説明

睫用化粧料

【課題】 本発明の睫用化粧料は、付着性が良いけれどダマ付きせず、ボリューム効果、セパレート効果、化粧膜の柔軟性に優れ、化粧膜の経時での崩れがなく、さらに経時安定性の高い睫用化粧料に関するものである。
【解決手段】 特徴的な保湿性を示す特定の水溶性ポリマーおよび25℃で固形状の油性増粘剤を配合することを特徴とする睫用化粧料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長時間にわたって水分を保持する特性を持つ水溶性ポリマーを配合する睫用化粧料に関し、さらに詳しくは、付着性が良いけれどダマ付きせず、ボリューム効果に優れ、束付きせず睫1本1本に化粧料を塗布できるセパレート効果や、化粧膜の柔軟性に優れ、経時での化粧膜の崩れがなく、さらに経時安定性の高い睫用化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、睫用化粧料は、睫を長く見せたり、睫を太く目立たせたり、睫をカールするなどして、目元を際立たせるために使用されてきた。
睫を太く目立たせるボリューム効果を向上させるには、睫に睫用化粧料を多く付着させる必要があるため、固形油や油溶性樹脂、油性ゲル化剤等の検討が行われてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。また、曳糸性を有する水溶性高分子や高重合ポリエチレングリコールを配合することにより、ボリューム効果を具現化する検討も行われてきた(例えば、特許文献4、5参照)。しかし、これらの成分を多量に配合すると、化粧膜の柔軟性が損なわれたり、また、睫用化粧料の粘度が高くなり、束付きという問題が生じる場合があり、束付きを抑えて睫1本1本をセパレートさせるための検討も行われている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−335633
【特許文献2】特開2003−246710
【特許文献3】特開2005−247730
【特許文献4】特開2005−306853
【特許文献5】特開平11−79940
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ボリューム効果とセパレート効果の両立、化粧膜の柔軟性や経時での化粧膜の崩れの無さという点で満足のいくものは少なく、また、配合する成分の組成によっては、化粧料の経時安定性が悪くなるという問題もあった。そのため、高いボリューム効果がありながら、束付きせずにセパレート効果もあり、柔軟な化粧膜を形成することができ、化粧膜の崩れがなく、経時安定性の良い睫用化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる事情において、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の水溶性ポリマーと、固形状の油性増粘剤とを配合することにより、ボリューム効果、セパレート効果に優れる上、塗布膜に柔軟性があり、経時での化粧膜の崩れがなく、化粧料の経時安定性が高いことを見出し、さらにシリコーンワックスを配合することで、より束付きを抑えてセパレート効果を向上させるとともに、優れたボリューム効果を具現化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)次の成分(A)、(B);
(A)次の〔1〕〜〔3〕から選ばれる1種又は2種以上の水溶性ポリマー;
〔1〕式(1)
【化1】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す]で表される繰返し単位の1種又は2種以上からなり、重量平均分子量(Mw)が5,000〜150,000であり、温度30℃、相対湿度60%における当該ポリマーの50質量%水溶液の6時間放置後の質量減少率が25質量%以下である水溶性(メタ)アクリルアミドポリマー
〔2〕式(1)
【化2】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す]で表される1種又は2種以上の繰返し単位;Zと、水溶性のホモポリマーを与える重合性単量体に由来する1種又は2種以上の繰返し単位;Zとを含有し、Z:Zのモル比が99.98:0.02〜10:90であり、温度30℃、相対湿度60%における当該ポリマーの50質量%水溶液の6時間放置後の質量減少率が25質量%未満である水溶性(メタ)アクリルアミド系コポリマー
〔3〕式(2)
【化3】

[式中、Xは、−NHR’またはOMを示す(但し、両Xが同時にOMの場合は除く。R’は炭素数1〜3のアルキル基、Mは水素原子またはアルカリ金属原子または有機塩基基を示す。)。Rは、一方が水素原子、他方が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、フェニル基、アセトキシ基、カルボキシ基、塩型カルボキシ基、アミド基、Nモノアルキル置換アミド基から選ばれる1種を示す。]で表される1種又は2種以上の単位構造を有する水溶性ポリマー
(B)25℃で固形状の油性増粘剤
を配合することを特徴とする睫用化粧料を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、
