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砥石成形方法、砥石部設計方法、振れ量計測装置および振れ量計測方法
説明

砥石成形方法、砥石部設計方法、振れ量計測装置および振れ量計測方法

【課題】工具に接近するガイド部を用いて工具の振れ量を算出する。
【解決手段】工具210を回転駆動して振れが無視できなくなった状態で工具210に対してガイド部131を移動させ、工具210とガイド部131との接触を振れ検出手段140により検出する。工具210とガイド部131との接触を検出すると、ガイド部131が工具210に接触するまでの移動量を計測する。工具210の振れが無視できる状態でガイド部131が工具210に接触するまでの基準移動量を求めておき、振れが無視できなくなった状態で計測された移動量と基準移動量とに基づいて、工具210の振れ量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砥石を成形するための砥石成形装置、砥石部を設計するための砥石部設計方法、工具の振れ量計測装置および振れ量計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
研削砥石の成形あるいは修正には、ツルーイング(形直し)やドレッシング(目直し)が行われる。ツルーイングやドレッシングは、成形冶具によって砥石表面を修正する作業である。このような砥石成形作業は、砥石軸の先端に固定された砥石を軸心の周りに回転させながら、ツルアやドレッサのような成形冶具に当接することにより行われる。
【0003】
小径の内周面研削砥石のように、砥石径が小さく、したがって砥石を支持する砥石軸も細いと、砥石軸の剛性が低くなる。したがって、砥石軸の長さ、砥石の重量、砥石の回転速度等によっては、ツルーイングやドレッシングのような砥石成形作業時に、砥石に振れが生じる。また、スピンドルのような砥石回転手段への砥石軸の取り付け誤差によって回転軸と砥石軸にずれが発生し、砥石に振れが生じることもある。
【0004】
砥石の成形作業において砥石に振れが生じると、研削面への成形冶具の接触にばらつきが生じるので、精度よく砥石を成形することができない。すなわち、ドレッシングあるいはツルーイングの精度が低下する。本発明者らは、先に、作業の精度を低下させないように、砥石軸に対して前進後退可能に設けられ、回転中の砥石軸に当接することで砥石の振れを抑制するガイド手段を備える研削砥石用修正装置を提案した(下記特許文献1参照)。
【0005】
また、内研砥石軸の撓みを防止するために、内研砥石軸ホルダにより軸を支持すること、内研砥石あるいは内研砥石軸の位置を計測して内研砥石軸ホルダの内研砥石軸の支承位置を制御することが公知である(下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−15056号公報
【特許文献2】特開2007−190618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、先に提案した装置による作業をさらに安定して行える砥石成形方法、砥石部設計方法を提供することを目的とし、さらに新たな振れ量計測装置および振れ量計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、振れ量計測方法であって、工具(210)に対してガイド部(131)を移動させるガイド部移動ステップと、前記工具(210)と前記ガイド部(131)との接触を振れ検出手段(140)により検出する接触検出ステップと、前記接触検出ステップにより接触を検出すると、前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量を計測する移動量計測ステップと、前記工具(210)の振れが無視できる状態で前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量と、前記工具(210)を駆動して振れが無視できなくなった状態で前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量とに基づいて、前記工具の振れ量を算出する。これにより、ガイド部の移動量を工具の振れ量に換算して、工具の振れ量を算出することができる。
【0009】
請求項2に係る振れ量計測方法は、前記ガイド部(131)と前記工具(210)との接触は、前記振れ検出手段(140)の出力データ中に、前記振れ検出手段(140)が配置されている部材の固有振動成分が現れるか否かに基づいて判定される。これにより、ガイド部と工具との接触を明確に判定することができる。
【0010】
請求項3に係る振れ量計測方法は、さらに前記工具(210)に接触する前記ガイド部(131)の幅を最適化する。
【0011】
請求項4に係る振れ量計測方法は、前記振れ検出手段(140)は、前記ガイド部(131)を支持するガイド手段(130)、前記工具(210)を支持する工具支持手段(215)のいずれかに配置される。振れ検出手段の配置箇所が複数あるので、設計上有利な箇所を選択して振れ検出手段を配置することができる。
【0012】
請求項5に係る振れ量計測方法は、前記振れ検出手段(140)は、圧力センサ、音響センサおよび加速度センサのいずれか一つを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の振れ量計測方法。
【0013】
請求項6に係る振れ量計測方法は、前記振れ検出手段(140)の出力は、周波数分析に基づいてノイズとなる周波数成分が除去される。これにより、振れ量に関連する信号を明確に取得することができる。
【0014】
請求項7に係る発明は振れ量計測装置であって、工具(210)に対して移動して前記工具(210)に接触するガイド部(131)と、前記工具(210)と前記ガイド部(131)との接触を検出する振れ検出手段(140)と、前記ガイド部(131)が前記工具(210)に最初に接触するまでの移動量を計測する移動量計測手段(165)と、前記工具(210)の振れが無視できる状態で前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量と前記工具(210)を駆動して振れが無視できなくなった状態で前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量とに基づいて、前記工具(210)の振れ量を算出する振れ量算出手段(166)と、を備える。これにより、ガイド部の移動量を工具の振れ量に換算して、工具の振れ量を算出することができる。
