説明

研磨加工用スラリー組成物、半導体基板、異硬度材料で構成される複合材料

【課題】非水系分散媒中において、親水性研磨材粒子が凝集するのを低減することができる研磨加工用スラリー組成物を提供する。
【解決手段】非水系分散媒として炭化水素系溶剤、親水性研磨材粒子としてダイヤモンド粒子を含有する組成物に、さらに、エステル基、水酸基、および、カルボニル基を有し、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が1000以上である化合物A、または、化合物Aとアミンとの反応生成物B、を添加してなる研磨加工用スラリー組成物であって、ダイヤモンド粒子を水系で分散させたときのメジアン径をdとして、研磨加工用スラリー組成物におけるダイヤモンド粒子のメジアン径をdとしたときに、d/dが1.0〜2.0となる研磨加工用スラリー組成物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨加工用スラリー組成物に関する。詳細には、半導体基板または異硬度材料で構成される複合材料の研磨加工用として好適に用いられる研磨加工用スラリー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、研磨加工用組成液としては、粒子表面が高い親水性を示すダイヤモンドやアルミナ等の研磨材粒子(砥粒)を用い、その砥粒を容易に分散させることができる水を分散媒としたスラリー組成物が広く用いられている。しかしながら、このような水系分散媒からなるスラリー組成物を研磨加工に用いた場合、非水系分散媒からなるスラリー組成物を用いた場合に比べ、一般に被研磨加工物品にスクラッチ等の表面欠陥が発生しやすくなるといった問題や、水に対して弱い金属材料等の物品を研磨する場合は、腐食や錆が発生する問題があった。
【0003】
また、非水系分散媒からなるスラリー組成物においては、砥粒が親水性のため、砥粒を分散媒中に均一に分散させることが難しいため、砥粒が凝集しやすく、該凝集粒子により被研磨加工物品の研磨面にスクラッチ等の損傷が発生しやすくなるといった問題があった。
【0004】
上記問題を解消するため、非水系分散媒中に砥粒が均一に分散された研磨加工用スラリー組成物が強く要請されているが、非水系分散媒中に、親水性の砥粒を均一に分散することが困難であった。
このような問題に対して、親水性研磨材粒子(砥粒)を非水系分散媒中に均一に分散させるための方法として、これまでに各種の手法が提案されている。例えば、特許文献1では、ノニオン系界面活性剤を親水性研磨材粒子の疎水化処理剤として非水系分散媒中に添加し、研磨材粒子の分散性の改善を図る方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−140431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の方法では、研磨材粒子を均一に分散させることは可能となるものの、比較的大きくて強固な凝集体は分散されず沈降してしまう等の改善の余地があった。そこで、本発明は、非水系分散媒中において、親水性研磨材粒子が凝集するのを低減することができる研磨加工用スラリー組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討することにより、以下の事項を見出した。
(1)非水系分散媒として炭化水素系溶剤、親水性研磨材粒子としてダイヤモンド粒子を含有する組成物に、エステル基、水酸基、および、カルボニル基を有し、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が1000以上である化合物Aを添加することにより、炭化水素系溶媒中におけるダイヤモンド粒子の分散性が良好となること。
(2)研磨材粒子の凝集を防ぎ、被研磨加工物品の研磨面の損傷を防ぐには、ダイヤモンド粒子を水系で分散させたときのメジアン径をdとして、本発明の研磨加工用スラリー組成物におけるダイヤモンド粒子のメジアン径をdとしたときに、d/dが1.0〜2.0とすればよいことを見出し、上記化合物Aを含有する組成物は、このような分散性を達成可能であること。
(3)本発明の研磨加工用組成物では、上記化合物Aの代わりに、該化合物Aとアミンとの反応生成物Bを添加しても、上記分散性を達成できること。
(4)本発明の研磨加工用組成物は、被研磨加工物品の研磨面の損傷を高度に低減できるため、半導体基板の研磨加工用あるいは異硬度材料で構成される複合材料の研磨加工用といった、表面平滑性が高度に要求される加工品に対して、好適に採用できること。
【0008】
以上の検討事項を元に、本発明者らは以下の発明を完成させた。
第1の本発明は、非水系分散媒として炭化水素系溶剤、親水性研磨材粒子としてダイヤモンド粒子を含有する組成物に、さらに、エステル基、水酸基、および、カルボニル基を有し、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が1000以上である化合物A、または、該化合物Aとアミンとの反応生成物B、を添加してなる研磨加工用スラリー組成物であって、前記ダイヤモンド粒子を水系で分散させたときのメジアン径をdとして、前記研磨加工用スラリー組成物における前記ダイヤモンド粒子のメジアン径をdとしたときに、d/dが1.0〜2.0となる、研磨加工用スラリー組成物である。なお、d/dは、1.0〜1.5が好ましく、1.0〜1.3がより好ましい。
