説明

石炭貯蔵設備及び石炭貯蔵方法

【課題】より安全な石炭貯蔵設備及び石炭貯蔵方法を提供する。
【解決手段】本発明の石炭貯蔵設備及び石炭貯蔵方法によれば、貯炭槽102から払出機130により払い出された石炭が運搬される石炭搬出路140に散水装置150を配置した。これにより、貯炭槽102から払出機130により払い出された石炭が、再度、貯炭槽102に積み替えが行われる場合に、搬送される石炭に散水することができる。この散水により、水の気化熱によって石炭の熱を奪い温度を下げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所等において使用するまでの間、石炭を貯蔵する石炭貯蔵設備及び石炭貯蔵方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火力発電所は、石炭、石油、天然ガス等を燃料として、電気エネルギを得ている。これらの燃料のうち石炭は、輸送された後、ボイラで燃焼されるまでの期間、石炭貯蔵設備内の貯炭槽で積み上げて貯蔵される場合が多い。積み上げて貯蔵されると石炭は、時間の経過と共に酸化反応が進み、発熱する場合がある。
【0003】
このため、長期にわたり貯蔵される石炭が生じないように、石炭サイロの内部に複数個の貯炭槽を設け、それぞれの貯炭槽に石炭を分けて貯蔵し、貯蔵日時を記憶し、先に貯蔵された石炭から先に使用している(いわゆる先入れ先出し)。
しかし、石炭貯蔵量が多くなると、先入れ先出しを行っていても、石炭の貯蔵期間が長くなり、使用の順番が来る前に温度が上昇する場合もある。このため、一定期間経過した場合や、温度が上昇した場合に、石炭の積み替えを行い、石炭を搬送することにより空冷している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−45564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、石炭の積み替えを行い、石炭を搬送することにより空冷しても、冷却が不十分な場合もある。冷却が不十分な石炭は、積み替えを行ってもすぐに温度が上昇するため、安全面から好ましくない。
【0006】
本発明の課題は、より安全な石炭貯蔵設備及び石炭貯蔵方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。
【0008】
(1)本発明の石炭貯蔵設備は、互いに区画され内部に石炭が貯蔵可能な複数の貯炭槽と、前記複数の貯炭槽の上方に配置され石炭を受け入れる石炭受入れ部と、前記複数の貯炭槽の上方に配置され前記石炭受入れ部に受け入れられた石炭を該複数の貯炭槽に搬入する石炭搬入装置と、前記複数の貯炭槽の下方に配置され該複数の貯炭槽に貯蔵された石炭を該貯炭槽の下方から払い出す払出装置と、前記払出装置の下方に配置され該払出装置により払い出された石炭を搬出する石炭搬出路と、前記石炭搬出路の下流側に配置され該石炭搬出路により搬出された石炭を外部装置に供給する石炭供給路と、前記石炭搬出路の下流側に配置され該石炭搬出路により搬出された石炭を前記石炭受入れ部に返送する石炭返送路と、前記石炭搬出路により搬出される石炭の搬送路を、前記石炭供給路側又は前記石炭返送路側に切り替える搬送路切替部と、前記石炭搬出路に配置され該石炭搬出路を搬送される石炭に散水を施す散水装置と、を備える。
【0009】
上記石炭貯蔵設備によれば、石炭搬出路に散水装置を配置したので、搬送される石炭に散水することができる。散水された石炭は、水の気化熱又は、水量が多いときは流水によって熱が奪われて温度が下がるため、温度が低下する。
【0010】
(2)また、上記石炭貯蔵設備は、前記複数の貯炭槽それぞれにおける石炭が搬入された石炭搬入時を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された石炭搬入時から所定時間経過した貯炭槽に貯蔵された石炭を所定の貯炭槽に積み替えるように、前記払出装置、前記石炭返送路、前記搬送路切替部、前記石炭受入れ部及び前記石炭搬入装置を制御する積替制御部と、前記積替制御部により石炭が積み替えられる場合に前記石炭搬出路を搬送される石炭に散水を施すように前記散水装置を制御する散水装置制御部と、を更に備えてもよい。
【0011】
この石炭貯蔵設備によれば、石炭の積み替えを行う場合にのみ石炭に散水が施される。このため、外部装置に供給されて燃焼される石炭には散水されず、石炭の燃焼効率(発電効率)低下が防止される。
【0012】
(3)更に、前記複数の貯炭槽それぞれに設けられる複数の一酸化炭素濃度測定部と、
