説明

硬化型接着組成物、接着方法およびその応用

本発明は、要求に応じてフェノール化合物、ポリマー又は樹脂が脱ブロック剤の添加により解放される保護フェノールを用いることによって、フェノール−エポキシ、フェノール−ベンゾキサジン、フェノール−エポキシ−ベンゾキサジン混合物及び他のフェノール混合物の使用可能期間を改良する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤に関し、特に、保護フェノール、低分子、オリゴマー及びポリマーを含む硬化型接着剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フェノール−エポキシ接着剤は、50年以上も前から知られており、第1高温接着剤の一つとして商品化されている。この材料は、硬化されると、広い温度範囲で接着特性が示され、高い剪断力を有し、耐候性、耐油性、耐溶剤性及び耐湿性を示す。この接着剤は、一成分接着剤及び二成分接着剤のいずれかとして市販されており、ペースト、溶剤溶液、及び支持フィルムのような数種類の形態で入手可能である。一般的にこれら3種類の形態のうちで接着フィルムが良好な接着強度を得ることができる。
【0003】
一成分接着剤においては、製造業者によりフェノール及びエポキシの両者を組み合わせ、単一成分として消費者に提供される。消費者による混合が必要ない場合には便利であるが、添加されると高反応性フェノールによりエポキシの硬化化学反応が直ちに開始されるため、接着剤の室温における保管寿命としても知られる使用可能期間が短くなる。この効果は、接着剤の使用可能期間が数分に縮まる室温を超える温度で好適である。特別な場合の支持フィルムにおいては、非特許文献1に記載されているように、使用前には冷蔵環境下で保存しなければ、保管寿命が短くなる。また、一成分接着剤の製造業者は、フェノールがエポキシとの反応を開始すると溶液粘性が直ちに増大し始めるため、接着剤の製造時間が低減され、さらに、管理できない場合には加工性が著しく損なわれるまで粘性が増大し続けることを経験している。
【0004】
二成分接着剤においては、フェノール及びエポキシは、消費者によって使用前に直ちに組み合わされ、混合される構成の2つの異なるパッケージとして製造業者により分離され、供給される。フェノール及びエポキシが分離されているため、接着剤の保管寿命が損なわれることはなく、そのため、冷蔵環境下において保管する必要はない。しかしながら、フェノール及びエポキシを混合した後に接着剤が使用可能となる期間の未硬化な期間は短い。一成分接着剤に比べて製造時間が短いため、フェノールをエポキシと混合した後に、接着剤ゲルが硬化し始めるまで二成分接着剤の粘性が増大し続ける。したがって、消費者が接着剤を使用可能な期間は有限である。
【0005】
フェノールは、Ishidaらの特許文献1に示されているように、ベンゾキサジンとの反応性を有し、重合温度を低減させるために用いられ、フェノールを添加した後に重合温度が190℃から145℃まで低減される。この場合、フェノールは重合開始剤として機能し、又は、フェノールと銅用にベンゾキサジンの硬化がエポキシの架橋化学反応を開始する。
【0006】
Ishidaらの特許文献1及びGarrettの特許文献2は、ベンゾキサジン及びエポキシをともに用いる場合、硬化温度及び硬化時間の両者を低減するためのフェノールの使用を開示している。得られた熱硬化性接着剤は、電気を含む応用に好適な特性、低吸水性及び良好な接着性を備え、180℃より高いTgを有する。記載された組成には、添加した直後に硬化し始めるフェノール及びエポキシの組み合わせが含まれるため、これらの発明は使用可能期間が短縮される。
【0007】
フェノール−エポキシ、フェノール−ベンゾキサジン、及びフェノール−エポキシ−ベンゾキサジン混合物の使用可能期間を改良する必要があり、フェノールが保護フェノール及びアリルグリシジルカーボネートの態様である。エポキシ及び/又はベンゾキサジンの架橋又は重合を促進するために、例えば熱、放射線、塩基又は酸触媒反応、求核置換反応及びこれらの組み合わせによって制御可能にフェノール基を開放してもよい。Weberの特許文献3及びChanの特許文献4に記載されているようなアリルアルキルカルバメートのような他の保護フェノールが知られているが、これらは、発生されたフェノールの当量ごとに高毒性のアルキルイソシアネートの1当量が生成されるといった不利益を有する。多くの実例においては、アルキルイソシアネートは、移動自在に汚染し、接着剤の性能を低下させる低分子量としての作用に加え、人の健康に有害なガス状化合物である。また、この汚染は可塑剤として作用し、Tgの低下を引き起こす。これに対して、アリルグリシジルカーボネートの分解による副産物は無毒性のCO及び反応性エポキシのみである。上記の低分子汚染とは異なり、副産物である反応性エポキシの利点は、硬化工程の間に接着剤マトリクスに取り込まれることであり、これにより、Tgの低下が引き起こされず、接着剤の性能に悪影響を及ぼさないことである。上記の混合物は、複合体、成形化合物、接着剤及び塗膜、特にこれらに限定されるものではないが、アンダフィル材料、電子パッケージング、カプセル充填、ダイ接着剤、導電接着剤、リードフリーはんだ、異方性伝導フィルム(ACFs)、及び非導電接着フィルム(NCFs)を含む電子用途において利点を有する。これらの組成物は、電子ディスプレイ、回路基板、フリップチップ及び半導体装置において利点を見出すであろう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Petrie et al., “Epoxy Adhesive Formulations”, McGraw-Hill, 2006
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,207,786号
【特許文献2】米国特許第6,437,026号
【特許文献3】米国特許第4,123,450号