【0015】
請求項8に係る振れ量計測装置は、前記ガイド部(131)と前記工具(210)との接触検出は、前記振れ検出手段(140)の出力データ中に、振れ検出手段(140)が配置されている部材の固有振動成分が現れるか否かに基づいて判定される。これにより、ガイド部と工具との接触を明確に判定することができる。
【0016】
請求項9に係る振れ量計測装置は、さらに前記工具(210)に接触する前記ガイド部(131)の幅を最適化する。
【0017】
請求項10に係る振れ量計測装置は、前記振れ検出手段(140)は、前記ガイド部(131)を支持するガイド手段(130)、前記工具(120)を支持する工具支持手段(215)のいずれか一つに配置される。振れ検出手段の配置箇所が複数あるので、設計上有利な箇所を選択して振れ検出手段を配置することができる。
【0018】
請求項11に係る振れ量計測装置は、前記振れ検出手段(140)は、圧力センサ、音響センサおよび加速度センサのいずれか一つである。
【0019】
請求項12に係る振れ量計測装置は、前記振れ検出手段(140)の出力は、周波数分析に基づいてノイズとなる周波数成分が除去される。これにより、振れ量に関連する信号を明確に取得することができる。
【0020】
請求項13に係る発明は、砥石成形方法であって、砥石(113)と該砥石(113)を支持する砥石軸(112)を有する砥石部(114)を回転させ、前記砥石軸(112)に対して前進後退可能なガイド部(131)を前記砥石軸(112)に接触させ、振れ検出手段(140)により前記砥石(113)の振れを検出し、振れ検出データに基づいて前記ガイド部(131)の接触状態を制御し、砥石成形手段(120)により砥石(113)を成形する砥石成形方法であって、Pを前記砥石部(114)の重心における遠心力、Lを前記砥石部(114)の全長、xgをガイド部(131)の接触位置、exを前記重心の偏心量、Eを前記砥石軸(112)のヤング率、Iを前記砥石軸の断面2次モーメントとして、前記砥石(113)の振れ量Rを次の振れ予測式
【数1】

に基づいて前記砥石(113)の振れ量を所望の範囲内となるように設計した砥石部(114)を用いる。予測式に基づいて振れ量を抑えることができ、安定した砥石の成形あるいは修正を行うことができる。
【0021】
請求項14に係る砥石成形方法は、前記ガイド部(131)と前記砥石軸(112)との接触状態は、前記振れ検出データ中に、前記振れ検出手段(140)が配置されている部材の固有振動成分が現れるか否かに基づいて判定される。これにより、ガイド部と砥石軸との接触状態を明確に判定することができる。
【0022】
請求項15に係る砥石成形方法は、さらに前記砥石軸(112)に接触する前記ガイド部(131)の幅を最適化する。これにより、さらに砥石の振れ量を小さくすることができる。
【0023】
請求項16に係る砥石成形方法は、前記振れ検出手段(140)は、前記ガイド部(131)を支持するガイド手段(130)、前記砥石部(114)を回転させる回転手段(110)、スピンドル(111)および前記砥石成形手段(120)のいずれか一つに配置される。これにより、振れ検出手段の配置箇所を選択することができる。
【0024】
請求項17に係る砥石成形方法は、前記振れ検出手段(140)は、圧力センサ、音響センサおよび加速度センサのいずれか一つである。
【0025】
請求項18に係る砥石成形方法は、前記振れ検出データは、周波数分析に基づいてノイズとなる周波数成分が除去される。これにより振れ量に関する信号を明確に取得することができる。
【0026】
請求項19に係る砥石成形方法は、前記砥石軸(112)が撓むまで前記ガイド部(131)を前記砥石軸(112)に押し付けることにより、前記砥石(113)の前記成形手段(120)に対する角度を変化させるステップを有する。これにより、ガイド部を用いて磁石形状を容易に制御することができる。
【0027】
請求項20に係る砥石成形方法は、前記砥石軸(112)は、基部が小径であり、砥石(113)が配置される先端に向かって徐々にあるいは段階的に大径となる。これにより砥石の振れを抑えることができる。
【0028】
請求項21に係る砥石成形方法は、前記砥石軸(112)は、基部の密度より先端の密度が高い。これにより砥石の振れを抑えることができる。
【0029】
請求項15に係る砥石成形方法は、前記砥石軸(112)は、断面が正方形である。これにより砥石の振れを抑えることができる。
【0030】
請求項23に係る発明は砥石設計方法であり、砥石(113)と該砥石(113)を支持する砥石軸(112)を有する砥石部(114)を回転させ、前記砥石軸(112)に対して前進後退可能なガイド部(131)を前記砥石軸(112)に接触させ、前記砥石(113)の振れを検出し、振れ検出データに基づいて前記ガイド部(131)の接触状態を制御して、砥石成形手段(120)により砥石(113)を成形する砥石成形方法に使用される砥石部(114)の設計方法であって、Pを前記砥石部(114)の重心における遠心力、Lを前記砥石部(114)の全長、xgをガイド部(131)の接触位置、exを前記重心の偏心量、Eを前記砥石軸(112)のヤング率、Iを前記砥石軸の断面2次モーメントとして、前記砥石の振れ量Rを次の振れ予測式により予測するステップと、
【数2】

前記振れ予測式におけるパラメータを変更することにより、前記予測される砥石(113)の振れ量Rを所望の範囲に抑えるステップと、前記変更されたパラメータを実現するように砥石軸(112)の形状および材料の少なくとも一つを変更するステップとを有する。これにより、砥石の振れ量が小さくなる砥石軸の設計を容易に行うことができる。
【0031】
請求項24に係る砥石設計方法は、前記変更されるパラメータは、前記重心の偏心量ex、前記ヤング率E、前記断面2次モーメントの少なくとも一つを含む。これにより、砥石軸の長さを変えることなく、砥石の振れを小さくすることができる。
【0032】
