説明

硬化性アミンフラックス組成物およびはんだ付け方法

【課題】電機部品における信頼性のあるはんだ付けされかつ封止された相互接続の製造を容易にする硬化性フラックス材料を提供する。
【解決手段】分子あたり少なくとも2つのオキシラン基を有する樹脂成分式Iのアミンフラックス剤、並びに、場合によっては硬化剤を当初成分として含む硬化性アミンフラックス組成物とする。


(式中、R、R、RおよびRは独立して水素等、RおよびRは独立してC1−20アルキル基等、R10およびR11は独立してC1−20アルキル基等、Rは水素等から選択される)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子あたり少なくとも2つのオキシラン基を有する樹脂成分;式I(式中、R、R、RおよびRは独立して水素、置換C1−80アルキル基、非置換C1−80アルキル基、置換C7−80アリールアルキル基、および非置換C7−80アリールアルキル基から選択され;RおよびRは独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択されるか、またはRとRはそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている;R10およびR11は独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択されるか、またはR10とR11はそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている;並びに、Rは水素、C1−30アルキル基、置換C1−30アルキル基、C6−30アリール基および置換C6−30アリール基から選択される)で表されるアミンフラックス剤(amine fluxing agent);並びに、場合によっては硬化剤;を当初成分として含む硬化性アミンフラックス組成物に関する。本発明はさらに、この硬化性アミンフラックス組成物を使用する電気接点(electrical contact)をはんだ付けする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラックスは電気的デバイスの製造、例えば、電子部品(例えば、半導体チップ)の基体(例えば、プリント回路板、プリント回路カード、有機基体、シリコンインターポーザー、別の半導体チップ)上への搭載に使用される重要なツールである。
【0003】
フリップチップ方法は基体上に電子部品を搭載するために使用される重要性が増している方法である。半導体チップを基体上に搭載するために使用されるフリップチップ方法の一例においては、半導体チップ上に位置する接点(例えば、コンタクトパッド、コンタクトピン)上にはんだが(例えば、はんだボールとして)提供される。あるいは、基体上に位置する対応する接点(例えば、コンタクトパッド、銅めっきスルーホール)上にはんだが提供される。フラックスは、はんだの表面上に、または基体もしくは半導体チップ上の接点の表面上に存在しうる酸化物層を除去するためにはんだに適用される。フラックスはリフロー中のはんだによる接点のぬれの増大をもたらすようにも機能する。半導体チップ上のはんだもしくは接点は、次いで、基体上の対応する接点もしくははんだと物理的に接触させられる。次いで、半導体チップおよび/または基体上のはんだがリフローするように加熱される。冷却の際に、半導体チップと基体との間の相互接続が形成される。典型的には、これら相互接続は、その後で(例えば、エポキシ樹脂で)封止されて、半導体チップおよび/または基体アセンブリの信頼性を増大させる。すなわち、この封止用樹脂は、もしこの封止がなければ半導体チップと基体との熱膨張係数の差からもたらされて生じうるであろう歪みを緩和するのを助ける。
【0004】
上記プロセスに使用されるフラックスの実際の選択は非常に重要である。多くの従来のフラックスの使用は、結果的に望ましくないイオン性残留物の形成をもたらし、これは生成物であるデバイスの信頼性を低減させる場合がある。よって、この望ましくないイオン性残留物はデバイスから除去されなければならない。しかし、はんだ付けされた相互接続の形成後の半導体チップと基体(例えば、プリント回路板)との間の距離が非常に狭いという事実によって、このデバイスの清浄化は妨げられる。これははんだ付けプロセス中に形成された何らかの望ましくないイオン性残留物を除去するプロセスを顕著に複雑にする。
【0005】
従来、半導体チップと基体との間の隙間を埋め、そして半導体チップと基体とを電気的に相互接続するはんだジョイントを強化するために、硬化性有機材料(典型的には、有機もしくは無機充填剤を含む)が使用されている。これらアンダーフィル材料は隙間を満たす毛細管現象に頼っている。
【0006】
製品である電機部品に最大の信頼性を提供するように、半導体チップと基体との間の隙間は完全に満たされなければならない。しかし、硬化性有機材料が半導体チップと基体との間の隙間の周囲に適用される場合には、その隙間の中心領域での空隙が残る場合がある。電機部品のサイズが小さくなる(すなわち、隙間の高さが小さくなる)につれて、毛細管現象の効果が制限されて非充填中心領域を拡大させる。
【0007】