【0009】
第1の本発明において、前記化合物Aは、リシノール酸の脱水縮合物、その水添物、水添リシノール酸の脱水縮合物、または、ヒドロキシステアリン酸の脱水縮合物のいずれかであることが好ましい。なお、化合物Aとしては、これらの二種以上の混合物を用いてもよい。
【0010】
第1の本発明において、前記化合物Aとアミンとの反応生成物Bは、前記化合物Aとアミンとの塩、または、前記化合物Aとアミンとを反応させたアミド化合物であることが好ましい。なお、化合物Bは、二種以上を混合して用いてもよいし、化合物Aおよび反応生成物Bを、混合してスラリー組成物に含有させてもよい。
【0011】
第1の本発明において、前記ダイヤモンド粒子のメジアン径は40nm〜1μmであることが好ましい。
【0012】
第1の本発明の研磨加工用スラリー組成物は、半導体基板の研磨加工用として好適に用いられる。半導体基板は、表面平滑性が要求されるので、研磨面に表面損傷を生じさせない本発明のスラリー組成物が有用となる。
第2の本発明は、第1の本発明の研磨加工用スラリー組成物により研磨加工された半導体基板である。
【0013】
第1の本発明の研磨加工用スラリー組成物は、異硬度材料で構成される複合材料の研磨加工用として好適に用いられる。
【0014】
第3の本発明は、第1の本発明の研磨加工用スラリー組成物により研磨加工された異硬度材料で構成される複合材料である。ここで、異硬度材料とは、硬度の異なる二種以上の材料からなる複合材料であり、複合形式としては、積層形式、海島形式等があり、例えば、アルチック(Al−TiC)が挙げられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の研磨加工用スラリー組成物は、非水系分散媒である炭化水素系溶剤を含んだ構成であるので、金属材料等の水に弱い物品を研磨する際にも錆等が発生する問題がなく、また、化合物A等を含むことにより親水性研磨粒子が好適に分散されているので、研磨粒子の凝集を抑制し、加工物品の研磨面に損傷が生じるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<研磨加工用スラリー組成物>
本発明の研磨加工用スラリー組成物は、非水系分散媒として炭化水素系溶剤、親水性研磨材粒子としてダイヤモンド粒子を含有する組成物に、さらに、以下に説明する化合物A、または、反応生成物B、を添加してなる研磨加工用スラリー組成物である。以下、各成分について説明する。
【0017】
(炭化水素系溶剤)
本発明の研磨加工用スラリー組成物における、非水系分散媒としては、各種の粘度が得られること、熱安定性が良いこと、劣化し難いこと、安価であること等の理由から、炭化水素系溶剤が用いられる。該炭化水素系溶剤は、非極性媒体であるために、含水率が著しく低く、被研磨加工物品に、腐食や錆等を生じさせる虞が極めて低い。
【0018】
炭化水素系溶剤としては、特に制限はなく公知の炭化水素系溶剤を用いることができ、例えば、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等のノルマルパラフィン系炭化水素、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン等のイソパラフィン系炭化水素、および、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、デカヒドロナフタレン等のナフテン系炭化水素などの飽和炭化水素溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤、オレフィン系炭化水素などの不飽和炭化水素溶剤、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0019】
研磨加工中の溶剤の蒸発を無くし安全かつ安定な研磨加工を行う点から、炭化水素系溶剤の沸点は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。また、炭化水素系溶剤は、2種以上の炭化水素系溶剤を混合したものでもよい。
【0020】
(ダイヤモンド粒子)
本発明の研磨加工用スラリー組成物において、親水性研磨材粒子として用いられるダイヤモンド粒子としては、その種類は特に限定されず、単結晶、多結晶等のいずれの結晶形であってもよいし、表面改質ダイヤモンド粒子であってもよい。また、そのサイズは、被研磨加工物品の所望される面粗さに応じて、適宜選択することができるが、好ましくは40nm〜1μmの平均粒子径(メジアン径)のものが採用される。いずれにせよ、研磨加工用スラリー組成物において、研磨材粒子の粒子径はばらつきがなく揃っていることが好ましく、これにより被研磨加工物品の研磨表面が所望の面粗さを有するものとすることができるのである。
【0021】
