説明

砂時計型電気力学的漏斗および内部イオン漏斗を用いる改良された高速イオンモビリティースペクトル法

イオンモビリティースペクトル法/質量分析機器の感度増強を可能にする方法および装置であって、有意な遅延を生じることなくイオンを伝送できるイオン源からドリフト管の入口部の砂時計型電気力学的イオン漏斗および/またはドリフト管の出口部の内部イオン漏斗へとイオンを伝送するためのデバイスを利用して、イオンモビリティースペクトロメーターのドリフト管内のイオン損失を実質的に減少または解消する方法および機器。砂時計型電気力学的漏斗は、少なくとも、入口要素、中央部要素、および出口要素で形成され、中央部要素の開口部は、入口要素の開口部および出口要素の開口部より小さい。砂時計型電気力学的漏斗の外側のイオン源により比較的高圧の領域内で生成されたイオンは、コンダクタンス制限オリフィスを通って、砂時計型漏斗の入口部の比較的低圧の領域へと伝送される。交流および直流の電位が砂時計型電気力学的漏斗の要素に印加され、これにより、イオンを砂時計型電気力学的漏斗の中へ、かつ、これを通して引き入れ、これにより、比較的多量のイオンをドリフト管に導入し、同時に、ドリフト管内部のガス圧および組成を電気力学的漏斗の入口部と異なるように保ち、かつ、所望される場合は、ドリフト管内のガス圧を陽圧に保つことを可能にする。ドリフト管内には内部イオン漏斗が設けられ、ドリフト管の出口部に配置される。内部イオン漏斗の利点は、次の任意の分析または測定へと接続された従来のドリフト管では失われることが典型的であるイオンのように、ドリフト管内の出口開口部から分散するイオンが、分散する代わりにドリフト管の出口を通って誘導され、これにより、ドリフト管から出るイオンの量が大幅に増加することである。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、2003年10月30日提出の米国特許出願第10/699,006号(現在は______)の一部継続出願である。
【0002】
連邦政府支援による研究または開発に関する言明
本発明は、米国エネルギー省のContract DE-AC0676RLO1830に基づく政府支援を受けて行われた。米国政府は本発明に関する一定の権利を有する。
【0003】
発明の背景
飛行時間型質量分析計に接続されたイオンモビリティードリフト管を用いてイオン種の高速同定を実現することは、当業者が長年持っている希望である。一般的な概念は、少なくとも、論文「Ion Mobility / Mass Spectrometric Investigation of Electrospray Ions」, R. Guevremont, K.W.M. Siu, and L. Ding, Proceedings of the 44th ASMS Conference, p. 1090(1996)が発表されて以来公知である。この論文、ならびに本明細書に示す他のすべての論文および特許は、参照により明示的に本開示に組み入れられる。同概念は、論文「Combined ion mobility/time-of-flight mass spectrometry study of electrospray-generated ions」, Anal. Chem. 69, 3959(1997)において再び発表され、特許文献においても、米国特許第5,905,258号、「Hybrid ion mobility and mass spectrometer」がDavid E. Clemmerらに発行された1999年5月に再び説明された。
【0004】
こうしたシステムの一般的概念がこのように長年認識されている一方で、当業者はまた、この技術を実用化した際に生じる制限も認識している。イオンモビリティースペクトル/質量分析(IMS/MS)機器の感度を増強するという目的を実現するためのアプローチのひとつは、Fuhrerらの米国特許出願第2001/0032929A1号に説明されており、それによれば、感度の向上は、周期的/双極的な場の収束を用いて移動イオンの空間分布を狭く保った結果であると主張されている。一般的なIMS/MS概念の変化形は、1999年5月17日に出願され2001年11月27日に認められた米国特許第6,323,482号「Ion mobility and mass spectrometer」に示されており、同特許には、IMS/飛行時間型MSハイブリッドシステムの衝突室を使用すること、および、そのような計測設備に衝突室を組み込む種々の手段が示されている。さらなる変化形は、2000年7月13日に出願され2002年12月24日に認められた米国特許第6,498,342号「Ion separation instrument」にも示されており、同特許によれば、IMS/飛行時間型MSまたはタンデムIMS/飛行時間型MSの前に液相分離(液体クロマトグラフィーなど)を導入する。さらに、2002年2月12日に出願され2003年5月6日に認められた米国特許第6,559,441号「Ion separation instrument」には、例えば異なるバッファガスおよび/または異なる温度を用いるなど、考えられる種々のタンデムIMSの変化形が詳述されている。
【0005】
これらおよび他の改良にもかかわらず、イオンモビリティースペクトロメーター(IMS)のドリフト管内のイオン損失に関する問題は、引き続き、IMS/MSシステムが分析機器としてその完全な能力に達することを妨げている。液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)など、分離時間がはるかに遅いがイオン損失が少ない他のシステムは、試料分析の「スループット」低下を伴うにもかかわらず、むしろそうしたシステムのほうが普及している。IMS/MSシステムの過大なイオン損失という問題は当業者に周知であり、当分野で活動する多数の研究者が文献で繰返し指摘している。例えば、論文「Gas-phase separations of complex tryptic peptide mixtures, J. A. Taraszka, A. E. Counterman and D. E. Clemmer, Fresenius J. Anal. Chem. 369, 234(2001)の242ページから243ページにわたる文において、著者らは、この問題のひとつの局面を次のように説明している:「現在のところ、高分解能機器に関するひとつの障害は、イオンの短パルスがドリフト管に導入される際に信号の大部分(約99〜99.9%)が失われることである」。論文「Multidimensional separations of complex peptide mixtures: a combined high performance liquid chromatography/ion mobility/time-of-flight mass spectrometry approach, S. J. Valentine, M. Kulchania, C. A. Srebalus Barnes, and D. E. Clemmer, Intern. J. Mass Spectrom. 212, 97(2001)の108ページの最終段落においても、著者らは同技術に関する困難を認識し、次のように述べている:「典型的に、移動度の実験中にイオン信号の99〜99.9%が失われる[34]。したがって、これらの実験は従来のLC-ESI-MS法と比較して感度が固有に低い」。文献においてこの問題を指摘しているさらに別の論文は「Coupling ion mobility separations, collisional activation techniques, and multipole stages of MS for analysis of complex peptide mixtures, C. S. Hoaglund- Hyzer, Y. J. Lee, A. E. Counterman, and D. E. Clemmer, Anal. Chem. 74, 992(2002)である。1005ページにおいて著者らは次のように述べている:「感度の向上が示されたものの、現在の技術は、開発が進んだMS/MS法と同程度の感度にはまだ達していないことも我々は認識している。しかし我々は、機器にさらに改良が加えられるにしたがってこの差の大部分が解消されると考えている」。さらに、当分野で活動しているテキサスA&M大学のRussellおよび共同研究者らなど、他の著者らも、IMS/MSの感度を向上させる必要性を繰返し指摘している。