この問題に取り組むために、いくつかはこの隙間領域の中心付近に対応して基体に穴を提供した。次いで、アンダーフィル材料がこの穴を通してこの隙間におよびその外周に供給される。しかし、このアプローチは中心穴の配置を容易にする電気回路がない領域を提供するデバイス設計を必要とする。
【0008】
このアンダーフィル問題に対する別のアプローチは「ノーフロー」プロセスと称されるようになっており、このプロセスではアンダーフィル材料ははんだ付け前に、半導体チップおよび/または基体上にあらかじめ適用される。この材料は、次いで、相互接続された部品を形成するためのはんだ付けの際に半導体チップと基体との間の隙間を占め、そして(典型的には熱の適用によって)硬化される。
【0009】
このノーフロープロセスにおいては、フラックス機能および封止機能の双方をもたらすアンダーフィル材料を使用することが知られている。この材料は基体上に半導体チップをパッケージングするのに必要とされる工程数を低減させる。すなわち、これら材料はフラックスおよびアンダーフィル工程を1つにまとめ、そして清浄化工程の必要性をなくする。
【0010】
このノーフローアンダーフィル材料の1つはペニシ(Pennisi)らの米国特許第5,128,746号に開示されている。ペニシらは電機部品および基体をリフローはんだ付けする際に使用するためのフラックス剤を有する熱硬化性接着剤を開示し、この接着剤は電機部品もしくは基体から酸化物塗膜を除き、かつはんだ付け温度に加熱される際に少なくとも部分的に硬化する接着剤を含み、当該接着剤は熱硬化性樹脂と、前記部品もしくは前記基体から前記酸化物塗膜を除去するのに充分な量のフラックス剤と、並びにこの熱硬化性接着剤が加熱される際に熱硬化性樹脂と反応して熱硬化樹脂を硬化させる硬化剤とから本質的になる。
【0011】
別のノーフローアンダーフィルアプローチがチェン(Chen)らの米国特許第7,303,944号によって開示されている。チェンらはフラックス剤としてロジン化合物の無水付加物を含むアンダーフィル材料を、基体の表面上のコンタクトパッド上に適用し;活性面、およびその活性面上の複数のコンタクトパッド上に配置され、基体に関連した複数のはんだバンプであって、ノーフローアンダーフィル材料内に配置された複数のはんだバンプを有するマイクロエレクトロニックデバイスを配置し;フラックス剤を用いてはんだバンプから金属酸化物を除去し;はんだの融点温度より高い温度に加熱することによってはんだバンプをリフローさせ;並びにアンダーフィル材料を硬化させる:ことを含む方法を開示する。
【0012】
示されたもののような従来のノーフローアンダーフィル材料の多くはエポキシ化学に基づいており、かつフラックスを提供するのにカルボン酸もしくは無水物に頼っている。また、有機アルコールが無水物と反応してカルボン酸フラックス剤を形成する場合には、有機アルコールがアクセラレータとして周期的に使用される。しかし、カルボン酸ははんだ付けおよび封止プロセス中に揮発性である傾向がある。それは半導体チップと基体との間の隙間に空隙を生じさせる場合があり、それは生成物デバイスの信頼性を低下させるのでこれは望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,128,746号明細書
【特許文献2】米国特許第7,303,944号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
よって、電機部品における信頼性のあるはんだ付けされかつ封止された相互接続(例えば、半導体チップとプリント回路板との間の相互接続)の製造を容易にする硬化性フラックス材料についての必要性が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、分子あたり少なくとも2つのオキシラン基を有する樹脂成分;式I:
【化1】

(式中、R、R、RおよびRは独立して水素、置換C1−80アルキル基、非置換C1−80アルキル基、置換C7−80アリールアルキル基、および非置換C7−80アリールアルキル基から選択され;RおよびRは独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択されるか、またはRとRはそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている;R10およびR11は独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択されるか、またはR10とR11はそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている;並びに、Rは水素、C1−30アルキル基、置換C1−30アルキル基、C6−30アリール基および置換C6−30アリール基から選択される)で表されるアミンフラックス剤;並びに、場合によっては硬化剤;を当初成分として含む硬化性アミンフラックス組成物を提供する。
【0016】
