説明

研磨発泡体の製造方法

無機ナノ粒子含有メラミン−ホルムアルデヒド縮合物に基づく研磨発泡体の製造方法であって、以下の工程:
(1)製造する発泡体の予備縮合物と無機ナノ粒子、また必要に応じて他の添加成分(Z)を含む溶液または分散液を調製する工程、
(2)無機ナノ粒子を含む発泡体を得るために、工程(1)からの予備縮合物の溶液または分散液を少なくとも60℃の温度へ加熱して発泡する工程、また必要に応じて、
(3)工程(2)で得られた発泡体を120〜300℃の温度で加熱処理する工程
を含む製造方法により、傷つきやすい表面の研磨の際に、研磨方法が改善させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物に基づく研磨発泡体の製造方法、及び本方法により製造される製品に関する。本方法は、メラミン−ホルムアルデヒドの予備縮合物(precondensate)とナノ粒子状の無機成分、また必要に応じて、例えば乳化剤、発泡剤、硬化剤などの他成分や他の添加物を含む、好ましくは水溶液又は分散液を発泡させるために加熱を利用する。そして、その発泡体は、予備縮合物を架橋することにより硬化させることができ、さらに加工して種々の下流製品を得ることができる。
【背景技術】
【0002】
多くの工業生産分野において、無機ナノ粒子がますます重要となってきている。ナノ粒子材料の持つ特別な特性のため、チップ技術からゴムの生産や医薬化粧品にいたる興味ある利用可能分野が発生している。一般に、ナノ粒子は粗粒状のものとは大きく異なる物理化学的性質を有している。粒子の体積が小さくても、表面積を非常に大きくし、また化学的に変化させることができるため、特別な利用分野が可能となる。例えば、ナノ粒子は、材料内で発生するエネルギーを非常に効果的に散乱させるのに使用可能であり、またこれは、例えばタイヤの弾性の増加やゴム製造分野におけるロール抵抗性の低下をもたらす。しかしながら、無機ナノ粒子は家庭用品や洗浄分野でも有用である。
【0003】
発泡体や研磨発泡体の製造に関して、既にいろいろな方法が開示されている。例えば、EP−A017672には、早くも1979に、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物に基づく弾性発泡体とその製造方法が記載されている。この方法では、発泡剤を含むメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の高濃度溶液または分散液を発泡させ、得られる発泡体を硬化させる。この発泡は、発泡剤の沸点を超える温度に加熱することで実施可能であり、実質的には、発泡の操作が終了するまで急激な粘度上昇を遅延させるようにして実施できる。加熱は熱風で行うことが好ましいが、水蒸気や高周波照射を利用したり、反応熱を利用したりすることもできる。EP−A017672によると、発泡体に充填剤として粉末状無機成分を添加することができ、あるいは難燃剤を添加することもできる。
【0004】
NL−A1024682には、硬質連続気泡発泡体、例えばメラミンホルムアルデヒド系のものが記載されてあり、これには、発泡プロセスの前後で無機添加物を添加することも可能である。しかしながら、これに関係する材料は、軟質メラミン発泡体でなく硬質発泡体である。これらは、本発明の軟質発泡体とは異なる物理特性をもつ。NL−A1024682においては、発泡体の研磨性の増加のために、添加物が、例えば砂が選ばれていない。
【0005】
WO2006/003421には、層状ケイ酸塩(例えばクロイサイト類)系のナノ粒子を含む軟質ポリウレタン発泡体が記載されている。
【0006】
WO2005/100497には、多孔性ポリマーからなる空孔含有プラスチックで、その空孔が金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、または酸化マグネシウムからなる)の研磨材粒子である程度充填されているものが開示されている。これらのプラスチックは、半導体部品の、例えばウエハーの研磨に使用される。これらのポリマーは、ポリウレタンやポリオレフィン系のものである。吸引による発泡中に空孔を形成する方法が、実施例の章に記載されている。
【0007】
CA−A2293906には、荒つくりの発泡体製品の上層を、研磨材添加物を含む被膜で、具体的には炭酸カルシウム、中空ガラスマイクロベーズ、石英、炭化ケイ素または酸化アルミニウムを含む被膜で含浸させて製造される家庭用品用発泡体が記載されている。
【0008】
JP−A2001/287152には、研磨材含浸材料(例えば、二酸化ケイ素または酸化セリウム)によるポリウレタン発泡体の含浸と、それに続く加圧プロセスで得られるウエハーの表面処理用の研磨パッドが記載されている。
【0009】
EP−A1683831には、ポリウレタン成分に最高5重量%の無機ナノ粒子を添加し、次いで発泡させて、ポリウレタン発泡体を製造することが記載されている。なお、このナノ粒子は発泡体構造制御用の核剤として用いられている。
【0010】
US3,653,859には、研磨材添加物を含む分散液で発泡体を含浸することが記載されている。
【0011】
US2003/207954には、研磨材添加物、例えば長石などの鉱物を含むポリウレタン発泡体が記載されている。