請求項25に係る発明は砥石成形方法であり、先端に砥石(113)を支持する砥石軸(112)を回転させて砥石成形手段(120)に押し当てることにより砥石を成形する砥石成形方法であって、前記砥石軸(112)に対してガイド部(131)を移動させるガイド部移動ステップと、前記ガイド部(131)が前記砥石軸(112)と接触する地点からさらにガイド部(131)を移動させて前記砥石軸(112)を撓ませるステップと、前記撓んだ砥石軸(112)に支持された砥石(113)を前記砥石成形手段(120)に押し当てるステップと、を有する。これによりガイド部を用いて砥石形状を制御することができる。
【0033】
請求項26に係る砥石成形方法は、前記砥石(113)を前記砥石成形手段(120)に押し当てるステップは、前記砥石(113)の前記成形手段(120)に対する角度を変化させるステップを含む。これにより、ガイド部を用いて磁石形状を容易に制御することができる。
【0034】
請求項27に係る砥石成形方法は、前記ガイド部(131)と前記砥石軸(112)との接触は、振れ検出手段により検出され、前記振れ検出手段(140)は、前記ガイド部(131)を支持するガイド手段(130)、前記砥石軸(112)を回転させる砥石回転手段(110)、スピンドル(111)および前記砥石成形手段(120)のいずれか一つに配置される。
【0035】
請求項28に係る発明は砥石成形装置であって、砥石(113)と該砥石(113)を支持する砥石軸(112)を有する砥石部(114)と、前記砥石部(114)を支持し、かつ前記砥石軸(112)を中心として回転させる砥石回転手段(110)と、前記砥石軸(112)を回転可能に収容し、前記砥石軸(112)に対して固定される筒状ガイド(117)と、砥石形成手段(120)と、を備える。これにより、砥石の振れを小さくすることができ、砥石の形成・修正を正確に行うことができる。
【0036】
請求項29に係る砥石成形装置は、前記筒状ガイド(117)の基部(117a)は前記回転手段に固定され、前記筒状ガイド(117)の先端部(117b)の内径は縮小可能に構成され、前記筒状ガイド(117)の先端部(117b)は前記砥石軸(112)に接触する。これにより、さらに砥石の振れを小さくすることができる。
以上、カッコ内の数字は、図面に記載の部材との対応関係を参考に示すもので、発明の構成を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態である砥石成形装置を示す概略図である。
【図2】砥石成形装置のガイド手段を説明する図である。
【図3】砥石成形装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】先端に砥石を有する砥石部のモデルを示す図である。
【図5】ガイド部との接触状況で変化する砥石部の振れモードを示す図である。
【図6】振れ予測式に基づいて設計された砥石部を示す図である。
【図7】ガイド幅を決定する実験を説明する図である。
【図8】ガイド幅を決定する実験の結果を示す図である。
【図9】(a)は、ガイド部と砥石軸とが接触と離間と繰り返す場合のガイド反力を示し、(b)は、ガイド部と砥石軸とが接触を維持する場合のガイド反力を示す図である。
【図10】ガイド手段を用いて工具の振れ量を計測する装置を示す概略図である。
【図11】振れ量計測装置の制御構成を示すブロック図である。
【図12】ガイドを用いて工具の振れ量を計測する方法のフローを示す図である。
【図13】ガイドを押し込んで研削砥石の形状を制御する方法を示す図である。
【図14】ガイド位置とシート角度との関係を示す図である。
【図15】砥石形成手段に配置された振れ検出手段を示す図である。
【図16】スピンドルに配置された振れ検出手段を示す図である。
【図17】本発明の他の実施形態である砥石成形装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態である砥石成形装置を示す概略図であり、一部を断面で示している。図2は、砥石成形装置のガイド手段の側面を示す図である。砥石部114は砥石113と砥石113を支持する砥石軸114を有している。砥石成形装置100は、砥石部114を回転させる砥石回転手段110と、砥石113の形状あるいは表面状態を成形・修正する砥石成形手段120とを備える。
【0039】
砥石回転手段110は、スピンドル111の回転軸X1に沿って配置された砥石軸112を回転させ、砥石113を回転軸X1の周りに回転させる。砥石軸112は、超硬金属材料等から形成される。砥石113は、ワークの内面を研削する小径砥石であり、CBN(立方晶窒化ホウ素)とビトリファイド系の結合剤から形成されている。例えば、砥石113の直径は5mmφであり、長さは8mmである。砥石軸112の直径は、砥石113の直径より小さい。
【0040】
砥石成形手段120の成形冶具121は、砥石113の研削面に当接して、研削面の成形・修正を行う。本実施形態では、成形冶具121としてロータリドレッサを使用して、成形冶具121を回転させた状態で回転中の砥石113に接触させて、ドレッシングあるいはツルーイングを行う。
【0041】
砥石軸112をガイドするガイド手段130が、砥石軸112に対して前進後退可能に設けられる。ガイド手段130は前進することにより、回転中の砥石軸112に当接する。ガイド手段130が砥石軸112に当接することにより砥石軸112の剛性を高くして、砥石軸112の振れを抑制する。ガイド手段130は後退することにより、砥石軸112から離れることができる。
【0042】
図2に示すように、本実施形態においては、ガイド手段130は、砥石軸112に当接して振れを防止することができるガイド部131を有する。ガイド部131は、連結部134、振れ検出手段140を介して、アーム部133に支持されている。アーム部133は、アクチュエータ132により、図示の矢印方向に移動する。具体的には、アーム部133は図示の矢印右方向に前進して砥石軸112に接触し、図示の矢印左方向に後退することにより砥石軸112から離間する。
【0043】
ガイド部131の砥石軸112に当接する部位は、ガイド部131の前進方向に拡開する略V字状凹部とすることができる。具体的には、砥石軸112の伸延方向に直交する断面において略V字状とし、略V字状の傾斜面の少なくとも一方で砥石軸112と接触可能とする。ガイド部131を略V字状凹部とすると、1つのガイド部131によって異なる複数方向から砥石軸112に接触可能であるので、砥石軸112の振動を抑制するのに効果的である。しかしながら、ガイド部131の形状は略V字状凹部に限定されるものではない。
【0044】