前記複数の貯炭槽それぞれに設けられる複数の温度測定部と、を更に備え、前記積替制御部は、前記複数の一酸化炭素濃度測定部により所定値以上の一酸化炭素濃度が測定された場合、又は前記複数の温度測定部により所定値以上の温度が測定された場合に、所定値以上の一酸化炭素濃度が測定された貯炭槽、又は所定値以上の温度が測定された貯炭槽に貯蔵された石炭を所定の貯炭槽に積み替えるように、前記払出装置、前記石炭返送路、前記搬送路切替部、前記石炭受入れ部及び前記石炭搬入装置を制御してもよい。
これによると、貯炭槽の一酸化炭素濃度又は温度が高くなった場合に石炭の積み替えが行われるので、石炭貯蔵設備の安全性が向上される。
【0013】
(4)前記積替制御部は、前記複数の貯炭槽のうち払い出しを行った貯炭槽に石炭を循環させてもよい。
この石炭貯炭設備によれば、石炭の積み替えが行われる場合、もともと貯蔵されていた貯炭槽に戻されるので、複数の貯炭槽に貯蔵されている石炭の管理の効率化を図ることができる。
【0014】
(5)本発明の石炭貯蔵方法は、互いに区画され内部に石炭が貯蔵可能な複数の貯炭槽と、前記複数の貯炭槽の上方に配置され石炭を受け入れる石炭受入れ部と、前記複数の貯炭槽の上方に配置され前記石炭受入れ部に受け入れられた石炭を該複数の貯炭槽に搬入する石炭搬入装置と、前記複数の貯炭槽それぞれにおける石炭が搬入された石炭搬入時を記憶する記憶部と、前記複数の貯炭槽の下方に配置され該複数の貯炭槽に貯蔵された石炭を該貯炭槽の下方から払い出す払出装置と、前記払出装置の下方に配置され該払出装置により払い出された石炭を搬出する石炭搬出路と、前記石炭搬出路の下流側に配置され該石炭搬出路により搬出された石炭を外部装置に供給する石炭供給路と、前記石炭搬出路の下流側に配置され該石炭搬出路により搬出された石炭を前記石炭受入れ部に返送する石炭返送路と、前記石炭搬出路により搬出される石炭の搬送路を、前記石炭供給路側又は前記石炭返送路側に切り替える搬送路切替部と、前記石炭搬出路に配置され該石炭搬出路を搬送される石炭に散水を施す散水装置と、前記複数の貯炭槽それぞれにおける石炭が搬入された石炭搬入時を記憶する記憶部と、を備え、前記記憶部に記憶された石炭搬入時から所定時間経過した貯炭槽に貯蔵された石炭を所定の貯炭槽に積み替えるように、前記払出装置、前記石炭返送路、前記搬送路切替部、前記石炭受入れ部及び前記石炭搬入装置を制御し、石炭が積み替えられる場合に前記石炭搬出路を搬送される石炭に散水を施すように前記散水装置を制御する。
【0015】
この石炭貯蔵方法によれば、上記(1)と同様に、石炭搬出路に散水装置を配置したので、搬送される石炭に散水することができる。散水された石炭は、水の気化熱により冷却効果が高まるため、石炭の温度が低下される。また、上記(2)と同様に、石炭の積み替えを行う場合にのみ石炭に散水が施されるので、外部装置に供給されて燃焼される石炭には散水されず、石炭の燃焼効率(発電効率)低下が防止される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、より安全な石炭貯蔵設備及び石炭貯蔵方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】火力発電所における石炭サイロ、ボイラ、タービン及び発電機の関係を示す図である。
【図2】石炭サイロ及びその周囲の石炭搬送装置を含む石炭貯蔵設備を示す図である。
【図3】石炭サイロの下部に備えられた石炭搬出用のホッパ、払出機及びホッパ下コンベアを説明する図である。
【図4】石炭貯蔵設備の搬送制御システムのブロック図である。
【図5】搬送制御装置の外部供給制御を示すフローチャートである。
【図6】石炭の石炭積替制御を含む、全体的な制御を示すフローチャートである。
【図7】石炭積替制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態に係る火力発電所の石炭貯蔵設備について説明する。図1は、火力発電所における石炭サイロ4、ボイラ7、タービン10,11,12及び発電機13,14の関係を示す図である。なお、図を簡単に分かりやすくするため、火力発電所におけるその他の機器は省略してある。石炭船1で火力発電所まで運ばれた石炭は、連続式揚炭機(アンローダ)2で石炭船1からサイロ行コンベア4Aに陸揚げされ、石炭サイロ4に運ばれて、実際に使用されるまでの期間、一時的に貯蔵される。
【0019】
石炭サイロ4での貯蔵後、石炭は、バンカ行コンベア4Bによりバンカ5に搬送される。バンカ5に搬送された石炭は、高性能微粉炭機6で粉末(微粉炭)にされてボイラ7に投入される。微粉炭はボイラ7内で燃焼して、給水8を高温(例えば、約600度)の熱エネルギを有する蒸気9に変える。この蒸気9は、高圧タービン10や中圧タービン11で機械エネルギとなってこれらを回転させ、これらに連結された発電機13を駆動して電気エネルギを生成する。また、余熱を低圧タービン12に導き、これに連結された発電機14も駆動する。
