説明

石油製品中の化学マーカーのIMS検出

化学物質により標識付けられた石油製品を同定するための方法及び組成物は、選択された石油製品に1種以上の化学物質を添加することにより達成される。この化学物質は従来の安価な吸収剤によっては石油製品から抽出されず、酸、塩基もしくは不混和性溶媒による抽出によっては除去されず、容易に酸化、還元されず、もしくは通常の物質と反応せず、他の物質によるマスクによっては隠蔽することが困難であり、極性が低く、沸点が石油製品の沸点の範囲内にある。この化学物質の存在はイオン移動度分光分析を用いて検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油製品中の特殊な化合物を検知するためにイオン移動度分光分析を用いる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
保護管理マーカーを通過させることにより税を逃れるという問題は、多くの国において大きな問題となっている。米国においては、一般道路外で用いる非課税の燃料を目視によって識別するために、ディーゼル燃料に着色染料が添加されている。この着色されたディーゼル燃料は連邦税から免除されており、それは税の主要な目的が高速道路の建設及び維持に用いられる財源であるからである。しかしながら、酸/塩基反応のような比較的簡単な反応によって着色剤を除去することができる。着色剤を除去し、一般道路用自動車に非課税燃料を用いることが利益をもたらすため、着色剤はしばしば除去されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
着色剤と一緒に添加することができ、着色された製品の存在を現場で検出することのできる確実な方法を提供する化学物質が要求されている。この化学物質は簡単な方法では容易に除去されないべきである。また、この化合物のサンプル調製の必要がなく、検知する人員を訓練することがほとんど必要なく、燃料の標識付けに用いられる化学物質が比較的安価であり、単独でもしくは組み合わせて用いて多くの異なるマーカーセットを提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、イオン移動度分光分析(IMS)を用いて石油製品中の化学マーカーを識別するための方法及び化学マーカーを提供する。この化学マーカーは極性溶媒に対する溶解度が比較的低く、酸及び塩基と反応しない。このマーカーは着色染料と同時に添加することができる化学物質からなり、簡単な方法を用いて除去されず、着色された製品の存在の検出に確実な手段を提供する。この化学物質は単独で又は多くの異なるマーカーの組み合わせを与えるように組み合わせて用いることができる。さらに、サンプルの調製は必要なく、検出するために人に訓練を施すこともほとんど必要ない。この化学物質の検出のための分析方法は、手持ち式のIMSにより実験室で行うことができる。
【0005】
時にはプラズマクロマトグラフィーとも呼ばれるIMSは、電場においてイオンの移動速度でイオンを分離させる方法である。この方法は質量分光分析と同じであるが、但し、IMSは高真空を用いず、ほぼ大気圧で行う。IMSユニットは、爆発物及び化学薬品の化学的検出器として、及び大気中の危険な物質のモニターとして広く用いられるようになっている。イオン発生、検出、及びデータ解釈の進歩により、より高性能になり、正確になっている。現在のユニットは比較的安価であり、かなり小型になっている。
【0006】
基本的に、サンプルは蒸気としてIMSに入れられる。導入方法は、IMS内のポンプを用いることにより、通常ヘッドスペースと呼ばれるサンプル上部の空間に吸い込むもしくは吸引することである。ヘッドスペースの圧力は通常0〜2気圧である。ヘッドスペース中の蒸気はポンプによってチャンバーに吸引される。蒸気がチャンバーに入ると、イオン化源によってイオン化される。イオン化源は、一般的には低エネルギーベータ粒子を放出することによって蒸気をイオン化する放射性源であるニッケル63である。最近、コロナ放電源が導入された。コロナ放電源は放射性ニッケル源に比べて危険性が低いため好ましい。
【0007】
イオン化後、イオンは電位勾配によって規定された領域及びドリフト領域に入る。ドリフト領域は帯電している空間の領域にほかならない。イオンは検出器に当たるまでドリフト領域を通って下降する。異なる物質からのイオンは異なる速度でドリフト領域を通過する。検出器におけるイオンの到達時間の差は、最初の混合物中の異なるタイプの分子の各々を特定するための手段である。IMSユニットの使用は当該分野において知られている。本発明に用いることができる手持ち式のIMSの一例は、Smiths DetectionのSabre 2000である。本発明に用いることができる実験室用IMSの一例は、Smith DetectionのIonscan 400Bである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の記載において、明細書及び図面を通して同じものは同じ数字で示す。図面は必ずしも一定に拡大されておらず、あるものは誇張してもしくは一般化している。