(2)前記成分(B)がシリコーンワックスを含有することを特徴とする(1)に記載の睫用化粧料、
(3)前記成分(A)の配合量が0.05〜5質量%である(1)又は(2)に記載の睫用化粧料、
(4)前記成分(B)の配合量が30〜99質量%であり、水中油型乳化化粧料である(1)〜(3)に記載の睫用化粧料、
(5)前記成分(B)の配合量が2〜30質量%であり、油中水型乳化化粧料である(1)〜(3)に記載の睫用化粧料、を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、ボリューム効果と、セパレート効果を両立させ、化粧膜に柔軟性があり、化粧膜の崩れがなく、化粧料の経時安定性に優れた睫用化粧料に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(A)は、湿度によらず水分を長時間保持するという特徴的な保湿性を示す水溶性ポリマーであり、睫用化粧料塗布時には、水分を保持することで化粧料の皮膜表面に粘着性が生じるため、睫と化粧料とを付着させることができ、睫化粧料塗布後にも、水分を長時間保持しているので、皮膜の硬化を抑え、化粧膜を柔軟にすることで、化粧崩れを抑制することができる。また、一般的な化粧料用水溶性高分子に比べて粘度が低いため、睫用化粧料の粘度が高くなりすぎる心配がなく、滑らかな使用感の睫用化粧料を具現化できる。
【0010】
成分(A)の〔1〕は、式(1)
【化4】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す]で表される繰返し単位の1種又は2種以上からなるホモポリマー又はコポリマーであり、架橋構造を有しない。
重量平均分子量としては、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、直鎖ポリスチレン標準品で作成した校正曲線及び屈折率検出器を使用する液体ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が5,000〜150,000であり、10,000〜100,000の範囲であることがより好ましい。
【0011】
また、温度30℃、相対湿度60%における当該ポリマーの50質量%水溶液の6時間放置後の質量減少率は25質量%以下である。質量減少率は、当該ポリマーの50質量%水溶液からなるサンプルを調製し、質量測定後これを温度30℃、湿度60%の恒温恒湿槽に入れて6時間放置した後、再び質量を測定し、質量の減少量を算出することにより求められる。
このようなポリマーの重合方法は、特に限定されず、塊状重合、溶液重合、乳化重合、放射線重合などの種々の方法を選択できるが、具体的には、例えば、特開2010−196048号公報に開示される方法で製造可能である。
【0012】
成分(A)の〔2〕は、式(1)
【化5】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す]で表される繰返し単位の1種又は2種以上からなる皮膚外用剤用水溶性(メタ)アクリルアミドポリマー;Zと、水溶性のホモポリマーを与える重合性単量体に由来する1種又は2種以上の繰返し単位;Zとを含有し、Z:Zのモル比が99.98:0.02〜10:90のコポリマーであり、架橋構造を有しない。
重量平均分子量としては、前記GPC法により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が2,000〜5,000,000の範囲であることが好ましく、5,000〜800,000の範囲であることがより好ましい。
【0013】
上記Zに対応する重合性単量体としては、それのみを単独重合することにより、水に可溶なホモポリマーとなりうる重合性単量体であれば、特に制限されないが、例えば、下記の式(3)
【化6】

[式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Yは下記一般式(4)〜(7)のうち一種
【化7】

(式中、Rは、水素原子、アルカリ金属元素、アンモニウム基、有機塩基から誘導された1価の基、−((CH2)pO)qH基(但し、pは2又は3であり、pが2の場合、qは1〜10のいずれかの整数を表し、pが3の場合、qは1〜3のいずれかの整数を表す)、又は−(CH2CH(OH)CH2O)rH基(但し、rは1〜10のいずれかの整数を表す)を表す)
【化8】

【化9】

【化10】

を表す。但し、Yが式(5)又は式(6)で表される場合、Rは、水素原子である。]で表される繰返し単位に対応する重合性単量体を挙げることができる。好ましくは上記式(3)及び式(4)、又は、上記式(3)及び式(5)で表される繰返し単位に対応する重合性単量体、上記式(3)及び式(6)で表される繰返し単位に対応する重合性単量体、上記式(3)及び式(7)で表される繰返し単位に対応する重合性単量体を、単独で又は2種以上を組み合わせて本発明に使用した場合に本発明の効果が更に奏される。
【0014】
また、温度30℃、相対湿度60%における当該ポリマーの50質量%水溶液の6時間放置後の質量減少率は25質量%未満であり、前記〔1〕と同様な方法で算出できる。
このようなポリマーの重合方法は、特に限定されず、塊状重合、溶液重合、乳化重合、放射線重合などの種々の方法を選択できるが、具体的には、例えば、特開2010−254974号公報に開示される方法で製造可能である。
