説明

知識管理装置及び知識管理装置の端末機と知識管理装置のプログラム

【課題】製品設計者の設計意図と具体的な設計構造、生産において、その設計構造に対する加工手段や検査手段と理由、サービスにおける市場での品質問題と原因など製品のライフサイクルにおける情報や知識を蓄積管理する装置を提供する。
【解決手段】業務関係者が保有する知識を統一的な言葉で記述するための技術分類管理手段と知識の場所を特定するために、3DCADモデルの座標に知識の場所を記憶する手段と知識の場所に複数の知識を記述することで、複数の知識の関係性を定義し、更に複数の知識の場所や知識をグループ化し、上位の知識を記述する上位概念の知識を記述する知識記述手段と知識を標準化するために知識の場所に技術判断を記述する手段により3DCADモデルに知識を集合させ、知識の関係性をビジュアルに体系的に理解し、かつ目的と手段と理由の関係性をもって蓄積する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造業のものづくり知識を3DCADモデルを用いて管理する知識管理装置及び知識管理装置の端末機と知識管理装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、重工業、プラント、造船、車両、電気、電子製品等を製造する製造業においては、グローバルにて、品質確保、低コスト、開発及び生産のリードタイム短縮などの競争下にある。グローバルな製品開発、生産、サービス業務において企業あるいは企業グループ内、企業間にて一層の品質確保と効率性が求められている。
【0003】
また、近年、企業にとっては、製品への要求ニーズはグローバルの地域ごとに異なり、商品の種類も増加している。更に、製品の部品や材料の調達も現地化され、製品開発、生産、サービス業務を行う仕事は複雑化、専門化している。
【0004】
このような業務を合理的に行うために企業はグローバルに拠点を持ち、現地ニーズや環境に合わせた運営を行っている。しかし、企業の組織を構成するのは人であり、企業の成長のためには人材の育成が欠かせない。その為に、拠点や組織で育った人材を異動し、より広範な育成をしつつ、グローバルで複雑なオペレーションを継続的に実施する必要がある。
【0005】
部品の調達手配、物流コントロール、製品の販売流通などの物そのものをコントロールする方法は情報システムの技術進歩と共に進展し、グローバルな位置情報をも取得し、無駄の無いマネージメントが実施されている。しかしながら、製品開発、生産、サービス業務などの業務を行う仕事の方法はあまり進んでいない。
【0006】
近年、これらを解決するために、例えば製品設計にはCAD,PLM(Product Lifecycle Management)などの活用が進んでいる。しかし、CADが設計の思考を支援するまでには至らず、形状作成に重点をおいたモデル化のツールとして利用されていることが多い。CADのアノテーション(注記など)は寸法などの図面の補足記述の機能としてのものである。CADからは製品設計意図と目的と手段との関係を読み取る事ができていない。また、セットメーカと部品サプライヤとの設計意図の伝達も紙による図面や仕様書が多くグローバル設計、生産には非効率である。これは設備設計業務においても同様である。
【0007】
PLMについても、部品の品番単位の属性保有であり、部品の形状の一部に関する品質精度や部品の形状の一部に関する製造コストなどのものづくりの加工箇所単位のデータを取り扱うことができていない。
【0008】
ナレッジシステムと呼ばれるソフトウエアも市場にはあるものの、このソフトウエアでの管理単位はドキュメント単位(書類単位)のものであり、そのドキュメントの表題名や作成年月日、作成部署名、作成者名とタグと呼ばれるキーワードを複数入力させることにより、必要なドキュメントを検索し、ユーザに表示させるものである。しかし、ドキュメント単位であるために、知識の関係性など必要な知識を迅速に知る事が出来ない問題がある。また、知識単位に分類することもできず、体系的な理解は困難である。目的と手段、手段を選択した理由などを知るには、多くのドキュメントを読まないといけない。また、そこに十分な記述があるのかわからない問題がある。前記のPLMについても、同様な機能であり、十分ではない。
【0009】
新製品開発やモデルチェンジ製品の3DCADモデルによるデザインレビューのチェックリストは過去のトラブル集や設計、生産の要件書などのドキュメントからハンドで転記するなどによって作成し、手間がかかり、正確さも十分でなく、チェックリストのメンテナンスが継続的に行われない。その為に、製品開発段階でのデザインレビューの問題指摘など人により技術判断がまちまちであり製品設計の手戻りも多い。
【0010】
製品の技術的な比較は過去の図面や報告書などのドキュメントを調査することにより、必要な都度行われるが、担当者は人事異動などで変更となることがあるために、技術的な比較項目が統一的でなく、かつ断片的であるために、技術比較と判断に差がでやすい。また、進歩している技術を全て知り得ているわけではない。
【0011】
知識の蓄積システムとしては、実際の加工場面を動画で撮影するシステムもあるが、視覚的な理解はできても、なぜその方法を採用したかなどの理由は音声やテキストにて補足をおこなう必要があり手間のかかる方法で編集も容易でない問題がある。また、この方法は製品の設計者の設計意図などの設計における知識を対象としていないために、蓄積できる知識は限定されている。
【0012】
知識は製品開発段階に多くの設計者や生産側の経験者の過去の知識を活用、あるいは新たに知見を得つつ組織的に知識を集合させ知識量を増やし、その知識にて設計図が作成されている。この自然な組織活動の中で、知識を蓄積管理できる方法が必要であり、設計完了後に記憶を遡って知識を整理するなどの方法では記憶依存での漏れや、製品開発チームが解散するなどで、タイミングを逸した方法であるため定着化しないという問題がある。
【0013】
以上のように、人材の異動や企業間での人材の流動化などにより、人と共に移動することへの対策として、知識の蓄積は十分実現されているとは言えない。そのために人による判断ミスなど品質問題がグローバルに発生していることも事実である。また、他社の類似製品との価格差により市場での競争に苦しんでいる事例もある。
企業はそれぞれの専門部署がその範囲内だけを担当する。しかし、製品の開発や生産やサービスを行うには適正な品質、機能と生産コストなどのバランスを意識した業務遂行が必要とされている。このような問題を解決するには企業にとって、全社員が常識的に保有すべき知識を蓄積管理することが重要と言える。
【0014】
なお、設計、生産業務などにおける知識を管理するシステムとしては、例えば特許文献1,2,3等に記載されたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2004−178170号公報
【特許文献2】特開平7−93013
【特許文献3】特許公開2000−259664
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1には設計製造データ管理システムに関し、設計データを所定の形式で記述された入力データに変換する方式が開示されている。特にこの入力データを階層構造にて表し得るタグ付き言語で記述された統合データに変換し格納管理するものであるが、この特許文献1では知識の格納形式が考慮されていない。
【0017】
特許文献2には、人手がいらず,自動化が可能なCAD/CAM装置に関して、製品図における注記・記号データが条件を表していることを属性データとして定義して、この注記・記号データと,製品図中の図形要素の図形データとを属性により関連付ける。続いて関連付けられた図形データと注記・記号データとから加工条件または加工形状を自動的に定義することが開示されている。この文献では、CADとCAMのデータ受け渡しに関する注記の方法であり、設計や生産あるいはサービスの知識を蓄積することを対象としていない。
【0018】
特許文献3には、あらかじめ任意に定めた属性である用途属性の組を有する製品の集合を製品群とし、該製品群中の製品を、前記用途属性の値の組で表すことを特徴とする製造技術情報管理データベース構成方法が示されているが、設計の意図と設計構造との関係や設計構造と加工法選択の理由などの知識を蓄積するものではない。
【0019】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、企業内や企業間にて、製品設計から生産、サービス等の業務関係者が保有する知識を3DCADモデルと特徴点と呼ぶ知識記述手段を用いることで、ビジュアルに体系的かつ目的と手段と理由とを蓄積し伝達・活用することで、設計、生産、サービスなどの製品のライフサイクル業務全体を効率化する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の態様は、製品の企画目的や設計者の設計意図と具体的な設計構造と、設計構造についての生産における加工法や検査法、サービスにおける市場での品質問題など製品のライフサイクルにおける知識 (以下、単に知識と言う)を、
製品設計CADや設備設計CADなどで作成された3Dのデータである3DCADモデルを用いて知識を管理する知識の管理装置であって、3DCADモデルの特定の座標を知識の関係点(以下、1次特徴点と言う)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の知識を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する知識入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点に固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の知識毎にも固有の管理番号を付与し、知識と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する知識を検索表示する検索手段と、
を具備することを特徴とする知識管理装置が提供される。
【0021】
本発明の第2の態様は、製品の企画目的や設計者の設計意図と具体的な設計構造と、設計構造についての生産における加工法や検査法、サービスにおける市場での品質問題など製品のライフサイクルにおける知識 (以下、単に知識と言う)を、
製品設計CADや設備設計CADなどで作成された3Dのデータである3DCADモデルを用いて知識を管理する知識の管理装置であって、3DCADモデルの特定の座標を技術判断の関係点(以下、1次特徴点と言う)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の技術判断を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する技術判断入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点へ固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の技術判断毎にも固有の管理番号を付与し、技術判断と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
を具備することを特徴とする知識管理装置が提供される。
上記で、技術判断区分とは例えば、特徴点についての知識の標準区分やその特徴点を加工する場合の問題点や心配点あるいは加工できると判断した承認点や管理点などである。
【0022】
本発明の第3の態様は第1の態様の知識管理装置であって、更に、第2の態様の技術判断の登録を知識の特徴点と同じあるいは別な座標に特徴点を入力する前記と同じ特徴点入力手段と、各次数の特徴点に技術判断を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する技術判断入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点へ固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の知識と技術判断毎にも固有の管理番号を付与し、技術判断と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点の技術判断から関係する技術判断や知識を、あるいは特徴点から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
を更に具備することを特徴とする知識管理装置が提供される。
上記で、技術判断区分とは例えば、特徴点についての知識の標準区分やその特徴点を加工する場合の問題点や心配点あるいは加工できると判断した承認点や管理点などである。
【0023】
本発明の第4の態様は第1の態様の知識管理装置であって、知識管理装置内に記憶した知識に対する類似知識検索手段と、検索結果を新製品開発やモデルチェンジ製品の3DCADモデルによるデザインレビューのチェックリストとして生成するチェックリスト生成手段と、チェックリストへの技術判断を入力する技術判断入力手段と、
を更に具備することを特徴とする知識管理装置が提供される。
上記で、技術判断区分とは例えば、特徴点についての知識の標準区分やその特徴点を加工する場合の問題点や心配点あるいは加工できると判断した承認点。や管理点などである。
【0024】
本発明の第5の態様は第4の態様の知識管理装置であって、 類似知識検索手段により得られた検索結果を判断し、流用する知識を指定することで、新製品開発やモデルチェンジ製品の開発中の3DCADモデルの知識として知識をコピーする知識流用手段と
を更に具備することを特徴とする知識管理装置が提供される。
【0025】
本発明の第6の態様は第1,2,3,4,5のいずれかの知識管理装置であって、ユーザの端末機による操作により、企業内や企業間の関係者へ特徴点の知識や技術判断の情報を自動で通知すると共に、知識の統一的な意味を表現するための分類や言葉や特徴点区分や知識区分毎に情報開示可否フラグを有することによる技術情報の開示を認証するアクセス制御手段と、
を更に具備することを特徴とする知識管理装置が提供される。
【0026】
本発明の第7の態様は第1,2,3,4,5のいずれかと或いは、第6の態様の知識管理装置であって、製品や設備などの設計変更による3DCADモデルの形状変更を特徴点により判別する形状変更判別手段と、知識と技術判断と3DCADモデルを差し替えて表示し、変更後の3DCADモデルへ特徴点編集手段により変更の必要の無い知識を変更後の3DCADモデルとして継承し記憶する知識継承手段と、
を更に具備することを特徴とする知識管理装置が提供される。
【0027】
3DCADモデルを用いて管理する知識管理装置の端末機であって、
製品設計CADや設備設計CADなどで作成された3Dのデータである3DCADモデルを用いて知識を管理する知識の管理装置であって、3DCADモデルの特定の座標を知識の関係点(以下、技術判断の関係点と併せて1次特徴点と言う)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の知識を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する知識入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点に固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の知識毎にも固有の管理番号を付与し、知識と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する知識を検索表示する検索手段と、
