説明

睡眠障害のある呼吸を治療する圧力療法用の方法及び装置

【課題】患者の呼吸の流れを測定することなく、呼吸の圧力治療、検出する方法および装置を提供する。
【解決手段】呼吸圧力治療装置のコントローラすなわちプロセッサ312が、流れ発生器によって作られた流れに関連した圧力の大きさ302と、サーボ制御式ブロワモータの回転速度などの流れ発生器の周波数の大きさ304とに基づいて、患者の呼吸流れの推定値308を評価する。この推定値308は、呼吸に基づく流れセンサからのデータなしで作ることができる。周波数の大きさ304は流れ発生器の特性に基づいて予想された圧力へと変換することができ、測定された圧力302から減算されて、流れ推定値308が決定される。この流れ推定値308は、流れ発生器を用いる呼吸圧力治療装置の設備において、流れ推定の信号が検出されると、患者の呼気中に呼気圧力軽減装置をトリガするために、この流れ推定値308を使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本願は、2007年8月17日に出願された米国仮特許出願第60/965,171号及び2008年4月22日に出願された米国仮特許出願第61/125,066号の出願日に関する利益を請求する。それらの開示内容を引用することにより、本明細書の一部をなすものとする。
【0002】
[発明の分野]
本技術は、閉塞性睡眠時無呼吸・呼吸低下シンドローム(obstructive sleep apanea hypopnea syndrome:以下、「OSAHS」とよぶ)または閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:以下、「OSA」とよぶ)に関連した容態などの呼吸症状を治療するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
OSAの患者は、睡眠中に無呼吸又は呼吸低下が頻発する。これらの症状は、患者が目覚めることによってのみ終わる。これらの頻発する事象は、睡眠の細分化及び交感神経系を刺激する原因になる。このことは、(自動車事故の可能性が伴う)昼間の眠気、精神状態不良、記憶不具合、うつ病及び高血圧症がある患者にとって重大な結果をもたらすことがある。OSAの患者は、大きないびきをかくこともあるため、配偶者の睡眠を妨げることもある。OSAの患者に対する最良の治療方法は、接続するホースとマスク(患者用インターフェース)を介して、ブロワ(コンプレッサ)によって一定の正の気道圧力(constant positive airway pressure)を加えることである。正の気道圧力は、呼吸中に患者の気道がつぶれることを防ぐため、頻発する無呼吸又は呼吸低下及びそれらの後遺症を防止する。
【0004】
正の気道圧力は、多くの方法により与えることができる。例えば、ほぼ一定のレベルで患者の呼吸サイクルの吸気及び呼気のレベルにわたって正の気道圧力レベルを維持することができる。別の方法では、患者の呼吸サイクルに同期して変化するように圧力レベルを調整することができる。例えば、患者を心地良くするために、吸気中にあるレベルに、そして呼気中に別のより低いレベルに圧力を設定することができる。そのような圧力治療システムは、2レベル(bi−level)と呼ばれることがある。別の方法では、圧力レベルが連続して調整されて、患者の呼吸サイクルの中の変化を円滑に再現する。呼気中のより低い圧力設定は、一般に、呼気圧力軽減(expiratory pressure relief)と呼ばれる。
【0005】
圧力にそのような変化を与える場合及び/又は治療圧力を調整するための条件を検出する場合には、患者の呼吸流れ(respiratory flow)を測定することは有用である。例えば、患者の呼吸流れを測定することは、患者が吸気から呼気に変化する時期を検出して、呼気圧力治療設定(expiratory pressure treatment setting)又は吸気圧力治療設定を与える時期を決定するために利用できる。同様に、測定された患者の呼吸流れの信号は、治療圧力の調整を行うために患者の流れの限界を検出するために利用することができる。そのような調整は、米国特許第5,704,345号明細書の中で例証されている。これらの目的のために、測定された流れの信号は、差動圧力変換器又は呼吸タコグラフなどの流れセンサから得ることができる。
【0006】
現行の方法及び装置を改良するために、流れを評価するためのさらに別の方法及び装置を開発すること、及び/又は、新しい圧力治療及び検出方法及び装置を開発することが望ましい。
【発明の開示】
【0007】
本技術の一態様は、呼吸流れ発生装置に関する方法を含む。1つの方法では、呼吸流れ発生装置によって作られた圧力の大きさ及び呼吸流れ発生装置の周波数の大きさが測定される。そして、この方法は、圧力の大きさ及び周波数の大きさの関数として、患者の呼吸流れの推定値を得る。幾つかの実施形態では、周波数の大きさは回転速度とすることができる。さらに、推定値を得る動作は、周波数の大きさの関数として予想された圧力を測定するステップをさらに含むことがあり、決定した前記予想された圧力と圧力の大きさの差を計算する動作をさらに含みうる。呼吸流れ発生装置による圧力治療は、呼吸流れから得られた推定値の関数として設定又は調整することができる。
【0008】