本発明は、本発明の硬化性アミンフラックス組成物を提供し;複数の第1の電気接点を提供し;対応する複数の第2の電気接点を提供し;はんだを提供し;複数の第1の電気接点および対応する複数の第2の電気接点の少なくとも一方に硬化性アミンフラックス組成物を適用し;複数の第1の電気接点を対応する複数の第2の電気接点の近くに配置し;はんだをそのリフロー温度より高く加熱し、溶融したはんだを形成し、そして複数の第1の電気接点および対応する複数の第2の電気接点を溶融したはんだに曝露させ;複数の第1の電気接点および対応する複数の第2の電気接点における硬化性アミンフラックス組成物を溶融したはんだで置き換えて、そして複数の第1の電気接点と対応する複数の第2の電気接点との間の複数の電気的相互接続を形成し;並びに樹脂成分を硬化させ、複数の電気的相互接続を封止する;ことを含む、封止された金属接続(encapsulated metallurgical joint)を形成する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、はんだ付けされかつ封止された電気的相互接続を有する電機部品の製造を容易にするように設計される。例えば、本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、好ましくは、半導体デバイスの製造におけるノーフローアンダーフィル配合物として機能するように設計される。
【0018】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、用語「ノーフローアンダーフィル(no flow underfill)組成物」とは、はんだ付けされた相互接続の封止を容易にするような潜在的硬化性と、はんだフラックス活性との双方を示す硬化性アミンフラックス組成物をいう。
【0019】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物(ワンパックシステムにおいて)に関して本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、用語「貯蔵安定性」とは、硬化性アミンフラックス組成物の粘度(ここで、粘度は、100rpmにセットされたブルックフィールド#S00スピンドルを使用して、20℃で、ブルックフィールド(Brookfield)DV−I+粘度計を用いて測定される)が、55℃で1週間の貯蔵の後で5%未満しか上昇しないことを意味する。
【0020】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物に関して本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、用語「貯蔵安定」とは、硬化性アミンフラックス組成物が貯蔵安定性を示すことを意味する。
【0021】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、当初成分として、分子あたり少なくとも2つのオキシラン基を有する樹脂成分;式Iで表されるアミンフラックス剤;並びに、場合によっては硬化剤を含む(から本質的になる)。好ましくは、この硬化性アミンフラックス組成物は、10℃/分の温度勾配を用いて25℃で開始する熱重量分析(TGA)によって決定して250℃まで加熱した際に揮発する材料を10重量%未満含む。アンダーフィル組成物からの気体の発生は、半導体ウェハと基体との間の隙間に空隙を生じさせ、その結果、生成物であるパッケージングされたデバイスについて潜在的な信頼性の懸念を生じさせる傾向がある。
【0022】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用される樹脂成分は、分子あたり少なくとも2つのオキシラン基を有する材料を含む。好ましくは、使用される樹脂成分は分子あたり少なくとも2つのエポキシド基を有するエポキシ樹脂、例えば、置換もしくは非置換の脂肪族、環式脂肪族、芳香族および複素環式ポリエポキシドである。より好ましくは、樹脂成分はビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂);芳香族ジグリシジルエーテル;芳香族多官能性グリシジルエーテル;脂肪族ジグリシジルエーテル;および脂肪族多官能性グリシジルエーテルから選択されるエポキシ樹脂である。さらにより好ましくは、樹脂成分はビスフェノール型エポキシ樹脂である。最も好ましくは、樹脂成分はビスフェノールA型エポキシ樹脂である。硬化性アミンフラックス組成物は好ましくは樹脂成分を10〜99重量%(より好ましくは、20〜90重量%、さらにより好ましくは30〜75重量%、最も好ましくは30〜50重量%)含む。
【0023】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用される樹脂成分は、場合によっては、分子あたり少なくとも3つのオキシラン基を有する材料をさらに含む。分子あたり少なくとも3つのオキシラン基を有する材料は、場合によっては、樹脂成分中に含まれて、硬化した樹脂生成物のガラス転移温度を上昇させ、および配合物のゲル化時間を短くする。
