡眠状態および覚醒状態の別が表示され、さらに、睡眠状態における睡眠の種類の判別結果に基づいた、途中覚醒の発生に関する情報が表示される。
【0019】
つまり、睡眠状態と覚醒状態の別が表示されることにより、被測定者が睡眠を取ろうとした期間において被測定者が睡眠状態であったか覚醒状態であったかの全体的な状態を認識することができる。
【0020】
また、途中覚醒の発生に関する情報が表示されることにより、専門的な知識を有しない者が表示を見た場合でも、睡眠の傾向について認識することができる。
【0021】
さらに、睡眠状態と覚醒状態の別が、一定時間ごとに表示されることにより、より小さな表示領域で、睡眠状態および覚醒状態の別と、途中覚醒の発生に関する情報とを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態にかかる睡眠評価装置としての睡眠レベル評価装置(以下、評価装置と略する)の外観の具体例を示す図である。
【図2】評価装置の側面を表わした概略図である。
【図3】評価装置の斜め上方から見た外観の概略図である。
【図4】評価装置のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【図5】評価装置の使用例を説明する図である。
【図6】評価装置における睡眠のレベルの判別のための機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図7】ドップラーセンサである体動センサからのセンサ信号の具体例を示す図である。
【図8】(A)は、図7に表わされた波形から分離された呼吸波形の具体例を示す図であり、(B)は、図7に表わされた波形から分離された体動波形の具体例を示す図である。
【図9】(A)は、図6の判別部での判別結果の具体例を示す図であり、(B)は、(A)の判別結果の補正の具体例を示す図である。
【図10】評価装置におけるいびきの発生を検出するための機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図11】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図12】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図13】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図14】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図15】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図16】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図17】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図18】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図19】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図20】通常のいびき音の解析結果を表わす図である。
【図21】評価装置における、被測定者の睡眠状態を判別するための処理(睡眠判別処理)のフローチャートである。
【図22】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図23】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図24】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図25】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図26】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図27】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図28】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0024】
<外観>
図1は、本実施の形態にかかる睡眠レベル評価装置(以下、評価装置と略する)100の外観の具体例を示す図である。また、図2は評価装置100の側面を表わした概略図であり、図3は、斜め上方から見た外観の概略図である。
【0025】
図1〜図3を参照して、評価装置100は、一例として、台座に対して直方体またはその角が丸みを帯びて処理された縦長の形状の筐体が立てられた外観を有する。
【0026】
図1を参照して、台座表面には操作用のボタン10が配備され、台座に立てられた筐体の表面には表示部20とが配備される。また、その筐体内部には、センサ30と、制御部40とが内包される。
【0027】
以降の説明において、筐体の表示部20が設けられた面を評価装置100の正面とも称する。
【0028】
評価装置100は無線または有線での通信を行なうための通信部50を有する。通信部50は、一例として、筐体の、台座と逆側の端部よりに設けられる。そして、通信部50を用いて、パーソナルコンピュータ(以下、PC)や携帯電話機などの表示装置200に接続されて、表示装置200に対して表示データを出力する。
【0029】
<ハードウェア構成>
図4は、評価装置100のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【0030】
図4を参照して、ボタン群10、センサ30、表示部20、および通信部50は、いずれも、制御部40に接続される。
【0031】
ボタン群10は被測定者に操作されることによる操作信号を制御部40に対して出力する。
【0032】
センサ30は体動センサ31および音声センサの一例であるマイクロフォン(以下、「マイク」と略す)32を含み、それぞれがセンサ信号を制御部40に対して出力する。体動センサ31としては、好適にはドップラーセンサが用いられる。以降の説明では、体動センサ31がドップラーセンサであるものとする。他には、超音波センサや赤外線センサが用いられてもよい。
【0033】
ドップラーセンサである体動センサ31は、測定用の電波を出力するための出力部と、受信部とを有する。受信部は、出力部から出力した電波のうち被測定体表面から反射した電波を受信し、出力した電波からの周波数の変化に応じたセンサ信号を出力する。
【0034】
なお、体動を検出する機構として体動センサ31に替えてカメラを備えて、制御部40において画像解析を行なうことで体動を検出してもよい。
【0035】
制御部40は、全体制御を行なうためのCPU41と、CPU41で実行されるプログラムなどを記憶するためのメモリ42とを含む。
【0036】
制御部40は、CPU41がメモリ42に記憶されている表示用のプログラムを実行し、入力された操作信号およびセンサ信号を用いて演算を実行することで、後述する睡眠のレベルを算出し、睡眠のレベルを表示するための表示データを生成する。また、制御部40は、後述する睡眠潜時時間の算出等の種々の処理を実行する。
【0037】
制御部40は、表示データに基づく画面表示を表示部20に行なうための表示制御を実行する。さらに、表示データを通信部50から表示装置200に対して送信するための通信制御を実行する。
【0038】
通信部50は、たとえば赤外線通信やBluetooth(登録商標)を利用した通信などの無線通信で、直接、表示装置200と通信するものであってもよいし、インターネット接続機能を有して、インターネットを介して表示装置200と通信するものであってもよい。
【0039】
さらに、通信部50は無線LAN(Local Area Network)のサーバ機能を有して、無線LAN接続でアクセスした表示装置200に対して、たとえばHTML(Hyper Text Markup Language)などのマークアップ言語で表現された後述の表示データを送信するようにしてもよい。
【0040】
また、評価装置100には、タイマ60が備えられている。タイマ60は、制御部40に接続されている。CPU41は、タイマ60から時刻情報を取得して、後述する入床時刻等の各時刻を特定し、メモリ41に記憶する。
【0041】
<使用例>
図5は、評価装置100の使用例を説明する図である。
【0042】
図5を参照して、評価装置100は、一例として就寝中の被測定者の近傍(たとえば枕元)に設置される。その状態で測定動作が行なわれることで、ドップラーセンサである体動センサ31から電波が出力される。
【0043】
体動センサ31から出力された電波は就寝中の被測定者の主に胸元、肩、などの辺りに到達し、そこからの反射波の周波数の変化がセンサ信号として制御部40に出力される。制御部40は、この周波数の変化に基づいて、就寝中の被測定者の胸の動きや寝返りなどの体動を検出し、その検出結果に基づいて睡眠のレベルを判別する。
【0044】
また、被測定者の近傍に配備されることで、音声センサであるマイク32によって被測定者近傍の音声が検出される。音声信号はセンサ信号として制御部40に出力される。このセンサ信号を以降の説明では音信号とも称する。
【0045】
制御部40は、呼吸・体動信号で表わされた周波数の変化に基づいて就寝中の被測定者の胸の動きや寝返りなどの体動を検出し、その検出結果に基づいて睡眠状態を判別する。また、制御部40は、音信号から被測定者の「いびき」を検出し、その検出結果に基づいていびきの状態を判別する。
【0046】
<睡眠状態か覚醒状態かの判別(睡眠のレベル判別)のための機能構成>
図6は、評価装置100において、睡眠状態であるか覚醒状態であるかの判別の一例である、睡眠のレベルの判別のための機能構成の具体例を示すブロック図である。図6に表わされる各機能は、主に、CPU41がメモリ42に記憶されるプログラムを実行することによってCPU41上に形成されるものであるが、少なくとも一部が電気回路などのハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0047】
図6を参照して、評価装置100は、センサ30からのセンサ信号の入力を受付けるための入力部401と、そのセンサ信号に基づいて単位期間の睡眠状態を判別するための第1判別部402と、単位期間ごとの判別結果に基づいて、当該単位期間が所定数連続してなる一定期間の睡眠状態のレベルを判別するための第2判別部409と、睡眠状態のレベルに基づいて当該一定期間の表示態様を決定するための決定部403と、決定された表示態様に基づいて睡眠のレベルを表示する表示データを生成するための生成部404と、表示データをメモリ42に格納する処理を実行するための格納部405と、メモリ42から表示データを読み出すための読出部406と、読み出された表示データを表示部20に表示させる処理を実行するための表示制御部407と、通信部50で表示装置200に対して送信する処理を実行するための通信制御部408とを含む。
