説明

硬化可能な有機ポリシロキサン材料

本発明は、脂肪族多重結合へのSi結合した水素の付加により架橋可能であり、かつ、シリル化したクエン酸を含有する、架橋可能なシリコーン材料に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリル化したクエン酸を含有する、Si結合した水素を脂肪族多重結合に付加させることにより架橋可能なシリコーン材料、その製造方法並びに、特にテキスタイル平面状構造物の被覆のための、その使用に関する。
【0002】
付加架橋性シリコーン材料は、触媒、典型的には白金化合物の存在で脂肪族不飽和基とSi結合した水素との反応(ヒドロシリル化)により硬化する。付加架橋性材料を、数多くの基材、例えばプラスチック、金属、鉱物物質及び有機繊維の被覆に使用することは多方面で知られている。この場合、架橋可能な材料の個々の成分は、工業的使用のための要求を満たすことができるように調整しなければならない。このために、例えばEP915937B1を参照されたい。
【0003】
本発明の主題は、シリル化したクエン酸を含有する、脂肪族多重結合へのSi結合した水素の付加により架橋可能なシリコーン材料である。
【0004】
好ましくは、前記架橋可能な材料は、
(A)脂肪族多重結合を有するSiC結合した基を有する有機ケイ素化合物、
(B)Si結合した水素原子を有する有機ケイ素化合物、又は(A)及び(B)の代わりに
(C)脂肪族多重結合及びSi結合した水素原子を有するSiC結合した基を有する有機ケイ素化合物、
(D)脂肪族多重結合へのSi結合した水素の付加を促進する触媒、及び
(E)トリメチルシリルクエン酸、ビストリメチルシリルクエン酸、トリストリメチルシリルクエン酸又はテトラキストリメチルシリルクエン酸
を含有する材料である。
【0005】
本発明の範囲内では、有機ポリシロキサンとの概念には、ケイ素原子の一部が酸素以外の他の基により、例えば−N−又は−C−を介して、互いに結合していてよい、ポリマーやオリゴマーの、また二量体のシロキサンも共に含まれる。
【0006】
本発明の組成物は、一成分有機ポリシロキサン材料であっても二成分有機ポリシロキサン材料であってもよい。後者の場合、本発明の材料の両成分は全ての成分を任意の組み合わせで含有してよく、但し、一般的に、一の成分は同時に脂肪族多重結合を有するシロキサン、Si結合した水素を有するシロキサン及び触媒を含有しない。好ましくは、本発明の組成物は二成分材料である。
【0007】
本発明の材料中で使用される化合物(A)及び(B)又は(C)は、既知のようにして、架橋が可能なように選択される。好ましくは、例えば化合物(A)は少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有し、シロキサン(B)は少なくとも3つのSi結合した水素原子を有するか、又は、化合物(A)は少なくとも3つの脂肪族不飽和基を有し、シロキサン(B)は少なくとも2つのSi結合した水素原子を有するか、又は化合物(A)及び(B)の代わりに、脂肪族不飽和基及びSi結合した水素原子を前記の割合で有するシロキサン(C)が使用される。
【0008】
有機ケイ素化合物(A)として、従来も付加架橋可能な材料中で使用されていた、脂肪族多重結合を有する全ての有機ケイ素化合物を使用することができる。
【0009】
有機ケイ素化合物(A)は、好ましくは式
【化1】

[式中、
Rは、同じか又は異なっていてよく、かつ、脂肪族の炭素−炭素−多重結合を有しない基を意味する、
1は、同じか又は異なっていてよく、かつ、一価の、場合によって置換された、SiC結合した炭化水素基であって脂肪族の炭素−炭素多重結合を有するものを意味する、
aは0、1、2又は3である、及び
bは0、1又は2である、
但し、a+bの合計は3以下であり、少なくとも2つの基R1が一分子ごとに存在する]
の単位から構成されるシロキサンである。
【0010】
基Rは、一価又は多価の基であってよく、その際、多価の基、例えば二価、三価及び四価の基は、この場合、複数の、例えば2つ、3つ又は4つの式(I)のシロキシ単位と相互に結合する。
【0011】
Rは、一価の基−F、−Cl、−Br、−OR6、−CN、−SCN、−NCO及びSiC結合した、場合によって置換された炭化水素基(この基は酸素原子又は基−C(O)−で中断されていてもよい)、並びに、二価の、両側で式(I)に応じてSi結合した基を包含する。
【0012】
基Rが、SiC結合した、置換された炭化水素基である場合には、置換基としては、ハロゲン原子、リン含有基、シアノ基、−OR6、−NR6−、−NR62、−NR6−C(O)−NR62、−C(O)−NR62、−C(O)−R6、−C(O)OR6、−SO2−Ph及び−C65が好ましく、その際、R6は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子又は1〜20個の炭素原子を有する一価の炭化水素基を意味し、かつPhはフェニル基である。
【0013】
基Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基、オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、例えばn−ノニル基、デシル基、例えばn−デシル基、ドデシル基、例えばn−ドデシル基、及びオクタデシル基、例えばn−オクタデシル基、シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基、アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基及びフェナントリル基、アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基、及びアラルキル基、例えばベンジル基、α−及びβ−フェニルエチル基である。
【0014】
置換された基Rの例は、ハロゲンアルキル基、例えば、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基及びヘプタフルオロイソプロピル基、並びにハロゲンアリール基、例えばo−、m−及びp−クロロフェニル基である。
【0015】
好ましくは、基Rは、一価の、脂肪族の炭素−炭素−多重結合不含の、SiC結合した、場合によって置換された、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、特に好ましくは、一価の、脂肪族の炭素−炭素−多重結合不含の、SiC結合した、1〜6個の炭素原子を有する炭化水素基、特にメチル基又はフェニル基である。
【0016】
基R1は、任意の、SiH官能性化合物と付加反応(ヒドロシリル化)できる基であってよい。
【0017】
基R1が、SiC結合した、置換された炭化水素基である場合、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基及び−OR6が好ましく、その際、R6は上記の意味合いのうちの1つを有する。
【0018】
好ましくは、基R1は、2〜16個の炭素原子を有するアルケニル基及びアルキニル基、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、メタリル基、5−ヘキセニル基、エチニル基、ブタジエニル基、ヘキサジエニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基、ビニルシクロヘキシルエチル基、ジビニルシクロヘキシルエチル基、ノルボルネニル基、ビニルフェニル基及びスチリル基であり、その際、ビニル基、アリル基及び5−ヘキセニル基を使用することが特に好ましい。
【0019】
成分(A)の分子量は広範囲で変動してよく、例えば10〜106g/molで変動してよく、その際、50〜500000g/molの分子量が好ましい。そして、成分(A)は例えば、比較的低分子のアルケニル官能性オリゴシロキサン、例えば1,2−ジビニルテトラメチルジシロキサンであってよいが、鎖中及び/又は末端のSi結合したビニル基を有する高ポリマーポリジメチルシロキサンであってもよい。成分(A)を形成する分子の構造も定められていない;特に高分子量、すなわち、オリゴマー又はポリマーのシロキサンの構造は、鎖状、環状、又は分枝鎖状であってよい。
【0020】
特に好ましくは、成分(A)として、20〜1000000mm2/sの粘度を有する主として鎖状のポリジオルガノシロキサンを使用することであり、その際、成分(A)として、50〜500000mm2/sの粘度(そのつど25℃で)を有する、ビニル末端の、主として鎖状のポリジオルガノシロキサンの使用が特にとりわけ好ましい。
【0021】
有機ケイ素化合物(B)として、従来も付加架橋可能な材料において使用されてきた、全ての水素官能性有機ケイ素化合物を使用することができる。
【0022】
Si結合した水素原子を有する有機ポリシロキサン(B)として、好ましくは、式
【化2】

[式中、
2は同じか又は異なっていてよく、かつ、上でRについて記載した意味合いを有する、
cは、0、1、2又は3である、及び
dは、0、1又は2である、
但し、c+dの合計は3以下であり、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、Si結合した水素が一分子ごとに存在する]
の単位から構成される有機ポリシロキサンが使用される。
【0023】
好ましくは、本発明により使用される有機ケイ素化合物(B)は、Si結合した水素を、この有機ケイ素化合物(B)の全質量に対して、0.04〜1.7質量%の範囲内で含有する。
【0024】