一実施形態では、本技術は呼吸流れを発生する装置を含む。この装置は、必要に応じて、呼吸に適したガスの流れを患者に搬送するための患者インターフェースを含みうる。この装置は、患者インターフェースに接続された流れ発生器をさらに含み、患者インターフェースを通過する呼吸に適したガスの流れを発生することができる。この装置は、患者インターフェース又は流れ発生器に関連した部分の圧力を表示する圧力信号を提供する圧力変換器、及び流れ発生器の速度を表示する速度信号を提供する回転計などの測定センサも含みうる。この装置は、流れ発生器を制御するコントローラも含みうる。このコントローラは、圧力変換器に接続されて圧力信号を処理し、回転計に接続されて速度信号を処理する。このコントローラは、圧力信号を用いて圧力の大きさを決定すること、速度信号を用いて周波数の大きさを決定すること、及び圧力の大きさ及び周波数の大きさの関数として患者の呼吸流れの推定値を得ることなどの本願で説明される方法によって、患者の呼吸流れを評価する方法を制御するように又は配送された治療圧力を設定するように構成されて適用される。
【0009】
さらに別の実施形態では、呼吸流れを患者に搬送するシステムは、呼吸に適したガスの流れを伝えるためのインターフェース手段を含んでいる。このシステムは、呼吸に適したガスを発生するための、インターフェース手段に接続された流れ手段も含みうる。このシステムは、圧力を測定するため及び呼吸に適したガスの測定された圧力を示す圧力信号を発生するための圧力感知手段と、流れ手段の周波数を測定するため及び測定された周波数を示す周波数信号を発生するための周波数感知手段とを含みうる。このシステムは、一般に、圧力信号及び周波数信号を処理するための処理手段も含みうる。この処理手段は、圧力信号を用いて圧力の大きさを決定すること、周波数信号を用いて周波数の大きさを決定すること、及び圧力の大きさ及び周波数の大きさの関数として患者の呼吸流れの推定値を得ることを処理するように構成されるか又は適合されうる。この処理手段は、呼吸流れから得られた推定値の関数として圧力の発生を制御するようにも構成されうる。このシステムの実施形態では、圧力治療に対する変化は、流れセンサを用いずに又は流れセンサからの信号を利用せずに、患者の呼吸サイクルに同期して得ることができる。
【0010】
別の実施形態では、技術の手法が、ソフトウェア又はファームウェアとして情報伝達媒体にコード化される。例えば、情報伝達媒体は、プロセッサに読取り可能な情報すなわちプロセッサ制御命令を含みうる。このプロセッサが読取り可能な情報は、圧力治療を行うための装置を制御することができる。このプロセッサに読取り可能な情報すなわちプロセッサ制御命令は、流れ発生器によって作られた圧力の大きさを測定する動作と、流れ発生器の周波数の大きさを測定する動作と、圧力の大きさ及び周波数の大きさの関数として患者の呼吸流れの推定値を得る動作とを実行することを含みうる。
【0011】
本技術のさらに別の実施形態及び特徴は、下記の詳細な開示内容や、クレーム及び図面から明らかになるであろう。
【0012】
添付の図面の中の実施例によって本技術を例示するが、限定する目的ではない。図面では、同じ参照番号は同じ要素を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1を参照すると、本技術は、サーボ制御式ブロワ102などの流れ発生器を含む圧力治療配送装置を用いて実現することができる。ブロワ102は、一般に、空気吸込口及びモータ(図示せず)により駆動される羽根車を含んでいる。
【0014】
図1で例示される実施形態では、周波数センサ104を含んでいる。このセンサは、ブロワの回転速度を測定するように構成されている。例えば、回転計は、ブロワのモータすなわちブロワの羽根車の毎分の回転数(RPM)を測定することができる。周波数センサ104は、センサの測定値を示す周波数信号f(t)を発生するように構成することができる。
【0015】
図1の装置は、圧力変換器などの圧力センサ106をさらに含んでいる。この圧力センサ106は、ブロワ102によって発生された圧力を測定するように構成されている。この実施形態では、圧力センサ106はブロワ102の最も近くに置かれるが、好ましくはブロワの下流に配置される。この圧力センサ106は、圧力の測定値を示す圧力信号p(t)を発生する。圧力センサ106及び周波数センサ104は、他の構成や他の構成要素がブロワ102に関連した周波数や圧力を測定するように実行することができることは理解できるため、図1では記号を使って示されているに過ぎない。
【0016】
圧力治療配送装置は、多くの場合には、空気の流れすなわち呼吸に適したガスを患者に及び/又は患者から運ぶための空気配送ダクト108及びマスク110などの患者インターフェースも含んでいる。ブロワ102は空気配送ダクト108及びマスク110に連結されて、呼吸に適したガスをブロワ102から提供することができる。患者インターフェースから排気孔111を介して排気ガスを逃がすことができる。
【0017】
周波数f(t)及び圧力p(t)信号は、コントローラすなわちプロセッサ112に送られる。周波数センサ及び圧力センサから送られた信号がデジタル形式ではなく、コントローラがデジタルコントローラの場合には、アナログ−デジタル(A/D)変換器/サンプラ(別個には図示せず)を任意選択的に利用できる。これらのセンサ及び/又は他の選択自由なセンサからの入力信号に基づいて、コントローラが今度はブロワ制御信号を発生することができる。例えば、コントローラは、RPM要求信号を発生して、望ましい周波数回転速度設定値を設定し、それを周波数センサの測定条件と比較することによって、ブロワ102の速度を制御することができる。別の方法では、そのような変化は、望ましい圧力設定値を決定し、それを圧力センサの測定条件と比較する動作に基づくことができる。一般に、モータ速度に対するそのような変化は、閉ループのフィードバック方法などのように設定条件と測定条件との間の測定された相違に基づいて、その相違を電流に変換することによって、サーボを用いて印加されたモータ電流を増加又は減少することによって達成される。このため、プロセッサ112すなわちコントローラは、ブロワ102によって患者インターフェースに送られる圧力に対して制御された変化を作ることができる。希望すれば、そのような圧力に対する変化は、比較的一定のブロワ速度を維持する間に排気ガスを増加又は減少するために、機械的な放出弁(図示せず)を用いて排気ガスを制御することによって実現することができる。