【0015】
成分(A)の〔3〕は、式(2)
【化11】

[式中、Xは、−NHR’またはOMを示す(但し、両Xが同時にOMの場合は除く。R’は炭素数1〜3のアルキル基、Mは水素原子またはアルカリ金属原子または有機塩基基を示す。)。Rは、一方が水素原子、他方が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、フェニル基、アセトキシ基、カルボキシ基、塩型カルボキシ基、アミド基、Nモノアルキル置換アミド基から選ばれる1種を示す。]で表される1種又は2種以上の単位構造を有する水溶性のホモポリマー又はコポリマーである。
重量平均分子量としては、式(2)におけるR、Xの違いによる差異はあるが、前記GPC法により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が概ね50,000〜5,000,000の範囲である。
【0016】
このようなポリマーは、例えば、マレイン酸系共重合体または無水マレイン酸系共重合体を化学的に修飾することによって得ることができる。具体的に例示すれば、エチレン−マレイン酸共重合体が有するマレイン酸由来のカルボキシ基にアンモニアやアルキル置換アミンを反応させアミド化することにより、式(1)におけるRの両方が水素原子であり、Xを−NH、−NHRC(ここでRCは、反応に供するアルキル置換アミンのアルキル基を示す。)と変化させた単位構造を有する親水性高分子を得ることができる。同様に、アクリル酸−マレイン酸共重合体が有するアクリル酸およびマレイン酸由来のカルボキシ基にアンモニアやアルキル置換アミンを反応させアミド化することにより、式(1)におけるRの一方が水素原子、他方が−CONH、−CONHRC(ここでRCは、前記と同様。)であり、Xを−NH、−NHRC(ここでRCは、前記と同様。)と変化させた単位構造を有する親水性高分子を得ることができる。また、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体が有する閉環酸無水物基にアンモニアやアルキル置換アミンを反応させ開環アミド化することにより、式(1)におけるRの一方が水素原子、他方がメトキシ基であり、Xを−NH、−NHRC(ここでRCは、前記と同様。)と変化させた単位構造を有する親水性高分子を得ることができる。アミド化は、カルボキシル基とアミノ基の直接的な脱水縮合反応、カルボニルジイミダゾールやジアルキルカルボジイミドのような縮合剤を用いた縮合反応、または尿素、アルキル化尿素を用いたアミド化反応を行うことができるが、上記以外の方法で本発明の水溶性ポリマーを得ても構わない。
【0017】
本発明の睫用化粧料における成分(A)の配合量は、0.01〜10質量%(以下、単に%と略す)が好ましく、さらに0.05〜5%であるとより好ましい。この範囲であれば、ボリューム効果とセパレート効果において、満足いくものが得られる。
【0018】
本発明に用いられる成分(B)は、25℃で固形状の油溶性化合物であり、これを配合することにより、睫を太く見せる化粧効果、すなわちボリューム効果が得られ、その持続性を向上させることが可能である。
成分(B)の油性増粘剤としては、目的の効果が得られるものであれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、合成炭化水素ワックス、マイクロクリスタリンワックスパラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト等の炭化水素系ワックス類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、ステアリル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン等のシリコーンワックス類、トリベヘン酸グリセリル、コレステロール脂肪酸エステル等の固形エステル油類、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2―エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル、ステアリン酸スクロース、酢酸ステアリン酸スクロース等のショ糖脂肪酸エステル、イヌリンステアレート、デンプン脂肪酸エステル等の多糖脂肪酸エステル類、イソステアリン酸アルミニウム、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、有機変性粘土鉱物、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤等が挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
【0019】
これらの中でもシリコーンワックスを配合することで、よりセパレート効果の高い睫用化粧料が具現化できる。シリコーンワックスは、通常化粧料に配合できる原料であれば特に限定されないが、アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等の中より、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