成分(B)の分子量も、同様に広範囲で、例えば10〜106g/molで変動してよい。そして、成分(B)は、例えば比較的低分子のSiH官能性のオリゴシロキサン、例えばテトラメチルジシロキサンであってよいが、鎖中又は末端のSiH基を有する高ポリマーの鎖状ポリシロキサン又はSiH基を有するシリコーン樹脂であってもよい。また、成分(B)を形成する分子の構造も定められていない;特に高分子量、すなわち、オリゴマー又はポリマーのSiH含有シロキサンの構造は、鎖状、環状又は分枝鎖状であってよい。鎖状及び環状のポリシロキサンは、好ましくは、式R23SiO1/2、HR22SiO1/2、HR2SiO2/2及びR22SiO2/2の単位から構成され、その際、R2は前記の意味合いを有する。
【0025】
特に好ましくは、成分(B)として、低分子量のSiH官能性化合物、例えばテトラキス(ジメチルシロキシ)シラン及びテトラメチルシクロテトラシロキサン、並びに、高分子量のSiH含有シロキサン、例えば、25℃で粘度10〜10000mm2/sを有するポリ(水素メチル)シロキサン及びポリ(ジメチル/水素メチル)シロキサン、又は、メチル基の一部が3,3,3−トリフルオロプロピル基又はフェニル基で置き換えられている類似のSiH含有化合物を使用する。
【0026】
成分(B)は、好ましくは、本発明の架橋可能な材料中で、SiH基と脂肪族不飽和基とのモル比が0.1〜20、特に好ましくは1.0〜5.0であるような量で含まれている。
【0027】
本発明により使用される成分(A)及び(B)は、市販製品であるか若しくは当該化学分野において慣用の方法により製造可能である。
【0028】
成分(A)及び(B)の代わりに、本発明の材料は、脂肪族多重結合もSi結合した水素原子も有する有機ポリシロキサン(C)を含有してよいが、これは好ましくない。
【0029】
シロキサン(C)が使用される場合には、これは好ましくは式
【化3】

[式中、
3は同じか又は異なっていてよく、かつ、Rについて挙げた意味合いを有し、R1はこのために先に挙げた意味合いを有する、
fは、0、1、2又は3である、
gは、0、1又は2である、及び
hは、0、1又は2である、
但し、各分子に少なくとも2つの基R1及び少なくとも2つのSi結合した水素原子が存在する]
の単位から構成されるものである。
【0030】
有機ポリシロキサン(C)のための例は、実質的にR321SiO1/2−、R32SiO−及びR3HSiO−単位(式中、R3及びR1は上述の意味合いと同じである)からなる鎖状有機ポリシロキサンである。
【0031】
有機ポリシロキサン(C)は、好ましくは、それぞれ25℃で、20〜1000000mm2/s、特に好ましくは50〜500000mm2/sの平均粘度を有する。
【0032】
有機ポリシロキサン(C)は、当該化学分野において通常使用される方法により製造できる。
【0033】
本発明により使用される成分(D)として、従来もSiに結合した水素を脂肪族多重結合に付加させることによって架橋可能な材料中で使用されていた全ての触媒を使用することができる。
【0034】
成分(D)は、好ましくは、周期律表の第8族、第9族又は第10族からのヒドロシリル化触媒である。この場合に、金属及びそれらの化合物、例えば白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム及びイリジウム、好ましくは白金を使用することができる。この金属は、場合によって微細な担体材料、例えば活性炭、金属酸化物、酸化アルミニウム又は二酸化ケイ素上に固定化されていてよい。
【0035】
好ましくは、ヒドロシリル化触媒(D)として、白金及び白金化合物を使用し、その際、ポリオルガノシロキサン中に溶解性の白金化合物が特に好ましい。溶解性の白金化合物としては、例えば、式(PtCl2・オレフィン)2及び式H(PtCl3・オレフィン)の白金−オレフィン錯体を使用することができ、その際、好ましくは、2〜8個の炭素原子を有するアルケン、例えばエチレン、プロピレン、ブテン及びオクテンの異性体又は5〜7個の炭素原子を有するシクロアルカン、例えばシクロペンテン、シクロヘキセン及びシクロヘプテンを使用する。他の溶解性の白金触媒は、式(PtCl2362の白金−シクロプロパン−錯体、ヘキサクロロ白金酸とアルコール、エーテル及びアルデヒドとの反応生成物若しくはその混合物又はヘキサクロロ白金酸とメチルビニルシクロテトラシロキサンとをエタノール溶液中の重炭酸ナトリウムの存在下で反応させた反応生成物である。また、リン配位子、硫黄配位子及びアミン配位子を有する白金触媒、例えば(Ph3P)2PtCl2を使用することもできる。特に、成分(D)としては、白金とビニルシロキサン、例えばsym−ジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体が好ましい。
【0036】
本発明により使用されるヒドロシリル化触媒(D)の量は、所望の架橋速度とそのつどの使用並びに経済的観点に応じて左右される。本発明の材料は、白金触媒(D)を、好ましくは、それぞれ本発明の材料の全質量に対して、白金含有量0.01〜1000質量ppm(=百万質量部当たりの質量部)、特に好ましくは0.05〜500質量ppm、特に0.1〜100質量ppmが得られる量で含有する。
【0037】
本発明により使用される物質(E)は、シリル化したクエン酸である。