【0012】
WO1999/24223にも、研磨材粒子、例えば酸化アルミニウム又は石英からなる研磨剤粒子を含む発泡体が記載されている。
【0013】
JP−A2003/175466には、研磨材粒子とエラストマー製バインダーによるバソテクト(R)発泡体(BASF社製)の含浸が記載されている。
EP−A1742980には、防汚作用を得るために行うバソテクトのセル壁面構造への無機ナノ粒子の共有結合が記載されている。
【0014】
ドイツ実用新案DE29808991には、担体物質中に研磨材が分散している研磨ペーストで、研磨作業条件下では粘度が低下するものを、プラスチック表面の研磨のために使用することが提案されている。
【0015】
DE−A3102567には、金属表面研磨用ペーストで、ペーストの溶融体中に均一に粉末が均一に導入され、その硬度が研磨粒子の硬度と溶融体の硬度の中間にあるものが開示されている。ここに記載の粉末は、銅粉やアルミニウム粉末、亜鉛末、真鍮粉末などの金属粒子である。
【0016】
よく知られている研磨材や研磨ペーストは、微粒状の高硬度研磨粒子を用いることが多いが、これらが研磨作業中に研磨表面上に小さな擦り傷を残すことがある。多くの技術分野(例えば、電子部品製造分野)では、また家庭用品分野では、このような表面の擦り傷は望ましくない。また、弾性が高くなく、長時間持続しないため、ほんの短期間のみに使用可能な発泡体も使用されているが、これは環境上の理由で望ましくない。
【0017】
研磨発泡体を得るために発泡体に研磨材粒子を加えるいろいろな方法が存在している。
・粒子の分散物での発泡体の含浸(バインダーの添加または共有結合による)、
・研磨材粒子の研磨ペーストへの添加、
・発泡プロセスに先立つ研磨材粒子の予備縮合物への添加、
・予備縮合物の調製と続く発泡工程の出発原料への研磨材粒子の添加、
・上記プロセスの組み合わせ。
【0018】
本発明の方法は、特にメラミン−ホルムアルデヒド縮合物を使用する。これらは、弾性が高く長期間持続し、また元来、極めて優れた研磨特性を有している。
【0019】
本発明において好ましく用いられるメラミン−ホルムアルデヒド縮合物は、発泡プロセスの後に多数の微細セル壁面を有する弾性構造体を形成するが、膜を形成するものではない。
【0020】
本発明の研磨発泡体の製造方法で使用可能なメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物では、一般的には、メラミンホルム:アルデヒトモル比が、1:1.3〜1:5の範囲にある。しかし、この比率は、好ましくは1:1.5〜1:3.5である。下記の実施例中のモル比も、この範囲内にある。
【0021】
バソテクト(R)(BASF社製)は、大規模工業スケールで生産されている弾性発泡体製品であり、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物に基づくものである。これは、吸音や断熱、建築物の断熱、洗浄スポンジの製造にしばしば使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】EP−A017672
【特許文献2】NL−A1024682
【特許文献3】WO2006/003421
【特許文献4】WO2005/100497
【特許文献5】CA−A2293906
【特許文献6】JP−A2001/287152
【特許文献7】EP−A1683831
【特許文献8】US3,653,859
【特許文献9】US2003/207954
【特許文献10】WO1999/24223
【特許文献11】JP−A2003/175466
【特許文献12】EP−A1742980
【特許文献13】ドイツ実用新案DE29808991
【特許文献14】DE−A3102567
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の目的は、容易に低コストで製造可能で、効果的な研磨が可能で、表面に擦り傷を残さない研磨発泡体改良品を提供することである。また、本発明の目的は、これらの発泡体が長寿命であるようにすることにある。さらに、本発明の目的は、発泡体の弾性や外観上の劣化を伴わずに研磨特性を改良できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本目的は、無機ナノ粒子含有メラミン−ホルムアルデヒド縮合物に基づく研磨発泡体の製造方法であって、
(1)製造する発泡体の予備縮合物と無機ナノ粒子、また必要に応じて他の添加成分(Z)を含む溶液または分散液を調製する工程、
(2)無機ナノ粒子を含む発泡体を得るために、工程(1)からの予備縮合物の溶液または分散液を少なくとも60℃の温度へ加熱して発泡する工程、また必要に応じて、
(3)工程(2)で得られた発泡体を120〜300℃の温度で加熱処理(heat-conditioning)する工程
を含むことを特徴とする製造方法により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、走査型電子顕微鏡により得られた、実施例1の本発明の発泡体の微視的構造を示す。この発泡体は、完全な連続気泡発泡体である。本発明の発泡体の構造は、未変性発泡体の構造と同じである。図1において、顕微鏡写真の1.5cmが約100μmに相当する。顕微鏡写真用の高圧設定は5キロボルトである。
