説明

硬化型組成物

【課題】可使時間が長く硬化が速いため作業性が良好で、得られた硬化物は加熱しても物性変化が小さいため耐久性に優れる硬化型組成物を提供する。
【解決手段】 (a)ポリサルファイドポリマーと
(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有する脂肪族系ウレタンプレポリマーと
(c)三級アミンと
(d)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物と
を含有する硬化型組成物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーリング材、接着剤及び塗料として好適に用いられる硬化型組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するポリマーによる硬化型組成物は、室温で容易に硬化し弾性体が得られる。特に1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーが、ポリサルファイドポリマーやポリサルファイドポリエーテルポリマーである場合、得られる硬化物は、屋外に暴露しても硬化物表面が変色したり埃が付着したりせず、耐候性や美観に優れるためこれまで主に建築用シーリング材に用いられてきた。
【0003】
建築用シーリング材として使用する場合、通常施工する直前に、基材に1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーを含む配合物と1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するポリマーとを混ぜ合わせる。その後、施工が終了するまでの間は硬化しないことが好ましい。一方で、硬化が遅いと硬化剤のイソシアネート基と空気中の水分とが反応し発泡することがあるため、施工終了後は、速やかに硬化した方が好ましい。このように効率良く施工ができ発泡を抑えるためには、可使時間が長くかつ速やかに硬化する硬化型組成物が求められていた。
【0004】
このような現状において、可使時間を確保し発泡性を抑制する手段として、これまで様々な方法が提案されてきた。例えば3級アミンと有機金属化合物とからなる硬化触媒を用いる方法(特許文献1)、インジウム化合物と有機錫化合物とからなる硬化触媒を用いる方法(特許文献2)を用いる方法などである。
【0005】
しかしながら、硬化触媒を添加することで発泡性を抑制することは比較的容易である一方、可使時間を長くすることが困難であった。さらに、いずれも有機錫化合物を添加する必要があり、有機錫化合物を含む硬化物は、例えば加熱することによって硬くなったり、耐久性に劣ったりすることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10―121031号公報
【特許文献2】特開2004―256569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
可使時間が長く硬化が速いため作業性が良好で、得られた硬化物は加熱しても物性変化が少ないため耐久性に優れる硬化型組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと、(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーと、(c)三級アミンと、(d)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する硬化型組成物は、可使時間が長く硬化が速いため作業性が良好で、得られた硬化物は加熱しても物性変化が少ないため耐久性に優れることを見いだした。
【発明の効果】
【0009】
本発明の1分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーと1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーと、三級アミンと、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する硬化型組成物は、可使時間が長く硬化が速いため作業性が良好で、得られた硬化物は加熱しても物性変化が少ないため耐久性に優れる。また硬化物を屋外に暴露しても変色や埃の付着、しわやひび割れが少なく美観に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明は、(a)1分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーと、(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーと、(c)三級アミンと、(d)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する硬化型組成物である。
【0012】
本発明で用いられる硬化型組成物における(a)1分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーと、(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーは、チオール基とイソシアネート基の反応によりチオウレタン結合を形成することにより室温で硬化する組成物であり、以下に各ポリマー化合物について説明する。
【0013】
(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマー
本発明の1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーは、主鎖中にエーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ウレタン結合及びエステル結合を含むものであってもよい。
【0014】
このような1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーの好ましい例として、特公昭47−48279号公報に記載されているポリオキシアルキレンポリオールや、米国特許第4,092,293号明細書及び特公昭46−3389号公報に記載されているポリメルカプタンが挙げられる。また、この他の既知化合物としては、米国特許第3,923,748号明細書に記載のチオール基末端液状ポリマー、米国特許第4,366,307号明細書に記載の液状チオエーテルでチオール基末端のもの等が挙げられる。更に、特に好ましいポリマーは、下記記載のポリサルファイドポリエーテルポリマー及びポリサルファイドポリマーである。
【0015】
このような一分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーの数平均分子量は、好ましくは100〜200,000であり、より好ましくは400〜100,000である。
【0016】
・ポリサルファイドポリエ−テルポリマー
好ましいポリサルファイドポリエーテルポリマーは、主鎖中に、
(ア)−(RO)−(但し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは6〜200の整数を示す。)で表されるポリエーテル部分と、
(イ)−(COCHOC−S)− 及び −(CHCH(OH)CH−S)−(但し、xは1〜5の整数である。)で示される構造単位とを含有し、かつ末端に、
