説明

石鹸液吐出ノズル装置

【課題】メッシュに付着した石鹸液のかすを掃除する際の脱着作業性が良好で、同作業を簡単に行うことのできる石鹸液吐出ノズル装置を提供する。
【解決手段】石鹸液を空気とともに通過させてムース化するメッシュ106の設けられたメッシュ付筒体102と、ムース状の石鹸液を吐出口40から吐出するノズル本体78とを有する石鹸液吐出ノズル装置において、メッシュ付筒体102をノズル本体78に脱着可能に組み付けて組付体114となし、組付体114のままそれらノズル本体78とメッシュ付筒体102とを取付部80に対して一体に脱着可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は石鹸液をムース状にして吐出口から吐出する石鹸液吐出ノズル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、石鹸液の吐出通路を横切る状態に設けられ、石鹸液を空気とともに通過させてムース化するメッシュと、そのメッシュからのムース状の石鹸液を吐出口から吐出するノズル本体と、を備えた石鹸液吐出ノズル装置が公知である。
下記特許文献1には、このメッシュを筒体に固設してメッシュ付筒体となし、これをノズル本体やシール部材とともに取付部に脱着可能に取り付けるようになしたものが開示されている。
図9はその具体例を示している。
【0003】
同図において200は吐出口202を有するノズル本体で、204はシール部材(ここではOリング)、206は軸方向両端部にメッシュの固設されたメッシュ付筒体で、210は石鹸液吐出ノズル装置の本体であり、円筒形状の取付部208が突出状態で設けられている。
尚、212は石鹸液の飛散防止のための円筒形状のスリーブである。
【0004】
この図9の石鹸液吐出ノズル装置では、取付部208の雄ねじ214に対しスリーブ212の雌ねじ216をねじ込むことによって、スリーブ212の内周側に形成された突起218により、ノズル本体200の外周側に形成された突起220を取付部208側に押圧し、メッシュ付筒体206,シール部材204,ノズル本体200及びスリーブ212を取付部208に取り付けるようにしている。
【0005】
上記メッシュ付筒体206における軸方向両端部のメッシュは、石鹸液を空気とともに通過させることでそれらを混合しムース化するもので、このメッシュ付筒体206でムース化された石鹸液が、続いてノズル本体200の吐出口202から図中左斜め下向きに吐出される。
【0006】
ところで、石鹸液をメッシュにてムース化して吐出するこの種石鹸液吐出ノズル装置にあっては、使用時にメッシュに付着した石鹸液がその後の乾燥でメッシュに固着してしまう問題があり、従って石鹸液のムースを良好に吐出させるために頻繁にメッシュの掃除を行う必要がある。
図9に示すものにおいて、メッシュの掃除を行うためにはスリーブ212を取付部208から外して、メッシュ付筒体206を取り出すことが必要であるが、この場合スリーブ212を取付部208から外すとメッシュ付筒体206,シール部材204,ノズル本体200,スリーブ212等の各部品が全てバラバラの状態となってしまい、それらを再組付けする際の作業性が大変面倒となる。
【0007】
また取り外したときに場合によってシール部材204がメッシュ付筒体206にくっ付いたままとなる恐れがあり、この場合にはシール部材204をメッシュ付筒体206から引き剥がし、これを適当な位置に置いた上でメッシュ付筒体206の掃除、即ちメッシュの掃除を行わなければならず、メッシュ付筒体206を取り出す際の作業性が悪いのに加えて、シール部材204が小さな部品であるためこれを紛失してしまう恐れも生ずる。
而してシール部材204を紛失してしまうと、再組付けができなくなってしまう。
【0008】
また各部品を再組付けする際に、シール部材204を適正にセットすることが必ずしも簡単ではなく、シール部材204のセットの良し悪しが作業者の能力によって左右されてしまう。
而してシール部材204が適正にセットされていないと、良好なシール性を確保できなくなってしまう。
【0009】
【特許文献1】特開2002−315684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は以上のような事情を背景とし、メッシュに付着した石鹸液のかすを掃除する際の脱着作業性が良好で、同作業を簡単に行うことのできる石鹸液吐出ノズル装置を提供することを目的としてなされたものである。
また本発明の他の目的は、メッシュを掃除する際のメンテナンス作業時にシール部材を紛失してしまう恐れが無く、また作業者の能力によること無く常にシール部材を適正にセットすることのできる石鹸液吐出ノズル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