【0009】
以下に記載の方法はディーゼル燃料における脱税の証明を行うものであり、この一般的な方法は広範囲の石油製品に適用可能であり、その製品の信頼性を決定する。石油製品は、限定するものではないが、燃料、オイル、及び潤滑剤を含む。
【0010】
図1に示すように、工程100の第一の工程は、工程105において選択される石油製品をマークするもしくは標識を付けるのに用いる化学物質を選択する。ここで、マークする及び標識を付けるとは同じ意味である。化学物質を選択した後、これを石油製品に加え、化学物質が石油製品中に均一になるまで混合する(工程110)。次に、石油製品を手持ち式IMS又は添加した化学物質の検出に用いられる他の同様の装置により分析する(工程115)。添加した化学物質が存在する場合、IMSは操作者にその化学物質の存在を知らせる(工程120)。IMSが化学物質の存在を示した後もしくは存在しないことを示した後、使用者は次の行為を選択することができる。例えば、非課税とされるべきであるが誤って課税されているとラベルされた石油製品に化学物質が存在する場合、使用者はその石油製品を隔離し、さらにテストするためにその石油製品のサンプルを取り出すことができる。
【0011】
用いる化学物質を選択する場合、その化学物質は一般的な手段により石油製品から抽出されないべきである。一般的な手段とは、化学物質が従来の安価な吸収剤を用いて石油製品から吸収されないこと、酸、塩基もしくは不混和性溶剤による抽出によって除去されないこと、除去するために容易に酸化、還元もしくは反応しないこと、及び化学物質が他の化学物質によるマスクにより隠蔽されないことを意味する。さらに、この化学物質は極性が低く、沸点が石油製品の沸点の範囲内にあり、IMSにより容易に検知されるべきである。また、IMSはイオンに対して低エネルギー励起を用いるため、化学物質は容易にイオン化される電気陰性基を有するべきである。
【0012】
好ましくは、この化学物質の沸点は85℃〜750℃であるべきである。この沸点範囲は特定の石油製品の沸騰画分に隠される化学物質をベースとしている。例えば、ディーゼル燃料において、大きな質量の画分は200℃〜250℃である。この範囲の周囲に沸点を有する化学物質はディーゼル燃料と本質的に同じ蒸気圧を有し、ヘッドスペースに多量の化学物質の濃度を与える。従って、IMSでヘッドスペースを吸引すると、化学物質は容易に検出される。沸点が高すぎると、ヘッドスペースに化学物質が十分に存在せず、検出困難になる。沸点が低すぎると、化学物質が簡単に蒸発し、飽和するため検出が困難になる。
【0013】
C、H、N、O、S及びPを含む多くの有機分子が上記の特性を有し、比較的安価である。石油製品の標識付けに適した化学物質は、下式を有する。
RCAR’
R及びR’基は同一であっても異なっていてもよい。R基の例は、アルキル、オレフィン、アリール、複素環又は水素を含む。A基はケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸基、メルカプタン化合物、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ及びイソチオシアノであってよい。上記化合物はすべて市販入手可能であり、当該分野において公知である。化学物質の選択は、IMSがなにを検出するか及び化学物質のコストに基づく。
【0014】
限定しない例として、用いることができる化合物を以下に示す。2−オクタノン、3−オクタノン、3,5−ジメチル−4−オクタノン、3−メチル−4−オクタノン、4−オクタノン、5−ヒドロキシ−4−オクタノン、5−ニトロ−2−オクタノン、2,6−ジメチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−ヘプタノン、2−メチル−4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、4−ノナノン、5−ノナノン、3−メチル−4−ノナノン、2,8−ジメチル−5−ノナノン、7−エチル−2−メチル−4−ノナノン、2−デカノン、2−メチル−3−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、4−メチル−5−デカノン、2,2−ジメチル−3−ウンデカノン、2−メチル−3−ウンデカノン、2−メチル−4−ウンデカノン、2−ウンデカノン、6−ウンデカノン、7−エチル−2−メチル−4−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、7−トリデカノン、3−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、4−ペンタデカノン、5−ペンタデカノン、6−ペンタデカノン、7−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