(ウ)−COCHOC−SH 及び/又は −CHCH(OH)CH−SHで示されるチオール基を有するものである。
【0017】
このポリサルファイドポリエーテルポリマー中において、(ア)のポリエーテル部分と(イ)で示される構造単位は、任意の配列で結合していてよい。またその割合は、(ア)の−(RO)−成分が2〜95重量%、(イ)の−(COCHOC−S)−成分が3〜70重量%、及び−(CHCH(OH)CH−S)−成分が1〜50重量%となることが好ましい。
【0018】
このポリサルファイドポリエーテルポリマーの数平均分子量は、通常600〜200,000であり、好ましくは800〜50,000である。このようなポリサルファイドポリエーテルポリマーは、例えば特開平4−7331号公報に記載されているように、ポリオキシアルキレングリコールにエピハロヒドリンを付加して得られるハロゲン末端プレポリマーとポリサルファイドポリマーを、95/5〜5/95のような重量比で水硫化アルカリおよび/または多硫化アルカリとともに反応させる方法により製造することができる。
【0019】
・ポリサルファイドポリマー
ポリサルファイドポリマーは、主鎖中に、
(エ)−(COCHOC−S)−(但し、xは1〜5の整数である。)で表される構造単位とを含有し、かつ末端に、
(オ)−COCHOC−SHで表されるチオール基を有するものである。このポリサルファイドポリマーは、室温で流動性を有し、数平均分子量が好ましくは100〜200,000であり、より好ましくは400〜50,000である。このようなポリサルファイドポリマーの好ましい例は、米国特許2,466,963号明細書に記載されている。
【0020】
さらに(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーは、特開昭63−145321号公報に記載されているようなシリル化試薬によりチオール基をトリアルキルシリルチオ基として保護したものであってもよい。
【0021】
このような1分子中に2個以上のトリアルキルシリルチオ基を含有するポリマーと1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物は一液硬化型組成物とすることが可能である。
【0022】
(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物
本発明の1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物としては、有機ポリイソシアネート化合物及び/又は活性水素含有化合物に有機ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーが好ましい。
【0023】
有機ポリイソシアネート化合物には、脂肪族系ポリイソシアネート化合物と芳香族系ポリイソシアネート化合物とがある。脂肪族系ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。一方、芳香族系ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族系ポリイソシアネート化合物を用いた場合、硬化物は黄変したり、しわやひび割れが生じることがなく、耐候性に優れるため好ましい。特に、(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーとして、ヘキサメチレンジイソシアネートを用いた場合、得られるポリマーは低温でも粘度が低く、さらに硬化物は柔軟であり好ましい。
【0024】
また活性水素含有化合物としては、水酸基末端ポリエステル、多価ポリアルキレンエーテル、水酸基末端ポリウレタン重合体、アクリル共重合体に水酸基を導入したアクリルポリオール、水酸基末端ポリブタジエン、多価ポリチオエーテル、ポリアセタール、脂肪族ポリオール、及びSH基を2個以上有するアルキレンチオールを包含するアルカン、アルケン及び脂肪族チオール、末端にSH基を有するポリサルファイドポリマー、芳香族、脂肪族及び複素環ジアミン等を包含するジアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。中でも多価ポリアルキレンエーテルは、酸やアルカリに強く好ましい。具体的にはポリプロピレングリコールが好ましい。
【0025】
ウレタンプレポリマーとしては、前述の活性水素含有化合物と有機ポリイソシアネート化合物を、有機ポリイソシアネート化合物過剰の条件で反応させることにより得られる。本発明において、(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーは、好ましくは、脂肪族系ウレタンプレポリマーである。得られたウレタンプレポリマーには未反応の有機ポリイソシアネート化合物が残存するが、蒸留することによって取り除くことができる。
【0026】
本発明において、(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーに含まれるモノマー含有率は、好ましくは、1重量%未満である。モノマーの含有率が1重量%未満であると、特有の刺激臭がせず好ましい。
【0027】
本発明の硬化型組成物において、(a)1分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーと、(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物とをあらかじめ反応させて、上述のウレタンプレポリマーとしたもののみを用いることにより、一液硬化型組成物として使用することも可能である。
【0028】
本発明においては、前記(b)の化合物中のイソシアネ−ト基と、上述した(a)の1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマー中のチオール基とのモル比(イソシアネート基/チオール基)が、0.5〜4.0となるように配合することが好ましい。前記モル比が0.5〜4.0であると、硬化型組成物が十分に高分子量化し硬化物が硬く脆いものとならない。より好ましいモル比は、0.7〜3.0である。
【0029】
(c)三級アミン
本発明における3級アミンとしては、モノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、ポリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルアミン類等があり、具体例としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアルキルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミンジラウリルモノメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン、N,N−ジポリオキシエチレンステアリルアミン、N,N−ジポリオキシエチレン牛脂アルキルアミン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−(2ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)−モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−(2ヒドロキシエチル)−モルホリン、ビス−(2ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス−(3ジメチル)−アミノプロピルエーテル等が挙げられる。