【0006】
このように、イオンモビリティースペクトル法/質量分析(IMS/MS)機器の感度増強を可能にする方法および装置であって、イオンモビリティースペクトロメーター(IMS)のドリフト管内のイオン損失を実質的に減少する方法および機器に対する需要が依然として存在する。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
したがって、本発明のひとつの目的は、イオンモビリティースペクトル法/質量分析機器の感度増強を可能にする方法および装置であって、イオンモビリティースペクトロメーターのドリフト管内のイオン損失を実質的に減少する方法および機器を提供することである。本発明のこの目的および他の目的は、図1の切取略図に示すように、ドリフト管の入口部の砂時計型電気力学的イオン漏斗および/またはドリフト管の出口部のイオン漏斗を利用してイオンを分析するための方法および装置を提供することによって実現される。簡潔には、本発明は、少なくとも、入口要素2、中央部要素3、および出口要素4で形成される砂時計型電気力学的漏斗1を含み、各要素は開口部を有する。入口要素2は、入口要素2の開口部を通り、中央部要素3の開口部を通り、そして出口要素4の開口部を通る荷電粒子の経路が形成されるように整列される。中央部要素3の開口部は入口要素2の開口部および出口要素4の開口部より小さいことが重要である。典型的に、砂時計型電気力学的漏斗1は、3つより多い要素からなり、数百という多数の要素からなる可能性も考えられる。中央部要素3は必ずしも全要素のちょうど中央になくてもよい。例えば、100個の要素を備えるひとつの態様において、中央部要素3は80番目の要素であってもよく、これにより電気力学的漏斗が非対称になってもよい。中央部要素3について求められるのは、全要素の中で最小であること、および、中央部要素3の両側にそれぞれ少なくとも1つの要素(入口要素2および出口要素4)を有することのみである。したがって概念的には、本発明の説明および作動に必要な最少の要素数は3つである。
【0008】
砂時計型電気力学的漏斗1はドリフト管5への入口を形成する。砂時計型電気力学的漏斗1の外側のイオン源6により比較的高圧の領域内で生成されたイオンは、例えば加熱した毛管で作成されていてもよいコンダクタンス制限オリフィス7を通って、砂時計型漏斗1の入口部の比較的低圧の領域へと伝送される。典型的に、差動ポンプ8により砂時計型電気力学的漏斗のチャンバを排気する。参照としてその全体が本明細書に組み入れられる2000年8月22日発行の米国特許第6,107,628号「Method and apparatus for directing ions and other charged particles generated at near atmospheric pressures into a region under vacuum」に説明されているような標準的なイオン漏斗と同様に、交流および直流の電位が砂時計型電気力学的漏斗1の要素に印加され、これにより、砂時計型電気力学的漏斗1の中へと、かつ、これを通してイオンを引き入れる。この様式により、砂時計型電気力学的漏斗1は、比較的高圧の領域で生成されたイオンの拡張流を捕捉し、このイオンを、中央部要素3の小さい開口部を通して誘導し、そして、イオン生成領域と比較して低圧に維持されているドリフト管5の中へと誘導する。このように中央部要素3は、ドリフト管5への入口となる小さい開口部を規定し、したがってコンダクタンス制限を規定する。この構成は、入口要素2との組合せにより、比較的多量のイオンをドリフト管5に導入し、同時に、ドリフト管5内部のガス圧および組成を電気力学的漏斗1の入口部と異なるように保ち、かつ、所望される場合は、ドリフト管内のガス圧を陽圧に保つことを可能にする。
【0009】
電気力学的漏斗1はまた、参照としてその全体が本明細書に組み入れられる2003年6月24日発行の米国特許第6,583,408号「Ionization source utilizing a jet disturber in combination with an ion funnel and method of operation」に説明されているようなジェットディスターバ(jet disturber)9も利用してもよい。ジェットディスターバ9は、望ましくない種がドリフト管5に入るのを防ぐこと、信号強度を調節すること、および信号対雑音比を改善することを目的に作動させてもよい。さらに、砂時計型電気力学的漏斗1は、出口要素の開口部から出たイオン流を一時的に収容するための追加手段10を含んでいてもよい。この手段は、メッシュ、マイクロチャネルプレート、または複数のワイヤであってもよい。イオンは、中央部要素3と出口要素4との間の領域に蓄積されてもよく、かつ、これらの手段に印加される電位を変化させることによって既知の時間に出口要素4からパルス放出させてもよい。これにより、異なるイオンがフローチューブを通過するのに必要な時間を精密に分析することが可能となる。このように、電気力学的漏斗1の砂時計型の形状により、先行技術のイオン漏斗の従来の形状で可能な数と比較してはるかに多数のイオンを蓄積することが可能となる。
【0010】
または、電気力学的漏斗1を通るイオンは、イオン経路に垂直な電場による間欠的な偏向であって、当技術分野において公知であるいくつかの手段10のうち任意のものによって生成される偏向によってパルス放出させてもよく、そのような手段としては、ブラッドベリ-ニールセン(Bradbury-Nielsen)ゲート、2つ以上の偏向板、またはスプリットレンズなどがあるが、それに限定されるわけではない。
【0011】
開口部は典型的には円形であるが、任意の形状であってよい。例えば、フィールド非対称波イオンモビリティースペクトル法、光解離、およびレーザー分光法に好適であるような、細長のプロフィール、特に、非常に細長い「かみそり」プロフィールを有するイオンパケットを形成するなどの特定の用途においては、楕円形および矩形の開口部が好ましい。
【0012】
砂時計型電気力学的漏斗1と反対側のドリフト管の端に位置するドリフト管5の出口は、典型的に、質量分析計などのイオン分析手段11と連絡する。本発明の方法および装置は、非限定的に、四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、光電子分光計、または光解離分光計と連絡していてもよい。ドリフト管5は、イオンモビリティースペクトロメーター、フィールド非対称波イオンモビリティースペクトロメーター、選択イオン流チューブ、またはプロトン移動反応質量分析計であってもよい。
【0013】
本発明は従来の任意のイオン源6とインターフェースすることができ、そのようなイオン源としては、エレクトロスプレーイオン化、コールドスプレーイオン化、サーモスプレーイオン化、マトリックス支援レーザー脱離イオン化、表面増強レーザー脱離イオン化、レーザー蒸発、およびアーク放電などがあるが、それに限定されるわけではない。
【0014】