【0020】
図2は、石炭サイロ4及びその周囲の石炭搬送装置を含む石炭貯蔵設備100の一例を示す図である。石炭サイロ4は、その周囲を外壁101で囲まれている。
【0021】
図2に示すように、石炭サイロ4の貯炭エリアは、横方向(図2におけるY方向)にA,B,Cの3列に区分けされ(A,B,Cの符号は外壁101の屋根に図示)、各列は更に、縦方向(図2におけるX方向)にa,b,c,dの4つに区分けされ(a,b,c,dの符号は外壁101の側面下部に図示)、合計12個の貯炭槽102を備えている。なお、貯炭槽102の数は、これに限定されず、それ以上でもそれ以下でもよい。
【0022】
各貯炭槽102を形成する隔壁は、鉛直方向(Z方向)に延びる主柱104と、隣接する主柱104間において複数本鉛直方向(Z方向)に延びる主柱104より細い中間柱105及び水平方向のリング梁106とを有する。
【0023】
石炭貯蔵設備100は、サイロ行コンベア4Aで運ばれてきた石炭を受け入れて、貯炭槽102に石炭を搬送する受入れコンベア(石炭受入れ部)20(20A,20B,20C)を備える。受入れコンベア20AはA列の貯炭槽102に石炭を搬送し、受入れコンベア20BはB列の貯炭槽102に石炭を搬送し、受入れコンベア20CはC列の貯炭槽102に石炭を搬送する。また、受入れコンベア20は、それぞれ、貯炭槽102の上部に設けられた積付機(石炭搬入装置)108(108A,108B,108C)に連結されている。積付機108Aは受入れコンベア20Aに連結され、積付機108Bは受入れコンベア20Bに連結され、積付機108Cは受入れコンベア20Cに連結されている。積付機108は、各貯炭槽102上を縦方向(図中X方向)に移動可能で、いずれかの貯炭槽102内部に石炭を落下可能となっている。
【0024】
図3は、貯炭槽102の下部に備えられた石炭搬出用のホッパ110、払出機130(払出装置)及びホッパ下コンベア(石炭搬出路)140を説明する図である。ホッパ(hopper)は、一般に石炭等を流下させる漏斗、つまり、じょうご状の装置を意味する。本実施形態でホッパ110は、各貯炭槽102の下部に設置されている。ホッパ110は、格子状に構成されたホッパ壁を備える。縦方向(図中X方向)に延在するホッパ壁111,112,113,114…のうち、奇数番目のホッパ壁111,113,…の側壁は斜めになっている。そして、貯炭槽102の下部は、隣接する奇数番目のホッパ同士によって底部へ石炭を流し込む逆台形形状の空間を有している。この空間の中に偶数番目のホッパ壁112,114…が配置され、偶数番目のホッパ壁の下側には、ホッパの底部との間に、隙間133が形成され、その隙間133に、ホッパ壁112,114…に沿って移動可能な払出機130が設置されている。また、横方向にもホッパ壁121,122,123…が延び、これらの横方向ホッパ壁121,122,123…によって縦方向ホッパ壁111,112,113,114…の強度の確保と位置決めがなされている。
【0025】
払出機130は、各々が円弧状であって放射状に延びた6本の爪部材を持った回転部材131を有する。回転部材131は、上述のように、偶数番目のホッパ壁112,114…の隙間133の内部において、爪部材が隙間133に配置されるようにしてホッパ壁112,114…に沿って移動可能に設けられている。また、ホッパ110における偶数番目のホッパ壁112,114…の底部には、払出機130の移動方向に沿ってスリット132が設けられている。
【0026】
スリット132の下部には、ホッパ下コンベア140が設置されている。払出機130は、回転部材131を回転させながら、ホッパ内に貯蔵された石炭の内部を偶数番目のホッパ壁112,114…の各々に沿って移動する。これにより、石炭が隙間133から払い出され、スリット132を通過してホッパ下コンベア140に払い出されるようになっている。
【0027】
図2に戻り、ホッパ下コンベア140は、貯炭槽102の外部まで延びている(図中Xプラス方向)。そしてホッパ下コンベア140の、搬送終点付近には、搬送された石炭に散水するための散水装置150が設けられている。
【0028】
散水装置150は、それぞれのホッパ下コンベア140に対して1機ずつ設けられている。散水装置150は、石炭サイロ4の外部に延びるホッパ下コンベア140の上部を跨ぐように架け渡された水管である。その水管におけるホッパ下コンベア140の上部に位置する部分には、複数の孔が形成されている。その孔からは、後述する制御部の制御によって、下を通る被搬送物である石炭に対して、適宜水を噴き付けることが可能で、この散水によって石炭が水冷される。