【特許文献4】国際特許第87/05600号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、要求に応じてフェノール化合物、ポリマー又は樹脂が脱ブロック剤の添加により解放される保護フェノールを用いることによって、フェノール−エポキシ、フェノール−ベンゾキサジン、フェノール−エポキシ−ベンゾキサジン混合物及び他のフェノール混合物の使用可能期間を改良することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
組成物の一例としては、0.1〜90重量%の保護フェノール及び0.1〜90重量%のエポキシからなる。この組成物は、フェノールの解放を促進するために、0.1〜40重量%の脱ブロック剤とともに用いられる。また、この組成物は、0.1〜20重量%のフィラー、0.1〜20重量%の接着増進剤、0.1〜20重量%のシランカップリング剤、0.1〜20重量%の顔料、0.1〜20重量%の染料及び0.1〜20重量%の電気伝導粒子のいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0012】
他の組成物の例としては、0.1〜90重量%の保護フェノール及び0.1〜90重量%のベンゾキサジンからなる。この組成物は、フェノールの解放を促進するために、0.1〜40重量%の脱ブロック剤とともに用いられる。また、この組成物は、0.1〜20重量%のフィラー、0.1〜20重量%の接着増進剤、0.1〜20重量%のシランカップリング剤、0.1〜20重量%の顔料、0.1〜20重量%の染料及び0.1〜20重量%の電気伝導粒子のいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0013】
また、さらなる他の組成物の例としては、0.1〜90重量%の保護フェノール、0.1〜90重量%のエポキシ及び0.1〜90重量%のベンゾキサジンからなる。この組成物は、フェノールの解放を促進するために、0.1〜40重量%の脱ブロック剤とともに用いられる。また、この組成物は、0.1〜20重量%のフィラー、0.1〜20重量%の接着増進剤、0.1〜20重量%のシランカップリング剤、0.1〜20重量%の顔料、0.1〜20重量%の染料及び0.1〜20重量%の電気伝導粒子のいずれか1つ以上を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面を参照して本発明を示す。
【図1】アリルグリシジルカーボネートの一例である。
【図2】グリシジルカーボネート官能基である。
【図3】図1に示されたアリルグリシジルカーボネートの可能な化学構造である。
【図4】保護フェノールの脱保護のスキーム1である。
【図5】アリルアルキルカルバミン酸塩の熱分解のスキーム2である。
【図6】オキシラン成分の化学構造である。
【図7】単純なベンゾキサジンの合成の一例である。
【図8】ベンゾキサジンの可能な化学構造である。
【図9】保護フェノールに関する実施例1である。
【図10】保護フェノールに関する実施例2である。
【図11】保護フェノールに関する実施例3である。
【図12】保護フェノールに関する実施例4a及び4bである。
【図13】保護フェノールに関する実施例5a及び5bである。
【図14】保護フェノールに関する実施例6である。
【図15】保護フェノールに関する実施例7である。
【図16】保護フェノールに関する実施例8である。
【図17】ベンゾキサジンに関する実施例9である。
【図18】ベンゾキサジンに関する実施例10である。
【図19】ベンゾキサジンに関する実施例11である。
【図20】ベンゾキサジンに関する実施例12である。
【図21】ベンゾキサジンに関する実施例13である。
【図22】ベンゾキサジンに関する実施例14である。
【図23】ベンゾキサジンに関する実施例15である。
【図24】エポキシに関する実施例16である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して好適な実施形態及び付加的な実施形態を詳述する。さらなる実施形態、態様及び利点は、以下の記載から明らかであり、本発明を実行することにより習得してもよい。以下の実施形態の記載は、本発明を限定するものではなく、単に本発明の一般的な原理を説明するために用いられたものである。
【0016】
保護フェノール
以下に記載の保護フェノールは図1に示されたアリルグリシジルカーボネートに変換されるフェノール化合物のいずれでもよい。
【0017】
保護フェノールは1つ以上のグリシジルカーボネート官能基を有し、グリシジルカーボネートが図2により定義されている。
【0018】
図1に示されたアリルグリシジルカーボネートは、これに限定されるものではないが、図3に示された化学構造を含む。Gは図2に示されたグリシジルカーボネート基の1つ以上であり、G、G、G、G、GはH及び図2に示されたグリシジルカーボネート基の1つ以上であり、R、R、R、R、R、RはH、F、Cl、Br、I、CH、アルカン、アルケン、アルキン、図6に示されたいずれかの構造、OR13、OAr、CO13、COAr、C(O)NHR13、C(O)NHAr、C(O)NR1314、C(O)NArAr、OC(O)R13、OC(O)Ar、NHC(O)R13、NHC(O)Ar、NR13C(O)R14、NArC(O)R13、NArC(O)Ar、SR13、SArの1つ以上であり、R13及びR14はCH、アルカン、アルケン、アルキンのいずれかであり、Ar及びArはいずれかの芳香族化学成分又はいずれかの複素環式化学成分であり、R、R、R、R10、R11、R12はH、CH、アルカン、アルケン、アルキンのいずれかであり、XはCH、O、S、NH、NR13、NArのいずれかであり、YはH、OH及び図1に示された構造のいずれかであり、nは0以上の整数であり、mは1以上の整数である。化学構造13〜18は当業者に公知な直線状、分岐状、樹状のいずれかの形態又はこれらの組み合わせである。
【0019】
また、図3に示された化学構造のsp混成炭素原子はN、P又はこれらの組み合わせに置換することができる。
【0020】
図4は、グリシジルカーボネートの脱保護が脱ブロック剤Bの添加により生じ、脱ブロック剤がオキシランと直接又は間接的に反応し、これによりオキシラン(20)及び二酸化炭素(21)とともにフェノール(19)が解放される、スキーム1を示している。これは様々な理論により達成されたものである。
【0021】