3DCADモデルの特定の座標を技術判断の関係点(1次特徴点)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の技術判断を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する技術判断入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点へ固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の技術判断毎にも固有の管理番号を付与し、技術判断と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
特徴点の技術判断から関係する技術判断や知識を、あるいは特徴点の知識から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
知識管理装置内に記憶した知識に対する類似知識検索手段と、検索結果を新製品開発やモデルチェンジ製品の3DCADモデルによるデザインレビューのチェックリストとして生成するチェックリスト生成手段と、チェックリストへの技術判断を入力する技術判断入力手段と、
類似知識検索手段により得られた検索結果を判断し、流用する知識を指定することで、新製品開発やモデルチェンジ製品の開発中の3DCADモデルの知識として知識をコピーする知識流用手段と
ユーザの端末機による操作により、企業内や企業間の関係者へ特徴点の知識や技術判断の情報を自動で通知すると共に、知識の統一的な意味を表現するための分類や言葉や特徴点区分や知識区分毎に情報開示可否フラグを有することによる技術情報の開示を認証するアクセス制御手段と、
3DCADモデルの形状変更を特徴点により判別する形状変更判別手段と、知識と技術判断と3DCADモデルを差し替えて表示し、変更後の3DCADモデルへ特徴点編集手段により変更の必要の無い知識を変更後の3DCADモデルとして継承し記憶する知識継承手段と、
を視覚的に表示することを特徴とする知識管理装置の端末機が提供される。
【0028】
3DCADモデルを用いて管理する知識の管理装置のプログラムであって、
製品設計CADや設備設計CADなどで作成された3Dのデータである3DCADモデルを用いて知識を管理する知識の管理装置であって、3DCADモデルの特定の座標を知識の関係点(以下、技術判断の関係点と併せて1次特徴点と言う)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の知識を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する知識入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点に固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の知識毎にも固有の管理番号を付与し、知識と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する知識を検索表示する検索手段と、
3DCADモデルの特定の座標を技術判断の関係点(1次特徴点)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の技術判断を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する技術判断入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点へ固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の技術判断毎にも固有の管理番号を付与し、技術判断と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
特徴点の技術判断から関係する技術判断や知識を、あるいは特徴点の知識から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
知識管理装置内に記憶した知識に対する類似知識検索手段と、検索結果を新製品開発やモデルチェンジ製品の3DCADモデルによるデザインレビューのチェックリストとして生成するチェックリスト生成手段と、チェックリストへの技術判断を入力する技術判断入力手段と、
類似知識検索手段により得られた検索結果を判断し、流用する知識を指定することで、新製品開発やモデルチェンジ製品の開発中の3DCADモデルの知識として知識をコピーする知識流用手段と
ユーザの端末機による操作により、企業内や企業間の関係者へ特徴点の知識や技術判断の情報を自動で通知すると共に、知識の統一的な意味を表現するための分類や言葉や特徴点区分や知識区分毎に情報開示可否フラグを有することによる技術情報の開示を認証するアクセス制御手段と、
製品や設備設計変更による3DCADモデルの形状変更を特徴点により判別する形状変更判別手段と、知識と技術判断と3DCADモデルを差し替えて表示し、変更後の3DCADモデルへ特徴点編集手段により変更の必要の無い知識を変更後の3DCADモデルとして継承し記憶する知識継承手段と、
を制御することを特徴とする知識管理装置のプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、製品の知識を製品開発から生産、サービスの業務において、設計意図、品質規格、加工法などの多種な技術言語を統一的に用い、特徴点と呼ぶ知識管理単位と3DCADモデルによるビジュアルな知識対象の共有で、多種な知識に関係性持たせることができ、知識を体系的に蓄積することができる。これまでの書類や部品単位の蓄積ではなく、詳細な特徴点単位の知識管理により、特徴点単位の知識検索、流用化が可能となり、製品開発の設計構造の類似性を検索し判断することにより製品の品質向上、コスト低減、設計の生産性向上を図ることができる。企業内だけではなく、企業間における技術情報の伝達方法として技術のチェーンを実現することができる。これにより製品開発から生産、サービスに至る業務の質とスピードを高め、グローバルな知識共有により、開発や生産などの競争力が向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施の形態に係る知識管理装置と外部システムの関係図である。
【図2】実施の形態に係る知識管理装置のハードウエアの構成図である。
【図3】実施の形態に係る知識管理装置のハードウエアの機能構成図である。
【図4】実施の形態に係る知識管理装置の知識保管部の構成図である。
【図5】実施の形態に係る企業内での知識管理装置のネットワーク例を示す図である。
【図6】実施の形態に係る知識管理装置のクラウドコンピューティング例を示す図である。
【図7】実施の形態に係る知識管理装置の機能関係図である。
【図8】実施の形態に係る知識管理装置の前処理機能関係図である。
【図9】実施の形態に係る知識管理装置の技術分類管理の機能分類例を示す図である。
【図10】実施の形態に係る知識管理装置の技術分類の入力画面例である。
【図11】実施の形態に係る知識管理装置の技術分類管理の加工分類例を示す図である。
【図12】実施の形態に係る知識管理装置の技術分類管理の分類体系例を示す表である。
【図13】実施の形態に係る知識管理装置のデータモデル例を示す図である。
【図14】実施の形態に係る知識管理装置の特徴点記述例を示す図である。
【図15】実施の形態に係る知識管理装置の設計知識入力画面例を示す図である。
【図16】実施の形態に係る知識管理装置の加工知識入力画面例を示す図である。
【図17】実施の形態に係る知識管理装置の作業手順データの構造を示す図である。
【図18】実施の形態に係る知識管理装置の不具合表示画面例を示す図である。
【図19】実施の形態に係る知識管理装置の加工知識の記述例を示す図である。
【図20】実施の形態に係る知識管理装置の設計構造と加工知識の関係の上位特徴点の記述例を示す図である。
【図21】実施の形態に係る知識管理装置の上位特徴点の概念図である。
【図22】実施の形態に係る知識管理装置の上位特徴点の知識入力画面例を示す図である。
【図23】実施の形態に係る知識管理装置の部品の結合知識の記述例を示す図である。
【図24】実施の形態に係る知識管理装置の部品の精度確保知識の記述例を示す図である。
【図25】実施の形態に係る知識管理装置の製造コスト検索画面例を示す図である。
【図26】実施の形態に係る知識管理装置のライン別の製造コスト検索画面例を示す図である。
【図27】実施の形態に係る知識管理装置の製造コスト計算のテーブル構造例を示す図である。
【図28】実施の形態に係る知識管理装置の技術判断入力画面例を示す図である。
【図29】実施の形態に係る知識管理装置の全体フローチャートを示す図である。
【図30】実施の形態に係る知識管理装置の端末機のメイン画面例を示す図である。
【図31】実施の形態に係る知識管理装置の部品類似検索のフローチャートを示す図である。
【図32】実施の形態に係る知識管理装置のチェックリストを表示する画面例を示す図である。
【図33】実施の形態に係る知識管理装置の技術判断特徴点管理番号を示す図である。
【図34】実施の形態に係る知識管理装置のN次の特徴点管理番号を示す図である。
【図35】実施の形態に係る知識管理装置の特徴点の知識と技術判断との関係構造を示す図である。
【図36】実施の形態に係る知識管理装置の知識流用のフローチャートを示す図である。
【図37】実施の形態に係る知識管理装置のCADモデル形状差を判別するフローチャートを示す図である。
【図38】実施の形態に係る知識管理装置の部品における製品間比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0032】
本実施の形態は企業内にて3DCADモデルにより知識を管理する装置の実施例である。企業は場所の異なる地域に複数の拠点に分散して配置されている。
【0033】
図1は、本実施の形態に係る知識管理装置1000と外部システムであるCADシステム21,22,23,24との関係を示す関係図である。
知識管理装置1000は社内LANであるネットワーク500を介して、知識管理装置1000の端末機100と端末機200と接続されている。
【0034】
図2に示すように知識管理装置1000は外部にあるCADあるいはPLMシステムよりデータを取り込み保管する3DCADモデル取込管理サーバ1と、知識記憶サーバ5とユーザからのアクセス認証を制御するアクセス制御サーバ6と知識管理装置全体をコントロールする管理サーバ2とで構成されている。ここで、知識記憶サーバ5は3DCADモデル記憶サーバ3と知識記憶データベースサーバ4にて構成されている。
【0035】
知識管理装置1000は、コンピュータプログラムを読み取って対応するデータ処理を実行できるように、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Randam Access Memory)、I/F(Interface)ユニット、等の汎用デバイスで構成されたハードウエア、所定のデータ処理を実行するように構築された専用の論理回路、これらの組み合わせ、等として実施することができる。
【0036】
ネットワーク500は、光ファイバーなどのケーブルや赤外線、電波など何らかの手段でつなぎ、データのやり取りができるようにする。実施例では社内LAN(Local area network)であるが、例えば無線LAN、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、複数のLANやWANをつないだ地球規模のインターネット等でも良い。
【0037】
図3に示すように前記端末機100と端末機200及びサーバにはそれぞれCPU(中央処理装置)を有する制御部、RAM(ランダムアクセスメモリー)及びROM(リードオンメモリー)を有する記憶部、入力部、出力部及び表示部と送受信部が設けられている。前記制御部は入出力装置、サーバ全体の処理動作を制御する。記憶部は、プログラムデータを格納すると共に、処理動作にともなって得られたデータなどを記憶する。入力部はキーボードからなり、出力部は各種情報をプリント出力する場合に使用される。表示部はディスプレイからなり、各種情報の表示に使用される。送受信部は各ハードウエアと通信を行うネットワークインターフェースなどの機能である。
【0038】
アクセス制御サーバは、予め設定された認証パスワードと、端末機100や200から入力された認証パスワードを照合して、入出力装置、及びユーザの認識を行い、認識結果が適正な場合に、事前にアクセス許可の設定されたデータへのアクセスだけを許可することにより、端末機100や端末機200と管理サーバ2との間での通信を許可する。
【0039】
図4は、知識管理装置1000の知識の保管部の構成だけを図にしたものである。知識管理装置1000の知識の保管部は、3DCADモデル取込管理サーバ1と知識記憶サーバ5とからなり、
3DCADモデル取込格納部50は外部から取り込んだ3DCADモデルを一時蓄積するものである。知識記憶サーバ5は、知識と関係づけられた3DCADモデル格納部51と、端末機100にて登録された企業内の複数の言葉と技術分類のマスターを保管する言葉格納部52と、端末機200にて登録された知識格納部53と端末機200にて登録された標準知識を保管する知識標準格納部55と、同じく端末機200により登録された技術判断データを保管する技術判断格納部54とから構成している。
【0040】
図5に示すように、知識管理装置1000は企業内のLANを介して社内で運用する社内システム800として実施している。ネットワークを介した構成は他にも可能であり、例えばインターネットなどのネットワーク500を介して企業間で運用する社外連携システム801として運用することもあれば、図6のようにクラウドコンピューティング(Cloud Computing)による知識格納部と知識管理装置のすべて企業外に保有し、インターネットを介して各企業が端末機100と端末機200でもって利用することでも良い。尚、以降の実施例の説明では、端末機100と端末機200は便宜的に機能を分けて説明するが、同じ端末機にて両者の機能を実施することでもよい。
【0041】
3DCADのシステムのデータフォーマットは例えば自動車で使われているものとしては、開発メーカにより、DXF 、Dassault CATIA V4 、Dassault CATIA V5、JT、Lattice XVL、Parasolid 、Pro/ENGINEER 、I-DEAS、Siemens NX、 Solid Edge、SolidWorks など様々なフォーマットで3DCADモデルが作成される。各CADシステムのデータを相互活用するためのSTEP 、IGESはデータ交換のための中間フォーマットであり、JT、Lattice XVLはデータやファイルを表示・閲覧するためのフォーマットとされている。本実施の形態は、JT、Lattice XVLなどのデータやファイルを表示・閲覧するためのフォーマット(以下、Viewerデータと呼ぶ)にて3DCADモデル格納部51に保管する実施例である。また、各3DCADシステムの機能の1つとして、本発明を実施することでも良い。
