説明

知育用電子装置及び領域指定装置

【課題】 従来よりも音声出力できる関連情報の内容のバリエーションを増やすことができる知育用電子装置を提供する。
【解決手段】 指定用ユニット17に識別情報を有する無線ICタグ18を装着する。装置本体3側に無線ICタグ読み取り用アンテナ15を配置する。関連情報記憶手段22に指定用ユニット17の識別情報及びアンテナ15で特定される本2の頁内の領域と関連付けて関連情報を予め記憶する。データ読み出し手段23は、指定用ユニット17の識別情報とアンテナ15で特定される領域とに基づいて、関連情報記憶手段22から関連情報を読み出し、音声出力手段24は関連情報を音声出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知育用電子装置及びこの装置に用いるのに適した領域指定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許第3120085号公報に示された知育用電子装置では、各頁の情報表示面の上に表示された絵や文字等の情報と関連する情報を記憶したROMが一体に組み込まれた本を用いる。この従来の装置では、本が開かれた状態で置かれる装置本体に、開かれた本の頁のどこの領域がタッチペンからなる指定用ユニットによって指定されたのかを検出する位置検出手段が設けられている。そして従来の装置では、位置検出手段が指定位置を検出すると、その指定位置に表示された情報と関連する関連情報をROMから読み出して、関連情報を音声で表示する。具体的な位置検出手段は、タッチペンで指定した本の情報表示面の座標を検出するように構成されている。したがって本と一体に設けられるROMには、座標と関連づけて関連情報が記憶されている。
【0003】
また特表平10−500780号公報には、位置検出手段として、スイッチが用いられている。この公報に示された技術では、情報担持体としてのカードの上に置く指定用ユニットでカードを介してスイッチを押すことにより、指定位置を検出している。
【0004】
また特開平9−218695号公報には、バーコードを利用して本の上の指定位置を特定して指定位置に表示された情報に関する関連情報を音声で出力する技術が示されている。
【0005】
さらに特開2000−325668号公報には、本の上に表示したバーコード等のマークを読み取る読取装置を熊等のキャラクタの形状にし、そのキャラクタが音声を出力しているように見せる技術が示されている。
【特許文献1】特許第3120085号公報 図1及び図8
【特許文献2】特表平10−500780号公報 図1
【特許文献3】特開平9−218695号公報 図1
【特許文献4】特開2000−325668号公報 図3
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の装置では、本やカード等の情報表示面の情報が表示されている領域の指定の検出に基づいて、指定された領域に記載された情報に関連する関連情報を音声出力している。そのため音声出力される関連情報はいつも同じであり、何回か使用すると使用者が飽きてしまう問題があった。
【0007】
本発明の目的は、従来よりも音声出力できる関連情報の内容のバリエーションを増やすことができる知育用電子装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、複数種類の指定用ユニットを用いて音声出力できる関連情報の内容のバリエーションを増やすことができる知育用電子装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、使用する複数の指定用ユニットの種類や数に応じて、音声出力できる関連情報の内容のバリエーションを増やすことができる知育用電子装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、複数の指定用ユニットを情報表示面に置く順番に従って音声出力できる関連情報の内容のバリエーションを変えることができる知育用電子装置を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、指定用ユニットが情報表示面上から退去することによっても、音声出力できる関連情報の内容を変えることができる知育用電子装置を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、簡単且つ確実に上記各目的を達成できる知育用電子装置を提供することにある。
【0013】
本発明の別の目的は、知育用電子装置等に用いるのに適した領域指定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の知育用電子装置は、情報担持体載置部と、関連情報記憶手段と、情報表示面特定手段と、領域指定手段と、データ読み出し手段と、音声出力手段とを有する。情報担持体載置部は、シートまたは本の形態をなしている情報担持体が、絵,文字,図形等の情報が表示された情報表示面を上にして載せられる構造を有している。なお本とは、絵,文字,図形等の視覚により認識される情報が表示された複数枚の情報表示シートが頁めくり可能に綴じられて構成されたものと定義できるものであり、シートまたは本の各頁の片面または両面を情報表示面として利用することができる。また本を用いる場合には、情報担持体載置部の大きさを大きくすれば、すべての頁の両面を情報表示面として同時に使用することも可能である。
【0015】
関連情報記憶手段は、情報担持体載置部に載置された情報担持体の情報表示面に示された情報に関連する関連情報を記憶している。この関連情報記憶手段は、交換不可能なものであってもよいが、交換可能なものであってもよい。なお関連情報記憶手段が交換不可能な場合には、その記憶内容を書き換え可能なものとしてもよい。また交換可能な関連情報記憶手段を用いると、情報担持体の種類が増えても、容易に対応できる利点が得られる。また1つの関連情報記憶手段に、複数種類の情報担持体に関する関連情報を記憶させておけば、情報担持体載置部に載せる情報担持体を変えるたびに、関連情報記憶手段を交換する必要がなくなって、操作性が高くなる。なお関連情報記憶手段を交換可能な記憶媒体で構成する場合、取り扱いの容易さと価格の面から、現状では記憶媒体としてROMカセットを用いるのが好ましい。
【0016】