脱ブロック剤は、アルキルアミン、芳香族アミン、イミダゾール、トリアゾール、トリアジン、メラミン、他のクラスの複素環アミン、アミン含有シロキサン、アミン−エポキシ添加物、イミダゾール−エポキシ添加物、メルカプタン、アルコキサイド、又はこれらの組み合わせのようなエポキシ系接着剤の硬化速度を促進するために用いられるタイプの触媒又は硬化剤でもよい。また、オキシランの開環を助けるために、ボロンハライド、アルミニウムハライド、チタンハライド及び他のルイス酸が添加され、これによりフェノールの解放が開始される。
【0022】
脱ブロック剤は、Ishimuraらの米国特許第4,833,226号、Fukuokaの米国特許第5,219,956号及びUsuiらの米国特許公開公報第2006/0128835号及び第2007/0055039号に記載されているような、アミン含有化合物又はアミン−エポキシ添加物がポリマー材料内に内包され、熱、圧力、溶剤、可塑剤又はこれらの組み合わせのような外的刺激の使用により要求に応じて触媒が解放される、潜伏性触媒であってもよい。
【0023】
上記の保護フェノールは、フェノールの解放の制御因子として作用することができる。その結果、このように解放されたフェノールは、これに限定されるものではないが、例えば、画像用途のハロゲン化銀の現像、ラジカル重合や酸化還元反応の阻害、及び酸化防止を含む用途の現像剤又は阻害剤として用いることができる。また、必要であれば、エンドユーザーにより要求されるような、フェノールの解放速度の調節のために脱ブロック剤を一度に全て添加しても又は適切な速度で計量してもよい。図4(スキーム1)に示されたようなカーボネートのAr−OからAr−S、Ar−NH、Ar−NAr又はAr−NRへの置換はアリルメルカプタン及びアリルアミンの解放の制御因子として有用であろう。
【0024】
図5は、Weberの米国特許第4,123,450号及びChanの国際特許公報第87/05600号に記載されているようなアリルアルキルカルバメートの熱分解がアリルグリシジルカーボネートのほかにフェノールの解放の他の制御因子により引き起こされる、スキーム2を示している。多くの実例においては、アルキルイソシアネートは人の健康に有害なガス化合物である。これに対し、アリルグリシジルカーボネートを用いたフェノールの解放(スキーム1)の副産物はCO及びエポキシのみであり、このエポキシは対応するアルキルイソシアネートよりも揮発性及び毒性がかなり低く、接着剤、複合マトリクス又は塗膜に含有させた際の付加的な利点を有する。
【0025】
エポキシ
以下に記載のエポキシは図3の化学構造であり、Gは図6に示された化学構造の1つ以上であり、G、G、G、G、GはH及び図6に示された化学構造の1つ以上であり、R、R、R、R、R、RはH、F、Cl、Br、I、CH、アルカン、アルケン、アルキン、OR13、OAr、CO13、COAr、C(O)NHR13、C(O)NHAr、C(O)NR1314、C(O)NArAr、OC(O)R13、OC(O)Ar、NHC(O)R、NHC(O)Ar、NR13C(O)R14、NArC(O)R13、NArC(O)Ar、SR13、SArの1つ以上であり、R13及びR14はCH、アルカン、アルケン、アルキンのいずれかであり、Ar及びArはいずれかの芳香族化学成分又はいずれかの複素環式化学成分であり、R、R、R、R10、R11、R12はH、CH、アルカン、アルケン、アルキンのいずれかであり、XはCH、O、S、NH、NR13、NArのいずれかであり、YはH、OH及び図6に示された化学構造のいずれかであり、nは0以上の整数であり、mは1以上の整数である。化学構造13〜18は当業者に公知な直線状、分岐状、樹状のいずれかの形態又はこれらの組み合わせである。
【0026】
ベンゾキサジン
ベンゾキサジンは、重合されると、良好な耐熱性、低吸水性、低ガス放出性、低誘電定数を示し、電気的用途に魅力的となる低収縮性を示す複素環化合物である。Shiらの米国特許第6,899,960号及び米国特許第7,179,684号並びにIshidaの米国特許第6,225,440号に記載されているように、重合は触媒の使用により陽イオン性に開始される。ベンゾキサジンは高温(150〜300℃)で熱的に重合開始することが知られている。表4(下記)に示されているように、ベンゾキサジンが保護フェノールの存在下で加熱されると、この温度が低減されることを我々は予想外に見出した。
【0027】
ベンゾキサジンは、Laneの独国特許第694,480号、Ishidaの米国特許第5,543,516号及びDershemの米国特許第6,743,852号に記載されているように、フェノールの少なくともオルト位のヒドロキシル基を置換することなく、マンニッヒ反応を用いてフェノールから合成される。簡単なベンゾキサジン(B1)の代表例が図7に示されている。
【0028】
本発明の一実施形態用のベンゾキサジンは、芳香族化合物の2つの隣接するsp混成炭素原子に結合された1つ以上のベンゾキサジン成分を有する。このベンゾキサジンは、これに限定されるものではないが、図8A及びBの化学構造を含む。Ar、Ar、Ar、Ar、Ar及びArはベンゼン、トルエン又は他の芳香族化合物であり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、及びR12はH、CH、アルカン、アルケン、アルキンの1以上であり、X及びYはN−H又はN−Rであり、Rはアルカン又はN−Arであり、Arはベンゼン、トルエン、他の芳香族化合物、S、Oのいずれかであり、hは1又は2の整数であり、g、i、j、k、lは0、1又は2のいずれかの整数であり、nは0以上の整数であり、mは1以上の整数である。
【0029】
フィラー
フィラーは、これに限定されるものではないが、ガラスファイバー、セルロースファイバー、木又は竹チップ、シリカ、アルミナ、タルク(マグネシウムシリケート)、バライト(バリウムサルフェート)、クレイ(アルミニウムシリケート)、カルシウムカーボネート、ボロンナイトライド、シリコンナイトライド、アルミニウムナイトライド、及びチタニウムジオキサイドを含む。
【0030】
カップリング剤