而して請求項1のものは、(a)石鹸液の吐出通路を横切る状態でメッシュが設けられ、該石鹸液を空気とともに該メッシュを通過させてムース化するメッシュ付筒体と、(b)該メッシュ付筒体からのムース状の石鹸液を吐出口から吐出するノズル本体と、を有する石鹸液吐出ノズル装置において、前記メッシュ付筒体を前記ノズル本体に脱着可能に組み付けて、それらノズル本体とメッシュ付筒体とを組付体となし、該組付体の状態でそれらノズル本体とメッシュ付筒体とを取付部に対して脱着可能となしてあることを特徴とする。
【0012】
請求項2のものは、請求項1において、前記メッシュ付筒体の外周面に径方向に突出する係止用の突起を設ける一方、前記ノズル本体の側には該メッシュ付筒体の軸心周りに延びる係止用の凹部と、該係止用の突起を該係止用の凹部の位置まで軸方向に通過させる切欠部とを設け、該突起を該切欠部を通じて該凹部の位置まで軸方向に挿入し、その後の回転で前記メッシュ付筒体を前記ノズル本体に組み付けるようになしてあることを特徴とする。
【0013】
請求項3のものは、(a)石鹸液の吐出通路を横切る状態に設けられ、石鹸液を空気とともに通過させてムース化するメッシュと、(b)該メッシュからのムース状の石鹸液を吐出口から吐出するノズル本体と、を有する石鹸液吐出ノズル装置において、前記メッシュを前記ノズル本体に固着して両者を組付体となし、該組付体の状態でそれらノズル本体とメッシュとを取付部に対して脱着可能となしてあることを特徴とする。
【0014】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記ノズル本体と前記取付部との間をシールするシール部材を前記ノズル本体に設けた保持部に組み付けて、該シール部材を含んで前記組付体を構成し、該シール部材を組付体の状態で前記取付部に対して脱着可能となしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0015】
以上のように本発明は、メッシュを筒体に設けて成るメッシュ付筒体とノズル本体とを有する石鹸液吐出ノズル装置において、メッシュ付筒体をノズル本体に脱着可能に組み付けて、それらノズル本体とメッシュ付筒体とを組付体となし、その組付体のまま取付部に対して脱着可能となしたもので、本発明ではメッシュ付筒体とノズル本体とが、互いに組み付いた状態で取付部に対して脱着可能であるため、メンテナンス作業に際してそれらを取付部から簡単に取り外すことができ、更にノズル本体からメッシュ付筒体を外すことでメッシュの掃除を簡単に行うことができる。
また掃除後においてそれらを組付体の状態で容易に取付部に対して取り付けることができる。
【0016】
請求項2は、メッシュ付筒体の外周面に径方向に突出する係止用の突起を設ける一方、ノズル本体の側にはメッシュ付筒体の軸心周りに延びる係止用の凹部と、係止用の突起をその係止用の凹部の位置まで軸方向に通過させる切欠部とを設け、メッシュ付筒体の突起を切欠部を通じて凹部の位置まで軸方向に挿入した上、これを回転させることでメッシュ付筒体をノズル本体に組み付けるようになしたもので、この請求項2によれば、ノズル本体に対するメッシュ付筒体の組付け及び取外し作業をほぼワンタッチで極めて簡単に行うことができる。
【0017】
次に請求項3は、メッシュをメッシュ付筒体として構成するのではなく、かかるメッシュを直接ノズル本体に固着して組み付け、それらノズル本体とメッシュとを組付体となし、その組付体の状態でそれらを取付部に対して脱着可能となしたもので、この場合請求項1及び請求項2のものに比べて所要部品点数を更に少なくすることができ、またメッシュの掃除のためのメンテナンス作業時の脱着作業性を更に良好となすことができる。
ここでノズル本体に対するメッシュの固着手段としては、接着や溶着その他の手段を用いることが可能である。
【0018】
次に請求項4は、ノズル本体と取付部との間をシールするためのシール部材をノズル本体に設けた保持部に組み付けて、上記組付体をシール部材を含む組付体となし、シール部材を含めてその組付体の状態で取付部に対して脱着可能となしたもので、この請求項4によれば、メッシュの掃除のためのメンテナンス作業をするに際して、ノズル本体を取り外したとき、シール部材をノズル本体に組み付いたままとしておくことができるため、小さな部品であるシール部材がメンテナンス作業に際して紛失してしまうといった恐れを無くすことができ、従ってシール部材の紛失によって再組付けができなくなってしまうといった問題を解消することができる。
またシール部材がノズル本体と一体に脱着できるため、脱着の際の作業性も更に良好となる。
【0019】
またシール部材は脱着の際に単独で分解されないでノズル本体に保持されたままであって、再組付けに際してもシール部材を常に良好にセット状態とすることができ、作業者によってセット状態がばらつくといった従来の問題を解決することが可能となる。
またシール部材が自動的に良好にセットされることから、シール部材の不適正なセットによるシール性の悪化の問題も解決することができる。
