説明

硫酸溶液供給システムおよび硫酸溶液供給方法

【課題】簡略な装置構成で電解装置への固形物の混入を防止して連続的かつ安定的な運転を実現する硫酸溶液供給システム及び硫酸溶液供給方法を提供する。
【解決手段】硫酸溶液を冷却する冷却器25、硫酸溶液を電解する電解セル4、バッチ式洗浄機2で使用された硫酸溶液を冷却器25、電解セル4をこの順に介してバッチ式洗浄機2に戻す電解側循環ラインと、バッチ式洗浄機2で使用された硫酸溶液を冷却器25を介さずにバッチ式洗浄機2に戻す使用側循環ラインを備え、電解側循環ラインと使用側循環ラインが、バッチ式洗浄機2から排液された硫酸溶液が流れる共通した共通排液ライン10を有し、共通排液ライン10の下流側端部にある分岐点10aからそれぞれが分岐しており、共通排液ライン10に固形物を捕捉する洗浄機側フィルタ21を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解した硫酸溶液を使用側に供給する硫酸溶液供給システムおよび硫酸溶液供給方法に関し、特に、循環される硫酸溶液中の固形物をフィルタにより捕捉する硫酸溶液供給システムおよび硫酸溶液供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
硫酸溶液を電解することにより製造した過硫酸を含む硫酸溶液を洗浄液としてシリコンウエハなどの半導体基板、その他の基板を洗浄する洗浄システムが知られている。
【0003】
上記洗浄システムにおいて、レジストが付着したウエハを、該レジストを酸化して灰化するアッシング工程を経ることなく洗浄液で洗浄すると、ウエハからレジストがフィルム状のまま剥離することがある。特に、レジストが厚く形成されたウエハや、高ドーズ量でドーパントの注入が行われたウエハの場合には、レジストがフィルム状のまま剥離する傾向がある。
【0004】
フィルム状に剥離したレジスト片の場合、これに洗浄液に含まれる過硫酸などの酸化剤が接触すると酸化剤が接触する面から徐々に有機物が分解されていくと考えられる。
特に、高ドーズ量でドーパントの注入が行われていると、ドーパント注入側のレジスト片表面は有機物が分解され難くなっているため、レジスト片裏面から徐々に有機物が分解されていくと考えられる。このため高ドーズ量でドーパントの注入が行われている場合には、酸化剤とレジスト片の接触効率が低く、ウエハ1枚当たりの洗浄時間が短い高負荷運転を行うと、レジストがウエハから剥離されたとしても、フィルム状のレジスト片のような固形の未分解レジストが循環ラインに混入しやすくなる。
循環ラインに混入した固形の未分解レジストが硫酸溶液とともに電解装置に送られて電解セル内に混入し電極に付着すると、電流が流れ難くなって電極間電圧が上昇する。電極間電圧が過度に上昇すると、電圧異常として安全装置が動作し電解装置が停止してしまう。また、電極間電圧の上昇により固形の硫黄が析出しやすくなり、電解セルを閉塞するおそれもある。
【0005】
上記問題に対しては、懸濁性浮遊物質(SS)を捕捉して溶液中から除去するSS捕捉フィルタを用いた洗浄システムが提案されている(特許文献1および2参照)。
該洗浄システムでは、洗浄槽と電解セルの前段に設けられた冷却器との間にSS捕捉フィルタが設けられている。このSS捕捉フィルタでは、高ドーズ量でドーパントの注入が行われたウエハをアッシング工程を経ることなく洗浄を行った際に、洗浄排液中に混入した比較的大きな固形の未分解レジストを捕捉することができる。SS捕捉フィルタにより固形の未分解レジストを捕捉して除去した洗浄排液は、電解装置に送液される。SS捕捉フィルタに固形の未分解レジストが捕捉されると、引き続き通液される洗浄排液に含まれる過硫酸や高濃度硫酸により、捕捉された未分解レジスト中の有機物が徐々に分解される。
【0006】
前記した循環ラインを備え、SSを捕捉するフィルタを設けた従来の洗浄システムについて、図5に基づいて説明する。図5は、上記のようにフィルタが設けられた1ループ式の洗浄システムを示す概略図である。
該洗浄システムは、複数枚の半導体ウエハ100をまとめて洗浄するバッチ式洗浄機102と、硫酸溶液を電解する電解セル104と、硫酸溶液が循環する1つの循環ライン110を備えている。
【0007】
バッチ式洗浄機102は、電解された硫酸溶液が満たされる洗浄槽102aと、洗浄槽102a内に設置されたヒータ102bとを有している。
洗浄槽102aの排液側には、循環ライン110の送り側が接続され、洗浄槽102aの入液側に循環ライン110の戻り側が接続されている。
循環ライン110の送り側にはフィルタ124、ポンプ120、冷却器131がこの順に介設されている。
【0008】
また、循環ライン110の送り側において冷却器131の下流側に前記電解セル104の入液側が接続されている。電解セル104の出液側に接続された循環ライン110の戻り側には、電解によって発生したガスを分離する気液分離器132が介設されている。気液分離器132のガス排出側には、気液分離器132で分離したガスを処理する排ガス処理装置133が接続されている。
気液分離器132の出液側に接続されている循環ライン110の戻り側には、ポンプ126が介設されており、循環ライン110の戻り側端部は洗浄槽102aに接続されている。
【0009】
次に、上記図5に示す従来の洗浄システムの動作について説明する。
洗浄槽102aに収容された硫酸溶液は、ポンプ120によって循環ライン110の送り側を通じて電解セル104に送られ、該電解セル104で電解されて過硫酸を生成した後、循環ライン110の戻り側を通じて洗浄槽102aに戻される。これを繰り返して硫酸溶液の電解が行われる。この際に、硫酸溶液は、冷却器131で冷却され、電解後、気液分離器132を経てポンプ126で送られて洗浄槽102aに循環される。
【0010】
洗浄槽102a内に送られた過硫酸を含む硫酸溶液に、ヒータ102bで加熱され、硫酸溶液中に浸漬した半導体ウエハ100に付着するレジストや汚染物などを剥離除去する。剥離除去されたレジスト等は硫酸溶液中に移行する。
【0011】
洗浄槽102a内の硫酸溶液は、上記のように、ポンプ120によって循環ライン110を通じて順次排液される。この際に、フィルタ124によって、硫酸溶液中に移行したレジスト等が捕捉される。フィルタ124を通った後、硫酸溶液は、上記のように冷却器131で冷却され電解セル104に送液されて過硫酸が再生される。上記工程を繰り返すことで半導体ウエハ100を継続して洗浄することができる。
【0012】
次に、SSを捕捉するフィルタを設けた従来の2ループ式の洗浄システムを図6に基づいて説明する。
該洗浄システムは、複数枚の半導体ウエハ100をまとめて洗浄するバッチ式洗浄機102と、硫酸溶液を電解する電解セル104とを備え、硫酸溶液が循環する2つの循環ライン(使用側循環ライン、電解側循環ライン)を備えている。バッチ式洗浄機102は、上記図5に示す洗浄システムと同様に、洗浄槽102aとヒータ102bとを有している。