カップリング剤は、高湿環境下において湿潤接着性及び性能を改良するために用いられる。本発明に有用なカップリング剤は、これに限定されるものではないが、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを含む。これらの中でも、アミノ又はオキシラン官能基を有するカップリング剤は電気的に好適である。特に、表面に金属酸化物又は水酸化物を機能的に有していないフィラーが用いられた場合には、チタネート又はジルコネートカップリング剤が用いられる。
【0031】
電気又は熱伝導粒子又はファイバー
電気又は熱伝導粒子は、これに限定されるものではないが、カーボン、カーボンナノチューブ、グラファイト、Zn、Al、Sb、Au、Ag、Sn、Fe、Cu、Pb、Ni、及びPtの金属又は金属酸化物の複合物又は混合物、重合性又は無機コア及び金属シェルを備えた伝導粒子を含む。
【0032】
実施形態の使用可能期間
本発明の使用可能期間は、ポットライフとして知られている、組成物の調製の間に、組成物が接着剤に加工されるまでの期間をいう。さらに、使用可能期間は、組成物が加工、調製、使用準備された後に、接着剤としての機能が保持される期間をいう。
【実施例】
【0033】
保護フェノール
<実施例1>グリシジルクロロフォルメート(P1)の合成
フォスゲンをトリフォスゲンに変更した以外は、Mullerらの米国特許第2,795,572号にしたがって、クロロフォルメートP1を調製した。図9参照。
【0034】
<実施例2>フェニルグリシジルカーボネート(P2)の合成
還流冷却管、追加漏斗及び窒素ガス注入口を備えた3つ口丸底フラスコに、フェニルクロロフォルメート25.00g(0.160モル)及びTHF70gを仕込んだ。反応器を0℃の氷浴内に移し、窒素でパージした。30分後、グリシドール13.00g(0.175モル)、トリエチルアミン19.50g(0.193モル)及びテトラヒドロフラン(THF)の無水物75gの溶液を1時間以上かけて滴下し、その後、反応物を室温まで加熱し、窒素雰囲気下で一晩中攪拌した。反応器の内容物を取り出し、濾過し、減圧乾燥し、次いで、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、イソプロピルアセテートとヘキサンの1:1溶液で溶出して、粗精製の生成物29.51gを得た。図10参照。
【0035】
<実施例3>ジグリシジルビスフェノールAジカーボネート(P3)の合成
実施例2の工程を用いて、ビスフェノールAビス(クロロフォルメート)18.10g(0.051モル)及びグリシドール7.17g(0.0968モル)からジカーボネートP3を得、トルエン中に粗精製材料を溶解し、0.1NのNaOH、0.1NのHCl、水及び塩水を順次用いて抽出することにより精製して、粗精製の生成物20.98gを得た。トルエン層はMgSO上で乾燥し、濾過し、減圧乾燥した。図11参照。
【0036】
<実施例4a>ジグリシジル4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールジカーボネート(P4)の合成
実施例2の工程にしたがって、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールビス(クロロフォルメート)23.45g(0.0596モル)及びグリシドール8.65g(0.168モル)からジカーボネートP4を得、実施例3の工程にしたがって精製し、粗精製の生成物27.72gを得た。図12参照。
【0037】
<実施例4b>P4の他の合成
還流冷却管、追加漏斗及び窒素ガス注入口を備えた3つ口丸底フラスコに、窒素をパージし、P1の13.50g(0.100モル)及びTHF無水物120mLを仕込んだ。反応温度を−3℃に低減し、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール13.42g(0.0500モル)、トリエチルアミン10.12g及びテトラヒドロフラン無水物80mLの溶液を1時間以上かけて滴下した。その後、反応物を室温まで加熱し、窒素雰囲気下で一晩中攪拌した。次に、反応物を濾過し、減圧乾燥し、次いで、トルエン中に溶解し、0.1NのNaOH、0.1NのHCl、水及び塩水を順次用いて抽出して、粗精製の生成物22.25gを得た。有機層はMgSO上で乾燥し、濾過し、減圧乾燥した。
【0038】
<実施例5a>ジグリシジル4,4’−[9−フルオレニリデン]ジフェノールジカーボネート(P5)の合成
実施例2の工程を用いて、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノールビス(クロロフォルメート)25.67g(0.0540モル)及びグリシドール7.84g(0.106モル)からジカーボネートP5を得、実施例3の工程にしたがって精製し、粗精製の生成物26.75gを得た。図13参照。
【0039】
<実施例5b>ジグリシジル4,4’−[9−フルオレニリデン]ジフェノールジカーボネート(P5)の他の合成
実施例4bの工程を用いて、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノール10.52g(0.0300モル)及びP1の8.16g(0.0600モル)からジカーボネートP5を合成し、粗精製の生成物15.42gを得た。
【0040】
<実施例6>トリグリシジル1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタントリカーボネート(P6)の合成
実施例4bの工程にしたがって、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン13.76g(0.0449モル)及びP1の18.40g(0.135モル)からジカーボネートP6を合成し、粗精製の生成物23.15gを得た。図14参照。
【0041】
<実施例7>ジグリシジル4,4’−ビスフェニルカーボネート(P7)の合成
実施例4bの工程にしたがって、4,4’−ジヒドロキシビフェニル38.6g(0.100モル)、P1の27.32g(0.200モル)及びTHFの無水物200mLからジカーボネートP7を合成した。図15参照。
【0042】
<実施例8>ポリ(グリシジルフェニルカーボネート)(P8)の合成
