説明

石目調内装材及びその製造方法

【課題】石目調内装材として、石目の凹凸部やエッジを正確かつ容易に表現でき、内装材の施工状態で衝突時の安全性を維持できるようにする。
【解決手段】軟質ウレタン材(軟質発泡材)からなる基材1の表面に、割石面の石目を示す複数の凹部3及び凸部4が成形によって形成され、その表面が塗装されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石目調内装材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表面に石目が形成された石目調の建材として、特許文献1に示されているように、合成樹脂発泡板の表面を有機溶剤により溶かして、その軟らかくなった表面に自然砂や人工砂等の表層材を吹き付けて付着させた擬石板が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−81624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、石目調の表面を有する擬石の狙いは、本物の石を可能な限り忠実に似せることにあり、そのため、硬さも石に似てできるだけ硬いものとする考え方が一般的である。
【0005】
しかし、そのため、本物の石に比べて、軽量であるという効果が得られるものの、重量制限や金型製造の都合上、石目の凹凸部を表現することに制約があり、また、本物の石材を切り出したエッジの表現が困難になる。仮に、エッジが表現できたとしても、衝突時の安全性があり、使用上の問題が生じるため、特に内装材においては、鋭く尖った先端部を丸くしたり、切削加工により生じた角部を面取り又はR面取りしたりする等して、衝突時に怪我をしないように配慮されることが一般的であった。
【0006】
しかし、これらの加工により、石本来の本物感が損なわれるという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、石目調内装材の構成を改良することにより、石目の凹凸部やエッジを正確かつ容易に表現でき、内装材の施工状態でも衝突時の安全性を維持できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明では、内装材を構成する基材を軟質発泡材とし、その基材の表面に、石肌面を有する凹凸面を形成するようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明に係る石目調内装材は、弾性を有する軟質発泡材からなる基材の表面に、石目を表す凹凸部が成形によって形成されていることを特徴とする。
【0010】
この請求項1の発明では、弾性を有する軟質発泡材からなる基材の表面に石目を表す凹凸部が成形によって形成されているので、その凹凸部の成形により、石材を切断し又は割った際に得られる直角のエッジや逆エッジ、石の切断面や割り面の微細な部分まで表現することができる。
【0011】
また、基材が軟質発泡材であるので、上記エッジが立っても衝突安全性を確保することができる。
【0012】
さらに、こうして石目調内装材の見掛けは本物の石と変わらず、その表面の凹凸感や質感を石に似せて表現できるのに対し、表面に力を加えて押すと、軟質発泡材の基材が凹陥する。すなわち、外観上の見た目は硬質な石の外観であるが、触れた際の感触はソフトとなり、両者のギャップが極めて大きくなり、意外感を生じさせることができる。
【0013】
また、一般に、表面に凹凸部が形成された硬質材料は反りが出るが、この発明に係る石目調内装材は、基材が軟質発泡材で硬質材料よりも軟らかいので、反りが出難く、しかも柔軟性があることから、施工時の寸法調整も容易となる。
【0014】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記石目が内部に結晶を有する火成岩又は変成岩からなる鉱物を割石加工した意匠面を含むものであり、当該石目の凹凸部は割石面を表していて、鉱物の結晶面を表す結晶面部を有することを特徴とする。
【0015】