【0030】
中でも、ジメチルアルキルアミン、N,N−ジポリオキシエチレンアルキルアミン系化合物は、硬化物の残存タックが少なく好ましい。具体例としては、N,N−ジポリオキシエチレンステアリルアミン、N,N−ジポリオキシエチレン牛脂アルキルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン等が挙げられる。より好ましくはN,N−ジポリオキシエチレンステアリルアミン、ジメチルラウリルアミンである。これら3級アミンは2種以上を用いてよい。
【0031】
(c)三級アミンの含有料は、好ましくは、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマー100重量部に対して、0.005〜5重量部である。
【0032】
(d)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物
本発明の有機チタン化合物は、チタンと有機原子団とからなる化合物であって、チタンの塩、アルコキシド、錯体、シクロペンタジエニル化合物等が含まれる。具体的には酢酸チタン(II)、酢酸チタン(IV)、2−エチルヘキサン酸チタン、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド、酸化チタン(II)アセチルアセトナート、酸化チタン(IV)ビス(アセチルアセトン)、ジイソプロポキシビス(メチルアセトアセテート)チタン(IV)、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン(IV)、ジブトキシビス(アセチルアセトナート)チタン(IV)、テトラアセチルアセトネートチタン(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)チタン(IV)、ジカルボニルビス(シクロペンタジエニル)チタン(II)、クロロビス(シクロペンタジエニル)チタン(IV)、ジクロロビス(シクロペンタジエニル)チタン(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルチタン(IV)、トリクロロ(シクロペンタジエニル)チタン(IV)、トリクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン(IV)、トリクロロ(メチル)チタン(IV)テトラベンジルチタン(IV)、チタン(IV)2−エチル−1−ヘキサノラート、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ(2ーエチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ヒドロキシビス(ラクトン)チタン等である。
【0033】
本発明では、有機チタン化合物は、好ましくは、チタンのカルボン酸塩、アルコキシド、アルコールおよびβ−ジケトンなどのβ−カルボニルから選ばれる一種または二種以上をキレート型配位子の一成分として含有する錯体から選ばれる少なくとも一種の化合物である。カルボン酸としては、酢酸、2−エチルヘキサン酸、ナフテン酸等が挙げられる。アルコキシドとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールとからなるアルコキシド等が挙げられる。
【0034】
チタンの錯体には、アルコールおよびβ−ジケトンなどのβ−カルボニルから選ばれる一種または二種以上をキレート型配位子の一成分として含有する錯体が好適に用いられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等が挙げられる。さらにβ−ジケトンなどのβ−カルボニルとしては、アセチルアセトン、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、ベンゾイルアセトンなどが挙げられる。中でもチタンの錯体、具体的にはジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジブトキシビス(アセチルアセトナート)チタンを用いた場合、可使時間が長くかつ硬化速度が速いため作業性がよく好ましい。
【0035】
本発明の有機ジルコニウム化合物は、ジルコニウムと有機原子団とからなる化合物であって、ジルコニウムの塩、アルコキシド、錯体、シクロペンタジエニル化合物等が含まれる。具体的には、ナフテン酸酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム(IV)、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム(IV)、ジルコニウム(IV)エトキシド、ジルコニウム(IV)イソプロポキシド、ジルコニウム(IV)n−プロポキシド、ジルコニウム(IV)t−ブトキシド、テトラノルマルブトキシジルコニウム、ブトキシ・ビス(メチルアセトアセテート)ジルコニウム、ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、アセチルアセトントリブトキシジルコニウム、ジルコニウム(IV)アセチルアセトナート、ジルコニウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、テトラキス(2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウム(IV)、ジクロロビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム(IV)、ブタジエンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(II)、ジカルボニルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(II)、トリブロモ(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)、テトラベンジルジルコニウム(IV)等が挙げられる。
【0036】
本発明では、有機ジルコニウム化合物は、好ましくは、ジルコニウムのカルボン酸塩、アルコキシド、アルコールおよびβ−ジケトンなどのβ−カルボニルから選ばれる一種または二種以上をキレート型配位子の一成分として含有する錯体から選ばれる少なくとも一種の化合物である。カルボン酸としては、酢酸、2−エチルヘキサン酸、ナフテン酸等が挙げられる。アルコキシドとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールとからなるアルコキシド等が挙げられる。ジルコニウムの錯体には、アルコールおよびβ−ジケトンなどのβ−カルボニルから選ばれる一種または二種以上をキレート型配位子の一成分として含有する錯体が好適に用いられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等が挙げられる。さらにβ−ジケトンなどのβ−カルボニルとしては、アセチルアセトン、エチルアセトアセテート、ベンゾイルアセトンなどが挙げられる。中でもジルコニウムの錯体、具体的にはブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムを用いた場合、可使時間が長くかつ硬化速度が速いため作業性がよく好ましい。