【0013】
洗浄槽102aの出液側には、共通排液ライン111が接続され、洗浄槽102aの入液側に共通供給ライン114が接続されている。共通排液ライン111は下流端で二つのラインに分岐し、共通供給ライン114は上流端で二つのラインが合流しており、共通排液ライン111の分岐点111aと共通供給ライン114の合流点114aとに亘って、使用側循環用接続ライン112が接続されている。上記共通排液ライン111、使用側循環用接続ライン112、共通供給ライン114によって使用側循環ラインが構成されている。使用側循環ラインを通じて洗浄機102では硫酸溶液の循環が可能になっている。
【0014】
共通排液ライン111には、ポンプ120が介設されている。また、使用側循環用接続ライン112には、冷却器121、フィルタ122が上流側から下流側にかけてこの順で介設されている。
【0015】
また、共通排液ライン111の分岐点111aと共通供給ライン114の合流点114aとの間には、電解循環用接続ライン113が電解セル104を介して接続されている。共通排液ライン111、電解循環用接続ライン113、共通供給ライン114によって電解循環ラインが構成されている。共通排液ライン111と共通供給ライン114とは、使用側循環ラインと電解循環ラインとで共用されている。
【0016】
電解循環用接続ライン113の送り側に冷却器125が介設され、電解循環用接続ライン113の戻り側に気液分離器132、貯留槽103、ポンプ126、硫酸電解液側フィルタ127が、上流側から下流側にかけてこの順で介設されている。気液分離器132のガス分離側には、排ガス処理装置133が接続されている。
【0017】
次に、上記図6に示す従来の洗浄システムの動作について説明する。
洗浄槽102aには、硫酸溶液が満たされ、使用側循環ラインおよび電解側循環ラインを通じて硫酸溶液が循環される。この際に電解セル104で陽極、陰極間に通電がされ、電解セル104に通液される硫酸溶液が電解されて硫酸電解液が得られる。洗浄槽102aでは、硫酸溶液の循環によって所定の過硫酸濃度となった硫酸電解液で満たされ、該硫酸電解液は、ヒータ102bによって加熱される。
【0018】
洗浄槽102aには、複数枚の半導体ウエハ100が浸漬されて洗浄される。
洗浄槽102a内の硫酸溶液は、上記循環に伴ってポンプ120により共通排液ライン111を通じて排液される。共通排液ライン111の分岐点111aでは、硫酸溶液の一部が電解循環用接続ライン113の送り側に流入し、残部が使用側循環用接続ライン112に流入する。
【0019】
分岐点111aで使用側循環用接続ライン112に流入した硫酸溶液は、冷却器121により強制冷却された後、フィルタ122によってレジストなどの固形分が捕捉され、この固形分が除去された硫酸溶液が合流点114aへと至る。
分岐点111aで電解循環用接続ライン113の往路に流入した硫酸溶液は、冷却器125により強制冷却された後、電解セル104の入液側に導入される。
【0020】
電解セル104では、電源装置により通電された陽極と陰極との間に硫酸溶液が通液されつつ電解されて、該硫酸溶液中に過硫酸が生成される。過硫酸を含む硫酸溶液は、電解セル104の出液側から排液され、電解によって発生したガスが気液分離器132で分離される。分離された排ガスは、排ガス処理装置133に送られて排ガス処理がなされる。
【0021】
ガスが分離された硫酸電解液は、貯留槽103に貯留される。貯留槽103に貯留された硫酸電解溶液は、ポンプ126により電解循環用接続ライン113を通じて合流点114aに向けて送液される。この際にフィルタ127によって、硫酸電解液中の微粒子や電解によって生じた硫黄析出物などの固形物が捕捉されて該硫酸電解溶液から除去される。
電解循環用接続ライン113の戻り側を通して合流点114aに送液された硫酸電解液は、使用側循環用接続ライン112を通じて送液される硫酸溶液と合流点114aで合流した後、共通供給ライン114を通じて洗浄槽102aの入液側に導入され、再度洗浄に用いられる。
【0022】
一方、硫酸溶液が循環する3つの循環ラインを備える3ループ式のものが知られている(例えば特許文献3参照)。該システムは、貯留槽から排出された硫酸溶液を、加熱器を介することなく電解装置を介して貯留槽に戻す電解側の貯留部循環ラインと、洗浄機から導入された硫酸溶液を、加熱器を介することなく冷却器および貯留槽をこの順に介して洗浄機に戻す洗浄機側の貯留部循環ラインと、洗浄機から導入された硫酸溶液を、冷却器および貯留槽を介することなく加熱器を介して洗浄機に戻す洗浄機側の循環ラインの3つの循環ラインを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2006−272170号公報
【特許文献2】特開2007−266477号公報
【特許文献3】特開2009−253057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかし、従来の洗浄システムのうち、複数の循環ラインが存在するシステムでは、SSを含む硫酸溶液が流れ得る循環ラインのそれぞれにフィルタを設ける必要があり、フィルタの個数が多くなって装置構成が複雑になり、また、フィルタの管理が負担になるという問題がある。
【0025】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、簡略な装置構成で電解装置への固形物の混入を防止して電解装置の連続的かつ安定的な運転を実現することができる硫酸溶液供給システムおよび硫酸溶液供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
すなわち、本発明の硫酸溶液供給システムのうち、第1の本発明は、電解した硫酸溶液を使用側に供給する硫酸溶液供給システムにおいて、硫酸溶液を冷却する冷却手段と、前記硫酸溶液を電解する電解装置と、前記使用側で使用された前記硫酸溶液を、前記冷却手段および前記電解装置をこの順に介して前記使用側に戻す電解側循環ラインと、前記使用側で使用された前記硫酸溶液を、前記冷却手段を介することなく前記使用側に戻す使用側循環ラインと、を備え、前記電解側循環ラインと前記使用側循環ラインとが、前記使用側から排液された前記硫酸溶液が流れる共通した共通排液ラインを有し、かつ該共通排液ラインの下流側端部にある分岐点からそれぞれが分岐しており、前記共通排液ラインに、前記硫酸溶液中の固形物を捕捉するフィルタを備えることを特徴とする。
【0027】