【図2】図2は、本発明の発泡体のセル壁面表面のナノ構造化を示す。無機ナノ粒子かなるこの微細な層は、特にセル壁面の表面に存在している。発泡体表面のナノ粒子により、研磨性を増加することができる。図2においては、顕微鏡写真の1cmが約1μmに相当する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本方法中の個々の工程とそのいろいろ変例を、以下により詳細に記述する。本方法用の出発原料は、メラミンとホルムアルデヒドとを含んでもよいし、異なる場所で製造された(または市販の)これら二成分を含む予備縮合物(なお、これらは比較的低分子量の縮合物を含む)を含んでいてもよい。
【0027】
本発明はまた、無機ナノ粒子を含む研磨発泡体の製造方法であって、一種以上の重合性成分と、必要に応じて一種以上の分散剤または乳化剤と、及び/又は一種以上の特別な作用を有する物質(E)とを、水などの溶媒に導入し、これから(例えば、激しく攪拌して)できる乳化物にエネルギーを導入して重合させる方法を提供する。
【0028】
本発明によれば、用いる溶媒が水を含むことが、あるいは水と他の水混和性液体との混合物を含むことが好ましい。しかしながら、原理的には、水以外の液体または混合液を溶媒として使用することも可能である。この溶媒は、好ましくは、分散剤または乳化剤のような溶解成分を含むことができる。
【0029】
本発明のある特定の実施態様においては、予備縮合物の発泡と発泡体の加熱処理が、プロセスの単一工程で行われる。
【0030】
工程(1)の溶液または分散液が、少なくとも一種の乳化剤及び/又は少なくとも一種のpH調整成分を含むことも可能である。多くの場合、工程(1)の溶液または分散液が少なくとも一種の乳化剤と少なくとも一種のpH調整成分を含んでいる。本発明の研磨発泡体の製造方法では、まず最初に、「溶媒」(モノマー類または予備縮合物)と無機粒子と必要に応じて他の有機成分とを含む分散液または溶液を調製する。この最初の分散液は、いろいろな方法で調製可能である。この最初の分散液は、エネルギーを印加してさらに均質化される。
【0031】
連続プロセスによりこの最初の分散液を調製することが有利であり、原理的には、この際に加熱を利用することができる。
【0032】
この最初の分散液は、通常分散剤または乳化剤、及び/又は保護コロイドを含んでいる。原理的には希望するいずれの時期に、これらの分散剤または乳化剤、及び/又は保護コロイドをこの最初の分散液中に添加してもよいが、無機成分導入の間は、この段階まで溶媒中に存在していてもよい。好適な乳化剤の例としては、市販の分散剤や市販の界面活性剤があげられる。
【0033】
本発明の他の実施態様においては、平均粒度が1000nm未満、好ましくは100nm未満、例えば1.5nm〜100nm、特に5〜50nmである無機ナノ粒子を含む溶液または分散液が、工程(1)で用いられる。
【0034】
工程(1)で用いられる無機ナノ粒子は、例えば、二酸化ケイ素や酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、マグネタイト、酸化アルミニウム、アルミニウムケイ酸塩、ランタニド酸化物(好ましくは酸化セリウム)からなる群の一種以上の化合物から選択される。なお、いずれの場合も、平均粒度が100nm未満、特に5〜50nmであるものが好ましい。
【0035】
工程(1)の溶液または分散液は、さらに少なくとも一種の発泡剤を含んでいることが好ましい。使用可能な発泡剤について以下に述べる。物理発泡剤を、例えばペンタンなどのアルカンの群から選ばれる少なくとも一種の発泡剤を使用することが好ましい。
【0036】
プロセスの工程(2)において、予備縮合物を発泡させるために加熱が行われる。工程(1)からの溶液または分散液を少なくとも40℃の温度、好ましくは少なくとも60℃の温度に加熱して発泡体が得られる。用いるべき正確な温度は、使用する発泡剤(例えば、その沸点)により異なる。工程(2)の加熱は、例えば、高温ガス(例えば、空気や不活性ガス)の使用及び/又は高周波照射(例えば、マイクロ波)により行われる。
【0037】
本発明のある特定の実施態様においては、無機ナノ粒子成分が、実質的または完全に二酸化ケイ素からなる。
【0038】
工程(1)の溶液または分散液中のナノ粒子成分の量は、予備縮合物の重量に対して0.01〜50重量%であり、好ましくは1〜15重量%である。
【0039】
しかしながら、用いるナノ粒子成分の量は、使用材料と目的用途に応じて変化する。好結果となるのが明らかなナノ粒子成分量は、予備縮合物の重量に対して1〜10重量%である。
【0040】
本発明のある特定の実施態様においては、工程(1)の溶液または分散液が、少なくとも一種の発泡剤と一種の乳化剤と一種のpH調整成分に加えて、一種の着臭剤及び/又は染料を他の添加成分として含んでいる。添加可能なこれらの物質の量は、例えば予備縮合物の重量に対して、0.01〜2重量%である。これらの成分は、最終製品に望ましい香気や光学特性をもたらす。
【0041】
本方法の工程(3)は、原理的には、任意である。この熱処理により、硬化が起こり、また出発成分(例えばモノマー類)の含量が大幅に低下する。このプロセスを実施して、発泡体中に遊離ホルムアルデヒドが残らないようにすることが好ましい。