振れ検出手段140には、ガイド部131が受ける砥石軸112からの反力が連結部134を介して伝達される。振れ検出手段140は、砥石部114の振れを検出可能なものであれば特に限定されるものではない。本実施形態においては、振れ検出手段140として、圧電素子等から構成される圧力センサを用いている。
【0045】
図3は、砥石成形装置100の制御のための構成を示すブロック図である。図3に示すように、砥石成形装置100の制御手段150には、振れ検出手段140からの信号が入力し、砥石軸112の振れを抑制するようにガイド手段130のアクチュエータ132(図2)を制御する。さらに、制御手段150は、砥石回転手段110及び砥石成形手段120の動作も制御する。また、制御手段150に接続する記憶手段151には、制御に必要なデータやプログラムが格納される。
【0046】
振れ検出手段140は、ガイド部131が砥石軸112に接触した際に、砥石軸112からの反力を検出する。ガイド部131が砥石軸112を押す量が増すほど、換言すれば、砥石軸112に対するガイド部131の送り量が増すほど、砥石軸112からの反力が強くなる。振れ検出手段140によって検出された検出信号は、制御手段150に入力する。制御手段150は、アクチュエータ132を制御してガイド部131を最適位置に保持する。
【0047】
すなわち、制御手段150は、振れ検出手段140からの振れ量を示す信号に基づいて、砥石軸112に対してガイド部131を前進後退させて、ガイド部131と砥石軸112との接触状態を制御する。なお、例えば予め振れ量が分かっている場合、振れ検出をせず、ガイド部131を所定量前進させて、砥石軸112の振れを抑制することもできる。
【0048】
本実施形態の砥石成形装置100は、ガイド手段130を備えることにより、研削砥石の成形あるいは修正において砥石軸112の振れを有効に抑えることができる。本発明者らは、さらにガイド手段130を備えたことにより、砥石部114の振れをシミュレーションすることができることを見出した。以下、砥石部114の振れのシミュレーションと、このシミュレーションに基づく砥石部114の設計について説明する。
【0049】
図4は、先端に砥石を有する砥石部114のモデルを示す図である。図4の砥石部114のモデルは、一端を固定端とし、他方の自由端に砥石が配置される。すなわち、図4では、砥石軸と砥石を含めてモデル化して砥石部114としている。
【0050】
砥石部114は、その長手方向長さをLとする。また、固定端を原点とし、砥石部114の長手方向をx軸、x軸に直交する鉛直軸をy軸として、ガイド部131が当接する位置をガイド位置(xg,yg)とする。
【0051】
ガイド部131が砥石部114に対して前進する場合、ガイド部131が砥石部114にまったく接触していない状態から、ガイド部131が砥石部114と接触と離間とを繰り返す状態を経て、ガイド部131が砥石部114と完全に接触した状態に至る。図4のRは、ガイド部131が砥石部114と接触した状態における砥石部114先端の振れを示す。なお、Pは、砥石部114の重心における遠心力である。
【0052】
図4のようにモデル化すると、砥石部114の先端における振れ量Rは、次の振れ予測式により予測することができる。
【数3】

ここで、P:砥石部の重心における遠心力、L:砥石部の全長、(xg,yg):ガイド位置、(ex,ey):重心の偏心量、E:ヤング率、I:砥石軸の断面2次モーメントである。
【0053】
図5は、振れ予測式に基づいて、ガイド部131との接触状況によって変化する砥石部114の振れを予測した図である。図5の横軸はガイド部131の位置を示し、縦軸は砥石先端の振れ量Rを示す。(A)は、ガイド部131が砥石部114に非接触の状態、(B)は、ガイド部131が砥石部114と接触と離間とを繰り返す状態、(C)は、ガイド部131が砥石部114と接触を続ける接触状態を示す。砥石部114の先端が自由に振れている段階(A)から、砥石部114の振れがガイド部により抑えられ(B)、最後に砥石部114の振れが最小化する(C)状態をシミュレートしたものとなっている。
【0054】
振れ予測式で、パラメータを変更することにより、振れRを小さくすることができる。したがって、振れ量Rを所望の範囲内に抑えることができる砥石軸を設計することができる。図6(a)〜(c)は、振れ予測式に基づいて設計された砥石部114の一例を示す図である。ここで、砥石部114は、砥石軸112と砥石113からなる。
【0055】
例えば、重心位置exを砥石軸の先端側に移動することにより、振れ予測式の分子を小さくすることができ、振れRを小さくすることができる。図6(a)に示すように、砥石軸112の基部の直径より先端側の直径を大きくして、重心位置exを先端側に移動させることができる。すなわち砥石軸112の基部の直径を小径にして先端に近くなるほど連続的に大径にする。あるいは、砥石軸112の基部の直径を小径にして、段階的に先端側を大径にすることもできる。
【0056】
図6(b)に示すように、砥石軸112の直径を変えるのではなく、砥石軸112の先端側の密度を上げることによっても、重心位置exを砥石軸112の先端側に移動することができる。密度は、砥石軸112の基部から砥石113に向かって、連続的に上げても段階的に上げてもよい。
【0057】
断面2次モーメントIを大きくすると、振れ予測式の分母を大きくすることができ、振れ量Rを小さくすることができる。例えば、図6(c)に示すように砥石軸112の断面を正方形にすると、断面2次モーメントIを大きくすることができる。断面が直径aの円では、断面2次モーメントIはa/64であるが、断面が対角線の長さaの正方形では、a/48となる。断面2次モーメントを大きくするために、断面を正方形とするのは一例であり、その他の断面形状を採用してもよい。図6(a)(b)(c)に示すように、ガイド手段130を備えることにより振れ予測式を用いて振れを小さくすることができる。
【0058】
振れ予測式のその他のパラメータを変更して振れを小さくすることもできる。ただし、例えば砥石軸112の長さが研削砥石としての製品形状あるいは性能に依存して決定されるものであれば、砥石軸112の長さを変更することはできない。したがって、砥石部114の設計に際しては、各種条件を考慮して、変更可能なパラメータを変更することにより、振れ量Rを小さくするようにする。
【0059】