本発明はまた、各々がドリフト管5への個別の入口を形成する2つ以上の砂時計型電気力学的漏斗1を有するように構成してもよく、これにより、ドリフト管5の外側の比較的高圧の領域内で生成されたイオンがドリフト管5の内側の比較的低圧の領域へと移動するための経路を2つ以上提供してもよい。この様式により、本発明のキャリブレーションのしやすさが向上する。
【0015】
本発明はまた、参照としてその全体が本明細書に組み入れられる2003年3月25日出願の米国特許出願第10/400,356号「Multi-Source Ion Funnel」(現在は米国特許______)に説明されているような、二重入口の砂時計型電気力学的漏斗として構成してもよい。この多源イオン漏斗(Multi-Source Ion Funnel)の特許出願に示されているように、二重供給源のイオン漏斗は、少なくとも、2つの入口要素、1つの中央部要素、および1つの出口要素で形成され、各要素は開口部を有する。2つまたはそれ以上の入口要素の各々は、入口要素の開口部を通り、中央部要素の開口部を通り、そして出口要素の開口部を通る荷電粒子の経路が形成されるように整列され、これにより、比較的高圧の領域で生成されたイオンが比較的低圧の領域へと移動するための、別々であるが合流する2つの経路を提供する。本発明に適合させた場合も、より一般的な場合と同様に、二重供給源構成の出口要素5の開口部は各中央部要素3の各開口部より大きく、かつ、別々であるが合流する2つの経路は、ドリフト管5の外側の比較的高圧の領域内で生成されたイオンをドリフト管5の内側の比較的低圧の領域へと移動させるためのものである。
【0016】
本発明の別の局面においては、ドリフト管5の中に内部イオン漏斗12が提供される。内部イオン漏斗12は標準的なイオン漏斗として構成される。すなわち、内部イオン漏斗12は、比較的小さい開口部を有する少なくとも1つの要素13、および、比較的大きい開口部を有する少なくとも1つの要素14を有する。2000年8月22日発行の米国特許第6,107,628号「Method and apparatus for directing ions and other charged particles generated at near atmospheric pressures into a region under vacuum」に説明されているように、標準的なイオン漏斗と同様、内部イオン漏斗12の要素に交流および直流の電位が印加される。砂時計型電気力学的漏斗1と同様、内部イオン漏斗12は典型的に2つより多い要素からなり、100個という多数の要素からなっていることも考えられる。しかし概念的には、標準的なイオン漏斗の場合と同様、内部イオン漏斗12を作動させるのに必要な最小限の要素数は2つである。内部イオン漏斗12はドリフト管5の出口部に配置され、このとき、小さい開口部を有する要素13がドリフト管5の出口に隣接するように配置される。内部イオン漏斗12は単独で使用してもよく、または、前述した任意の砂時計型電気力学的漏斗1の変化形と組合せて使用してもよい。内部イオン漏斗12の利点は、次の任意の分析または測定へと接続された従来のドリフト管では失われることが典型的であるイオンのように、ドリフト管5内の出口開口部から通常は分散するイオンが、分散する代わりにドリフト管5の出口を通って収束され、これにより、ドリフト管5から出るイオンの量が大幅に増加することである。
【0017】
以上、本発明の一般的な特徴を提示および説明したが、本発明の作動および利点を最もよく示すのは実施例である。そこで、本発明を実用に移し、そして本発明を作動させることによって、本発明により可能となる、先行技術の方法より優れた性能を示す、という実験を行った。以下にこの実験を説明する。しかし本発明は、いかなる面においても、以下に説明する特定のデバイスまたはそのデバイスの作動に限定されるものとしてみなされるべきではない。むしろ、これらの実験は、本発明の利点を示すこと、および、本発明をどのように実用に移しかつ作動させることができるかという実施例を示すことのみを目的として提供される。以下に示すデバイスおよびその作動の具体的な詳細からは多数の逸脱が可能であるが、それらの逸脱は上述のより一般的な説明および添付の特許請求の範囲に十分入ると考えられ、当業者にはこのことが容易に理解されるものと思われる。
【0018】
発明の詳細な説明
イオン源、イオンを空間的に分離するためのイオンモビリティースペクトロメーター(IMS)ドリフト管、および分離したイオンパケットを質量分析するための質量分析系という3つのセクションからなる本発明の利点および応用を示すため、デバイスを構築した。以下、特に記さない限り、このデバイスは、図1の概念図に示すような、これら各構成要素の一般的な配置を用いた。以下に示すすべての電圧は正に荷電したイオン(カチオン)を対象としたものであるが、当業者には、負に荷電したイオン(アニオン)を分析するため極性を容易に逆転できることが容易に理解されるものと思われる。
【0019】
このイオン源のセクションは、溶媒和イオンを生成するエレクトロスプレーイオン化(ESI)源、この溶媒和イオンを脱溶媒する加熱毛管、および、この溶媒和イオンをさらに脱溶媒してIMSへと流入させる砂時計型電気力学的(ED)イオン漏斗を含む。ESIおよび加熱毛管は、Waters/Micromass、Finnegan、および他の質量分析計(MS)装置製造業者から市販されている標準的な機器を使用した。
【0020】
デバイスの操作においては、シリンジポンプでポンピングして毛管を通した分析物溶液をESIニードルで送達した。ESIで生成されたイオンを、内径約0.5 mm、長さ約10 cmの加熱毛管に収集した。加熱によりイオンを脱溶媒するため、熱電対を用いた閉ループ制御下の抵抗加熱器で、この毛管を約120℃に維持した。
【0021】
毛管から出たイオンを砂時計型ED漏斗に収集した。先行技術による通常のイオン漏斗と同様、砂時計型ED漏斗は、絶縁および正確なスペーシングのためのプラスチックプレートと交互になった約100枚の金属プレートのスタックで構成される。漏斗の全長10 cmの場合、プレートはいずれも厚さ約0.5 mmである。各プレートはその中心部に円形の孔を有し、その内径は25 mm〜2 mmである。
【0022】
各金属プレートは、対面する側面上の2つのピンを特徴とし、これらのピンは、隣接する電気コネクタからのRFおよびDC電位を供給する。スタックは、中にボルトを備えた4本の平行なセラミックチューブにより一緒に保持されかつ整列される。この様子を図2に示す。ボルトは、後述するように、第一のIMSユニットのプラスチック(この実験においてはピーク(peek))のディスクに漏斗を固定する。
【0023】
先行技術による通常のイオン漏斗において、プレート孔の内径は、イオンの通過に伴って減少する(または、特定のプレートにおいては一定に保たれる)。本明細書に開示する砂時計型漏斗において、内径は、何枚かのプレートにわたって減少し(この実験においては80枚のプレートにわたって25 mmから2 mmまで減少)、次に増加する(この実験においては次の20枚のプレートにわたって約12 mmまで増加)。最後の漏斗プレートはDC電位のみを伝播する(RFを伝播しない)。このプレートは、イオンを捕捉するため、メッシュ(この実験においては1 mm角のメッシュ)で覆ってもよい。別の態様においては、最後の2枚のプレートがDC電圧のみを伝播する。通常の漏斗と同様、砂時計型漏斗は(直径が減少するプレート孔の第一のセクションにおいて)、イオン強度制御のためのジェットディスラプタ(jet disruptor)を備えたDC専用プレートを特徴としてもよい。
【0024】