【0042】
本発明の方法で使用可能な染料は、特に、浸出性がなく、本方法の工程(3)において染料が変化しないほど熱安定性の高い水溶性化合物である。
【0043】
使用可能な着臭剤は、香料業界や洗剤製造分野などで用いられている既存の香料である。例えば、0.1〜5重量%の量の香料(例えば、バニリン)をモノマーに添加することができる。
【0044】
本発明はまた、上記プロセスの一つにより生産されうる、また生産される研磨発泡体を提供する。この研磨発泡体は、一般に、ポリマー組成物中に均一に分布している、平均粒度が100nm未満である無機ナノ粒子を含んでいる。また、これが、いろいろな種類のナノ粒子を、例えば二酸化ケイ素ナノ粒子(例えば、平均粒度が約10nmのもの)と酸化セリウムナノ粒子(例えば、平均粒度が約5nmのもの)とを含んでいてもよい。
【0045】
上述のように、本発明のある特定の実施態様は、研磨発泡体を含む成形物を提供する。したがって、いろいろな形の、例えばブロックや円柱など、またより複雑な形状(例えば動物の形)の成形発泡体の製造が容易に可能である。
【0046】
上述のように、本発明はまた研磨発泡体を含む研磨材を提供する。この研磨発泡体を微粉砕することも可能であり、また例えば、他の研磨材との混合物で使用することも可能である。
【0047】
本発明はまた、発泡体の、必要に応じて他の助剤と組合わせでの、研磨洗浄材や研磨材、研磨艶出材としての利用を提供する。
【0048】
以下に、本発明の方法の個々の工程(1)〜(3)を詳細に述べる。
【0049】
本発明の方法の工程(1)は、少なくとも一種の製造発泡体の予備縮合物と少なくとも一種の無機ナノ粒子成分とを含む溶液または分散液の調製を含む。このプロセスでは、予備縮合物から、好ましくはメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物から出発する。ある好ましい実施態様において用いられる発泡体は、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物由来のものである。
【0050】
これらのメラミン−ホルムアルデヒド縮合物は、メラミンに加えて、最高で50重量%の、好ましくは最高で20重量%の他の熱硬化性成形材料と、ホルムアルデヒドに加えて、最高で50重量%の、好ましくは最高で20重量%の他のアルデヒド類を、その縮合物中に含んでいてもよい。しかしながら、未変性のメラミン−ホルムアルデヒド縮合物が好ましい。使用可能な熱硬化性成形材料の例としては、尿素、ウレタン類、カルボキサミド類、ジシアンジアミド、グアニジン、スルフリルアミド、スルホンアミド類、脂肪族アミン類、グリコール類、フェノールとその誘導体類、アルキル置換及びアリール−置換メラミン類があげられる。
【0051】
使用可能なアルデヒドの例としては、アセトアルデヒドや、トリメチロールアセトアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、フルフラール、グリオキサール、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドがあげられる。他のメラミン−ホルムアルデヒド縮合物に関する詳細が、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法]、 14/2巻、1963、319〜402頁に記載されている。
【0052】
予備縮合物中のメラミン/ホルムアルデヒドのモル比は、一般的には1:1〜1:5の範囲にある。特にホルムアルデヒド含量が低い発泡体を製造するには、このモル比を1:1.3〜1:1.8の範囲で選択し、例えばWO2001/94436に記載のように、サルファイト基を含まない予備縮合物が用いられる。
【0053】
これらのメラミン樹脂は、導入されたサルファイト基を縮合物中に有することができ、これは、樹脂の縮合の際に1〜20重量%の亜硫酸水素ナトリウムを添加することで得られる。ある好ましい実施態様においては、本発明で使用可能なメラミン樹脂予備縮合物がサルファイト基を含まない、即ち、サルファイト基含量が、1%未満、好ましくは0.1%未満、特に好ましくは0%である。
【0054】
製造発泡体の予備縮合物とナノ粒子とを含む溶液または分散液は、当業界の熟練者には既知の方法で製造できる。ある好ましい実施態様においては、好適な予備縮合物が水中で製造される。部分的にまたは完全にエーテル化された縮合物を得るために、予備縮合物の製造の際に、メタノールやエタノール、ブタノールなどのアルコールを添加することができる。
【0055】
エーテル基の形成は、予備縮合物の溶解度に影響を与え、また完全硬化後の材料の機械特性に影響を与える。
【0056】
ある好ましい実施態様においては、本発明の方法の工程(1)で調製される溶液または分散液中に存在するナノ粒子が、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化アルミニウム、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0057】