振れ予測式のパラメータには含まれないが、振れ量を小さくするためには、砥石軸112に接触するガイド部131の砥石軸方向のガイド幅を最適化することも考えられる。本発明者らは、砥石軸112の長手方向に伸びるガイド幅の最適化を目的に実験を行った。
【0060】
図7は、実験に使用した砥石部114をモデル化して示す図である。図7では、砥石部114は、先端に固着された砥石を含めてモデル化されている。砥石部114の振れを抑制するガイド部131は、水平方向の反力Pを受ける面135と垂直方向の反力Qを受ける面136とを有する。ガイド部131は、砥石部114の先端から距離Xsだけ離れた点から長さbsのガイド幅を有する。レーザ変位計300は、砥石部114の先端から距離xLに配置され、砥石部114の振れを測定する。
【0061】
具体的には、Xsを5mmとし、ガイド幅bsは、0mm、1mm、3mm、5mmとした。レーザ変位計300は、砥石部114から1mmの地点に配置した。実験は、砥石部114をスピンドルモータにより高速回転させ、ガイド部131を砥石部114に接触させ、砥石部114の振れ量をレーザ変位計で計測した。
【0062】
図8は、図7の装置で実験を行った結果を示す図である。横軸は、砥石部114を回転させるスピンドルの回転数Ns(rpm)である。縦軸は、振れ量A(μm)である。図のひし形は、ガイド部131を使用しなかったものである。黒い正方形は、ガイド部131の幅が1mmであり、白い三角形は、ガイド部131の幅が3mmである。黒丸は、ガイド部131の幅が5mmである。
【0063】
図8を参照すると、ガイド部131の幅が5mm(黒丸)のものがもっとも良好であることがわかる。さらに、他のものは、回転数が高くなれば振れ量が大きくなるが、ガイド部131の幅が5mmあれば回転数を高くしても振れ量を抑えることができる。このようにして、振れ量を抑制するために有効なガイド部131の幅を決定することができる。
【0064】
ところで、図2に示すように、ガイド手段130の振れ検出手段140は、連結部134を介して受ける砥石軸112からの反力を検出して振れの状態を検出している。ガイド部131が砥石軸112に向かって前進する場合、ガイド部131と砥石軸112との接触状態によって反力の受け方が異なることになる。
【0065】
図9(a)(b)は、ガイド部131が受ける反力を示す図であり、図9(a)は、ガイド部131と砥石軸112とが接触と離間を繰り返している場合であり、図9(b)は、ガイド部131が砥石軸112に接触し続けている場合を示す。図9(a)(b)ともに、横軸は時間であり、縦軸はガイド部131が受ける反力の大きさである。
【0066】
図9(a)から分かるように、ガイド部131と砥石軸112とが接触と離間を繰り返す場合、ガイド部131と砥石軸112とが接触しているときには、ガイド部131は、砥石軸112と一体となって振動する。しかしながら、ガイド部131と砥石軸112とが離間しているときには、ガイド部131は、ガイド部131の固有振動に従って振動する。これにより、ガイド部131と砥石軸112とが接触しているときと、離間しているときとの反力とを識別することができる。図9(b)では、ガイド部131と砥石軸112との接触状態が維持されるので、ガイド部131と砥石軸112とは一体となって振動している。この場合、ガイド部131の固有振動成分は小さく無視できる大きさとなる。
【0067】
したがって、ガイド部131の固有振動のデータを予め入手しておくと、検出された反力の信号すなわち振れ検出データとガイド部131の固有振動データの関係を見ることにより、ガイド部131と砥石軸112とが離間することなく接触するポイントを検出することができる。ガイド部131と砥石軸112とが離間することなく接触を維持し始めるポイントで砥石軸112に対するガイド部131の位置を制御すれば、振れ量を最小にでき、かつガイド部131を砥石軸112に対して押し付けすぎて砥石軸112が破損するような事態を避けることができる。
【0068】
ガイド手段130は、砥石部114の振れを抑制するために使用されるだけでなく、振れ量を計測するためにも使用できる。図10は、ガイド手段130を用いて、工具210の振れ量を計測する場合の概略を示す図である。工具210は、例えば砥石軸112とその先端の研削砥石を有する砥石部114とすることができる。工具210は、工具210の長手方向軸の回りに回転可能に、工具210の基部が工具支持手段215に支持されている。本実施形態では、工具210は動作中には、長手方向中心軸の周りに高速回転するが、これに限定されるものではない。
【0069】
図10のガイド手段130は、図1に記載のものと同様である。ガイド部131は連結部134、振れ検出手段140を介して、アクチュエータ132によって駆動されるアーム部133に結合する。アクチュエータ132はアーム部133を駆動して、ガイド部131を工具210に対して前進後退させることができる。ガイド部131が前進すると工具210に接触し、ガイド部131が後退すると工具210と離間する。振れ検出手段140は例えば圧力センサを備える。振れ検出手段140は、ガイド部131が受ける工具210からの反力を検出する。振れ検出手段140により検出される検出信号はアクチュエータ132によるガイド部131の前進後退を制御するために用いることができる。なお、振れ検出手段140は、音響センサ、加速度センサなどの振れ検出が可能なセンサであればよい。
【0070】
図11は、振れ量計測装置としてガイド手段130を用いる場合の制御構成を示すブロック図である。ガイド手段130のガイド部131が工具210に向かって移動すると、ガイド部131と工具210とが接触する。
【0071】
ガイド部131が工具210に接近して接触すると、工具210が振動しているので、ガイド部131と工具210とが接触と離間を繰り返すことになる。これは図9(a)に示される状況と同様である。ガイド部131が工具210と接触した後離間すると、ガイド部131はガイド部131の固有振動数で振動する。ガイド部131の固有振動数を予め求めておくと、振れ検出手段の出力にガイド部131の固有振動数が周期的に現れることを検出できる。これにより、ガイド部131と工具210との接触を判定することができる。
【0072】