この請求項2の発明では、石目が内部に結晶を有する火成岩又は変成岩からなる鉱物を割石加工した意匠面を含み、当該石目の凹凸部が割石面を表し、鉱物の結晶面を表す結晶面部を有するので、石目調内装材の割石面表面の鋭い凹凸感、割石面表面に現出する結晶面のキラキラ感や質感を本物の石により一層似せてリアルに表現することができる。
【0016】
請求項3の発明では、上記石目調内装材は、壁材に用いられていることを特徴とする。また、請求項4の発明では、上記石目調内装材は、出隅材に用いられていることを特徴とする。
【0017】
このことで、上記請求項1又は2の発明の効果が有効に発揮される最適な壁材や出隅材が得られる。特に、空間の出隅に施工される出隅材は衝突し易い部分であるが、請求項4の発明のように、その出隅材が軟らかい内装材で構成されているので、衝突による安全性が高くなる。
【0018】
請求項5の発明では、上記請求項3の発明において、石目調内装材は音響室の壁材に用いられていることを特徴とする。
【0019】
この発明では、石目調内装材の表面に石目を表す凹凸部が形成されているので、音の拡散効果が得られるとともに、基材を構成している軟質発泡材による吸音効果も得られ、音響室の音響特性を高めることができる。
【0020】
請求項6の発明は、上記請求項1又は2の発明の石目調内装材を製造する方法の発明であり、この発明では、石目が内部に結晶を有する火成岩又は変成岩からなる鉱物を割って、その表面に現れた結晶面を含む石目に溶融シリコン樹脂を押し当ててシリコン型を取り、次いで、そのシリコン型に軟質発泡材を流し込んで発泡成形させることを特徴とする。
【0021】
この発明では、割った鉱物の表面に現れる結晶面を含む石目に溶融シリコン樹脂を押し当ててシリコン型を取り、そのシリコン型に軟質発泡材を流し込んで発泡成形させることで、表面に凹凸部の石目を有する石目調内装材が得られる。よって、上記石目調内装材を容易に製造することができる。
【0022】
また、請求項7の発明では、上記請求項6の発明の石目調内装材の製造方法において、上記シリコン型に溶剤系弾性樹脂塗料を均一に塗布し、その表面に軟質発泡材を流し込んで塗料と一体になるように発泡成形させることを特徴とする。このことにより、塗膜表面がシリコン型と同一になるため、石目調内装材の割石面表面の鋭い凹凸感、割石面表面に現出する結晶面のキラキラ感や質感を本物の石により一層似せてリアルに表現することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、請求項1の発明によると、軟質発泡材からなる基材表面に、石目を表す凹凸部を成形によって形成したことにより、石材を切断し又は割った際に得られる直角のエッジや逆エッジ、石の切断面や割り面の微細な部分まで表現することができるとともに、エッジが立っても衝突安全性を確保することができる。さらに、硬質な意匠の外観と触れた際の感触とのギャップを大きくして意外感を生じさせることができる。さらに、反りが出難く、施工時の寸法調整も容易な石目調内装材が得られる。
【0024】
請求項2の発明では、石目が内部に結晶を有する火成岩又は変成岩からなる鉱物を割石加工した意匠面を含むものであり、当該石目の凹凸部は割石面を表していて、鉱物の結晶面を表す結晶面部を有するものとしたことにより、石目調内装材の割石面表面の鋭い凹凸感、割石面表面に現出する結晶面のキラキラ感や質感を本物の石により一層似せてリアルに表現することができる。
【0025】
請求項3の発明では、石目調内装材を壁材に、また請求項4の発明では、石目調内装材を出隅材にそれぞれ用いられるものとしたことにより、請求項1又は2の発明の効果が有効に発揮される最適な壁材や出隅材が得られ、特に、空間の出隅に施工される出隅材を軟らかい内装材で構成することにより、衝突による安全性が高くなる。
【0026】
請求項5の発明によると、石目調内装材を音響室の壁材に用いられているものとしたことにより、音響室の音響特性を高めることができる。
【0027】
請求項6の発明によると、石目が内部に結晶を有する火成岩又は変成岩からなる鉱物を割って、その表面に現れた結晶面を含む石目に溶融シリコン樹脂を押し当ててシリコン型を取り、そのシリコン型に軟質発泡材を流し込んで発泡成形させることにより、石目調内装材を容易に製造することができる。
【0028】