本明細書に説明する実験で使用した、イオン源要素の典型的なDC電圧は、(IMS入力電位に対して)以下のとおりである:ESIニードル(約1.3 kV)、加熱毛管(220 V)、第一の漏斗プレート(200 V)、ジェットディスラプタ(175 V)、RF電位を伝播する最後の漏斗プレート(40 V)。最後の(DC専用の)プレートの電位は、望ましい長さの矩形DCパルスによって、「閉鎖」状態(イオンが漏斗内に捕捉される)と「開放」状態(イオンのパケットがIMS内へと放出される)とが周期的に切り替わる。この実験において、開放状態および閉鎖状態の電圧はそれぞれ30 Vおよび100 Vとした。
【0025】
図3に示すように、これらの実験のために構築されたドリフト管は、任意の数のほぼ同一のユニットを含む(この機器の場合は最大7つ)、モジューラ設計を有する。各ユニットはチャンバ内に収容され、この実験においてチャンバは、直径約20 cm、長さ20 cm、壁厚約2 mmの円筒形の鋼管とした。ユニットを接続するため、各チャンバは両端に溶接されたフランジを特徴とし、この実験においてフランジは、Oリング溝を備える標準的な11インチ・ボルト8本のフランジとした。一部のチャンバには、絶縁した高電圧フィードスルーおよび/またはガスラインを取り付けた。チャンバは、厚さ約1 cm、直径約30 cmのプラスチック(この実験においては超高分子量のポリエチレンまたはピーク)のディスクによって絶縁およびスペーシングし、かつ、絶縁性のボルトおよびナット(この実験においてはガラス繊維強化プラスチック)により固定した。これらのディスクは、ユニット間にイオンを通過させるための中心孔、ならびに、電気接続、アライメント、および後述するロッド固定を行うための他の孔および溝を有する。
【0026】
各ユニットは、4本の平行なセラミックロッド(この実験においては直径約3 mm)上に配置および整列され、かつ、プラスチックスペーサによって絶縁およびスペーシングされた、薄い金属リング(この実験においては21枚)のスタックを含む。この実験においては、内径約55 mm、外径約80 mmのリングを、約10 mmの間隔で配置した。ひとつの態様において、ED漏斗の前面に隣接する1つまたは複数のリングは、漏斗出口の直径(この実験の場合は約12 mm)に近い、より小さい内径を有する。これにより、イオンパケットをより良好にコリメーションさせ、かつ、IMSへのイオン伝送を向上させてもよい。このアセンブリは、プラスチックディスクの止まり穴にロッドを挿入することによって、2つのプラスチックディスクの間に保持される。任意のユニットのリングは高抵抗(この実験においては1 MOhm)により連続的に接続され、各ユニット間の抵抗は等しい。各ユニットの中央(この実験の場合は11番目)のリングはチャンバ壁に電気的に短絡される。チューブ全体の最初および最後のリングは、フィードスルーを介して外部の電圧に接続される。
【0027】
ドリフト管の入口においては、ED漏斗が、最後の漏斗プレートが最初のIMSリングから約1 cm離れた位置になるよう、前述のように最初のユニットのプラスチックディスクに取り付けられる。ドリフト管の出口においては、内部イオン漏斗が、最後のユニットのプラスチックディスクに固定される。内部イオン漏斗は、砂時計形状をしていないこと、ジェットディスラプタを含まないこと、および、口の直径が50 mmであることを除いて、前述のED漏斗と同一である。内部イオン漏斗の要素に印加された電圧はED漏斗の要素にも反映される。
【0028】
ドリフト管は、最後のセクションのラインを通して供給されるバッファガス(この実験においてはHeまたはN2)を含む。ひとつの態様においては、ジェット形成および乱流を防いで軸対称な層流としてガスを流入させるため、円筒形のリングをチャンバ内に挿入する。静電容量式圧力計(バロトロン(barotron))を用いて内圧をモニターする。これらの実験用に構築した設計において、内圧は、フローレギュレータを用いて1.5 Torrから22 Torrまで変化させることができる。当業者に理解されるであろうとおり、漏斗開口部を小さくすること、差動ポンピングのステージを余分に設けること、質量分析計のポンピング能力を大きくすること(後述)、またはこれらのなんらかの組合せにより、より高い圧力(最大1 atm)を得ることが可能であると考えられる。
【0029】
特注のHVプローブでモニターしながら、50 kVレンジの高電圧DC電源により最初のIMSリングにドリフト電圧を印加した。この電源は、電圧出力を安定化する回路を特徴とし、かつ、安全上の理由から電流が制限される。イオン源の要素にルーティングされた他の電圧は、ドリフト電圧の上に浮動させた、より小さい電源により供給される。これは、絶縁変圧器により供給されるED漏斗上のRF波形を含む。ドリフト電圧は、前述の抵抗鎖により、IMSの長さにわたって線形に分配される。各ユニットのチャンバは、その中央リングの電圧を引き受け、これにより、ガスによる絶縁破壊の可能性を最小限にする。オペレータの安全性を確保するため、露出する高電圧は接地された金属ケージ内に収容し、アクセスドアにコントロールおよびインターロックを設けた。
【0030】
ドリフト管の出口から検出器へとイオンを伝送させるための多極構成を用いて、市販の四重極飛行時間型質量分析計(Sciex)により、IMSで分離したイオンパケットの質量分析を行った。市販のすべての質量分析計は質量スペクトルを生成し、したがって本発明とともに利用することができるが、ドリフト管と検出器との間のイオン伝送手段であってイオンの伝送に有意な遅延を生じさせることのない手段を利用する質量分析計を選択することが重要である。本明細書において、有意な遅延とは、ドリフト管内の全イオンドリフト時間の5%未満であると定義される。したがって好適な手段としては、四重極を含む多極構成、イオントンネル、イオン伝送を補助するため縦軸に沿ったDC勾配を有するイオン漏斗などがあるが、それに限定されるわけではない。これらの実験のため、標準的な既製のSciex Q-Star Pulsar機器を、製造業者から提供された状態に特定の修正を加えて使用した。修正は、標準的なカーテン・ガス‐オリフィス‐スキマー・インターフェースを、短波RF専用四重極を含みかつ機械式ポンプにより差動ポンピングされる特注の鋼鉄チャンバで置換することを含む。電気的に接地されたこの鋼鉄チャンバは、次に、前述の内部イオン漏斗とインターフェースする。OEMの時間デジタル変換器(TDC)をOrtec(商標) TDCで置換し、これにより性能を有意に向上させた。別の態様において、TDCの代わりにアナログ‐デジタル(ADC)アベレージャを用いてもよい。このことは、例えば信号強度が高い場合など一部のレジームにおいて、ダイナミックレンジを拡大するのに有用である。質量スペクトルの取得および処理用に設計されている製造業者のソフトウェアは時間分解能を有さず、したがって、IMS分離には使用しなかった。IMS軸に沿った個々のToFスペクトルを記録するため、置換用ソフトウェアをコーディングし、これにより、データのアーカイブと二次元表示を提供した。このソフトウェアは、Battelle Memorial Instituteが米国エネルギー省に代わって運営するPacific Northwest National Laboratoryに請求することにより入手可能であり、説明する本発明の他の要素とともに使用できる。
【0031】
前述のIMS装置を用いて実験を行った。濃度2 pMol/ulのロイシンエンケファリン(Leucine Enkaphalin)のサンプルをIMSに導入し、さまざまなIMS電圧に対するイオンドリフト時間を表1に示すように測定した。
【表1】

図4に示す実験データは、イオンモビリティー理論と一致し、与えられたIMSチャンバ圧力において、イオンドリフト時間がIMS電圧と逆比例することを示している。
【0032】