【0020】
ここでノズル本体に対するシール部材の組付位置即ちその保持部は、上記のメッシュ付筒体やメッシュとは異なった箇所としておくことができる。
この場合作業者はシール部材に殆ど手を触れることなくメッシュの掃除を行うことができる。
またノズル本体におけるシール部材の保持部は環状の溝となしておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は自動手洗乾燥装置(ここでは壁掛式)で、陶器製の手洗器12と、その下部のキャビネット14及び手洗器12に装着された機能部ユニット16とを有している。
機能部ユニット16はケーシング18を有しており、各種機能部がそこに内蔵されている。
ここでケーシング18は、下部のケーシング本体18Aとその上端の開口を閉鎖する蓋体18Bとを有している。
【0022】
手洗器12の後部には、図2及び図3に示しているようにその後端縁に沿って立上る後壁部24と、左右一対の側壁部26とで囲まれた収容凹部28が形成されており、図2にも示しているようにその収容凹部28に上記の機能部ユニット16が収容されている。
機能部ユニット16は、その後面と側面とがそれぞれ後壁部24と左右一対の側壁部26とで囲われており、その前面が手洗器12のボウル部32に向けて開放されている。
ここで収容凹部28の底面は、機能部ユニット16を支持する平坦な支持面30とされている。
尚図2において、34はボウル部32に設けられた排水口である。
【0023】
図1に示しているように、自動手洗乾燥装置10は温風吹出口36,吐水口38及び石鹸液の吐出口40を備えており、それらが機能部ユニット16におけるケーシング18の前面に備えられている。
このケーシング18の前面にはまた、それぞれに対応して人体検知センサ42,44,46が設けられている。
【0024】
この自動手洗乾燥装置10では、石鹸液の吐出口40の前方に手を差し出すと、人体検知センサ46がこれを検知して吐出口40から自動的にムース状の石鹸液を吐出する。
また吐水口38の前方に手を差し出すと、人体検知センサ44がこれを検知して吐水口38から自動的に温水を吐水する。
更に温風吹出口36の前方に手を差し出すと、人体検知センサ42がこれを検知して温風吹出口36から自動的に温風を吹き出す。
【0025】
尚、図1中石鹸液の吐出口40の左側の隣接位置には、石鹸液補給用の引出し48が出入れ可能に設けられている。
石鹸液の補給は、この引出し48を引き出した状態で上方からその内部に石鹸液を供給することにより行う。
【0026】
図1に示しているように、キャビネット14の内部には排水管50が設けられており、その上端がボウル部32の排水口34に接続されている。
ボウル部32からの排水は、この排水管50のトラップ部52を経て外部に排出される。
【0027】
キャビネット14の内部にはまた、湯水の混合部54と、温水の供給遮断を行う電磁弁56とが設けられており、その混合部54に対し冷水及び湯をそれぞれ供給する配管が接続されている。
混合部54に供給された冷水と湯とはここで所定比率に混合されて適温の混合水とされ、電磁弁56の開弁により給水管58を通じて吐水口38へと送られ、そこからボウル部32に向けて吐水される。
【0028】
一方キャビネット14の内部且つ下部には石鹸液タンク60が設けられており、そこに所定量の石鹸液が貯溜されるようになっている。
この石鹸液タンク60からは給液管62が延び出しており、その給液管62上に給液ポンプ64が設けられている。
石鹸液タンク60内の石鹸液は、この給液ポンプ64により給液管62を通じて上記の石鹸液の吐出口40へと送られる。
また石鹸液タンク60内の石鹸液の液量が少なくなったときには、上記の引出し48を通じて石鹸液が補給され、補給された石鹸液が補給管66を通じて石鹸液タンク60内に流入する。
【0029】
70は空気ポンプで、この空気ポンプ70により空気が給気管68を通じて上記石鹸液の吐出口40に向けて送られる。
【0030】
キャビネット14の内部且つ下部にはまた、上記温風吹出口36を含む温風乾燥装置の乾燥機本体72が設けられており、この乾燥機本体72と上記の温風吹出口36とが、送風管74で連絡されている。
乾燥機本体72には送風機とヒータとが内蔵されており、吸気口75を通じて吸入された空気がヒータによる加熱作用で温風とされて送風機により送風管74を通じて温風吹出口36へと送り出される。
【0031】
図4に上記石鹸液の吐出口40を有する本例の石鹸液吐出ノズル装置76の具体的構成が示してある。
同図に示しているように、石鹸液吐出ノズル装置76はノズル本体78を有しており、そのノズル本体78が取付部80に取り付けられ保持されている。
ここでノズル本体78及び取付部80は斜め下向きに向けられており、同じく斜め下向きをなすケーシング18の前板部81に固定状態とされている。