情報表示面特定手段は、情報担持体載置部に載置された情報担持体の情報表示面を特定する機能を有している。情報担持体がシートであれば、シートの種類、シートの裏または表のいずれが上に向いた状態で情報担持体載置部上にシートが載置されているのかを情報表示面特定手段は特定する。また情報担持体が本であれば、本の種類、本の何頁が上に向いた状態で情報担持体載置部上に載置されているのかを情報表示面特定手段は特定する。この特定は、いわゆる頁の特定である。頁の特定には、前述の特許文献1に示されているような光や磁気を利用する公知の頁検出構造を用いることができる。なお複数枚の情報表示シートにそれぞれ頁を確認するための情報を備えた無線ICタグを装着してもよい。この場合には、情報表示面特定手段は、複数枚の情報表示シートに装着された無線ICタグに基づいて、情報表示面を特定することができるように構成する。
【0017】
領域指定手段は、情報表示面の1以上の領域を指定するように構成されている。なお本発明で採用する領域指定手段の構成については、後に詳しく説明する。またデータ読み出し手段は、情報表示面特定手段により特定された情報表示面において、領域指定手段により指定された1以上の領域に含まれる情報に関連した関連情報を関連情報記憶手段から読み出すように構成されており、音声出力手段はデータ読み出し手段が読み出した関連情報を音声で出力するように構成されている。
【0018】
本発明では、領域指定手段を、検出可能な被検出素子を備えた1以上の指定用ユニットと、情報担持体載置部に設けられて被検出素子が情報担持体載置部上の予め定めた1以上の領域上に情報担持体を間に介して位置していることを検出する被検出素子検出手段とから構成する。1以上の指定用ユニットに備えられた被検出素子は、指定用ユニットを識別させるための識別情報を備えている。この被検出素子は、電気的に(電磁結合方式、マイクロ波方式、電磁誘導方式等)検出可能なものがよい。例えば、被検出素子として識別情報を記憶した無線ICタグを用いると、必要十分な識別情報を記憶させることができ、また簡単に識別情報を解読することができる。ここで無線ICタグとは、電波または電磁波を用いて非接触通信により交信するものである。なお後述するアンテナから無線エネルギを受けてこのエネルギを用いて交信するパッシブ・タイプの無線ICタグを用いると、無線ICタグ側に交信用の電源として用いる電池を設ける必要がなくなる。
【0019】
またこの場合には、被検出素子検出手段は、情報担持体載置部に対して設けられて1以上の領域を確定する1以上の無線ICタグ読み取り用アンテナと、1以上の無線ICタグ読み取り用アンテナからの入力信号に基づいて識別情報を判別する判別手段とを備えた構造にする。無線ICタグ読み取り用アンテナは、情報担持体載置部の外部または内部のいずれに設けても良い。複数の領域を確定するためには、複数の無線ICタグ読み取り用アンテナを用意する必要がある。この場合には、各アンテナは相互に重ならないように配置すればよい。
【0020】
本発明では、被検出素子検出手段が、被検出素子が置かれている情報担持体載置部上の領域を特定する機能と識別情報を認識する機能とを有している。また関連情報記憶手段には、1以上の指定用ユニットの識別情報及び被検出素子検出手段で特定される領域と関連付けて関連情報が記憶されている。そしてデータ読み出し手段は、被検出素子検出手段が認識した1以上の指定用ユニットの識別情報と被検出素子検出手段が特定した領域とに基づいて、関連情報記憶手段から関連情報を読み出すように構成されている。このようにすると、指定用ユニットの識別情報が関連情報記憶手段に関連情報を記憶させる際及び関連情報記憶手段から関連情報を読み出す際の条件として加わるため、従来と比べて、関連情報の種類を増やすことができる。
【0021】
複数の指定用ユニットを用いる場合には、被検出素子検出手段は、複数の指定用ユニットのそれぞれの識別情報を認識可能に構成する。またデータ読み出し手段は、被検出素子検出手段が検出した複数の識別情報と被検出素子検出手段が特定した領域とに基づいて、関連情報記憶手段から関連情報を読み出すように構成する。このようにすると指定用ユニットの数を増やせば増やすほど、関連情報の種類は増えることになり、従来と比べて、音声出力のバリエーションを大幅に増やすことが可能になる。
【0022】
また情報表示面上の領域を指定する際に、予め用意した複数の指定用ユニットから選択した1以上の指定用ユニットでその領域を指定することができるため、指定用ユニットの選択の楽しみや、指定用ユニットを変えたり、その組み合わせを変えることにより、様々に音声出力が変わることの楽しさを味わうことができる。
【0023】
なお関連情報記憶手段には、情報表示面全体に関連する表示面全体関連情報も併せて記憶しておいてもよい。このようにした場合、データ読み出し手段は、情報表示面特定手段が情報表示面を特定すると、領域指定手段からの指定に優先して、関連情報記憶手段から特定した情報表示面に関連する表示面全体関連情報を読み出して、音声出力手段に音声出力するように構成するのが好ましい。このようにすると、最初に情報表示面全体に関連する表示面全体関連情報が音声表示される。例えば、物語であれば、物語の一場面の前提を最初に音声出力することができる。その後、指定用ユニットで指定した情報表示面の領域に関連する関連情報が音声出力されることになる。その結果、指定用ユニットで指定する領域を変えたり、複数の指定用ユニットを用いることにより、その後のその物語の一場面における物語の展開が変わることになる。このようにすることにより、音声出力が無差別に変更されることがなくなって、知育目的を達成できる範囲内で、音声出力を変更することが可能になる。
【0024】
データ読み出し手段によるデータの読み出し方法は種々考えることができるものであり、一つに限定されるものではない。例えば、被検出素子検出手段が認識している複数の識別情報の種類と被検出素子検出手段が特定した領域とに基づいて、関連情報記憶手段から関連情報を読み出すようにデータ読み出し手段を構成することができる。またデータ読み出し手段を、被検出素子検出手段が複数の識別情報を認識した順番と被検出素子検出手段が特定した領域とに基づいて、関連情報記憶手段から関連情報を読み出すようにしてもよい。さらにデータ読み出し手段を、被検出素子検出手段が1以上の識別情報を認識している状態から1以上の識別情報を認識しなくなったことと被検出素子検出手段が特定した領域とに基づいて、関連情報記憶手段から関連情報を読み出すように構成することができる。このようにすると複数の指定用ユニットの組み合わせ方と、複数の指定用ユニットによりどの領域を指定するか、複数の指定用ユニットにより領域を指定する順番、指定用ユニットによる領域の指定解除の有無などによって音声出力される関連情報の内容または筋書きを変えることができる。したがって従来の知育用電子装置と比べて、音声表示できる内容が豊富になる。また指定用ユニットの使い方の工夫を使用者が積極的にすることになるので知育効果を従来よりも高めることができる。