【0048】
また、評価装置100は、ボタン群10に含まれる各種ボタンからの入力情報を処理するための入力情報処理部410を含む。
【0049】
図6の例では、入力部401が、センサ30からのセンサ信号を直接受け取るものとしているが、センサ信号はメモリ42の所定領域に一時的に記憶され、入力部401は表示のための動作を行なう際にそこから読み出すようにしてもよい。
【0050】
<睡眠のレベルの判別方法>
ここで、第2判別部409での睡眠のレベルの判別方法について説明する。
【0051】
図7は、ドップラーセンサである体動センサ31からのセンサ信号の具体例を示す図である。図7は、体動センサ31からの反射波と被測定者の表面からの反射波との位相の変化量に関係する電圧値の時間変化を表わしている。
【0052】
図7を参照して、センサ信号で表わされる波形は、被測定者の呼吸に伴う体動(胸の動き)を表わす波形(以下、呼吸波形とも称する)と、寝返りなどの呼吸以外の体動を表わす波形(以下、体動波形とも称する)とを含む合成波である。
【0053】
図8および図9は、図7に表わされた波形から分離された呼吸波形および体動波形の具体例を示す図である。
【0054】
安定した睡眠状態であるときのヒトの呼吸波形は周期性を有する。従って、呼吸波形の周期性が所定範囲内である場合、すなわち、その周期のばらつきが所定範囲内であるときには、概ね、安定した睡眠状態であると言える。
【0055】
また、安定した睡眠状態であるとき、寝返りなどの呼吸以外の体動は生じ難い。従って、体動波形の振幅が所定範囲内であるときには概ね安定した睡眠状態であると言え、所定範囲以上となった場合には体動が生じているために安定した睡眠状態ではないと言える。
【0056】
従って、ある期間については、その期間における呼吸波形の周期性や呼吸以外の体動の大きさに基づいて被測定者が安定した睡眠状態にあるか否かを判別することができる。なお、この例では、呼吸波形と体動波形との両波形を用いて判別するものとしているが、少なくとも一方の波形のみを用いてもよい。
【0057】
図6に示されるように、第1判別部402は、判別部4021と補正部4022とを含む。
【0058】
判別部4021は、図7に示された入力されたセンサ信号に基づく波形を、図8および図9に示される呼吸波形と体動波形とに分離する。そして、それぞれの波形に基づいて、予め規定された単位期間(図7の期間t1,t2,t3,t4,t5)ごとに、被測定者が安定した睡眠状態にあるか否かを判別する。ここでの単位期間は、たとえば30秒や1分程度が挙げられる。すなわち、呼吸波形の単位期間t1における周期のばらつきが予め設定されているしきい値よりも小さい場合には、単位期間t1における呼吸波形に周期性が見られると判断する。また、体動波形の単位期間t1における振幅が予め設定されているしきい値よりも大きいか小さいかを判断する。
【0059】
そして、判別部4021は、単位期間t1における呼吸波形に周期性があり、かつ体動波形の振幅がしきい値よりも小さい場合に、単位期間t1の当該被測定者の睡眠状態を睡眠状態(S)であると判別する。一方、判別部4021は、単位期間t1における呼吸波形に周期性がなく、かつ体動波形の振幅がしきい値よりも大きい場合に、単位期間t1の当該被測定者の睡眠状態を覚醒状態(W)であると判別する。なお、いずれか一方の条件のみが満たされている場合、つまり、単位期間t1における呼吸波形に周期性があるか、または、体動波形の振幅がしきい値よりも小さい場合に、覚醒状態と判別するようにしてもよい。
【0060】
また、判別部4021は、体動センサ31から出力された電波が届く範囲における被測定者の有無を判別しても良い。
【0061】
このような判別は、たとえば、センサ信号に基づく波形を上記したように呼吸波形と体動波形に分離した後、呼吸波形または体動波形のいずれかにおいて、当該波形の振幅が特定の値よりも小さい状態が特定の時間(たとえば、30秒間)継続した場合に、判別部4021は、上記範囲に被測定者が存在しないと判断する。そして、それ以外の場合には、上記範囲に被測定者が存在していると判断する。なお、判別部4021は、被測定者の有無の状態を、被測定者が存在すると判断した場合には状態(E)と判別し、被測定者が存在しないと判断した場合には状態(N)と判別する。
【0062】
図9(A)は、判別部4021での判別結果の具体例を示す図である。図9(A)に示されるように、判別部4021は、入力されたセンサ信号に基づく波形の単位期間ごとに、安定した睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別する。
【0063】
しかしながら、睡眠状態において体動が生じたり、覚醒状態において体動がなく呼吸が安定していたりする単位期間が生じる場合もある。また、被測定者以外の移動物からの反射波を受信して、その結果、体動波形にノイズが生じる場合もある。そこで、好ましくは、補正部4022は、隣接する単位期間の判別結果に応じて、当該単位期間の判別結果を補正する。
【0064】
一例として、図9(B)に、図9(A)に示された判別結果の補正の具体例を示す、図9(A)および図9(B)を参照して、補正部4022は、同一の判別結果である単位期間の連続数が所定数以下であり、かつ、当該判別結果と反対の判別結果である単位期間がこの連続した単位期間の前後に所定数以上連続している場合、その連続した単位期間の判別結果を、反対の判別結果となるように補正する。
【0065】
具体的には、判別部4021は図9(A)の単位期間t7について覚醒状態(W)と判別しているが、覚醒状態(W)と判別された単位期間は単位期間t7に対して連続しておらず(すなわち、連続数が1であり)、かつ、単位期間t7の前後において睡眠状態(S)と判別された単位期間がある程度連続している。判別結果が逆の同様の状態は単位期間t13についても見られる。
【0066】
仮に、対象とする単位期間の判別結果の連続数のしきい値(第1のしきい値)を2、その前後の単位期間の判別結果の連続数のしきい値(第2のしきい値)を2とすると、単位期間t7については、覚醒状態(W)と判別された単位期間の連続数1が上記第1のしきい値よりも小さく、かつ、単位期間t7の前後の判別結果の逆の単位期間の連続数3が上記第2のしきい値よりも大きい、という条件を満たしている。従って、補正部4022は、単位期間t7の単位期間の判別結果を、反対の判別結果である睡眠状態(S)となるように補正する。
【0067】
同様にして、補正部4022は、単位期間t13の単位期間の判別結果も、反対の判別結果である覚醒状態(W)となるように補正する。
【0068】
次に、第2判別部409は、上記単位期間が連続してなる一定期間について、各単位期間の判別結果に基づいて、睡眠のレベルを判別する。ここでの単位期間は、たとえば5分や10分程度が挙げられる。
【0069】
ここで、睡眠のレベルとは、呼吸の安定具合と、体動の有無、連続性とから定義される睡眠の深さのレベルを指す。具体例として、
レベル1:体動がなく、呼吸が安定している睡眠状態、
レベル2:単発的な体動がある睡眠状態、
レベル3:連続的な体動がある睡眠状態、
レベル4:連続的な体動が続く覚醒状態、
レベル5:完全な覚醒状態、
などが挙げられる。
【0070】
第2判別部409は、各レベルの判別値として、一定期間を構成する各単位期間の判別結果の連続数や、比率を記憶しておく。一例として、図13は上記レベル1の象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例、図14は上記レベル2の象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例、図15および図16は上記レベル3の象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例、図17は上記レベル4の象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例、図18は上記レベル5の象徴的なセンサ信号の示す波形であって特に入床時のセンサ信号の示す波形、および図19は上記レベル5の象徴的なセンサ信号の示す波形であって特に離床時のセンサ信号の示す波形を表わす図である。第2判別部409は、これらセンサ信号の示す波形に表わされた判別結果の連続数や、比率を、各レベルの判別値として予め記憶しておく。そして、図9(C)は、各一定期間ごとの睡眠のレベルの判別結果の具体例を表わす図である。すなわち、図9(B)および図9(C)を参照して、第2判別部409は、上記一定期間を構成する単位期間の連続について、判別結果の連続数と記憶している判別値とを比較すること、および、判別結果の比率と判別値とを比較すること、によって、当該一定期間の睡眠のレベルを判別する。
【0071】
<いびき検出のための機能構成>
図10は、評価装置100においていびきの発生を検出するための機能構成の具体例を示すブロック図である。図10に表わされる各機能は、主に、CPU41がメモリ42に記憶されるプログラムを実行することによってCPU41上に形成されるものであるが、少なくとも一部が電気回路などのハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0072】
図10を参照して、評価装置100は、その時点の被測定者に対して上記のように判別された睡眠のレベル(レベル1〜レベル5)を取得する覚醒情報取得部411と、マイク32からの音声信号の入力を受け付ける音声入力部414と、音声入力部414に入力された音声信号に対して周波数を測定することにより上記したいびきの構成要素とされる周波数帯での所定量以上の音圧が検出されたことを判別する音声判別部415と、音声判別部415の判別結果と覚醒情報取得部411が取得した情報とに基づいていびきが発生したか否かを決定する決定部418と、決定部418の決定した結果を表示させるために表示部20および/または通信部50に送信するための出力処理部419とを含む。決定部418の決定した結果は、通信部50を介して、外部の装置に送信されることにより、他の装置において表示され得る。
【0073】
図20は、通常のいびき音の解析結果を表わす図である。図20を参照して、通常のいびき音は、概ね1000Hz以下の音で構成される。決定部418は、たとえば、覚醒情報取得部411の取得したレベルがレベル1〜レベル3である期間中に音声判別部415において1000Hz以下の音声が所定量以上の音圧で検出されたことに基づいて、いびきが発生したと決定する。
【0074】
<結果表示の例>