【0029】
ホッパ下コンベア140の搬送終点の下部には、一次払出コンベア(石炭搬出路)160が横方向(図2におけるY方向)に配置され、ホッパ下コンベア140に払い出された石炭は、一次払出コンベア160に受け渡される。一次払出コンベア160の搬送終点には、一次払出コンベア160に対して垂直に設けられた二次払出コンベア(石炭搬出路)161が配置されている。一次払出コンベア160によって搬出された石炭は、二次払出コンベア161でその移動方向を90度変換され、図2においてXマイナス方向に搬送される。
【0030】
二次払出コンベア161の搬送終点には、搬送路切替部162が設けられている。搬送路切替部162は、後述する制御装置の指示により、二次払出コンベア161から運ばれた石炭を、石炭貯蔵設備100の外部、即ちボイラ7で燃焼させるためにバンカ5へ送り出すバンカ行コンベア(石炭供給路)4Bに乗せるか、又は、再度、貯炭槽102に貯蔵させるため再循環コンベア163(石炭返送路)に載せるかの切り替えを行う。
【0031】
再循環コンベア163は、搬送路切替部162から延び、石炭を貯炭槽102に積み替えするように、受入れコンベア20に連結されている。
【0032】
次に、石炭貯蔵設備100の搬送制御システムに200ついて説明する。図4は、その搬送制御システム200を示すブロック図である。搬送制御システム200は、石炭の状態を監視する監視装置210と、石炭を移動させる石炭搬送装置220と、それらの監視装置210及び石炭搬送装置220を制御する制御装置230とを備える。
【0033】
監視装置210は、石炭の貯蔵期間を計測するタイマ211と、このタイマ211に接続され石炭の貯蔵期間を記憶する貯蔵期間記憶部212とを有している。各貯炭槽102の石炭が搬入(積み替えも含む)されると、タイマ211による計時が開始され、計時されている貯蔵期間データは貯蔵期間記憶部212に送られる。貯蔵期間記憶部212は、貯蔵期間データを、制御装置230に送る。
【0034】
また監視装置210は、貯蔵石炭の温度を感知する温度センサ213と、この温度センサ213に接続され、貯蔵石炭の温度を監視する温度監視部214とを有している。温度センサ213は、それぞれの貯炭槽102ごとに、ホッパ110の頂部における同一水平位置に6ヶ所、及び、ホッパ110の頂部よりも上である貯炭槽102の内部において、異なる水平位置に6ヶ所設置されている(いずれも図示せず)。温度センサ213で感知された温度データは、温度監視部214に送信される。温度監視部214は、どの貯炭槽102の、温度センサ213かというデータと共に、この温度データを制御装置230に送る。
【0035】
更に、監視装置210は、各貯炭槽102に設置されたガスセンサ215と、このガスセンサ215に接続され、ガス濃度を監視するガス濃度監視部216とを有している。ガスセンサ215は、CO濃度を測定可能で、それぞれの貯炭槽102ごとに、ホッパ110の頂部においてY方向に等間隔で3ヶ所、及び貯炭槽102の内部に1ヶ所設置されている。更にサイロ全体としての上部に1ヵ所設置されている(いずれも図示せず)。
【0036】
ガスセンサ215で感知されたCOガス濃度データは、ガス濃度監視部216に送信される。ガス濃度監視部216は、どの貯炭槽102のどのガスセンサ215かというデータと共に、このCOガス濃度データを制御装置230に送る。
【0037】
制御装置230は、搬送制御部(積替制御部)231と、散水制御部232と、を備える。搬送制御部231は、貯蔵期間記憶部212からの貯蔵期間データ、温度監視部214からの温度データ、及びガス濃度監視部216からのCOガス濃度データに基づき、石炭を外部に送り出すか、積み替え(再循環)を行うかを制御する。
【0038】
散水制御部232は、搬送制御部231が積み替えを行うと判断した場合に、散水を行うように散水装置150を制御する。
【0039】
制御装置230は、通常のコンピュータでよく、少なくとも、演算機能を有するCPUと、再循環制御を実行するコンピュータ・プログラムが蓄積されたROMと、作業領域であるRAM、貯蔵期間記憶部212、温度監視部214、ガス濃度監視部216及び石炭搬送装置220に接続された入出力制御装置と、モニタ(いずれも図示せず)と、を有している。
【0040】