【0038】
好ましくは、本発明のシリル化したクエン酸は、式
【化4】

[式中、
A=H又はSiR3であり、但し、少なくとも1のAはSiR3の意味合いを有し、かつRは好ましくは1〜10個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子、特に好ましくは1〜2個の炭素原子を有する炭化水素基である]
のクエン酸である。
【0039】
好ましいシリル化したクエン酸は、トリメチルシリルクエン酸、ビストリメチルシリルクエン酸、トリストリメチルシリルクエン酸、又はテトラキストリメチルシリルクエン酸、トリエチルシリルクエン酸、ビストリエチルシリルクエン酸、トリストリエチルシリルクエン酸、テトラキストリエチルシリルクエン酸、トリプロピルシリルクエン酸、ビストリプロピルシリルクエン酸、トリストリプロピルシリルクエン酸、テトラキストリプロピルシリルクエン酸、トリブチルシリルクエン酸、ビストリブチルシリルクエン酸、トリストリブチルシリルクエン酸、テトラキストリブチルシリルクエン酸、好ましくはトリメチルシリルクエン酸、ビストリメチルシリルクエン酸、トリストリメチルシリルクエン酸、テトラキストリメチルシリルクエン酸、特に好ましくはテトラキストリメチルシリルクエン酸である。
【0040】
好ましくは、本発明により使用される物質(E)は、好ましくは、そのつど100質量部の成分(A)に対して、0.001質量部〜10質量部、好ましくは0.01質量部〜5質量部、特に好ましくは0.1〜3質量部の量で、前記材料中に含有されている。
【0041】
本発明の硬化可能な組成物は、成分(A)〜(E)の他に、従来にも付加架橋可能な材料の製造に使用されてきた全ての成分、例えば抑制剤(F)、充填剤(G)、付着促進剤(H)並びに更なる物質(I)であって溶媒、顔料、染料、可塑剤、有機ポリマー、熱安定剤及び香料から選択された物質(I)を含有してよい。
【0042】
場合によって使用される抑制剤(F)は、本発明の材料の加工時間、活性化温度(Anspringtemperatur)、架橋速度の狙いを定めた調節に利用する添加剤、例えばアセチレン性アルコール、例えば1−エチニル−1−シクロヘキサノール、2−メチル−3−ブチン−2−オール及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ドデシン−3−オール、トリアルキルシアヌレート、アルキルマレアート、例えばジアリルマレアート、ジメチルマレエート及びジエチルマレアート、アルキルフマレート、例えばジアリルフマレート及びジエチルフマレート、有機ヒドロペルオキシド、例えばクメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド及びピナンヒドロペルオキシド、有機ペルオキシド、有機スルホキシド、有機アミン、ジアミン及びアミド、ホスファン及びホスフィット、ニトリル、トリアゾール、ジアジリジン及びオキシムである。
【0043】
好ましくは、本発明により場合によって使用される抑制剤(F)は、エチニルシクロヘキサノール、2−メチル−3−ブチン−2−オール及びアルキルマレアートであり、その際、エチニルシクロヘキサノール及び2−メチル−3−ブチン−2−オールが特に好ましい。
【0044】
本発明の材料は、成分(F)を、成分(A)100質量部に対してそれぞれ、好ましくは0.01〜3質量部、特に好ましくは0.02〜1質量部、特に0.03〜0.5質量部の量で含有する。
【0045】
場合によって使用される充填剤(G)としては、従来も架橋可能な材料中に使用されてきた全ての充填剤を使用することができる。充填剤の例は、強化性充填剤、すなわち少なくとも30m2/gのBET表面積を有する充填剤、例えばカーボンブラック、熱分解法により製造されたケイ酸、沈降ケイ酸及びケイ素−アルミニウム−混合酸化物であり、その際、挙げられた充填剤は疎水化されていてもよく、並びに、非強化性充填剤、すなわち30m2/g未満のBET表面積を有する充填剤、例えば石英、クリストバライト、ケイ藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、モンモリロナイト、例えばベントナイト、ゼオライト(分子ふるいを含む)、例えばケイ酸ナトリウムアルミニウム、金属酸化物、例えば酸化アルミニウムもしくは酸化亜鉛若しくはこれらの混合酸化物、金属水酸化物、例えば水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素からなる粉末、ガラス粉末、炭粉末及びプラスチック粉末並びに中空のガラスビーズ及びプラスチックビーズである。
【0046】
充填剤(G)は、好ましくは熱分解法により製造されたケイ酸又は沈降ケイ酸であり、特に好ましくは30〜300m2/gのBET表面積を有する熱分解法により製造されたケイ酸である。
【0047】
本発明の材料が充填剤(G)を含有する場合には、架橋可能な材料100質量部に対してそれぞれ好ましくは1〜50質量部、特に好ましくは2〜30質量部の量であることが好ましい。