【0018】
コントローラすなわちプロセッサ112は、典型的には、本願でより詳細に説明される方法などの特別な制御手法を実行するように構成されて適合される。このため、このコントローラは、集積されたチップ、メモリ、及び/又は、他の制御命令、データもしくは情報記憶媒体を含みうる。例えば、そのような制御手法を包含するプログラム化された命令は、装置のメモリ内の集積されたチップ上でコード化することができるか、又はそのような命令は適切な媒体を用いてソフトウェア又はファームウェアとしてロードすることができる。そのようなコントローラすなわちプロセッサを用いて、この装置は、ブロワの速度すなわち圧力を設定するために使用される圧力配送方程式又は放出弁により排気ガスの排出を調整することによって、前述した圧力治療などの多くの異なる圧力治療法に対して使用することができる。
【0019】
例えば、そのような構成に基づいて、このシステムの実施形態は、流れセンサからの流れ信号がなくても、患者の呼吸流れを測定又は評価することができ、次に評価された流れ信号から又はそれを用いて検出された患者の呼吸状態に基づいて、装置が配送した圧力治療を調整することができる。マスクに対するホースの流れ特性は圧力の測定にも影響するが、そのような流れ評価モデルは、rpm制御システムでは、負荷の変動(すなわち、患者の呼吸流れ)が装置の圧力の出力に反映されるという前提に基づくことができる。同様に、圧力制御システムでは、負荷の変動は装置のrpm出力に反映される。
【0020】
従って、一実施形態では、圧力及び流れ発生器システムの周波数(例えば、RPMのようなブロワの回転速度)などの2つの測定値は、総合すれば流れの大きさを与えることができる。ある適当な患者の流れ推定値では、測定された圧力及び周波数の大きさから得られた予想された圧力値は、両方ともその関数として流れを得るために利用できる。これは、下記の関数を用いて例示することができる。
流れ=関数(P−PRPM_derived
ここで、
は、測定された圧力であり、
RPM_derivedは、ブロワの周波数又は回転速度(例えば、RPM)などの圧力以外の測定されたシステム変数から測定又は計算された特定の流れにおける予想圧力である。流れ発生器の特性及び要求された精度により、それは一定の値又は較正された値のいずれかにすることができる。
【0021】
一実施形態では、PRPM−derivedは、測定するか又は下記のように静的なファン曲線によって計算することができる。
RPM−derived=K*ω+K*ω+K
ここで、
ωは、流れ発生器の角周波数(それは角速度、ラジアル周波数、及びラジアン周波数とも呼ばれる)であり、そして
,K及びKは、流れ発生器すなわちブロワの特定の構造的な特性(例えば、羽根車設計)に基づいて、配送された圧力の実験的な大きさをブロワの測定された角周波数に関連付けるための実験的に予め決められた定数とすることができる。必要に応じて、定数が小さい場合は、定数を均一に拡大して、装置のプロセッサすなわちコントローラ上の小数点演算の動作的なオーバーヘッドを減らすことができる。
【0022】
一実施形態では、流れを次に下記の方程式を利用して、PとPRPM_derivedとの間の差の関数として決定することができる。
流れ=A*x+A*x+A*x+A
ここで、
xは、前述したように、P−PRPM_derivedであり、
,A,A及びAは、システムの特定の構造的な特性に基づいて、流れの実験的な大きさをブロワの測定された角周波数及び測定された圧力に関連付けるための実験的に予め決められた定数とすることができる。
【0023】
しかしながら、32ビット処理の限度を考えると、上記の方程式を用いて流れ線形化の性能の望ましいレベルに到達するためには、計算の複雑性が極めて高いことが判明した。このため、本技術の別の実施形態では、決定を単純化するために、上記の方程式に基づいて、ルックアップテーブルを事前に作成する。周波数の入力値の範囲及び圧力の入力値の範囲に基づいて、適切なテーブルを数式を用いて事前に計算することができる。そして、圧力の瞬間的な入力値及び周波数の瞬間的な入力値に基づいて、テーブルの出力により瞬間的な流れ値が得られる。
【0024】
本技術のさらに別の実施形態では、得られた流れ値は、測定された圧力と周波数から得られた圧力(例えば、P−PRPM_derived)との間の差から決定することができる。このため、下記の方程式によって、流れを一層簡単に評価することができる。
流れ=P−PRPM_derived
ここで、
は、測定された圧力であり、そして、
RPM_derivedは、ブロワの周波数又は回転速度(例えば、RPM又はω)などの圧力以外の測定されたシステム変数から、前述された任意の方法によって測定又は計算された予想圧力である。
【0025】
この特別な予想は、線形化されていないが、流れ偏位(flow excursion)に関する予想を行うことができる。このため、この特別な予想は、サイクル検出に依存するアルゴリズムに対して極めて好適である。この特別な予想は、さらなる処理がない場合には、より正確な流れの値又はより正確な流れの形状を必要とするアルゴリズムに対して、単に極めて好適であるだけではない。しかしながら、その簡略化が、システムプロセッサの負荷を減らすためのハードウェア要素として又はシステムプロセッサ用のファームウェア/ソフトウェアとして動作するために、特に好ましいものとなりうる。