2,6−ジメチル−10−ヘキサデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、7−ヘキサデカノン、2−ヘキサデカノン、4−ヘプタデカノン、6−ヘプタデカノン、7−ヘプタデカノン、8−ヘプタデカノン、2−オクタデカノン、3−オクタデカノン、5−オクタデカノン、9−オクタデカノン、2−ノナデカノン、9−ノナデカノン、1,2,3−トリフェニルベンゼン、1,3,5−トリフェニルベンゼン、1−アセチルナフタレン、2−アセチルナフタレン、チオフェン、2−アセチルチオフェン、3−アセチルチオフェン、プロピオンフェノン、2,2−ジメチルプロピオフェノン、2,4’−ジメチルプロピオフェノン、3’−(シアノメチル)−2,2−ジメチルプロピオフェノン、4’−(シアノメチル)−2,2−ジメチルプロピオフェノン、3−フェニル−3−(フェニルチオ)プロピオフェノン、4,4’−メチレンビス(プロピオフェノン)、1−フェニル−2−ブタノン、3−フェニル−2−ブタノン、4−フェニル−2−ブタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,1,5,5−テトラフェニル−3−ペンタノン、1,1−ジフェニル−3−ペンタノン、1−フェニル−2−ペンタノン、1−フェニル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノンイミン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノンオキシム、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、2−フェニル−3−ペンタノン、N−ブチル−t−ブチルアミン、(1−フェニルエチル)−p−トリルアミン、ジメチル−(1−メチルヘプチル)アミン、ジメチル−(1−メチル−2−フェニルプロピル)アミン、3−ピリジンカルボニトリル、4−ピリジンカルボニトリル、アニリン、p−プロピルアミソール、2−エチル−6−イソプロピルアニリン、N−エチル−N−イソプロピルアニリン、ビス−(2,6−ジメチルフェニル)アミン、ジメチル−(4−ピリジン−4−イル−フェニル)アミン、プロピルアミン、(R)−(+)−β−メチルフェネチルアミン、(S)−(−)−β−メチルフェネチルアミン、1−ジメチルアミノ−2−プロピルアミン、1−メチル−1−フェニルプロピルアミン、2−エチル−1−ヘキシルアミン、2−アミノ−6−メチルヘプタン、2−アミノヘプタン、ヘプチルアミン、N,N−ジエチル−t−オクチルアミン、t−ブチル−t−オクチルアミン、t−アミル−t−オクチルアミン、t−オクチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ヘキサンニトリル、ヘプタンニトリル、オクタンニトリル、ノナンニトリル、2,4,6−トリメチルベンジルシアニド、2−アミノフェニルアセトニトリル、2−メトキシフェニルアセトニトリル、3,5−ジメトキシベンジルシアニド、3−メトキシフェニルアセトニトリル、4−アミノベンジルシアニド、4−メトキシフェニルアセトニトリル、p−トリルアセトニトリル、1−シアノ−2−(3−メチルフェニル)エチルチオシアネート、1−シアノ−2−(3−ニトロフェニル)エチルチオシアネート、1−シアノ−2−(4−メチルフェニル)エチルチオシアネート、2−((4−ニトロフェニル)スルホニル)−1−フェニルエチルチオシアネート、2−ナフトイルメチルチオシアネート、3,4−ジメトキシフェニルチオシアネート、2−オキソ−2−(2−チエニル)エチルチオシアネート、3−メチルベンジルチオシアネート、3−ニトロ−1−アズレニルチオシアネート、4’−(テトラデシルオキシ)フェナシルチオシアネート、4−(ジメチルアミノ)フェニルチオシアネート、4−(ヘキサデシルオキシ)ベンゾイルメチルチオシアネート、4−(n−ベンジル−n−エチルアミノ)フェニルチオシアネート、4−(n−ベンジル−n−メチルアミノ)フェニルチオシアネート、4−アセトアミド−3−メトキシフェニルチオシアネート、4−アミノ−2−ニトロフェニルチオシアネート、4−アミノ−3−ニトロフェニルチオシアネート、4−ヒドロキシ−m−トリルチオシアネート、4−メチル−6−フェニル−2−ピリミジニルチオシアネート、4−ニトロベンジルチオシアネート、ベンジルチオシアネート、デシルチオシアネート、ドデシルチオシアネート、エチルチオシアネート、メシチルチオシアネート、フェナシルチオシアネート、ピペリジンチオシアネート、トリフェニルメチルチオシアネート、テトラブチルアンモニウムチオシアネート、1−アダマンチルイソチオシアネート、1−ナフチルイソチオシアネート、2,3,4,6−テトラ−o−アセチル−D−グルコピラノシルイソチオシアネート、2,4,6−トリメチルフェニルイソチオシアネート、2,4−ジメトキシフェニルイソチオシアネート、2,4−キシリルイソチオシアネート、2,5−ジメトキシフェニルイソチオシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソチオシアネート、2−エチルフェニルイソチオシアネート、2−ナフチルイソチオシアネート、2−フェニルエチルイソチオシアネート、2−ピペリジノエチルイソチオシアネート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルイソチオシアネート、3,4,5−トリメトキシフェニルイソチオシアネート、3−(メチルチオ)フェニルイソチオシアネート、3−(メチルチオ)プロピルイソチオシアネート、3−メトキシプロピルイソチオシアネート、3−メトキシフェニルイソチオシアネート、3−ニトロフェニルイソチオシアネート、3−ピリジルイソチオシアネート、4−(4−イソチオシアナトフェニルアゾ)−N,N−ジメチルアニリン、4−ビフェニリルイソチオシアネート、4−シアノフェニルイソチオシアネート、4−ジメチルアミノ−1−ナフチルイソチオシアネート、4−エチルフェニルイソチオシアネート、4−イソプロピルフェニルイソチオシアネート、4−メトキシフェニルイソチオシアネート、4−メチル−2−ニトロフェニルイソチオシアネート、オレフィンイソチオシアネート、ベンゾイルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、ブチルイソチオシアネート、シクロヘキシルイソチオシアネート、フルオレセンイソチオシアネート異性体I、ヘキシルイソチオシアネート、フェニルイソチオシアネート、o−トリルイソチオシアネート、p−トリルイソチオシアネート。これらの化合物のすべてが市販入手可能である。
【0015】
好ましい態様において、A基はケトンであってよく、R基はアルキルである。ケトンは好ましくは非対称ケトンであり、R基は少なくとも3〜4個の炭素長であり、沸点は100℃〜250℃である。100℃〜250℃の沸点はディーゼル燃料の沸点である200〜250℃に対してヘッドスペースに十分な濃度の化学物質を形成するのに十分である。
【0016】
分子の末端及び中央付近からケトンを離すことが好ましい。ケトンが分子の中央付近にない場合、この分子は比較的極性であり、抽出容易である。ケトンが化合物の中央にある場合、この化合物の双極子は低く、極性溶媒により抽出されるほど容易ではない。
【0017】
どのような鎖長のものを用いてもよいが、好ましい範囲はC6〜C16である。この化合物の鎖長は、極性溶媒による抽出を避けるために双極子をできるだけ低くするようにいくらか変化する。例えば、サルフェートは高い双極子を有しており、従ってその鎖長は小さいべきである。
【0018】
化学物質を選択した後、これを石油製品に添加する。石油製品はタンク車、タンカー船、パイプライン210(図2)等のような輸送用容器に含まれていてよい。例えば、限定するものではないが、石油製品がパイプライン210中にある場合、化学物質は、石油製品が精製プラント205から貯蔵容器215に流れる間に、注入弁200から石油流に注入される。石油製品がタンク車もしくは船にある場合、化学物質は輸送容器の開口部を開け、その開口部に化学物質を直接加えることにより添加される。また、化学物質を燃料レベルの下部で輸送容器に注入してもよい。石油製品は固体貯蔵容器中にあってもよい。石油製品は固定容器中にある場合、化学物質はこの容器の開口部を開き、そこに直接加えることによって添加され、又は燃料レベルの下部でこの容器に注入してもよい。化学物質は石油製品を加える前の空の容器に加えてもよい。
【0019】
ディーゼル燃料の場合、課税ターミナルにおいて着色染料を加える際に同時に選択した化学物質を加えることが好ましい。上記化学物質のほとんどはすでに液体状態にあるため、溶媒は必要ない。化学物質が固体である場合、直接ディーゼル燃料に加えてもよく、又は希釈してディーゼル燃料に加えてもよい。ディーゼル燃料は通常タンク車内にあるため、タンク車による通常の輸送の間に加えられた化学物質は混合する。しかし、ディーゼル燃料が固定タンク内にある場合、ディーゼル燃料と加えた化学物質の均一な混合物を得るために物理的混合、例えばVaughan's Rotamixシステムを用いてもよい。
【0020】
加える化学物質が固体である場合、溶媒と混合すべきである。溶媒は石油製品と反応せず、不混和であるべきである。溶媒を用いる場合、この溶媒は石油製品自体であることが好ましい。例えば、ケトンをディーゼルと混合する場合、ディーゼル燃料は溶媒となりえる。
【0021】
固体材料が好ましい場合もある。例えば、時間と共に放出される化学物質を望む場合である。化学物質は、固体形態であってよく、又はラテックス球、中空多孔質球、石油製品に可溶な固体材料中に入れてもよい。化学物質を石油製品にいかに導入するかは、加える材料の形態による。例えば、化学物質を固体形態で加える場合、この化学物質を石油製品に溶解する。化学物質をラテックス球に入れる場合、この球の殻は石油製品に溶解し、化学物質を放出する分散体として加えるべきである。固体材料が多孔質である場合、化学物質は所望の速度で漏れ出す。多孔質中空球の例は、内部の化学物質を外に出すに十分な気孔サイズを有する中空金属球である。放出速度は気孔の数及びサイズによってきまる。固体材料のタイプは化学物質のタイプ、その導入方法等によってきまる。