ガイド部131と工具210との接触が検出されると、ガイド手段130は停止するかあるいは工具210から離れる。制御手段160には、ガイド手段131が工具210に接触するまでの移動量を計測する移動量計測手段165と、移動量計測手段165で得られた移動量に基づいて工具210の振れ量を算出する振れ量算出手段166を備えている。記憶手段161には、振れ量算出のためのデータなどが格納される。格納されるデータには、工具210が駆動されていない状態あるいは駆動されていても測定すべき振れに対して無視できる程度の振れの状態で、ガイド手段131が工具210に接触するまでの基準移動量のデータなどがある。
【0073】
図12は、振れ量計測動作のフローを示す図である。図10のガイド手段130による工具210の振れ量計測を開始すると、まずステップS11で、工具210が動作を開始していない段階で、工具210の初期位置までのガイド部131の移動量を、基準移動量として取得する。基準移動量は、ガイド部131の位置と工具210の位置を計測することによって取得することができる。あるいは、基準移動量は、静止している工具210に対してガイド部131を前進させて、工具210に接触するまでの距離を計測するようにしてもよい。計測した後は、ガイド部131は後退させ、所定の位置に戻す。さらに、ガイド部131の固有振動数を求めておく。
【0074】
次にステップS12で、工具210を長手方向軸の周りに高速で回転させる。工具210が動作を開始すると、振れが発生するが、ガイド部131は、工具210が最大に振れても接触することがない位置に配置されている。ステップS13では、ガイド部131を前進させて、ガイド部131を工具210に近づけてゆく。
【0075】
ステップS14では、ガイド部131が工具210に接触するか否かが判定される。ガイド部131が工具210に接近して接触すると、工具210が振動しているので、ガイド部131と工具210とが接触と離間を繰り返す。ガイド部131が工具210と接触した後離間すると、ガイド部131はガイド部131の固有振動数で振動する。振れ検出手段の出力にガイド部131の固有振動数が周期的に現れることを検出することによって、ガイド部131が工具210に接触したか否かが判定される。
【0076】
ステップS14で、ガイド部131が工具210に接触していない場合は、ステップS13に戻り、さらにガイド部131を前進させる。ガイド部131が工具210に接触したことを検出すると、ステップS15で、ガイド手段130の移動量を検出する。
【0077】
次いで、ステップS16で、ステップS11で取得した工具210の基準移動量と、ステップS15で検出した移動量に基づいて、工具210の基準位置からの一方向への振れ量を算出し、算出された一方向の振れ量を2倍すると、工具210の振れ量が求まる。
【0078】
以上のようにして、移動するガイド手段130を使用し、工具210が規制されないで自由に振動する際の振れ量を計測することができる。ガイド手段130による規制がない状態での砥石の振れ量を計測することにより、ガイド部131のV字あるいはU字状の角度などガイド部131の形状を設計する際の情報を与えることができる。図9、10を参照して説明したガイド手段は、砥石軸112に限らず一般の振動する工具210を対象とする振れ量計測装置としても使用することができる。
【0079】
図13は、研削砥石の成形時にガイド部131をさらに押し込むことで砥石形状の制御が可能であることを説明する図である。上述の砥石修正・成形の実施形態では、ガイド部131の押し込み位置は、振れを抑制するために、砥石軸112との接触と離間を繰り返す位置から常時接触する位置に前進したことを検出し、常時接触となった位置に位置するように制御される。しかし、図13に示すように、ガイド部131をさらに前進させて砥石軸112に対して強く押し込むことにより、他の実施形態とすることもできる。ガイド部131を強く押し込むことにより、砥石軸112を撓ませて、ドレッサ等の成形冶具121に砥石113が当たる角度を変化させると、砥石形状の変更あるいは修正が可能となる。
【0080】
図14は、ガイド部131の位置と砥石113の成形角度の関係の概略を示す図である。図14のグラフは、横軸がガイド位置を示し、縦軸は、砥石角度を示す。黒丸は、ガイド部131を前進させて砥石軸112をたわませたときの砥石平面と成形冶具との角度を計測した一例を示す。細い実線の折れ線で示すものは、理論上導き出せる砥石平面と成形冶具との角度である。ガイド部131が砥石軸112に接触しないときには、砥石角度は、一定に設定されていたのが、ガイド部131が20〜30μm程度砥石軸112を押し込むことにより、0.2度〜0.4度弱まで砥石角度を変更することができた。
【0081】
図13、14で説明したように、研削砥石の振れを抑制する手段として使用されているガイド部131は、砥石形状を制御する手段としても使用可能である。砥石形状を変更修正するときなどに有効である。
【0082】
今まで説明した実施形態では、振れ検出手段140は、圧力センサを備えて、ガイド手段130に組み込まれている。圧力センサにより、ガイド手段130が受ける砥石軸112からの反力を検出する。振れ検出手段140の取り付け位置は、図2に示す位置に限定されることはなく、振れ検出手段140の適宜場所に取り付けることが可能である。さらに、振れ検出手段140は、反力が伝達される他の部材に配置することもできる。
【0083】
図1では、砥石部114の振れを検出するために、ガイド手段130に振れ検出手段140を配置しているが、この配置に限定されない。図15は、砥石成形手段120に振れ検出手段を配置した例を示す図である。図15の砥石成形手段120は、図1に示すものと同一で、高速回転する砥石表面を成形・修正する。図15では、砥石成形手段120の成形冶具121の支持部に振れ検出手段125である圧力センサを介在させて配置する。このようにしても、砥石軸112からの反力を検出することができる。振れ検出手段125の配置個所は、図15に示す個所に限定されるものではなく、成形冶具120が受ける反力を検出できる場所であれば圧力センサ125を配置可能である。
【0084】
図16は、砥石を回転させるスピンドル111に振れ検出手段を配置した例である。図16に示すように、振れ検出手段115である例えば圧力センサは、砥石軸112に回転軸が結合されたスピンドル111の下部に配置されている。振れ検出手段115は、スピンドル111が受ける砥石軸112の反力を検出することができる。振れ検出手段115は、図16に示す位置に限定されることなく、砥石軸112の反力を検出することができればスピンドル111の適宜の場所に配置することができる。