本発明においては、凝集していないダイヤモンド粒子のメジアン径に近い、ダイヤモンド粒子を水系で分散させたときのメジアン径をdとして、本発明の研磨加工用スラリー組成物におけるダイヤモンド粒子のメジアン径をdとしたときに、d/dを1.0〜2.0の範囲、好ましくは1.0〜1.5の範囲、より好ましくは1.0〜1.3の範囲とすることができ、研磨加工用組成物中において、ダイヤモンド粒子の凝集を防ぐことができる。本発明の研磨加工用スラリー組成物は、非加工物品の研磨表面の面粗さとしてどのようなものを所望するかにより種々の粒子径のダイヤモンド粒子が使用されたとしても、d/dを上記の範囲とすることができ、スクラッチの無い良好な研磨表面とすることができる。なお、研磨表面の面粗さは、所望の用途により異なるが、スクラッチとは、該所望の面粗さから大きく外れて、形成された傷のことをいう。具体的には、用途にもよるが、面粗さRaの10倍以上の深さ方向の傷がスクラッチとされる。
【0022】
ダイヤモンド粒子の含有量は、一般的な研磨加工用スラリー組成物におけるダイヤモンド粒子の含有量でよく、特に限定されないが、例えば、スラリー組成物全体を基準として、下限が好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、上限が好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
【0023】
(化合物A)
本発明の研磨加工用スラリー組成物においては、上記したダイヤモンド粒子の凝集を防ぐため、エステル基、水酸基、および、カルボニル基を有し、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が1000以上である化合物Aを含んでいる。該化合物Aの好ましい形態としては、リシノール酸の脱水縮合物、その水添物、水添リシノール酸の脱水縮合物、ヒドロキシステアリン酸の脱水縮合物が挙げられる。化合物Aの酸価(化合物A1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数)は、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜60である。
【0024】
(反応生成物B)
本発明の研磨加工用スラリー組成物においては、上記したダイヤモンド粒子の凝集を防ぐため、上記化合物Aに代えて、あるいは、上記化合物Aと共に、上記化合物Aとアミンとの反応生成物Bを含んでいる。反応生成物Bとしては、化合物Aとアミンとの塩、または、化合物Aとアミンとを反応させたアミド化合物が挙げられる。化合物Aおよび反応生成物Bの含有量(両方とも添加する場合は、合計の含有量)は、スラリー組成物全体を基準として、下限は好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.15質量%以上であり、上限は好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
【実施例】
【0025】
<実施例1〜15、比較例>
炭化水素系溶剤3に、化合物1〜6、研磨材粒子1〜8を表1、2に従って加え、ビーズミル機により分散処理を行った。その後、表1、2に従って炭化水素系溶剤1、2を加え、スラリー組成物を作製した。なお、比較例のスラリー組成物は、特許文献1に記載のスラリー組成物に該当する。
【0026】
以下に各成分の物性値の測定方法、および、得られたスラリー組成物の評価方法を記載する。
<GPCによる分子量測定>
化合物1〜3の重量平均分子量は、GPCにより測定した。測定条件は以下の通りである。
溶媒:THF、流量:1ml・min−1、検出器:RI、カラム:Shodex KF−803L(3本直列)。
【0027】
<粒径測定方法>
研磨材粒子1〜8の粒子径を水系における場合と研磨加工用スラリー組成物における場合とで、測定した。
(水系d
ピロリン酸カリウム0.1%とβ−ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩0.1%の混合水溶液に、研磨材粒子を0.1%加え、超音波ホモジナイザーで分散処理後、動的光散乱法による粒径測定器(日機装株式会社製、ナノトラックUPAなど)で測定可能な濃度になるように水で希釈し、粒径dを測定した。なお、超音波ホモジナイザーの処理時間は、粒径測定の結果が変わらなくなるまでの時間とした。
【0028】
(研磨加工用スラリー組成物d
各実施例および比較例で得られたスラリー組成物を、超音波バスで30分間処理後、動的光散乱法による粒径測定器(日機装株式会社製、ナノトラックUPAなど)で測定可能な濃度になるように試料をトルエンで希釈し、粒径dを測定した。
【0029】
<加工試験>
各実施例および比較例で得られたスラリー組成物を用いて、以下の条件にて加工試験を実施した。
加工試験条件(遊離砥粒方式)
研磨機:XLP−15(ラップマスターエスエフティ株式会社製)、
定盤:純スズ定盤、
定盤回転数:60min−1
加工圧力:1.5×10Pa、
スラリー組成物供給量:1ml・min−1
加工時間:10min、
ワーク:アルチック、パーマロイ、
【0030】
加工試験評価項目
(加工量)
加工前後の被加工材の重さを測定し、比較例の加工量を1とした場合の加工比で表記した。
(Ra)
Zygo NewView5010(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)によりRa(JIS B0601−2001の算術平均粗さ)を測定した。