第2の本発明の硫酸溶液供給システムは、電解した硫酸溶液を使用側に供給する硫酸溶液供給システムにおいて、硫酸溶液を冷却する冷却手段と、前記硫酸溶液を貯留する貯留部と、前記硫酸溶液を電解する電解装置と、前記使用側で使用された前記硫酸溶液を、前記冷却手段および前記貯留槽をこの順に介して前記使用側に戻す使用側貯留部循環ラインと、前記使用側で使用された前記硫酸溶液を、前記冷却手段および前記貯留槽を介することなく前記使用側に戻す使用側循環ラインと、前記貯留槽から出液された前記硫酸溶液を、前記電解装置を介して前記貯留部に戻す電解側貯留部循環ラインと、を備え、前記使用側貯留部循環ラインと前記使用側循環ラインとが、前記使用側から排液された前記硫酸溶液が流れる共通した共通排液ラインを有し、かつ該共通排液ラインの下流側端部にある分岐点からそれぞれが分岐しており、前記共通排液ラインに、前記硫酸溶液中の固形物を捕捉するフィルタを備えることを特徴とする。
【0028】
第3の本発明の硫酸溶液供給システムは、前記第1または第2の本発明において、前記分岐点の下流側の前記使用側循環ラインに、流路抵抗調整手段または流量調整手段を更に備えることを特徴とする。
【0029】
第4の本発明の硫酸溶液供給システムは、前記第3の本発明において、前記流路抵抗調整手段または流量調整手段が前記使用側循環ラインに介設されたバルブ、チャッキまたはオリフィスであることを特徴とする。
【0030】
第5の本発明の硫酸溶液供給システムは、前記第3または第4の本発明において、前記共通排液ラインの分岐点から分岐する前記使用側循環ラインに設けられた前記流路抵抗調整手段または流量調整手段を第1の流路抵抗調整手段または流量調整手段として、前記分岐点から分岐する他の循環ラインに第2の流路抵抗調整手段または流量調整手段が設けられていることを特徴とする。
【0031】
第6の本発明の硫酸溶液供給システムは、前記第1〜第5の本発明のいずれかにおいて、前記使用側循環ラインと、前記使用側に硫酸溶液を戻す他の循環ラインとが、前記使用側に硫酸溶液を供給する共通した共通供給ラインを有し、かつ該共通供給ラインの上流側端部にある合流点にそれぞれ合流しており、該合流点と前記分岐点との間の前記使用側循環ラインの長さが1m以下であり、該使用側循環ラインに、前記合流点から前記分岐点に向かう液流を防止する逆止弁が設けられていることを特徴とする。
【0032】
第7の本発明の硫酸溶液供給システムは、前記第1〜第6の本発明のいずれかにおいて、フィルタが、孔径0.01〜10μmを有することを特徴とする。
【0033】
第8の本発明の硫酸溶液供給システムは、前記第1〜第7の本発明のいずれかにおいて、前記共通排液ラインに設けられた前記フィルタを第1のフィルタとして、前記分岐点から分岐する他の循環ラインの前記電解装置による電解下流側に、第1のフィルタの孔径と同等か前記第1のフィルタよりも孔径が小さくて孔径が0.01〜10μmの第2のフィルタが設けられていることを特徴とする。
【0034】
第9の本発明の硫酸溶液供給システムは、前記第1〜第8の本発明のいずれかにおいて、前記使用側が、パターン加工によるレジストが付着し、該レジストを予め酸化して灰化する前処理工程を経ていない電子材料基板を洗浄する洗浄部であることを特徴とする。
【0035】
第10の本発明の硫酸溶液供給方法は、電解した硫酸溶液を使用側に供給する硫酸溶液供給方法において、前記使用側で使用された硫酸溶液を分岐して一部を、強制冷却した後に電解し、電解後の硫酸溶液を前記使用側に戻して循環する工程Aと、前記使用側で使用された硫酸溶液を分岐した残部を、強制冷却を行うことなく前記使用側に戻して循環する工程Bと、を有し、前記工程Aおよび前記工程Bにおいて前記使用側からの硫酸溶液を前記分岐する前に、フィルタに通液することにより前記硫酸溶液中の固形物を捕捉することを特徴とする。
【0036】
第11の本発明の硫酸溶液供給方法は、電解した硫酸溶液を使用側に供給する硫酸溶液供給方法において、前記使用側で使用された硫酸溶液を分岐して一部を、強制冷却した後に貯留部に貯留し、前記貯留部から硫酸溶液を排液して前記使用側に戻して循環する工程Cと、前記使用側で使用された硫酸溶液を分岐した残部を、強制冷却を行うことなく、前記使用側に戻して循環する工程Dと、硫酸溶液を貯留する貯留部から硫酸溶液を排液して電解し、電解後の硫酸溶液を前記貯留部に戻して循環する工程Eと、を有し、前記工程Cおよび前記工程Dにおいて前記使用側からの硫酸溶液を前記分岐する前に、フィルタに通液することにより硫酸溶液中の固形物を捕捉することを特徴とする。
【0037】
本発明によれば、使用側から排液された硫酸溶液を循環させる電解側循環ラインと使用側循環ラインとが共通排液ラインを共通して有し、この共通排液ラインに設けられたフィルタで、両循環ラインともに硫酸溶液中の固形物が捕捉される。この結果、硫酸溶液中に移行した固形物がそのまま電解側循環ラインを通して電解装置に流入するのを効率的に防止する。
【0038】
また、他の形態の本発明によれば、使用側から排液された硫酸溶液を循環させる使用側循環ラインと使用側貯留部循環ラインとが共通排液ラインを共通して有し、この共通排液ラインに設けられたフィルタで、両循環ラインともに硫酸溶液中の固形物が捕捉される。この結果、硫酸溶液中に移行した固形物がそのまま電解側循環ラインを通して電解装置に流入するのを効率的に防止する。
【0039】
本発明において、電解した硫酸溶液が供給される使用側としては、例えば、パターン加工によるレジストが付着した電子材料基板を洗浄する洗浄部が挙げられる。電子材料基板としては、シリコンウエハその他の半導体ウエハ、ガラス基板などを例示することができる。電子材料基板としては、レジストを予め酸化して灰化する前処理工程を経ていないものであってもよい。また、洗浄部は、複数枚の電子材料基板をまとめて洗浄するバッチ式洗浄機であってもよいし、電子材料基板を1枚ずつ洗浄する枚葉式洗浄機であってもよい。
【0040】
上記共通排液ラインに設けられるフィルタとしては、使用側から排液された硫酸溶液に含まれる未分解レジストなどの固形物を捕捉することができる孔径を有するものであればよい。具体的には、共通排液ラインに設けられたフィルタの孔径は、0.01〜10μmであることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。
フィルタに捕捉された未分解のレジストは、硫酸溶液に含まれる過硫酸や高濃度硫酸により分解されて該溶液中に溶解する。このため、未分解レジストによりフィルタが目詰まりを起こすことはない。
【0041】
なお、上記共通排液ラインに設けられたフィルタを第1のフィルタとして、共通排液ラインにおける分岐点から分岐する電解側循環ラインまたは使用側貯留部循環ラインに、第2のフィルタを設けることもできる。第2のフィルタとしては、第1のフィルタと同等の孔径か第1のフィルタよりも孔径が小さくて孔径が0.01〜10μmのものを好適に用いることができる。第1のフィルタで、電解装置に流入することで不具合のある大きさの固形物を除去し、電解装置の下流側で電解装置では不具合を生じないような微粒子の固形物を除去することができる。電解反応装置で硫黄析出物が流出するような場合に第2のフィルタで捕捉できる。
【0042】