評価装置100では、CPU41は、所定期間、睡眠のレベルの判別を行なう。そして、CPU41は、当該所定期間のうち睡眠のレベルが初めてレベル1〜レベル3のいずれかと判別したときから睡眠状態(睡眠のレベル1〜レベル3)と判別された期間の累積時間(睡眠状態時間)と、当該期間においていびきが発生した場合にはその旨とを、表示部20に表示する。ここで、所定期間とは、予めメモリ42に記憶された期間(後述する測定開始時刻から測定終了時刻までの期間)であっても良いし、被測定者によるボタン10に対する操作等によって定められる期間であっても良い。
【0075】
図11は、表示部20の表示態様の一例を示す図である。
図11を参照して、表示部20は、現在時刻を表示する表示欄211と、睡眠状態時間を表示する表示欄214と、いびきが発生したことを示す画像を表示する表示欄218とを含む。
【0076】
なお、本明細書では、上記所定期間のうち、睡眠のレベルが初めてレベル1〜レベル3のいずれかと判別された時点から起床状態(後述)と判別されるまでの期間を睡眠時間という。睡眠時間には、睡眠状態にある時間と覚醒状態にある時間とを含む。上記した睡眠状態時間は、睡眠時間のうち睡眠状態にある時間の累積時間である。これに対し、睡眠時間のうち覚醒状態にある時間の累積時間を、覚醒状態時間という。そして、表示部20には、睡眠時間における睡眠状態と覚醒状態とを区別して表示するための表示欄213と、睡眠時間中に覚醒状態が生じたことを示す画像を表示する表示欄216と、睡眠時間中の覚醒状態が生じた時間(覚醒状態時間)を示す表示欄217を含む。
【0077】
本明細書では、睡眠時間中に覚醒状態が生じたことを、適宜「途中覚醒」という。
<測定中表示の例>
評価装置100では、CPU41は、上記所定時間中、表示部20に、睡眠のレベルを判別するための体動センサ31の検出出力を取得している旨を表示する。
【0078】
図12は、このような表示態様の一例を示す図である。
図12を参照して、CPU41は、体動センサ31の検出出力に基づいて、上記したように単位期間ごとに睡眠状態のレベルを判別する。図12に示された表示例は、CPU41が、体動センサ31の検出出力を取得した直後に、当該検出出力について単位期間ごとに睡眠状態のレベルを判別する。そして、表示部20は、当該睡眠状態のレベルの判別結果を表示する表示欄212を含む。表示欄212では、複数のバーが表示可能である。CPU41は、単位期間ごとに睡眠状態のレベルを判別し、判別したレベルに応じた数のバーを、表示欄212に表示させる。
【0079】
ただし、CPU41は、体動センサ31の検出出力を取得した後、ボタン10に対する操作がなされたことに応じて上記単位期間ごとの睡眠状態のレベルの判別を行なう等、上記した睡眠状態のレベルの判別は検出出力が取得された直後に行なわれなくても良い。このような場合には、睡眠時間中の表示部20における表示欄212の表示は省略されても良い。
【0080】
<動作の概要>
図21は、評価装置100における、被測定者の睡眠状態を判別するための処理(睡眠判別処理)のフローチャートである。当該処理は、たとえば、評価装置100における電源投入時に開始される。なお、当該処理における動作は、CPU41がメモリ42に記憶される表示用のプログラムを読み出して実行し、図6に示された各機能を発揮することによって実現される。
【0081】
睡眠判別処理では、CPU41において、計測フラグのON/OFFが設定される。評価装置100の初期状態では、計測フラグの状態は、OFFに設定される。当該フラグの機能については、後述する。
【0082】
図21を参照して、評価装置100に電源が投入されると、CPU41は、ステップS10で、評価装置100の初期化を行ない、ステップS20へ処理を進める。
【0083】
ステップS20では、CPU41は、体動センサ31を用いたセンサ信号の取得を開始して、ステップS30へ処理を進める。
【0084】
ステップS30では、CPU41は、計測フラグの状態がONであるか否かを判断し、ONであると判断するとステップS40へ処理を進める。一方、OFFであれば、ONにされるまでステップS30で待機する。なお、CPU41は、ボタン10(ボタン10に含まれる特定のボタン)を操作されることにより、または、予めメモリ42に記憶された測定開始時刻が到来したことを条件として、計測フラグの状態をONに変更する。
【0085】
ステップS40では、CPU41は、計測対象が体動センサ31の検出範囲内に存在するか否か、つまり、体動センサ31から出力された電波が届く範囲に被測定者が居るか否かを判別する。この判別は、たとえば、上記したように、体動センサ31から出力される信号の波形を呼吸波形と体動波形に分離した後、呼吸波形または体動波形のいずれかにおいて、当該波形の振幅が特定の値よりも小さい状態が特定の時間(たとえば、30秒間)継続したか否かに基づいて実現される。そして、被測定者が存在すると判断した場合、つまり、状態(E)と判別した場合には、CPU41は、ステップS50へ処理を進める。なお、被測定者が存在しないと判断した場合、つまり、状態(N)と判別した場合には、ステップS50の処理を行なうことなく、ステップS60へ処理を進める。
【0086】
ステップS50では、CPU41は、睡眠のレベルおよびいびきの発生の有無を判別して、ステップS60へ処理を進める。なお、ステップS50では、CPU41は、たとえば、ステップS40で得られた呼吸波形と体動波形とのそれぞれについて、予め設定された単位期間ごとの呼吸波形の周期性および/または体動波形における振幅の大きさに基づいて、単位期間ごとに、その期間における睡眠状態を判別する。さらに、当該判別結果を、隣接する単位期間の判別結果に応じて補正する。さらに、上記単位期間が連続してなる一定期間について、各単位期間の判別結果に基づいて、睡眠のレベルを判別する。そして、得られた睡眠のレベルを、当該睡眠のレベルが対応する時刻情報とともに、メモリ42に記憶する。
【0087】
ステップS60では、CPU41は、計測フラグの状態がOFFであるか否かを判断し、OFFであると判断するとステップS70へ処理を進める。一方、ONであると判断すると、ステップS40へ処理を戻す。
【0088】
なお、CPU41は、ボタン10(ボタン10に含まれる特定のボタン)が、計測フラグの状態がONにあるときに操作されることによって、計測フラグの状態をOFFにする。また、CPU41は、体動センサ31の検出出力に基づいて、計測フラグの状態をOFFにしても良い。たとえば、ステップS40において状態(N)と判別した状態が予め定められた時間継続した場合に、CPU41は、計測フラグの状態をOFFにしても良い。CPU41が、計測フラグの状態がOFFにされた判断することは、被測定者が起床状態であると判別したことに相当する。
【0089】
ステップS70では、CPU41は、ステップS30で計測フラグの状態がONと判断されてからステップS60で計測フラグの状態がOFFと判断されるまでの期間の、睡眠のレベルの判別結果等を表示部20に表示させた後、ステップS40へ処理を戻す。
【0090】
以上説明した睡眠判別処理では、計測フラグの状態がONにされている期間中、睡眠のレベルの判別が行なわれる。この期間が、上記した所定期間に相当する。
【0091】
なお、以上説明した睡眠判別処理では、計測フラグの状態がOFFに戻ったことと判断されたことに応じて(ステップS60でYES判断時)、表示部20において計測結果が表示された。計測結果の表示は、必ずしもこのタイミングでなくても良く、計測フラグの状態がOFFにされた後、さらに、ボタン10が操作された等のタイミングで、行なわれても良い。
【0092】
また、計測結果の表示は、表示部20において行なわれても良いし、CPU41から必要なデータを取得した表示装置200等の、他の装置において行なわれても良い。
【0093】
<睡眠判別処理における表示部の表示例>
図21を参照して説明した睡眠判別処理における、表示部20における表示内容の変化の一例を説明する。
【0094】
(図22:計測開始時)
ステップS30において計測フラグの状態がONであると判断されると、表示部20には、図22に示されるように、表示欄211にその時点の時刻が表示される。なお、計測フラグの状態がONであると判断された直後数秒間、CPU41は、睡眠のレベルの判別が開始されることを報知すべく、表示部20の全面の輝度を上げても良い。
【0095】
(図23:計測期間中)
その後、ステップS40に処理が進められると、表示部20には、図23に示されるように、表示欄211にその時点の時刻が表示され、さらに、表示欄212にその時点での睡眠状態のレベルの判別結果が表示される。
【0096】
図23に示されるような表示は、ステップS60で計測フラグの状態がOFFであると判断されるまで、継続される。表示欄212における表示は、睡眠状態のレベルの判別結果の変更に応じて、適宜更新される。
【0097】
(図24:計測終了時(1))
ステップS60で、計測フラグの状態がOFFであると判断すると、CPU41は、図24に示されるように、表示部20において、表示欄211にその時点の時刻を表示し、表示欄212にその時点での睡眠状態のレベルの判別結果を表示した状態で、表示部20全体の表示の輝度を一時的に(たとえば、数秒間)向上させる。
【0098】
(図25,図26:睡眠時間の表示)
その後、表示欄213に、上記睡眠時間を表す情報を表示させる。
【0099】
表示欄213には、円状に配列された複数のバーを表示するための欄である。360度に配列された複数のバーは、12時間に対応するように配列される。5本のバーが1時間に対応する。つまり、1本のバーは、12分間に対応する。このことから、表示欄213には、最大で62本のバーが表示され得る。
【0100】
そして、表示欄213における睡眠時間を表す情報の表示は、たとえば、円状に(360度に)配列された複数のバーの中の、睡眠時間に対応する位置および数のバーが表示されることによって、実現される。本実施の形態では、このような複数のバーによって、円状に配列された複数の表示部が構成される。
【0101】
図26は、この場合の表示部20の表示例を示す。
図26の表示欄213では、午後12時10分に対応するバーから、翌朝の午前7時10分に対応するバーまでが、表示されている。
【0102】
なお、図26に示された表示がなされる際には、図25に示された表示を経て、つまり、表示されるバーが時計方向に順に表示されるようにしても良い。このように表示されることにより、被測定者等の、表示部20において睡眠時間の表示を見る者に対して、睡眠時間の長さを強調して表示することができる。したがって、被測定者に、睡眠時間の長さの印象を強くし、自己の睡眠に対する満足度を向上させることができる。
【0103】