【0025】
絵,文字,図形等の情報が表示された情報表示面を有する情報担持体の情報表示面上の領域を指定するための本発明の領域指定装置は、情報担持体が情報表示面を上にして載置される情報担持体載置部を有する装置本体と、電気的に検出可能な被検出素子を備えた1以上の指定用ユニットと、装置本体の情報担持体載置部に設けられて被検出素子が情報担持体載置部上の予め定めた1以上の領域上に情報担持体を間に介して位置していることを電気的に検出する被検出素子検出手段とを備えている。そして被検出素子は、指定用ユニットを識別させるための識別情報を備えている。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、指定用ユニットの識別情報が関連情報記憶手段に関連情報を記憶させる際及び関連情報記憶手段から関連情報を読み出す際の条件として加わるため、従来と比べて、関連情報の種類を増やすことができて、音声出力の内容のバリエーションを豊富なものとすることができる利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の知育用電子装置の実施の形態の斜視図であり、図2はその分解斜視図である。図1に示した知育用電子装置1は、情報担持体としての本2と装置本体3とから構成される。本2は、装置本体3の情報担持体載置部4上に、絵,文字,図形等の情報が表示された情報表示面を上にして載せられる。本2の各頁には、図示しない頁認識用の無線ICタグが外部から見えない状態で装着されている。本実施の形態では、開かれている頁が何頁であるかを、情報担持体載置部4に載っている1枚以上の頁にそれぞれ装着された頁認識用の無線ICタグからの識別情報を受信して確認する。なお情報担持体載置部4の表面及び/または本2の裏面には、本2が情報担持体載置部4から簡単に滑り落ちないようにするための滑り止め加工が施されている。また嵌合構造により、本2が情報担持体載置部4上から簡単に外れないようにしてもよいのは勿論である。さらに場合によっては、接着材を用いて本2を情報担持体載置部4上に固定してもよい。
【0028】
図2に示すように、装置本体3は、情報担持体載置部4を備えた上側フレーム5と、この上側フレーム5と組み合わされる下側フレーム6とを備えている。上側フレーム5に設けられた操作部7には、5つの押しボタン8と、スピーカマスク9と、電源スイッチ10とが設けられている。また操作部7内には、フレキシブル回路基板11が収納されている。回路基板11上には、5つの押しボタン8のそれぞれの接点部12を備えた回路パターンが形成されている。またこの回路基板11上には、本2の情報表示面に示された情報に関連する関連情報を記憶した関連情報記憶手段として用いられるROMや、データ処理を行うマイクロコンピュータや音声出力回路等が実装されている。また回路基板11上には、電源スイッチ10の本体も実装されている。音声を出力するスピーカ13は、下側フレーム6上に実装されている。下側フレーム6には、電池を収納する電池収納ボックス14が設けられている。電池収納ボックス14には、複数本の電池が交換可能に収納さている。また下側フレーム6と上側フレーム5との間には、情報担持体載置部4に対応して無線ICタグ読み取り用アンテナ15が配置されている。無線ICタグ読み取り用アンテナ15は、情報担持体載置部4の輪郭に沿うように配置されている。無線ICタグ読み取り用アンテナ15は、指定用ユニット17に駆動源となる電気エネルギを与え、且つ指定用ユニット17から識別情報を受け取る目的で用いられる。アンテナ15の両端は、無線ICタグの読み取り回路を含む信号処理回路が形成された回路基板16上の一対の電極に電気的に接続されている。
【0029】
指定用ユニット17は、犬等のフィギュアの内部に被検出素子としての無線ICタグ18とアンテナ(図示せず)とを備えた回路基板19が収納された構造を有している。回路基板19上に設けた図示しないアンテナで受信した電波によりアンテナを流れる電流を電源として、無線ICタグ18は内部に記憶している識別情報を、アンテナから発信する。なお指定用ユニット17の外観は任意であり、いかなる形状であってもよく、例えば、情報担持体に表示された絵または絵に関連する登場人物やキャラクターの形状を外観として採用してもよい。このようにすると絵に関連する登場人物やキャラクターの種類、またそれらの有無によって音声出力される内容や筋書きが変わるため、音声表示できる内容が豊富になるだけでなく、登場人物やキャラクターと情報担持体の情報を関連付けるため、使用者は指定用ユニットに対して親近感を覚え、愛着を持つようになる。
【0030】
無線ICタグ読み取り用アンテナ15は、指定用ユニット17から発信された識別情報信号を受信する。そして回路基板16上の信号処理回路は、受信した識別情報信号をA/D変換して、回路基板11上のマイクロコンピュータに信号を出力する。回路基板11と回路基板16とは、図示しない接続手段を介して電気的に接続されている。
【0031】
この知育用電子装置1では、後に詳しく説明するように、本2の情報表示面上に指定用ユニット17を載せると、本2の各頁に装着した図示しない頁認識用の無線ICタグに記憶された識別情報と、指定用ユニット17内の無線ICタグ18内の識別情報とを無線ICタグ読み取り用アンテナ15で受信し、識別情報に基づいて情報表示面に表示した情報に関連した関連情報を音声出力する。図3は、本実施の形態の知育用電子装置の装置本体においてデータ処理のために用いる回路の構成を示すブロック図である。図3において、図1及び図2に示した部材と同じものには、図1及び図2に付した符号と同じ符号を付して説明を省略する。
【0032】
図3において、情報表示面特定手段21は、情報担持体載置部4に載置された本(情報担持体)2の情報表示面を特定する機能を有している。本実施の形態のように、情報担持体が本2であれば、本の種類、本の何頁が上に向いた状態で情報担持体載置部4上に載置されているのかを情報表示面特定手段21は特定する。なお本実施の形態では、前述のように本2の各頁に装着した頁認識用の無線ICタグからの識別情報を無線ICタグ読み取り用アンテナ15で受信して頁を特定する。具体的には、無線ICタグ読み取り用アンテナ15で受信した頁認識用の無線ICタグからの識別情報の数と種類により、何頁を開いているのかを特定する。前述の指定用ユニット17内の無線ICタグ18と頁認識用の無線ICタグとの識別は、識別情報の内容確認によって簡単且つ確実に実施できる。本実施の形態では、無線ICタグ読み取り用アンテナ15を頁の認識の指定用ユニット17の認識の両方の用途に兼用することができるので、装置の構成を簡単なものとすることができる。なお情報表示面特定手段21として、頁の特定に、前述の特許文献1に示されているような光や磁気を利用する公知の頁検出構造を備えたものを用いることができるのは勿論である。