上記各循環ラインを流れる硫酸溶液の流量は、使用側における硫酸溶液の必要量などに応じて適宜設定する。ただし、従来のシステムでも、通常、共通排液ラインの分岐点下流側においては、使用側循環ラインの流量よりも、電解側循環ラインや使用側貯留部循環ラインの流量を小さく設定している。このような設定では、使用側循環ラインの流路断面積に対し、電解側循環ラインや使用側貯留部循環ラインの流路断面積を小さくする。従来のように、共通排液ライン分岐後の使用側循環ラインにフィルタを備えていれば、フィルタが流路抵抗になって、電解側循環ラインや使用側貯留部循環ラインにも円滑に硫酸溶液が流れる。しかし、共通排液ラインにフィルタを設ける本発明では、使用側循環ラインにフィルタを設けないのが前提になるので、使用側循環ラインの流路抵抗が小さくなって電解側循環ラインや使用側貯留部循環ラインに必要量の硫酸溶液が流れ込まなくなるという現象が生じる。
【0043】
そこで、前記分岐点下流側の使用側循環ラインに、流路抵抗調整手段または流量調整手段を設けて使用側循環ラインの流路抵抗を高く調整したり、流量を調整したりして、分岐点下流側の側の電解側循環ラインや使用側貯留部循環ラインに必要量の硫酸溶液が流れ込むようにする。流路抵抗調整手段または流量調整手段としては、ニードルバルブ、ストップバルブ、圧力調整バルブ、定流量弁その他のバルブ、チャッキ、オリフィスなどを用いることができる。
【0044】
また、使用側循環ラインと、電解側循環ラインまたは使用側貯留部循環ラインとは、使用側に硫酸溶液を供給する共通した共通供給ラインを有し、かつ該共通供給ラインの上流側端部にある合流点にそれぞれ合流した構成とすることができる。この場合、前記合流点と前記分岐点との間の使用側循環ラインの長さが1m以下になると、このラインの流路抵抗が極端に低くなり、合流点から分岐点に向けて硫酸溶液が逆流するおそれがある。
そこで、合流点から分岐点への硫酸溶液の逆流を防止するため、合流点と分岐点との間の使用側循環ラインに、逆止弁を設けることが好ましい。逆止弁を設けることにより、各循環ラインにおける硫酸溶液を送液するためのポンプの脈動などの動作による硫酸溶液の液圧の変動に応じて、硫酸溶液の逆流を防止するとともに、硫酸溶液の正流を流すことができる。すなわち、合流点の上流側の使用側循環ラインの液圧が、合流点の上流側の電解側循環ラインまたは使用側貯留部循環ラインの液圧よりも低くなった場合には、逆止弁の開閉部が閉止されて硫酸溶液の逆流を防止することができる。また、合流点の上流側の使用側循環ラインの液圧が、合流点の上流側の電解側循環ラインまたは使用側貯留部循環ラインの液圧よりも高くなった場合には、逆止弁の開閉部が開放されて硫酸溶液の正流を流すことができる。
【0045】
また、上記分岐点下流側の使用側循環ラインに設けられた流路抵抗調整手段または流量調整手段を第1の流路抵抗調整手段または流量調整手段として、電解側循環ラインまたは使用側貯留部循環ラインに、第2の流路抵抗調整手段または流量調整手段を設けることもできる。これにより、電解側循環ラインまたは使用側貯留部循環ラインにおける流量を一定の範囲に調整することができる。第2の流路抵抗調整手段または流量調整手段としては、上記第1の流路抵抗調整手段または流量調整手段と同様に、バルブ、チャッキ、オリフィスなどを用いることができる。
なお、流路抵抗調整手段は流量調整手段としても機能するものがあり、逆に、流量調整手段は流路抵抗調整手段としても機能するものがある。すなわち、第1および第2の流路抵抗調整手段または流量調整手段の具体例として掲げたバルブ、チャッキ、オリフィスなどは、流路抵抗調整手段および流量調整手段のいずれか一方または両方に該当する。
【0046】
なお、上記第1および第2のフィルタの具体例としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)その他のテフロン(登録商標)製のMF(マイクロフィルタ)を挙げることができる。MFの場合、数年に1度程度の頻度で交換することが好ましいが、交換の際には、それぞれのフィルタが設けられた各循環ライン内の硫酸溶液を排出して水置換を行った後にフィルタの交換を行うことが好ましい。
【0047】
また、上記第1および第2の流路抵抗調整手段または流量調整手段を構成する部材は、耐酸性、耐酸化性、および耐温性を有することが好ましい。このような部材の具体例としては、PTFE、PFA、FEPその他のテフロン(登録商標)製のものを挙げることができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、簡略な装置構成で電解装置への固形物の混入を防止して電解装置の連続的かつ安定的な運転を実現することができ、また、固形物を効果的に除去した溶液を使用側に循環させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態の硫酸溶液供給システムを示す概略図である。
【図2】同じく、他の実施形態の硫酸溶液供給システムを示す概略図である。
【図3】同じく、図1に示す実施形態の硫酸溶液供給システムの変更例を示す概略図である。
【図4】実施例および比較例の洗浄システムのそれぞれについて得られたシステム運転開始からの経過時間と電解セルにおける電極間電圧との関係を示すグラフである。
【図5】従来の1ループ式の洗浄システムを示す概略図である。
【図6】従来の2ループ式の洗浄システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態の硫酸溶液供給システム1を図1に基づいて説明する。
硫酸溶液供給システム1は、複数枚の半導体ウエハ100をまとめて洗浄するバッチ式洗浄機2と、硫酸溶液を電解する電解セル4とを備え、硫酸溶液が循環する2つの循環ライン(使用側循環ライン、電解側循環ライン)を備える2ループ式の洗浄システムである。バッチ式洗浄機2は、本発明の使用側に相当する。電解セル4は、本発明の電解装置の一部を構成する。電解セル4では、少なくとも陽極をダイヤモンド電極とした電極を有し、陽極、陰極間に通電する電源装置(図示しない)を備える。電極にはバイポーラ電極を備えるものであってもよい。
【0051】
バッチ式洗浄機2は、電解された硫酸溶液が満たされる洗浄槽2aと、洗浄槽2a内の底部に設置されたヒータ2bとを有している。さらに、バッチ式洗浄機2は、洗浄槽2aでの洗浄後の半導体ウエハ100をリンスする高温リンス槽、高温リンス槽でのリンス後の半導体ウエハ100を更にリンスする常温リンス槽、および常温リンス槽でのリンス後の半導体ウエハ100を乾燥する乾燥機を有している(いずれも図示せず)。洗浄槽2a、高温リンス槽、常温リンス槽の各槽は、例えば1槽または2槽で構成されている。
【0052】
洗浄槽2aは、例えば100℃以上の耐熱性を有する部材で構成されており、例えば石英製とされる。