【0042】
図7は知識管理装置1000の機能と装置の構成を表現した図である。知識管理装置1000の機能は図7の左側に示すように、3DCADモデル取込管理手段71と技術分類管理手段72と知識記述手段73と技術判断手段74に関する機能とからなり、この機能を端末機100と端末機200とで操作することで、通信手段を介し、管理サーバ2から各種サーバでの処理を行う。順次、各機能を説明する。
【0043】
まず、図8は外部CAD、PLMシステムからのデータ取り込みの処理について示すもので、知識蓄積に必要な知識管理装置1000の前処理となるものである。端末機100は知識を統一的に表現するために技術分類や言葉をマスターとして登録をする技術分類管理72と、外部CADやPLMシステム21,22,23,24から外部出力された3DCADモデルを保管する3DCADモデル取込サーバ1から3DCADモデルを取得し、Viewerデータへのフォーマット変換と設計変更の有無を検出する処理を行う3DCADモデル取込管理71を行うものである。
【0044】
まず、3DCADモデル取込管理手段71は端末機100から指定の製品名に対して、3DCADモデル取込管理の処理命令が送信されると、その命令はネットワーク500を介し、その処理命令を管理サーバ2が受信し、その命令を3DCADモデル取込管理サーバ1へ送信する。このサーバにて、指定の製品名のすべての3DCADモデルをViewerデータへフォーマット変換処理を行うプログラムにより変換され、指定の製品名のすべての変換された3DCADモデルを知識記憶サーバ5へ送信する。知識記憶サーバ5では、この変換された3DCADモデルを知識記憶サーバ5のプログラムを動作させることにより、製品名と共に、3DCADモデル格納部51へ記憶させる。
【0045】
また、技術分類管理手段72は企業内の技術用語を統一的に知識管理装置1000で扱う為のものである。その記憶テーブルの構造は、例えば、図9に示すように、製品に対して機能分類名称とその細部分類名称を大分類、中分類、小分類に分けて体系化し、その小分類に対し複数の機能の性能を説明する言葉である機能名称をマスターとして登録し、その機能名称の言葉に言葉コードが知識記憶サーバ5でのプログラムの処理により付与され言葉格納部52に保管される。
【0046】
この言葉格納部52にあるテーブルへの入力方法は、図10に例を示す。知識管理装置1000のプログラムがインストールされた端末機100の操作により、図10の画面が端末機100に表示される。端末機100は、例えば、分類名称が入力されるとその情報は管理サーバ2に送信する。管理サーバ2はその情報が知識記憶サーバ5への情報であることを認識し、知識記憶サーバ5へ、送信する。知識記憶サーバ5はそのデータを受信すると、言葉格納部52の分類テーブルを判別し、そのテーブル内のデータと比較し、同じデータがなければ対象のデータフィールドに追加保存する。例えば、機能という分類名称がテーブル名として登録され、機能を表現する言葉として、自動車を製品とする例では、制動、加速が記憶される。この時、制動、加速それぞれの言葉には固有な言葉コードを付与し保存する。すでに同じデータが有れば、重複であるとのメッセージを管理サーバ2へ送信し、管理サーバ2経由で端末機100がそのメッセージを受信し、端末機100への入力に従って、処理のキャンセル情報を送信し、管理サーバ2の動作と知識記憶サーバ5の処理を終了する。
【0047】
このように知識記憶サーバ5の言葉格納部52に記憶する各分類に属する言葉のデータの登録は、端末機100から登録される。この登録により言葉格納部52では、分類名にこの言葉のデータが登録される。例えば、前記で、機能という分類名称がテーブル名として登録し、機能を表現する言葉として、制動、加速が記憶されている時、機能名称である、制動に属する部品名称をここでは登録する。例えばブレーキペダルなどの言葉の登録を行う。
端末機100からの指示により入力データの送信を受け、同様に言葉格納部52では、制動の部品名称の格納テーブルにブレーキペダルという言葉を追加保存する。入力された部品名称であるブレーキペダルという言葉には固有な言葉コードが知識サーバ5のプログラム処理により付与されて保存する。重複処理については前記と同様であり、以降はその動作については割愛する。
【0048】
この言葉コードは海外の外国語への知識データの変換に際して、同じ言葉コードを表す外国語の言葉との対応に用いられる。つまり、言葉コードに対して、複数の外国語の同じ意味を表す言葉を保有するテーブルを持っている。これにより、知識管理装置1000に記憶された知識データはグローバルに共通な意味の言葉を用いて蓄積することができる。
【0049】
図11には同様に、加工技術を大分類、中分類、小分類に分け体系化し、その小分類に対し複数の加工名称を登録し、言葉コードを付与し保管するデータの構造を示している。
【0050】
このように、知識の表現に用いる言語の分類体系を、例えば、図12に示す。言葉の分類体系としては、設計や生産などの業務機能毎に各業務機能が使う言葉を技術言葉と管理言葉に分類している。製品の機能や品質実現、設計意図を表現する設計的な言葉や生産において使用される生産管理の言葉や品質管理の言葉、あるいは販売後のサービス業務において使用される製品の故障表現、修理表現などの言葉を端末機100により、入力し、技術分類管理のプログラムにより、知識記憶サーバ5の言葉格納部52に登録保存される。例えば、設計者が知識管理装置1000で用いる技術言葉のテーブルの例として、機能表現のテーブルを登録する場合には、設計01と技術言葉Aに該当する機能表現004のテーブルとして登録される。このテーブル内に機能表現の言葉を登録するデータ構造としている。したがって、この場合のテーブルのIDは前記記号を順に組み合わせして01A004が設計の使用する技術言葉である機能表現を格納するテーブルIDと決定される。
【0051】
知識管理装置1000の端末機100と端末機200での表示画面は、ユーザが指定する業務機能として、設計が選択されると、その設計の言葉を用いた選択肢が表示される、また、業務機能として生産を選択すると生産の言葉が表示されることが行われる。つまり、知識管理装置1000のプログラムは、その画面表示内に引き当てる言葉は言葉格納部52のテーブルから検索し、その言葉が表示されるものでプログラムに埋め込まれてはいない。端末機100,200によるユーザの選択操作時に表示される言葉も言葉格納部52のテーブルのから検索される言葉である。選択候補の対象に無い言葉を使う場合には、一旦仮の言葉格納部52への登録処理がおこなわれ、人の判断により、言葉格納部52への正式登録処理を行う。その為に、登録される言語には正式と仮の登録区分フラグを保有する。
【0052】
大きい、軽いなどの形容詞や○、△などの評価記号なども言葉として登録する。
【0053】
知識記憶サーバ5は後に説明する知識入力フォームを登録する機能を持つ。端末機100にて、ユーザの操作により、知識入力フォームは技術分類管理手段72により言葉格納部52に記憶された分類と言葉の選択により入力フォームの入力欄のタイトルとその入力部の選択候補を表示させ作成するものであり、作成された知識入力フォームは端末機100からの操作により、管理サーバ2に送信される。管理サーバ2では知識入力フォームの名称と共に、言葉格納部52に記憶する。例えば、後述する図15の知識入力フォーム557がその例である。端末機200にて、この知識入力フォーム557へ入力されたデータは知識記憶サーバ2の知識格納部53に記憶され、また、端末機200からの呼び出し命令により、知識入力フォーム557は端末機200に表示される。
【0054】
また、知識管理装置1000では、言葉格納部52に登録された言葉を組み合わせ、部品の名称を表現する。3DCADモデル取込格納部50に記憶された3DCADモデルには、設計のCADやPLMで1つの3CADモデルを特定するために付与された品番、品名、部品表の構成コードなどの管理情報が付与されている。特に開発段階では、品番、品名、部品表の構成コードは変更が多く、一般的な知識を蓄積するのには適切ではない。これに替えて、知識管理装置1000で用いる統一的な部品の名称(以降、統一部品名と呼ぶ)を登録する。
【0055】
統一部品名の作り方は、例えば、製品内の最小単位の部品の位置を区分する前部、後部などの位置区分名称とその細部位置を表す前部の右、左などの細部位置区分名称と、製品における機能を表す機能分類名称とその細部分類名称を用い、かつ、部品のバリエーションを表現する仕様表現の言葉や顧客名や仕向け先名称などの組合せで1つの部品品番に代わり、1つの部品を特定することのできる統一部品名を定義する。この定義は端末機100により、言葉格納部52の言葉を組合せて作成する。例えば、国内向け右ハンドル車Gグレードのステアリングハンドルなどの表現により1つの部品名称を作成し登録する。この方法により、ステアリングハンドルという言葉に関する知識と、国内向けのステアリングハンドルという狭い範囲の言葉に関する知識と、更に、国内向け右ハンドル車Gグレードのステアリングハンドルに関する階層的な知識の蓄積を行うことができる。品番や品名だけではこの階層的な知識蓄積は難しい。
【0056】
図8の技術分類管理72はこのように、技術分類と言葉を定義するだけではなく、知識記憶サーバ5の3DCADモデル格納部51に初めて登録されたViewerデータである3DCADモデルの1つひとつに、統一部品名を付与する処理を端末機100のユーザ操作に応じて行う。
【0057】
この操作は、端末機100に表示された図30のメニュー画面より、ユーザによる3DCADモデル取込管理手段のボタン押し下げ操作による操作指示により、当初3DCADモデルに付与されている品番、品名、部品表の構成コードなどの管理情報が画面に表示され、端末機100でのユーザによる表示された管理情報による1つの3DCADモデルの選択操作により、その検索指示情報が端末機100からネットワーク500を介し、管理サーバ2に送信される。管理サーバ2は受信した検索指示情報を知識記憶サーバ5へ送信する。知識記憶サーバ5では、プログラムにより、受信した検索条件を検索する処理が行われ、該当する3DCADモデルが特定される。その3DCADモデルは管理サーバ2を経由し、端末機100に表示される。表示された3DCADモデルを当初3CADモデルに付与されている品番、品名、部品表の構成コードなどの管理情報と共に、人が確認するなどし、事前に言葉格納部52に登録保存された言葉を選択組合せして、統一部品名を決定する。この操作により、3DCADモデルに新しく知識管理装置1000における統一部品名が付与され、その統一部品名が3DCADモデルと共に、知識記憶サーバ5に保存される。尚、当初3CADモデルに付与されている品番、品名、部品表の構成コードなどの管理情報も、次回、設計変更データの取り込みの際に使用するために、統一部品名と共に知識記憶サーバ5に記憶する。
【0058】
図13は知識管理装置1000の知識記憶サーバ5におけるデータの構造の一例である。ここで3D形状情報とは形状についての情報を表し、統一部品名コードを持ち、外部管理情報とは外部CADなどで、登録された品番、品名、部品表の構成コードなどの管理情報を保有する部分である。知識モデルには知識管理情報としては、3DCADモデルのデータを特定するために、統一部品名(コード)を保有する。知識管理装置1000では、外部にて付与された管理情報に替わり、統一部品名コードにて、3DCADモデルを特定する。また、後述する特徴点情報は3D形状情報として3D形状と共に記憶される。ここで、3D形状情報と特徴点情報が別々に区分けされている。これは3D形状の変更に対応するため、特徴点情報と分離している。
【0059】
図14は知識管理装置1000での知識を3D形状と関係づけする方法の例を示している。端末機200にて表示する知識登録画面の基本的ユーザインターフェースであり、この画面にて、ユーザが端末機200の3D形状の特徴点552に知識の位置を決定する操作を、矢印553として作図をする。この場合では、ユーザは3D形状の中で、穴を示す部分に知識を登録する操作を表している。この作図は3次元での作図となる。その矢印を作図すると矢印の頭556にはユーザのマウスなどのポインティングデバイスによる操作を容易にするために、○印が端末機200のプログラムにより作成され表示される。この時、端末機200からの保存ボタンの押下げによる操作にて、特徴点552の座標(x、y、z) と特徴点を作図した線種、形状、線の終点座標などの保存情報が管理サーバ2に送信される。この特徴点を作図する方法は矢印以外でもユーザに視覚的に理解できる方法であれば良い。
【0060】
管理サーバ2にて、この保存情報を受信すると管理サーバ2はその保存情報を知識記憶サーバ5に送信する。知識記憶サーバ5は受信した保存情報から、統一部品名コードを認識し、その統一部品名コードに付与する新しい特徴点を管理する管理番号(以降特徴点管理番号と呼ぶ)を決定する処理を動作し、決定された特徴点管理番号を管理サーバ2に送信し、管理サーバ2は端末機200にこの特徴点管理番号を送信する。
【0061】
端末機200は受信した特徴点管理番号を端末機200のプログラムにより端末機200に表示されている3DCADモデルの矢印553の頭556の表示部565に表示する。ユーザへの登録確認を促す確認メッセージを表示し、ユーザによる端末機200での確認OKボタンの押下げにより、特徴点552は統一部品名コードと共に知識記憶サーバ5の知識記憶データベースサーバ4に記憶される。
【0062】
知識記憶サーバ5では、矢印552と頭556の座標と線種などの情報が3D形状に特徴点管理番号と共に付加し、統一部品名コードをファイル名として3DCADモデル記憶サーバ3の3DCADモデル格納部51に記憶する。また、知識格納部53には、統一部品名コードをキーにして特徴点管理番号を記憶する
【0063】
このように、3DCADモデルは特徴点管理番号を保有し、矢印552と頭556の座標と線種などの情報が記憶され、知識管理情報には3DCADモデルを特定する統一部品名コードに特徴点管理番号を保有する。知識管理サーバ5は記憶した特徴点管理番号とその管理番号に知識を記憶することができる
【0064】
ユーザは端末機200の操作にて統一部品名を指定すれば、その指定情報が管理サーバ2に送信され、端末機200は知識記憶サーバ5から取得した、3DCADモデルとそのモデルに保有する矢印552と頭556と特徴点管理番号を表示し、更に、端末機200の特徴点管理番号の指定により、知識管理情報の情報を知識記憶サーバ5から取得する動作を行う。
【0065】
続いて、端末機200の操作にて、別な3DCADモデルの3D形状のみを取得する情報が管理サーバに送信されると、管理サーバ2は知識記憶サーバ5の3DCADモデル格納部51から該当する3D形状を受信し、端末機200に送信する。端末機200では、受信した3D形状を表示中の3D形状との表示を差し替えるガイダンスを画面に表示する。ユーザの差し替え要求操作により、表示されていた3D形状は受信した、別な3D形状に差し替えられて表示する。
【0066】
この時、先に表示されていた3D形状に保有していた特徴点管理番号と矢印552と頭556は元の座標に表示されている。図13の知識の蓄積構造により、記憶された知識と3DCADモデルは端末機200のユーザのリクエストによって、3D形状の選択差し替え表示が可能となる。