【0033】
関連情報記憶手段22は、情報担持体載置部4に載置された本2の情報表示面に示された情報に関連する関連情報を記憶している。使用状態の経過の一例を示す図4に示されるように、開かれた本2の左側の頁には、文章(破線で表示)が記載されており、右側の頁には絵(三角形)が描かれている。関連情報記憶手段22には、情報表示面(右側の頁の表面)に記載された絵及び/または指定用ユニット17のキャラクタに関連する情報が記憶されている。複数種類の本を使用する場合には、関連情報記憶手段22には対象とするすべての本に関しての関連情報を記憶しておけばよい。また後に別の実施の形態で説明するように、複数種類の指定用ユニットを使用する場合には、この関連情報記憶手段22に、複数種類の指定用ユニットと関連する関連情報も併せて記憶しておけばよい。なお本の種類は、各本の各頁に実装された無線ICタグの識別情報を総合的に判別することによって認識することができる。複数種類の本に関する関連情報を記憶させておけば、情報担持体載置部4に載せる本を変えるたびに、関連情報記憶手段22を交換する必要がなくなって、操作性が高くなる。
【0034】
本実施例においては、無線ICタグ読み取り用アンテナ15及び判別手段20からなる被検出素子検出手段と指定用ユニット17に含まれる被検出素子としての無線ICタグ18とによって、指定用ユニット17によって指定された本2の情報表示面の領域を指定する領域指定手段が構成されている。判別手段20は、無線ICタグ読み取り用アンテナ15からの入力信号に基づいて無線ICタグ18から送信されてきた識別情報を判別する。識別情報は単なる数字の組み合わせであってもよいし、具体的なデータ情報であってもよい。本実施の形態では、無線ICタグ読み取り用アンテナ15及び判別手段20によって構成される被検出素子検出手段が、指定用ユニット17が置かれている情報担持体載置部4上の領域を特定する機能と、指定用ユニット17に含まれる無線ICタグに記憶されている識別情報を認識する機能とを有している。
【0035】
なお後に説明するように、複数の無線ICタグ読み取り用アンテナを配置することもできる。また指定用ユニット17も複数種類使用することができる。この場合でも、判別手段20には複数の無線ICタグ読み取り用アンテナからの信号が入力される。そして判別手段20は、どのアンテナに対応する領域(図4に符号15´で示した破線で囲まれたアンテナ15の配置領域)にいかなる種類の指定用ユニットが置かれているかを判別して、領域の判別と識別情報の判別の両方を実行する。
【0036】
データ読み出し手段23は、情報表示面特定手段21により特定された情報表示面(本2の頁)において、領域指定手段(15,17,18,20)により指定された領域(指定用ユニット17が置かれた本2の頁の上の領域15´)に含まれる情報に関連した関連情報を関連情報記憶手段22から読み出すように構成されている。このようにすると、指定用ユニット17の無線ICタグ18内の識別情報が、関連情報記憶手段22に関連情報を記憶させる際及び関連情報記憶手段22から関連情報を読み出す際の条件として加わるため、従来と比べて、関連情報の種類を増やすことができる。また音声出力手段24は、データ読み出し手段23が読み出した関連情報を音声で出力するように構成されている。音声出力手段24には、図2に示したスピーカ13も含まれている。
【0037】
なお関連情報記憶手段22には、情報表示面全体に関連する表示面全体関連情報も併せて記憶しておいてもよい。このようにした場合には、データ読み出し手段23は、情報表示面特定手段21が情報表示面を特定すると、領域指定手段(15,17,18,20)からの指定に優先して、関連情報記憶手段22から特定した情報表示面に関連する表示面全体関連情報を読み出して、音声出力手段24に音声出力するように構成する。このようにすると最初に、情報表示面全体に関連する表示面全体関連情報が音声表示される。例えば、物語であれば、物語の一場面の前提を最初に音声出力することができる。その後、指定用ユニット17で指定した情報表示面の領域に関連する関連情報が音声出力される。その結果、指定用ユニット17で指定する領域を変えたり、複数の指定用ユニットを用いることにより、その後のその物語の一場面における物語の展開が変わることになる。またこのようにすることにより、指定用ユニットによって複数の領域が指定できるようになっている場合においては、スタート時からの指定用ユニット17による適当な領域の指定によって、音声出力が無差別に変更されることがなくなる。そのため知育目的を達成できる範囲内で、音声出力を変更することが可能になる。
【0038】
データ読み出し手段23によるデータの読み出し方法は種々考えることができる。例えば、判別手段20で判別(または認識)している複数の識別情報の種類と判別手段20が特定した領域とに基づいて、関連情報記憶手段22から関連情報を読み出すようにデータ読み出し手段23を構成することができる。またデータ読み出し手段23を、判別手段20が複数の識別情報を認識した順番と判別手段20が特定した領域とに基づいて、関連情報記憶手段22から関連情報を読み出すようにしてもよい。さらにデータ読み出し手段23を、判別手段20が1以上の識別情報を認識している状態から1以上の識別情報を認識しなくなったことと判別手段20が特定した領域とに基づいて、関連情報記憶手段22から関連情報を読み出すように構成することもできる。このようにすると複数の指定用ユニット17の組み合わせ方、複数の指定用ユニット17によりどの領域を指定するか、複数の指定用ユニット17により領域を指定する順番、指定用ユニット17による領域の指定解除の有無などによって音声出力される関連情報の内容または筋書きを変えることが可能になる。したがって従来の知育用電子装置と比べて、音声表示できる内容が豊富になる。また指定用ユニット17の使い方の工夫を使用者が積極的にすることになるので知育効果を従来よりも高めることができる。
【0039】
なお複数の指定用ユニット17を用いる場合には、判別手段20は、複数の指定用ユニット17のそれぞれの識別情報を認識できるように構成する。またデータ読み出し手段23は、判別手段20が判別した複数の識別情報と判別手段20が特定した領域とに基づいて、関連情報記憶手段22から関連情報を読み出すように構成する。このようにすると指定用ユニットの数を増やせば増やすほど、関連情報の種類は増えることになり、従来と比べて、音声出力のバリエーションを大幅に増やすことが可能になる。
【0040】