【0022】
加えられる化学物質の量は、IMSの検出限界及びヘッドスペース中の化学物質の所望の濃度によってきまる。好ましくは、この化学物質は石油製品中の濃度が1ppb〜100ppmとなるような量で加えられる。実際には、上限はほとんど制限はないが、化学物質のコストの点から100ppm以下であることが好ましい。石油製品中の濃度が1ppb〜100ppmである場合、ヘッドスペース中の化学物質の濃度は約100ppb〜1ppmであるべきである。特に、この化学物質は沈殿せず分離しないため、この濃度は一定に保たれる。
【0023】
化学物質の存在についてのテストは現場でもしくは実験室で行われる。このテストを実験室で行う場合、石油製品のサンプルをとり、石油製品のサンプルの分析に必要な装置を備えた実験室に運ぶ。本発明において用いることのできる実験室用IMSの例は、Smiths DetectionのIonscan 400Bである。実験室は建物内にあっても、又は移動可能なユニット(例えばトラックもしくは他のタイプ)上にあってもよい。
【0024】
加えた化学物質の存在についての現場での測定は、貯蔵容器を開き、手持ち式IMS装置を加えた化学物質の存在に応答するように開口部付近に設置し、分析が完了するまで数秒待つことを含む。化学物質の存在は音によるもしくは目に見える警報により示され、操作する者に対して適当な作用を起こすように合図をおくる。
【0025】
IMSは多くの物質の相対的濃度を検出する能力を有する。従って、1種以上の化学物質を加えてもよい。例えば、2種の異なるC−9ケトン及びC−9ニトリルを用いてもよい。3種はすべて分離可能であり、相対濃度比は独特なマーカーを形成する。また、加えた化学物質はより大きなマーカーの一部を形成することができ、米国特許第5,525,516号に記載されているように、分子マーカーと共に用いることができる。分子マーカーの使用は当該分野において公知である。
【0026】
本発明を以下の例を参照して説明する。
【実施例】
【0027】
例1
8,500ガロンのタンカートラック中のディーゼル燃料に用いるための標識物質として4−ヘプタノンを選択する。4−ヘプタノンは4番目の炭素に二重結合した酸素を有するアルキルケトンである。このケトンもしくはA基は、化合物の中央にあり、従ってこの化合物の双極子を低くし、極性溶媒により抽出されない。4−ヘプタノンの沸点は145℃であり、ケトンについての100℃〜250℃の望ましい範囲内にある。約10ガロンのディーゼル燃料をタンカートラックから取り出し、8.19ガロンの希釈していない4−ヘプタノンと混合する。得られた混合物をタンカートラックに戻し、ディーゼル燃料中に1ppmの4−ヘプタノンを存在させ、ディーゼル燃料の密度は7.079lb/galとなり、4−ヘプタノンの密度は6.8225lb/galである。4−ヘプタノンの濃度は1ppb〜100ppmの所望の濃度範囲内にある。通常のディーゼル燃料の輸送によって4−ヘプタノンとディーゼル燃料はよく混合される。ディーゼル燃料の最終目的地に到着すると、特にケトンを検出するように設計された手持ち式IMSを用いて、ディーゼル燃料中の4−ヘプタノンの存在を検出することができる。
【0028】
例2
地面上の貯蔵タンクの150,000ガロンのディーゼル燃料に用いる標識物質として6−ウンデカノンを選択する。6−ウンデカノンは6番目の炭素に二重結合した酸素を有するアルキルケトンである。このケトンもしくはA基は化合物の中央にあり、従ってこの化合物の双極子を低くし、極性溶媒により抽出されない。6−ウンデカノンの沸点は191℃であり、ケトンについての100℃〜250℃の望ましい範囲内にある。約10ガロンのディーゼル燃料を貯蔵タンクから取り出し、147ガロンの希釈していない6−ウンデカノンと混合する。得られた混合物を貯蔵タンクに戻し、ディーゼル燃料中の6−ウンデカノンの濃度を1ppmにし、これは1ppb〜100ppmの所望の濃度範囲内にある。ディーゼル燃料の密度は7.079lb/galとなり、6−ウンデカノンの密度は6.9394lb/galである。6−ウンデカノンとディーゼル燃料をVaughan's Rotamixシステムを用いてよく混合する。その後、特にケトンを検出するように設計された手持ち式IMSを用いて、ディーゼル燃料中の6−ウンデカノンの存在を検出することができる。
【0029】
例3