【0048】
本発明の材料中に場合によって使用される付着促進剤(H)としては、従来もSi結合した水素を脂肪族多重結合に付加することによって架橋可能な材料中で使用されていた全ての付着促進剤を使用することができる。好ましくは、シラン付着促進剤、例えばビニルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、エポキシプロピルトリアルコキシシラン、アセトキシ基を有するシラン並びにこれらの混合物である。
【0049】
本発明により使用される付着促進剤(H)は、特に好ましくは、エポキシプロピルトリエトキシシラン、エポキシプロピルトリメトキシシラン及びビニルトリアセトキシシランである。
【0050】
本発明の材料中に付着促進剤(H)を使用する場合には、成分(A)100質量部に対してそれぞれ好ましくは0.01〜20質量部、特に好ましくは0.05〜10質量部、特に0.1〜5質量部の量が好ましい。
【0051】
本発明の材料中に場合によって使用される更なる物質(I)としては、従来もSi結合した水素を脂肪族多重結合に付加することにより架橋可能な材料中に使用されてきており、かつ成分(A)〜(H)とは異なる、このために知られている全ての溶媒、顔料、染料、可塑剤、有機ポリマー、熱安定剤又は香料を使用することができる。
【0052】
溶媒の例は、7〜20個の炭素原子を有する脂肪族化合物、トルエン、キシレン、酸エステル、例えば酢酸エチルエステル又はケトン、例えばメチルエチルケトンである。
【0053】
可塑剤の例は、非官能性トリメチル末端ポリジメチルシロキサン、15〜30個の炭素原子を有する脂肪族化合物及び非官能性メチルフェニルポリシロキサンである。
【0054】
有機ポリマーの例は、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル及びポリカーボネート並びにポリエステルである。
【0055】
熱安定剤の例は、酸化セリウム、有機セリウム化合物、例えばセリウムオクトアート、酸化鉄及び酸化チタンである。
【0056】
本発明の材料中に更なる物質(I)を使用する場合には、好ましくは溶媒、例えば脂肪族ベンジン、トルエン、キシレン又は酸エステル、例えばエチルアセテートである。
【0057】
本発明の材料中に更なる物質(I)を使用する場合には、このことは好ましくはないものの、成分(A)100質量部に対してそれぞれ好ましくは0.01〜60質量部、特に好ましくは0.05〜50質量部、特に0.1〜30質量部の量が好ましい。
【0058】
本発明の材料は好ましくは室温かつ周囲圧力で液状又はキャスティング可能である。これはそれぞれ25℃で好ましくは20〜1000000mm2/s、特に好ましくは50〜500000mm2/sの粘度を有する。
特に好ましくは、本発明の材料は、
(A)式(I)の単位から構成される有機ケイ素化合物、
(B)Si結合した水素原子を有する有機ポリシロキサン、
(D)脂肪族多重結合へのSi結合した水素の付加を促進する触媒、
(E)式(III)によるシリル化したクエン酸、好ましくはトリメチルシリルクエン酸、ビストリメチルシリルクエン酸、トリストリメチルシリルクエン酸又はテトラキストリメチルシリルクエン酸、
(F)抑制剤
場合によって
(G)充填剤
場合によって
(H)付着促進剤、及び
場合によって
(I)溶媒、顔料、染料、可塑剤、有機ポリマー、熱安定剤及び香料から選択される、成分(A)〜(H)とは異なる更なる物質
からなる材料である。
【0059】
特に、本発明の材料は、
(A)ビニル末端ジオルガノポリシロキサン、
(B)Si結合した水素原子を有する有機ポリシロキサン、
(D)脂肪族多重結合へのSi結合した水素の付加を促進する触媒、
(E)式(III)によるシリル化したクエン酸、好ましくはトリメチルシリルクエン酸、ビストリメチルシリルクエン酸、トリストリメチルシリルクエン酸又はテトラキストリメチルシリルクエン酸、
(F)抑制剤
(G)充填剤
(H)シラン付着促進剤
並びに
場合によって
(I)溶媒、顔料、染料、可塑剤、有機ポリマー、熱安定剤、非強化性充填剤又は香料から選択される、成分(A)〜(H)とは異なる更なる物質
からなる材料である。
【0060】
本発明により使用される成分(A)〜(I)はそれぞれ、かかる成分の個々の種類でも、かかる成分の種々異なる種類の少なくとも2種からなる混合物であってもよい。
【0061】
本発明の有機ポリシロキサン材料の製造は、既知の方法に従って、例えば個々の成分を任意の順序で均一に混合することによって行うことができる。
【0062】
この場合、使用される成分のコンシステンシー及び粘度に応じて、混合プロセスを簡単な撹拌装置、例えば羽根型撹拌機、遊星混合機、ターボ撹拌機又は溶解機を用いて、練りロール機、ニーダー、Z型混合機又はボールミル上で行ってよい。撹拌容器は、開放又は閉鎖されていてよい。混合工程は、好ましくは室温で実施されるが、−40℃〜+150℃の範囲にある温度も可能である。この場合、本発明により使用される酸(E)を、既に全ての他の成分を含有するシリコーンゴム配合物中に混合導入するか、又は1つ以上の相応の予備混合物中に混合導入することができる。シリコーンゴム混合物の製造の間にも、成分Eが混和されることができる。所望される場合には、成分(E)を溶媒と混合させて使用することもできる。