このとき、請求項7によれば、上記シリコン型に溶剤系弾性樹脂塗料を均一に塗布し、軟質発泡材を流し込んで塗料と一体になるように発泡成形させることにより、シリコン型表面の微細な凹凸を塗膜表面に転写されて、石目調内装材の割石面表面の鋭い凹凸感、割石面表面に現出する結晶面のキラキラ感や質感を本物の石により一層似せてリアルに表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は本発明の実施形態に係る石目調内装材の平面図である。
【図2】図2は石目調内装材を一部を切断して示す斜視図である。
【図3】図3は石目調内装材の表面の拡大図である。
【図4】図4は石目調内装材を壁材として施工した例を示す斜視図である。
【図5】図5は、石目調内装材を壁材として施工し、周りに見切り材を施工した例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0031】
図1は本発明の実施形態に係る石目調内装材Aを示す。この内装材Aは矩形板状のもので(図示例では455mm×910mm)、図2に拡大して示すように、軟質発泡材からなる板状の基材1を有する。図2中、1aは基材1に発泡により生じた気泡である。
【0032】
この軟質発泡材は、軟らかい発泡材からなっていて弾性を有し、例えばポリウレタン発泡材、メラミン発泡体、フェノール発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体等からなる。石目凹凸意匠の再現性や塗料選択巾の広さ、汎用性等を考慮すると、最も好適には、軟質ウレタン発泡体が用いられる。軟質ウレタン発泡体とは、ポリオールとポリイソシアネートを主成分として、発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤等を混合し、樹脂化させながら発泡させたもので、気泡が連通し、柔らかくて復元性があるものを指す。ポリエーテルフォームやポリエステルフォーム等があるが、どちらでもよい。また、型との離型性のために離型剤を使用してもよい。
【0033】
この基材1の表面には石目を表す複数の凹部3,3,…及び凸部4,4,…が成形によって形成されている。すなわち、これら凹部3,3,…及び凸部4,4,…は、複数の矩形状の石材が隙間なく不規則に積み重ねられた石積み意匠を有しており、凹部3の深さ、凸部4の高さ、凹部3及び凸部4の大きさや形状は任意でランダムになっている。また、凹部3及び凸部4は基本的に互いに隣接しており、場所によっては不規則に並んでいる。
【0034】
また、凹部3及び凸部4の境界には、基材1の表裏方向に沿った方向の直角エッジ5や、凸部4の先端側の大きさが基端側よりも大きくなるように基材1表裏方向に対し傾斜する逆エッジ(図示せず)が形成されている。この実施形態では凹部3及び凸部4間の高さの差は例えば5〜20mmとされている。
【0035】
そして、図3に拡大して示すように、凹部3や凸部4の表面は、石を削って得られる凹凸状の石肌面となっている。
【0036】
以上により、基材1表面の複数の凹部3,3,…及び凸部4,4,…は、本物の石を割ったときに現れる割石面を表しており、その表面には、図示しないが多数の結晶面部が形成されている。この結晶面部は、本物の石の割石面に現出する多数の鉱物の結晶面を表している。その結晶面は、割石面においてランダムな方向に向くように配置されていて反射によりキラキラと輝く微細な平滑面である。そして、この結晶面を上記結晶面部が表している。
【0037】
尚、凹部3や凸部4の表面に凹凸状以外の石肌面を形成してもよい。また、基材1表面に石積み意匠以外の石目を表す凹凸部を形成してもよい。
【0038】
また、必要に応じて、著しく突出した部分や正寸加工を行うために、切削加工を行ってもよい。この場合、少なくとも1つの面が割石により表出した面となるのがよい。
【0039】
上記基材1の表面には塗装が施されていて塗膜層8が形成されている。この場合、発泡体が軟質発泡体のため、表面が凹んだり変形したときに塗膜自身が密着性に優れ弾性又は靭性を有し、表面塗料が剥がれたり割れたりしないように配慮されている必要がある。このような塗料としては、水性のアクリル樹脂系塗料、シリコンアクリル樹脂系塗料、ビニルウレタン樹脂系塗料、ラテックスエマルジョン樹脂系塗料、アクリルエマルジョン樹脂系塗料やウレタンエマルジョン樹脂系塗料であったり、溶剤系のアクリル樹脂系塗料、シリコンアクリル樹脂系塗料やウレタンアクリル樹脂系塗料等が好適に使用される。