Liangらの米国特許第5,212,044号にしたがって、ホースラディッシュパーオキシダーゼを用いてフェノールの重合からポリフェノールを合成した。実施例4bの工程を用いて、ポリフェノール15.00g(0.100モル)、P1の13.66g(0.100モル)及びTHFの無水物200mLからポリ(グリシジルカーボネート)P8を合成した。
【0043】
ベンゾキサジン
ジオキサンをメチルエチルケトン(MEK)に変更した以外は、Laneの独国特許第694,489号にしたがってベンゾへキサジンの合成を行った。
【0044】
<実施例9>フェノール及びアニリンからベンゾキサジン(B1)の合成
フェノール(11.29g、0.12モル)、パラホルムアルデヒド(11.17g、0.24モル)及びMEKを混合し、攪拌しつつ、アニリン(11.17g、0.12モル)を加え、ホットプレートを用いてこの混合物を120℃に加熱した。MEK及び水は反応の間に蒸発された。混合物を室温に戻した。図17参照。
【0045】
<実施例10>ビスフェノールA及びアニリンからベンゾキサジン(B2)の合成
ビスフェノールA(27.39g、0.12モル)、パラホルムアルデヒド(14.40g、0.48モル)及びMEKを400mLビーカーに加えた。攪拌しつつ、アニリン(22.37g、0.24モル)を加え、ホットプレートを用いてこの混合物を120℃に加熱した。MEK及び水は反応の間に蒸発され、黄色の粘着性の固まりを得た。混合物を固化する室温に戻し、着色固体52.74g(収率95%)を得た。図18参照。
【0046】
<実施例11>4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール及びアニリンからベンゾキサジン(B3)の合成
実施例10に記載の工程を用いて、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール13.42g(0.05モル)、パラホルムアルデヒド6.00g(0.2モル)及びアニリン9.31g(0.1モル)からベンゾキサジンB3を合成し、着色固体24.0g(収率95.5%)を得た。図19参照。
【0047】
<実施例12>4,4’−[9−フルオレニリデン]ジフェノール及びアニリンからベンゾキサジン(B4)の合成
実施例10に記載の工程を用いて、4,4’−[9−フルオレニリデン]ジフェノール17.52g(0.05モル)、パラホルムアルデヒド6.00g(0.2モル)及びアニリン9.31g(0.1モル)からベンゾキサジンB4を合成し、着色固体28.06g(収率96.0%)を得た。図20参照。
【0048】
<実施例13>ポリ(p−ヒドロキシスチレン)及びアニリンからベンゾキサジン(B5)の合成
実施例10に記載の工程にしたがって、ポリ(4−ビニルフェノール)6.0g(0.05モル)、パラホルムアルデヒド3.0g(0.1モル)及びアニリン4.68g(0.05モル)からベンゾキサジンB5を合成し、着色固体11.4g(収率96.0%)を得た。図21参照。
【0049】
<実施例14>4,4’−ジヒドロキシビフェニル及びアニリンからベンゾキサジン(B6)の合成
実施例10に記載の工程にしたがって、4,4’−ジヒドロキシビフェニル18.6g(0.100モル)、パラホルムアルデヒド12.00g(0.400モル)及びアニリン18.62g(0.200モル)からベンゾキサジンB6を合成した。図22参照。
【0050】
<実施例15>ポリフェノール及びアニリンからベンゾキサジン(B7)の合成
実施例10に記載の工程にしたがって、ポリフェノール15.00g(0.100モル)、パラホルムアルデヒド12.00g(0.400モル)及びアニリン18.62g(0.200モル)からベンゾキサジンB7を合成した。図23参照。
【0051】
エポキシ
<実施例16>保護フェノール及びベンゾキサジンを組み合わせて用いたエポキシの化学構造
組成物に用いられるエポキシを図20に示した。
【0052】
<実施例17>DSCによるイミダゾール存在下の保護フェノールの脱保護
イミダゾール存在下の保護フェノールの脱保護は、TAインスツルメントのQ10示差走査熱量分析装置を用いて、25〜300℃の温度範囲において、温度勾配5℃/分で評価した。イミダゾール及び保護フェノールは、表1のモル比を用いて組み合わされ、良好に混合され、アルミニウム皿に載せられた。分析結果は表1に示した。
【0053】
【表1】

【0054】
P2単独のDSCの結果は、175℃において、化合物の分解に関する吸熱転移を示している。これに対して、1モル当量のImをP2に加えた場合には、DSCは、97℃において、吸熱転移を示し、これは予想通りにE3及びImの付加生成物とほぼ同様な温度で生じている。
【0055】
<実施例18>TGAによるイミダゾール存在下の保護フェノールの脱保護
イミダゾール存在下の保護フェノールの脱保護は、さらに、TAインスツルメントのTGA2850熱重量測定装置(TGA)を用いて、25〜600℃の温度範囲において、温度勾配20℃/分で評価した。
【0056】
【表2】

【0057】
表2に示されているように、P2は、分解の開始温度よりも約90℃低い109℃におけるイミダゾール存在下の質量損失を示している。12%(重量/重量)の重量損失は、脱保護から生じるCOの損失に起因するものである。
【0058】
理論的及び経験的に説明すると、脱保護のメカニズムは、まず、ほぼ直接的なCOの損失により97℃で見られるように、109℃でP2のオキシラン成分とともに付加的生成物を生成し、次いで、フェノールと新たなエポキシ付加体を生成する(スキーム1)イミダゾールに起因している。
【0059】
<実施例19>塩化鉄試験及び薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて評価されるイミダゾール存在下のP2の脱保護
P2及び2−エチル−4−メチルイミダゾールのモル比1:1の組成物を100℃で2時間加熱し、Shrinerら“The Systematic Identification of Organic Compounds”第6版、New YorkのWilely社、1980年、第348〜350ページの塩化鉄試験を用いてフェノールの解放を評価した。予想通り、鉄錯体の形成及びフェノールの存在を示す紫色が示された。さらに、フェノールの解放を示すために、シリカゲル固定相を用い、重量比1:1のイソプロピルアセテート及びヘキサンで溶出させる薄層クロマトグラフィーによって、前記組成物の試料を分析した。フェノールに対する混合物のR値[化合物の移動距離/溶媒の先頭の移動距離]の比較により、混合物におけるフェノールの存在が示された。