このうち、セパレート効果の面で、特にアルキル変性メチルポリシロキサンが好ましい。
アルキル変性ジメチルポリシロキサンは、例えば下記の式(8)
(CHSiO−(R(CH)SiO)x−((CHSiO)y−SiO(CH (8)
(式中、Rは炭素数16〜20のアルキル基であり、xは1〜100の整数、yは1〜50の整数、x+y<120を示す。)
で示されるもので、さらに炭素数18のステアリル基が、セパレート効果とボリューム効果を最良に得られる点で好ましい。市販品としては、例えば、DC2503 Cosmetic Wax(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)が挙げられる。
これらシリコーンワックスの含有量は、成分(B)中に0.1〜10%が好ましく、0.3〜5%が更に好ましい。この範囲内であれば、カール効果やセパレート効果が高く、その持続性も良好なものが得られる。
【0020】
本発明の睫用化粧料における成分(B)の配合量は、睫用化粧料の剤型により異なるが、例えば、水中油乳化型化粧料である場合は、全油剤量の30〜99%が好ましく、40〜95%が更に好ましい。また、油性あるいは油中水乳化型化粧料である場合は、全油剤量の2〜30%が好ましく、4〜20%が更に好ましい。この範囲内であれば、カール効果やボリューム効果が高く、その持続性も良好なものが得られる。
【0021】
本発明の睫用化粧料は、前記必須成分の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、粉体、成分(A)以外の水性成分、(B)以外の油性成分、界面活性剤、繊維、皮膜形成性分散物、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料、などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0022】
粉体成分としては、板状、紡錘状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料などの粒子径、多孔質、無機孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、シリカ、炭酸珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄処理雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、酸化チタン処理ガラス末、酸化鉄酸化チタン処理ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理したものを用いても良い。
【0023】
水性成分は、水および水に可溶な成分であれば何れでもよく、成分(A)の溶媒として水を含み、水中油乳化型、油中水乳化型睫用化粧料の基材として用いられ、油性睫用化粧料では保湿成分として用いられる。例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有することもできる。
【0024】
油性成分としては成分(B)以外の、通常化粧料に用いられる油分であれば特に制限されず、動物油、植物油、合成油等の起源や、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず使用することができ、例えば炭化水素油類、油脂類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α―オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン等の炭化水素油類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、リンゴ酸ジイソステアリル、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル油類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体等が挙げられる。
【0025】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。
【0026】
繊維としては、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられ、これらは特に限定されるものではなく、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの繊維は、ポリエチレンテレフタレートとナイロンを層状に重ねた複合繊維のように、1種又は2種以上を複合化したものを用いても良く、また、本発明の効果を妨げない範囲で、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。さらにロングラッシュ効果を得たい場合は上記繊維を配合して具現化することができる。
【0027】