8,500ガロンのタンカートラック中のジェット燃料に用いるための標識物質としてメチルフェニルエチルアミンを選択する。メチルフェニルエチルアミン双極子が比較的低く、極性溶媒により抽出されない。メチルフェニルエチルアミンの沸点は197〜207℃であり、200℃〜250℃の望ましい範囲内にある。約9.469ガロンのメチルフェニルエチルアミンをタンカートラックに直接加え、メチルフェニルエチルアミンの濃度を1ppmにし、これは1ppb〜100ppmの所望の濃度範囲内にある。通常のジェット燃料の輸送によってメチルフェニルエチルアミンとジェット燃料はよく混合される。ジェット燃料の最終目的地に到着すると、特にアミンを検出するように設計された手持ち式IMSを用いて、ジェット燃料中のメチルフェニルエチルアミンの存在を検出することができる。
【0030】
本発明の範囲内において上記態様に変化を加えてよいことは当業者に明らかである。従って、本発明は上記の態様に限定されず、本発明の精神及び範囲内において改良可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】化学物質により標識付けられた石油製品を同定するための工程を示すブロック図である。
【図2】石油製品についてのパイプラインを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学的標識が付けられた石油製品の製造方法であって、
標識付ける石油製品を特定すること、及び
前記石油製品に一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸、メルカプタン、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ、及びイソチオシアノからなる群より選ばれる化合物である)
を有する化学物質を加えること
の工程を含む方法。
【請求項2】
石油製品が燃料である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
石油製品がオイルである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
石油製品が潤滑剤である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
選択された化学物質が石油製品に加えられる前に溶剤と混合される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記溶剤が石油製品である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
選択された化学物質が石油製品中に少なくとも1ppbのこの化学物質の濃度を形成するように加えられる、請求項1記載の方法。
【請求項8】
選択された化学物質が石油製品中に1ppb〜100ppmのこの化学物質の濃度を形成するように加えられる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
選択された化学物質が石油製品の輸送容器に加えられる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記輸送容器がタンク車である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記輸送容器がパイプラインである、請求項9記載の方法。
【請求項12】
選択された化学物質が固定容器に加えられる、請求項1記載の方法。
【請求項13】
選択された化学物質が炭素数6〜16個の炭素鎖長を含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
R基及びR’基が炭素数少なくとも3個の炭素鎖長を含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
化学物質が分子マーカーに加えて用いられる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記分子マーカーがフタロシアニンである、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記分子マーカーがスクアラインである、請求項1記載の方法。
【請求項18】
化学的標識が付けられた石油製品の製造方法であって、
標識付ける石油製品を特定すること、及び
前記石油製品に一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトンである)
を有する化学物質を加えること
の工程を含む方法。
【請求項19】
前記ケトンが非対称ケトンである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
R基が少なくとも3個の炭素長である、請求項18記載の方法。
【請求項21】
R’基 少なくとも3個の炭素長である、請求項18記載の方法。
【請求項22】
選択された化学物質が100℃〜250℃の沸点を有する、請求項18記載の方法。
【請求項23】
R及びR’基が同じである、請求項18記載の方法。
【請求項24】
R及びR’基が異なる、請求項18記載の方法。
【請求項25】
化学的標識が付けられた石油製品の製造方法であって、
標識付ける石油製品を含む多数の容器を特定すること、及び