石炭搬送装置220は、上述の搬送制御部231の制御に基づいて、石炭を外部に送り出し、又は、再循環させる装置である。石炭搬送装置220は、上述の払出機130、ホッパ下コンベア140、一次払出コンベア160、搬送路切替部162、バンカ行コンベア4B、再循環コンベア163、受入れコンベア20、積付機108を含む搬送部全体をいう。
【0041】
次に、本実施形態の石炭貯蔵設備100で実行される動作について説明する。
【0042】
(先入れ先出し)
まず、上述の石炭貯蔵設備100における、基本的動作である先入れ先出し動作について説明する。貯炭槽102において石炭の平均貯蔵期間を出来るだけ短くするため、原則として、石炭の貯炭槽102への搬入及び外部への搬出は「先入れ先出し」により運用される。
【0043】
サイロ行コンベア4Aで運ばれてきた新しい石炭は、石炭サイロ4の貯炭槽102に受入れコンベア20によって導かれ、積付機108により槽内に落とされ、貯炭槽102に貯蔵される。
【0044】
貯炭槽102で貯蔵が開始されると、タイマ211の計時が開始される。タイマ211の計時に基づき石炭の貯蔵期間が貯蔵期間記憶部212によって管理される。そして、石炭使用時(外部に供給してボイラで燃焼させる場合)において、制御装置230は、貯蔵期間記憶部212によって管理された貯蔵期間に基づいて、貯蔵期間の最も貯炭槽102の石炭を外部供給するように制御する(以下、この制御を外部供給制御という)。
【0045】
図5は、制御装置230の外部供給制御を示すフローチャートである。
ステップ101(以下、ステップをSで表す)において制御装置230は、上述した貯蔵期間の長い貯炭槽102におけるホッパ25の下部に設置された払出機130を作動させる。これによって、払出機130の回転部材131が回転し、各貯炭槽102の下に形成されたスリット132から石炭は、ホッパ下コンベア140に払い出される。
【0046】
S102において、ホッパ下コンベア140を作動させ、ホッパ下コンベア140上に落下した石炭を搬送する。この場合、散水装置150は作動しない。S103において、一次払出コンベア160及び二次払出コンベア161を作動させる。ホッパ下コンベア140で搬送された石炭は一次払出コンベア160に移送され、次いで二次払出コンベア161で搬送される。
【0047】
S104において搬送制御部231は、搬送路切替部162において二次払出コンベア161とバンカ行コンベア4Bとを連結し、S105において、バンカ行コンベア4Bを作動する。これにより、二次払出コンベア161により運ばれた石炭は、外部へ搬出、即ちバンカ行コンベア4Bに乗せられてバンカ5へ運ばれて、ボイラ7で燃焼される。
【0048】
このように、本実施形態の、先入れ先出し方式によると、貯蔵期間の長い貯炭槽102から、また、同一の貯炭槽102においても先に貯蔵された石炭から外部へ搬出される。また、この場合、散水装置150は作動せず、石炭に散水は行われない。
したがって、外部装置に供給されて燃焼される石炭には散水されないので、外部に供給される石炭の燃焼効率(発電効率)の低下を防止することができる。
【0049】
(積み替え)
次に、石炭積み替え動作について説明する。図6は、石炭の石炭積替制御を含む、全体的な制御を示すフローチャートである。図7は石炭積替(再循環)制御を示すフローチャートである。
【0050】
まず、石炭は、受入れコンベア20によって運搬され、積付機108により貯炭槽102内に落下されて貯蔵される。貯炭槽102で貯蔵が開始されると、タイマ211の計時が開始される。タイマ211の計時に基づき石炭の貯蔵期間が貯蔵期間記憶部212によって管理される。以上は上述の先入れ先出しの場合と同様である。
【0051】
図6に示すように、制御装置230は、まず、S201において、貯蔵期間記憶部212から石炭搬入後からの貯蔵期間データを読み込む。
【0052】
S202で、この貯蔵期間が第1の期間(本実施形態では1.5ヶ月)を超えているか否かを判定する。超えていなければ(S202,No)、S203に進む。超えていれば(S202,Yes)、後述のS211に進み、制御装置230は石炭貯蔵設備100が石炭の積み替えを行うように図7で示す積替制御を行う。
【0053】
図7の積替制御では搬送制御部231の外部供給制御と同様に、S301において貯炭槽102におけるホッパ25の下部に設置された払出機130を作動させる。これによって、払出機130の回転部材131が回転し、各貯炭槽102の下に形成されたスリット132から石炭は、ホッパ下コンベア140に払い出される。S302においてホッパ下コンベア140を作動し、ホッパ下コンベア140上の石炭を搬送する。
【0054】
次に、S303において外部供給制御と異なり、散水装置150を作動させる。これによって散水装置150の穴から散水され石炭に水がかかる。