親出願で説明した態様を実施して、図5〜10の質量スペクトルを生成した。これらは、市販のシステム、前面に標準的な(砂時計型でない)ED漏斗を取り付けた市販のシステム、およびIMS/MS設定の信号強度を系統的に比較するものである。スペクトルが示しているように、この態様は、非常に優れたイオン伝送効率を達成した。日常的なプロテオーム分析に関連するペプチド質量の範囲を概ねカバーする、比較的小さなペプチドイオン(グルタミン酸-フィブリノペプチド、1572 amu)および比較的大きなペプチドイオン(インスリン、5734 amu)の2つのペプチドイオンについて比較を行った。ESIの作動条件(スペクトルに示す)は、生物学的分析用途の産業で標準的なキャリブレーションプロトコルに典型的なものである。両ペプチドについて、このIMS/MS構成における信号強度は、MS分析のみ(IMSなし)の場合の2倍以内である。これは許容される変動である。なぜならば、同じ機器において、制御良好でないESI源の条件に毎日の(ランダムな)変動があるからである。したがって、そのようなキャリブレーションに関する正常な誤差マージンの範囲内において、IMSステージにおける測定可能なイオン損失は本質的に生じない。
【0033】
結語
以上、本発明の好ましい態様を提示および説明したが、当業者には、本発明のより広い局面において、本発明から逸脱することなく多数の変更および修正を行い得ることが理解されるものと思われる。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのような変更および修正を、本発明の真の精神および範囲に含まれるものとして包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の切取略図である。
【図2】本発明の好ましい態様を示すために構築した砂時計型電気力学的漏斗および内部イオン漏斗である。
【図3】本発明の好ましい態様を示すために構築したドリフト管である。
【図4】本発明の好ましい態様で行った一連の実験について、与えられたIMSチャンバ圧力において、イオンドリフト時間がIMS電圧と逆比例することを示すグラフである。
【図5】市販の(先行技術の)Micromassシステムで得た、グルタミン酸-フィブリノペプチド(1572 amu)の質量スペクトルである。
【図6】ESI/MSインターフェースに標準的なイオン漏斗を取り付けた市販の(先行技術の)Micromassシステムで得た、グルタミン酸-フィブリノペプチド(1572 amu)の質量スペクトルである。
【図7】本発明の好ましい態様で説明した砂時計型電気力学的漏斗、IMSドリフト管、および内部イオン漏斗を通過させた、グルタミン酸-フィブリノペプチド(1572 amu)の質量スペクトルである。
【図8】市販の(先行技術の)Micromassシステムで得た、インスリン(5734 amu)の質量スペクトルである。
【図9】ESI/MSインターフェースに標準的なイオン漏斗を取り付けた市販の(先行技術の)Micromassシステムで得た、インスリン(5734 amu)の質量スペクトルである。
【図10】本発明の好ましい態様で説明した砂時計型電気力学的漏斗、IMSドリフト管、および内部イオン漏斗を通過させた、インスリン(5734 amu)の質量スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、イオンの気相分析に有用な装置:
a.少なくとも、入口要素、中央部要素、および出口要素で形成される砂時計型電気力学的漏斗であって;該要素の各々が開口部を有し;該入口要素の開口部を通り、該中央部要素の開口部を通り、かつその後、該出口要素の開口部を通る荷電粒子の経路が形成されるように該入口要素が整列され;かつ、該中央部要素の該開口部が、該入口要素および該出口要素の該開口部より小さい、砂時計型電気力学的漏斗;
b.ドリフト管であって、該砂時計型電気力学的漏斗がドリフト管への入口を形成し、これにより、ドリフト管の外側の比較的高圧の領域内で生成されたイオンが該要素を通ってドリフト管の内側の比較的低圧の領域へと移動するための経路を提供する、ドリフト管;
c.該ドリフト管の出口から飛行時間型検出器へとイオンを伝送するためのイオン伝送手段を有する検出器であって、該イオン伝送手段が、該イオンドリフト管内の全イオンドリフト時間の5%未満でイオンを伝送することを可能にする手段である、検出器。
【請求項2】
砂時計型電気力学的漏斗の内部に配置されたジェットディスターバ(jet disturber)をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
開口部が、円形、楕円形、および矩形からなる群より選択される形状を有する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
砂時計型電気力学的漏斗の出口要素の開口部から出たイオン流を一時的に収容するための手段をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
手段が、複数のワイヤ、メッシュ、およびマイクロチャネルプレートからなる群より選択される、請求項4記載の装置。
【請求項6】
イオン経路に垂直な電場を用いてイオンを偏向させることによりイオン流を間欠的に停止させる手段をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項7】
手段が、ブラッドベリ-ニールセン(Bradbury-Nielsen)ゲート、2つ以上の偏向板、およびスプリットレンズからなる群より選択される、請求項6記載の装置。
【請求項8】
電気力学的漏斗と反対側の該ドリフト管の端に位置するドリフト管の出口と連絡するイオン分析手段をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項9】
イオン分析手段が、質量分析計、光電子分光計、および光解離分光計からなる群より選択される、請求項8記載の装置。
【請求項10】
質量分析計が、四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、およびフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計からなる群より選択される、請求項9記載の装置。
【請求項11】
ドリフト管がイオンモビリティースペクトロメーターである、請求項1記載の装置。
【請求項12】
ドリフト管が、フィールド非対称波イオンモビリティースペクトロメーター、選択イオン流チューブ、およびプロトン移動反応質量分析計からなる群より選択される、請求項1記載の装置。
【請求項13】
入口要素と連絡するイオン生成手段をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項14】
イオン生成手段が、エレクトロスプレーイオン化、コールドスプレーイオン化、サーモスプレーイオン化、マトリックス支援レーザー脱離イオン化、表面増強レーザー脱離イオン化、レーザー蒸発、およびアーク放電からなる群より選択される、請求項13記載の装置。
【請求項15】
比較的小さい開口部を有する少なくとも1つの要素と、比較的大きい開口部を有する少なくとも1つの要素とを有する、ドリフト管の出口部に配置された内部イオン漏斗をさらに含み、該小さい開口部を有する該要素が該ドリフト管の該出口に隣接するように配置される、請求項1記載の装置。
【請求項16】
少なくとも、入口要素、中央部要素、および出口要素で形成される第二の砂時計型電気力学的漏斗であって;該要素の各々が開口部を有し;該入口要素の開口部を通り、該中央部要素の開口部を通り、かつ該出口要素の開口部を通る荷電粒子の経路が形成されるように該入口要素が整列され;該中央部要素の該開口部が、該入口要素および該出口要素の該開口部より小さく;かつ、該第二の砂時計型電気力学的漏斗がドリフト管への別の入口を形成し、これにより、該ドリフト管の外側の比較的高圧の領域内で生成されたイオンが該ドリフト管の内側の比較的低圧の領域へと移動するための第二の経路を提供するような、第二の砂時計型電気力学的漏斗をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項17】