本発明の他の好ましい実施態様においては、この溶液または分散液が、さらに少なくとも一種の乳化剤及び/又は少なくとも一種の硬化剤を含んでいる。
【0058】
用いる乳化剤には、アニオン性、カチオン性及びノニオン性界面活性剤が含まれ、またこれらの混合物が含まれる。
【0059】
好適なアニオン性界面活性剤の例としては、ジフェニレンオキシドスルホネート類や、アルカンスルホネートとアルキルベンゼンスルホネート類、アルキルナフタレンスルホネート類、オレフィンスルホネート類、アルキルエーテルスルホネート類、脂肪アルコールスルフェート類、エーテルスルフェート類、α−スルホ脂肪酸エステル類、アシルアミノアルカンスルホネート類、アシルイソチオネート類、アルキルエーテルカルボキシレート類、N−アシルサルコシネート類、アルキルホスフェート類、アルキルエーテルホスフェート類があげられる。使用可能なノニオン性界面活性剤としては、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類、脂肪アルコールポリグリコールエーテル類、脂肪酸ポリグリコールエーテル類、脂肪酸アルカノールアミド類、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー類、アミンオキシド類、グリセロール脂肪酸エステル類、ソルビタンエステル類、アルキルポリグリコシド類があげられる。使用可能なカチオン性乳化剤の例としては、アルキルトリアンモニウム塩類や、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類があげられる。
【0060】
好ましい乳化剤の使用量は、予備縮合物に対して0.2〜5重量%である。
【0061】
使用可能な硬化剤は、メラミン樹脂の更なる縮合を触媒する酸性化合物である。これらの硬化剤の量は、一般に、予備縮合物に対して0.01〜20重量%であり、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0062】
好適な酸性化合物は、無機酸及び有機酸であり、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸類、アミドスルホン酸類、無水物類、およびこれらの混合物からなる群から選ばれるものである。
【0063】
予備縮合物の選択の関数として、本溶液または分散液が発泡剤を含んでいてもよい。溶液中または分散液中の発泡剤の量は、望ましい発泡体密度に依存する。原理的には、本発明の方法において、物理発泡剤または化学発泡剤のいずれもが使用可能である。使用可能な物理発泡剤の例としては、液状のものでは、ペンタンやヘキサンなどの炭化水素類、塩化メチレンやクロロホルム、クロロセン、フルオロクロロカーボン類、部分ハロゲン化フルオロクロロカーボン類(HCFC類)などのハロゲン化炭化水素類、特に塩素化及び/又はフッ素化炭化水素類、メタノールやエタノールまたはプロパノール異性体などのアルコール類、エーテル類、ケトン類、ギ酸メチルやギ酸エチル、酢酸メチル、または酢酸エチルなどのエステル類があげられ、さらにはガス状の空気や二酸化炭素があげられる。使用可能な化学発泡剤の例としては、水混合物の形でのイソシアネート類があげられる。この場合には、二酸化炭素が効果的発泡剤として放出される。酸混合物の形でカーボネート類やビカーボネート類も好適であり、同様に二酸化炭素を発生する。アゾ化合物、例えばアゾジカルボンアミドもまた好適である。
【0064】
本発明のある好ましい実施態様においては、本発明の方法の工程(1)の溶液または分散液が、少なくとも一種の発泡剤を含んでいる。溶液中または分散液中のこの発泡剤の量は、予備縮合物に対して1〜40重量%が好ましく、特に1.5〜30重量%が好ましい。沸点が0〜80℃である物理発泡剤を添加することが好ましい。好ましい発泡剤としてペンタンが選ばれる場合、予備縮合物に対して5〜15重量%のペンタンを使用することが好ましい。
【0065】
もう一つの実施態様においては、工程(1)で調製した溶液または分散液が、少なくとも一種の製造発泡体の予備縮合物とナノ粒子とに加えて、乳化剤を、必要に応じて硬化剤を、また必要に応じて発泡剤を含んでいる。
【0066】
もう一つの実施態様においては、他の添加物が含まれない。しかしながら、いくつかの目的には、予備縮合物に対して0.1〜20重量%の、好ましくは10重量%未満の従来の添加物を、例えば染料や難燃剤、UV安定剤、可燃性ガスの毒性を低下させる薬剤、または炭化促進剤を添加することが好ましい。
【0067】
予備縮合物に特別な作用を有する物質を添加することもできる。本研磨発泡体のある実施態様は、染料や着臭剤、光学増白剤、UV吸収剤、顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種の特別な作用を有する物質(E)を含んでいる。この特別作用物質は、発泡体中に均一に分布していることが好ましい。
【0068】
使用可能な顔料は、通常の天然無機顔料(例えば、チョーク)または合成無機顔料(例えば、酸化チタン)、あるいは有機顔料である。
【0069】