【0024】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用されるアミンフラックス剤は式Iに従い、式中、R、R、RおよびRは独立して水素、置換C1−80アルキル基、非置換C1−80アルキル基、置換C7−80アリールアルキル基、および非置換C7−80アリールアルキル基から選択され(好ましくは、R、R、RおよびRは独立して水素、置換C1−20アルキル基、非置換C1−20アルキル基、置換C7−30アリールアルキル基、および非置換C7−30アリールアルキル基から選択され);RおよびRは独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択され(あるいは、RとRはそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている);R10およびR11は独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択され(あるいは、R10とR11はそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている);並びに、Rは水素、C1−30アルキル基、置換C1−30アルキル基、C6−30アリール基および置換C6−30アリール基から選択される。好ましくは、R、R、RおよびRの0から3つは水素である。式Iに従うアミンフラックス剤のR、R、R、R、R、R、R、R10およびR11基は場合によっては、望ましいレオロジー特性を有する硬化性アミンフラックス組成物を提供するように、はんだ付けされる表面への硬化性アミンフラックス組成物の送達に望まれる溶媒パッケージとアミンフラックス剤とを混和させるように、樹脂成分とアミンフラックス剤とを混和させるように、または樹脂成分の硬化開始温度を調節するように選択される。また、式Iに従うアミンフラックス剤のR、R、R、R、R、R、R、R10およびR11基は好ましくは、25℃で開始して10℃/分の勾配を使用する示差走査熱量測定によって決定される125℃以上(より好ましくは250以上)の沸点温度を有するアミンフラックス剤を提供するように選択される。
【0025】
好ましくは、本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用されるアミンフラックス剤は式Iに従い、式中、R、R、RおよびRは独立して水素、置換C1−80アルキル基、非置換C1−80アルキル基、置換C7−80アリールアルキル基、および非置換C7−80アリールアルキル基から選択され;ここで、置換C1−80アルキル基および置換C7−80アリールアルキル基における置換は、−OH基、−OR基、−COR−基、−COR基、−C(O)R基、−CHO基、−COOR基、−OC(O)OR基、−S(O)(O)R基、−S(O)R基、−S(O)(O)NR基、−OC(O)NR基、−C(O)NR基、−CN基、−N(R)−基、および−NO基の少なくとも1種(好ましくは、−OH基、−OR基、−COR−基、−COR基、−C(O)R基、−CHO基、−COOR基、−OC(O)OR基、−S(O)(O)R基、−S(O)R基、−S(O)(O)NR基、−OC(O)NR基、−C(O)NR基、−CN基、および−NO基の少なくとも1種)から選択され;RはC1−28アルキル基、C3−28シクロアルキル基、C6−15アリール基、C7−28アリールアルキル基、およびC7−28アルキルアリール基から選択され;Rは、水素、C1−28アルキル基、C3−28シクロアルキル基、C6−15アリール基、C7−28アリールアルキル基、およびC7−28アルキルアリール基から選択される。置換C1−80アルキル基および置換C7−80アリールアルキル基は置換の組み合わせを含むことができる。例えば、置換C1−80アルキル基および置換C7−80アリールアルキル基は1つより多い同じ種類の置換(例えば、2つの−OH基)を含むことができ;1種より多い置換(例えば、−OH基および−COR−基)を含むことができ;同じ種類の置換を1つより多く含む1種より多い置換(例えば、2つの−OH基および1つの−OR基)を含むことができる。
【0026】
好ましくは、本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用されるアミンフラックス剤は式Iに従い、式中、RおよびRは独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択され(あるいは、RとRはそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている);ここで、置換C1−20アルキル基および置換C6−20アリール基における置換は、−OH基、フェニル基、C1−14アルキル基、−OR12基、−COR12−基、−COR12基、−C(O)R12基、−CHO基、−COOR12基、−OC(O)OR12基、−S(O)(O)R12基、−S(O)R12基、−S(O)(O)NR12基、−OC(O)NR13基、−C(O)NR13基、−CN基、−N(R13)−基、および−NO基の少なくとも1種(好ましくは、−OH基、−OR12基、−COR12−基、−COR12基、−C(O)R12基、−CHO基、−COOR12基、−OC(O)OR12基、−S(O)(O)R12基、−S(O)R12基、−S(O)(O)NR12基、−OC(O)NR13基、−C(O)NR13基、−CN基、および−NO基の少なくとも1種)から選択され;R12はC1−19アルキル基、C3−19シクロアルキル基、C6−19アリール基、C7−19アリールアルキル基、およびC7−19アルキルアリール基から選択され;R13は、水素、C1−19アルキル基、C3−19シクロアルキル基、C6−19アリール基、C7−19アリールアルキル基、およびC7−19アルキルアリール基から選択される。置換C1−20アルキル基および置換C6−20アリール基は置換の組み合わせを含むことができる。例えば、置換C1−20アルキル基および置換C6−20アリール基は1つより多い同じ種類の置換(例えば、2つの−OH基)を含むことができ;1種より多い置換(例えば、−OH基および−COR12−基)を含むことができ;同じ種類の置換を1つより多く含む1種より多い置換(例えば、2つの−OH基および1つの−OR12基)を含むことができる。