【0037】
本発明の有機アルミニウム化合物は、アルミニウムと有機原子団とからなる化合物であって、アルミニウムの塩、アルコキシド、錯体等が含まれる。具体的には2−エチルヘキサン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、アルミニウムトリフルオロアセチルアセトナート、アルミニウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム等が挙げられる。
【0038】
本発明では、有機アルミニウム化合物は、好ましくは、アルミニウムのカルボン酸塩、アルコキシド、アルコールおよびβ−ジケトンなどのβ−カルボニルから選ばれる一種または二種以上をキレート型配位子の一成分として含有する錯体から選ばれる少なくとも一種の化合物である。中でもアルミニウムの錯体、具体的にはトリス(アセチルアセトナート)アルミニウムを用いた場合、可使時間が長くかつ硬化速度が速いため作業性がよく好ましい。
【0039】
これら有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物は2種類以上用いても良い。
【0040】
本発明の硬化型組成物では、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物は、ポリサルファイドポリマー100重量部に対して0.005〜10重量部であることが好ましい。0.005重量部以上であれば十分な硬化速度が得られ、10重量部以下であれば加熱養生後の物性変化が少なく好ましい。更に好ましくは0.05〜5重量部である。
【0041】
(e)β−ジカルボニル化合物
本発明の硬化型組成物は、さらに、(e)β−ジカルボニル化合物を含有することが好ましい。
【0042】
本発明におけるβ−ジカルボニル化合物としては、β−ジケトン類、β−ケトエステル類、β−ケトアミド類等があり、具体例としては、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、2,4−デカンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、2−メチルヘキサン−3,5−ジオン、6−メチルヘプタン−2,4−ジオン、2−メチルヘプタン−3,5−ジオン、2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,2−ジメチルヘキサン−3,5−ジオン、2,2,6−トリメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,2−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン、3−メチルペンタン−2,4−ジオン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸−t−ブチル、プロピオニル酢酸メチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸プロピル、プロピオニル酢酸イソプロピル、プロピオニル酢酸ブチル、プロピオニル酢酸−t−ブチル、ブチリル酢酸メチル、ブチリル酢酸エチル、ブチリル酢酸プロピル、ブチリル酢酸イソプロピル、ブチリル酢酸ブチル、ブチリル酢酸−t−ブチル、イソブチリル酢酸メチル、イソブチリル酢酸エチル、イソブチリル酢酸プロピル、イソブチリル酢酸イソプロピル、イソブチリル酢酸ブチル、イソブチリル酢酸−t−ブチル、3−オキソヘプタン酸メチル、3−オキソヘプタン酸エチル、3−オキソヘプタン酸プロピル、3−オキソヘプタン酸イソプロピル、3−オキソヘプタン酸ブチル、3−オキソヘプタン酸−t−ブチル、5−メチル−3−オキソヘキサン酸メチル、5−メチル−3−オキソヘキサン酸エチル、5−メチル−3−オキソヘキサン酸プロピル、5−メチル−3−オキソヘキサン酸イソプロピル、5−メチル−3−オキソヘキサン酸ブチル、5−メチル−3−オキソヘキサン酸−t−ブチル、4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸メチル、4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸エチル、4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸プロピル、4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸イソプロピル、4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸ブチル、4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸−t−ブチル、ベンゾイル酢酸メチル、ジベンゾイルメタン、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸メチルエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジt−ブチル、マロン酸メチル−t−ブチル、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、α−アセチルブチロラクトン、ジメトン、3−オキソブタンアミド、N−メチル−3−オキソブタンアミド、N,N−ジメチル−3−オキソブタンアミド、α−アセチルブチロラクトン、ジメトン、等が挙げられる。
【0043】
中でも、触媒活性に優れ工業的に入手可能なことから、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2−メチルヘキサン−3,5−ジオン、6−メチルヘプタン−2,4−ジオン、2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,2−ジメチルヘキサン−3,5−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸−t−ブチル、プロピオニル酢酸メチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸イソプロピル、プロピオニル酢酸−t−ブチル、イソブチリル酢酸メチル、イソブチリル酢酸エチル、イソブチリル酢酸イソプロピル、イソブチリル酢酸−t−ブチル、4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸メチル、4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸エチル、4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸イソプロピル、又は4,4−ジメチル−3−オキソペンタン酸−t−ブチルが好ましい。
【0044】
本発明において、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物とβ−ジカルボニル化合物との混合比率は、通常、β−ジカルボニル化合物/有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物のモル比が0.1〜2000の範囲になるように混合比率を調節する。モル比がこの範囲を超えると硬化触媒としての効果が得られない場合があり、触媒活性の点で満足できる性能を発揮しない場合がある。