【0026】
患者の呼吸流れが結合されている連続的なシステム排気流れ又はリークを採用するシステムでは、上記の決定された流れ値はさらに処理されて、下記の方程式によって例示されたような適切な動作によって、患者の呼吸流れからシステムの流れ又はリークの流れを分離することができる。
呼吸流れ=FLW−LPF(FLW)
ここで、
FLWは、任意の前述された方法から得られた流れ値を連続的に又は周期的に決定され、
LPF(FLW)は、比較的一定のリーク又はシステムの流れに関連付けることができる流れの一定の成分を除くために選択されたフィルタ処理動作を行う、流れ値に対するローパス・フィルタ処理動作である。実施例の動作は、時定数が10秒のローパス・フィルタ処理である。
【0027】
図3は、コントローラすなわちプロセッサ312に関連した流れ評価手法を例示している。測定された圧力値信号302(p(t))及び測定された周波数値信号304(ω(t))が、評価された流れ値信号308を得るために、流れ評価アルゴリズム306に入力される。この流れ評価アルゴリズム306は、1つ以上の流れルックアップテーブル330などの前述されたような計算値又は関数のいずれかに基づいている。
【0028】
本願において説明した方法のいずれかによって作られた流れの評価(例えば、評価された患者の呼吸流れ)を、一般に、圧力治療装置によって作られる任意の適切な流れベースの決定中に使用することができる。例えば、得られた推定値を使用して、患者の呼吸サイクルの特徴を検出したときに圧力の変化を作ることができる。例示的な実施形態では、得られた流れ推定値を使用して、呼気圧力軽減装置をトリガすることができる。そのような実施形態では、ピーク呼吸流れの関数であるトリガしきい値などの比率測定トリガしきい値(ratiometric trigger threshold)を、呼気の開始を検出するために利用することができる。実際の患者の流れからわずかに逸れる可能性がある流れの幾つかの上記の推定値との特別な組合せの中でそのようなトリガを利用することにより、より信頼できる又は弾力性がある呼吸サイクルの検出及び適切な圧力応答を提供することができる。
【0029】
この実施形態では、下記の擬似コードに基づいて、本技術を実行することができる。
if (RespiratoryFlow > PeakRespiratoryFlow/Y) or
(EPR has been on for over 15 sec) then
Turn EPR off
else if (RespiratoryFlow < 0) then
Turn EPR on
ここで、
RespiratoryFlowは、前述された幾つかの方法によって得られた流れ推定値である。
PeakRespiratoryFlowは、前の呼吸サイクルの中で測定されたピークのような、事前ピーク呼吸流れ値である。
Yは、ピーク呼吸流れのある除数(例えば、4)であり、
EPRは、患者を快適にするために、配送された治療圧力の設定を低減する手順である。
【0030】
この実施形態では、減少された圧力レベルが患者の呼吸の間にEPRによって配送され、EPRで低減されないより高い治療圧力レベルが患者の吸気の間に配送されるような、2レベルの圧力治療法が作られる。モータの立下り時間や立上り時間などの流れ発生器の特性又は設定に応じて、吸気圧力治療レベルと呼気圧力治療レベルとの間により滑らかな変化が生じるように、吸気レベルと呼気レベルとの間の変化を穏やかにすることができる。
【0031】
本技術に基づいて配送される実施例の圧力波形が、図4のグラフに例示されている。図4は、患者流れシミュレーション装置が発生した患者シミュレーション流れ波形402のプロットを含む。この患者流れシミュレーション装置は、本願において説明される流れ評価技術を実現する圧力治療装置の患者インターフェースと連結されている。図4は、圧力治療装置内の本願において説明した流れ評価・トリガ技術を用いて発生された圧力波形404のグラフも含む。このグラフは、評価された流れ技法に基づいて、患者シミュレーション流れ波形402のサイクルに同期して調整された圧力を配送できることを例示している。
【0032】
圧力治療装置は、患者の呼吸サイクルが発生したシステム内の圧力に対する変化によって影響される可能性がある。患者インターフェースのマスクに対する圧力レベルを制御するために使用されるセンサが、患者インターフェースのマスクではなく流れ発生器の近くに配置される場合には、患者の呼吸がマスクの圧力に望ましくない変動を発生することがある。これらの望ましくないマスクの圧力の変動はコントローラで調整されて、この評価された患者流れ技術を用いてより安定した圧力レベルを維持することができる。
【0033】
例えば、別の実施形態では、圧力治療装置は、モータのrpmを制御するのではなく圧力を制御し、制御するために使用される圧力センサは、流れ発生器に又はそれに隣接して配置される。この実施形態では、圧力を制御するためにフィードバックループ内で使用される圧力の大きさは、流れの推定値の関数として調整される。この調整は、患者の呼吸サイクルによって引き起こされるマスクの変動を妨げるために予測的方法により実行される。例えば、下記の方法に従って、測定された制御圧力を調整することができる。
MeasuredPressureadjusted=MeasuredPressure−FlowFactor
ここで、
FlowFactorは、前述された方法のいずれかによって決定された流れの推定値の関数である。
【0034】