皮膜形成性分散物としては、皮膜形成能を持つ重合体を水性溶媒に乳化した状態であるものや、油性溶媒中に分散した状態であるもので、通常化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することができる。例えば、水性溶媒中に乳化した状態であるものは、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルションが挙げられ、市販品としては、ヨドゾール32A707、ヨドゾールGH810F、ヨドゾールGH800F(日本エヌエスシー社製)、プレキシトールB−500(ROHM GMBH社製)、ヨドゾールGH41F(日本エヌエスシー社製)、ビニブラン1080、ビニブラン1128C、ビニブラン1080M、ビニブラン1080T、ビニブランGV−5651、ビニブラン1108S/W(日信化学工業株式会社)、ANTARA430(ISP社製)が挙げられる。また、油性溶媒中に分散した状態ものは、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルションが挙げられ、市販品としては、ニッセツU−3700A(日本カーバイド工業社製)が挙げられる。
【0028】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、1,2−ペンタンジオール、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0029】
本発明の睫用化粧料としては、例えば、マスカラ、マスカラオーバーコート、マスカラ下地等が挙げられ、剤型としては、油性、水中油乳化型、油中水乳化型等が挙げられるが、水相を含む乳化型が好ましい。形態としてはクリーム状、ゲル状、液状等が挙げられる。外観は、半透明、不透明それぞれの化粧料として使用することができる。
【実施例】
【0030】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
[水溶性ポリマーの製造]
(製造例1)N−エチルアクリルアミドホモポリマーの合成
還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコにN−エチルアクリルアミド10g及びトルエン30gを添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、70℃まで加温し、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.5gを添加して1時間還流し重合させた。反応後、析出した固形分を分取し、メタノールに溶解後、酢酸エチルを注入して沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してN−エチルアクリルアミドホモポリマー8.12g(収率81.2%)を得た。GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は61,900であった。このN−エチルアクリルアミドホモポリマーは水に透明に溶解し、粘稠な溶液となった。
【0031】
(製造例2)N−エチルアクリルアミドとアクリル酸の共重合体の合成
製造例1と同様の反応容器イソプロピルアルコール30gを入れ、雰囲気を窒素置換した。これにN−エチルアクリルアミド5.79gとアクリル酸4.21gを溶解し、更に、N,N−アゾビスイソブチロニトリル0.1gを添加した。反応容器を70℃に昇温し、3時間反応を行った。冷却後、反応溶液をn−ヘキサンに投入し、析出する白色固形物を分取し、イソプロピルアルコール10gに溶解させた。これを再度n−ヘキサンに投入し、析出する白色固形物を分取し、乾燥してN−エチルアクリルアミドとアクリル酸からなる共重合体9.74g(収率97.4%)を得た。得られた共重合体のGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は25,600であった。このN−エチルアクリルアミドとアクリル酸からなる共重合体は、水に透明に溶解した。
【0032】
(製造例3)式(9)で表される単位構造を有するポリマーの合成
メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(ISP社製「Gantrez AN−169」平均分子量約2,500,000)2.50gに蒸留水50mLを加え、10時間還流させて加水分解を行った。その後、蒸留水を減圧留去して得られる無色の固形物を105℃で2時間乾燥させ、式(10)で表される単位構造を持つ化合物2.78gを得た。このものの1.74gを蒸留乾燥し、N−メチルピロリドン50mLに溶解させ、カルボニルジイミダゾール3.3gを添加し、室温で5時間攪拌した。次いで、エチルアミンのテトラヒドロフラン溶液(20質量%)5gを1時間かけて滴下し、滴下後更に3時間室温で攪拌した。反応終了後、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフムクロマトグラフィーでイミダゾールを除去する精製を行い、式(9)で表される単位構造を有する無色固形状の親水性高分子1.58g(収率69%)を得た。この親水性高分子は、水に可溶であった。また、この親水性高分子のポリスチレン換算による重量平均分子量は、約3,600,000であった。
【0033】
【化12】

[式中、Rは、いずれか一方が水素原子、他方がメトキシ基(−OCH)を表す。Meはメチル基を表す。]
【0034】
【化13】

[式中、Rは、いずれか一方が水素原子、他方がメトキシ基(−OCH)を表す。]