【0045】
本発明において、触媒組成物として用いられる有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物とβ―ジカルボニル化合物は、予め混合して調整したものを配合時に添加しても良いし、配合の際に同時に添加しても良い。また、配合する際に溶媒に溶解して使用することもできる。本発明の触媒組成物において、高い触媒活性を発現させるために、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物とβ―ジカルボニル化合物を予め溶媒に溶解させて均一系にした方が好ましい。溶媒としては、特に限定するものではないが、有機溶媒、可塑剤等があり、有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、メタノール、エタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン、ミネラルターペン等の炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルギルコールアセテート、酢酸セルソルブ等のエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類が挙げられる。可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレート、へキサノールベンジルフタレート、アルキルベンジルフタレート等のフタレート系、ジブチルアジペート、ビス(ブチルジグリコール)アジペート等のアジペート系、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリクレシルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等のホスフェート系の可塑剤が挙げられる。
【0046】
本発明の硬化型組成物に使用することができる充填剤は、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、マイカ、ケイ酸、ケイ酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、パーライト、セラミックバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、アルミナバルーン、プラスチックバルーン等の中空微小球等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いてよい。特に炭酸カルシウムは、比較的安価で粒子径の調節が容易であるため好適である。
【0047】
本発明の硬化型組成物で用いられる炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、コロイド炭酸カルシウムが好ましい。一般に、重質炭酸カルシウムは、石灰石原石を機械的に粉砕・分級して所望の粒度とし得られた炭酸カルシウムである。またコロイド炭酸カルシウムは、石灰石原石をコークス等で混焼し、一旦炭酸カルシウム(生石灰)を作製し、それを水と反応させて水酸化カルシウム(消石灰)とし、焼成時に発生した炭酸ガスと反応せしめ、所望の粒径、粒子形状とし得られた炭酸カルシウムである。これらの炭酸カルシウムは、有機系表面処理剤により表面処理なされた炭酸カルシウムが好ましい。主剤を配合する際に、炭酸カルシウムの有機系表面処理剤を過剰に添加してもよい。添加する有機系表面処理剤の添加量は、ポリマー100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましい。炭酸カルシウムの有機系表面処理剤は、脂肪酸、樹脂酸、界面活性剤、カップリング剤等が挙げられる。中でも特に好ましいのは、脂肪酸である。脂肪酸には、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の脂肪酸塩、更には、脂肪酸エステル等が挙げられる。特に好ましいのは、脂肪酸エステルが好ましい。脂肪酸エステルの融点は、30℃以上が好ましい。より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上である。30℃以上であれば、表面処理で炭酸カルシウムへの吸着結合が十分に起こり、表面処理が均一になるため好ましい。脂肪酸エステルの表面処理量は、炭酸カルシウム100重量部に対して1.0〜20.0重量部が好ましい。より好ましくは10.0〜20.0重量部である。1.0重量部以上であれば、表面処理効果が十分に得られるため好ましく、20.0重量部以下であれば、経済的にも有利であるため好ましい。10.0〜20.0重量部であれば、得られた硬化物の加熱養生後の物性変化が小さいため好ましい。脂肪酸エステルを構成する脂肪酸のアルキル基の炭素数は、8以上であるのが好ましい。より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上である。脂肪酸エステルを構成するアルキル基の炭素数が8以上であれば、硬化型組成物に高いチキソ性、耐スランプ性を付与するため好ましい。このような脂肪酸としては、例えばペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸などの飽和脂肪酸、パルミトイル酸、オレイン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、リシノール酸などの不飽和脂肪酸等が挙げられる。尚、上記一価アルコールは、炭素数が1〜18が好ましい。このような一価アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。また一価のアルコールから生成される脂肪酸エステルのみならず、グリセリン等の多価アルコールから生成する脂肪酸エステルも使用できる。このような多価アルコールとしては、トリステアリルグリセライド、ジステアリルグリセライド、モノステアリルグリセライド、トリパルミチルグリセライド、更に、大豆油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、アマニ油、ナタネ油、綿実油、キリ油、ヒマシ油、牛脂油、スクワラン、ラノリン等の天然油脂、上記天然油脂の硬化油脂等が例示される。脂肪酸エステルの分子量としては、250〜1200が好ましい。より好ましくは300〜1000、更に好ましくは350〜900である。250以上であれば、十分なチキソ性が得られ、1200以下であれば、融点が高くなり過ぎず取り扱いやすいため好ましい。また上記脂肪酸エステルの中では、水素添加した牛脂硬化油、パーム硬化油、ヤシ硬化油、大豆硬化油、ヒマシ硬化油等が特に好ましい。これらは単独又は2種類以上組み合わせて用いてよい。
【0048】