【0040】
このとき、塗料の塗布方法としては、例えば、シリコン型に塗料を塗布し、上記塗料と一体になるように発泡樹脂を流し込んで一体化させる方法でも良いし、或いは、シリコン型に離型剤を塗布した後、ここに発泡樹脂を流し込んで発泡成形させ、その成形されたものの表面に塗料をスプレー等で塗布する方法がある。
【0041】
例えば、シリコン型に塗料を塗布する場合は、溶剤系の塗料が好ましく、上記溶剤系塗料を必要に応じて溶剤で希釈し、希釈した塗料をシリコン型内部に薄く均一に塗布した後、ジェットドライヤー、UVドライヤー等の乾燥機で乾燥又は半乾燥させ、然る後に上記乾燥させた塗料表面に発泡樹脂を流し込み、発泡させることにより、塗料と基材を一体的に成形する。塗料を塗布し、ここに発泡樹脂を流し込んでマーブル模様を表現しても良いし、粘度の高い塗料を使用し、ここに発泡樹脂を流し込んで発泡させることにより、塗料と基材を一体的に成形しても良い。
【0042】
また、発泡させた成形体の表面に塗料を塗布する場合は、必要に応じて水、酢酸エチル、シンナー等の溶剤で希釈し、表面に薄く均一に塗布し、溶剤を飛ばすことにより、肉持ち感をなくし鋭い凹凸感を損なわないようにするとともに、艶を低くし、割石面の表面に現出したキラキラ感を強調するのが好ましい。このとき、艶は、グロスチェッカー等で測定する。例えば60度入射角で60度受光角のグロスチェッカーで測定し、そのグロス値が1〜50、好ましくは1〜20程度がよい。グロス値が50を越えると全体的にキラキラするため、割石面の表面に現出した結晶面のキラキラ感が強調されず、単なる凹凸意匠となるため、好ましくない。
【0043】
このような石目調内装材Aを製造する場合、石目が内部に結晶を有する火成岩又は変成岩からなる鉱物(本物の石)を切断し又は割って、その表面に現れた結晶面を含む石目に溶融シリコン樹脂を押し当ててシリコン型を取り、そのシリコン型に軟質発泡材を流し込んで発泡成形させ、その成形後に表面を塗装すればよい。また、このとき、シリコン型の表面に塗料を薄く均一に塗布した後、この表面に発泡樹脂を流し込み、樹脂と塗膜を一体的に成形しても良い。このとき、好ましくは、塗料を半乾燥状態又は乾燥状態にし、この薄い均一な塗膜の表面に発泡樹脂を流し込み樹脂と塗膜を一体的に成形するのが良い。
【0044】
このとき、石目表面意匠の再現性や耐久性、表面塗膜の密着性等を考慮すると、例えばシリコン型表面にスプレー塗布可能な程度に溶剤希釈したポリウレタン系樹脂塗料を薄く均一に塗布し、ドライヤーで半乾燥させ、この半乾燥状態の塗料表面に2液型軟質ウレタン発泡樹脂を流し込み、比重0.2〜0.4程度に発泡させるのが最も好ましい。
【0045】
この実施形態の石目調内装材Aは、図4に示すように、室内の壁面にデザインを目的に石目調の壁材として施工されるか、或いは音響室(リビングやオーディオルーム、音楽用防音室等)の壁面に吸音ないし音の拡散用の壁材として施工される。さらに、細長く切断して室内の壁面間の出隅部分に出隅材として施工される。
【0046】
図5は石目調内装材Aを壁材として施工し、その周りを見切り材10で囲んだ施工例である。尚、この見切り材10として、石目調内装材Aを切断したものを用いることもできる。
【0047】
したがって、この実施形態においては、弾性を有する軟質発泡材からなる基材1の表面に石目を表す複数の凹凸部3,4が成形によって形成されているので、基材1表面に形成される凹凸部3,4として、石材を切断し又は割った際に得られる直角エッジ5や逆エッジ、石の切削面や割り面の微細な部分、つまり結晶面部によってキラキラと輝く石の鉱物の結晶面まで表現することができ、本物の石目の凹凸感や質感の表現によって意匠性の高い内装材Aが得られる。特に、内装材A表面の凹凸部3,4の高さの差が大きいので、図4に示すように、ライトを当てれば、表面の陰影感が際立つこととなる。
【0048】