【0085】
上述の実施形態では、振れ検出手段として圧力センサを用いているが、アコースティックエミッション(AE)を検出するAEセンサ等の音データを検出する音響センサを用いてもよく、また加速度を検出する加速度センサを用いることもできる。また、反力は連続信号となり、検出信号には、計測したい信号以外の雑音、例えば、信号が伝達される各部の固有振動によるノイズなど、が多く含まれる。したがって、周波数分析を行い、余分な周波数を除去し、反力あるいは振れを表現する信号を取得するようにする。
【0086】
図17は、砥石軸112の振れ抑制手段の他の例を示す図である。図1に示す実施形態では、ガイド手段130が砥石軸112に対して垂直となる方向から接触することにより振れを抑制するものであるが、図17では、ガイド手段130に代えて、砥石軸112にかぶせる筒状ガイド117を用いる。すなわち、砥石113と砥石軸112からなる砥石部114に対して、砥石軸112をガイドしサポートする筒状ガイド117を配置する。
【0087】
筒状ガイド117は、中空円筒形状のガイドであって、ツルーイングなどの砥石113の修正時に砥石113側から砥石軸112にかぶせるように装着する。図17では、筒状ガイド117の基部117aは、スピンドル111の砥石軸装着部118に嵌合あるいは螺合等により固定されている。なお、筒状ガイド117は砥石軸112に固定してもよい。筒状ガイド117は、ガイド中心に砥石軸112を配置することにより、砥石113を砥石軸112の中心に対して位置決めし、回転させることができ、振れを抑制することができる。
【0088】
また、筒状ガイド117は、砥石113側からかぶせるので、筒状ガイド117の内径は、砥石113の外径より大きくなければならない。しかし、筒状ガイド117の先端部117bを例えばコレットチャックのような構造にして、砥石113が通り抜けてから、先端部117bの内径を砥石軸112に接触するように縮小することにより、先端部117bを砥石軸112に押し付けて固定することも可能である。このようにすると、砥石軸112にさらに高い剛性を与えることができる。
【符号の説明】
【0089】
100 砥石成形装置
110 砥石回転手段
111 スピンドル
112 砥石軸
113 砥石
114 砥石部
115、125、140 振れ検出手段
120 砥石成形手段
121 成形冶具
130 ガイド手段
135 水平方向の反力Pを受けるガイド手段の面
136 垂直方向の反力Qを受けるガイド手段の面
131 ガイド部
132 アクチュエータ
133 アーム部
134 連結部
210 工具
215 工具支持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具(210)に対してガイド部(131)を移動させるガイド部移動ステップと、
前記工具(210)と前記ガイド部(131)との接触を振れ検出手段(140)により検出する接触検出ステップと、
前記接触検出ステップにより接触を検出すると、前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量を計測する移動量計測ステップと、
前記工具(210)の振れが無視できる状態で前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量と、前記工具(210)を駆動して振れが無視できなくなった状態で前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量とに基づいて、前記工具の振れ量を算出する振れ量計測方法。
【請求項2】
前記ガイド部(131)と前記工具(210)との接触は、前記振れ検出手段(140)の出力データ中に、前記振れ検出手段(140)が配置されている部材の固有振動成分が現れるか否かに基づいて判定される請求項1に記載の振れ量計測方法。
【請求項3】
前記振れ検出手段(140)は、前記ガイド部(131)を支持するガイド手段(130)、前記工具(210)を支持する工具支持手段(215)のいずれかに配置される請求項1または2に記載の振れ量計測方法。
【請求項4】
前記振れ検出手段(140)は、圧力センサ、音響センサおよび加速度センサのいずれか一つを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の振れ量計測方法。
【請求項5】
前記振れ検出手段(140)の出力は、周波数分析に基づいてノイズとなる周波数成分が除去される請求項1〜4のいずれか1項に記載の振れ量計測方法。
【請求項6】
工具(210)に対して移動して前記工具(210)に接触するガイド部(131)と、
前記工具(210)と前記ガイド部(131)との接触を検出する振れ検出手段(140)と、
前記ガイド部(131)が前記工具(210)に最初に接触するまでの移動量を計測する移動量計測手段(165)と、
前記工具(210)の振れが無視できる状態で前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量と前記工具(210)を駆動して振れが無視できなくなった状態で前記ガイド部(131)が前記工具(210)に接触するまでの移動量とに基づいて、前記工具(210)の振れ量を算出する振れ量算出手段(166)と、
を備える振れ量計測装置。
【請求項7】
前記ガイド部(131)と前記工具(210)との接触検出は、前記振れ検出手段(140)の出力データ中に、振れ検出手段(140)が配置されている部材の固有振動成分が現れるか否かに基づいて判定される請求項6に記載の振れ量計測装置。
【請求項8】
前記振れ検出手段(140)は、前記ガイド部(131)を支持するガイド手段(130)、前記工具(120)を支持する工具支持手段(215)のいずれか一つに配置される請求項6または7に記載の振れ量計測装置。
【請求項9】
前記振れ検出手段(140)は、圧力センサ、音響センサおよび加速度センサのいずれか一つである請求項6〜8のいずれか1項に記載の振れ量計測装置。
【請求項10】
前記振れ検出手段(140)の出力は、周波数分析に基づいてノイズとなる周波数成分が除去される請求項6〜9のいずれか1項に記載の振れ量計測装置。
【請求項11】