【0055】
S304において一次払出コンベア160及び二次払出コンベア161を作動させる。ホッパ下コンベア140で搬送され、散水されて湿潤した石炭は一次払出コンベア160に移送され、次いで二次払出コンベア161で搬送される。
【0056】
S305において搬送制御部231は、搬送路切替部162において二次払出コンベア161と再循環コンベア163とを連結させる。これにより、石炭は、再循環コンベア163によって搬送されて受入れコンベア20に運ばれる。そして石炭は、一次払出コンベア161、二次払出コンベア161、及び再循環コンベア163を搬送されながら気化熱によって温度が低下する。
【0057】
S306において制御装置230は、再循環コンベア163及び受入れコンベア20を作動させる。サイロ行コンベア4Aによって運ばれた新規搬入の石炭と同じように、再循環コンベア163によって運ばれた石炭も積付機108に運ばれ、再び元の貯炭槽102に戻される。なお、元の貯炭槽102に戻す場合、貯蔵されている石炭の管理の効率化を図れるという利点がある。ただし、これに限定されず、他の貯炭槽102に戻すこともできる。
【0058】
本実施形態で石炭は、散水されて湿潤している。このため、石炭は、一次払出コンベア160、二次払出コンベア161及び再循環コンベア163によって搬送される際に水の気化熱によって熱が奪われて温度が下がる。
【0059】
「先入れ先出し」の順番がこなくとも、貯蔵期間が一定の期間を超えている場合に、石炭積み替えを行うのは以下の理由による。
【0060】
本実施形態では、石炭利用において原則として、上述の「先入れ先出し」が採用され、貯炭槽102内にある古い石炭から先に出して平均貯炭期間を短くしている。しかし、石炭貯蔵量が多くなると、貯蔵期間が長くなり、長期貯蔵すると、石炭の温度が上昇する可能性がある。このため、石炭搬入後から一定の期間である第1の期間(例えば、1.5ヶ月)を超えて貯蔵する場合は、まだ使用の順番が来ない場合であっても、一旦コンベア上を搬送させ、空冷するのが好ましいからである。
【0061】
このように温度の上がった貯蔵石炭をベルトコンベアで移動することで石炭の温度を下げることができる。石炭は、全く空気が存在しないところでは酸化反応をおこさないため発熱しないが、わずかな空気がゆっくりと流れるような状態で一番発熱しやすい。しかし、コンベア等を用いて搬送して大量の空気に触れる状態にすると、石炭の発熱量より放散熱量の方が多くなり、石炭の温度は下がる。したがって、サイロに貯蔵されて一旦温度が上がった石炭は、コンベアを用いてサイロ外に払い出し、再びサイロ内に戻す再循環をさせることにより空冷が行われる。本実施形態では更に、散水装置150が作動されるので、石炭に散水され、石炭の温度を低下させることができる。
【0062】
なお、本実施形態で第1の期間として採用する1.5ヶ月は、本出願人の電発石川火力の石炭昇温実績値、三隅発電所の昇温率の高い石炭(例えば、ブレアソール炭)の昇温実績値より求めた値である。
【0063】
図6に戻り、S202において貯蔵期間が1.5ヶ月を超えていなければ、S203に進む。S203で、制御装置230は、温度監視部214から、どの貯炭槽102のどの温度センサ213かというデータと共に温度データを読み込む。
【0064】
S204で、ホッパ頂部温度thが、第1の温度(例えば、45度)を超えているか否かを判定する。超えていれば、S211に進む。超えていなければ、S205に進む。S205で、サイロ内部温度tsが、第2の温度(例えば、55度)を超えているか否かを判定する。超えていれば、S211に進む。超えていなければ、S206に進む。
【0065】
このように、ホッパ頂部温度th及びサイロ内部温度tsを測定するのは以下の理由による。
【0066】
上述のように、長期貯蔵すると、石炭の温度が上昇する可能性があるため、S202では第1の期間を超えたかどうかを判断している。しかし、第1の期間を超えない場合であっても、石炭の温度が上昇する可能性がある。このため、ホッパ頂部温度thを監視し、その温度が45度(摂氏、以下同じ)になった時点でS211へ進み、積み替えを行う。また、ホッパ頂部温度thが45度にならなくとも、サイロ内部温度tsが55度になった時点でS211進み、積み替えを行う。
【0067】
ホッパ頂部温度thにおける第1の温度を45度、サイロ内部温度tsにおける第2の温度を55度としたのは以下の理由による。
【0068】
貯蔵された石炭の性質として、酸化開始温度(60度程度)となると低温酸化域に入り徐々に昇温を始め、蒸発開始温度(70度程度)になると低温酸化域が終わり徐々に石炭水分の蒸発が始まり、赤熱開始温度(85度程度)になると石炭水分が蒸発し放置すると急速に赤熱に至る。