以上のように、本実施の形態では、睡眠時間が、複数のバーの表示/非表示によって表示され、そして、当該複数のバーは、円状に、時計を表すように配列されている。
【0104】
(図27:睡眠状態時間等の表示)
上記した睡眠時間の表示が終了すると、CPU41は、表示部20に、さらに、上記した睡眠状態時間、覚醒状態時間、および、睡眠時間中のいびきがあった場合にはその旨を表示させる。図27は、このときの表示部20における表示内容の一例を示す図である。
【0105】
図27を参照して、表示欄214に睡眠状態時間が表示され、表示欄217に覚醒状態時間が表示され、表示欄218にいびきがあったことを示す画像が表示されている。なお、図27は、午後10時30分に計測フラグの状態がONになり、翌日の午前12時10分に初めて被測定者の睡眠のレベルが睡眠状態に相当するレベル(レベル1〜レベル3)と判別され、午前7時10分に計測フラグの状態がOFFになり、そして、午前12時10分から午前7時10分までの間の覚醒状態時間が1時間25分であった場合の、測定結果を表している。この場合、睡眠時間は7時間であるため、睡眠状態時間は、睡眠時間(7時間)から覚醒状態時間(1時間25分)を差し引いた、5時間35分となる。
【0106】
(図28:覚醒状態時間の点滅表示)
CPU41は、表示部20において、図27に示すような睡眠状態時間等を表示した後、さらに、表示欄213に表示させた、睡眠時間に対応するバーのうち、覚醒状態時間に対応するバーを点滅表示させても良い。図28に、図27において表示されていた、睡眠時間に対応するバーのうち、覚醒状態時間に対応するバーが点滅によって一時的に表示されなくなる状態を示す。
【0107】
以上説明したように、本実施の形態では、表示欄213において、図27に示されたような睡眠時間が表示された後、図27と図28の表示が交互に繰り返されることにより、睡眠時間における覚醒状態時間に対応するバーが点滅表示される。この点滅表示は、ボタン10に対する操作等、外部からの操作によって停止されても良いし、または、一定時間継続した後、停止されても良い。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
10 ボタン、20 表示部、30 センサ、31 体動センサ、32 マイク、40 制御部、41 CPU、42 メモリ、50 通信部、100 評価装置、200 表示装置、401 入力部、402 第1判別部、403 決定部、404 生成部、405 格納部、406 読出部、407 表示制御部、408 通信制御部、409 第2判別部、410 入力情報処理部、411 覚醒情報取得部、414 音声入力部、415 音声判別部、4021 判別部、4022 補正部。
【技術分野】
【0001】
この発明は睡眠評価装置および睡眠評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、睡眠を計測する装置に関し、種々の技術が開示されている。
たとえば、特許文献1(特開2007−319238号公報)には、睡眠の深さの時間変化を計測し、当該計測結果をグラフ表示する技術が開示されている。また、特許文献2(特開2009−22671号公報)では、12時間分の血圧等の生体情報の計測結果をレーダーチャートの形式で表示する技術が開示されている。
【0003】
上記特許文献1および特許文献2に開示されるように、単に計測結果が連続的に表示された場合でも、専門家であれば、その専門的な知識に基づいて、当該連続的な計測結果の傾向を把握し、また、別の日の計測結果と比較等することにより、当該計測結果を有効に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−319238号公報
【特許文献2】特開2009−022671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、専門的な知識を持たない者には、上記したような特許文献1または特許文献2に開示されたような連続的な計測結果を、傾向などを把握して有効利用することは困難である。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、睡眠評価装置において、計測結果を容易に理解される態様で表示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従った睡眠評価装置は、寝床上の被測定者の身体の動きを検出するための体動検出手段と、体動検出手段の検出結果に基づいて、第1の期間における被測定者の睡眠状態を判別するための第1の判別手段と、第1の判別手段による判別結果に基づいて、第1の期間より長い第2の期間ごとに睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別するための第2の判別手段と、第2の判別手段による判別結果を表示装置に表示させるための表示手段とを備え、表示手段は、第2の判別手段による判別結果に基づいて、睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示装置にさらに表示させる。
【0008】
好ましくは、途中覚醒の発生に関する情報は、少なくとも睡眠状態における途中覚醒の発生の時間または回数である。
【0009】
好ましくは、表示手段は、表示装置において円状に配列された複数の表示部を表示させ、第2の判別手段による判別結果を、各表示部を一定の期間に対応させながら、複数の表示部を用いて表示させる。
【0010】
好ましくは、表示手段は、睡眠状態と覚醒状態のうち、いずれか一方の状態に判別された期間に対応する表示部と、他方の状態に判別された期間に対応する表示部とを、互いに異なる表示態様で表示させる。
【0011】
好ましくは、表示手段は、睡眠状態と覚醒状態のうち、いずれか一方の状態に判別された期間に対応する表示部を点灯表示させ、他方の状態に判別された期間に対応する表示部を点滅表示させる。
【0012】
好ましくは、第1の判別手段は、第1および第2の期間より長い特定の期間について、第1の期間ごとに被測定者の睡眠状態を判別し、表示手段は、特定の期間における、第2の判別手段による判別結果での睡眠状態または覚醒状態のいずれかの累積時間を、表示装置にさらに表示させる。
【0013】
好ましくは、第2の判別手段は、第1の判別手段による判別結果に基づいて被測定者の起床状態をさらに判別し、表示手段は、第2の判別手段が被測定者の起床状態を判別したことに応じて、表示装置に睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示させる。
【0014】
好ましくは、特定の期間の終了を指定する情報の入力を受け付ける入力手段をさらに備え、表示手段は、入力手段に対する入力がなされたことに応じて、表示装置に睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示させる。
【0015】
好ましくは、被測定者のいびきの発生を検出する検出手段をさらに備え、表示手段は、表示装置において、さらに、検出手段が被測定者のいびきを検出した場合には、いびきの発生が検出されたことを示す情報を表示させる。
【0016】
好ましくは、表示手段は、表示装置に、さらに、第1の判別手段による判別結果を表示させる。
【0017】
本発明に従った睡眠評価方法は、寝床上の被測定者の身体の動きを検出するための体動検出手段を備えた睡眠評価装置において実行される睡眠評価方法であって、体動検出手段の検出結果に基づいて、第1の期間における被測定者の睡眠状態を判別するステップと、第1の期間における判別の結果に基づいて、第1の期間より長い第2の期間ごとに睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別するステップと、第2の期間における判別の結果を表示装置に表示させるステップと、第2の期間における判別の結果に基づいて、睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示装置に表示させるステップとを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、睡眠状態および覚醒状態の別が表示され、さらに、睡眠状態における睡眠の種類の判別結果に基づいた、途中覚醒の発生に関する情報が表示される。
【0019】
つまり、睡眠状態と覚醒状態の別が表示されることにより、被測定者が睡眠を取ろうとした期間において被測定者が睡眠状態であったか覚醒状態であったかの全体的な状態を認識することができる。
【0020】
また、途中覚醒の発生に関する情報が表示されることにより、専門的な知識を有しない者が表示を見た場合でも、睡眠の傾向について認識することができる。
【0021】
さらに、睡眠状態と覚醒状態の別が、一定時間ごとに表示されることにより、より小さな表示領域で、睡眠状態および覚醒状態の別と、途中覚醒の発生に関する情報とを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態にかかる睡眠評価装置としての睡眠レベル評価装置(以下、評価装置と略する)の外観の具体例を示す図である。
【図2】評価装置の側面を表わした概略図である。
【図3】評価装置の斜め上方から見た外観の概略図である。
【図4】評価装置のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【図5】評価装置の使用例を説明する図である。
【図6】評価装置における睡眠のレベルの判別のための機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図7】ドップラーセンサである体動センサからのセンサ信号の具体例を示す図である。
【図8】(A)は、図7に表わされた波形から分離された呼吸波形の具体例を示す図であり、(B)は、図7に表わされた波形から分離された体動波形の具体例を示す図である。
【図9】(A)は、図6の判別部での判別結果の具体例を示す図であり、(B)は、(A)の判別結果の補正の具体例を示す図である。
【図10】評価装置におけるいびきの発生を検出するための機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図11】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図12】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図13】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図14】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図15】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図16】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図17】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図18】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図19】睡眠のレベルに対応した、象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例を示す図である。