【0060】
<実施例20>組成物−グリシジルカーボネート、ベンゾキサジン、エポキシ及びイミダゾール
表3に示されたモル比にしたがって成分を混合することにより組成物1〜20を調製した。
【0061】
【表3】

【0062】
<実施例21>組成物−グリシジルカーボネート、ベンゾキサジン、エポキシ及びマイクロカプセル化脱保護剤
表4に示されたモル比にしたがって成分を混合することにより組成物21〜26を調製した。マイクロカプセル化脱保護剤は、旭化成ケミカルズ社製の潜在性硬化剤HX−3721(LH1)、HX−3741(LH2)及びHX−3748(LH3)を用いた。
【0063】
【表4】

【0064】
<実施例22>反応温度
表3の成分を混合することによりグリシジルカーボネート、ベンゾキサジン、エポキシ及びイミダゾールの組成物を調製した。これらをAlDSC皿に載せ、DSC分析装置内に載置し、窒素雰囲気下において5℃/分の加熱勾配で25〜325℃まで加熱した。これらの結果を表5に示した。
【0065】
【表5】

【0066】
組成物7及び8を比較すると、ベンゾキサジンの合成は、保護フェノールの存在下で約20℃低下している。
【0067】
本発明の一実施形態においては、上記の硬化型組成物は、硬化態様で提供され、電子部品、電子ディスプレイ、回路基板、フリップチップ、半導体装置のような工業製品に含まれる。他の実施形態においては、組成物は、完全に製造及び組立られる前にこれら及び他の製品に用いられる未硬化態様又は部分的硬化態様で提供され。
【0068】
他の成分及び/又は態様を他の実施形態に用いてもよいことは、当業者が疑う余地なく認識されるであろう。さらに、全ての項目は前後関係と矛盾のない範囲で可能な限り広く解釈すべきである。本発明はいくつかの実施形態について詳述したが、本発明の目的又は趣旨を逸脱しない範囲で様々な修飾及び/又は変更がなされてもよいことを認識すべきである。これに関して、本発明の実施が上記の応用に限定されないことは重要である。多くの他の応用及び/又変更は、その他の応用及び変更が本発明の目的を逸脱しない範囲でなされてもよい。明細書に記載の、本発明の実施形態における温度又は重量の範囲は、特許請求の範囲の趣旨を限定するものではない。また、一実施形態の一部として説明又は記載された態様は、上記の実施形態に限定されることなく、他の実施形態を提供するために他の実施形態に用いてもよい。したがって、実施形態及び変更例が特許請求の範囲の趣旨の範囲内及び同等である限りは、本発明はこのような実施形態及び変更例の全てに及ぶ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護フェノール化合物を含み、前記保護フェノール化合物はアリルグリシジルカーボネート成分を含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記保護フェノール化合物は、さらに第2アリルグリシジルカーボネート成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記第1及び第2アリルグリシジルカーボネート成分は、同一アリル基であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記第1及び第2アリルグリシジルカーボネート成分は、異なったアリル基であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記保護フェノール化合物は、下記のアリルグリシジルカーボネートから選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【化1】

【請求項6】
請求項1の保護フェノール化合物を含み、前記保護フェノール化合物はアリルグリシジルカーボネート成分を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
さらに、前記保護フェノール化合物の脱ブロック剤を含むことを特徴とする請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
さらに、エポキシ樹脂又はベンゾキサジンを含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
保護フェノール化合物及びエポキシ樹脂を含み、前記保護フェノール化合物はアリルグリシジルカーボネート成分を含むことを特徴とする組成物。
【請求項10】
前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック、ポリフェノール、アニリン、ポリアラニン、他の重合性又はハロゲン化誘導体のうちの少なくとも1つから誘導されることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
さらに、0.1〜90重量%の保護フェノール化合物及び10〜99.9重量%のエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
さらに、0.1〜90重量%の脱ブロック剤を含むことを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記脱ブロック剤は、アミン、イミダゾール、トリアジン、トリアゾール又はイミダゾール−エポキシ付加物であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記脱ブロック剤は、マイクロカプセル化されていることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記マイクロカプセル化脱ブロック剤は、ポリマーシェル内に内包されていることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記マイクロカプセル化脱ブロック剤は、重合性マトリクス内に内包されていることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