本発明の硬化型組成物に使用できる可塑剤は、例えば、フタレート系、アジペート系、ホスフェート系、キシレン樹脂、塩素化パラフィン、炭化水素系可塑剤等が挙げられる。具体的には、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレート、へキサノールベンジルフタレート、アルキルベンジルフタレート、ジブチルアジペート、ビス(ブチルジグリコール)アジペート、マレイン酸ジブチル、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリクレシルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、特開平10−60261号公報記載のキシレン樹脂、特公昭56−14705号公報、特公昭56−15440号公報、特公昭57―56511号公報等に例示されているようなジアリールアルカン型の化合物、トリアリールジアルカン型の化合物、スチレンの2〜3重合体とアルキルベンゼンとの反応生成物からなる高沸点芳香族炭化水素、特開2004−161837号公報記載のアクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0049】
本発明の硬化型組成物には無機紫外線遮蔽剤を使用することができる。無機紫外線遮蔽剤としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いてよい。特に二酸化チタン、酸化亜鉛を用いた場合、得られた硬化物が耐候性に優れるため好ましい。
【0050】
本発明の硬化型組成物で用いられる二酸化チタンは、二酸化チタン粒子組成物の粉粒体が好ましい。二酸化チタンの結晶形態は、ルチル、アナタース、ブルカイトが挙げられる。中でも特に好ましいのは、ルチルである。ルチルは、有機系樹脂を劣化、分解する原因である光触媒機能が弱いため好ましい。二酸化チタンの平均一次粒子径は、0.005〜0.1μmが好ましい。0.005μm以上であれば、二酸化チタン粒子の分散性が良いため好ましく、0.1μm以下であれば、二酸化チタンが透明性を示めし硬化型組成物の調色が容易となるため好ましい。二酸化チタン粒子の表面処理は、無処理、無機物処理、有機物処理が挙げられる。中でも特に好ましいのは、無機物処理、有機物処理である。これら何れかの表面処理によって二酸化チタン粒子と有機系樹脂とが直接接触しないようにして、光触媒活性が発現したとしても、二酸化チタンが有機系樹脂を劣化、分解しないため表面処理された二酸化チタンが好ましい。無機物処理には、アルミニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、アンチモン等の金属の酸化物若しくは含水酸化物等による粒子表面の被覆が挙げられる。有機物処理には、トリメチロールエタン等のポリオール、トリエタノールアミン酢酸塩等のアルカノールアミン、トリメチルクロロシラン等のシリコン樹脂等による粒子表面の被覆が挙げられる。これらの無機物処理と有機物処理は単独又は2種類以上組み合わせて用いてよい。
【0051】
本発明の硬化型組成物で用いられる酸化亜鉛は、酸化亜鉛粒子組成物の粉粒体が好ましい。酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径は、0.15μm以下が好ましい。0.15μm以下であれば、高い透明性を示し、硬化型組成物の調色が容易となるため好ましい。酸化亜鉛粒子の表面処理は、無処理、無機物処理、有機物処理が挙げられる。中でも特に好ましいのは、無機物処理、有機物処理である。無機物処理、有機物処理によって酸化亜鉛粒子表面が被覆されれば、純水や水溶液への溶解度が小さく酸化亜鉛粒子からの溶解物が、硬化型組成物や得られた硬化物に悪影響を及ぼすことがない。更に光触媒機能が抑制され、有機系樹脂が劣化、分解しないため好ましい。無機物処理には、アルミニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、アンチモン、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム等の金属の酸化物若しくは含水酸化物、ケイ酸亜鉛等による粒子表面の被覆が挙げられる。有機物処理には、有機ケイ素化合物、多価アルコール及びアルカノールアミン、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル又は金属石ケン等による粒子表面の被覆が挙げられる。これらの無機物処理と有機物処理は単独又は2種類以上組み合わせて用いてよい。上記有機ケイ酸化合物としては、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサンやジメチルポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンや、トリエトキシビニルシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。また多価アルコールとしては、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。またアルカノールアミンとしては、例えばジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等が挙げられる。高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル又は金属石ケンの構成する脂肪酸のアルキル基の炭素数は、10〜30が好ましい。このような脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等が挙げられる。高級脂肪酸の金属塩を構成する金属種は、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、スズ等が挙げられる。
【0052】
本発明の硬化型組成物に使用できる紫外線吸収剤は、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ニッケル塩及びニッケル錯塩系が挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、ニッケル塩、ニッケル錯塩系の紫外線吸収剤であり、とりわけベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3(3,4,5,6−テトラ−ヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンソトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ニッケルジブチルジチオカルバメート、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケルなどである。
【0053】
本発明の硬化型組成物に使用できる酸化防止剤は、例えば、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤は、ポリマーとの相溶性が良く好ましい。具体的には、1,3,5−トリス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,2−ビス[[[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]オキシ]メチル]プロパン−1,3−ジオール、1,3−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン), 4,4’,4’’−[(2,4,6−トリメチルベンゼン−1,3,5‐トリイル)トリス(メチレン)]トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)などである。