図3の回路を構成するブロックのうち、判別手段20、情報表示面特定手段21及びデータ読み出し手段23の全部または主要部分は、マイクロコンピュータを用いて実現することができる。
【0041】
なお本実施の形態では、5つの押しボタン8を備えている。これらの押しボタン8の使用方法は任意であり、押しボタン8の一つが押されると、警笛や鳴き声等が音声出力されるようにしてもよい。また押しボタン8を押すと、その頁に応じたクイズが音声出力されるようにしてもよい。さらに押しボタン8を押すことにより、同じ本2を置いた場合であっても、音声出力されるストーリを複数のストーリの中から選択できるようにしてもよい。このようにする場合には、押しボタン8をデータ読み出し手段23の読み出し切り替えスイッチとして使用することになる。
【0042】
図5は、図1及び図2に示された実施の形態を図3に示した回路で動作させる場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。このソフトウエアでは、ステップST1で開かれている本の頁の確認が実行される。そしてステップST2では、開かれている頁が前回と同じか否かが判定され、同じでなければステップST3へと進んで、開かれている頁に関連する情報が音声出力される。次に、ステップST4に進んで、無線ICタグ18の存在(指定用ユニット17の存在)を確認し、無線ICタグ18から送信されてきた識別情報を判別する。そして識別した無線ICタグに関連する情報を関連情報記憶手段22から読み出して音声出力する。もしステップST4で、無線ICタグ18の存在(指定用ユニット17の存在)を確認しなければ、ステップST6へと進む。ステップST6では、終了するか否かの判定を行い、終了しない場合には、ステップST1へと戻る。新たに頁がめくられれば、次の頁に関連する情報が音声出力される。
【0043】
図6(A)及び(B)は、このソフトウエアを使用する場合の過程の一部をそれぞれ示している。図6(A)に示す状態が、本2の頁が開かれたときの状態であり、頁に関連する情報として「タローは、近くの公園に散歩にやってきました・・・」と音声出力される。この音声出力が終了した後、図6(B)に示すように、犬の形状をした指定用ユニット17が本2の右側の頁の上に置かれると、指定用ユニット17から得た識別情報が判別されて、指定用ユニット17が置かれた領域(この例では1カ所)に描かれている情報(絵等)と指定用ユニット17との関係を示す情報として「わ〜!とってもきれい〜!!」と音声出力される。このときの音声出力は、音質が変えられていてもよいのは勿論である。
【0044】
図7は、第1乃至第3の指示用ユニットが使用される場合に用いられるソフトウエアのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。ステップST11〜ステップST13までは、図5のステップST1〜ステップST3と同じである。このソフトウエアでは、ステップST14,ステップST16及びステップST18で、予め定めた優先順位に従って、第1〜第3の指定用ユニットのいずれが本の頁の上に載っているかの判定が行われ、判定結果に基づいて音声出力がなされる(ステップST15,ステップST17及びステップST19)。そしてステップST20,ステップST22及びステップST24では、第1〜第3の指定用ユニットいずれが、本2の頁上から退去したかの判定が行われる。第1〜第3の指定用ユニットいずれかが退去した場合には、その退去した指定用ユニットに関連して退去に伴う音声出力がなされる(ステップST21,ステップST23及びステップST25)。
【0045】
図8は、4つの人形a〜人形dの指定用ユニットを使用する場合の音声出力の態様の一例を示す図である。この音声出力の態様では、最初に本の頁を開いたときに、その頁に関する関連情報の音声出力がなされる。次に開かれた頁が1頁であれば、指定用ユニット(人形a〜人形d)のいずれが頁の上に置かれたかの判別が行われる。この例では、判別した人形ごとにストーリまたはお話が変わる。また頁の上にほぼ同時に複数の指定用ユニットが置かれる場合には、置かれている指定用ユニットの種類によってもお話が変わるようになっている。この例では、お話の音声出力がなされている間は、指定用ユニットを変更してもお話が変わることはない。そして第2頁が開かれると、指定用ユニットの有無に応じて異なったお話が音声出力される。もし最初に第1頁ではなく、第2頁またはその他の頁が開かれたときでも、不自然なお話にならないように、この音声出力の態様では、最初に開かれた頁から自然なお話が始まるように、予め別のお話が準備されている。
【0046】
図9は、指定用ユニット(人形a〜人形d)が本2の頁の上に置かれている状態で、一つのお話が音声出力されているときの途中で、別の指定用ユニットが頁の上に置かれたときの音声出力の態様の一例を示している。この音声出力の態様では、例えば指定用ユニットの人形aが判別されてお話Aが音声出力されている途中で、他の指定用ユニットである人形b〜dが判別されたときには、新たに判別された指定用ユニットの人形に応じたお話(F〜I)へとお話が変わる。またこの音声出力の態様では、最初のお話の出力が終了した後に別の指定用ユニット(人形)が判別されると、判別した別の指定用ユニット(人形)の種類によってお話が変わる。したがってこの音声出力の態様では、指定用ユニット(人形)の種類の選択と指定用ユニット(人形)の配置のタイミングによって、お話の内容が変わっていくため、バラエティに富んだお話を音声出力することができる。
【0047】
図10は、複数の指定用ユニットを使用する場合に用いるソフトウエアの他の一例のアルゴリズムを示すフローチャートである。なおこのソフトウエアでは、頁を開いただけでは、音声出力がなされることはなく、指定用ユニットが頁の上に置かれて初めて音声出力がなされる(ステップST21〜ステップST23)。そして一定時間内に頁上に置かれた指定用ユニットの種類及び/又は順番を確認して、それに応じた関連情報(お話)を音声出力する(ステップST23〜ステップST25)。また音声出力がなされいる一定時間の間に、頁の上から退去した指定用ユニットの種類及び/又は順番を確認して、それに応じた関連情報(お話)を音声出力する(ステップST26〜ステップST28)。このようなソフトウエアを用いると、音声出力の途中でお話を変更することができものの、本の頁の上に置く指定用ユニットの組み合わせでお話が変わることになる。
【0048】
図11(A)及び(B)は、4つの指定用ユニット17a〜17dが使用される場合における音声出力の過程を示す図である。図11(A)では、頁が開かれたときに、その頁に関連する関連情報が音声出力されている状況を示している。そして図11(B)は、頁の上に3つの指定用ユニット17a〜17cがほぼ同時に置かれたときに、音声出力がなされている状況を示している。
【0049】
図12(A)乃至(C)は、4つの指定用ユニット17a〜17dが使用される場合における音声出力の過程を示す図である。図12(A)では、頁が開かれたときに、その頁に関連する関連情報が音声出力されている状況を示している。そして図12(B)では、頁の上に2つの指定用ユニット17a及び17cがほぼ同時に置かれたときに、音声出力がなされている状況を示している。そして図12(C)は、さらに別の指定用ユニット17dが追加されたときに、音声出力がなされている状況を示している。
【0050】
図13は、本発明の知育用電子装置の別の実施の形態の分解斜視図を示している。図1及び図2に示した実施の形態と異なるのは、3つの無線ICタグ読み取り用アンテナ115a〜115cを備えている点である。その他の点は、図1及び図2に示した実施の形態と同じであるため、図13には、図1及び図2に示した部材と同じ部材には、図1及び図2に付した符号の数に100の数を加えた数の符号を付して説明を省略する。本実施の形態のように3つの無線ICタグ読み取り用アンテナ115a〜115cを相互に重ならないように配置すると、情報担持体載置部104の上の領域を検出可能な3つの領域に分けることができる。これにより3つの無線ICタグ読み取り用アンテナ115a〜115cに対応する本2の頁上の3つの領域が検出可能になる。回路基板116上に構成された無線ICタグの読み取り回路を含む信号処理回路は、3つの無線ICタグ読み取り用アンテナ115a〜115cからそれぞれ電波を発信し、アンテナに囲まれた領域に置かれた指定用ユニットのみから受信した信号に基づいて、その領域に置かれた指定用ユニットの識別情報を判別するように構成されている。他の領域に置かれる指定用ユニットからの影響を除去するために、無線ICタグ読み取り用アンテナ115a〜115cに伝搬してくる最も強い電波をそのアンテナに囲まれた領域に置かれた指定用ユニットからの電波であると判別する性能を信号処理回路が備えている。したがって近接して複数の無線ICタグ読み取り用アンテナ115a〜115cを配置したとしても、誤った検出をすることはない。図14は、3つの無線ICタグ読み取り用アンテナ115a〜115cによって検出可能な本102の頁の3つの領域115a´〜115c´を示している。
【0051】
図15(A)乃至(C)は、指定用ユニット17を置く位置(領域115a´〜115c´)を変えた場合における音声出力の過程を示す図である。図15(A)では、頁が開かれたときに、その頁に関連する関連情報が音声出力されている状況を示している。そして図15(B)では、領域115c´の上に指定用ユニット17を置いたときに、音声出力がなされている状況を示している。そして図12(C)は、領域115a´の上に指定用ユニット17を置いたときに、音声出力がなされている状況を示している。これらの図から分かるように、指定用ユニット17により指定する頁上の領域を変えることにより、音声出力を変えることができる。
【0052】
また図16(A)及び(B)は、4種類の指定用ユニット17a〜17dを3つの領域115a´〜115c´に置く場合における音声出力の過程を示す図である。図16(A)では、頁が開かれたときに、その頁に関連する関連情報が音声出力されている状況を示している。そして図16(B)では、すべての領域115a´〜115c´の上に指定用ユニット17a〜17cをそれぞれ置いたときに、音声出力がなされている状況を示している。
【0053】
図17は、第1乃至第3の領域115a´〜115c´を用いる場合に使用されるソフトウエアのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。ステップST31〜ステップST33までは、図5のステップST1〜ステップST3と同じである。このソフトウエアでは、ステップST34において、第1乃至第3の領域115a´〜115c´のいずれかの領域に指定用ユニット(無線IDタグ)が存在しているか否かの判定を行う。そしてステップST35では、指定用ユニット(無線IDタグ)が存在している領域と指定用ユニットの種類に応じた関連情報を音声出力する。
【0054】
図18は、4つの人形a〜人形dの指定用ユニットと3つの領域115a´〜115c´を使用する場合の音声出力の態様の一例を示す図である。この音声出力の態様では、最初に本の頁を開いたときに、その頁に関する関連情報の音声出力がなされる。次に開かれた頁が1頁であれば、指定用ユニット(人形a〜人形d)のいずれが頁の上のどの領域上に置かれたかの判別が行われる。この例では、判別した人形の種類と領域の組み合わせでストーリまたはお話が変わる。また頁の上の異なる領域上にそれぞれ指定用ユニットが置かれる場合にも、置かれている指定用ユニットの種類と置かれている領域の組み合わせによってもお話が変わるようになっている。この例では、お話の音声出力がなされている間は、指定用ユニットを変更してもお話が変わることはない。そして第2頁が開かれると、指定用ユニットの有無に応じて異なったお話が音声出力される。もし最初に第1頁ではなく、第2頁またはその他の頁が開かれたときでも、不自然なお話にならないように、この音声出力の態様では、最初に開かれた頁から自然なお話が始まるように、予め別のお話が準備されている。
【0055】
図19は、ある指定用ユニットが特定の頁の上の領域(例えば領域115b´)上に置かれている状態で、一つのお話が音声出力されているときの途中で、別の指定用ユニットがその頁の上の他の領域(例えば領域115c´等)に置かれたときの音声出力の変化の態様の一例を示している。この音声出力の態様では、例えば指定用ユニットの人形aが領域115b´で判別されてお話Aが音声出力されている途中で、他の指定用ユニット(人形b〜d)が、領域115c´等で判別されたときには、新たに判別された指定用ユニット(人形b〜d)に応じたお話(F〜IやN〜Q))へとお話が変わる。またこの音声出力の態様では、最初のお話の出力が終了した後に別の指定用ユニット(人形)が、同じ領域(115b´)で判別されると、新たに判別した別の指定用ユニット(人形)の種類によってお話が変わる。したがってこの音声出力の態様では、指定用ユニット(人形)の種類の選択と、頁上の領域の選択と、指定用ユニット(人形)の配置のタイミングによって、お話の内容が変わっていくため、さらにバラエティに富んだお話を音声出力することができる。いずれにしても、領域の数、指定用ユニットの数及び指定用ユニットの配置及び退去のタイミングをどのように組み合わせて条件を決定し、その決定に従ってお話を変更するかは、任意である。