さらに、エポキサイド用の硬化剤又は触媒、フィラー、界面活性剤、カップリング剤、顔料、染料及び導電粒子から選択された1つ以上を含むことを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項18】
下記から選択されるアリルグリシジルカーボネートを含む0.1〜90重量%の保護フェノール化合物と、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック、ポリフェノール、アニリン、ポリアラニン、他の重合性又はハロゲン化誘導体のうちの少なくとも1つから誘導される10〜99.9重量%のエポキシ樹脂と、
アミン、イミダゾール、トリアジン、トリアゾール又はイミダゾール−エポキシ付加物を含む0.1〜90重量%の脱ブロック剤とを含み、
前記脱ブロック剤は、重合性マトリクス内にマイクロカプセル化されていることを特徴とする組成物。
【化2】

【請求項19】
さらに、下記のベンゾキサジン化合物からから選択される0.1〜90重量%のベンゾキサジンを含むことを特徴とする請求項18に記載の組成物。
【化3】

【請求項20】
アリルグリシジルカーボネート成分を含む保護フェノール化合物と、
エポキシ樹脂と、
前記保護フェノール化合物のマイクロカプセル化脱ブロック剤とを含むことを特徴とする組成物。
【請求項21】
前記組成物の硬化化学状態は、未硬化、部分的硬化及び硬化から選択されることを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記脱ブロック剤は、エポキサイドの硬化速度を加速することを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物は、接着剤、導電性接着剤、複合体、成形化合物、異方性伝導フィルム(ACF)接着剤、非ランダムアレイACF、非伝導性接着フィルム(NCF)、塗膜、カプセル化剤、アンダフィル材料、リードフリーハンダのいずれかであることを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
請求項20に記載の組成物を含むことを特徴とする電子ディスプレイ。
【請求項25】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項24に記載の電子ディスプレイ。
【請求項26】
請求項20に記載の組成物を含むことを特徴とする回路基板。
【請求項27】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項26に記載の回路基板。
【請求項28】
請求項20に記載の組成物を含むことを特徴とするフリップチップ。
【請求項29】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項28に記載のフリップチップ。
【請求項30】
請求項20に記載の組成物を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項31】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項30に記載の半導体装置。
【請求項32】
前記組成物は、保管条件における寿命が本質的に長い一成分接着剤組成物であり、硬化温度又は成形温度のいずれかにおいて反応することを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物は、界面での接着性、硬化時の低収縮性、低熱膨張係数(CTE)、硬化時の高ガラス転移温度を示すことを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項34】
前記組成物は、複合材料又は成形化合物用のマトリクスであることを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項35】
アリルグリシジルカーボネート成分を有する保護フェノール化合物を含有する組成物を含むことを特徴とする電子装置。
【請求項36】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項35に記載の電子装置。
【請求項37】
さらに、前記組成物により互いに接着された多数の電子部品を備えることを特徴とする請求項35に記載の電子装置。
【請求項38】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項37に記載の電子装置。
【請求項39】
さらに、前記組成物により被覆された電子部品を備えることを特徴とする請求項35に記載の電子装置。
【請求項40】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項39に記載の電子装置。
【請求項41】
組み立て、アンダフィル、パッケージ、カプセル化、連結、及び、アリルグリシジルカーボネート成分を有する保護フェノール化合物を含有する硬化型組成物による接着の工程を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項42】
前記硬化型組成物は、さらにベンゾキサジンを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
電子部品の供給、
アリルグリシジルカーボネート成分を有する保護フェノール化合物を含有する硬化型組成物の供給、
前記電子部品への前記組成物の塗工、
前記組成物の硬化の工程を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項44】