【図20】通常のいびき音の解析結果を表わす図である。
【図21】評価装置における、被測定者の睡眠状態を判別するための処理(睡眠判別処理)のフローチャートである。
【図22】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図23】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図24】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図25】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図26】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図27】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図28】評価装置の表示部の表示態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0024】
<外観>
図1は、本実施の形態にかかる睡眠レベル評価装置(以下、評価装置と略する)100の外観の具体例を示す図である。また、図2は評価装置100の側面を表わした概略図であり、図3は、斜め上方から見た外観の概略図である。
【0025】
図1〜図3を参照して、評価装置100は、一例として、台座に対して直方体またはその角が丸みを帯びて処理された縦長の形状の筐体が立てられた外観を有する。
【0026】
図1を参照して、台座表面には操作用のボタン10が配備され、台座に立てられた筐体の表面には表示部20とが配備される。また、その筐体内部には、センサ30と、制御部40とが内包される。
【0027】
以降の説明において、筐体の表示部20が設けられた面を評価装置100の正面とも称する。
【0028】
評価装置100は無線または有線での通信を行なうための通信部50を有する。通信部50は、一例として、筐体の、台座と逆側の端部よりに設けられる。そして、通信部50を用いて、パーソナルコンピュータ(以下、PC)や携帯電話機などの表示装置200に接続されて、表示装置200に対して表示データを出力する。
【0029】
<ハードウェア構成>
図4は、評価装置100のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【0030】
図4を参照して、ボタン群10、センサ30、表示部20、および通信部50は、いずれも、制御部40に接続される。
【0031】
ボタン群10は被測定者に操作されることによる操作信号を制御部40に対して出力する。
【0032】
センサ30は体動センサ31および音声センサの一例であるマイクロフォン(以下、「マイク」と略す)32を含み、それぞれがセンサ信号を制御部40に対して出力する。体動センサ31としては、好適にはドップラーセンサが用いられる。以降の説明では、体動センサ31がドップラーセンサであるものとする。他には、超音波センサや赤外線センサが用いられてもよい。
【0033】
ドップラーセンサである体動センサ31は、測定用の電波を出力するための出力部と、受信部とを有する。受信部は、出力部から出力した電波のうち被測定体表面から反射した電波を受信し、出力した電波からの周波数の変化に応じたセンサ信号を出力する。
【0034】
なお、体動を検出する機構として体動センサ31に替えてカメラを備えて、制御部40において画像解析を行なうことで体動を検出してもよい。
【0035】
制御部40は、全体制御を行なうためのCPU41と、CPU41で実行されるプログラムなどを記憶するためのメモリ42とを含む。
【0036】
制御部40は、CPU41がメモリ42に記憶されている表示用のプログラムを実行し、入力された操作信号およびセンサ信号を用いて演算を実行することで、後述する睡眠のレベルを算出し、睡眠のレベルを表示するための表示データを生成する。また、制御部40は、後述する睡眠潜時時間の算出等の種々の処理を実行する。
【0037】
制御部40は、表示データに基づく画面表示を表示部20に行なうための表示制御を実行する。さらに、表示データを通信部50から表示装置200に対して送信するための通信制御を実行する。
【0038】
通信部50は、たとえば赤外線通信やBluetooth(登録商標)を利用した通信などの無線通信で、直接、表示装置200と通信するものであってもよいし、インターネット接続機能を有して、インターネットを介して表示装置200と通信するものであってもよい。
【0039】
さらに、通信部50は無線LAN(Local Area Network)のサーバ機能を有して、無線LAN接続でアクセスした表示装置200に対して、たとえばHTML(Hyper Text Markup Language)などのマークアップ言語で表現された後述の表示データを送信するようにしてもよい。
【0040】
また、評価装置100には、タイマ60が備えられている。タイマ60は、制御部40に接続されている。CPU41は、タイマ60から時刻情報を取得して、後述する入床時刻等の各時刻を特定し、メモリ41に記憶する。
【0041】
<使用例>
図5は、評価装置100の使用例を説明する図である。
【0042】
図5を参照して、評価装置100は、一例として就寝中の被測定者の近傍(たとえば枕元)に設置される。その状態で測定動作が行なわれることで、ドップラーセンサである体動センサ31から電波が出力される。
【0043】
体動センサ31から出力された電波は就寝中の被測定者の主に胸元、肩、などの辺りに到達し、そこからの反射波の周波数の変化がセンサ信号として制御部40に出力される。制御部40は、この周波数の変化に基づいて、就寝中の被測定者の胸の動きや寝返りなどの体動を検出し、その検出結果に基づいて睡眠のレベルを判別する。
【0044】
また、被測定者の近傍に配備されることで、音声センサであるマイク32によって被測定者近傍の音声が検出される。音声信号はセンサ信号として制御部40に出力される。このセンサ信号を以降の説明では音信号とも称する。
【0045】
制御部40は、呼吸・体動信号で表わされた周波数の変化に基づいて就寝中の被測定者の胸の動きや寝返りなどの体動を検出し、その検出結果に基づいて睡眠状態を判別する。また、制御部40は、音信号から被測定者の「いびき」を検出し、その検出結果に基づいていびきの状態を判別する。
【0046】
<睡眠状態か覚醒状態かの判別(睡眠のレベル判別)のための機能構成>
図6は、評価装置100において、睡眠状態であるか覚醒状態であるかの判別の一例である、睡眠のレベルの判別のための機能構成の具体例を示すブロック図である。図6に表わされる各機能は、主に、CPU41がメモリ42に記憶されるプログラムを実行することによってCPU41上に形成されるものであるが、少なくとも一部が電気回路などのハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0047】
図6を参照して、評価装置100は、センサ30からのセンサ信号の入力を受付けるための入力部401と、そのセンサ信号に基づいて単位期間の睡眠状態を判別するための第1判別部402と、単位期間ごとの判別結果に基づいて、当該単位期間が所定数連続してなる一定期間の睡眠状態のレベルを判別するための第2判別部409と、睡眠状態のレベルに基づいて当該一定期間の表示態様を決定するための決定部403と、決定された表示態様に基づいて睡眠のレベルを表示する表示データを生成するための生成部404と、表示データをメモリ42に格納する処理を実行するための格納部405と、メモリ42から表示データを読み出すための読出部406と、読み出された表示データを表示部20に表示させる処理を実行するための表示制御部407と、通信部50で表示装置200に対して送信する処理を実行するための通信制御部408とを含む。
【0048】
また、評価装置100は、ボタン群10に含まれる各種ボタンからの入力情報を処理するための入力情報処理部410を含む。
【0049】
図6の例では、入力部401が、センサ30からのセンサ信号を直接受け取るものとしているが、センサ信号はメモリ42の所定領域に一時的に記憶され、入力部401は表示のための動作を行なう際にそこから読み出すようにしてもよい。
【0050】
<睡眠のレベルの判別方法>
ここで、第2判別部409での睡眠のレベルの判別方法について説明する。
【0051】
図7は、ドップラーセンサである体動センサ31からのセンサ信号の具体例を示す図である。図7は、体動センサ31からの反射波と被測定者の表面からの反射波との位相の変化量に関係する電圧値の時間変化を表わしている。
【0052】
図7を参照して、センサ信号で表わされる波形は、被測定者の呼吸に伴う体動(胸の動き)を表わす波形(以下、呼吸波形とも称する)と、寝返りなどの呼吸以外の体動を表わす波形(以下、体動波形とも称する)とを含む合成波である。
【0053】
図8および図9は、図7に表わされた波形から分離された呼吸波形および体動波形の具体例を示す図である。
【0054】
安定した睡眠状態であるときのヒトの呼吸波形は周期性を有する。従って、呼吸波形の周期性が所定範囲内である場合、すなわち、その周期のばらつきが所定範囲内であるときには、概ね、安定した睡眠状態であると言える。
【0055】
また、安定した睡眠状態であるとき、寝返りなどの呼吸以外の体動は生じ難い。従って、体動波形の振幅が所定範囲内であるときには概ね安定した睡眠状態であると言え、所定範囲以上となった場合には体動が生じているために安定した睡眠状態ではないと言える。
【0056】
従って、ある期間については、その期間における呼吸波形の周期性や呼吸以外の体動の大きさに基づいて被測定者が安定した睡眠状態にあるか否かを判別することができる。なお、この例では、呼吸波形と体動波形との両波形を用いて判別するものとしているが、少なくとも一方の波形のみを用いてもよい。
【0057】
図6に示されるように、第1判別部402は、判別部4021と補正部4022とを含む。
【0058】