前記容器の少なくとも1つに一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸、メルカプタン、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ、及びイソチオシアノからなる群より選ばれる化合物である)
を有する化学物質を加えること
の工程を含む方法。
【請求項26】
選択された化学物質が固体形態で加えられる、請求項25記載の方法。
【請求項27】
選択された化学物質が中空多孔質球に入れられている、請求項25記載の方法。
【請求項28】
選択された化学物質がラテックス球に入れられている、請求項25記載の方法。
【請求項29】
選択された化学物質が石油製品に可溶性の物質に入れられている、請求項25記載の方法。
【請求項30】
化学的標識が付けられた石油製品の製造方法であって、
標識付ける石油製品を含む多数の容器を特定すること、及び
前記容器の少なくとも1つに一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸、メルカプタン、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ、及びイソチオシアノからなる群より選ばれる化合物である)
を有する複数の化学物質を加えること
の工程を含む方法。
【請求項31】
前記石油製品が燃料である、請求項30記載の方法。
【請求項32】
選択された化学物質が石油製品に加えられる前に溶剤と混合される、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記溶剤が石油製品である、請求項32記載の方法。
【請求項34】
選択された化学物質が分子マーカーと共に用いられる、請求項30記載の方法。
【請求項35】
石油製品中の選択された化学物質の少なくとも1つの濃度が異なる、請求項30記載の方法。
【請求項36】
石油製品中の選択された化学物質の濃度が同じである、請求項30記載の方法。
【請求項37】
化学的標識が付けられた石油製品を特定する方法であって、
標識付ける石油製品を特定すること、
前記石油製品に一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸、メルカプタン、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ、及びイソチオシアノからなる群より選ばれる化合物である)
を有する化学物質を加えること、及び
選択された化学物質の存在について石油製品をテストし、この石油製品が選択された化学物質で標識付けられているかどうかを決定すること
の工程を含む方法。
【請求項38】
選択された化学物質が石油製品を含む輸送容器に加えられる、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記輸送容器がタンク車である、請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記輸送容器がパイプラインである、請求項38記載の方法。
【請求項41】
選択された化学物質が固定容器に加えられる、請求項37記載の方法。
【請求項42】
石油製品のテストをイオン移動度分光分析を用いて行う、請求項37記載の方法。
【請求項43】
イオン移動度分光分析テスト装置がポータブルである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
イオン移動度分光分析テスト装置がポータブルでない、請求項42記載の方法。
【請求項45】
化学的標識が付けられた石油製品を特定する方法であって、
標識付ける石油製品を含む多数の容器を特定すること、
前記容器の少なくとも1つに一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸、メルカプタン、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ、及びイソチオシアノからなる群より選ばれる化合物である)
を有する化学物質を加えること、及び
選択された化学物質の存在について石油製品をテストし、この石油製品が選択された化学物質で標識付けられているかどうかを決定すること
の工程を含む方法。
【請求項46】
石油製品のテストをイオン移動度分光分析を用いて行う、請求項45記載の方法。
【請求項47】
イオン移動度分光分析テスト装置がポータブルである、請求項46記載の方法。
【請求項48】
イオン移動度分光分析テスト装置が手持ち式である、請求項46記載の方法。
【請求項49】
石油製品のテストが実験室で行われる、請求項42記載の方法。
【請求項50】
化学的標識が付けられた石油製品を特定する方法であって、
標識付ける石油製品を含む多数の容器を特定すること、