知識と3D形状の同時表示画面において、知識と3D形状の任意の組み合わせ表示が可能となり、知識の参照や流用処理が可能となる。
【0067】
新製品開発やモデルチェンジ製品の開発中の3D形状に、参考となる製品の3D形状に記述された特徴点と知識を、新製品開発やモデルチェンジ製品の知識としてコピーし、コピーした知識には参照した製品の3D形状に付与された特徴点と知識の固有の管理番号と流用したことを記憶する流用区分が付加され、開発中の3D形状についての知識として記憶する。
【0068】
統一部品名コードに対して、特徴点管理番号が、特徴点管理番号には、特徴点区分、加工区分、知識管理番号などが知識記憶サーバ5の知識記憶データベースサーバ4のテーブルに記憶される。
【0069】
更に、複数の特徴点をグループ化して、新たな上位の特徴点は、統一部品名コードに対しての特徴点管理番号とは別に、特徴点管理番号に上位の特徴点管理番号と下位の特徴点管理番号を記憶する。
【0070】
例えば、ある機能を設計する際に必要な要件や条件は上位の特徴点管理番号に登録される知識となる。更に、その要件や条件を満たす構造として3D形状が具体的に表現された場合、その3D形状の特徴点は、上位の特徴点管理番号の下位に下位の特徴点管理番号が関係づけられることになる。
この手続きを逆に入力する方法が知識管理装置1000の処理方法である。
【0071】
一般的には、機能や品質を実現する設計のストーリは複数の案が考えられ、その具体的な実現手段をマトリックスにしたアイデア評価表例えば、QFD(Quality Function Deployment品質機能展開)が作成される。このアイデア評価結果から1つのアイデアを採用し、そのアイデアを具体化する。2次以降の特徴点管理番号に登録される分類を表現する言葉は、自動車であれば、制動機能、加速機能などである。この機能をある性能値を達成するために考えられるアイデアは複数あり得る。その複数のそれぞれのアイデアをブレークダウンし、最後の結論が3DCADモデルとして形であり、その材質などになる。
【0072】
知識管理装置1000の特徴点は、人との具体的なコミュニケーションを実現するために3DCADモデルを用いる。例えば、製品開発においては、設計途中のモデルや、過去の類似製品の3DCADモデルが特徴点の記述対象である。設備設計においては、設計途中のモデルや、過去の設備設計の3DCADモデルが特徴点の記述対象である。
【0073】
過去の類似製品の3DCADモデルと知識を端末機200の操作により、表示する。表示した知識は、1次の特徴点管理番号でもって、矢印と共にユーザは得ることができる。1次の特徴点からN次の特徴点へと思考を整理することは容易である。自動車を設計するという上位の目的から、その詳細をブレークダウンしていくと、最終的には設計の具体的な3DCADモデルに到達するが、それには、より膨大な記述の展開が必要である。また、それを記述することが有用であるとは言えない。むしろ、具体的な特徴点を始点として、意味のある必要な範囲での上位特徴点の記述をすることが、効率的な知識の蓄積となる。そのために1次からN次への特徴点の展開を採用している。
【0074】
この、上位の特徴点に記述される知識はQFD(Quality Function Deployment品質機能展開)に用いられる知識として利用できる。そして、QFDのマトリックスも知識記憶装置内に記憶することでも良い。
【0075】
図15には知識を記述する画面例を示す。550は3D形状に対して、特徴点を記述する領域であり、551はその特徴点について、各組織が知識を記述する領域となっている。例えば、3D形状への設計意図の登録は、550の領域で、3DCADモデルに対して、553の矢印を記述するなどの方法で、記述する部分を指し示す。その先端552は特徴点そのものをしめす。
【0076】
知識の対象は材質、機能、部品、部品の一部など多岐に渡るため、3DCADモデルにおいて、知識を登録する位置を視覚的に記述する方法の1つとして矢印を用いている。例えば、矢印を用いる場合に、矢印553によって、3DCADモデルの1部分を示す場合には必ず3DCADモデル表面に矢印の先端が接するように描かれる。穴など空間を示す場合にはその大きさを示す寸法線に先端を接続するなどの方法が採用される。必要があれば、3DCADモデルの断面図を作成し、その断面図の中に記述することでも良い。従って、3DCADモデルによる知識の蓄積方法は2次元のデジタルデータに対する知識蓄積の方法を含んでいる。一方、3DCADモデル全体を対象とする材質などを示す場合には特徴点552は必ず3DCADモデルのモデル内部の座標であり、矢印553の先端は3DCADモデル内部まで線の先端を引くことで知識の対象を3DCADモデル全体と一部の区別をするなどの方法を用いる。
【0077】
この特徴点の説明を特徴点区分554から選択をする。特徴点の対象に表示される言葉は、図12の設計01で技術言葉Aでの形状表現008のテーブルである01A008に保管された言葉が言葉格納部52から検索された結果として、端末機200の画面の554の選択候補として表示されたものである。その表示からユーザの操作により、例えば穴を選択し、下部の保存ボタン559を押下げることで、この入力データは管理サーバ2に送信され、知識記憶サーバ5へ送信される。知識記憶サーバ5では、そのプログラムにより、この特徴点管理番号を格納するテーブルへ記憶する。
【0078】
図15で、矢印の頭556をマウスなどのポインティングデバイスにより指定することで、知識記憶サーバ5に記憶されたポップアップ画面551が管理サーバ2経由で送信され、端末機200が受信することで、端末機200にポップアップ画面551がまず表示される。
【0079】
ポップアップ画面551の上部555には先に言葉格納部52に登録保存された設計、生産技術、生産、検査、サービスなどの業務機能を表示し、その業務機能の選択結果により、この特徴点についての設計意図や加工方法や管理方法など業務機能に専用な知識を入力する知識入力フォーム557が知識記憶サーバ5より、送信され、端末機200に表示する。
【0080】
設計意図の登録には設計のボタンを押し下することで、設計向けの知識入力フォーム557が表示される。
【0081】
設計意図の具体的な内容登録は図15の知識入力フォーム557へ、特徴点の特性、目的、品質特性、品質規格値公差を入力する。特徴点の特性には丸穴を、目的には、上位目的の言葉を選択し、特徴点552の穴は組付け基準であるとの知識を選択入力する。品質特性にはこの特徴点552の穴の寸法精度を要求する知識を入力する。これらの入力は言語格納部52からデータを取得し、選択式の入力をユーザに表示するプログラムが動作し、その選択された結果を知識格納部53に特徴点管理番号をキーに記憶する。
【0082】
この同じ特徴点について、生産技術の知識を記述するには、図16に示すように、上記の設計意図と同じ矢印の頭556を指定することで表示されるポップアップ画面551の最上段の区分名称から生産技術を選択する。その結果、表示される生産技術向けの知識入力フォーム557が表示される。この知識入力フォーム557は前記の図12の技術分類管理手段72により登録保存された生産の言語分類からその表示項目を選択し、知識入力フォームとして知識記憶サーバ5へ登録保存したことにより表示される。
【0083】
例えば、図16の特徴点552である丸穴の加工方法の選択では、図15の設計の知識入力フォーム557に表示される公差からその精度確保の可能な穴あけ装置を選択する。この穴あけ装置の名称は技術分類管理手段72により、穴あけ方法としての分類内に、その穴あけ装置名として事前に登録されている場合には選択できる。あるいは事前に登録されていなければ、穴あけ装置名を仮登録する。その正式登録の手続きは前述と同じであるので割愛する。
【0084】
例えば図16の特徴点552である丸穴の加工に使われる穴あけ機械の名称を選択入力する。この際、穴あけ機械名称から作業手順表示ボタン560を押すことで、あらかじめ知識格納部53に登録保存された該当の穴あけ機械の作業手順が表示される。表示される内容は材料をパレットから取り出す。材料を穴あけ機械に位置決めセットする。セット位置が正しくか目視確認する。穴あけ機械の両手起動ボタンを押す。加工パネルを取り出す。加工済み部品をパレットに積載する。などであるが、ここで、事前に作業手順が登録されていない場合には入力が可能で、仮登録することができる。この正式登録の方法は前記と同様であるため割愛する。
【0085】
この結果、特徴点552から引き出される矢印の頭556を指定することで、設計の意図と生産技術の加工法との関係をユーザは端末機200にて確認することができる。このような手段にて、更に多くの異なる専門分野を担当する技術者の知識は共通な3DCADモデル内の特徴点管理番号を共有することで関係づけられる。
【0086】
以上のように、1つの特徴点に対して、複数の知識記述を行うことができる。その際の特徴点管理番号は図14に示すように、特徴点552を示す矢印553の矢印の頭556に特徴点管理番号565が付与される場合、この特徴点管理番号に記述する知識はこの矢印553の矢印の頭556を指定する都度、新たな知識管理番号が知識記憶サーバのプログラムにより自動付与される。頭556を指定し表示された設計の図15の知識入力フォーム557で入力されたデータは知識管理番号566のデータとして登録され、同じく、頭556を指定し表示された生産技術の図16のポップアップ画面557で入力されたデータは知識管理番号567のデータとして知識記憶サーバ5に登録される。
【0087】
図14に示す特徴点以下の知識管理番号の表示順番は、最初に表示される知識管理番号566はこの特徴点の目的を説明する知識が表示される。この知識は図15にて、表示部555にて、設計ボタンの押下げにて認識される。その後、追加された知識はその下記に、それぞれ追加順に知識管理番号が付与される。
【0088】
知識管理番号は特徴点管理番号の下部に階層的に表示する。後に説明する特徴点のグループ化や設計、生産技術、生産、検査、サービスなどを分かりやすくするための明示的な表現としては色や記号を付加して区分けすることでも良い。
【0089】
また、設計、生産技術、生産、検査、サービスなどからユーザの表示指定により、絞り込み検索し、表示の煩雑さを回避することや、言葉格納部52に登録された分類からの選択表示や分類内の特定の言葉を選択することにより絞り込み表示することでも良い。
【0090】
図16の559に表示される作業手順の内容は図17に示す、何をどこへいくつどのようにどうするなどの語句単位で文言が区分され、技術分類管理手段72により知識格納部53に登録保存されていることにより表示される。このデータと、例えば、知識管理装置1000の外部の製造コストを求めるコストテーブルと図16の作業内容毎の作業時間から、図16の559に製造コストが計算し表示される。
【0091】
また、図16の561を指定するとアイデア評価表562が表示される。技術分類管理手段72に登録された加工法を複数選択し、かつ、その評価項目を品質、製造コスト、原価償却費などの選択を行うことで1つの評価マトリックスが表示される。この表示マトリックスの各欄に評価結果を外部の品質・工程能力・製造原価・生産能力などのデータベースから参照表示するか、ハンド入力するかなどによる方法で、この特徴点の加工法選択の際に考えたことや評価結果を保存する。このことにより、ものづくり関係者はこの穴加工の加工方法として何故、プレス加工が選択されたかを知ることができる。単に結果を知るだけではなく、加工方法としてどの加工法が候補として検討され、各候補についてその評価項目として何を評価し、判断に至ったのか等の理由、その際の定量的な数値を知ることができる。この知識が一旦、知識記憶サーバ5に蓄積されることで、次回からは同じあるいは同じような材質、板圧、穴径、径の公差、生産企画数の加工知識を検索表示することができる。その表示結果である評価マトリックスを参照し、加工方法の決定を迅速に行うことができる。
【0092】
同じく特徴点552について、検査の技術者の知識登録を行うには、同じ矢印の頭556を指定することで表示されるポップアップ画面551の最上部の区分名称から検査を選択する。その結果、表示される検査向けの知識入力フォームが表示される。この知識登録フォームは技術分類管理手段72により登録保存された検査の言語分類からその表示項目を知識登録フォームとして登録保存したことにより表示される。例えば図16の特徴点552である丸穴の加工精度の測定に使われる測定機械の作業手順を入力する。この際、測定機械名称から測定作業手順の表示ボタンを押すことで、あらかじめ知識格納部53に保存された当該の測定機械の作業手順が表示される。以下、その測定作業の時間算出と検査コスト計算は同じ手法によるため説明は割愛する。
【0093】
このように、特徴点552で共有された知識には最終的に穴加工の製造コストや穴の精度測定結果を関連させて情報が蓄積することになる。この関連された設計意図から検査までの一連の知識は1つの関連知識として特徴点単位に、知識管理装置1000の知識記憶サーバ5に保存される。この一連の知識が一般的な関係の知識である場合には、図4の知識標準格納部55に知識標準フラグを持つデータとして蓄積される。この知識標準格納部55では、標準知識として登録した製品名、機能名、統一部品名、特徴点区分、特徴点管理番号、特性、目的、品質特性、公差、品質問題件数、知識標準フラグを持つ構造として記憶されている。後の図32では、製品の設計レビューのチェックリストを作成する際に、この知識標準格納部55のデータを検索することで表示される。
【0094】
知識標準格納部55のデータを用いて、設計、生産技術、検査の入力は標準の知識を選択する際にはその知識の登録を軽減することができる。また、特徴点管理番号により、それぞれの担当は、担当以外の知識の関係性を知ることができる。ものづくり企業の多くは専門分野毎に業務で使われる言葉が固有であり、固有な言葉間の関連性は暗黙知によりつながれている。以上のように発明者によると、この暗黙知を繋ぐ方法として、3DCADモデルを用い、その中の着目点としての特徴点を3DCADモデルの特定の部分や全体に対して記述すること、つまり、操作としては、矢印の頭556を指定することで暗黙知を相互に関連づける働きをさせている。
【0095】
また、市場での製品サービス業務の知識記述も図15の画面より入力する。例えば、不具合が発生した製品の部分や動作不良の現象などを3DCADモデルへ特徴点の入力を行う。この方法により、不具合内容の関係企業への伝達が書類によるよりも正確となる。前記事例の穴の精度に関する不具合の入力の場合には、同じ矢印の頭556を指定することで不具合現象を入力する。不具合現象は言葉格納部52により保存された製品の機能とその細分類から選択することができ、製品機能の言葉に分類された統一的な不具合現象を入力することができる。
【0096】
サービスの不具合の記述は自由な文章によるところが多く、その解釈に手間取ることで、不具合の原因の特定が遅れることにもなる。知識管理装置1000の端末機200からは3DCADモデルは図30に例を示すメニュー画面から製品名、機能分類名、細部機能名を選択することで、その細部機能名に関する3DCADモデルだけが表示される。その画面において、推定される部品の3DCADモデルから該当の丸穴を持つ部品を見つけ、その丸穴の特徴点を表示し、その特徴点の矢印の頭556を指定することで表示されるポップアップ画面の最上部555の区分名称からサービスを選択する。その結果、表示されるサービス向けの知識入力フォームが表示される。この知識入力フォームは前記技術分類管理手段72により登録保存されたサービス言語分類からその表示項目をフォームとして登録保存したことにより表示される。例えば、不具合の現象、発生年月日、使用年月、不具合推定要因、不具合処置などが表示される。このようにして、サービスの不具合も知識記憶サーバ5に記憶する。