判別部4021は、図7に示された入力されたセンサ信号に基づく波形を、図8および図9に示される呼吸波形と体動波形とに分離する。そして、それぞれの波形に基づいて、予め規定された単位期間(図7の期間t1,t2,t3,t4,t5)ごとに、被測定者が安定した睡眠状態にあるか否かを判別する。ここでの単位期間は、たとえば30秒や1分程度が挙げられる。すなわち、呼吸波形の単位期間t1における周期のばらつきが予め設定されているしきい値よりも小さい場合には、単位期間t1における呼吸波形に周期性が見られると判断する。また、体動波形の単位期間t1における振幅が予め設定されているしきい値よりも大きいか小さいかを判断する。
【0059】
そして、判別部4021は、単位期間t1における呼吸波形に周期性があり、かつ体動波形の振幅がしきい値よりも小さい場合に、単位期間t1の当該被測定者の睡眠状態を睡眠状態(S)であると判別する。一方、判別部4021は、単位期間t1における呼吸波形に周期性がなく、かつ体動波形の振幅がしきい値よりも大きい場合に、単位期間t1の当該被測定者の睡眠状態を覚醒状態(W)であると判別する。なお、いずれか一方の条件のみが満たされている場合、つまり、単位期間t1における呼吸波形に周期性があるか、または、体動波形の振幅がしきい値よりも小さい場合に、覚醒状態と判別するようにしてもよい。
【0060】
また、判別部4021は、体動センサ31から出力された電波が届く範囲における被測定者の有無を判別しても良い。
【0061】
このような判別は、たとえば、センサ信号に基づく波形を上記したように呼吸波形と体動波形に分離した後、呼吸波形または体動波形のいずれかにおいて、当該波形の振幅が特定の値よりも小さい状態が特定の時間(たとえば、30秒間)継続した場合に、判別部4021は、上記範囲に被測定者が存在しないと判断する。そして、それ以外の場合には、上記範囲に被測定者が存在していると判断する。なお、判別部4021は、被測定者の有無の状態を、被測定者が存在すると判断した場合には状態(E)と判別し、被測定者が存在しないと判断した場合には状態(N)と判別する。
【0062】
図9(A)は、判別部4021での判別結果の具体例を示す図である。図9(A)に示されるように、判別部4021は、入力されたセンサ信号に基づく波形の単位期間ごとに、安定した睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別する。
【0063】
しかしながら、睡眠状態において体動が生じたり、覚醒状態において体動がなく呼吸が安定していたりする単位期間が生じる場合もある。また、被測定者以外の移動物からの反射波を受信して、その結果、体動波形にノイズが生じる場合もある。そこで、好ましくは、補正部4022は、隣接する単位期間の判別結果に応じて、当該単位期間の判別結果を補正する。
【0064】
一例として、図9(B)に、図9(A)に示された判別結果の補正の具体例を示す、図9(A)および図9(B)を参照して、補正部4022は、同一の判別結果である単位期間の連続数が所定数以下であり、かつ、当該判別結果と反対の判別結果である単位期間がこの連続した単位期間の前後に所定数以上連続している場合、その連続した単位期間の判別結果を、反対の判別結果となるように補正する。
【0065】
具体的には、判別部4021は図9(A)の単位期間t7について覚醒状態(W)と判別しているが、覚醒状態(W)と判別された単位期間は単位期間t7に対して連続しておらず(すなわち、連続数が1であり)、かつ、単位期間t7の前後において睡眠状態(S)と判別された単位期間がある程度連続している。判別結果が逆の同様の状態は単位期間t13についても見られる。
【0066】
仮に、対象とする単位期間の判別結果の連続数のしきい値(第1のしきい値)を2、その前後の単位期間の判別結果の連続数のしきい値(第2のしきい値)を2とすると、単位期間t7については、覚醒状態(W)と判別された単位期間の連続数1が上記第1のしきい値よりも小さく、かつ、単位期間t7の前後の判別結果の逆の単位期間の連続数3が上記第2のしきい値よりも大きい、という条件を満たしている。従って、補正部4022は、単位期間t7の単位期間の判別結果を、反対の判別結果である睡眠状態(S)となるように補正する。
【0067】
同様にして、補正部4022は、単位期間t13の単位期間の判別結果も、反対の判別結果である覚醒状態(W)となるように補正する。
【0068】
次に、第2判別部409は、上記単位期間が連続してなる一定期間について、各単位期間の判別結果に基づいて、睡眠のレベルを判別する。ここでの単位期間は、たとえば5分や10分程度が挙げられる。
【0069】
ここで、睡眠のレベルとは、呼吸の安定具合と、体動の有無、連続性とから定義される睡眠の深さのレベルを指す。具体例として、
レベル1:体動がなく、呼吸が安定している睡眠状態、
レベル2:単発的な体動がある睡眠状態、
レベル3:連続的な体動がある睡眠状態、
レベル4:連続的な体動が続く覚醒状態、
レベル5:完全な覚醒状態、
などが挙げられる。
【0070】
第2判別部409は、各レベルの判別値として、一定期間を構成する各単位期間の判別結果の連続数や、比率を記憶しておく。一例として、図13は上記レベル1の象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例、図14は上記レベル2の象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例、図15および図16は上記レベル3の象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例、図17は上記レベル4の象徴的なセンサ信号の示す波形の具体例、図18は上記レベル5の象徴的なセンサ信号の示す波形であって特に入床時のセンサ信号の示す波形、および図19は上記レベル5の象徴的なセンサ信号の示す波形であって特に離床時のセンサ信号の示す波形を表わす図である。第2判別部409は、これらセンサ信号の示す波形に表わされた判別結果の連続数や、比率を、各レベルの判別値として予め記憶しておく。そして、図9(C)は、各一定期間ごとの睡眠のレベルの判別結果の具体例を表わす図である。すなわち、図9(B)および図9(C)を参照して、第2判別部409は、上記一定期間を構成する単位期間の連続について、判別結果の連続数と記憶している判別値とを比較すること、および、判別結果の比率と判別値とを比較すること、によって、当該一定期間の睡眠のレベルを判別する。
【0071】
<いびき検出のための機能構成>
図10は、評価装置100においていびきの発生を検出するための機能構成の具体例を示すブロック図である。図10に表わされる各機能は、主に、CPU41がメモリ42に記憶されるプログラムを実行することによってCPU41上に形成されるものであるが、少なくとも一部が電気回路などのハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0072】
図10を参照して、評価装置100は、その時点の被測定者に対して上記のように判別された睡眠のレベル(レベル1〜レベル5)を取得する覚醒情報取得部411と、マイク32からの音声信号の入力を受け付ける音声入力部414と、音声入力部414に入力された音声信号に対して周波数を測定することにより上記したいびきの構成要素とされる周波数帯での所定量以上の音圧が検出されたことを判別する音声判別部415と、音声判別部415の判別結果と覚醒情報取得部411が取得した情報とに基づいていびきが発生したか否かを決定する決定部418と、決定部418の決定した結果を表示させるために表示部20および/または通信部50に送信するための出力処理部419とを含む。決定部418の決定した結果は、通信部50を介して、外部の装置に送信されることにより、他の装置において表示され得る。
【0073】
図20は、通常のいびき音の解析結果を表わす図である。図20を参照して、通常のいびき音は、概ね1000Hz以下の音で構成される。決定部418は、たとえば、覚醒情報取得部411の取得したレベルがレベル1〜レベル3である期間中に音声判別部415において1000Hz以下の音声が所定量以上の音圧で検出されたことに基づいて、いびきが発生したと決定する。
【0074】
<結果表示の例>
評価装置100では、CPU41は、所定期間、睡眠のレベルの判別を行なう。そして、CPU41は、当該所定期間のうち睡眠のレベルが初めてレベル1〜レベル3のいずれかと判別したときから睡眠状態(睡眠のレベル1〜レベル3)と判別された期間の累積時間(睡眠状態時間)と、当該期間においていびきが発生した場合にはその旨とを、表示部20に表示する。ここで、所定期間とは、予めメモリ42に記憶された期間(後述する測定開始時刻から測定終了時刻までの期間)であっても良いし、被測定者によるボタン10に対する操作等によって定められる期間であっても良い。
【0075】
図11は、表示部20の表示態様の一例を示す図である。
図11を参照して、表示部20は、現在時刻を表示する表示欄211と、睡眠状態時間を表示する表示欄214と、いびきが発生したことを示す画像を表示する表示欄218とを含む。
【0076】
なお、本明細書では、上記所定期間のうち、睡眠のレベルが初めてレベル1〜レベル3のいずれかと判別された時点から起床状態(後述)と判別されるまでの期間を睡眠時間という。睡眠時間には、睡眠状態にある時間と覚醒状態にある時間とを含む。上記した睡眠状態時間は、睡眠時間のうち睡眠状態にある時間の累積時間である。これに対し、睡眠時間のうち覚醒状態にある時間の累積時間を、覚醒状態時間という。そして、表示部20には、睡眠時間における睡眠状態と覚醒状態とを区別して表示するための表示欄213と、睡眠時間中に覚醒状態が生じたことを示す画像を表示する表示欄216と、睡眠時間中の覚醒状態が生じた時間(覚醒状態時間)を示す表示欄217を含む。
【0077】
本明細書では、睡眠時間中に覚醒状態が生じたことを、適宜「途中覚醒」という。
<測定中表示の例>
評価装置100では、CPU41は、上記所定時間中、表示部20に、睡眠のレベルを判別するための体動センサ31の検出出力を取得している旨を表示する。
【0078】
図12は、このような表示態様の一例を示す図である。
図12を参照して、CPU41は、体動センサ31の検出出力に基づいて、上記したように単位期間ごとに睡眠状態のレベルを判別する。図12に示された表示例は、CPU41が、体動センサ31の検出出力を取得した直後に、当該検出出力について単位期間ごとに睡眠状態のレベルを判別する。そして、表示部20は、当該睡眠状態のレベルの判別結果を表示する表示欄212を含む。表示欄212では、複数のバーが表示可能である。CPU41は、単位期間ごとに睡眠状態のレベルを判別し、判別したレベルに応じた数のバーを、表示欄212に表示させる。
【0079】