一実施形態では、この流れの推定値の関数は、値Kで推定値を乗算することができる。ここで、Kは正の流れ(例えば、患者の吸気)とは異なる値であり、負の流れ(例えば、患者の呼気)とは異なるものである。患者の呼吸に応答してより安定したマスク圧力を発生する変動を減少するための最適な値を明確にするために、Kに対する値を要望どおりに正及び負の流れに対して実験的に選択することができる。
【0035】
次に、下記のように、擬似微分フィードバック(Pseudo Derivative Feedback)制御を実行する制御ループなどの圧力制御フィードバックループに対して、調整された圧力の大きさを適用することができる。
Error=DesiredPressure−MeasuredPressureadjusted
MotorCommand=P*Error+I∫Error
ここで、
DesiredPressureは、吸気又は呼気の治療圧力レベルなどの測定された治療圧力の設定値である。
MeasuredPressureadjustedは、前に説明したような調整された圧力である。
P及びIは、モータの特性に基づいて、特定のモータの速度を調整するために、圧力の設定値を流れ発生器のモータに加えられる電流の調整に変換するために選択された要素である。
【0036】
そのような変動補償制御用のコントローラの構成要素を、図5に示している。推定された流れ値又は信号は、圧力センサ556によって測定された圧力値又は信号とともに測定圧力調整器550に与えられる。圧力設定値又は信号は、調整及び測定された圧力値又は信号とともにサーボ552に与えられる。これらの信号に基づいて、このサーボはモータ電流を調整して、流れ発生器のモータ554の出力すなわち速度を制御し、これにより流れ発生装置によって配送される圧力を調整して、患者の呼吸によって取り入れられたマスク圧力の変動を予測的に減少する。
【0037】
さらに別の実施形態では、変動制御方程式の修正版を用いて、変動補償制御を実現することができる。そのような実施形態では、流れ発生器における圧力は、望ましい圧力設定値を圧力センサからの測定値と比較することによって制御される。換言すると、圧力設定値が流れ発生器における圧力センサからの測定された圧力の大きさに等しくなるように、流れ発生器を制御することができる。
【0038】
しかしながら、流れ発生器における圧力が設定値に制御されているため、マスクにおける圧力の変動は、患者インターフェース又は配送系を通る圧力低下に関連した流れの結果である。これは、下記の方程式によって表すことができる。
MaskPres=PresSetPoint−PresLossInDeliveryCircuit
ここで、
MaskPresは、患者のマスク又は患者インターフェースの中の圧力である。
PresSetPointは、望ましい圧力すなわち目標圧力である。
PresLossInDeliveryCircuitは、配送系のインピーダンスによる圧力損失である。
【0039】
下記のようにまた前述されたように、測定された圧力を修正することによって、マスクにおける圧力の変動を減少することができる。
MeasuredPressureadjusted=P−FlowFactor
ここで、
は、圧力変換器などのセンサからの圧力の大きさである。
このFlowFactorは、配送径内の圧力低下を表し、流れの推定値に比例すると仮定することができる。例えば、
FlowFactor=ImpedOfDeliveryCir*Flow
ここで、
ImpedOfDeliveryCirは、配送系又は患者インターフェースのインピーダンスである。
Flowは、前に明らかにされたように流れの推定値である。
【0040】
しかしながら、流れの推定値が前に説明されたように、流れ発生器の全体にわたって圧力低下の関数と考えられるため、この圧力低下は下記の方程式に基づいて、流れの推定値に比例するように近似することができる。
Flow=PresDropAcrossTurbine/ImpedanceOfTurbine
ここで、
PresDropAcrossTurbineは、測定された圧力と前述されたような得られた圧力との間の差(例えば、P−PRPM_derived)として測定されたものなどの流れ発生器の全体にわたる圧力低下である。
ImpedanceofTurbineは、流れ発生器の特別な設計に依存する流れ発生器のインピーダンスであり、システムのコントローラのメモリの中に予め決定する又は設定することができる。
【0041】
前の流れ係数の方程式をこの直前の流れ方程式に組み合わせることにより、前に説明された流れ評価の1つの明白な計算は、変動を補償するために行う必要はない。それどころか、下記の方程式を検討する場合には、測定を暗黙的に実行することができる。
FlowFactor=PresDropAcrossTurbine*ImpedOfDeliveryCir/ImpedanceOfTurbine
【0042】
このFlowFactorを調整された圧力の大きさに対する方程式に適用することにより、下記のように測定された圧力の調整に対して更なる式を得ることができる。
MeasuredPressureAdjusted=PM−K*PressureDropAcrossTurbine
ここで、
Kは、ImpedanceOfTurbineによって除算されたImpedOfDeliveryCircuitなどの2つのインピーダンスの比率である。
【0043】
そして、調整された圧力の大きさが目標すなわち望ましい圧力の設定に適合する圧力を発生するように呼吸治療装置を制御することによって、本技術の圧力治療配送装置内の変動補償を制御するために、そのような方程式を実現することができる。
【0044】