【0097】
これにより、製品設計、生産などものづくり企業の関係者はネットワークを介して端末機200により不具合現象を確認することができる。図18はその画面例を示す。ものづくり企業の関係者は端末機200により、個人のユーザIDとパスワードで、許可された製品、部品などの単位でのユーザアクセスの登録された権限に基づきアクセスを制御する図2のアクセス制御サーバ6により、許可された情報を知識記憶サーバ5に検索情報を送信し、管理サーバ2が取得した情報を端末機200が受信し、表示する。アクセス制御サーバ6のアクセス認証により許可された場合には、図18の表示指定部101の不具合表示ボタン104を押下げることにより、表示部102に知識記憶サーバ5に記憶された不具合情報を表示する。また、表示部102の特徴点管理番号が指定されると、端末機200から特徴点管理番号を保有する3DCADモデルを検索する検索情報が管理サーバ2に送信され、管理サーバ2を経由し、知識記憶サーバ5の3DCADモデル格納部51から、該当のデータを検索し、管理サーバ2に送信する。また、知識記憶データベースサーバ4は特徴点管理番号の持つ、不具合知識の情報有無を知識格納部53から検索し、その結果を管理サーバ2に送信する。管理サーバ2はその結果を端末機200に送信し、端末機200のプログラムの実行により、該当の3DCADモデルが表示部103に不具合現象のある特徴点として矢印や特徴点管理番号などと共に表示する。
【0098】
また、サービスの業務の関係者はこの丸穴の精度を端末機200の図15の画面により、設計の意図である公差を知ることができ、また、実際の製品の分解によりこの丸穴の寸法を測定することになる。その際の実物の寸法もこのフォームに記述することができる。更に、この製品の生産の工程管理者は生産現場にてこの丸穴加工工程の確認をし、図18の画面の表示指定部101の対策回答ボタン105を押下げることで、その回答を入力することができる。
【0099】
以上のように同じ特徴点に設計、生産技術、生産、検査、サービスがその知識を記述する。設計、生産技術、生産、検査、サービスがそれぞれの業務の中で考えたことを特徴点管理番号にて関係づけがなされる。多くは、設計、生産技術、生産、検査、サービスが連結した知識ばかりではないため、その知識を蓄積するには設計の表と生産の表や検査の表、サービスの表などを連結する方式では実現が難しい。この実施例のように、同じ特徴点に知識を記述することにより、記述された知識は何らかの関係性があるとの理解ができることとなる。知識記憶サーバ5では、知識記憶データベースサーバ4に特徴点管理番号をキーとしたテーブルを有し、このテーブルには、特徴点管理番号に複数の知識と特徴点管理番号に対する直上の上位特徴点管理番号、直下の下位の特徴点管理番号の構造を持っている。設計者の設計意図と設計が作図した形状との関係には必然性を読み取ることが難しい。設計者の経験や知識から、ある設計目的を実現する具体的な形状として、その形状を作図したのであり、その作図された形状だけを見て、この形状を設計した設計者の意図を類推することは誰もができることではない。このような不連続な知識を知識管理装置1000は解決することができる。
【0100】
また、3DCADモデルを見て、どのように加工、生産するかを理解することは難しい。その部分的形状や材質を知ることはできても、どのような加工方法と加工機がその形状の加工に合理的であるかは製造コストと加工品質の知識がなければ、理解することはできない。つまり形状から加工法の選択には設計の意図と同様に生産技術知識によるコスト、品質による合理的な選択判断が行われて、加工法が決定されるが、その合理的な選択判断は生産技術者の経験や知識に依存している。このように人の判断に用いた知識や関係性を記述し、個人ノウハウとされる判断や選択理由そのものを情報化し、蓄積することでものづくりや設計の知識の蓄積を行うことができる。
【0101】
また、この加工方法の条件である材質、板圧、穴径、径の公差、生産企画数のいずれかの類似性範囲の指定や一致性の指定により、既に蓄積された知識管理装置1000の知識記憶サーバ5に保存され、製品における部品の3DCADモデルを表示することができ、同じ部品名称や機能目的で絞り込むことにより、類似部品の特定が可能となる。これにより部品の種類増加を抑制し、コスト競争力のある製品設計を行うことができる。このように、製品設計者にとって、知識管理装置1000は設計意図から、類似設計構造を求め、製造コストを計算し、実際の生産における加工精度や市場での不具合の有無と不具合発生時の原因まで、多岐に渡る知識を知ることができる。
【0102】
また、この知識管理装置1000は3DCADモデルとして製品や部品、材料、素形材や型などの生産設備、ジグ、工具を対象とするため、特徴点として、ものづくり関係者の気づきはほぼ無制限に仮想的な3DCADモデルに記述できる。CAE解析結果の3Dデータも同じく特徴点の入力ができる。剛性解析の場合には例えば設計の3DCADモデルに対して変形した部分の理由を記述する特徴点が登録される。あるいは、生産現場での現地現物により気づいたことや問題点などは、そのことが解決されると現物と共にその気づきや問題点は破棄されることが多い。このような業務においても、知識管理装置1000を活用することで、3DCADモデルへの特徴点記述による気づきや問題点の知識を蓄積し、再発防止のための知識を蓄積するできることになる。
【0103】
例えば、3DCADモデルとして製品や部品、材料、素形材や型などの生産設備、ジグ、工具を対象とした例としては、図19のようにプレス加工における型の特徴点と加工する部品との関係性を記述することができる。図19には製品側の特徴点として特徴点200と特徴点201が記述されている。特徴点200はこの部品の材質などの特徴を記述するものとし、特徴点201はこの部品の基準面を表している。この時、この部品の外形抜きを工程ST100で行うときに、投入する素材の特徴点300と素材の基準面301を特徴点として記述する。一方、外形抜きをする上型312と下型310の設計を行い、投入される素材の位置決めを特徴点311とする設計をしたことで型と素材と加工する部品との位置決め関係を記述することができる。同様に工程ST101では穴抜きの関係の特徴点を記述することで位置決め関係を定義することができる。これらの関係は製品図、型図にそれぞれ記入することが多いが、知識管理装置1000では、その位置決め関係を一度に確認することを容易にしている。
【0104】
具体的な記述の方法を図20にて説明する。型設計CADで設計された型の3DCADモデルは事前に知識管理装置1000にCADフォーマット変換手段にて処理が行われ、3DCADモデル格納部51に保存されている。ユーザは端末機200のメニュー画面である図30から、型の3DCADモデルを選択し、また、その型で生産する部品の3DCADモデルを表示する。端末機200のメニュー画面よる、型と部品の選択指示情報は、端末機200から管理サーバ2を経由し、知識記憶サーバ5に送信される。知識記憶サーバ5では、指定された型と部品の3DCADモデルとそれぞれの知識情報を検索し、管理サーバ5へ送信する。端末機200は受信した情報を表示する。図20では便宜的に製品モデルと型モデルを分けて表示しているが、重ねて表示することも可能である。例えば、図20の右の型モデル表示部には製品モデルに付与された特徴点を表示することで、型設計における部品と型の位置決めなどの整合性をチェックし型設計を行うことができる。設計した型に特徴点を記述すると、図20の関係表示部170に示すように、製品と素材と型との関係や外形抜きの位置決め関係や製品の穴加工とポンチとの関係を表現する特徴点の関係を表示させる。この場合の特徴点の記述方法は特徴点のグループ化の方法にて登録する。
【0105】
図21にて、複数の特徴点をグループ化する処理を説明する。前記のように位置決めの関係を複数の特徴点との関係で成立させている知識を蓄積するための方法である。図21で特徴点4は上位の特徴点を示している。これらは、1次の特徴点である特徴点1と特徴点2をグループAとした2次の特徴点4となっていることを示している。特徴点5も同様に1次の特徴点2と特徴点3をグループBとした新たな2次の特徴点を示している。
【0106】
また、特徴点6は1次の特徴点3と2次の特徴点5をグループ化して、グループCの2次の特徴点であることを示している。
【0107】
更に特徴点7は2次の特徴点4と2次の特徴点5をグループ化し、新たに3次の点7を定義していることを示している。
【0108】
知識管理装置1000では、1次の特徴点を3DCADモデルに記憶しているが、1次の特徴点は2次の特徴点のグループの構成として、他の1次の特徴点と関係することが多い。その為にその上位の特徴点である2次の特徴点を定義することで、この目的と実現手段の関係の知識を蓄積している。更に、上位の目的も記述できる必要があるため、任意の特徴点をグループ化し、上位の特徴点の定義により、その上位目的を説明することができる構造としている。これにより、例えば、コスト定ガンの場合、1次特徴点をどのように安価にするかという視点とは別に、上位の目的に遡り、もっと安い設計構造はないかを考えることができる。この時、上位の特徴点を構成する下位の特徴点を一度に知ることができるために、より迅速で正確なコスト検討が行えると共に、構成する下位の特徴点の別な上位の特徴点の知識から、品質などの条件を知る事ができる。
【0109】
詳細は、知識管理装置1000の画面である図22を用いて説明を行う。端末機200で知識管理装置1000のプログラムを立ちあげるとプログラムが図22の画面を端末機200に表示する。ユーザの操作により、端末機200から表示させる3DCADモデルとして設備を選択し、その中から、前記穴加工を行うために設計された型を選択することにより、その検索情報が管理サーバ2に送信される。管理サーバ2はその検索情報を知識記憶サーバ5に送信し、知識記憶サーバ5がその検索情報から型の3DCADモデルを特定し、管理サーバ2に送信する。この時、型の3DCADモデルの型を特定する管理情報から、管理情報に格納された、前記型の特徴点管理番号が検索される。この型の3DCADモデルへの特徴点の記述の方法は、製品の場合と同様で、記述された特徴点は、知識記憶サーバ5の知識格納部53を検索し、その結果を送信する。
【0110】
端末機200では、受信した型の3DCADモデルと特徴点管理番号とその矢印と頭の座標と線種などを表示するプログラムの処理により、端末機200に型の3DCADモデルと特徴点管理番号とその矢印を表示する。
【0111】
この結果、パネル部品とプレスする型の3DCADモデルは図22の特徴点記述部550に表示される。ユーザは端末機200のにて、プレス穴を開けるポンチとダイの部分の特徴点記述の結果付与された、図20の特徴点管理番号324と325、一方、部品パネルの特徴点である穴に付与された特徴点管理番号202とを順にマウスなどのポインティングデバイスで指定し、製品の穴と加工手段との関係づけを行うための図22の特徴点のグループ化ボタン330を押下げる。この処理情報が端末機200から管理サーバ2に送信される。管理サーバ2では、このグループ化処理の情報を知識記憶サーバ5に送信する。
【0112】
知識記憶サーバ5では特徴点の次数決定プログラムが動作し、次の処理ロジックで決定される。まず、3DCADモデルに特徴点を記述した特徴点を次数1とする。N次以下の特徴点を含むグループ化された特徴点はそのグループ内を構成する特徴点の中で一番低次の次数に+1の次数をそのグループ化した特徴点の次数とする。グループを構成する特徴点が全て同次数であれば、その次数+1の次数とする特徴点の次数決定のプログラムが、特徴点の次数を決定する。この型の場合は、すべて1次の特徴点で構成されていることが端末機200からの情報で認識されるために、このグループ化した特徴点は2次特徴点と決定される。
【0113】
この結果、2次の特徴点管理番号が新規に決定され、ポンチとダイの特徴点管理番号324と325、部品パネルの特徴点管理番号202のそれぞれにはその関係を記憶するために、2次特徴点の特徴点管理番号が登録される。また、2次の特徴点の管理番号には特徴点管理番号324と325と202が記憶される。図22の部位158には端末機200が受信したグループ化した特徴点の特徴点管理番号の表示がされる。N次の特徴点管理番号も同じように処理され表示される。
【0114】
2次の特徴点の知識入力方法は、図22の特徴点記述部550に図34の568のように特徴点管理番号が表示される。新しく表示された2次の特徴点管理番号をマウス操作にて端末機200での指定により、この命令は知識記憶サーバ5に記憶された新規特徴点の知識を入力するフォームである知識入力フォーム157を受信し、図22に示すように、端末機200に表示する。この動作により、製品における部品の知識登録と同様な入力と記憶処理により、上位の特徴点の知識が登録される。
【0115】
図22にて更に、特徴点記述部550で、端末機200の部品パネルと型の3DCADモデルのそれぞれの基準点を一致させる操作にて、3DCADモデル複合表示ボタン150の押し下げにより、型の3DCADモデルに対し、部品パネルの座標を型の座標に座標変換する処理を知識記憶サーバ5に送信し、知識記憶サーバ5にて、部品パネルの座標を型の座標に変換する処理の結果を管理サーバ2へ送信する。管理サーバ2を経由して端末機200にて受信し、型と部品パネルの3DCADモデルを重ねて表示することも可能となる。これにより、ユーザは、部品パネルの穴と型のポンチとの関係をビジュアルに確認することができる。
【0116】
このことは、1つの生産設備が多くの種類の部品加工をおこなっている場合に、生産設備に対する各部品の位置決めの方法および、それぞれの部品に対する加工方法と位置を瞬時に理解することで、生産設備の加工対象とその加工方法の把握に役立ち、生産設備の設計者はより迅速に新製品の加工可否の検討が行える。設備の担当者が変更となっても、生産設備が過去に加工した製品も、更には、加工中の製品とその加工方法の知識を継続的に保持することができる。従来のやり方では、製品毎に生産設備の加工方法の設計が行われ、それぞれが紙や電子ファイルにて個々に保存されることが多い。知識管理装置1000により過去の計画を蓄積し、生産プロセス全体を表示することができるため、新製品の加工可否と量産中の製品加工への影響などを迅速に検討できることになる。
【0117】
また、知識管理装置1000から加工情報の抽出を容易に行うことができる。例えば、前記の例のように穴を有する部品の検索やその3DCADモデルの表示は、ユーザの端末機200による特徴点区分にての穴の選択で可能となる。例えば、特徴点区分に穴が記憶されている特徴点管理番号の検索要求を知識記憶サーバ5に送信し、知識記憶サーバ5は知識記憶データベースサーバ4から穴を特徴点区分とする製品内の全ての特徴点を抽出する。この抽出結果を管理サーバ2に送信し、管理サーバ2は端末機200にこの結果を送信することで、端末機200のプログラムは、検索結果を画面に表示する。その結果、ユーザは製品内の穴あけ加工を行う部品とその穴の目的と品質の公差などを一度に表示することができる。
【0118】
この表示したリストは生産技術では工程計画に活用ができるばかりでなく、このデータはそのまま、穴あけ加工を担当する生産工場の加工管理の基本情報として特徴点管理番号をキーに共有することができる。よって、この基本情報に製造原価と品質検査の結果などの情報を付加することができる。あるいは既にある製造原価や品質検査の結果を蓄積するシステムとのインターフェースとして機能する。生産現場での計測結果は定期的あるいは連続的に計測されるが、ここの計測結果を蓄積するシステムに対して、特徴点管理番号をキーにその穴を特定し、その穴の計測情報を表示することができる。このように、特徴点管理番号は穴だけではなく、溶接、組立、機械加工などのあらゆる生産加工の品質、原価、リードタイム情報とのインターフェースとして機能する。
【0119】
図22で説明した特徴点のグループ化は、部品と型の特徴点のグループ化であるが、同じ機能は例えば、複数部品の特徴点のグループ化にも使用される。図23は2本のボルトにて部品を締結する構造を示している。図23ではボルトの締付構造に関係する特徴点としてボルト673、被締結物である670、670の組付け穴671、締結先部品675、締結先の穴676、締結ナット678を示している。これら6つの特徴点をグループ化した2次の特徴点としてねじ締結部600を知識記憶サーバ5に記憶することができる。ねじ締結部601も同様にグループ化された特徴点である。これにより、ねじの締付トルクはねじ締結部600と601のそれぞれ2次の特徴点管理番号の知識として知識記憶サーバ5に登録される。各部品の加工法を計画する担当は、このグループ化された2次の特徴点600,601の知識を共有することができる為、特徴点675の穴676の加工の方法を検討する担当はこの穴の目的がボルト673の締付のための貫通穴であることや、締付トルクを知ることができ、その知識を前提にした計画を立案することができる。
【0120】
グループ化の方法は、端末機200の画面例としての図22にこれらの部品の図23を表示し、例えばユーザのマウス操作により図23の6つの矢印の頭556を順に指定し、特徴点のグループ化ボタン330を押すことでグループ化の情報が送信される。その6つの特徴点管理番号とグループ化処理要求の命令は、端末機200から管理サーバ2に送信される。管理サーバ2は、受信した処理命令を知識記憶サーバ5に送信する。知識記憶サーバ5では、対象となる6つの特徴点管理番号を順次検索し、それぞれの特徴点管理番号に知識記憶サーバ5にて決定された新たな2次の特徴点管理番号をそれぞれ追加し、2次の特徴点管理番号には下位に6つの特徴点管理番号を記憶させる。6つの特徴点管理番号に追加処理が完了すると、その完了メッセージを管理サーバ2に送信する。その結果を端末機200が受信し、受信結果を画面に表示する。その結果、ユーザは、端末機200にて、グループ化が完了したことと、図22の知識入力フォーム157の上位特徴点管理番号の欄に表示された2次の特徴点管理番号を知ることができる。そのグループ化された特徴点管理番号の知識入力フォーム157は、締め付け部の知識入力フォーマットとして事前に登録済みのものを、知識記憶サーバ5から取得し、ユーザは端末機200により、表示締付部の名称と締付けトルクなどの属性や、被締結物の全締結数における締付順番を登録保存される。このことにより、被締結物の加工を行う担当は穴がねじ貫通穴であり、どの穴から順番に締付を行うことを設計者が考えているかを知ることができる。また、ねじ締付部600やねじ締結部601毎の製造コストを計算することができ、ねじ締付に代わっての締結方法である勘合方法との製造コストの比較をする際に活用することができる。
【0121】
この複数の部品をグループ化する機能により、製品内の締付部分の3DCADモデルを表示することや、その締付部の使用するボルト、ナット、締付トルク規格値などの締付部一覧表を表示することができる。この一覧表にも特徴点管理番号が表示されるため、この特徴点管理番号が締付装置から測定される締付トルク実測値を蓄積する外部システムとのインターフェースの役割となり、トルクのモニタリングを表示することができる。またこの締付部の一覧表には締付時間や自動機の償却費などから製造コストを表示することも可能である。
【0122】
更に、図24に示すように、特徴点の品質に関するグループ化を行うことができる。例えば複数部品間の隙間を品質管理する際のグループ化の登録を行うことができる。登録の方法は、端末機200から、製品の3DCADモデルを選択し、その製品内の隙間130の精度管理するために、その精度管理に関係する複数の部品を選択し、知識記憶サーバ5からその部品の3DCADモデルを表示する。
【0123】
その表示した画面にはすでにそれぞれの部品のねじ締付部がグループ化され、4つのグループ化された2次の特徴点111,112,121,122が表示されている。ユーザは部品110と部品120との隙間の精度管理を、この隙間に特徴点130として矢印で線を引き、その品質に関する知識の入力フォームとして例えば、品質、隙間方向X,Y,Z寸法、公差データを入力を促す知識記憶サーバ5から表示した知識入力フォームに入力する。その入力情報は知識記憶サーバ5にて記憶する。
【0124】
ここで、更にユーザの端末機200からの操作による、精度管理すべき隙間である1次特徴点130は、部品110の組立基準穴126と部品110の隙間側の端面を示す特徴点115の指定と、部品120の組立基準穴124と部品120の間隙側の端面を示す特徴点125を指定、取付先部品の穴124,126のピッチを表す特徴点127を指定し、特徴点のグループ化ボタンのマウスにての押し下げ情報は、2つの部品のそれぞれの組立基準穴からの寸法管理が精度管理の要素である知識を表すものとして知識記憶サーバ5に記録する。
【0125】
この記憶と同時に、ユーザにより入力された情報は、図24の下の表に知識記憶サーバ5にて決定された特徴点管理番号の受信と共に表示する。この表に対して、端末機200よりユーザは隙間方向X,Y,Z寸法、公差データを入力する。このように特徴点とその関係のある要素の特徴点は関係付けされ、必要なデータを保存することができる。この結果、特徴点130を指定することで、その特徴点を実現するための条件である特徴点が一覧表示されることとなる。
【0126】
また部品110についての特徴点表示を行えば、その特徴点として、端面の特徴点115が部品110の3DCADモデルに表示され、部品110と部品120との隙間管理に必要な管理部分を表示することができる。この知識情報は部品110の生産を行う企業内の生産工程あるいは社外のサプライヤでもネットワークを介して知ることができ、サプライヤを含めた品質計画や品質管理に活用することができる。
【0127】
また、図25に示すよう機能単位で加工分類毎の特徴点一覧表に製造コストを計算して表示することができる。図25では検索対象指定部181とその結果表示部180と該当の3DCADモデルを表示する表示部182を備えている。これにより機能別にどの加工の製造コストが高いかを認識でき、その代替案を検討することを促すことができる。部品単位の製造コストだけではなく機能単位あるいは加工単位の区分で集計することができるためにコスト低減活動に有効となる。この機能を複数の製品の同じ機能に対して集計することも可能であり、その結果、製品の設計構造差による製造コスト差を知ることができる。
【0128】
また、特徴点管理番号を用いればグローバルな生産工場における同じ製品の生産状況として、同じ特徴点管理番号の穴加工精度や締付トルク実績値などの情報を同じグラフに重ねて表示することにより、工場間での差を容易に表示することができる。全体としての製造コスト、品質の指標について技術分類管理手段72により登録された統一的な分類と集計方法とにより正しく計算し、表示することができる。図26には検索対象指定部190により、検索対象を知識格納部53から取得し、生産ライン別の製品別の製造コストを集計結果表示部191に一覧表することで、同じ製品の生産ライン差などを把握し、原価低減を促す画面例を示している。右の表示部192は特定の生産ラインの製品の加工区分の指定による対象となる3DCADモデルを表示する。
【0129】
このような集計方法の登録は技術分類管理手段72の中の機能で定義される。これは、統一的な分類や言葉と言葉を用いての計算式は一体として扱う必要があるためである。図10の技術分類の登録画面において、言語の登録をする欄の横に計算式の登録ボタンが配置されている。この方法により計算式を言葉格納部52に記憶させることができる。計算式は例えば図27のようなデータ構造で登録済みの技術言語を用いて計算式の登録を行うことが可能である。このことが言葉と言葉の関係をつけることにもなる。一般的には各担当者が自由な言葉を使っているために、簡単な式であっても、見た目は異なる表現となっていることもある。このことが、生産現場の詳細に把握されたコストや品質、リードタイムを集計し、経営層に可視化することを難しくしている。複雑な科学計算であっても、計算式に記述する技術言語の統一的な運用と意味の理解があれば集計結果の解釈も容易である。
【0130】
このような知識は製品のモデルチェンジにより、機能向上を繰り返し行う企業においてより効果的である。製品開発・生産のプロセスにおいて過去の製品開発・生産で使用された帳票やリスト、仕様書など定型的な書類を修正しつつ業務がおこなわれていることは多い。これらに記載された書類に使われている項目名称とその具体的なデータの整理をする際にもっとも困難なことは、項目名称の表す言葉の定義があいまいであることや組織間で使われる項目名称の意味することが異なること、そして、項目名称間が直接つながらず、検討や分析の業務で使われる項目名称が暗黙知もしくはメモであるために、知識の蓄積とコミュニケーションがうまくできない要因ともなっている。
【0131】
知識管理装置1000ではこの問題を技術分類管理手段72により解決をするものであり、担当者の変更に対する知識共有の手段あるいはグローバルな知識共有をビジュアルに容易な理解とするために、3DCADモデルへ知識を記述する記述方法により複数の知識の関係性を定義することができ、項目名称間のつながらない知識であっても、3DCADモデルの同じ特徴点に知識を記述することで、知識の関係性を知る事ができる。
【0132】
また、知識は製品開発段階からその知識量は増加していく。それは機能設計をする際には複数のアイデアが検討され、評価が行われる。また、絞られたアイデアについてもFMEA(failure mode and effects analysis)やFTA(fault tree analysis)の手法を用いて、製品の信頼性向上の検討がおこなわれる。製品設計についての生産要件などのデザインレビューにより加工性、コスト、品質などの多面的な検討が加えられる。この段階まではものづくに関する多くの専門家の知識が寄り集まっている。この段階から、それまでの心配点や懸案項目は少しずつ解決案が策定され、製品設計の完成度が高まる。言い換えれば、3DCADモデルの完成度が高まることとなる。3DCADモデルが完成した時には生産方法が確定され、製造原価企画、品質企画の目標が達成できた状態である。この設計された製品を生産するにあたり、生産における管理項目が特定される。このように一般的には開発段階から知識は集積し、生産に至るに次第に知識は生産管理に必要なものに収斂していく。このことは知識管理装置1000の活用は製品開発段階にその集積した知識の蓄積目的として有効で、その蓄積された知識の中から生産における管理項目が決定されることとなる。更にこの開発段階の集積した知識は、量産時のサービスにおける問題解決の寄りどころとなる。また、次の製品開発のテンプレートやマスターデータとして利用することで、設計の思考を支援すると共に、設計の品質を向上させつつ、効率化に貢献することができる。
【0133】
そこで、この特徴点記述(知識記述)技術判断の対象と進捗に使うことができる。図28に示す画面はその一例を示すもので、図2での端末機200に表示させたものである。
【0134】
図28の機能は3DCADモデルに対して各担当が例えば問題点、保留点、承認点の3つの判断区分で特徴点を記述するものである。この特徴点の記述はこれまで説明した知識の記述と同じ方法でよい。例えば矢印で線を引きその特徴点についての技術知識を記述すると同時に上記3つの問題点、保留点、承認点の技術判断区分を登録することができる。この方式を製品開発段階から生産、サービスまで活用することで、各開発フェーズにおける技術問題の量と解決進捗を数値で捉えることができる。
【0135】
また、同じ特徴点に異なる専門家が問題点を記述することで、その特徴点に対して問題提起した部署を端末機200でのログインIDなどで特定でき、その部署間での解決行為のきっかけとなり、問題解決速度を加速することができる。例えば、問題点などの数や技術判断の変化を度数化した推移グラフに示すことができる。このグラフから開発段階に部署ごとに抱えている問題点の量を知ることができ、また、時系列なグラフによりその解決状況を捉えることでも可能である。
【0136】
また、技術判断を特徴点に入力することで、特徴点の構造や考え方をレビューすることとなり、組織における知識標準を見直すことにもつながる。このことで、より確かな知識を知識管理装置1000は記憶することができる。
【0137】
図29に知識管理装置1000で知識を登録管理する場合のフローチャートを示す。ステップS1では端末機100からの図30のメニュー画面の指定により、CADやPLMなどの外部システムから保存された3DCADモデル取込サーバ1に記憶した3DCADモデルを3DCADViewerなどに用いられるデータサイズを軽量化した表示用の3DCADフォーマットに変換する命令を管理サーバ2へ送信し、管理サーバ2はその命令を受信し、3DCADモデル取込サーバ1のプログラムにて製品の構成部品として記憶した全ての3DCADモデルのデータフォーマットを変換する。変換が完了すると、端末機100からの知識記憶サーバ5への登録命令により、変換された製品の構成部品の3DCADモデルを知識記憶サーバ5に送信する。知識記憶サーバ5では、知識記憶サーバ5のCPUのプログラムを起動し、その製品の3DCADモデルの取込記録と比較し、初めて取込む製品や部品の3DCADモデルであるかを、外部システムで付与された1つの3CADモデルを特定するために付与された品番、品名、部品表の構成コードなどの管理情報と比較し、3DCADモデル格納部51にて取込記録のない3DCADモデルをバッチ処理にて、3DCADモデル取込サーバ1から順次取込むと共に、取込んだ3DCADモデルを、知識記憶サーバ5の3DCADモデル格納部51に記憶する。このプログラムは、3DCADモデル格納部51にて取込記録のあるデータは、後で説明するところの、すでに取り込まれた3DCADモデルに対して今回取り込んだ3DCADモデルとの形状差を見つける処理がこの処理に引き続き行われる。
【0138】
ステップS2では端末機100に表示の図30のメニュー画面より指定されたリクエストに基づく3DCADモデルを知識記憶サーバ5から端末機100に受信し、表示部に表示する。更に、端末機100からの指示により言葉格納部52の分類と言葉からユーザの選択操作により指定された機能分類と仕様表現の言葉を表示部に表示し、3DCADモデルの1つひとつに、表示された3DCADモデルに適切な機能分類と仕様表現の言葉を指定する操作がなされる。この指定情報が知識記憶サーバ5に送信されると知識記憶サーバ5のCPUのプログラムにて、この機能分類と仕様表現の組み合わせで統一部品名コードを作成する処理が行われる。言葉格納部52にて統一部品名コードがユニークとなるように決定され統一部品名と統一部品名コードが言葉格納部52に記憶される。