【0032】
図5(A)に示しているように、取付部80は円筒形状の大径の容器部82と、小管形状のニップル部84とを有しており、そのニップル部84が給液管62に挿込接続されている。
容器部82の外周面には鍔部86が設けられており、前板部81に設けられた開口88において、取付部80がこの鍔部86で前板部81に固定されている。
この取付部80における容器部82の図中左端部外周面には雄ねじ90が設けられている。
【0033】
上記ノズル本体78は、その中心部に上記吐出口40に到るノズル孔92を有しており、また図中右側の後部に外筒部94と内筒部96とを有している。
外筒部94の内周面には雌ねじ98が設けられており、この雌ねじ98が取付部80の雄ねじ90にねじ結合されることで、ノズル本体78が取付部80に取り付けられるようになっている。
一方、内筒部96の付根外周面にはOリング(シール部材)100の保持部としての環状溝101が設けられており、そこにOリング100が保持されるようになっている。
【0034】
図5(B)において、102はメッシュ付筒体で、その内側に石鹸液の吐出通路の一部をなす内部通路104が形成されている。
またその両端部には、石鹸液の吐出通路を横切る状態でメッシュ106,106が設けられている。
これらメッシュ106は、石鹸液と空気とを通すことによりそれらを均一混合し、石鹸液をより良くムース化する働きをなす。
【0035】
このメッシュ付筒体102の外周面には、互いに180°隔たった位置において係止用の突起108が径方向外方に突出する状態で設けられている。
一方ノズル本体78における内筒部96の内周面には、対応する係止用の凹部110が設けられている。
ここで凹部110は、図6に示しているようにメッシュ付筒体102の軸心周りに延びる形態で設けられている。
この内筒部96にはまた、メッシュ付筒体102における係止用の突起108を係止用の凹部110に到る位置まで軸方向に通過させる一対の切欠部112が設けられている。
【0036】
本実施形態では、メッシュ付筒体102の図5(B)中左端側をノズル本体78の内筒部96内に挿入するとともに、係止用の突起108を図6の切欠部112を通じて係止用の凹部110に到る位置まで挿入し、その後メッシュ付筒体102を図6(II),(III)に示しているように図中左向きに回転することで、簡単にメッシュ付筒体102をノズル本体78に組み付けることができる(尚、メッシュ付筒体102をノズル本体78から外すときには以上とは逆の操作を行う)。
【0037】
図5(A)中114は、このようにしてノズル本体78に対しメッシュ付筒体102をOリング100とともに組み付けて成る組付体を表している。
本実施形態においては、この組付体114を取付部80に取り付けるだけでメッシュ付筒体102,Oリング100及びノズル本体78の各部品を、ともに取付部80に取り付けることができる。
また組付体114を取付部80から取り外すことによって、それら各部品をともに取付部80から取り外すことができる。
而してメッシュ付筒体102のメッシュ106を掃除するには、メッシュ付筒体102をノズル本体78から取り外すことによってこれを容易に行うことができる。
【0038】
以上のような本実施形態においては、メッシュ付筒体102とノズル本体78とが互いに組み付いた状態(組付体114)で取付部80に対して一体に脱着可能であるため、メンテナンス作業に際してそれらを取付部80から簡単に取り外すことができ、更にノズル本体78からメッシュ付筒体102を外すことでメッシュ106の掃除を簡単に行うことができる。
更に掃除後において、それらを組付体114の状態で容易に取付部80に対し取り付けることができる。
【0039】
また本実施形態ではメッシュ付筒体102の突起108を切欠部112を通じて凹部110の位置まで軸方向に挿入した上これを回転させることでメッシュ付筒体102をノズル本体78に組み付けるようになしているため、ノズル本体78に対するメッシュ付筒体102の組付け及び取外し作業をほぼワンタッチで極めて簡単に行うことができる。
【0040】
更に本実施形態ではOリング100も含めて組付体114の状態で取付部80に対し一体に脱着可能となしてあるため、メッシュ106の掃除のためのメンテナンス作業をするに際して、ノズル本体78を取り外したとき、Oリング100をノズル本体78に組み付いたままとしておくことができ、小さな部品であるOリング100がメンテナンス作業に際して紛失してしまうといった恐れが無く、従ってOリング100の紛失によって再組付けができなくなってしまうといった問題を生じない。
またOリング100をノズル本体78と一体に脱着できるため脱着の際の作業性も更に良好となる。
【0041】
またOリング100は脱着の際に単独で分解されないでノズル本体78に保持されたままであって、再組付けに際してもOリング100を常に良好にセット状態とすることができ、作業者によってセット状態がばらつくといった従来の問題を解決することができる。