特別な作用を有し、例えば白さを増加させるために発泡体中に導入される物質は、光学増白剤であり、その青色がかった蛍光(補色)が、白化や黄変を補償する。原理的には、青発光の蛍光染料のいずれもが好適であり、その例としては、ウルトラフォール(R)(BASF)、ロイコフォール(R)(クラリアント)またはチノパル(R)(チバ)などの市販製品や、以下の化学分類の物質:スチルベン類、ジスチリルビフェニル類、クマリン類、ナフタルイミド類、二重結合で連結されたベンズオキサゾールおよびベンズイミダゾール系があげられる。
【0070】
これらの光学増白剤は、調製プロセスに、別個に供給しても、予備縮合物と共に供給してもよい。用いる特別作用物質が光学増白剤を含む場合、その濃度は一般に、モノマー類の重量に対して0.01〜10%である。
【0071】
本発明はまた、活性成分(E)を含む研磨発泡体を提供する。この活性成分は、例えば殺生剤(例えば殺菌剤)であってもよい。活性成分の含量は、本発明の方法において目的値に制御可能であり、活性成分の関数として変化する。この含量は、一般的には、用いる予備縮合物の量に対して0.001〜20重量%である。
【0072】
この活性成分は、好ましく発泡体中で均一に分布している。使用可能な殺菌剤の例としては、いろいろな市販の殺菌剤や殺藻剤があげられる。殺菌剤は多くの分野で使用され、細菌や糸状菌、藻類の制御に用いられる。本発明においては、活性成分として有機殺菌剤の使用が好ましい。これらの物質の例としては、クロロイソシアヌレート類や、4級アンモニウム化合物類(quat類)、ヒダントイン類、イソチアゾリノン類、パラベン類、トリクロサン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、フェノキシエタノール、またはヘキサヒドロトリアジン類があげられる。
【0073】
本発明の方法で使用可能な着臭剤は、臭覚を刺激する既存の物質であり、例えば香料分野で使用される香気成分(例えばバニリンまたはシトラール)があげられる。ナノ粒子中での香料の使用は、家庭用品や化粧品産業での使用の面で特に興味が持たれる。
【0074】
本発明で得られる発泡体は一般的には開放孔を持つ発泡体であり、水を吸収することができるため、いくつかの特定目的のためには、0.2〜5重量%の量の疎水化剤を添加することが望ましい。好適な疎水化剤の例としては、シリコーン類や、パラフィン類、シリコーン界面活性剤やフルオロ−界面活性剤、アルミニウムステアレート類、ハイドロフォビン類、フッ素樹脂があげられる。
【0075】
もう一つの好ましい実施態様においては、本発明の方法の工程(1)で得られる溶液または分散液が、55〜85重量%の量の、特に好ましくは63〜80重量%の量の前記の予備縮合物を含んでいる。この予備縮合物からなる溶液または分散液の粘度は、好ましくは1〜3000dPasであり、特に好ましくは5〜2000dPasである。
【0076】
溶液中または分散液中に存在するナノ粒子成分や他のいずれの添加物も、予備縮合物の溶液または分散液に、均一に混合されることが好ましく、またここに存在するいずれの発泡剤も、加圧下で注入することができる。しかしながら、固体状の、例えば噴霧乾燥した予備縮合物から出発し、これをナノ粒子成分と、またいずれか他の添加物と混合することもできる。
【0077】
これらの成分の混合は、当業界の熟練者には公知の方法で、例えばエクストルーダーにより行うことができる。ある好ましい実施態様においては、この溶液または分散液が、ダイから放出され、直ちに工程(2)において加熱され発泡させられる。
【0078】
本発明の方法の工程(2)においては、この予備縮合物が、工程(1)からの溶液または分散液の加熱により発泡させられて、ナノ粒子を含む発泡体が得られる。このために、溶液または分散液が、例えば少なくとも60℃の温度に加熱される。
【0079】
ある好ましい実施態様においては、工程(1)で得られた溶液または分散液の加熱に、高温ガスまたは高周波照射を用いることができる。必要な加熱を超高周波照射で行うことが特に好ましい。この場合、例えば周波数が0.2GHz〜100GHzのマイクロ波を用いることができる。例えば0.915GHzと2.45GHzと5.8GHzの周波数を用いることが好ましく、周波数2.45GHzの照射が特に好ましく用いられる。誘電照射用の照射源の一例として、マグネトロンをあげることができ、複数のマグネトロンを同時に照射に用いることもできる。不均一な加熱と、この結果としての不均一な発泡を避けるために、照射中は場の分布の均一性が最大となるように注意する必要がある。
【0080】
溶液または分散液により吸収される動力が1kgの溶液または分散液当たり5〜200kWとなるように、好ましくは9〜120kWとなるように、この照射を行うことが好ましい。吸収される動力が小さい場合、発泡が停止して、単に混合物が硬化するのみとなる。上記の好ましい範囲内では、動力の吸収が増加すると、この混合物が速やかに発泡することとなる。1kgの溶液または分散液当たり約200kWを超えると、さらに大きな発泡速度の上昇は起こらない。
【0081】
発泡対象の混合物の照射は、発泡ダイから放出後直ちに行うことが好ましい。温度上昇と内在発泡剤の気化により発泡するこの混合物は、成形用の長方形の流路を形成している循環ベルト上に乗せられて、この上で適当な成形体を与える。
【0082】
本発明の方法の工程(2)で得られる発泡体は、本発明の方法の工程(3)において、120〜300℃の温度で調温、即ち熱処理される。しかしながら、この工程(3)を工程(2)と結合させてもよい。