【0035】
実施例1〜4及び比較例1〜5 水中油乳化型睫用化粧料
表1に示す処方および下記製法で、実施例1〜4及び比較例1〜5の睫用化粧料を調整した。これらの化粧料について、下記(a)〜(e)の評価項目について、評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
*1 ASENSA PR−200(ハネウェル社製)
*2 DC2503(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)
*3 AEROSIL300(IPS社製)
*4 セピゲル305(SEPPIC社製)
*5 PEG−20000(三洋化成工業社製)
*6 プレキシトールB−500(固形分50%)(ポリマーラテックス社)
*7 ビニブラン1080(固形分42〜48%)(ポリマーラテックス社)
【0038】
(製造方法)
A.成分(1)〜(7)を110℃で加熱溶解し、成分(8)〜(13)を加えて均一に混合する。
B.成分(14)〜(24)を均一に混合し、90℃まで加温する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを容器に充填し、水中油乳化型睫用化粧料を得た。
【0039】
(評価項目)
(a)ボリューム効果
(b)セパレート効果
(c)化粧膜の柔軟性
(d)化粧膜の崩れの無さ
(e)経時安定性(40℃3ヶ月)
【0040】
(評価方法)
化粧歴10年以上の官能検査パネル20名により、各試料を上記(a)〜(d)について、下記絶対評価を用いて7段階に評価し、各資料ごとの評点の平均値を4段階判定基準を用いて判定した。(d)については、試料を使用後、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後の化粧膜について評価した。
(e)については、40℃の恒温槽に3ヶ月放置した際の外観を目視にて評価し、絶対評価基準で判定した。
【0041】
絶対評価基準
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
4段階判定基準
(評点の平均値) :(判定)
5点を超える :◎
3点を超えて5点以下 :○
1.5点を超えて3点以下:△
1.5点以下 :×
(e)の絶対評価基準
(評点):(評価)
◎:良い
○:普通
△:やや悪い
×:悪い
【0042】
本結果から明らかなように、実施例1〜4の水中油乳化型睫用化粧料は、睫のボリューム効果やセパレート効果、化粧膜の柔軟性、化粧膜の崩れの無さ、バルクの経時安定性のすべての点で優れた特性を有していた。一方、成分(A)を配合しない比較例1および2はボリューム効果、化粧膜の柔軟性、化粧膜の崩れの無さ等に満足できなかった。また、成分(A)の代わりにポリアクリル酸アミド混合エマルションを配合した比較例3はセパレート効果および化粧膜の柔軟性に満足できず、化粧膜の崩れの無さは著しく劣るものであった。成分(A)の代わりに高重合度ポリオキシエチレンを配合した比較例4は化粧膜の崩れの無さに満足できず、セパレート効果は著しく劣るものであった。成分(B)を配合しない比較例5はセパレート効果、バルクの経時安定性に満足できず、ボリューム効果、化粧膜の柔軟性、化粧膜の崩れの無さは著しく劣るものであった。
【0043】
実施例5〜8及び比較例6〜10 油中水乳化型睫用化粧料
表2に示す処方および下記製法で、実施例5〜8及び比較例6〜10の睫用化粧料を調整した。これらの化粧料について、上記(a)〜(e)の評価項目について、評価した。その結果も併せて表2に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
(製造方法)
A.成分(1)〜(6)を110℃で加熱溶解する。
B.成分(7)〜(8)を80℃の加熱溶解する。
C.成分(9)〜(11)を均一に混合する。
D.AにB,C、成分(12)〜(18)を加え、均一に混合する。
E.成分(19)〜(26)を均一に混合する。
F.DにEを加え乳化する。
G.Fを容器に充填し、油中水乳化型睫用化粧料を得た。
【0046】
本結果から明らかなように、実施例5〜8の油中水乳化型睫用化粧料は、睫のボリューム効果やセパレート効果、化粧膜の均一性、化粧膜の崩れの無さ、バルクの経時安定性のすべての点で優れた特性を有していた。一方、成分(A)を配合しない比較例6、7はボリューム効果、化粧膜の柔軟性、化粧膜の崩れの無さ等に満足できなかった。また、成分(A)の代わりにポリアクリル酸アミド混合エマルションを配合した比較例8はセパレート効果および化粧膜の柔軟性に満足できず、化粧膜の崩れの無さは著しく劣るものであった。成分(A)の代わりに高重合度ポリオキシエチレンを配合した比較例9は化粧膜の崩れの無さに満足できず、セパレート効果は著しく劣るものであった。成分(B)を配合しない比較例10はセパレート効果、バルクの経時安定性に満足できず、ボリューム効果、化粧膜の柔軟性、化粧膜の崩れの無さは著しく劣るものであった。
【0047】
実施例9 水中油型睫用化粧料(クリーム状)
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 3
(2)キャンデリラレジン *8 1
(3)ミツロウ 1