前記容器の少なくとも1つに一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸、メルカプタン、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ、及びイソチオシアノからなる群より選ばれる化合物である)
を有する複数の化学物質を加えること、及び
複数の化学物質の少なくとも1つの存在について石油製品をテストし、この石油製品が標識付けられているかどうかを決定すること
の工程を含む方法。
【請求項51】
石油製品のテストをイオン移動度分光分析を用いて行う、請求項50記載の方法。
【請求項52】
イオン移動度分光分析テスト装置がポータブルである、請求項51記載の方法。
【請求項53】
イオン移動度分光分析テスト装置が手持ち式である、請求項51記載の方法。
【請求項54】
石油製品のテストが実験室で行われる、請求項50記載の方法。
【請求項55】
石油製品中の化学物質の少なくとも1つの濃度が複数の化学物質の残りの濃度と異なっている、請求項50記載の方法。
【請求項56】
石油製品中の選択された化学物質の濃度が同じである、請求項50記載の方法。
【請求項57】
石油製品と、
一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸、メルカプタン、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ、及びイソチオシアノからなる群より選ばれる化合物である)
を有する、上記石油製品と均一に混合された化学物質
を含む組成物。
【請求項58】
石油製品中の選択された化学物質の濃度が少なくとも1ppbである、請求項57記載の組成物。
【請求項59】
石油製品中の選択された化学物質の濃度が1ppb〜100ppmである、請求項57記載の組成物。
【請求項60】
石油製品と、
一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトンである)
を有する化学物質
を含む組成物。
【請求項61】
石油製品中の選択された化学物質の濃度が少なくとも1ppbである、請求項60記載の組成物。
【請求項62】
石油製品中の選択された化学物質の濃度が1ppb〜100ppmである、請求項60記載の組成物。
【請求項63】
石油製品と、
一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸、メルカプタン、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ、及びイソチオシアノからなる群より選ばれる化合物である)
を有する、上記石油製品と均一に混合された1種以上の化学物質
を含む組成物。
【請求項64】
石油製品中の選択された化学物質の濃度が少なくとも1ppbである、請求項63記載の組成物。
【請求項65】
石油製品中の選択された化学物質の濃度が1ppb〜100ppmである、請求項63記載の組成物。
【請求項66】
石油製品中の化学物質の少なくとも1つの濃度が異なる、請求項63記載の組成物。
【請求項67】
石油製品中の化学物質の各々の濃度が同じである、請求項63記載の組成物。
【請求項68】
石油製品と、
一般式
RCAR’
(上式中、Rはアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
R’はアルキル、オレフィン、アリール、複素環及び水素からなる群より選ばれる化合物であり、
Aはケトン、アルコール、アミン、シアノ、サルフェート、ニトリル、ニトレート、ハロゲン、有機酸、メルカプタン、アルデヒド、ホルミル、チオシアノ、及びイソチオシアノからなる群より選ばれる化合物である)
を有する複数の化学物質
を含み、この化学物質が石油製品と均一に混合されており、複数の化学物質の少なくとも1つの濃度が化学物質の残りと異なっている組成物。
【請求項69】
複数の化学物質の少なくとも2つの濃度が異なる、請求項68記載の組成物。
【請求項70】
石油製品中の複数の化学物質の各々の濃度が少なくとも1ppbである、請求項68記載の組成物。
【請求項71】
石油製品中の複数の化学物質の各々の濃度が1ppb〜100ppmである、請求項68記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−517998(P2006−517998A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503128(P2006−503128)
【出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/002469
【国際公開番号】WO2004/068113
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(505286914)オーセンティックス,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】