ただし、CPU41は、体動センサ31の検出出力を取得した後、ボタン10に対する操作がなされたことに応じて上記単位期間ごとの睡眠状態のレベルの判別を行なう等、上記した睡眠状態のレベルの判別は検出出力が取得された直後に行なわれなくても良い。このような場合には、睡眠時間中の表示部20における表示欄212の表示は省略されても良い。
【0080】
<動作の概要>
図21は、評価装置100における、被測定者の睡眠状態を判別するための処理(睡眠判別処理)のフローチャートである。当該処理は、たとえば、評価装置100における電源投入時に開始される。なお、当該処理における動作は、CPU41がメモリ42に記憶される表示用のプログラムを読み出して実行し、図6に示された各機能を発揮することによって実現される。
【0081】
睡眠判別処理では、CPU41において、計測フラグのON/OFFが設定される。評価装置100の初期状態では、計測フラグの状態は、OFFに設定される。当該フラグの機能については、後述する。
【0082】
図21を参照して、評価装置100に電源が投入されると、CPU41は、ステップS10で、評価装置100の初期化を行ない、ステップS20へ処理を進める。
【0083】
ステップS20では、CPU41は、体動センサ31を用いたセンサ信号の取得を開始して、ステップS30へ処理を進める。
【0084】
ステップS30では、CPU41は、計測フラグの状態がONであるか否かを判断し、ONであると判断するとステップS40へ処理を進める。一方、OFFであれば、ONにされるまでステップS30で待機する。なお、CPU41は、ボタン10(ボタン10に含まれる特定のボタン)を操作されることにより、または、予めメモリ42に記憶された測定開始時刻が到来したことを条件として、計測フラグの状態をONに変更する。
【0085】
ステップS40では、CPU41は、計測対象が体動センサ31の検出範囲内に存在するか否か、つまり、体動センサ31から出力された電波が届く範囲に被測定者が居るか否かを判別する。この判別は、たとえば、上記したように、体動センサ31から出力される信号の波形を呼吸波形と体動波形に分離した後、呼吸波形または体動波形のいずれかにおいて、当該波形の振幅が特定の値よりも小さい状態が特定の時間(たとえば、30秒間)継続したか否かに基づいて実現される。そして、被測定者が存在すると判断した場合、つまり、状態(E)と判別した場合には、CPU41は、ステップS50へ処理を進める。なお、被測定者が存在しないと判断した場合、つまり、状態(N)と判別した場合には、ステップS50の処理を行なうことなく、ステップS60へ処理を進める。
【0086】
ステップS50では、CPU41は、睡眠のレベルおよびいびきの発生の有無を判別して、ステップS60へ処理を進める。なお、ステップS50では、CPU41は、たとえば、ステップS40で得られた呼吸波形と体動波形とのそれぞれについて、予め設定された単位期間ごとの呼吸波形の周期性および/または体動波形における振幅の大きさに基づいて、単位期間ごとに、その期間における睡眠状態を判別する。さらに、当該判別結果を、隣接する単位期間の判別結果に応じて補正する。さらに、上記単位期間が連続してなる一定期間について、各単位期間の判別結果に基づいて、睡眠のレベルを判別する。そして、得られた睡眠のレベルを、当該睡眠のレベルが対応する時刻情報とともに、メモリ42に記憶する。
【0087】
ステップS60では、CPU41は、計測フラグの状態がOFFであるか否かを判断し、OFFであると判断するとステップS70へ処理を進める。一方、ONであると判断すると、ステップS40へ処理を戻す。
【0088】
なお、CPU41は、ボタン10(ボタン10に含まれる特定のボタン)が、計測フラグの状態がONにあるときに操作されることによって、計測フラグの状態をOFFにする。また、CPU41は、体動センサ31の検出出力に基づいて、計測フラグの状態をOFFにしても良い。たとえば、ステップS40において状態(N)と判別した状態が予め定められた時間継続した場合に、CPU41は、計測フラグの状態をOFFにしても良い。CPU41が、計測フラグの状態がOFFにされた判断することは、被測定者が起床状態であると判別したことに相当する。
【0089】
ステップS70では、CPU41は、ステップS30で計測フラグの状態がONと判断されてからステップS60で計測フラグの状態がOFFと判断されるまでの期間の、睡眠のレベルの判別結果等を表示部20に表示させた後、ステップS40へ処理を戻す。
【0090】
以上説明した睡眠判別処理では、計測フラグの状態がONにされている期間中、睡眠のレベルの判別が行なわれる。この期間が、上記した所定期間に相当する。
【0091】
なお、以上説明した睡眠判別処理では、計測フラグの状態がOFFに戻ったことと判断されたことに応じて(ステップS60でYES判断時)、表示部20において計測結果が表示された。計測結果の表示は、必ずしもこのタイミングでなくても良く、計測フラグの状態がOFFにされた後、さらに、ボタン10が操作された等のタイミングで、行なわれても良い。
【0092】
また、計測結果の表示は、表示部20において行なわれても良いし、CPU41から必要なデータを取得した表示装置200等の、他の装置において行なわれても良い。
【0093】
<睡眠判別処理における表示部の表示例>
図21を参照して説明した睡眠判別処理における、表示部20における表示内容の変化の一例を説明する。
【0094】
(図22:計測開始時)
ステップS30において計測フラグの状態がONであると判断されると、表示部20には、図22に示されるように、表示欄211にその時点の時刻が表示される。なお、計測フラグの状態がONであると判断された直後数秒間、CPU41は、睡眠のレベルの判別が開始されることを報知すべく、表示部20の全面の輝度を上げても良い。
【0095】
(図23:計測期間中)
その後、ステップS40に処理が進められると、表示部20には、図23に示されるように、表示欄211にその時点の時刻が表示され、さらに、表示欄212にその時点での睡眠状態のレベルの判別結果が表示される。
【0096】
図23に示されるような表示は、ステップS60で計測フラグの状態がOFFであると判断されるまで、継続される。表示欄212における表示は、睡眠状態のレベルの判別結果の変更に応じて、適宜更新される。
【0097】
(図24:計測終了時(1))
ステップS60で、計測フラグの状態がOFFであると判断すると、CPU41は、図24に示されるように、表示部20において、表示欄211にその時点の時刻を表示し、表示欄212にその時点での睡眠状態のレベルの判別結果を表示した状態で、表示部20全体の表示の輝度を一時的に(たとえば、数秒間)向上させる。
【0098】
(図25,図26:睡眠時間の表示)
その後、表示欄213に、上記睡眠時間を表す情報を表示させる。
【0099】
表示欄213には、円状に配列された複数のバーを表示するための欄である。360度に配列された複数のバーは、12時間に対応するように配列される。5本のバーが1時間に対応する。つまり、1本のバーは、12分間に対応する。このことから、表示欄213には、最大で62本のバーが表示され得る。
【0100】
そして、表示欄213における睡眠時間を表す情報の表示は、たとえば、円状に(360度に)配列された複数のバーの中の、睡眠時間に対応する位置および数のバーが表示されることによって、実現される。本実施の形態では、このような複数のバーによって、円状に配列された複数の表示部が構成される。
【0101】
図26は、この場合の表示部20の表示例を示す。
図26の表示欄213では、午後12時10分に対応するバーから、翌朝の午前7時10分に対応するバーまでが、表示されている。
【0102】
なお、図26に示された表示がなされる際には、図25に示された表示を経て、つまり、表示されるバーが時計方向に順に表示されるようにしても良い。このように表示されることにより、被測定者等の、表示部20において睡眠時間の表示を見る者に対して、睡眠時間の長さを強調して表示することができる。したがって、被測定者に、睡眠時間の長さの印象を強くし、自己の睡眠に対する満足度を向上させることができる。
【0103】
以上のように、本実施の形態では、睡眠時間が、複数のバーの表示/非表示によって表示され、そして、当該複数のバーは、円状に、時計を表すように配列されている。
【0104】
(図27:睡眠状態時間等の表示)
上記した睡眠時間の表示が終了すると、CPU41は、表示部20に、さらに、上記した睡眠状態時間、覚醒状態時間、および、睡眠時間中のいびきがあった場合にはその旨を表示させる。図27は、このときの表示部20における表示内容の一例を示す図である。
【0105】
図27を参照して、表示欄214に睡眠状態時間が表示され、表示欄217に覚醒状態時間が表示され、表示欄218にいびきがあったことを示す画像が表示されている。なお、図27は、午後10時30分に計測フラグの状態がONになり、翌日の午前12時10分に初めて被測定者の睡眠のレベルが睡眠状態に相当するレベル(レベル1〜レベル3)と判別され、午前7時10分に計測フラグの状態がOFFになり、そして、午前12時10分から午前7時10分までの間の覚醒状態時間が1時間25分であった場合の、測定結果を表している。この場合、睡眠時間は7時間であるため、睡眠状態時間は、睡眠時間(7時間)から覚醒状態時間(1時間25分)を差し引いた、5時間35分となる。
【0106】
(図28:覚醒状態時間の点滅表示)
CPU41は、表示部20において、図27に示すような睡眠状態時間等を表示した後、さらに、表示欄213に表示させた、睡眠時間に対応するバーのうち、覚醒状態時間に対応するバーを点滅表示させても良い。図28に、図27において表示されていた、睡眠時間に対応するバーのうち、覚醒状態時間に対応するバーが点滅によって一時的に表示されなくなる状態を示す。
【0107】
以上説明したように、本実施の形態では、表示欄213において、図27に示されたような睡眠時間が表示された後、図27と図28の表示が交互に繰り返されることにより、睡眠時間における覚醒状態時間に対応するバーが点滅表示される。この点滅表示は、ボタン10に対する操作等、外部からの操作によって停止されても良いし、または、一定時間継続した後、停止されても良い。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
10 ボタン、20 表示部、30 センサ、31 体動センサ、32 マイク、40 制御部、41 CPU、42 メモリ、50 通信部、100 評価装置、200 表示装置、401 入力部、402 第1判別部、403 決定部、404 生成部、405 格納部、406 読出部、407 表示制御部、408 通信制御部、409 第2判別部、410 入力情報処理部、411 覚醒情報取得部、414 音声入力部、415 音声判別部、4021 判別部、4022 補正部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝床上の被測定者の身体の動きを検出するための体動検出手段と、