【0056】
図20は、本発明の知育用電子装置のさらに別の実施の形態の分解斜視図を示している。図1及び図2に示した実施の形態と異なるのは、関連情報記憶手段222(図2の符号22参照)が交換可能なROMを記録媒体として有するROMカセットによって構成されている点である。その他の点は、図1及び図2に示した実施の形態と同じであるため、図20には、図1及び図2に示した部材と同じ部材には、図1及び図2に付した符号の数に200の数を加えた数の符号を付して説明を省略する。図20の実施の形態で、ROMカセットは二つ割りのケース222Aの中にROMが配置された構成を有している。無線ICタグ読み取り用アンテナ215が接続された回路基板216には、ROMカセット中のROMを接続するためのコネクタ230が接続されている。そしてコネクタ230は、下側フレーム216に設けられた開口部216Aに嵌合される。なお本実施の形態では、図1の実施の形態とは、上側フレーム205の形状が異なっている。本実施の形態でも、図13に示した実施の形態と同様に、無線ICタグ読み取り用アンテナの数を複数にしてもよいのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の知育用電子装置の実施の形態の一例の斜視図である。
【図2】図1の知育用電子装置の分解斜視図である。
【図3】本実施の形態の知育用電子装置の装置本体においてデータ処理のために用いる回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の実施の形態の使用状態を説明するために用いる図である。
【図5】図1及び図2に示された実施の形態を図3に示した回路で動作させる場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図6】(A)及び(B)は、図5のソフトウエアを使用する場合の過程の一部をそれぞれ示した図である。
【図7】第1乃至第3の指示用ユニットが使用される場合に用いられるソフトウエアのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図8】4つの人形の指定用ユニットを使用する場合の音声出力の態様の一例を示す図である。
【図9】指定用ユニットが本の頁の上に置かれている状態で、一つのお話が音声出力されているときの途中で、別の指定用ユニットが頁の上に置かれたときの音声出力の態様の一例を示す図である。
【図10】複数の指定用ユニットを使用する場合に用いるソフトウエアの他の一例のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図11】(A)及び(B)は、4つの指定用ユニットが使用される場合における音声出力の過程を示す図である。
【図12】(A)乃至(C)は、4つの指定用ユニットが使用される場合における音声出力の過程を示す図である。
【図13】本発明の知育用電子装置の別の実施の形態の分解斜視図である。
【図14】3つの無線ICタグ読み取り用アンテナによって検出可能な本の頁の3つの領域を示す図である。
【図15】(A)乃至(C)は、指定用ユニットを置く位置を変えた場合における音声出力の過程を示す図である。
【図16】(A)及び(B)は、4種類の指定用ユニットを3つの領域に置く場合における音声出力の過程を示す図である。
【図17】第1乃至第3の領域を用いる場合に使用されるソフトウエアのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図18】4つの人形の指定用ユニットと3つの領域を使用する場合の音声出力の態様の一例を示す図である。
【図19】ある指定用ユニットが特定の頁の上の領域上に置かれている状態で、一つのお話が音声出力されているときの途中で、別の指定用ユニットがその頁の上の他の領域に置かれたときの音声出力の変化の態様の一例を示している。
【図20】本発明の知育用電子装置のさらに別の実施の形態の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 知育用電子装置
2 本(情報担持体)
3 装置本体
4 情報担持体載置部
5 上側フレーム
6 下側フレーム
7 操作部
8 押しボタン
10 電源スイッチ
11 回路基板
13 スピーカ
14 電池収納ボックス
15 無線ICタグ読み取り用アンテナ
16 回路基板
17 指定用ユニット
18 無線ICタグ
19 回路基板
20 判別手段
21 情報表示面特定手段
22 関連情報記憶手段
23 データ読み出し手段
24 音声出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートまたは本の形態をなした情報担持体が、絵,文字,図形等の情報が表示された情報表示面を上にして載せられる情報担持体載置部と、
前記情報担持体載置部に載置された前記情報担持体の前記情報表示面に示された前記情報に関連する関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、
前記情報担持体載置部に載置された前記情報担持体の前記情報表示面を特定する情報表示面特定手段と、
前記情報表示面の1以上の領域を指定する領域指定手段と、
前記情報表示面特定手段により特定された前記情報表示面において、前記領域指定手段により指定された前記1以上の領域に含まれる前記情報に関連した前記関連情報を前記関連情報記憶手段から読み出すデータ読み出し手段と、
前記データ読み出し手段が読み出した前記関連情報を音声で出力する音声出力手段とを備えた知育用電子装置であって、
前記領域指定手段は、検出可能な被検出素子を備えた1以上の指定用ユニットと、前記情報担持体載置部に設けられて前記被検出素子が前記情報担持体載置部上の予め定めた1以上の領域上に前記情報担持体を間に介して位置していることを検出する被検出素子検出手段とからなり、
前記1以上の指定用ユニットに備えられた前記被検出素子は、前記指定用ユニットを識別させるための識別情報を備えており、
前記被検出素子検出手段は前記被検出素子が置かれている前記情報担持体載置部上の領域を特定する機能と前記識別情報を認識する機能とを有しており、
前記関連情報記憶手段には前記1以上の指定用ユニットの前記識別情報及び前記被検出素子検出手段で特定される前記領域と関連付けて前記関連情報が記憶されており、
前記データ読み出し手段は、前記被検出素子検出手段が認識した前記1以上の指定用ユニットの前記識別情報と前記被検出素子検出手段が特定した前記領域とに基づいて、前記関連情報記憶手段から前記関連情報を読み出すように構成されていることを特徴とする知育用電子装置。