【0054】
本発明の硬化型組成物に使用できる加硫促進剤としては、例えばアルデヒド・アンモニア及びアルデヒド・アミン系、チオウレア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系、キサントゲン酸塩系などが挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンテトラミン、ジフェニルグアニジン、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどが挙げられる。上記加硫促進剤は2種類以上添加しても良い。
【0055】
本発明の硬化型組成物にはその特性を損なわない限り、他のゴム・エラストマーを加えることができる。例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリルゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンーブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリシロキサン系エラストマー等が挙げられる。
【0056】
本発明の硬化型組成物に使用できるシランカップリング剤は、加水分解性シリル基と反応性有機官能基とを含有する化合物である。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどが挙げられる。また、特開平6−271833号公報に記載のポリサルファイドポリマー“チオコールLP−3”と3―グリドキシプロピルトリメトキシシランを反応させて合成した末端トリメトキシシラン変性ポリサルファイドポリマーもシランカップリング剤として用いることができる。これらシランカップリング剤は2種以上を用いてもよい。本発明の硬化型組成物では、シランカップリング剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、末端トリメトキシシラン変性ポリサルファイドポリマーを使用した場合、特に接着性が良好で好ましい。
【0057】
本発明の硬化型組成物中のシランカップリング剤の含有量は、ポリサルファイドポリマー100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部である。シランカップリング剤の含有量が、0.1重量部以上であれば十分接着力が得られ、20重量部以下であればコスト的にも好ましい。
【0058】
加えて、本発明の硬化型組成物には、硬化後の表面残存タックを改良するために、特開2000−178334号公報記載の空気酸化可能な不飽和基を含有する化合物を添加することができる。空気酸化可能な不飽和基を含有する化合物としては、乾性油、ジエン系化合物、乾性油の各種変性物が挙げられる。具体的には不飽和脂肪酸の混合トリグリセライドで、ヨウ素価130以上の油脂(乾性油及び魚油)が使用可能である。不飽和脂肪酸としてはトウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、マッコウ酸、ミリストオレイン酸、ゾーマリン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、鯨油酸、エルシン酸、サメ油酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステアリン酸、ブニカ酸、トリコサン酸、リノレン酸、モロクチ酸、パリナリン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ヒラガシラ酸、ニシン酸が挙げられる。具体的には、植物油としては亜麻仁油、エノ油、桐油、日本桐油、オイチシカ油、麻実油、カヤ油、イヌガヤ油、クルミ油、オニグルミ油、ケシ油、ヒマワリ油、大豆油、サフラワー油等。魚油としてイワシ油、ニシン油、メンヘーデン油等が挙げられる。これ以外にも魚油のアルカリ異性化による異性化油、ヒマシ油の脱水化による脱水ヒマシ油等挙げられる。特に好ましい例は、エレオステアリン酸等の共役酸型の不飽和脂肪酸を多く含むキリ油、オイチシカ油である。
【0059】
本発明においては、乾性油の添加量は1分子中に2個以上の活性水素を含有するポリマーと1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物の合計100重量部に対し0.1〜50重量部であることが望ましい。添加量が0.1重量部以下の場合残存タック改良の効果が乏しくなり、50重量部以上では引張り応力等の物性上昇及び伸度の低下が大きくなり好ましくない。
【0060】
さらに、空気酸化可能な不飽和基を含有する化合物は、活性水素含有化合物と有機ポリイソシアネート化合物をイソシアネ−ト化合物過剰の条件で反応させる際に共存させて合成することにより、1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物と空気酸化可能な不飽和基を含有する化合物を安定に存在させることが可能となり、特に好ましい。
【0061】
本発明の硬化型組成物は、1分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーと、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーと、三級アミンと有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物とからなる。本発明の硬化型組成物は、可使時間が長く、かつ硬化が速く作業性がよい。さらに、得られた硬化物は、柔軟で加熱しても物性が変化せず耐久性に優れる。さらに、光や水にさらしてもチョーキング、クラッキング、しわおよび変色が生ぜず美観に優れる。また、硬化物を油や水、酸、アルカリに浸せきしても膨れることがなく耐液性に優れる。加えて、気体、水蒸気の遮断性に優れる。1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーにヘキサメチレンジイソシアネートを用いた場合、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーは、低温でも粘度が上昇せず作業性がよい。さらに、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーのモノマー含有率が、1重量%未満であると、特有の刺激臭が少なく好ましい。
【実施例】
【0062】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
【0063】
合成例1
プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加して得られる二官能性ポリプロピレングリコール(OH価55.3mgKOH/g)800gと、87.7gのエピクロロヒドリンと、1.0gの塩化第二錫五水塩とを反応容器に仕込み、80〜90℃で3時間攪拌した。さらに、ポリサルファイドポリマー(東レ・ファインケミカル(株)製、商品名“チオコールLP−55”)887.7gを加え混合した後、76gの水硫化ソーダ(純度70%)を加え、80℃で2時間攪拌した。その後、塩を除去し、メルカプタン含量2.0重量%、粘度8.0Pa・s(25℃)の淡黄色透明なポリマーを得た。