【0083】
工程(3)では、得られる発泡体が、好ましくは1〜180分間、特に好ましくは5〜60分間、120〜300℃の温度で、好ましくは150〜250℃の温度で加熱される。これにより、発泡体中の溶媒と残留発泡剤、また存在するホルムアルデヒドが実質的に除かれる。
【0084】
本発明の発泡体には、実際、220℃で約30分間の加熱処理で一般的に十分である。EU規格のENISO14184−1に準じて測定されるホルムアルデヒド含量は、発泡体kg当たり40mg未満であり、好ましくは30mg未満、特に好ましくは20mg未満である。上記の試験方法では、発泡体試験片を一時間、40℃に加熱された水中で抽出し、抽出されたホルムアルデヒドを分析して、その量が決められる。
【0085】
本発明で生産される研磨発泡体の密度は、好ましくは約3〜50g/リットルである。
【0086】
本発明はまた、本発明の方法で製造される発泡体を提供する。本発明はさらに、少なくとも一種のナノ粒子成分を含む発泡体を、好ましくはメラミン−ホルムアルデヒド縮合物に基づく発泡体を提供する。なお、この成分は一様に分布していることが好ましい。
【0087】
これらスポンジは、シート状、ウェブ状または粉状で生産可能であり、あるいは加工して発泡フィルム(例えば、厚みが数ミリメーター)としてもよい。
【0088】
本発明はさらに、本発明の発泡体を含む成形体を提供する。
【0089】
本発明はさらに、本発明の発泡体を含む研磨剤を提供する。
【0090】
本発明はまた、本発明の発泡体の研磨材としての利用を提供する。架橋したメラミン樹脂は高硬度であるため、これらの発泡体は、研磨材洗浄スポンジや研磨材スポンジ、研磨材研磨スポンジに用いることもできる。発泡体が連続気泡構造を持つため、発泡体の内部に、適当な洗浄剤の、また他の研削材や研磨材の吸収と貯蔵が可能である。
【0091】
特定の洗浄用途のために、これらのスポンジを疎水的かつ親油的に変性することも可能である。ホルムアルデヒドの放出が少ないため、本発明の発泡体は衛生分野でも使用可能である。本発明の発泡体はまた、洗浄剤の一成分として使用可能である。
【0092】
以下、実施例により本発明を説明する。
【実施例】
【0093】
実施例1:研磨材ナノ粒子の添加を伴う予備縮合物の発泡
発泡プロセスにおいて同時に研磨材粒子が発泡体中に添加された変性メラミン樹脂発泡体の生産するために、70重量部のメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物(モル比:1:1.6)を、30重量部のコロイド状二酸化ケイ素粒子の水分散液(固体含量:45重量%、平均粒度:30nm)に溶解し、次いで乳化剤(3重量%のエチレンオキシド単位が20を超えるエトキシ化脂肪アルコール)とペンタン(10重量%)、ギ酸(3重量%)とを添加した。
【0094】
この混合物を攪拌し、次いでポリプロピレン(発泡)金型中で、2.54GHzのマイクロ波エネルギーを照射して発泡させた。
【0095】
発泡後の生成物を、220℃の温度で30分間加熱処理した。
【0096】
発泡体の発泡構造と機械特性、熱安定性、防火性能は、ナノ粒子を添加せずに生産された比較用発泡体と大きく異なることはない。
【0097】
この例の本発明の発泡体を走査型電子顕微鏡で調べると、発泡体セルの表面上に形成された無機ナノ粒子からなる薄層が認められる。この結果、この材料の研磨性の大幅な増加が可能となる。
【0098】
無機粒子または凝集体によるセル壁面表面のナノ構造化が認められる場合もある。
【0099】
実施例2:研磨材ナノ粒子の添加を伴う予備縮合物の調製
まず、4リットルの4四つ口フラスコに367.4g(6.0mol)のホルムアルデヒド(49%)と280.0gの蒸留水を投入し、0.5mlの水酸化ナトリウム溶液(NaOH、25%)を用いてpH8.8に調整した。次いで、30.8gのコロイド状二酸化ケイ素の水分散液(固形分含量:40%、平均粒度:約15nm)を添加し、続いて472.5g(3.75mol)のメラミンを添加した。
【0100】
この混合物を98℃に加熱し、曇り点CP(1:5)が45℃となるまで98℃、pH8.8(温度補償)で攪拌した。曇り点に達した後、アイスバスを用いて室温まで冷却した。室温への冷却中、温度補償のためpHが9.5〜10に上昇した。
【0101】
実施例3:ナノ粒子を含む予備縮合物の発泡
実施例2で得られた予備縮合物を直接発泡に用い、以下のように発泡させた。
【0102】
実施2で得られた予備縮合物10重量部を、樹脂に対して3重量%の、エトキシ化脂肪アルコール(エチレンオキシド単位が20を超える)からなる乳化剤と3重量%のギ酸と10重量%のペンタンとに添加した。
【0103】
次いで、この混合物を攪拌し、さらにポリプロピレン(発泡)金型中で、2.54GHzのマイクロ波エネルギーの照射により発泡させた。
【0104】
得られた発泡体の発泡体構造と機械特性、熱安定性、防火性能は、ナノ粒子を添加せずに製造した比較用発泡体とは、大きく違わない。
【0105】
実施例4:発泡体の研磨特性の試験
実施例1に記載のナノ粒子を含む研磨発泡体とナノ粒子を添加せずに実施例1により生産された発泡体の研磨特性を、比較試験により試験した。