【0069】
ホッパ頂部温度thは、この頂部の複数の箇所に設置された(例えば、6点の)温度計で計測した温度である。貯炭槽102に貯蔵された石炭におけるホッパ頂部温度は、貯炭槽102の内部温度よりも一般的に低い。このため、貯炭槽102の内部温度が、赤熱開始温度、蒸発開始温度、赤熱開始温度になる前の、警戒温度としてホッパ頂部温度thを45度としている。
【0070】
サイロ内部温度tsとはサイロの槽内部で石炭内部に吊した複数個の(例えば、5点の)ワイヤ式温度計で石炭温度を計測した温度である。第2の温度である55度は、石炭の赤熱開始温度に対して、積み替え(再循環)に要する時間とその積み替え時間における石炭の温度上昇から求めた温度である。
【0071】
図6に戻り、S205においてサイロ内部温度tsが55度を超えていなければ、S206に進む。S206で、ガス濃度監視部216から、どの貯炭槽102のどのガスセンサかというデータと共に、COガス濃度データを読み込む。
【0072】
S207で、COガス濃度が酸化開始を示す第1の濃度(本実施形態では5ppm)を超えているか否かが判定される。超えていれば、S208に進み、監視が強化され、更にS09に進む。超えていなければ、直接S209に進む。
【0073】
S208では、石炭発熱に対する監視が強化される。監視とは、サイロ内監視であり、毎日定時刻にITV(工業用テレビジョン)(図示せず)を使用して12個の槽を順次確認し、更に1回/日の頻度で行う監視員のパトロールである。S209では、このITVによる槽内の確認作業、監視員のパトロールの頻度を更に頻繁に行うようにする。
【0074】
S209で、COガス濃度が直ちに積み替えを要する第2の濃度(本実施形態では20ppm)を超えているか否かが判定される。超えていれば、S211に進み、超えていなければ、S201に戻る。
【0075】
第1の濃度5ppmは、この濃度がガスセンサ215の検出限界濃度であり、また僅かではあるが石炭の酸化が始まっていることを示す濃度である。5ppmが検出されたら、ここで監視強化体制に入る。第2のCO濃度の20ppmは、過去の実績データより石炭の酸化が本格的に起こっていることを示すCO濃度である。20ppmが検出されたら、直ちに石炭積み替えを開始する。
【0076】
石炭の温度上昇は、最初は貯蔵石炭に均一に起こるのものではなく局部的に発生し、その後温度上昇は徐々に拡がる。したがって、温度監視用の温度計を用いて、各槽当たり数万トンの石炭を10数箇所で測定するだけでは、石炭の温度上昇を確実に検知することができない場合がある。
【0077】
しかし、石炭は温度が上がっていくと一酸化炭素(CO)を必ず発生する。COは空気より軽いため、石炭サイロの上部に集まってくる。したがって、貯炭槽102の上部にガスセンサ215を設置してCO濃度を監視することで、局部的な石炭の発熱も早期に検知することができる。
【0078】
CO濃度測定のためのガスセンサ215は、人体に対する安全確保のための労働安全法の要請により石炭サイロ4の内部に予め設置されたものであり、これを利用している。
【0079】
S212で、石炭の積み替えが終了したか否かが判定される。終了していなければ、S211に戻り、石炭の積み替え作業が継続される。終了していれば、S201に戻る。
【0080】
以上、本実施形態の石炭貯蔵設備100及び石炭貯蔵方法によれば、石炭の積み替えが行われる際に、散水装置150が作動される。これによって石炭は、水の気化熱によって熱が奪われて温度が下がる。したがって石炭貯蔵設備の安全性を高めることができる。
【0081】
また、石炭の積み替えを行う場合にのみ石炭に散水が施される。このため、外部装置に供給されて燃焼される石炭には散水されず、石炭の燃焼効率(発電効率)低下を防止することができる。貯炭槽において一定期間経過した場合、一酸化炭素濃度が高くなった場合、又は温度が高くなった場合に石炭の積み替えが行われるので、石炭貯蔵設備の安全性を向上することができる。
【0082】
以上、説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0083】
4:石炭サイロ、4B:バンカ行コンベア、20(20A,20B,20C):受入れコンベア、100:石炭貯蔵設備、102:貯炭槽、108:積付機、110:ホッパ、130:払出機、140:ホッパ下コンベア、150:散水装置、160:一次払出コンベア、161:二次払出コンベア、162:搬送路切替部、163:再循環コンベア、210:監視装置、212:貯蔵期間記憶部、213:温度センサ、214:温度監視部、215:ガスセンサ、216:ガス濃度監視部、230:制御装置、231:搬送制御部、232:散水制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに区画され内部に石炭が貯蔵可能な複数の貯炭槽と、