砂時計型電気力学的漏斗のうち少なくとも1つの中に配置されたジェットディスターバをさらに含む、請求項16記載の装置。
【請求項18】
開口部が、円形、楕円形、矩形、およびその組合せからなる群より選択される形状を有する、請求項16記載の装置。
【請求項19】
砂時計型電気力学的漏斗の出口要素のうち少なくとも1つの要素の開口部から出たイオン流を一時的に収容するための手段をさらに含む、請求項16記載の装置。
【請求項20】
手段が、複数のワイヤ、メッシュ、およびマイクロチャネルプレートからなる群より選択される、請求項19記載の装置。
【請求項21】
イオン経路に垂直な電場を用いてイオンを偏向させることによりイオン流を間欠的に停止させる手段をさらに含む、請求項16記載の装置。
【請求項22】
手段が、ブラッドベリ-ニールセン(Bradbury-Nielsen)ゲート、2つ以上の偏向板、およびスプリットレンズからなる群より選択される、請求項21記載の装置。
【請求項23】
電気力学的漏斗と反対側の該ドリフト管の端に位置するドリフト管の出口と連絡するイオン分析手段をさらに含む、請求項16記載の装置。
【請求項24】
イオン分析手段が、質量分析計、光電子分光計、および光解離分光計からなる群より選択される、請求項23記載の装置。
【請求項25】
質量分析計が、四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、およびフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計からなる群より選択される、請求項24記載の装置。
【請求項26】
ドリフト管がイオンモビリティースペクトロメーターである、請求項16記載の装置。
【請求項27】
ドリフト管が、フィールド非対称波イオンモビリティースペクトロメーター、選択イオン流チューブ、およびプロトン移動反応質量分析計からなる群より選択される、請求項16記載の装置。
【請求項28】
入口要素のうち少なくとも1つと連絡するイオン生成手段をさらに含む、請求項16記載の装置。
【請求項29】
イオン生成手段が、エレクトロスプレーイオン化、コールドスプレーイオン化、サーモスプレーイオン化、マトリックス支援レーザー脱離イオン化、表面増強レーザー脱離イオン化、レーザー蒸発、およびアーク放電からなる群より選択される、請求項28記載の装置。
【請求項30】
比較的小さい開口部を有する少なくとも1つの要素と、比較的大きい開口部を有する少なくとも1つの要素とを有する、ドリフト管の出口部に配置された内部イオン漏斗をさらに含み、該小さい開口部を有する該要素が該ドリフト管の該出口に隣接するように配置される、請求項16記載の装置。
【請求項31】
以下を含む、イオンの気相分析に有用な装置:
a.少なくとも、2つの入口要素、1つの中央部要素、および1つの出口要素で形成される二重入口の砂時計型電気力学的漏斗であって、該要素の各々が開口部を有し、該入口要素の開口部を通り、該中央部要素の開口部を通り、かつ該出口要素の開口部を通る荷電粒子の経路が形成されるように該2つの入口要素の各々が整列され、かつ、該中央部要素の該開口部が、該入口要素および該出口要素の開口部より小さい、二重入口の砂時計型電気力学的漏斗;
b.ドリフト管であって、該二重供給源の砂時計型電気力学的漏斗が該ドリフト管への入口を形成し、これにより、該ドリフト管の外側の比較的高圧の領域内で生成されたイオンが該ドリフト管の内側の比較的低圧の領域へと移動するための、別々であるが合流する2つの経路を提供するようなドリフト管;
c.該ドリフト管の出口から飛行時間型検出器へとイオンを伝送するためのイオン伝送手段を有する検出器であって、該イオン伝送手段が、該イオンドリフト管内の全イオンドリフト時間の5%未満でイオンを伝送することを可能にする手段である検出器。
【請求項32】
二重供給源の砂時計型電気力学的漏斗の中に配置されたジェットディスターバをさらに含む、請求項31記載の装置。
【請求項33】
開口部が、円形、楕円形、および矩形からなる群より選択される形状を有する、請求項31記載の装置。
【請求項34】
二重供給源の砂時計型電気力学的漏斗の出口要素の開口部から出たイオン流を一時的に収容するための手段をさらに含む、請求項31記載の装置。
【請求項35】
手段が、複数のワイヤ、メッシュ、およびマイクロチャネルプレートからなる群より選択される、請求項34記載の装置。
【請求項36】
イオン経路に垂直な電場を用いてイオンを偏向させることによりイオン流を間欠的に停止させる手段をさらに含む、請求項31記載の装置。
【請求項37】
手段が、ブラッドベリ-ニールセン(Bradbury-Nielsen)ゲート、2つ以上の偏向板、およびスプリットレンズからなる群より選択される、請求項36記載の装置。
【請求項38】
電気力学的漏斗と反対側の該ドリフト管の端に位置するドリフト管の出口と連絡するイオン分析手段をさらに含む、請求項31記載の装置。
【請求項39】
イオン分析手段が、質量分析計、光電子分光計、および光解離分光計からなる群より選択される、請求項38記載の装置。
【請求項40】
質量分析計が、四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、およびフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計からなる群より選択される、請求項39記載の装置。
【請求項41】
ドリフト管がイオンモビリティースペクトロメーターである、請求項31記載の装置。
【請求項42】
ドリフト管が、フィールド非対称波イオンモビリティースペクトロメーター、選択イオン流チューブ、およびプロトン移動反応質量分析計からなる群より選択される、請求項31記載の装置。
【請求項43】
入口要素と連絡するイオン生成手段をさらに含む、請求項31記載の装置。
【請求項44】
イオン生成手段が、エレクトロスプレーイオン化、コールドスプレーイオン化、サーモスプレーイオン化、マトリックス支援レーザー脱離イオン化、表面増強レーザー脱離イオン化、レーザー蒸発、およびアーク放電からなる群より選択される、請求項43記載の装置。
【請求項45】
イオン検出手段をさらに含み、該イオン検出装置が、二重供給源の砂時計型電気力学的漏斗と反対側のドリフト管の端から該ドリフト管を出るイオンを受容するように構成される、請求項31記載の装置。
【請求項46】
以下の段階を含む、イオンを気相分析する方法:
a.少なくとも、入口要素、中央部要素、および出口要素で形成される砂時計型電気力学的漏斗であって;該要素の各々が開口部を有し;該入口要素の開口部を通り、該中央部要素の開口部を通り、かつその後、該出口要素の開口部を通る荷電粒子の経路が形成されるように該入口要素が整列され;かつ、該中央部要素の該開口部が、該入口要素および該出口要素の開口部より小さい、砂時計型電気力学的漏斗を提供する段階;
b.ドリフト管であって、砂時計型電気力学的漏斗がドリフト管への入口を形成し、これにより、ドリフト管の外側の比較的高圧の領域内で生成されたイオンが該要素を通ってドリフト管の内側の比較的低圧の領域へと移動するための経路を提供する、ドリフト管を提供する段階;
c.該入口要素にイオンを導入する段階;ならびに
d.該ドリフト管の出口から飛行時間型検出器へとイオンを伝送するためのイオン伝送手段を有する検出器であって、該イオン伝送手段が、該イオンドリフト管内の全イオンドリフト時間の5%未満でイオンを伝送することを可能にする手段である、検出器を提供する段階。