【0063】
好ましくは、本発明の材料の製造のための混合過程は、周囲雰囲気、すなわち約900〜1100hPaの圧力で実施され、その際、所望される場合には、高められたか又は低められた圧力並びに保護ガスを適用してもよい。本発明により使用される有機酸(E)を溶媒と混合させて添加する場合には、所望される場合には、真空の適用及び/又は混合温度の増加により溶媒を再び除去してよい。
【0064】
本発明の材料の製造のための混合プロセスは、不連続的に又は連続的にも、このために好適な装置中で実施してよい。かかる装置の例は、ブスニーダー(Busskneter)、スタティック又はダイナミックフローミキサーである。
【0065】
Si結合した水素を脂肪族多重結合に付加させることによって架橋可能な本発明の材料は、従来に知られている、ヒドロシリル化反応によって架橋可能な材料と同じ条件下で架橋させることができる。この場合、100〜220℃、特に好ましくは130〜190℃の温度及び900〜1100hPaの圧力が好ましい。しかしながら、より高いか又はより低い温度及び圧力を適用することもできる。
【0066】
本発明の更なる主題は、本発明の材料の架橋により製造された成形体である。
【0067】
この場合、本発明の成形体は、任意かつ自体公知のように製造することができる。この例は、カレンダリング、成形プレス、射出成形、押出、キャスティングである。本発明の材料は、表面の被覆に使用することもできる。
【0068】
本発明の材料並びに本発明により前記材料から製造される架橋生成物は、従来もエラストマーへと架橋可能な有機ポリシロキサン材料もしくはエラストマーが使用されていた全ての目的のために使用することができる。本発明の材料は、テキスタイル平面状構造物、例えば織物、不織布、編地、レイドスクリム(Gelege)、ニット、フェルト又は経編生地の被覆に特に好適である。この場合、テキスタイル平面状構造物は、天然繊維、例えば綿、羊毛、絹等から、又は、合成繊維、例えばポリエステル、ポリアミド、アラミド等から製造されていてよい。テキスタイルは、鉱物繊維、例えばガラス又はシリカート、又は金属繊維から製造されていてもよい。更に、本発明の材料は、鉱物物質、プラスチック、天然物質又は金属からのシート又は表面の被覆に使用することもできる。
【0069】
本発明の更なる主題は、テキスタイル平面状構造物を被覆する方法において、本発明の材料をテキスタイル平面状構造物上に設け、そして架橋させることを特徴とする方法である。
【0070】
本発明の被覆は、自体公知のように、例えばドクターブレード法、浸漬法、押出法、射出法又は噴霧法において設けることができる。あらゆる種類のロール被覆、例えばグラビアロール塗、パジング又は多ロール系による塗布並びにスクリーン印刷も可能である。
【0071】
本発明の被覆は、好ましくは、10〜50℃の温度で、かつ周囲雰囲気の圧力、すなわち約900〜1100hPaで行われる。
【0072】
本発明の材料は、積層及びトランスファー法における加工にも好適である。
【0073】
本発明の材料で被覆されたテキスタイル平面状構造物は、既に被覆された織物を使用する至るところで使用することができる。本発明の被覆された織物は、好ましくは、特に、低い放散値及び下地への良好な付着を有する、匂いを有さない(geruchsneutral)被覆を必要とするところで使用することができる。この例は、公共交通機関又は公共建築物のための補償器、カーテン、光保護テキスタイル、日よけ又は自動車内の安全支援系である。
【0074】
本発明の架橋可能な材料は、容易に入手できる出発材料を使用して簡単な方法で、ひいては経済的に製造できるという利点を有する。
【0075】
本発明の架橋可能な材料は、良好な貯蔵安定性を有するという利点を有する。
【0076】
本発明の材料は、慣用の装置上で簡単に加工することができるという利点を有する。
【0077】
本発明の成形体は、減少した放散値を有するという利点を有する。
【0078】
本発明の成形体は、減少した固有臭を有するという利点を有する。
【0079】
本発明の方法は、高められた加工速度が可能であるという利点を有する。
【0080】
以下に記載される実施例では、部と百分率の全ての表記は、特段別の記載がない限りは、質量に対するものである。特に記載がない限り、以下の実施例は、周囲雰囲気の圧力で、すなわち約1000hPaで、かつ室温で、従って約20℃で、若しくは反応物を室温で追加の加熱又は冷却をせずに合する場合に生ずる温度で実施される。
【0081】
テトラキストリメチルシリルクエン酸の合成は以下のように実施する:
クエン酸(水不含)20.0gをテトラヒドロフラン150g中に溶解させ、生じる混合物を80℃に加熱する。30分間のうちにヘキサメチルジシラザン50.4gを計量供給する。この反応混合物を4時間撹拌し、引き続き回転蒸発器で温度80℃で10mbarで易揮発性成分を留去する。目的化合物46.8gを易動性液体として獲得する(収率93%、純度97%、GCによる)。
【表1】

【0082】
トリメチルシリルクエン酸、ビストリメチルシリルクエン酸及びトリストリメチルシリルクエン酸を、化学量論を適合して同じ方法で製造する。
【0083】
本発明の範囲内で、特段別の記載がない限りは、全ての量及びパーセントの記載は質量に対し、全てのパーセントの記載は全質量に対し、全ての温度は20℃であり、そして、全ての圧力は周囲雰囲気、すなわち、900〜1100hPaに相応する。全ての粘度は25℃で測定される。
【0084】
以下に記載される実施例では、部及びパーセンテージの全ての記載は、特段別の記載がない限りは、質量に対するものである。特段別の記載がない限りは、以下の実施例は、周囲雰囲気の圧力で、従って約1000hPaで、かつ特段別の記載がない限りは、室温で、従って約20℃で、もしくは反応物を室温で追加の加熱又は冷却をせずに合する場合に生じる温度で実施される。実施例中に記載された全ての粘度表示は、25℃の温度に対する。
【0085】
以下、全ての粘度表示は25℃の温度に対するものである。
【0086】
実施例1
付加架橋性基礎材料(以下、「基礎材料」と称する)の製造
20000mPa・sの粘度を有する120gのα,ω−ビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンと、1000mPa・sの粘度を有する156gのα,ω−ビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン及び300g/m2のBET表面積を有する55gの高分散ケイ酸とを混合する。
【0087】
この混合物中に、0.06gの白金ジビニルテトラメチルシロキサン錯体をジメチルポリシロキサン中で溶解させてこの材料中の白金含有量を18ppmにして、トリメチル末端基を有し、かつ45mPa・sの粘度を有する10gのメチル水素ポリシロキサン及び1.5gのエチニルシクロヘキサノールを混和する。
【0088】
このようにして製造した基礎材料100gに、テトラキストリメチルシリルクエン酸1gを添加し、混合する。
【0089】
実施例2
このようにして製造した実施例1からの基礎材料100gに、テトラキストリメチルシリルクエン酸2gを添加し、混合する。
【0090】
実施例3
実施例1からの基礎材料100gに、トリストリメチルシリルクエン酸1gを添加し、混合する。
【0091】
実施例4
実施例1からの基礎材料100gに、トリメチルシリルクエン酸2gを添加し、混合する。
【0092】
実施例5
180℃の加硫温度での必要な加硫時間の測定
実施例1〜4による混合物並びに比較用の基礎材料(比較例1(V1))を、それぞれドクターブレードを用いてポリアミド6.6製の織物上に設け、そして180℃で加硫する。
【0093】
このように被覆された織物を抽出試験に供し、そして以下に記載するように、抽出可能分が<10%になるまでに必要な滞留時間を測定する。
【0094】
加硫の状態についての指標として、架橋されたシリコーンゴムの抽出可能分を測定した。このために、被覆された織物を24時間にわたってメチルイソブチルケトン中に貯蔵し、そしてこの溶媒中のシリコーン含有率を測定する。
【0095】
抽出可能分10%に達するのに必要な加硫時間を測定した。この結果を第1表に記載した。
【0096】
第1表
【表2】

【0097】
実施例6
被覆後の匂い発生測定
実施例1〜4による混合物並びに比較用の基礎材料(比較例1)を、それぞれドクターブレードを用いて未整理状態の洗浄されていないナイロン織物上に設け、そして60秒にわたって180℃で加硫する。
【0098】
このように被覆された織物は、以下に記載された匂い試験において、顕著に減少した匂いを示す。
【0099】
この被覆された織物100cm2をそれぞれガラス容器中に入れ、そして閉じて24時間にわたって貯蔵した。次いでこれらのガラス容器を開け、そして匂いを評価した。この結果は第2表に見出される。
【0100】
第2表
【表3】

【0101】
実施例7
下地への被覆の付着性の測定
実施例1〜4による混合物並びに比較用の基礎材料(比較例1)を、それぞれドクターブレードを用いて洗浄されたナイロン織物上に設け、そして30秒にわたって180℃で加硫する。
【0102】
このように被覆された織物は、ISO5981による試験において顕著に良好な値を示す。
【0103】
被覆された織物サンプルを、それぞれISO5981に応じて、被覆された織物サンプルをスクラブ試験器中で金属フリクションシュー(Metallreibschuh)及び1kg質量カバーのもとで斜めに逆方向に動かすことにより試験する。この結果は第3表に見出される。
【0104】
第3表
【表4】

【0105】