前記体動検出手段の検出結果に基づいて、第1の期間における被測定者の睡眠状態を判別するための第1の判別手段と、
前記第1の判別手段による判別結果に基づいて、前記第1の期間より長い第2の期間ごとに睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別するための第2の判別手段と、
前記第2の判別手段による判別結果を表示装置に表示させるための表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記第2の判別手段による判別結果に基づいて、前記睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を前記表示装置にさらに表示させる、睡眠評価装置。
【請求項2】
前記途中覚醒の発生に関する情報は、少なくとも前記睡眠状態における途中覚醒の発生の時間または回数である、請求項1に記載の睡眠評価装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記表示装置において円状に配列された複数の表示部を表示させ、
前記第2の判別手段による判別結果を、各前記表示部を一定の期間に対応させながら、前記複数の表示部を用いて表示させる、請求項1または請求項2に記載の睡眠評価装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記睡眠状態と前記覚醒状態のうち、いずれか一方の状態に判別された期間に対応する前記表示部と、他方の状態に判別された期間に対応する前記表示部とを、互いに異なる表示態様で表示させる、請求項3に記載の睡眠評価装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記睡眠状態と前記覚醒状態のうち、いずれか一方の状態に判別された期間に対応する前記表示部を点灯表示させ、他方の状態に判別された期間に対応する前記表示部を点滅表示させる、請求項4に記載の睡眠評価装置。
【請求項6】
前記第1の判別手段は、前記第1および前記第2の期間より長い特定の期間について、前記第1の期間ごとに被測定者の睡眠状態を判別し、
前記表示手段は、前記特定の期間における、前記第2の判別手段による判別結果での前記睡眠状態または前記覚醒状態のいずれかの累積時間を、前記表示装置にさらに表示させる、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の睡眠評価装置。
【請求項7】
前記第2の判別手段は、前記第1の判別手段による判別結果に基づいて被測定者の起床状態をさらに判別し、
前記表示手段は、前記第2の判別手段が被測定者の前記起床状態を判別したことに応じて、前記表示装置に前記睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示させる、請求項6に記載の睡眠評価装置。
【請求項8】
前記特定の期間の終了を指定する情報の入力を受け付ける入力手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記入力手段に対する入力がなされたことに応じて、前記表示装置に前記睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示させる、請求項6に記載の睡眠評価装置。
【請求項9】
被測定者のいびきの発生を検出する検出手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記表示装置において、さらに、前記検出手段が被測定者のいびきを検出した場合には、いびきの発生が検出されたことを示す情報を表示させる、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の睡眠評価装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記表示装置に、さらに、前記第1の判別手段による判別結果を表示させる、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の睡眠評価装置。
【請求項11】
寝床上の被測定者の身体の動きを検出するための体動検出手段を備えた睡眠評価装置において実行される睡眠評価方法であって、
前記体動検出手段の検出結果に基づいて、第1の期間における被測定者の睡眠状態を判別するステップと、
前記第1の期間における前記判別の結果に基づいて、前記第1の期間より長い第2の期間ごとに睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別するステップと、
前記第2の期間における前記判別の結果を表示装置に表示させるステップと、
前記第2の期間における前記判別の結果に基づいて、前記睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を前記表示装置に表示させるステップとを備える、睡眠評価方法。
【請求項1】
寝床上の被測定者の身体の動きを検出するための体動検出手段と、
前記体動検出手段の検出結果に基づいて、第1の期間における被測定者の睡眠状態を判別するための第1の判別手段と、
前記第1の判別手段による判別結果に基づいて、前記第1の期間より長い第2の期間ごとに睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別するための第2の判別手段と、
前記第2の判別手段による判別結果を表示装置に表示させるための表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記第2の判別手段による判別結果に基づいて、前記睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を前記表示装置にさらに表示させる、睡眠評価装置。
【請求項2】
前記途中覚醒の発生に関する情報は、少なくとも前記睡眠状態における途中覚醒の発生の時間または回数である、請求項1に記載の睡眠評価装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記表示装置において円状に配列された複数の表示部を表示させ、
前記第2の判別手段による判別結果を、各前記表示部を一定の期間に対応させながら、前記複数の表示部を用いて表示させる、請求項1または請求項2に記載の睡眠評価装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記睡眠状態と前記覚醒状態のうち、いずれか一方の状態に判別された期間に対応する前記表示部と、他方の状態に判別された期間に対応する前記表示部とを、互いに異なる表示態様で表示させる、請求項3に記載の睡眠評価装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記睡眠状態と前記覚醒状態のうち、いずれか一方の状態に判別された期間に対応する前記表示部を点灯表示させ、他方の状態に判別された期間に対応する前記表示部を点滅表示させる、請求項4に記載の睡眠評価装置。
【請求項6】
前記第1の判別手段は、前記第1および前記第2の期間より長い特定の期間について、前記第1の期間ごとに被測定者の睡眠状態を判別し、
前記表示手段は、前記特定の期間における、前記第2の判別手段による判別結果での前記睡眠状態または前記覚醒状態のいずれかの累積時間を、前記表示装置にさらに表示させる、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の睡眠評価装置。
【請求項7】
前記第2の判別手段は、前記第1の判別手段による判別結果に基づいて被測定者の起床状態をさらに判別し、
前記表示手段は、前記第2の判別手段が被測定者の前記起床状態を判別したことに応じて、前記表示装置に前記睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示させる、請求項6に記載の睡眠評価装置。
【請求項8】
前記特定の期間の終了を指定する情報の入力を受け付ける入力手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記入力手段に対する入力がなされたことに応じて、前記表示装置に前記睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を表示させる、請求項6に記載の睡眠評価装置。
【請求項9】
被測定者のいびきの発生を検出する検出手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記表示装置において、さらに、前記検出手段が被測定者のいびきを検出した場合には、いびきの発生が検出されたことを示す情報を表示させる、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の睡眠評価装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記表示装置に、さらに、前記第1の判別手段による判別結果を表示させる、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の睡眠評価装置。
【請求項11】
寝床上の被測定者の身体の動きを検出するための体動検出手段を備えた睡眠評価装置において実行される睡眠評価方法であって、
前記体動検出手段の検出結果に基づいて、第1の期間における被測定者の睡眠状態を判別するステップと、
前記第1の期間における前記判別の結果に基づいて、前記第1の期間より長い第2の期間ごとに睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判別するステップと、
前記第2の期間における前記判別の結果を表示装置に表示させるステップと、
前記第2の期間における前記判別の結果に基づいて、前記睡眠状態における途中覚醒の発生に関する情報を前記表示装置に表示させるステップとを備える、睡眠評価方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図7】
【図8】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図7】
【図8】
【図20】
【公開番号】特開2012−187299(P2012−187299A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54173(P2011−54173)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]