【請求項47】
砂時計型電気力学的漏斗の中に配置されたジェットディスターバを提供する段階をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
開口部が、円形、楕円形、および矩形からなる群より選択される形状を有するものとして提供される、請求項46記載の方法。
【請求項49】
砂時計型電気力学的漏斗の出口要素の開口部から出たイオン流を一時的に収容するための手段を提供し、これにより、イオン群が既知の時間に該出口要素を通過することを可能にする段階をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項50】
手段が、複数のワイヤ、メッシュ、およびマイクロチャネルプレートからなる群より選択され、かつ、該手段に間欠的に電位を印加しこれによりイオン群が既知の時間に該出口要素を通過することを可能にする、請求項49記載の方法。
【請求項51】
イオン経路に垂直な電場を用いてイオンを偏向させることによりイオン流を間欠的に停止させる手段を提供する段階をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項52】
手段が、ブラッドベリ-ニールセン(Bradbury-Nielsen)ゲート、2つ以上の偏向板、およびスプリットレンズからなる群より選択されるものとして提供される、請求項51記載の方法。
【請求項53】
電気力学的漏斗と反対側の該ドリフト管の端に位置するドリフト管の出口と連絡するイオン分析手段を提供する段階をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項54】
イオン分析手段が、質量分析計、光電子分光計、および光解離分光計からなる群より選択される、請求項53記載の方法。
【請求項55】
質量分析計が、四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、およびフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計からなる群より選択される、請求項54記載の方法。
【請求項56】
ドリフト管がイオンモビリティースペクトロメーターとして提供される、請求項46記載の方法。
【請求項57】
ドリフト管が、フィールド非対称波イオンモビリティースペクトロメーター、選択イオン流チューブ、およびプロトン移動反応質量分析計からなる群より選択される、請求項46記載の方法。
【請求項58】
入口要素と連絡するイオン生成手段を提供する段階をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項59】
イオン生成手段が、エレクトロスプレーイオン化、コールドスプレーイオン化、サーモスプレーイオン化、マトリックス支援レーザー脱離イオン化、表面増強レーザー脱離イオン化、レーザー蒸発、およびアーク放電からなる群より選択される、請求項58記載の方法。
【請求項60】
比較的小さい開口部を有する少なくとも1つの要素と、比較的大きい開口部を有する少なくとも1つの要素とを有する、ドリフト管の出口部に配置された内部イオン漏斗を提供する段階であって、該小さい開口部を有する該要素が該ドリフト管の該出口に隣接するように配置される段階をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項61】
以下の段階をさらに含む、請求項46記載の方法:
a.少なくとも、入口要素、中央部要素、および出口要素で形成される第二の砂時計型電気力学的漏斗であって、該要素の各々が開口部を有し、該入口要素の開口部を通り、該中央部要素の開口部を通り、かつ該出口要素の開口部を通る荷電粒子の経路が形成されるように該入口要素が整列され、該中央部要素の該開口部が、該入口要素および該出口要素の該開口部より小さく、かつ、第二の砂時計型電気力学的漏斗がドリフト管への別の入口を形成し、これにより、ドリフト管の外側の比較的高圧の領域内で生成されたイオンがドリフト管の内側の比較的低圧の領域へと移動するための第二の経路を提供するような、第二の砂時計型電気力学的漏斗を提供する段階;ならびに
b.該第二の電気力学的漏斗の該入口要素を通してイオンを導入する段階。
【請求項62】
砂時計型電気力学的漏斗のうち少なくとも1つの中に配置されたジェットディスターバを提供する段階をさらに含む、請求項61記載の方法。
【請求項63】
開口部が、円形、楕円形、矩形、およびその組合せからなる群より選択される形状を有する、請求項61記載の方法。
【請求項64】
砂時計型電気力学的漏斗の出口要素のうち少なくとも1つの出口の開口部から出たイオン流を一時的に収容するための手段を提供し、これにより、イオン群が既知の時間に該出口要素を通過することを可能にする段階をさらに含む、請求項61記載の方法。
【請求項65】
手段が、複数のワイヤ、メッシュ、およびマイクロチャネルプレートからなる群より選択され、かつ、該手段に間欠的に電位を印加しこれによりイオン群が既知の時間に該出口要素を通過することを可能にする、請求項64記載の方法。
【請求項66】
イオン経路に垂直な電場を用いてイオンを偏向させることによりイオン流を停止させる手段を提供する段階をさらに含む、請求項61記載の方法。
【請求項67】
手段が、ブラッドベリ-ニールセン(Bradbury-Nielsen)ゲート、2つ以上の偏向板、およびスプリットレンズからなる群より選択されるものとして提供される、
請求項66記載の方法。
【請求項68】
電気力学的漏斗と反対側の該ドリフト管の端に位置するドリフト管の出口と連絡するイオン分析手段を提供する段階をさらに含む、請求項61記載の方法。
【請求項69】
イオン分析手段が、質量分析計、光電子分光計、および光解離分光計からなる群より選択される、請求項68記載の方法。
【請求項70】
質量分析計が、四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、およびフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計からなる群より選択されるものとして提供される、請求項69記載の方法。
【請求項71】
ドリフト管がイオンモビリティースペクトロメーターとして提供される、請求項61記載の方法。
【請求項72】
ドリフト管が、フィールド非対称波イオンモビリティースペクトロメーター、選択イオン流チューブ、およびプロトン移動反応質量分析計からなる群より選択される、請求項61記載の方法。
【請求項73】
入口要素のうち少なくとも1つと連絡するためのイオン生成手段を提供する段階をさらに含む、請求項61記載の方法。
【請求項74】
イオン生成手段が、エレクトロスプレーイオン化、コールドスプレーイオン化、サーモスプレーイオン化、マトリックス支援レーザー脱離イオン化、表面増強レーザー脱離イオン化、レーザー蒸発、およびアーク放電からなる群より選択されるものとして提供される、請求項73記載の方法。
【請求項75】
比較的小さい開口部を有する少なくとも1つの要素と、比較的大きい開口部を有する少なくとも1つの要素とを有する、ドリフト管の出口部に配置された内部イオン漏斗を提供する段階であって、該小さい開口部を有する該要素が該ドリフト管の該出口に隣接するように配置される段階をさらに含む、請求項61記載の方法。
【請求項76】
以下の段階を含む、イオンを気相分析する方法:
a.少なくとも、2つの入口要素、1つの中央部要素、および1つの出口要素で形成される二重入口の砂時計型電気力学的漏斗であって、該要素の各々が開口部を有し、該入口要素の開口部を通り、該中央部要素の開口部を通り、かつ該出口要素の開口部を通る荷電粒子の経路が形成されるように該2つの入口要素の各々が整列され、かつ、該中央部要素の該開口部が、該入口要素および該出口要素の開口部より小さい、二重入口の砂時計型電気力学的漏斗を提供する段階;