【0064】
合成例2
セパラブルフラスコに分子量1000で2官能のポリプロピレングリコール900gと分子量15000で3官能のポリプロピレングリコール100gとを仕込み、80℃のオイルバスで加熱撹拌した。窒素雰囲気下、ヘキサメチレンジイソシアネート247.8g、ジブチル錫ジラウレートを数滴仕込み、80℃で4時間反応させた。得られた反応生成物を薄膜蒸留装置2−03型ワイプレン((株)新興環境ソリューション製)を使用して蒸留し、未反応ヘキサメチレンジイソシアネートを除くことでポリマーを得た。得られたポリマーは、イソシアネート含量4.2重量%、粘度2.5Pa・s(25℃)の無色透明液体であった。さらに未反応のヘキサメチレンジイソシアネートは0.4重量%であった。
【0065】
実施例1〜6
合成例1のポリマーに、可塑剤、添加剤、充填剤および硬化触媒を表1の割合で配合し、ミキサーで混合することによって主剤を得た。但し、充填剤としては、ステアリン酸で表面処理したコロイド炭酸カルシウム(1)、または、大豆硬化油で表面処理したコロイド炭酸カルシウム(2)のどちらかを用いた。得られた主剤に、合成例2のポリマー、グレートナー日本ピグメント(株)製、ES64−6−1546)を表1に示す割合で加え、ヘラにて混合することでシーラント混合物を得た。得られたシーラント混合物を用いて、以下の評価を行った。
【0066】
可使時間は、シーラント混合物の粘度が500Pa・s以上となった時間とした。可使時間は23℃50%R.H.(相対湿度)の環境で測定した。粘度計にはB型粘度計 B8U(東京計器(株))を使用し、No.7ローターを使用した。回転数は10rpmとした。
【0067】
硬度測定は、JIS K 6253−1997に準じて行った。硬度計には、ASKER TYPE C(高分子計器(株))を用いた。
【0068】
引張接着性試験は、JIS A 1439−2004の5.20 引張接着性試験に従って行った。試験体は、5.17.2に従って作成した。被着体にはアルミニウム板を用いた。但し、硬化条件は23℃50%R.H.(相対湿度)にて3日間の後、50℃にて3日間とした。硬化後さらに90℃7日間加熱した場合、90℃14日間加熱した場合についても同様に評価した。評価結果は表3に示した。
【0069】
比較例1
実施例で用いた主剤に、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物のいずれも加えずに作製したシーラント混合物を、比較例1として実施例と同様の試験を行った(表2)。評価結果は表3に示した。
【0070】
比較例2、3
有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物の変わりに有機錫化合物を加えて作製したシーラント混合物を比較例2、3として実施例と同様の試験を行った(表2、3)。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
【表3】

【0074】
実施例1〜5は、可使時間が3〜4時間と長い一方で、1日後の硬度が8〜14と高く作業性良好であった。また、初期養生後の50%引張応力は12〜16N/cm2で、90℃で2週間加熱しても16〜18N/cm2と変化が小さく耐久性に優れていた。また、実施例6は、初期養生後の50%引張応力は8N/cm2で、90℃で2週間加熱しても11N/cm2と変化が小さく耐久性に優れていた。また、実施例7は、可使時間が3〜4時間と長い一方で、1日後の硬度が10で高く作業性良好であった。初期養生後の50%引張応力は11N/cm2で、90℃で2週間加熱しても15N/cm2と変化が小さく耐久性に優れていた。一方、比較例1は、可使時間が2〜3時間と短い一方で、1日後は硬度が測定出来るほどに硬化しておらず作業性が悪かった。また比較例2、3は初期養生後の50%引張応力が、それぞれ17、16N/cm2であったが、90℃2週間加熱後は37、43N/cm2まで上昇し耐久性に劣った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)1分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーと、(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーと、(c)三級アミンと、(d)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する硬化型組成物。
【請求項2】
さらに、(e)β−ジカルボニル化合物を含有する請求項1に記載の硬化型組成物。
【請求項3】
(c)三級アミンが、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマー100重量部に対して0.005〜5重量部である請求項1または2に記載の硬化型組成物。
【請求項4】
(d)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマー100重量部に対して0.005〜10重量部である請求項1から3に記載の硬化型組成物。
【請求項5】
有機チタン化合物が、チタンのカルボン酸塩、アルコキシド、アルコールおよびβ−カルボニルから選ばれる一種または二種以上をキレート型配位子の一成分として含有する錯体から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1から4のいずれかに記載の硬化型組成物。
【請求項6】
有機ジルコニウム化合物が、ジルコニウムのカルボン酸塩、アルコキシド、アルコールおよびβ−カルボニルから選ばれる一種または二種以上をキレート型配位子の一成分として含有する錯体から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1から4のいずれかに記載の硬化型組成物。
【請求項7】
有機アルミニウム化合物が、アルミニウムのカルボン酸塩、アルコキシド、アルコールおよびβ−カルボニルから選ばれる一種または二種以上をキレート型配位子の一成分として含有する錯体から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1から4のいずれかに記載の硬化型組成物。
【請求項8】
(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーが、脂肪族系ウレタンプレポリマーである請求項1から7のいずれかに記載の硬化型組成物。
【請求項9】
(b)1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリマーが、ヘキサメチレンジイソシアネートを用いたウレタンプレポリマーである請求項1から8のいずれかに記載の硬化型組成物。
【請求項10】
炭酸カルシウム100重量部に対して10.0〜20.0重量部の脂肪酸エステルで表面処理した炭酸カルシウムを含有する請求項1から9のいずれかに記載の硬化型組成物。

【公開番号】特開2010−185070(P2010−185070A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273498(P2009−273498)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000187046)東レ・ファインケミカル株式会社 (153)
【Fターム(参考)】