前記複数の貯炭槽の上方に配置され石炭を受け入れる石炭受入れ部と、
前記複数の貯炭槽の上方に配置され前記石炭受入れ部に受け入れられた石炭を該複数の貯炭槽に搬入する石炭搬入装置と、
前記複数の貯炭槽の下方に配置され該複数の貯炭槽に貯蔵された石炭を該貯炭槽の下方から払い出す払出装置と、
前記払出装置の下方に配置され該払出装置により払い出された石炭を搬出する石炭搬出路と、
前記石炭搬出路の下流側に配置され該石炭搬出路により搬出された石炭を外部装置に供給する石炭供給路と、
前記石炭搬出路の下流側に配置され該石炭搬出路により搬出された石炭を前記石炭受入れ部に返送する石炭返送路と、
前記石炭搬出路により搬出される石炭の搬送路を、前記石炭供給路側又は前記石炭返送路側に切り替える搬送路切替部と、
前記石炭搬出路に配置され該石炭搬出路を搬送される石炭に散水を施す散水装置と、を備える石炭貯蔵設備。
【請求項2】
前記複数の貯炭槽それぞれにおける石炭が搬入された石炭搬入時を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された石炭搬入時から所定時間経過した貯炭槽に貯蔵された石炭を所定の貯炭槽に積み替えるように、前記払出装置、前記石炭返送路、前記搬送路切替部、前記石炭受入れ部及び前記石炭搬入装置を制御する積替制御部と、
前記積替制御部により石炭が積み替えられる場合に前記石炭搬出路を搬送される石炭に散水を施すように前記散水装置を制御する散水装置制御部と、を更に備える請求項1に記載の石炭貯蔵設備。
【請求項3】
前記複数の貯炭槽それぞれに設けられる複数の一酸化炭素濃度測定部と、
前記複数の貯炭槽それぞれに設けられる複数の温度測定部と、を更に備え、
前記積替制御部は、前記複数の一酸化炭素濃度測定部により所定値以上の一酸化炭素濃度が測定された場合、又は前記複数の温度測定部により所定値以上の温度が測定された場合に、所定値以上の一酸化炭素濃度が測定された貯炭槽、又は所定値以上の温度が測定された貯炭槽に貯蔵された石炭を所定の貯炭槽に積み替えるように、前記払出装置、前記石炭返送路、前記搬送路切替部、前記石炭受入れ部及び前記石炭搬入装置を制御する請求項2に記載の石炭貯蔵設備。
【請求項4】
前記積替制御部は、前記複数の貯炭槽のうち払い出しを行った貯炭槽に石炭を循環させる請求項2又は3に記載の石炭貯蔵設備。
【請求項5】
互いに区画され内部に石炭が貯蔵可能な複数の貯炭槽と、
前記複数の貯炭槽の上方に配置され石炭を受け入れる石炭受入れ部と、
前記複数の貯炭槽の上方に配置され前記石炭受入れ部に受け入れられた石炭を該複数の貯炭槽に搬入する石炭搬入装置と、
前記複数の貯炭槽それぞれにおける石炭が搬入された石炭搬入時を記憶する記憶部と、
前記複数の貯炭槽の下方に配置され該複数の貯炭槽に貯蔵された石炭を該貯炭槽の下方から払い出す払出装置と、
前記払出装置の下方に配置され該払出装置により払い出された石炭を搬出する石炭搬出路と、
前記石炭搬出路の下流側に配置され該石炭搬出路により搬出された石炭を外部装置に供給する石炭供給路と、
前記石炭搬出路の下流側に配置され該石炭搬出路により搬出された石炭を前記石炭受入れ部に返送する石炭返送路と、
前記石炭搬出路により搬出される石炭の搬送路を、前記石炭供給路側又は前記石炭返送路側に切り替える搬送路切替部と、
前記石炭搬出路に配置され該石炭搬出路を搬送される石炭に散水を施す散水装置と、
前記複数の貯炭槽それぞれにおける石炭が搬入された石炭搬入時を記憶する記憶部と、を備え、
前記記憶部に記憶された石炭搬入時から所定時間経過した貯炭槽に貯蔵された石炭を所定の貯炭槽に積み替えるように、前記払出装置、前記石炭返送路、前記搬送路切替部、前記石炭受入れ部及び前記石炭搬入装置を制御し、
石炭が積み替えられる場合に前記石炭搬出路を搬送される石炭に散水を施すように前記散水装置を制御する石炭貯蔵方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−241050(P2011−241050A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114666(P2010−114666)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】