b.ドリフト管であって、該二重供給源の砂時計型電気力学的漏斗が該ドリフト管への入口を形成し、これにより、該ドリフト管の外側の比較的高圧の領域内で生成されたイオンが該ドリフト管の内側の比較的低圧の領域へと移動するための、別々であるが合流する2つの経路を提供するようなドリフト管を提供する段階;
c.該入口要素のうち少なくとも1つの要素の開口部にイオンを導入する段階;ならびに
d.該ドリフト管の出口から飛行時間型検出器へとイオンを伝送するためのイオン伝送手段を有する検出器であって、該イオン伝送手段が、該イオンドリフト管内の全イオンドリフト時間の5%未満でイオンを伝送することを可能にする手段である検出器を提供する段階。
【請求項77】
二重供給源の砂時計型電気力学的漏斗の中に配置されたジェットディスターバを提供する段階をさらに含む、請求項76記載の方法。
【請求項78】
開口部が、円形、楕円形、および矩形からなる群より選択される形状を有する、請求項76記載の方法。
【請求項79】
二重供給源の砂時計型電気力学的漏斗の出口要素の開口部から出たイオン流を一時的に収容するための手段をさらに含む、請求項76記載の方法。
【請求項80】
手段が、複数のワイヤ、メッシュ、およびマイクロチャネルプレートからなる群より選択されるものとして提供され、かつ該手段に間欠的に電位を印加しこれによりイオン群が既知の時間に該出口要素を通過することを可能にする、請求項79記載の方法。
【請求項81】
イオン経路に垂直な電場を用いてイオンを偏向させることによりイオン流を間欠的に停止させる手段を提供する段階をさらに含む、請求項76記載の方法。
【請求項82】
手段が、ブラッドベリ-ニールセン(Bradbury-Nielsen)ゲート、2つ以上の偏向板、およびスプリットレンズからなる群より選択されるものとして提供される、請求項81記載の方法。
【請求項83】
電気力学的漏斗と反対側の該ドリフト管の端に位置するドリフト管の出口と連絡するイオン分析手段を提供する段階をさらに含む、請求項76記載の方法。
【請求項84】
イオン分析手段が、質量分析計、光電子分光計、および光解離分光計からなる群より選択される、請求項83記載の方法。
【請求項85】
質量分析計が、四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、およびフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計からなる群より選択される、請求項84記載の方法。
【請求項86】
ドリフト管がイオンモビリティースペクトロメーターである、請求項76記載の方法。
【請求項87】
ドリフト管が、フィールド非対称波イオンモビリティースペクトロメーター、選択イオン流チューブ、およびプロトン移動反応質量分析計からなる群より選択される、請求項76記載の方法。
【請求項88】
入口要素と連絡するためのイオン生成手段を提供する段階をさらに含む、請求項76記載の方法。
【請求項89】
イオン生成手段が、エレクトロスプレーイオン化、コールドスプレーイオン化、サーモスプレーイオン化、マトリックス支援レーザー脱離イオン化、表面増強レーザー脱離イオン化、レーザー蒸発、およびアーク放電からなる群より選択される、請求項88記載の方法。
【請求項90】
イオン検出手段を提供する段階をさらに含み、該イオン検出装置が、二重供給源の砂時計型電気力学的漏斗と反対側のドリフト管の端から該ドリフト管を出るイオンを受けるように構成される、請求項76記載の方法。
【請求項91】
以下の段階を含む、イオンを気相分析する方法:
a.ドリフト管の出口部に配置された内部イオン漏斗であって、比較的小さい開口部を有する少なくとも1つの要素と、比較的大きい開口部を有する少なくとも1つの要素とを有する、内部イオン漏斗を有するドリフト管を提供する段階であって、該小さい開口部を有する該要素が、該ドリフト管の内部から該ドリフト管の該出口を通してイオンを伝送するように配置される段階;
b.該ドリフト管の、該イオン漏斗と反対側の端の入口に、イオンを提供する段階;ならびに
c.該ドリフト管の出口から飛行時間型検出器へとイオンを伝送するためのイオン伝送手段を有する検出器であって、該イオン伝送手段が、該イオンドリフト管内の全イオンドリフト時間の5%未満でイオンを伝送することを可能にする手段である検出器を提供する段階。
【請求項92】
内部イオン漏斗の中に配置されたジェットディスターバを提供する段階をさらに含む、請求項91記載の方法。
【請求項93】
開口部が、円形、楕円形、および矩形からなる群より選択される形状を有する、請求項91記載の方法。
【請求項94】
内部イオン漏斗の要素のうち比較的小さい開口部を有する1つの要素の開口部から出たイオン流を一時的に収容するための手段を提供する段階をさらに含む、請求項91記載の方法。
【請求項95】
手段が、複数のワイヤ、メッシュ、およびマイクロチャネルプレートからなる群より選択され、かつ該手段に間欠的に電位を印加しこれによりイオン群が既知の時間に該出口要素を通過することを可能にするものとして提供される、請求項91記載の方法。
【請求項96】
イオン経路に垂直な電場を用いてイオンを偏向させることによりイオン流を間欠的に停止させる手段を提供する段階をさらに含む、請求項91記載の方法。
【請求項97】
手段が、ブラッドベリ-ニールセン(Bradbury-Nielsen)ゲート、2つ以上の偏向板、およびスプリットレンズからなる群より選択されるものとして提供される、請求項96記載の方法。
【請求項98】
ドリフト管の出口と連絡するイオン分析手段を提供する段階をさらに含む、請求項91記載の方法。
【請求項99】
イオン分析手段が、質量分析計、光電子分光計、および光解離分光計からなる群より選択される、請求項91記載の方法。
【請求項100】
質量分析計が、四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、およびフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計からなる群より選択される、請求項99記載の方法。
【請求項101】
ドリフト管をイオンモビリティースペクトロメーターとして提供する段階をさらに含む、請求項91記載の方法。
【請求項102】
ドリフト管が、フィールド非対称波イオンモビリティースペクトロメーター、選択イオン流チューブ、およびプロトン移動反応質量分析計からなる群より選択される、請求項91記載の方法。
【請求項103】
内部イオン漏斗と反対側の該ドリフト管の端に位置するドリフト管の入口と連絡するイオン生成手段を提供する段階をさらに含む、請求項91記載の方法。
【請求項104】
イオン生成手段が、エレクトロスプレーイオン化、コールドスプレーイオン化、サーモスプレーイオン化、マトリックス支援レーザー脱離イオン化、表面増強レーザー脱離イオン化、レーザー蒸発、およびアーク放電からなる群より選択される、請求項103記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−510272(P2007−510272A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537986(P2006−537986)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/029181
【国際公開番号】WO2005/045876
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(504267013)バッテル メモリアル インスティチュート (8)
【Fターム(参考)】