ヒータ2bは、洗浄槽2a内の硫酸溶液を例えば120℃以上、190℃以下(好ましくは150℃以下)に加熱するものであり、例えば石英ヒータが用いられている。
高温リンス槽は、例えばテフロン(登録商標)製や石英製のものが用いられる。高温リンス槽におけるリンス液の温度は、60℃以上が好ましい。
常温リンス槽の材質は特に限定されない。
半導体ウエハ100は、例えばパターン加工によるレジストが付着しているものであり、予めレジストを酸化して灰化する前処理工程(アッシング工程)を経ていないものであってよく、アッシング工程を経ているものであってもよい。ただしアッシング工程を経ていない方がレジスト片を生じやすい傾向があり、課題が顕著になる。
【0053】
洗浄槽2aの出液側には、共通排液ライン10が接続され、洗浄槽2aの入液側に共通供給ライン13が接続されている。共通排液ライン10は下流端で二つのラインに分岐し、共通供給ライン13は上流端で二つのラインが合流しており、共通排液ライン10の分岐点10aと共通供給ライン13の合流点13aとに亘って、使用側循環用接続ライン11が接続されている。上記共通排液ライン10、使用側循環用接続ライン11、共通供給ライン13によって使用側循環ラインが構成されている。使用側循環ラインを通じて洗浄機2では硫酸溶液の循環が可能になっている。各ラインは、100℃以上の温度に対し耐熱性を有する材料で構成されており、例えばPFAその他のテフロン(登録商標)製とすることができる。
【0054】
共通排液ライン10にはポンプ20、洗浄機側フィルタ21が上流側から下流側にかけてこの順で介設されている。また、使用側循環用接続ライン11には、流量調整バルブ22が介設されている。
ポンプ20には、耐熱性仕様のダイヤフラムポンプなどを用いることができ、溶液に接する材料には、PTFE、PFA、FEPなどを用いるのが望ましい。
洗浄機側フィルタ21は、本発明の第1のフィルタに相当する。流量調整バルブ22は、本発明の第1の流路抵抗調整手段または流量調整手段に相当する。
洗浄機側フィルタ21としては、例えばPTFE、PFA、FEPその他のテフロン(登録商標)製のMFを用いることができ、洗浄機側フィルタ21の孔径は、0.01〜10μmの範囲内としており、該孔径は、さらに1μm以下であることが好ましい。
流量調整バルブ22は、例えばPTFE、PFA、FEPその他のテフロン(登録商標)製で構成されている。
なお、本発明としては、流量調整バルブ22に代えて、チャッキ、オリフィスなどを用いるものであってもよい。
【0055】
また、共通排液ライン10の分岐点10aと共通供給ライン13の合流点13aとの間には、電解循環用接続ライン12が電解セル4を介して接続されて、硫酸溶液の循環が可能になっている。共通排液ライン10、電解循環用接続ライン12、共通供給ライン13によって本発明の電解循環ラインが構成されている。電解循環用接続ライン12は、100℃以上の温度に対し耐熱性を有する材料で構成されており、例えばPFAその他のテフロン(登録商標)製とすることができる。
上記のように共通排液ライン10と共通供給ライン13とは、使用側循環ラインと電解循環ラインとで共用されている。
【0056】
電解循環用接続ライン12の往路側には、流量調整バルブ24、冷却器25が上流側から下流側にかけてこの順で介設されている。流量調整バルブ24は、本発明の第2の流路抵抗調整手段または流量調整手段に相当する。冷却器25は、本発明の冷却手段に相当する。
また、電解循環用接続ライン12の復路側には、気液分離器26、ポンプ27、硫酸電解液側フィルタ28が、上流側から下流側にかけてこの順で介設されている。気液分離器26のガス分離側に、排ガスライン30が接続され、排ガスライン30の他端側は排ガス処理装置31が接続されている。硫酸電解液側フィルタ28は、本発明の第2のフィルタに相当する。
【0057】
流量調整バルブ24は、例えばPTFE、PFA、FEPその他のテフロン(登録商標)製で構成されている。
ポンプ27には、耐熱性使用のダイヤフラムポンプなどを用いることができ、溶液に接する材料には、PTFE、PFA、FEPなどを用いるのが望ましい。
硫酸電解液側フィルタ28としては、例えばPTFE、PFA、FEPその他のテフロン(登録商標)製のMFを用いることができ、硫酸電解液側フィルタ28の孔径は、0.01〜10μmの範囲内としており、該孔径は、さらに1μm以下であることが好ましい。
【0058】
次に、上記図1に示す硫酸溶液供給システム1の動作について説明する。
このシステムでは、好適には硫酸濃度70〜96質量%の硫酸溶液が使用される。
洗浄槽2aには、前記硫酸溶液が満たされ、洗浄槽2aの槽容積Vに対し、1/2〜1/3V/分の循環流量で使用側循環ラインおよび電解側循環ラインを通じて硫酸溶液が循環される。この際に電解セル4で陽極、陰極間に通電がされ、電解セル4に通液される硫酸溶液が電解されて硫酸電解液が得られる。洗浄槽2aでは、硫酸溶液の循環によって所定の過硫酸濃度となった硫酸電解液で満たされ、該硫酸電解液は、ヒータ2bによって120℃以上、190℃以下(好ましくは150℃以下)に加熱される。
【0059】
洗浄槽2aには、複数枚の半導体ウエハ100が浸漬されて洗浄される。
洗浄槽2a内の硫酸溶液は、上記循環に伴ってポンプ20により共通排液ライン10を通じて排液される。共通排液ライン10に排液された硫酸溶液は、洗浄機側フィルタ21によってレジストなどの固形分が捕捉され、この固形分が除去された硫酸溶液が分岐点10aへと至る。なお、洗浄機側フィルタ21では、引き続き送液される硫酸溶液に残存した過硫酸等の酸化性物質で捕捉した固形分が次第に溶解され、遂には洗浄機側フィルタ21を目詰まりさせることなく洗浄機側フィルタ21の孔を通過して下流側に送液される。
【0060】
分岐点10aでは、硫酸溶液の一部が電解循環用接続ライン12の往路に流入し、残部が使用側循環用接続ライン11に流入する。この際に使用側循環用接続ライン11の流量は流量調整バルブ22で調整され、電解循環用接続ライン12の流量は流量調整バルブ24で調整され、各ラインの流量が所定範囲に調整される。これにより、分岐後の一方のラインの流量が不足するなどの問題発生を回避できる。なお、この実施形態では、各ラインに流量調整バルブを設けているが、使用側循環用接続ライン11のみに設けるものであってもよい。
また、流量を調整するものに代えてオリフィスなどの流量抵抗を調整するものを用いるものであってもよい。
【0061】
分岐点10aで電解循環用接続ライン12の往路に適量流入した硫酸溶液は、流量調整バルブ24を通過した後、冷却器25により強制冷却され、電解セル4の入液側に導入される。冷却器25では、硫酸溶液を電解セル4における電解に好適な温度(例えば30℃〜70℃)に強制冷却する。
【0062】