【0106】
これら二つの発泡体をまず水で湿した。これら二種の発泡体のそれぞれを用いて、平らなアルミニウム板(面積:20cm×20cm)を手で研磨した。丸く同一圧力で同一回数動かせて(50回)、研磨した。研磨終了後、表面を肉眼で評価した。
【0107】
実施例1に記載の研磨発泡体で処理した表面には、顕著な摩耗跡が見られた。比較用材料で処理した試験片では、比較的小さな磨耗跡が認められるのみであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機ナノ粒子含有メラミン−ホルムアルデヒド縮合物に基づく研磨発泡体の製造方法であって、以下の工程:
(1)製造する発泡体の予備縮合物と無機ナノ粒子、また必要に応じて他の添加成分(Z)を含む溶液または分散液を調製する工程、
(2)無機ナノ粒子を含む発泡体を得るために、工程(1)からの予備縮合物の溶液または分散液を少なくとも60℃の温度へ加熱して発泡する工程、また必要に応じて、
(3)工程(2)で得られた発泡体を120〜300℃の温度で加熱処理する工程
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
予備縮合物の発泡と発泡体の加熱処理が本方法の一工程で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(1)の溶液又は分散液が、さらに少なくとも一種の乳化剤及び/又は少なくとも一種のpH調整成分を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
工程(1)の溶液または分散液が、平均粒度が1000nm未満の無機ナノ粒子を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
工程(1)の溶液または分散液が、平均粒度が100nm未満の無機ナノ粒子を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程(1)の溶液または分散液が、二酸化ケイ素や、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、マグネタイト、酸化アルミニウム、アルミニウムケイ酸塩、ランタニド酸化物(ただし、いずれの場合も平均粒度が5〜50nmである)からなる群の一種以上の化合物から選択される無機ナノ粒子を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程(1)の溶液または分散液が、さらに少なくとも一種の発泡剤を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
工程(1)の溶液または分散液が、さらに物理発泡剤の群からの少なくとも一種の発泡剤を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
工程(2)の加熱が、高温ガス及び/又は高周波照射を使用して行われる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記無機ナノ粒子成分が実質的に二酸化ケイ素からなる請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程(1)の溶液または分散中に存在するナノ粒子成分の量が、予備縮合物の重量に対して0.01〜50重量%である請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
工程(1)の溶液または分散中に存在するナノ粒子成分の量が、予備縮合物の重量に対して1〜10重量%である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
工程(1)の溶液または分散液が、少なくとも一種の発泡剤に加えて、乳化剤とpH調整成分、さらに他の添加成分として、着臭剤及び/又は染料を予備縮合物の重量に対して0.01〜2重量%の量で含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法により製造される研磨発泡体。
【請求項15】
均一に分布している、平均粒度が100nm未満の無機ナノ粒子を含む請求項14に記載の研磨発泡体。
【請求項16】
請求項14または15に記載の研磨発泡体を含む成形体。
【請求項17】
請求項14または15に記載の研磨発泡体を含む研磨材。
【請求項18】
請求項14または15に記載の発泡体の、必要に応じて他の助剤との組み合わせでの、研磨洗浄材、研磨材または研磨艶出材としての使用方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−535643(P2010−535643A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520567(P2010−520567)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060611
【国際公開番号】WO2009/021963
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】