前述の説明中及び添付の図面中において、特別な専門用語、方程式及び図面記号が、本技術の十分な理解が得られるように記述される。場合によっては、これらの専門用語及び記号が、本技術を実施するために必要ではない特別な細部を意味することがある。さらに、本願の技術を特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は本技術の原理及び用途を単に例証するものであることは理解されよう。このため、これらの例証となる実施形態に対して多数の変形例を作ることができること、本技術の精神及び範囲から逸脱することなく、別の装置を発明することができることが理解されるであろう。
【0045】
例えば、この流れ評価技術は、患者の流れの限界を検出するため、又は圧力治療装置の配送された治療圧力に対して別の調整を行うために利用されるシステムの中で実現することができる。さらに、この流れ評価技術は、流れセンサを有するシステムの中で利用することができる。そのようなシステムでは、本願において説明された流れ評価技術は、流れベースの測定に使用される流れセンサが故障した場合には、バックアップ用の流れ測定装置として動作することができる。別の方法では、流れデータの推定値を流れセンサからのデータと組み合わせて、組み合わされた流れデータを発生し、流れセンサ又は本願で説明され得られた流れの推定値からのいずれかの流れ信号のより一時的なエラーからシステムを隔離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】呼吸流れの評価及び圧力治療ベースの理論用の装置の実施例の構成要素を示す図である。
【図2】本技術の圧力治療又は流れ評価装置用の方法のフローチャートである。
【図3】流れ評価技術を実行する回路すなわちプロセッサを制御するための例証となる入力図/出力図である。
【図4】本発明の流れ評価技術を利用する圧力治療装置が実行する典型的な圧力治療波形の図表である。
【図5】変動調整をマスクするための、流れ評価技術を利用する圧力治療装置のフィードバック制御ループの適当な構成要素を例示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸流れ発生装置によって作られた圧力の大きさを決定するステップと、
該呼吸流れ発生装置によって作られた周波数の大きさを決定するステップと、
前記圧力の大きさ及び前記周波数の大きさの関数として、患者の呼吸流れの推定値を得るステップと
を含んでなる、呼吸流れ発生装置のための方法。
【請求項2】
前記周波数の大きさが回転速度である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記推定値を得るステップは、前記周波数の大きさの関数として予想された圧力を決定することを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記推定値を得るステップは、決定した前記予想された圧力と前記圧力の大きさの差を計算することを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記呼吸流れから得られた推定値の関数として、前記呼吸流れ発生装置による圧力を配送するステップをさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記呼吸流れから得られた推定値の前記関数が、前記呼吸流れから得られた推定値のピーク値を決定することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記呼吸流れ発生装置による圧力を配送するステップは、呼吸圧力除去装置をトリガすることを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
流れセンサからの患者の呼吸流れを測定することなく、該患者の呼吸サイクルに同期して前記圧力の変化が配送されるものである請求項7に記載の方法。
【請求項9】
患者インターフェースにおいて患者に生じた変動を補償するために、前記呼吸流れ発生装置によって配送された圧力を調整するステップをさらに含み、前記調整するステップが前記患者の呼吸流れから得られた推定値に基づくものである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
呼吸に適したガスの流れを患者に伝えるための患者インターフェースと、
呼吸に適したガスの流れを発生するための、前記患者インターフェースに接続された流れ発生器と、
前記流れ発生器に関連した圧力を示す圧力信号を提供する圧力変換器と、
前記流れ発生器の速度を表示する速度信号を提供するための回転計と、
前記圧力変換器に接続されて圧力信号を処理し、前記回転計に接続されて速度信号を処理する前記流れ発生器を制御するためのプロセッサと
を含んでなり、該プロセッサが、
前記圧力信号を用いて圧力の大きさを決定し、
前記速度信号を用いて周波数の大きさを決定し、
圧力の大きさ及び周波数の大きさの関数として患者の呼吸流れの推定値を得る、
ことにより制御するよう構成されている、呼吸流れを発生するための装置。
【請求項11】