(4)ポリエチレンワックス *9 8
(5)シリコーンワックス *10 5
(6)シリコーンワックス *11 2
(7)α―オレフィン・ビニルピロリドン共重合体 *12 10
(8)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(9)ショ糖脂肪酸エステル 2
(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.3
(11)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(12)ベンガラ 5
(13)無水ケイ酸 *3 0.1
(14)無水ケイ酸 *13 0.1
(15)トリエタノールアミン 1.2
(16)1,3−ブチレングリコール 8
(17)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(18)アクリル酸エマルションポリマー(固形分50%)*5 10
(19)ポリ酢酸ビニルエマルション *14 0.5
(20)高重合ポリオキシエチレングリコール *15 0.1
(21)酢酸トコフェロール 0.03
(22)製造例2の水溶性ポリマー 1
(23)精製水 残量
*8 キャンデリラ樹脂E−1(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*9 PERFORMALENE 500(ニューフェーステクノロジー社製)
*10 SDM5055VP(旭化成ワッカーシリコーン社製)
*11 ABIL WAX 2434(ゴールドシュミット社製)
*12 ANTARON WP−660(ISP社製)
*13 サイリシア550(富士シリシア化学社製)
*14 ビニブランGV−5651(日信化学工業社製)
*15 PEG−6000(日本油脂社製)
【0048】
(製造方法)
A.成分(1)〜(11)を110℃に加熱溶解し、成分(12)を加え、均一に混合する。
B.成分(13)〜(23)を均一に混合する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを容器に充填してクリーム状の水中油型睫用化粧料を得た
(結果)
以上のようにして得られた実施例9の水中油型睫用化粧料は、ボリューム効果、セパレート効果に優れ、化粧膜に柔軟性があり、化粧膜が崩れにくく、経時安定性に優れるものであった。
【0049】
実施例10 水中油型睫用化粧料(乳液状)
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 2
(2)キャンデリラレジン *8 1.5
(3)ポリエチレンワックス *9 1.5
(4)ミツロウ 1
(5)α−オレフィン・ビニルピロリドン共重合体 *12 1
(6)シリコーンワックス *11 5
(7)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(8)ショ糖脂肪酸エステル 2
(9)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.3
(10)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(11)シリコーンワックス *2 0.5
(12)ベンガラ 5
(13)レーヨンファイバー *16 2
(14)トリエタノールアミン 1.2
(15)1,3−ブチレングリコール 8
(16)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(17)アクリル酸エマルションポリマー(固形分50%)*5 10
(18)ポリ酢酸ビニルエマルション *14 0.5
(19)ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体 *17 0.1
(20)酢酸トコフェロール 0.03
(21)製造例3の水溶性ポリマー 1.3
(22)精製水 残量
*16 レーヨンファイバー7D−2MM(中部パイル社製)
*17 PVP/VAE−735(固形分50%)(ISP社製)
【0050】
(製造方法)
A.成分(1)〜(11)を110℃に加熱溶解し、成分(12)を加え、均一に混合する。
B.成分(13)〜(22)を均一に混合する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを容器に充填して乳液状の水中油型睫用化粧料を得た。
(結果)
以上のようにして得られた実施例10の水中油型睫用化粧料は、ボリューム効果、セパレート効果に優れ、化粧膜に柔軟性があり、化粧膜が崩れにくく、バルクの経時安定性に優れるものであった。
【0051】
実施例11 油中水型睫用化粧料(クリーム状)
(成分) (%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 5
(2)軽質流動イソパラフィン 5
(3)シリコーンワックス *10 1
(4)トリメチルシロキシケイ酸溶液 *18 4
(5)α−オレフィン・ビニルピロリドン共重合体 *12 8
(6)α−オレフィン・ビニルピロリドン共重合体 *19 2
(7)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 *20 2