また、石目調内装材Aの表面に直角エッジ5や逆エッジが立っているため、子供や高齢者等がぶつかったりしたときに安全性が懸念されるが(特に見切り材では衝突し易い)、この実施形態の石目調内装材Aは基材1が軟質発泡材であるので軟らかく、上記直角エッジ5や逆エッジが立っていても衝突安全性は確保することができる。しかも、転倒した子供や高齢者等が内装材Aにぶつかったとしても、その衝突の衝撃を軟らかい内装材Aにより吸収できるので、怪我を防止することができる。
【0049】
さらに、こうして石目調内装材Aの見掛けは本物の石と変わらず、その表面の凹凸感や質感を本物の石に似せることができるのに対し、表面に力を加えて押せば、軟質発泡材の基材1が凹陥する。このため、外観上の見た目は硬質な質感であるが、触れた際の感触はソフトとなり、両者のギャップが大きくなり、意外感を生じさせることができる。
【0050】
また、石目調内装材Aは、基材1が軟質発泡材で硬質材料よりも軟らかいので、反りが出難く、しかも柔軟性があることから、施工時の寸法調整も容易となる。
【0051】
また、石目調内装材Aの基材1が軟質発泡材であるので、壁材として施工するとき、軽量で躯体の制約がなく、石膏ボード捨貼りやクロスの上からもスピーデル工法等により容易に接着して施工することができる。しかも、サイディングのような躯体組や重量制限は不要であり、新築は勿論のことリフォームでも簡単に石目調の壁を施工することができる。
【0052】
そして、石目調内装材Aを音響室の壁材に用いたとき、その内装材Aの表面に石目を示す複数の凹凸部3,4が形成されているので、音の拡散効果が得られるとともに、基材1を構成している軟質発泡材による吸音効果も得られ、音響室の音響特性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、石材を切断した際の直角エッジや逆エッジ、石目の切削面の微細な部分まで表現しながらも衝突安全性を確保でき、硬質な意匠の外観と触れた際の感触とのギャップを大きくして意外感を生じさせることができるので、壁材等で極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0054】
A 石目調内装材
1 基材
3 凹部
4 凸部
5 直角エッジ
8 塗膜層
10 見切り材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する軟質発泡材からなる基材の表面に、石目を表す凹凸部が成形によって形成されていることを特徴とする石目調内装材。
【請求項2】
請求項1において、
石目が内部に結晶を有する火成岩又は変成岩からなる鉱物を割石加工した意匠面を含むものであり、
当該石目の凹凸部は割石面を表していて、鉱物の結晶面を表す結晶面部を有することを特徴とする石目調内装材。
【請求項3】
請求項1又は2において、
壁材に用いられていることを特徴とする石目調内装材。
【請求項4】
請求項1又は2において、
出隅材に用いられていることを特徴とする石目調内装材。
【請求項5】
請求項3において、
音響室の壁材に用いられていることを特徴とする石目調内装材。
【請求項6】
請求項1又は2の石目調内装材を製造する方法であって、
石目が内部に結晶を有する火成岩又は変成岩からなる鉱物を割って、その表面に現れた結晶面を含む石目に溶融シリコン樹脂を押し当ててシリコン型を取り、
上記シリコン型に軟質発泡材を流し込んで発泡成形させることを特徴とする石目調内装材の製造方法。
【請求項7】
請求項6の石目調内装材の製造方法において、
シリコン型に溶剤系弾性樹脂塗料を均一に塗布し、その表面に軟質発泡材を流し込んで上記塗料と一体になるように発泡成形させることを特徴とする石目調内装材の製造方法。

【図2】
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【図5】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−23832(P2013−23832A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156869(P2011−156869)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】