電解セル4では、電源装置により通電された陽極と陰極との間に硫酸溶液が通液されつつ電解されて、該硫酸溶液中に過硫酸が生成される。過硫酸を含む硫酸溶液は、電解セル4の出液側から排液され、電解によって発生したガスが気液分離器26で分離される。分離された排ガスは、排ガスライン30を通じて排ガス処理装置31に送られて排ガス処理がなされる。
【0063】
ガスが分離された硫酸電解液は、ポンプ27により電解循環用接続ライン12を通じて送液される。この際に硫酸電解液側フィルタ28によって、硫酸電解液中の微粒子や電解によって生じた硫黄析出物などの固形物が捕捉されて該硫酸溶液から除去される
電解循環用接続ライン12の復路を通して合流点13aに送液された硫酸電解液は、使用側循環用接続ライン11を通じて送液される硫酸溶液と合流点13aで合流した後、共通供給ライン13を通して洗浄槽2aの入液側に導入され、再度洗浄に用いられる。
【0064】
洗浄機2での洗浄が終了した半導体ウエハは、高温リンス槽、常温リンス槽でリンスを行った後、乾燥器で乾燥を行って処理を終了する。
【0065】
(実施形態2)
次に、本発明の他の実施形態の硫酸溶液供給システム1aを図2に基づいて説明する。なお、上記実施形態1と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略しまたは簡略化する。
【0066】
本実施形態の硫酸溶液供給システム1aでは、前記実施形態と同様にバッチ式洗浄機2と、硫酸溶液を電解する電解セル4とを備え、さらに、硫酸溶液を貯留する貯留槽3と、硫酸溶液が循環する3つの循環ライン(使用側循環ライン、使用側貯留部循環ライン、電解側貯留部循環ライン)を備えている。
【0067】
洗浄槽2aの出液側には、共通排液ライン10が接続され、洗浄槽2aの入液側に共通供給ライン13が接続されている。共通排液ライン10は下流端で二つのラインに分岐し、共通供給ライン13は上流端で二つのラインが合流しており、共通排液ライン10の分岐点10aと共通供給ライン13の合流点13aとに亘って、使用側循環用接続ライン11が接続されている。上記共通排液ライン10、使用側循環用接続ライン11、共通供給ライン13によって使用側循環ラインが構成されている。使用側循環ラインを通じて洗浄機2では硫酸溶液の循環が可能になっている。各ラインは、100℃以上の温度に対し耐熱性を有する材料で構成されており、例えばPFAその他のテフロン(登録商標)製とすることができる。
【0068】
共通排液ライン10にはポンプ20、洗浄機側フィルタ21が上流側から下流側にかけてこの順で介設されている。また、使用側循環用接続ライン11には、流量調整バルブ22が介設されている。
洗浄機側フィルタ21は、本発明の第1のフィルタに相当する。流量調整バルブ22は、本発明の第1の流路抵抗調整手段または流量調整手段に相当する。
洗浄機側フィルタ21としては、例えばPTFE、PFA、FEPその他のテフロン(登録商標)製のMFを用いることができ、洗浄機側フィルタ21の孔径は、0.01〜10μmの範囲内としており、該孔径は、さらに1μm以下であることが好ましい。
【0069】
また、共通排液ライン10の分岐点10aと共通供給ライン13の合流点13aには、使用側貯留部循環用接続ライン14が貯留槽3を介して接続されて、洗浄機2と貯留槽3との間で硫酸溶液の循環が可能になっている。共通排液ライン10、使用側貯留部循環用接続ライン14、共通供給ライン13によって本発明の使用側貯留部循環ラインが構成されている。貯留槽3および使用側貯留部循環用接続ライン14は、100℃以上の温度に対し耐熱性を有する材料で構成されており、例えばPFAその他のテフロン(登録商標)製とすることができる。
上記のように共通排液ライン10と共通供給ライン13とは、使用側循環ラインと使用側貯留部循環ラインとで共用されている。
【0070】
使用側貯留部循環用接続ライン14の往路側には、流量調整バルブ24、冷却器25が上流側から下流側にかけてこの順で介設され、下流端で貯留槽3に接続されている。流量調整バルブ24は、本発明の第2の流路抵抗調整手段または流量調整手段に相当する。冷却器25は、本発明の冷却手段に相当する。
また、使用側貯留部循環用接続ライン14の復路側には、ポンプ27、硫酸電解液側フィルタ28が、上流側から下流側にかけてこの順で介設されており、下流端が合流点13aに接続されている。硫酸電解液側フィルタ28は、本発明の第2のフィルタに相当する。
【0071】
流量調整バルブ24は、例えばPTFE、PFA、FEPその他のテフロン(登録商標)製で構成されている。
ポンプ27には、耐熱性仕様のダイヤフラムポンプなどを用いることができ、溶液に接する材料には、PTFE、PFA、FEPなどを用いるのが望ましい。
硫酸電解液側フィルタ28としては、例えばPTFE、PFA、FEPその他のテフロン(登録商標)製のMFを用いることができ、硫酸電解液側フィルタ28の孔径は、0.01〜10μmの範囲内としており、該孔径は、さらに1μm以下であることが好ましい。
【0072】
また、貯留槽3の他の出液側と他の入液側には、電解セル4を介して電解側貯留部循環ライン15が接続されて、貯留槽3と電解セル4との間で硫酸溶液の循環が可能になっている。電解側貯留部循環ライン15の往路には、上流側から下流側にかけてポンプ32、冷却器33がこの順で介設されており、電解側貯留部循環ライン15の復路には、気液分離器26が介設されている。気液分離器26のガス分離側には排ガスライン30、排ガス処理装置31が接続されている。
【0073】
次に、上記図2に示す硫酸溶液供給システムの動作について説明する。
洗浄槽2aには、硫酸濃度70〜96質量%の硫酸溶液が満たされ、洗浄槽2aの槽容積Vに対し、1/2〜1/3V/分の循環流量で使用側循環ライン、使用側貯留部循環ラインおよび電解側貯留部循環ラインを通じて硫酸溶液が循環される。この際に電解セル4で陽極、陰極間に通電がされ、電解セル4に通液される硫酸溶液が電解されて硫酸電解液が得られる。洗浄槽2aでは、硫酸溶液の循環によって所定の過硫酸濃度となった硫酸電解液で満たされ、該硫酸電解液は、ヒータ2bによって120℃〜150℃に加熱される。
【0074】
洗浄槽2a内の硫酸溶液は、上記循環に伴ってポンプ20により共通排液ライン10を通じて排液される。共通排液ライン10に排液された硫酸溶液は、洗浄機側フィルタ21によってレジストなどの固形分が捕捉され、この固形分が除去された硫酸溶液が分岐点10aへと至る。
【0075】
分岐点10aでは、硫酸溶液の一部が使用側循環用接続ライン11に流入し、残部が使用側貯留部循環用接続ライン14の往路に流入する。この際に使用側循環用接続ライン11の流量は流量調整バルブ22で調整され、使用側貯留部循環用接続ライン14の流量調整バルブ24で調整され、各ラインの流量が所定量に調整される。これにより、分岐後の一方のラインの流量が不足するなどの問題発生を回避できる。なお、この実施形態では、各ラインに流量調整バルブを設けているが、使用側循環用接続ライン11のみに設けるものであってもよい。