前記周波数の大きさが回転速度である請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記推定値を得ることが、前記周波数の大きさの関数として予想された圧力を決定することを含む請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記推定値を得ることが、決定した前記予想された圧力と前記圧力の大きさの差を計算することを含む請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記呼吸流れから得られた推定値の関数として、前記流れ発生器を用いて圧力の発生を制御するようにさらに構成されている請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記呼吸流れから得られた推定値の前記関数が、前記呼吸流れから得られた推定値のピーク値を決定することを含む請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記流れ発生器を用いて圧力の発生を制御することが、呼気圧力軽減装置をトリガすることを含む請求項15に記載の装置。
【請求項17】
流れセンサからの患者の呼吸流れを測定することなく、該患者の呼吸サイクルに同期して圧力の変化が配送される請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記患者インターフェースにおいて患者に生じた変動を補償するために、前記プロセッサが前記流れ発生装置によって配送された圧力を調整するように制御し、前記調整することが前記患者の前記呼吸流れから得られた推定値に基づくものである請求項10に記載の装置。
【請求項19】
呼吸に適したガスの流れを伝えるインターフェース手段と、
呼吸に適したガスを発生するために、インターフェース手段に接続された流れ手段と、
圧力を測定し、呼吸に適したガスの測定された圧力を表す圧力信号を発生するための圧力感知手段と、
前記流れ手段の周波数を測定し、測定された周波数を表す周波数信号を発生するための周波数感知手段と、
前記圧力信号と前記周波数信号とを処理するための処理手段と
を含んでなり、該処理手段が、
(a)前記圧力信号を用いて圧力の大きさを決定し、
(b)前記速度信号を用いて周波数の大きさを決定し、
(c)前記圧力の大きさ及び前記周波数の大きさの関数として患者の呼吸流れの推定値を得る、
ように構成されている、呼吸流れを患者に配送するためのシステム。
【請求項20】
前記周波数の大きさが回転速度である請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記推定値を得ることが、前記周波数の大きさの関数として予想された圧力を決定することである請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記推定値を得ることが、決定した前記予想された圧力と前記圧力の大きさの差を計算することを含む請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記処理手段が、前記呼吸流れから得られた推定値の関数として、前記流れ手段を用いて圧力の発生を制御するようにさらに構成されている請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記呼吸流れから得られた推定値の前記関数が、患者の呼吸流れから得られた推定値のピーク値を決定することを含む請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記流れ手段を用いて圧力の発生を制御することが、呼気圧力軽減装置をトリガすることを含む請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
流れセンサを用いることなく、患者の呼吸サイクルに同期して圧力を配送する請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
プロセッサに読取り可能な情報を有する情報伝達媒体であって、該プロセッサに読取り可能な情報は、圧力治療を行うための装置を制御するためのものであり、
流れ発生器によって作られた圧力の大きさを決定し、
前記流れ発生器の周波数の大きさを決定し、
圧力の大きさ及び周波数の大きさの関数として患者の呼吸流れの推定値を得る、
ように構成されている、情報伝達媒体。
【請求項28】
前記周波数の大きさが回転速度である請求項27に記載の情報伝達媒体。
【請求項29】
前記推定値を得ることが、周波数の大きさの関数として予想された圧力を決定することを含む請求項27に記載の情報伝達媒体。
【請求項30】
前記推定値を得ることが、決定した前記予想された圧力と前記圧力の大きさの差を計算することを含む請求項29に記載の情報伝達媒体。
【請求項31】
前記呼吸流れから得られた推定値の関数として、前記流れ発生器により圧力を配送することをさらに含む請求項27に記載の情報伝達媒体。
【請求項32】
前記呼吸流れから得られた推定値の前記関数が、前記呼吸流れから得られた推定値のピーク値を決定することを含む請求項31に記載の情報伝達媒体。
【請求項33】
前記流れ発生器により圧力を配送することが、呼気圧力軽減装置をトリガすることを含む請求項31に記載の情報伝達媒体。
【請求項34】
流れセンサからの患者の前記呼吸流れを測定することなく、該患者の呼吸サイクルに同期して圧力の変化が発生される請求項31に記載の情報伝達媒体。
【請求項35】
患者インターフェースにおいて患者に生じた変動を補償するために、圧力治療配送装置の中の圧力を制御する方法であって、
流れ発生器に隣接して配置されている圧力センサを用いて、該流れ発生器によって配送された圧力の大きさを決定するステップと、
(a)前記流れ発生器の全体にわたる圧力低下の大きさ、(b)前記流れ発生器に接続された患者インターフェースのインピーダンスの大きさ、及び(c)前記流れ発生器のインピーダンスの大きさの関数として、前記圧力の大きさを調整するステップと、
調整された前記圧力の大きさが目標の圧力設定値を満足するように、前記流れ発生器を制御するステップと
を含む方法。
【請求項36】