砥石(113)と該砥石(113)を支持する砥石軸(112)を有する砥石部(114)を回転させ、前記砥石軸(112)に対して前進後退可能なガイド部(131)を前記砥石軸(112)に接触させ、振れ検出手段(140)により前記砥石(113)の振れを検出し、振れ検出データに基づいて前記ガイド部(131)の接触状態を制御し、砥石成形手段(120)により砥石(113)を成形する砥石成形方法であって、
Pを前記砥石部(114)の重心における遠心力、Lを前記砥石部(114)の全長、xgをガイド部(131)の接触位置、exを前記重心の偏心量、Eを前記砥石軸(112)のヤング率、Iを前記砥石軸の断面2次モーメントとして、前記砥石(113)の振れ量Rを次の振れ予測式
【数1】

に基づいて前記砥石(113)の振れ量を所望の範囲内となるように設計した砥石部(114)を用いる砥石成形方法。
【請求項12】
前記ガイド部(131)と前記砥石軸(112)との接触状態は、前記振れ検出データ中に、前記振れ検出手段(140)が配置されている部材の固有振動成分が現れるか否かに基づいて判定される請求項11に記載の砥石成形方法。
【請求項13】
さらに前記砥石軸(112)に接触する前記ガイド部(131)の幅を最適化する請求項11または12に記載の砥石成形方法。
【請求項14】
前記振れ検出手段(140)は、前記ガイド部(131)を支持するガイド手段(130)、前記砥石部(114)を回転させる回転手段(110)、スピンドル(111)および前記砥石成形手段(120)のいずれか一つに配置される請求項11〜13のいずれか1項に記載の砥石成形方法。
【請求項15】
前記振れ検出手段(140)は、圧力センサ、音響センサおよび加速度センサのいずれか一つである請求項11〜14のいずれか1項に記載の砥石成形方法。
【請求項16】
前記振れ検出データは、周波数分析に基づいてノイズとなる周波数成分が除去される請求項11〜15のいずれか1項に記載の砥石成形方法。
【請求項17】
前記砥石軸(112)が撓むまで前記ガイド部(131)を前記砥石軸(112)に押し付けることにより、前記砥石(113)の前記成形手段(120)に対する角度を変化させるステップを有する請求項11〜16に記載の砥石成形方法。
【請求項18】
前記砥石軸(112)は、基部が小径であり、砥石(113)が配置される先端に向かって徐々にあるいは段階的に大径となる請求項11〜17のいずれか1項に記載の砥石成形方法。
【請求項19】
前記砥石軸(112)は、基部の密度より先端の密度が高い請求項11〜18のいずれか1項に記載の砥石成形方法。
【請求項20】
前記砥石軸(112)は、断面が正方形である請求項11〜19のいずれか1項に記載の砥石成形方法。
【請求項21】
砥石(113)と該砥石(113)を支持する砥石軸(112)を有する砥石部(114)を回転させ、前記砥石軸(112)に対して前進後退可能なガイド部(131)を前記砥石軸(112)に接触させ、前記砥石(113)の振れを検出し、振れ検出データに基づいて前記ガイド部(131)の接触状態を制御して、砥石成形手段(120)により砥石(113)を成形する砥石成形方法に使用される砥石部(114)の設計方法であって、
Pを前記砥石部(114)の重心における遠心力、Lを前記砥石部(114)の全長、xgをガイド部(131)の接触位置、exを前記重心の偏心量、Eを前記砥石軸(112)のヤング率、Iを前記砥石軸の断面2次モーメントとして、前記砥石の振れ量Rを次の振れ予測式により予測するステップと、
【数2】

前記振れ予測式におけるパラメータを変更することにより、前記予測される砥石(113)の振れ量Rを所望の範囲に抑えるステップと、
前記変更されたパラメータを実現するように砥石軸(112)の形状および材料の少なくとも一つを変更するステップと
を有する砥石部設計方法。
【請求項22】
前記変更されるパラメータは、前記重心の偏心量ex、前記ヤング率E、前記断面2次モーメントの少なくとも一つを含む請求項21に記載の砥石部設計方法。
【請求項23】
先端に砥石(113)を支持する砥石軸(112)を回転させて砥石成形手段(120)に押し当てることにより砥石(113)を成形する砥石成形方法であって、
前記砥石軸(112)に対してガイド部(131)を移動させるガイド部移動ステップと、
前記ガイド部(131)が前記砥石軸(112)と接触する地点からさらにガイド部(131)を移動させて前記砥石軸(112)を撓ませるステップと、
前記撓んだ砥石軸(112)に支持された砥石(113)を前記砥石成形手段(120)に押し当てるステップと、
を有する砥石成形方法。
【請求項24】
前記砥石(113)を前記砥石成形手段(120)に押し当てるステップは、前記砥石(113)の前記成形手段(120)に対する角度を変化させるステップを含む請求項23に記載の砥石成形方法。
【請求項25】
前記ガイド部(131)と前記砥石軸(112)との接触は、振れ検出手段(140)により検出され、前記振れ検出手段(140)は、前記ガイド部(131)を支持するガイド手段(130)、前記砥石軸(112)を回転させる砥石回転手段(110)、スピンドル(111)および前記砥石成形手段(120)のいずれか一つに配置される請求項23または24に記載の砥石成形方法。
【請求項26】
砥石(113)と該砥石(113)を支持する砥石軸(112)を有する砥石部(114)と、
前記砥石部(114)を支持し、かつ前記砥石軸(112)を中心として回転させる砥石回転手段(110)と、
前記砥石軸(112)を回転可能に収容し、前記砥石軸(112)に対して固定される筒状ガイド(117)と、
砥石形成手段(120)と、
を備える砥石成形装置。
【請求項27】
前記筒状ガイド(117)の基部(117a)は前記回転手段(10)に固定され、前記筒状ガイド(117)の先端部(117b)の内径は縮小可能に構成され、前記筒状ガイド(117)の先端部(117b)は前記砥石軸(112)に接触する請求項26に記載の砥石成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−62777(P2011−62777A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216096(P2009−216096)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(504147243)国立大学法人 岡山大学 (444)
【Fターム(参考)】