【0139】
また、ステップS3ではステップS2の後に、表示された3DCADモデルを外部システムで付与された1つの3CADモデルを特定するために付与された品番、品名、部品表の構成コードなどの管理情報とは別な当該品質管理装置1000で使用される統一部品名コードを付加し、知識記憶サーバ5の3DCADモデル格納部51へ格納する。これにより、3DCADモデルは、知識を保管するデータベースである知識格納部53と統一部品名コードにて、対応付けられる。また、統一部品名コードを格納するテーブルは、ユーザの指定により、機能分類だけではなく、例えば、製品内部の位置である、フロント、リア、上部、下部などのテーブル内に統一部品名コードを登録することもできる。これは知識管理装置1000で機能や製品内の部位など組織、企業にて管理される複数の分類による原価集計や検索処理をする際のプラグラムに用いられる。
【0140】
ステップS4でユーザの端末機200から図30のメニューによる分類名などの選択指示が送信され、知識記憶サーバ5で受信し、知識記憶サーバ5のプログラムが知識記憶サーバ5で受信した情報を持つ3DCADモデルを特定するために、ステップS2で付与された言葉格納部52の分類テーブルから統一部品名コードを特定し、その統一部品名コードに該当する3DCADモデルを3DCADモデル格納部51からデータを検索し、端末機200に送信する。
【0141】
この時、端末機200のメニューから例えば、統一部品名と穴や材質などの特徴点区分が指定されると、その検索情報は管理サーバ2にて受信し、管理サーバ2はその検索情報を知識記憶サーバ5へ送信する。知識記憶サーバ5は受信した情報の当該の特徴点区分を有する製品名と統一部品名コードと特徴点管理番号を知識格納部53から抽出し、管理サーバ5にその情報を送信する。受信した情報は端末機200が、表示部に表示する。更に、その情報に対して、端末機200から特徴点管理番号をもつ3DCADモデル表示のリクエスト情報は、管理サーバ2に送信されると、管理サーバ2はその情報を、知識記憶サーバ5へ送信する。知識記憶サーバ5は特徴点管理番号からその3DCADモデルを検索し、その3DCADモデルを管理サーバ2へ送信し、管理サーバ2は端末機200に送信し、表示部に端末機200の表示プログラムによって、該当の3DCADモデルを表示する。このようにして、類似部品や類似構造の部品を表示することができる。図31には類似部品を検索する処理のフローチャートをデータの構造例と共に示している。
【0142】
ステップS6にて、管理サーバ2は、類似構造の部品を任意の製品名や任意の統一部品名や特徴点区分などのユーザの端末機200のリクエスト情報を受け、該当の3DCADモデルとその特徴点管理番号と知識管理番号などの知識記憶サーバ5での抽出結果を受信し、その結果を端末機200に送信することでユーザは検討目的の製品の部品構造と比較することができる。
【0143】
ユーザは、上記類似構造の部品の知識を参考とすることで、検討対象部品の特徴点毎に技術判断を行う。この類似構造の表示例を図32示す。端末機200のリクエストにより、表示部780のように、端末機200のプログラムにより、記憶されていた技術判断の表を表示する。図32の右端にはフェーズ毎に入力された技術判断の履歴を記号で表示している。例えば丸印は問題無しをアンダーバーは技術判断がされていないことを示している。モデル1,2,3は過去の製品であり、モデルXがユーザが技術判断をする製品である。このモデルXの右端の技術判断入力欄への入力結果をうけ、端末機200は入力された情報を管理サーバ2に送信し、管理サーバ2は知識記憶サーバ5の技術判断格納部54に記憶させる。
ステップS6にて、例えば技術判断は承認、保留、問題の3つに区分される。
【0144】
そして技術判断の入力がされると端末機200のプログラムは、図28の画面を端末機200に表示させる。端末機200の特徴点入力操作により、特徴点管理番号の取得を求める情報が管理サーバ2に送信される。管理サーバ2は知識記憶サーバ5へ、特徴点管理番号を決定するリクエストを送信し、知識記憶サーバ5は新たな固有の特徴点管理番号を管理サーバ2へ送信する。管理サーバ2は端末機200へ、特徴点管理番号を送信し、端末機200は、図28の表示部に特徴点管理番号を表示する。その後、例えば、承認する特徴点には承認コードが端末機200の入力操作により特徴点管理番号と開発フェーズコードと共に送信され、管理サーバ2を経由して、技術判断格納部54に保管する。検討対象部品の特徴点に知識記述を行い、新しい製品の部品の検討結果をステップS7で知識記憶サーバ5の技術判断格納部54に保存する。ステップS7では技術判断の理由の詳細や判断の背景知識、対策内容、対策結果の記述を端末機200によりユーザは求められるため、その入力結果も技術判断格納部54に特徴点管理番号と共に記憶される。ステップS7では、後述する知識の流用処理も実行される。
【0145】
ここで、ステップS7にて、保留や問題の区分をもつ特徴点管理番号が管理サーバ2が受信すると、その統一部品名コードから知識管理装置1000への当初の3DCADモデルの管理情報に 保有されたメールアドレスなどの設計者情報を取得し、製品名と部品名称と問題点の内容とアクセス制御部が保有するユーザ管理情報から問題点指摘者のメールアドレスを取得し、3DCADモデルの設計者に問題指摘者名を明記し、自動的に技術判断結果を送信する。
【0146】
この結果ステップS8で、各ユーザがその業務分野における判断を特徴点毎に承認、問題、保留の状況を端末機200から把握することができる。どの組織の誰と技術打合せをすれば良いかを迅速に伝達し、その結果、会議や検討会などの方法により解決方向が検討されることに貢献する。
【0147】
ステップS9にて、知識の標準などを見直すことも行われる。問題点と判断された特徴点管理番号と同じ統一部品名コードと同じ目的を検索条件とするリクエストを端末機200のメニュー選択により、管理サーバ2へ送信されると、管理サーバ2は知識記憶サーバ5へ検索条件を送信する。知識記憶サーバ5は知識格納部53から特徴点管理番号と同じ統一部品名コードと同じ目的を検索条件とする処理を実行すると共に、知識記憶サーバ5は知識標準格納部55からリクエストに該当する標準の知識データを検索し、この2つの検索結果をまとめて、管理サーバ2に送信する。この知識標準を端末機200が受信すると、端末機200のプログラムは表示部に表示する。知識標準が存在していなかった場合には、知識標準格納部55からの該当データはありませんとのメッセージを管理サーバ2経由で、端末機200の表示部に表示する。
ユーザの判断により、表示部に表示した情報から、技術標準とすべき特徴点管理番号の指定や標準を見直しした知識の入力情報は管理サーバ2へ送信される。管理サーバ2は知識標準格納部55にこの特徴点管理番号と共に送信し、知識標準格納部55にて標準の知識として記憶する。
【0148】
技術判断の結果は端末機200の画面において、端末機200のプログラムにより、図33の如く、この技術判断を3DCADモデルで知識管理番号566の下位に技術判断特徴点管理番号570を表示する。同じ特徴点管理番号には複数の知識から判断がなされるため、図33のように複数の技術判断が下位に表示される。知識管理番号の登録のない技術判断は、知識管理番号は表示されない。
【0149】
また、図34のように、特徴点管理番号が上位の特徴点を保有する場合には、知識記憶サーバ5より特徴点管理番号と上位と下位の特徴点管理番号が類似検索の結果として端末機200の3DCADモデルに表示される。この上位あるいは下位の特徴点管理番号をユーザが端末機200での指定操作を行うと、その情報は、管理サーバ2を経由し、知識記憶サーバ5のCPUのプログラム動作により、知識格納部53を検索し、上位あるいは下位の指定された特徴点管理番号を属性として保有する製品の統一部品名コードを特定し、その結果、3DCADモデル格納部51から、特定された統一部品名コードを保有する3DCADモデルを管理サーバ2に送信する。その結果を端末機200のプログラム処理により画面に表示させる。
【0150】
このように、類似部品を検索することから知り得た上位あるいは下位の知識をユーザは端末機200の操作で取得することにより、技術判断の確かさを高めることができる。
【0151】
図35で特徴点は知識と技術判断の2つの側面から作成される。また、特徴点はそれぞれ上位の特徴点が作成される。この関係を説明する。アルファベットと数字の組合せで特徴点管理番号を表現し、アルファベットのKは知識で、端末機200からの入力結果により知識管理サーバ5にて付与された固有の番号を数字で表現している。一方、アルファベットのDは技術判断で、端末機200からの入力結果により知識管理サーバ5にて付与された技術判断特徴点管理番号を数字で表現している。アルファベットTは特徴点の番号である。ここで、T1は知識と技術判断で共有されている特徴点を示している。
丸印は知識の特徴点で二重丸印は上位の特徴点であり、K3はK1とK2の上位の知識概念を示す。一方、四角印は技術判断の特徴点で、二重の四角は上位の特徴点であり、D3はD1とD2の上位の技術判断を示す。
【0152】
この構造により、特徴点T1には技術判断と知識が登録される。特徴点T1から上位知識のK3と上位技術判断のD3が検索可能となる。また、上位知識K3と関係する下位知識K1とK2が検索可能となる。上位の技術判断D3と関係する技術判断D1とD2が検索可能となる。このことにより、技術判断した3DCADモデルの特徴点の設計の意図である上位知識を理解でき、その上位知識である設計意図を実現する下位の知識を知り、その知識にどの部署がどのような技術判断をしているかを検索することができる。知識記憶サーバ5では端末機200からの検索リクエストに対して、知識格納部53と技術判断格納部54より特徴点管理番号を抽出することで、その特徴点管理番号に属する知識と技術判断の上位や下位の特徴点管理番号を検索し、端末機200に送信し、端末機200で表示する。これにより、ユーザは知識と技術判断を双方向から検索することができ、より標準的な知識を検討することができる。
【0153】
知識の流用は、この検索結果から行わることができる。図36には、知識を検索したのちの知識流用のフローチャートを示している。ユーザは知識の流用を目的などの区分から行う場合やすでに流用したい知識の特徴点管理番号を知っている場合とがある。そのため、このフローチャートではステップS20とステップS21の二つの流れを説明している。
【0154】
ステップS22では目的から知識記憶サーバ5がその目的と一致する統一部品コードを特定し、その統一部品コードに記憶されている特徴点管理番号のリストを1次からN次まで抽出する処理を行う。その処理結果は端末機200に表示される。表示されたリストに対して、ユーザが特徴点管理番号を指定する。
【0155】
指定された特徴点管理番号が保有する上位と下位の知識と技術判断のすべてを知識格納部53と技術判断格納部54から抽出し、その詳細内容を知識記憶サーバ5は送信する。この情報を端末機200は受信し、画面に表示する。
【0156】
この表示された内容に修正が必要であれば、端末機200での修正画面からの入力により、表示された知識は修正されて、知識記憶サーバ5に送信される。また、流用された知識は流量フラグをONにすることで流用の状態を記憶させる。流用元の3DCADモデルと流用先の3DCADモデルは特徴点の位置である座標552が正しい位置を示していないため、特徴点の矢印の位置を編集機能にて修正する。このように修正された情報が端末機200を用いたユーザの操作により、知識は流用先の3DCADモデルの知識として知識記憶サーバ5に記憶される。
【0157】
知識標準を修正することで新製品の部品の特徴点の問題が解決でき技術判断を承認に変更する特徴点は図29のステップS7で技術判断を承認、進捗を完了に変更する操作が端末機200により行なわれ、その入力は端末機200から管理サーバ2へ送信される。管理サーバ2は、その情報を受信し、技術判断格納部54へ送信する。技術判断格納部54では、フェーズ区分と入力年月日、入力者名を技術判断格納部54へ記憶する。一方、ステップS10にて知識の標準を変更することができない場合には設計を変更することで解決することとなり、ステップS14にて3DCADデータの変更を設計者が外部システムで行う。
【0158】
また、保留の技術判断はステップS8の会議や検討会を経て、問題点か承認点へと技術判断は変化する。その関係組織における技術判断は、端末機200の特徴点管理番号の指定操作により、特徴点管理番号に記憶された生産の加工法や品質、コスト、リードタイム、安全など知識を取得するためのリクエストが管理サーバ2に送信される。管理サーバ2は受信したリクエストを知識記憶サーバ5に送信、知識記憶サーバ5はリクエストによるデータベースの検索処理を実行する。その検索結果を管理サーバ2に送信し、管理サーバ2は検索結果を端末機200に送信する。端末機200はその検索結果を表示する。この表示した検索結果をユーザが確認することで、特徴点管理番号についての関係組織の総合的な技術判断へと結論づける。
その結果、この特徴点管理番号の技術判断区分が保留から問題点、あるいは承認点に変化し、ユーザにより端末機200に入力される。その結果は、端末機200の送信部から管理サーバ2に送信され、管理サーバ2は受信した技術判断結果を同じく、製品、部品名称、特徴点管理番号と技術判断区分とフェーズ区分と入力年月日と入力者名とを技術判断格納部54へ送信し、技術判断格納部54では、この情報を付け加えて記憶する。これは、特徴点管理番号の技術判断履歴を表示することに用いられる。開発フェーズの問題点と心配点は理想的には、量産前にすべて解決が行われる。そのことから、量産段階にては、3DCADモデルの特徴点はステップS12にて生産段階での管理点として、同じく技術判断格納部54に保存される。開発段階知識は生産における管理点へと引き継がれ、このような技術判断履歴も端末機200の操作により、上記と同様な動作にて、技術判断格納部54の検索処理結果を端末機200に表示する。
【0159】
このようにして一連の技術判断と登録が全ての部品の特徴点に対して実施され、1つのフェーズの製品設計のデザインレビューが終了し知識管理装置1000に知識が記憶される。フェーズとしては設計構想段階、設計段階、試作段階、量産試作段階などの複数がある。
【0160】
また、設計変更は製品開発フェーズでは頻繁にあるため、知識管理装置1000に保管した、製品の部品や設備の設計変更に対して、すでに保管した知識は継承する必要がある。そこで、その3DCADモデルの形状変更をチェックし、形状変更がある場合に、その特徴点をユーザに明示する処理のフローチャートを図37に示している。このフローチャートは図29のステップS1にて実行される。
【0161】
外部システムであるCADの形状差確認は形状の変更のある部分を全て表示する方法が主である。知識管理装置1000では、形状に対し特徴点の記述がある部分がユーザの着目した部分であり、知識の記述や技術判断を行った座標である。したがって、図37のフローチャートは知識記憶サーバ5にて、既に記憶済みの特徴点毎にその特徴点の座標を知識記憶サーバ5にて検索し、形状変更後の座標との一致性にて変更有無を特定する処理をする。
【0162】