また、流量を調整するものに代えてオリフィスなどの流量抵抗を調整するものを用いるものであってもよい。
【0076】
分岐点10aで使用側貯留部循環用接続ライン14の往路に適量流入した硫酸溶液は、流量調整バルブ24を通過した後、冷却器25により強制冷却され、貯留槽3の入液側に導入される。冷却器25では、例えば10〜80℃に硫酸溶液を強制冷却する。
また、貯留槽3では、ポンプ32により電解側貯留部循環ライン15を通じて硫酸溶液が出液され、冷却器33で電解セル4における電解に好適な温度である、例えば30℃〜70℃に硫酸溶液を強制冷却する。
【0077】
電解セル4では、電源装置により通電された陽極と陰極との間に硫酸溶液が通液されつつ電解されて、該硫酸溶液中に過硫酸が生成される。過硫酸を含む硫酸溶液は、電解セル4の排液側から排液され、電解によって発生したガスが気液分離器26で分離される。分離された排ガスは、排ガスライン30を通じて排ガス処理装置31に送られて排ガス処理がなされる。
【0078】
ガスが分離された、硫酸電解液は、電解側貯留部循環ライン15の復路を通じて貯留槽3に戻される。これを繰り返すことにより貯留槽3内の硫酸電解液における過硫酸濃度が高まる。
貯留槽3内の硫酸電解液は、ポンプ27により使用側貯留部循環用接続ライン14の復路を通じて取り出され、合流点13aへと送液される。この際に硫酸電解液側フィルタ28によって、硫酸電解液中の微粒子や電解によって生じた硫黄析出物などの固形物が捕捉されて該硫酸溶液から除去される。
使用側貯留部循環用接続ライン14の復路を通して合流点13aに送液された硫酸電解液は、使用側循環用接続ライン11を通じて送液される硫酸溶液と合流点13aで合流した後、共通供給ライン13を通して洗浄槽2aに導入され、再度洗浄に用いられる。
【0079】
洗浄機2での洗浄が終了した半導体ウエハは、高温リンス槽、常温リンス槽でリンスを行った後、乾燥器で乾燥を行って処理を終了する。
【0080】
(実施形態3)
なお、上記実施形態1、2で、使用側循環用接続ライン11の長さが1m以下である場合、使用側循環用接続ライン11の流路抵抗が極端に小さくなって、硫酸溶液が逆流するおそれがある。このため、使用側循環用接続ライン11に逆止弁を介設するのが望ましい。
図3は、図1のシステムにおいて使用側循環用接続ライン11に逆止弁23を介設した例を示している。逆止弁23を流量調整バルブ22の下流側で使用側循環用接続ライン11に介設する。これによりポンプ27による脈流が生じた際にも、使用側循環用接続ライン11で合流点13a側から分岐点10a側に硫酸溶液が逆流するのを防止し、正常時には、正流が流れることができる。なお、図3において、その他の構成は図1のシステムと同様である。なお、上記逆止弁23は、図2に示すシステムにおいても同様に流量調整バルブ22の下流側で使用側循環用接続ライン11に介設することができる。
【0081】
なお、上記各実施形態では、使用側がバッチ式洗浄機2である洗浄システムについて説明したが、使用側はこれに限定されるものではない。使用側は、電解された硫酸溶液を所定の処理に使用するものであればよい。
【0082】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【実施例】
【0083】
次に、本発明の実施例を比較例と対比しつつ説明する。
(実施例)
図2に示す洗浄システムを用いて、電子材料基板として、アッシングレスのシリコンウエハの洗浄を行い、その間の電解セルにおける陽極と陰極との間の電極間電圧を測定した。
また、比較例として図6に示す従来のシステムを用いて同様の試験を行った。
試験条件は以下の通りである。
ウエハサイズ :直径150mm
ドーパント元素 :ボロン
ドーズ量 :5×1014atoms/cm
レジスト塗布厚さ :1.7μm
1回の処理枚数 :50枚/ロット
1時間当たりの処理数 :4ロット/時〜6ロット/時
洗浄槽内の処理温度 :140℃
使用した硫酸溶液 :電子工業グレード96%硫酸を硫酸濃度85質量%に
希釈した溶液
各フィルタには、いずれもハウジング:PFA製、フィルタ本体:PTFE製で孔径0.02μmのMFを用いた。
【0084】
図4は、上記実施例および比較例の洗浄システムのそれぞれについて得られたシステム運転開始からの経過時間と電解セルにおける電極間電圧との関係を示すグラフである。
該グラフにおいて、横軸は運転開始からの経過時間[hrs]を表し、縦軸は電解セルにおける陽極と陰極との間の電極間電圧[V]を表している。また、横軸に示すt〜t11は、ウエハを洗浄槽に投入した時点を示している。
【0085】
図4に示すように、比較例では、4ロットの洗浄処理が完了した後の時点tで、電解セルにおける電極間電圧が許容電圧を超えて電解セル異常となり、安全装置により電解セルにおける電解が停止した。他方、実施例では、電解セルにおける電極間電圧が安定しており、連続的かつ安定的にウエハの洗浄を行うことができた。このような両者の相違は、以下に述べるように、共通排液ラインならびに該共通排液ラインから分岐する使用側循環用接続ラインおよび使用側貯留部用循環接続ラインに対するフィルタの介設位置の相違によるものと考えられる。
【0086】
まず、比較例では、使用側循環用接続ラインに介設された平均孔径のより小さいMFの前段で、共通排液ラインが使用側循環用接続ラインと使用側貯留部循環用接続ラインとに分岐している。このため、洗浄槽で洗浄処理されたウエハから硫酸溶液に移行したレジスト片は、電解セルに流入して陰極に付着する。その結果、電解セルにおける電解に要する電極間電圧が上昇する。電極間電圧の上昇後、電圧が下降しないまま次のウエハの洗浄処理が行われると、レジスト片が更に電解セルに流入する。ウエハの洗浄処理を数ロット行うと電解セルの陰極に付着するレジスト片の量が増加し、電極間電圧が徐々に上昇していく。最終的には、電解セルにおいて安全のために設定されている電極間電圧の上限値(警報値)を超過して電解セル異常となり、装置が停止した。
【0087】
他方、実施例では、共通排液ラインに介設されたMFの下流側で使用側循環用接続ラインと使用側貯留部循環用接続ラインとに分岐しているため、洗浄槽で洗浄処理されたウエハから硫酸溶液に移行したレジスト片は、共通排液ラインに介設されたMFで捕捉されて電解セルに流入することはない。MFで捕捉されたレジスト片は、硫酸溶液の循環中に硫酸溶液に溶解する。レジスト片が電解セルに流入しないため、電解セルの陰極へのレジスト片の付着は起こらない。陰極へのレジスト片の付着が起こらなければ、電解セルにおける電極間電圧の大幅な上昇は起こらない。ウエハの洗浄処理時間(10〜15分間)の間に硫酸溶液中に溶解したレジストは、洗浄槽において熱分解されて生成した硫酸ラジカル、OHラジカルによって炭酸ガスと水に分解されるため、電解セルにおける電極間電圧は下降する。