(8)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 5
(9)無水ケイ酸 *3 3
(10)無水ケイ酸 *13 2
(11)黒酸化鉄 *21 5
(12)タルク 5
(13)ポリ酢酸ビニルエマルション(固形分42〜48%) 10
(14)製造例2の水溶性ポリマー 1
(15)ポリエチレングリコール 0.5
(16)精製水 残量
*18 シリコンKF−9021(信越化学工業社製)
*19 ANTARON V−216(ISP社製)
*20 NUCシリコーン SS2802(日本ユニカー社製)
*21 パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩5%処理
【0052】
(製造方法)
A.成分(3)〜(7)を混合し、成分(1)、(2)を加え、溶解する。
B.Aに成分(8)を加え、混合する。
C.Bに成分(9)〜(12)を加え、溶解する。
D.Cに成分(13)〜(16)を加え、乳化する。
E.Dを容器に充填してクリーム状の油中水型睫用化粧料を得た。
(結果)
以上のようにして得られた実施例11の油中水型睫用化粧料は、ボリューム効果、セパレート効果に優れ、化粧膜に柔軟性があり、化粧膜が崩れにくく、バルクの経時安定性に優れるものであった。
【0053】
実施例12 油中水型睫用化粧料(乳液状)
(成分) (%)
(1)ロジン酸ペンタペンタエリトリット 5
(2)キャンデリラレジン 10
(3)軽質流動イソパラフィン 残量
(4)ポリエチレンワックス 3
(5)デキストリン脂肪酸エステル *22 7
(6)無水ケイ酸 *3 8
(7)有機変性粘度好物 *23 2
(8)ベンガラ 5
(9)タルク 5
(10)1,3−ブチレングリコール 8
(11)製造例3の水溶性ポリマー 0.5
(12)精製水 3
(13)香料 0.1
*22 レオパールKL(千葉製粉社製)
*23 BENTONE 27V(ELEMENTIS社製)
【0054】
(製造方法)
A.成分(1)〜(9)を80℃で混合溶解する。
B.Aに成分(10)〜(13)を加えて均一に混合する。
C.Bを容器に充填してクリーム状の油中水型睫用化粧料を得た。
(結果)
以上のようにして得られた実施例12の油中水型睫用化粧料は、ボリューム効果、セパレート効果に優れ、化粧膜に柔軟性があり、化粧膜が崩れにくく、バルクの経時安定性に優れるものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B);
(A)次の〔1〕〜〔3〕から選ばれる1種又は2種以上の水溶性ポリマー;
〔1〕式(1)
【化1】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す]で表される繰返し単位の1種又は2種以上からなり、重量平均分子量(Mw)が5,000〜150,000であり、温度30℃、相対湿度60%における当該ポリマーの50質量%水溶液の6時間放置後の質量減少率が25質量%以下である水溶性(メタ)アクリルアミドポリマー
〔2〕式(1)
【化2】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す]で表される1種又は2種以上の繰返し単位;Zと、水溶性のホモポリマーを与える重合性単量体に由来する1種又は2種以上の繰返し単位:Zとを含有し、Z:Zのモル比が99.98:0.02〜10:90であり、温度30℃、相対湿度60%における当該ポリマーの50質量%水溶液の6時間放置後の質量減少率が25質量%未満である水溶性(メタ)アクリルアミド系コポリマー
〔3〕式(2)
【化3】

[式中、Xは、−NHR’またはOMを示す(但し、両Xが同時にOMの場合は除く。R’は炭素数1〜3のアルキル基、Mは水素原子またはアルカリ金属原子または有機塩基基を示す。)。Rは、一方が水素原子、他方が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、フェニル基、アセトキシ基、カルボキシ基、塩型カルボキシ基、アミド基、Nモノアルキル置換アミド基から選ばれる1種を示す。]で表される1種又は2種以上の単位構造を有する水溶性ポリマー
(B)25℃で固形状の油性増粘剤
を配合することを特徴とする睫用化粧料。
【請求項2】
成分(B)の一部がシリコーンワックスであることを特徴とする請求項1に記載の睫用化粧料。
【請求項3】
前記成分(A)の配合量が0.05〜5質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の睫用化粧料。
【請求項4】
前記成分(B)の配合量が30〜99質量%であり、水中油型乳化化粧料であることを特徴とする請求項1〜3に記載の睫用化粧料。
【請求項5】
前記成分(B)の配合量が2〜30質量%であり、油中水型乳化化粧料であることを特徴とする請求項1〜3に記載の睫用化粧料。

【公開番号】特開2012−214453(P2012−214453A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−68405(P2012−68405)
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】