前記関数が、前記圧力低下の大きさを、前記患者インターフェースのインピーダンスの大きさと前記流れ発生器のインピーダンスの大きさとの比率に乗算するものである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記関数の結果が前記圧力の大きさから減算される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記圧力低下の大きさが、前記圧力の大きさと、前記流れ発生器の周波数の決定された関数である圧力の得られた大きさとの差である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
呼吸に適したガスの流れを患者に伝える患者インターフェースと、
呼吸に適したガスの流れを、前記患者インターフェースを通じて発生する、前記患者インターフェースに接続された流れ発生器と、
前記流れ発生器に関連した圧力を表示する圧力信号を提供する圧力センサと、
圧力信号を処理するために前記圧力センサに接続された、前記流れ発生器を制御するためのプロセッサと
を含んでなり、該プロセッサが、
前記流れ発生器に隣接して配置されている前記圧力センサを用いて、前記流れ発生器によって配送された圧力の大きさを決定し、
(a)前記流れ発生器の全体にわたる圧力低下の大きさ、(b)前記患者インターフェースのインピーダンスの大きさ、及び(c)前記流れ発生器のインピーダンスの大きさの関数として圧力の大きさを調整し、
前記調整された圧力の大きさが目標の圧力設定値を満足するように、前記流れ発生器を制御する、
ように構成されている、患者に生じた変動を補償するための圧力治療配送装置。
【請求項40】
前記関数が、前記圧力低下の大きさを、前記患者インターフェースのインピーダンスの大きさと前記流れ発生器のインピーダンスの大きさとの比率に乗算するものである、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記関数の結果が前記圧力の大きさから減算される、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記圧力低下の大きさが、前記圧力の大きさと、前記流れ発生器の周波数の決定された関数である圧力の得られた大きさとの差である請求項41に記載の装置。
【請求項43】
呼吸に適したガスの流れを患者に伝えるための患者インターフェース手段と、
呼吸に適したガスの流れを、前記患者インターフェースを通じて発生する、前記患者インターフェースに接続された流れ発生器手段と、
前記流れ発生器に関連した圧力を表示する圧力信号を提供するセンサ手段と、
前記流れ発生器手段によって配送された圧力の大きさを決定し、(a)前記流れ発生器の全体にわたる圧力低下の大きさ、(b)前記患者インターフェースのインピーダンスの大きさ、及び(c)前記流れ発生器のインピーダンスの大きさの関数として、前記圧力の大きさを調整し、前記調整された圧力の大きさが目標の圧力設定値を満足するように前記流れ発生器を制御するために、前記センサ手段と前記流れ発生器手段とに接続された、制御手段と
を含んでなる、患者に生じた変動を補償するための圧力治療配送システム。
【請求項44】
前記関数が、前記圧力低下の大きさを、前記患者インターフェースのインピーダンスの大きさと前記流れ発生器のインピーダンスの大きさとの比率に乗算するものである請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記関数の結果が前記圧力の大きさから減算される請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記圧力低下の大きさが、前記圧力の大きさと、前記流れ発生器の周波数の決定された関数である圧力の得られた大きさとの差である請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
患者に生じた変動を補償するように圧力治療を行うための装置を制御する、プロセッサに読取り可能な情報を有する情報伝達媒体であって、該プロセッサに読取り可能な情報は、
流れ発生器に隣接して配置されている圧力センサを用いて、前記流れ発生器によって配送された圧力の大きさを決定し、
(a)前記流れ発生器の全体にわたる圧力低下の大きさ、(b)前記流れ発生器に接続された患者インターフェースのインピーダンスの大きさ、及び(c)前記流れ発生器のインピーダンスの大きさの関数として圧力の大きさを調整し、
前記調整された圧力の大きさが目標の圧力設定値を満足するように、前記流れ発生器を制御する、
ための制御命令を含むものである、プロセッサに読取り可能な情報を有する情報伝達媒体。
【請求項48】
前記関数が、前記圧力低下の大きさを、前記患者インターフェースのインピーダンスの大きさと前記流れ発生器のインピーダンスの大きさとの比率と乗算する請求項47に記載の媒体。
【請求項49】
前記関数の結果が前記圧力の大きさから減算される請求項48に記載の媒体。
【請求項50】
前記圧力低下の大きさが、前記圧力の大きさと、前記流れ発生器の周波数の決定された関数である圧力の得られた大きさとの差である請求項47に記載の媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−148539(P2009−148539A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−209743(P2008−209743)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD
【Fターム(参考)】