またOリング100が自動的に良好にセットされることから、Oリング100の不適正なセットによるシール性の悪化の問題も解決することができる。
【0042】
上記ノズル本体78及び取付部80は、これを前板部81に取り付けるに際し、図7に示しているようにその取付用の開口88を斜めの向きとなしておいて、手洗器12におけるボウル部32の中央部に向けて斜めに取り付けるようになしておくことができる。
尚図中116,118は取付部80の固定用の固定ねじである。
このようにしておけば、使用者は体を移動させなくても容易に吐出口40からムース状の石鹸液を手に受けることができて望ましい。
【0043】
図8は本発明の更に他の実施形態を示している。
この実施形態は、上記実施形態におけるメッシュ付筒体102を省略して、メッシュ106を直接ノズル本体78に、詳しくはその内筒部96における図中右端部の開口に接着,溶着等の手段により固着して、かかるメッシュ106をノズル本体78に組み付け、それらを一体の組付体120となした例である。
この実施形態においても、組付体120を取付部80に脱着することで、ノズル本体78及びメッシュ106をともに脱着することができる。
尚他の点については上記実施形態と同様である。
この図8に示す実施形態によれば、上記実施形態に比べて所要部品点数を更に少なくすることができ、またメッシュ106の掃除のためのメンテナンス作業時の脱着作業性を更に良好となすことができる。
【0044】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態の石鹸液吐出ノズル装置を含む自動手洗乾燥装置を示す全体図である。
【図2】図1の手洗器周辺を拡大して示す側断面図である。
【図3】図1の機能部ユニット周辺を拡大して示す正面図である。
【図4】同実施形態の石鹸液吐出ノズル装置を拡大して示す断面図である。
【図5】同石鹸液吐出ノズル装置の取付構造を示す図である。
【図6】同実施形態におけるノズル本体に対するメッシュ付筒体の組付構造を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図9】従来の石鹸液吐出ノズル装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
40 吐出口
76 石鹸液吐出ノズル装置
78 ノズル本体
80 取付部
100 Oリング(シール部材)
101 環状溝(保持部)
102 メッシュ付筒体
106 メッシュ
108 突起
110 凹部
112 切欠部
114,120 組付体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)石鹸液の吐出通路を横切る状態でメッシュが設けられ、該石鹸液を空気とともに該メッシュを通過させてムース化するメッシュ付筒体と、(b)該メッシュ付筒体からのムース状の石鹸液を吐出口から吐出するノズル本体と、を有する石鹸液吐出ノズル装置において、
前記メッシュ付筒体を前記ノズル本体に脱着可能に組み付けて、それらノズル本体とメッシュ付筒体とを組付体となし、該組付体の状態でそれらノズル本体とメッシュ付筒体とを取付部に対して脱着可能となしてあることを特徴とする石鹸液吐出ノズル装置。
【請求項2】
請求項1において、前記メッシュ付筒体の外周面に径方向に突出する係止用の突起を設ける一方、前記ノズル本体の側には該メッシュ付筒体の軸心周りに延びる係止用の凹部と、該係止用の突起を該係止用の凹部の位置まで軸方向に通過させる切欠部とを設け、該突起を該切欠部を通じて該凹部の位置まで軸方向に挿入し、その後の回転で前記メッシュ付筒体を前記ノズル本体に組み付けるようになしてあることを特徴とする石鹸液吐出ノズル装置。
【請求項3】
(a)石鹸液の吐出通路を横切る状態に設けられ、石鹸液を空気とともに通過させてムース化するメッシュと、(b)該メッシュからのムース状の石鹸液を吐出口から吐出するノズル本体と、を有する石鹸液吐出ノズル装置において、
前記メッシュを前記ノズル本体に固着して両者を組付体となし、該組付体の状態でそれらノズル本体とメッシュとを取付部に対して脱着可能となしてあることを特徴とする石鹸液吐出ノズル装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかにおいて、前記ノズル本体と前記取付部との間をシールするシール部材を前記ノズル本体に設けた保持部に組み付けて、該シール部材を含んで前記組付体を構成し、該シール部材を組付体の状態で前記取付部に対して脱着可能となしてあることを特徴とする石鹸液吐出ノズル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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