なお、実施例では、ウエハの洗浄処理直後には電解セルにおける電極間電圧は一度上昇するが、直ちに電極間電圧は下降し、次のロットが処理されても電極間電圧が上昇し続けることはなかった。
上記実施例と比較例との対比から、レジスト片が電解セルに流入しなければ、電解セルにおける電極間電圧が上昇し続けることはなく、連続的かつ安定的にウエハの洗浄処理を行うことができることが確認された。
【符号の説明】
【0088】
1 硫酸溶液供給システム
1a 硫酸溶液供給システム
2 バッチ式洗浄機
2a 洗浄槽
3 貯留槽
4 電解セル
10 共通排液ライン
10a 分岐点
11 使用側循環用接続ライン
12 電解側循環用接続ライン
13 共通供給ライン
13a 合流点
14 使用側貯留部循環用接続ライン
15 電解側貯留部循環用接続ライン
21 洗浄機側フィルタ
22 流量調整バルブ
23 逆止弁
24 流量調整バルブ
25 冷却器
28 硫酸電解液側フィルタ
100 半導体ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解した硫酸溶液を使用側に供給する硫酸溶液供給システムにおいて、
硫酸溶液を冷却する冷却手段と、
前記硫酸溶液を電解する電解装置と、
前記使用側で使用された前記硫酸溶液を、前記冷却手段および前記電解装置をこの順に介して前記使用側に戻す電解側循環ラインと、
前記使用側で使用された前記硫酸溶液を、前記冷却手段を介することなく前記使用側に戻す使用側循環ラインと、を備え、
前記電解側循環ラインと前記使用側循環ラインとが、前記使用側から排液された前記硫酸溶液が流れる共通した共通排液ラインを有し、かつ該共通排液ラインの下流側端部にある分岐点からそれぞれが分岐しており、
前記共通排液ラインに、前記硫酸溶液中の固形物を捕捉するフィルタを備えることを特徴とする硫酸溶液供給システム。
【請求項2】
電解した硫酸溶液を使用側に供給する硫酸溶液供給システムにおいて、
硫酸溶液を冷却する冷却手段と、
前記硫酸溶液を貯留する貯留部と、
前記硫酸溶液を電解する電解装置と、
前記使用側で使用された前記硫酸溶液を、前記冷却手段および前記貯留部をこの順に介して前記使用側に戻す使用側貯留部循環ラインと、
前記使用側で使用された前記硫酸溶液を、前記冷却手段および前記貯留部を介することなく前記使用側に戻す使用側循環ラインと、
前記貯留部から出液された前記硫酸溶液を、前記電解装置を介して前記貯留部に戻す電解側貯留部循環ラインと、を備え、
前記使用側貯留部循環ラインと前記使用側循環ラインとが、前記使用側から排液された前記硫酸溶液が流れる共通した共通排液ラインを有し、かつ該共通排液ラインの下流側端部にある分岐点からそれぞれが分岐しており、
前記共通排液ラインに、前記硫酸溶液中の固形物を捕捉するフィルタを備えることを特徴とする硫酸溶液供給システム。
【請求項3】
前記分岐点の下流側の前記使用側循環ラインに、流路抵抗調整手段または流量調整手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の機能性溶液供給システム。
【請求項4】
前記流路抵抗調整手段または流量調整手段が前記使用側循環ラインに介設されたバルブ、チャッキまたはオリフィスであることを特徴とする請求項3記載の機能性溶液供給システム。
【請求項5】
前記共通排液ラインの分岐点から分岐する前記使用側循環ラインに設けられた前記流路抵抗調整手段または流量調整手段を第1の流路抵抗調整手段または流量調整手段として、前記分岐点から分岐する他の循環ラインに第2の流路抵抗調整手段または流量調整手段が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の硫酸溶液供給システム。
【請求項6】
前記使用側循環ラインと、前記使用側に硫酸溶液を戻す他の循環ラインとが、前記使用側に硫酸溶液を供給する共通した共通供給ラインを有し、かつ該共通供給ラインの上流側端部にある合流点にそれぞれ合流しており、該合流点と前記分岐点との間の前記使用側循環ラインの長さが1m以下であり、該使用側循環ラインに、前記合流点から前記分岐点に向かう液流を防止する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硫酸溶液供給システム。
【請求項7】
前記フィルタが、孔径0.01〜10μmを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の機能性溶液供給システム。
【請求項8】
前記共通排液ラインに設けられた前記フィルタを第1のフィルタとして、前記分岐点から分岐する他の循環ラインであって前記電解装置による電解下流側に、第1のフィルタの孔径と同等か前記第1のフィルタよりも孔径が小さくて孔径が0.01〜10μmの第2のフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の硫酸溶液供給システム。
【請求項9】
前記使用側が、パターン加工によるレジストが付着し、該レジストを予め酸化して灰化する前処理工程を経ていない電子材料基板を洗浄する洗浄部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の硫酸溶液供給システム。
【請求項10】
電解した硫酸溶液を使用側に供給する硫酸溶液供給方法において、
前記使用側で使用された硫酸溶液を分岐して一部を、強制冷却した後に電解し、電解後の硫酸溶液を前記使用側に戻して循環する工程Aと、
前記使用側で使用された硫酸溶液を前記分岐した残部を、強制冷却を行うことなく前記使用側に戻して循環する工程Bと、を有し、
前記工程Aおよび前記工程Bにおいて前記使用側からの硫酸溶液を前記分岐する前にフィルタに通液することにより前記硫酸溶液中の固形物を捕捉することを特徴とする硫酸溶液供給方法。
【請求項11】
電解した硫酸溶液を使用側に供給する硫酸溶液供給方法において、
前記使用側で使用された硫酸溶液を分岐して一部を、強制冷却した後に貯留部に貯留し、前記貯留部から硫酸溶液を排液して前記使用側に戻して循環する工程Cと、
前記使用側で使用された硫酸溶液を前記分岐した残部を、強制冷却を行うことなく、前記使用側に戻して循環する工程Dと、
硫酸溶液を貯留する貯留部から硫酸溶液を排液して電解し、電解後の硫酸溶液を前記貯留部に戻して循環する工程Eと、を有し、
前記工程Cおよび前記工程Dにおいて前記使用側からの硫酸溶液を前記分岐する前にフィルタに通液することにより硫酸溶液中の固形物を捕捉することを特徴とする硫酸溶液供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−251223(P2012−251223A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125342(P2011−125342)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】