【請求項2】
絵,文字,図形等の視覚により認識される情報が表示された複数枚の情報表示シートが頁めくり可能に綴じられて構成された情報表示本からなる情報担持体と、
前記情報担持体に含まれる前記情報表示シートの前記情報が表示された情報表示面を上にして前記情報担持体が載せられる情報担持体載置部と、
前記情報担持体載置部に載置された前記情報担持体の前記複数枚の情報表示シートの前記情報表示面に示された前記情報に関連する関連情報を記憶する関連情報記憶手段と、
前記情報担持体に含まれる前記複数枚の情報表示シートのどの頁が前記情報表示面を上にして前記情報担持体載置部に載置されているかを特定する情報表示面特定手段と、
前記情報表示面の1以上の領域を指定する領域指定手段と、
前記情報表示面特定手段により特定された前記情報表示面において、前記領域指定手段により指定された前記1以上の領域に含まれる前記情報に関連した前記関連情報を前記関連情報記憶手段から読み出すデータ読み出し手段と、
前記データ読み出し手段が読み出した前記関連情報に基づいて音声で出力する音声出力手段とを備えた知育用電子装置であって、
前記領域指定手段は、電気的に検出可能な被検出素子を備えた1以上の指定用ユニットと、前記情報担持体載置部に設けられて前記被検出素子が前記情報担持体載置部上の予め定めた1以上の領域上に前記情報担持体を間に介して位置していることを電気的に検出する被検出素子検出手段とからなり、
前記1以上の指定用ユニットに備えられた前記被検出素子は、前記指定用ユニットを識別させるための識別情報を備えており、
前記被検出素子検出手段は前記被検出素子が置かれている前記情報担持体載置部上の領域を特定する機能と前記識別情報を認識する機能とを有しており、
前記関連情報記憶手段には前記1以上の指定用ユニットの前記識別情報及び前記被検出素子検出手段で特定される前記領域と関連付けて前記関連情報が記憶されており、
前記データ読み出し手段は、前記被検出素子検出手段が認識した前記1以上の指定用ユニットの前記識別情報と前記被検出素子検出手段が特定した前記領域とに基づいて、前記関連情報記憶手段から前記関連情報を読み出すように構成されていることを特徴とする知育用電子装置。
【請求項3】
前記関連情報記憶手段には、前記情報表示面全体に関連する表示面全体関連情報が記憶されており、
前記データ読み出し手段は、前記情報表示面特定手段が前記情報表示面を特定すると、前記領域指定手段からの指定に優先して、前記関連情報記憶手段から特定した前記情報表示面に関連する前記表示面全体関連情報を読み出して、前記音声出力手段に音声出力させることを特徴とする請求項1または2に記載の知育用電子装置。
【請求項4】
複数の前記指定用ユニットを備えており、
前記被検出素子検出手段は、前記複数の指定用ユニットのそれぞれの前記識別情報を認識可能に構成されており、
前記データ読み出し手段は、前記被検出素子検出手段が検出した複数の前記識別情報と前記被検出素子検出手段が特定した前記領域とに基づいて、前記関連情報記憶手段から前記関連情報を読み出すことを特徴とする請求項1,2または3に記載の知育用電子装置。
【請求項5】
前記データ読み出し手段は、前記被検出素子検出手段が認識している複数の前記識別情報の種類と前記被検出素子検出手段が特定した前記領域とに基づいて、前記関連情報記憶手段から前記関連情報を読み出すことを特徴とする請求項4に記載の知育用電子装置。
【請求項6】
前記データ読み出し手段は、前記被検出素子検出手段が複数の前記識別情報を認識した順番と前記被検出素子検出手段が特定した前記領域とに基づいて、前記関連情報記憶手段から前記関連情報を読み出すことを特徴とする請求項4に記載の知育用電子装置。
【請求項7】
前記データ読み出し手段は、前記被検出素子検出手段が1以上の前記識別情報を認識している状態から1以上の前記識別情報を認識しなくなったことと前記被検出素子検出手段が特定した前記領域とに基づいて、前記関連情報記憶手段から前記関連情報を読み出すことを特徴とする請求項4に記載の知育用電子装置。
【請求項8】
前記被検出素子が前記識別情報を記憶した無線ICタグであり、
前記被検出素子検出手段が、前記情報担持体載置部に対して設けられて前記1以上の領域を確定する1以上の無線ICタグ読み取り用アンテナと、前記1以上の無線ICタグ読み取り用アンテナからの入力信号に基づいて前記識別情報を判別する判別手段とを備えていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の知育用電子装置。
【請求項9】
前記関連情報記憶手段は、交換可能な記憶媒体によって構成されている請求項1に記載の知育用電子装置。
【請求項10】
前記記憶媒体がROMカセットである請求項8に記載の知育用電子装置。
【請求項11】
前記複数枚の情報表示シートにはそれぞれ頁を確認するための情報を備えた無線ICタグが装着されており、
前記情報表示面特定手段は、前記複数枚の情報表示シートに装着された前記無線ICタグに基づいて、前記情報表示面を特定することを特徴とする請求項2に記載の知育用電子装置。
【請求項12】
絵,文字,図形等の情報が表示された情報表示面を有する情報担持体の前記情報表示面上の領域を指定するための領域指定装置であって、
前記情報担持体が前記情報表示面を上にして載置される情報担持体載置部を有する装置本体と、
電気的に検出可能な被検出素子を備えた1以上の指定用ユニットと、
前記装置本体の前記情報担持体載置部に設けられて前記被検出素子が前記情報担持体載置部上の予め定めた1以上の領域上に前記情報担持体を間に介して位置していることを電気的に検出する被検出素子検出手段とを備え、
前記被検出素子は、前記指定用ユニットを識別させるための識別情報を備えていることを特徴とする領域指定装置。
【請求項13】
前記被検出素子が前記識別情報を記憶した無線ICタグであり、
前記被検出素子検出手段が、前記情報担持体載置部に対して設けられて前記1以上の領域を確定する1以上の無線ICタグ読み取り用アンテナと、前記1以上の無線ICタグ読み取り用アンテナからの入力信号に基づいて前記識別情報を判別する判別手段とを備えていることを特徴とする請求項12に記載の領域指定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2006−47419(P2006−47419A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224760(P2004−224760)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】