前記硬化型組成物の提供の工程は、さらにエポキシ樹脂の供給、及び、前記保護フェノール化合物のマイクロカプセル化脱ブロック剤の供給の工程を備えることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記脱ブロック剤は、重合性マトリクス又はシェル中にマイクロカプセル化された、アミン、イミダゾール、トリアジン、トリアゾール又はイミダゾール−エポキシ付加物を含むことを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記硬化型組成物の提供の工程は、さらにベンゾキサジンの提供の工程を備えることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項47】
さらに、第2電子部品の供給、及び、前記組成物による前記2つの電子部品の接着の工程を備えることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項48】
第1及び第2電子部品の供給、
アリルグリシジルカーボネート成分を有する保護フェノール化合物を含有する硬化型組成物の供給、
前記第1電子部品への前記組成物の塗工、
前記組成物が前記両部品と接触するような前記部品の配置、
前記部品を接着するような前記組成物の硬化の工程を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項49】
電子部品の供給、
アリルグリシジルカーボネート成分を有する保護フェノール化合物と、エポキシ樹脂と、前記保護フェノール化合物のマイクロカプセル化脱ブロック剤とを含有する硬化型組成物の供給、
前記電子部品への前記組成物の塗工、
前記組成物の硬化の工程を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項50】
前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック、ポリフェノール、アニリン、ポリアラニン、他の重合性又はハロゲン化誘導体のうちの少なくとも1つから誘導されることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記脱ブロック剤は、重合性マトリクス又はシェル中にマイクロカプセル化された、アミン、イミダゾール、トリアジン、トリアゾール又はイミダゾール−エポキシ付加物であることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記硬化型組成物の提供の工程は、さらにベンゾキサジンの提供の工程を備えることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項53】
保護フェノール化合物を含む組成物を含有し、前記保護フェノール化合物はアリルグリシジルカーボネート成分を有することを特徴とする一成分接着剤製品。
【請求項54】
さらに、ベンゾキサジンを含むことを特徴とする請求項53に記載の接着剤製品。
【請求項55】
保護フェノール化合物を含む組成物を含有し、前記保護フェノール化合物はアリルグリシジルカーボネート成分を有することを特徴とする組成物製品。
【請求項56】
さらに、ベンゾキサジンを含むことを特徴とする請求項55に記載の組成物製品。
【請求項57】
さらに、下記のベンゾキサジン化合物からから選択される0.1〜90重量%のベンゾキサジンを含むことを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【化4】

【請求項58】
さらに、ベンゾキサジンを含むことを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項59】
前記組成物の硬化化学状態は、未硬化、部分的硬化及び硬化から選択されることを特徴とする請求項58に記載の組成物。
【請求項60】
前記組成物は、接着剤、導電性接着剤、複合体、成形化合物、異方性伝導フィルム(ACF)接着剤、非ランダムアレイACF、非伝導性接着フィルム(NCF)、塗膜、カプセル化剤、アンダフィル材料、リードフリーハンダのいずれかであることを特徴とする請求項58に記載の組成物。
【請求項61】
請求項58に記載の組成物を含むことを特徴とする電子ディスプレイ。
【請求項62】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項61に記載の電子ディスプレイ。
【請求項63】
請求項58に記載の組成物を含むことを特徴とする回路基板。
【請求項64】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項63に記載の回路基板。
【請求項65】
請求項58に記載の組成物を含むことを特徴とするフリップチップ。
【請求項66】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項65に記載のフリップチップ。
【請求項67】
請求項58に記載の組成物を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項68】
前記組成物は、硬化、部分的硬化又は未硬化であることを特徴とする請求項67に記載の半導体装置。
【請求項69】
前記組成物は、保管条件における寿命が本質的に長い一成分接着剤組成物であり、硬化温度又は成形温度のいずれかにおいて反応することを特徴とする請求項58に記載の組成物。
【請求項70】
前記組成物は、界面での接着性、硬化時の低収縮性、低熱膨張係数(CTE)、硬化時の高ガラス転移温度を示すことを特徴とする請求項58に記載の組成物。
【請求項71】
前記組成物は、複合材料又は成形化合物用のマトリクスであることを特徴とする請求項58に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2011−509340(P2011−509340A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542331(P2010−542331)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/030384
【国際公開番号】WO2009/089314
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(508326725)トリリオン サイエンス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】