知識管理装置1000では部品毎の特徴点に記述された加工技術より、図38に示すように、製品の開発タイミングを時系列にならべ、生産に使われた加工技術による内製加工コストを計算するなどして、製品毎の部品単位に加工技術の履歴を原価や品質等を指標に技術進歩のレベルを表示することも可能となる。
【0163】
この知識管理装置1000は複数の製品でも、技術分類管理手段72により統一的な技術言語を用いて知識を記述することで、製品間の情報を横並びに比較することができる。このことは、複数の製品を生産する工程にとって、統一的な言葉表現による加工作業の表示を可能とする。そのことにより、製品が異なっていても同じ作業を認識することが知識管理装置1000から可能であり、複数の担当によるまちまちな記述による作業名の不統一性からの原価計算のミス防止や作業訓練の計画の正しさ、必要な設備、ジグ、工具の正しい計画リストの作成など、ものづくり企業全体の効率性を向上することができる。
【0164】
情報のセキュリティについてこれまで、図面単位で社外に出図している情報量に比べ、更に細分化された特徴点である特徴点管理番号単位のデータ管理となる。図面の場合の図面番号単位の情報開示に比べ、必要な加工技術情報とその部分だけを情報開示することが図2のアクセス制御サーバ6により可能となる。更に、上位特徴点のレベルや機能分類などによる情報開示をすることも加えても良い。また、図面配布する方法とは異なり、情報を検索した企業、個人を特定するログも蓄積することができることなどにより、図面配布の方法よりセキュリティレベルは高く維持できる。
【0165】
また、外部サプライヤに部品の生産を発注する際には2次元の図面を活用している企業は多い。製品の開発設計企業はCADにより設計が進められているが、外部サプライヤには図面を配布して生産を依頼している。グローバル生産拡大など海外との部品生産を品質、原価などをコントロールするために2次元の図面には記述できない知識の伝達に技術指示書などの紙や、あるいは電子的な別の形態による情報の伝達が行われる。知識管理装置1000は各種のネットワークで結ばれたグローバルな設計生産における技術情報伝達の方法として活用することができ、図面や技術指示書よる紙配布を無くせることができると考えられる。
【0166】
ものづくり企業における業務手法はCADの活用により、設計、生産技術の業務を効率化させた。しかし、その3DCADユーザは企業の中において限られた担当だけが使用している状況であることが多い。品質、原価の企画と設計、生産技術の工程・設備設計などはベテランに依存した手法のままである。これらの業務に関与するエンジニアがものづくり企業には多く存在する。エンジニアの業務を効率化させ、計画業務の生産性を高める必要性がある。知識管理装置1000はこの分野の生産性を向上させ、エンジニアが共有すべきノウハウなどの知識の蓄積を可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明は重工業、プラント、造船、車両、電気、電子製品等を製造する製造業においては、グローバルな製品開発、生産、サービス業務において企業あるいは企業グループ内、企業間にてのマネージメントや人材育成の加速化やイノベーションに利用可能でもある。
【符号の説明】
【0168】
1 3DCAD取り込みサーバ
2 管理サーバ
3 3DCADモデル記憶サーバ
4 知識記憶データベースサーバ
5 知識記憶サーバ
6 アクセス制御サーバ
50 3DCADモデル取込格納部
51 3DCADモデル格納部
52 言葉格納部
53 知識格納部
54 技術判断格納部
55 知識標準格納部
71 3DCADモデル取込管理手段
72 技術分類管理手段
73 知識記述手段
74 技術判断記憶手段
100 端末機
200 端末機
500 ネットワーク
552 特徴点
553 矢印
556 頭
1000 知識管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の企画目的や設計者の設計意図と具体的な設計構造と、設計構造についての生産における加工法や検査法、サービスにおける市場での品質問題など製品のライフサイクルにおける知識 (以下、単に知識と言う)を、
3DCADモデルを用いて知識を管理する知識の管理装置であって、3DCADモデルの特定の座標を知識の関係点(以下、1次特徴点と言う)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の知識を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する知識入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN9次特徴点に固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の知識毎にも固有の管理番号を付与し、知識と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する知識を検索表示する検索手段と、
を具備することを特徴とする知識管理装置
【請求項2】
製品の企画目的や設計者の設計意図と具体的な設計構造と、設計構造についての生産における加工法や検査法、サービスにおける市場での品質問題など製品のライフサイクルにおける知識 (以下、単に知識と言う)を、
3DCADモデルを用いて知識を管理する知識の管理装置であって、3DCADモデルの特定の座標を技術判断の関係点(以下、1次特徴点と言う)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の技術判断を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する技術判断入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点へ固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の技術判断毎にも固有の管理番号を付与し、技術判断と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
を具備することを特徴とする知識管理装置
【請求項3】
請求項1の知識管理装置であって、更に、請求項2の技術判断の登録を知識の特徴点と同じあるいは別な座標に特徴点を入力する前記と同じ特徴点入力手段と、各次数の特徴点に技術判断を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する技術判断入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点へ固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の知識と技術判断毎にも固有の管理番号を付与し、技術判断と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点の技術判断から関係する技術判断や知識を、あるいは特徴点から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
を更に具備することを特徴とする知識管理装置。
【請求項4】
請求項1の知識管理装置であって、知識管理装置内に記憶した知識に対する類似知識検索手段と、検索結果を新製品開発やモデルチェンジ製品の3DCADモデルによるデザインレビューのチェックリストとして生成するチェックリスト生成手段と、チェックリストへの技術判断を入力する技術判断入力手段と、
を更に具備することを特徴とする知識管理装置
【請求項5】
請求項4の知識管理装置であって、 類似知識検索手段により得られた検索結果を判断し、流用する知識を指定することで、新製品開発やモデルチェンジ製品の開発中の3DCADモデルの知識として知識をコピーする知識流用手段と
を更に具備することを特徴とする知識管理装置
【請求項6】
請求項1,2,3,4,5のいずれかの知識管理装置であって、ユーザの端末機による操作により、企業内や企業間の関係者へ特徴点の知識や技術判断の情報を自動で通知すると共に、知識の統一的な意味を表現するための分類や言葉や特徴点区分や知識区分毎に情報開示可否フラグを有することによる技術情報の開示を認証するアクセス制御手段と、
を更に具備することを特徴とする知識管理装置
【請求項7】
請求項1,2,3,4,5のいずれかと或いは、請求項6のいずれかの知識管理装置であって、製品や設備などの設計変更による3DCADモデルの形状変更を特徴点により判別する形状変更判別手段と、知識と技術判断と3DCADモデルを差し替えて表示し、変更後の3DCADモデルへ特徴点編集手段により変更の必要の無い知識を変更後の3DCADモデルとして継承し記憶する知識継承手段と、
を更に具備することを特徴とする知識管理装置
【請求項8】
3DCADモデルを用いて知識を管理する知識管理装置の端末機であって、
3DCADモデルの特定の座標を知識の関係点(以下、技術判断の関係点と併せて1次特徴点と言う)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の知識を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する知識入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点に固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の知識毎にも固有の管理番号を付与し、知識と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する知識を検索表示する検索手段と、
3DCADモデルの特定の座標を技術判断の関係点(1次特徴点)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の技術判断を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する技術判断入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点へ固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の技術判断毎にも固有の管理番号を付与し、技術判断と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
特徴点の技術判断から関係する技術判断や知識を、あるいは特徴点の知識から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
知識管理装置内に記憶した知識に対する類似知識検索手段と、検索結果を新製品開発やモデルチェンジ製品の3DCADモデルによるデザインレビューのチェックリストとして生成するチェックリスト生成手段と、チェックリストへの技術判断を入力する技術判断入力手段と、
類似知識検索手段により得られた検索結果を判断し、流用する知識を指定することで、新製品開発やモデルチェンジ製品の開発中の3DCADモデルの知識として知識をコピーする知識流用手段と
ユーザの端末機による操作により、企業内や企業間の関係者へ特徴点の知識や技術判断の情報を自動で通知すると共に、知識の統一的な意味を表現するための分類や言葉や特徴点区分や知識区分毎に情報開示可否フラグを有することによる技術情報の開示を認証するアクセス制御手段と、
製品や設備などの設計変更による3DCADモデルの形状変更を特徴点により判別する形状変更判別手段と、知識と技術判断と3DCADモデルを差し替えて表示し、変更後の3DCADモデルへ特徴点編集手段により変更の必要の無い知識を変更後の3DCADモデルとして継承し記憶する知識継承手段と、
を視覚的に表示することを特徴とする知識管理装置の端末機。
【請求項9】
3DCADモデルを用いて知識を管理する知識管理装置のプログラムであって、
3DCADモデルの特定の座標を知識の関係点(以下、技術判断の関係点と併せて1次特徴点と言う)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の知識を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する知識入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点に固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の知識毎にも固有の管理番号を付与し、知識と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する知識を検索表示する検索手段と、
3DCADモデルの特定の座標を技術判断の関係点(1次特徴点)とする1次特徴点入力と、複数の1次特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する、或いは任意の次数の特徴点をグループ化し、更に上位の次数の特徴点を入力する上位特徴点入力とによる特徴点入力手段と、各次数の特徴点に少なくとも1つ以上の技術判断を統一的な意味を表現するための分類と言葉の技術分類管理手段から選択することで登録する技術判断入力手段と、特徴点入力手段にて入力された1からN次特徴点へ固有の管理番号を付与し、各次数の特徴点毎に入力された複数の技術判断毎にも固有の管理番号を付与し、技術判断と3DCADモデルとは固有の管理番号を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特徴点から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
特徴点の技術判断から関係する技術判断や知識を、あるいは特徴点の知識から関係する技術判断を検索表示する検索手段と、
知識管理装置内に記憶した知識に対する類似知識検索手段と、検索結果を新製品開発やモデルチェンジ製品の3DCADモデルによるデザインレビューのチェックリストとして生成するチェックリスト生成手段と、チェックリストへの技術判断を入力する技術判断入力手段と、
類似知識検索手段により得られた検索結果を判断し、流用する知識を指定することで、新製品開発やモデルチェンジ製品の開発中の3DCADモデルの知識として知識をコピーする知識流用手段と
ユーザの端末機による操作により、企業内や企業間の関係者へ特徴点の知識や技術判断の情報を自動で通知すると共に、知識の統一的な意味を表現するための分類や言葉や特徴点区分や知識区分毎に情報開示可否フラグを有することによる技術情報の開示を認証するアクセス制御手段と、
製品や設備などの設計変更による3DCADモデルの形状変更を特徴点により判別する形状変更判別手段と、知識と技術判断と3DCADモデルを差し替えて表示し、変更後の3DCADモデルへ特徴点編集手段により変更の必要の無い知識を変更後の3DCADモデルとして継承し記憶する知識継承手段と、
を制御することを特徴とする知識管理装置のプログラム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2013−97743(P2013−97743A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242930(P2011−242930)
【出願日】平成23年11月5日(2011.11.5)
【出願人】(510304900)株式会社 デジタルコラボレーションズ (1)
【Fターム(参考)】