(スクラッチ傷の本数)
Zygo NewView5010(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)により断面形状プロフィールを測定し、深さ方向が5nm以上のV字形状を示すものをスクラッチ傷とした。この傷の数を数え、比較例の数を1とした場合の傷の数を比として表記した。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

上記、実施例、比較例の評価では、表面粗さRaの約10倍以上である5nm以上の深さを有するV字形状をスクラッチとして評価したが、本発明のスラリー組成物を用いた場合は、いずれも、比較例の組成物に比べてスクラッチ傷の数が少なく、良好な研磨面とすることができた。
【0033】
炭化水素系溶剤1:イソパラフィン系溶剤、
炭化水素系溶剤2:パラフィン系溶剤、
炭化水素系溶剤3:アルキルベンゼン、
化合物1:リシノール酸の脱水縮合物(酸価39、重量平均分子量1.4×10(GPC))、
化合物2:ヒドロキシステアリン酸の脱水縮合物(酸価52、重量平均分子量1.0×10(GPC))、
化合物3:ヒドロキシステアリン酸の脱水縮合物(酸価28、重量平均分子量2.0×10(GPC))、
化合物4:化合物2とN,N−ジエチルエチレンジアミンのアミド化合物、
化合物5:化合物1とポリエチレングリコールラウリルアミン(ナイミーンL−207(日油株式会社製))との塩、
化合物6:ソルビタンモノオレート(分子量:429)、
研磨材粒子1:単結晶ダイヤモンド(MD50(トーメイダイヤ株式会社製))、
研磨材粒子2:単結晶ダイヤモンド(MD80(トーメイダイヤ株式会社製))、
研磨材粒子3:研磨材粒子2を表面改質したもの(PM80(トーメイダイヤ株式会社製))、
研磨材粒子4:多結晶ダイヤモンド(住友石炭工業株式会社製)、
研磨材粒子5:単結晶ダイヤモンド(MD150(トーメイダイヤ株式会社製))、
研磨材粒子6:単結晶ダイヤモンド(MD250(トーメイダイヤ株式会社製))、
研磨材粒子7:単結晶ダイヤモンド(MD500(トーメイダイヤ株式会社製))、
研磨材粒子8:単結晶ダイヤモンド(MD750(トーメイダイヤ株式会社製))、
【0034】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う研磨加工用スラリー組成物、半導体基板、および、複合材料もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の研磨加工用スラリー組成物は、半導体基板または異硬度材料で構成される複合材料を研磨するために、好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水系分散媒として炭化水素系溶剤、親水性研磨材粒子としてダイヤモンド粒子を含有する組成物に、さらに、
エステル基、水酸基、および、カルボニル基を有し、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が1000以上である化合物A、または、該化合物Aとアミンとの反応生成物B、を添加してなる研磨加工用スラリー組成物であって、
前記ダイヤモンド粒子を水系で分散させたときのメジアン径をdとして、前記研磨加工用スラリー組成物における前記ダイヤモンド粒子のメジアン径をdとしたときに、d/dが1.0〜2.0となる、研磨加工用スラリー組成物。
【請求項2】
前記化合物Aが、リシノール酸の脱水縮合物、その水添物、水添リシノール酸の脱水縮合物、または、ヒドロキシステアリン酸の脱水縮合物のいずれかである、請求項1に記載の研磨加工用スラリー組成物。
【請求項3】
前記化合物Aとアミンとの反応生成物Bが、前記化合物Aとアミンとの塩、または、前記化合物Aとアミンとを反応させたアミド化合物である、請求項1または2に記載の研磨加工用スラリー組成物。
【請求項4】
前記ダイヤモンド粒子のメジアン径が40nm〜1μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨加工用スラリー組成物。
【請求項5】
半導体基板の研磨加工用である、請求項1〜4のいずれかに記載の研磨加工用スラリー組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の研磨加工用スラリー組成物により、研磨加工された半導体基板。
【請求項7】
異硬度材料で構成される複合材料の研磨加工用である、請求項1〜4のいずれかに記載の研磨加工用スラリー組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の研磨加工用スラリー組成物により、研磨加工された、異硬度材料で構成される複合材料。

【公開番号】特開2012−11514(P2012−11514A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151439(P2010−151439)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000115083)ユシロ化学工業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】