実施例8
実施例1〜4による混合物並びに比較用の基礎材料(比較例1)を、それぞれドクターブレードを用いて洗浄されたナイロン織物上に設け、そして30秒にわたって異なる温度で加硫する。
【0106】
このように被覆された織物は、短い加硫時間を必要とする。
【0107】
架橋の質の指標として、抽出可能分を再び測定した。被覆された織物サンプル上で、実施例5において記載された抽出試験をそれぞれ実施した。
【0108】
第4表は、30秒後に10%未満の抽出値を達するのに必要な温度を示している。
【0109】
第4表
【表5】

【0110】
実施例9
被覆された織物の放散(揮発分)の測定
実施例1〜4による混合物並びに比較用の基礎材料(比較例1)を、それぞれドクターブレードを用いてナイロン織物上に設け、そして1分にわたって180℃で加硫する。
【0111】
このように被覆された織物は、顕著に減少した放散値を示す。
【0112】
この織物サンプルの放散は、VDA277/278に従って、熱脱着法により揮発分を(全炭素として)GC−MS連結装置を用いて測定することにより決定した。この結果は第5表に見出される。
【0113】
第5表
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族多重結合へのSi結合した水素の付加により架橋可能であり、かつ、シリル化したクエン酸を含有する、架橋可能なシリコーン材料。
【請求項2】
シリル化したクエン酸が、式
【化1】

[式中、A=H又はSiR3であり、但し、少なくとも1のAはSiR3の意味合いを有し、かつRは1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基である]
のクエン酸であることを特徴とする請求項1記載の架橋可能な材料。
【請求項3】
シリル化したクエン酸が、トリメチルシリルクエン酸、ビストリメチルシリルクエン酸、トリストリメチルシリルクエン酸又はテトラキストリメチルシリルクエン酸であることを特徴とする請求項1又は2記載の架橋可能な材料。
【請求項4】
(A)脂肪族多重結合を有するSiC結合した基を有する有機ケイ素化合物、
(B)Si結合した水素原子を有する有機ケイ素化合物、又は(A)及び(B)の代わりに
(C)脂肪族多重結合及びSi結合した水素原子を有するSiC結合した基を有する有機ケイ素化合物、
(D)脂肪族多重結合へのSi結合した水素の付加を促進する触媒、及び
(E)式(III)によるシリル化したクエン酸
を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の架橋可能な材料。
【請求項5】
有機ケイ素化合物(A)が、式
【化2】

[式中、
Rは、同じか又は異なっていてよく、かつ、脂肪族の炭素−炭素−多重結合を有しない基を意味する、
1は、同じか又は異なっていてよく、かつ、一価の、場合によって置換された、SiC結合した炭化水素基であって脂肪族の炭素−炭素多重結合を有するものを意味する、
aは0、1、2又は3である、及び
bは0、1又は2である、
但し、a+bの合計は3以下であり、少なくとも2つの基R1が一分子ごとに存在する]
の単位から構成されるシロキサンであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の架橋可能な材料。
【請求項6】
(A)式(II)の単位から構成される有機ケイ素化合物、
(B)Si結合した水素原子を有する有機ポリシロキサン、
(D)脂肪族多重結合へのSi結合した水素の付加を促進する触媒、
(E)式(III)によるシリル化したクエン酸、場合によって
(F)抑制剤
場合によって
(G)充填剤
場合によって
(H)付着促進剤、及び
場合によって
(I)溶媒、顔料、染料、可塑剤、有機ポリマー、熱安定剤及び香料から選択される、成分(A)〜(H)とは異なる更なる物質
からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の架橋可能な材料。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項記載の材料の架橋により製造された成形体。
【請求項8】
テキスタイル平面状構造物を被覆する方法において、請求項1から6のいずれか1項記載の材料をテキスタイル平面状構造物に設け、そして架橋させることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2013−519749(P2013−519749A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552431(P2012−552431)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052318
【国際公開番号】WO2011/101392
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】