【0027】
好ましくは、本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用されるアミンフラックス剤は式Iに従い、式中、R10およびR11は独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択され(あるいは、R10とR11はそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている);ここで、置換C1−20アルキル基および置換C6−20アリール基における置換は、−OH基、−OR12基、−COR12−基、−COR12基、−C(O)R12基、−CHO基、−COOR12基、−OC(O)OR12基、−S(O)(O)R12基、−S(O)R12基、−S(O)(O)NR12基、−OC(O)NR13基、−C(O)NR13基、−CN基、−N(R13)−基、および−NO基の少なくとも1種(好ましくは、−OH基、−OR12基、−COR12−基、−COR12基、−C(O)R12基、−CHO基、−COOR12基、−OC(O)OR12基、−S(O)(O)R12基、−S(O)R12基、−S(O)(O)NR12基、−OC(O)NR13基、−C(O)NR13基、−CN基、および−NO基の少なくとも1種)から選択され;R12はC1−19アルキル基、C3−19シクロアルキル基、C6−19アリール基、C7−19アリールアルキル基、およびC7−19アルキルアリール基から選択され;R13は、水素、C1−19アルキル基、C3−19シクロアルキル基、C6−19アリール基、C7−19アリールアルキル基、およびC7−19アルキルアリール基から選択される。置換C1−20アルキル基および置換C6−20アリール基は置換の組み合わせを含むことができる。例えば、置換C1−20アルキル基および置換C6−20アリール基は1つより多い同じ種類の置換(例えば、2つの−OH基)を含むことができ;1種より多い置換(例えば、−OH基および−COR12−基)を含むことができ;同じ種類の置換を1つより多く含む1種より多い置換(例えば、2つの−OH基および1つの−OR12基)を含むことができる。
【0028】
好ましくは、本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用されるアミンフラックス剤は式Iに従い、式中、Rは水素、C1−30アルキル基、置換C1−30アルキル基、C6−30アリール基および置換C6−30アリール基から選択され;ここで、置換C1−30アルキル基および置換C6−30アリール基における置換は、−OH基、−OR14基、−COR14−基、−COR14基、−C(O)R14基、−CHO基、−COOR14基、−OC(O)OR14基、−S(O)(O)R14基、−S(O)R14基、−S(O)(O)NR14基、−OC(O)NR15基、−C(O)NR15基、−CN基、−N(R15)−基、および−NO基の少なくとも1種(好ましくは、−OH基、−OR14基、−COR14−基、−COR14基、−C(O)R14基、−CHO基、−COOR14基、−OC(O)OR14基、−S(O)(O)R14基、−S(O)R14基、−S(O)(O)NR14基、−OC(O)NR15基、−C(O)NR15基、−CN基、および−NO基の少なくとも1種)から選択され;R14はC1−29アルキル基、C3−29シクロアルキル基、C6−29アリール基、C7−29アリールアルキル基、およびC7−29アルキルアリール基から選択され;R15は、水素、C1−29アルキル基、C3−29シクロアルキル基、C6−29アリール基、C7−29アリールアルキル基、およびC7−29アルキルアリール基から選択される。置換C1−30アルキル基および置換C6−30アリール基は置換の組み合わせを含むことができる。例えば、置換C1−30アルキル基および置換C6−30アリール基は1つより多い同じ種類の置換(例えば、2つの−OH基)を含むことができ;1種より多い置換(例えば、−OH基および−COR14−基)を含むことができ;同じ種類の置換を1つより多く含む1種より多い置換(例えば、2つの−OH基および1つの−OR14基)を含むことができる。
【0029】
より好ましくは、本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用されるアミンフラックス剤は式Iに従い、式中、R、R、RおよびRは独立して水素、置換C1−20アルキル基、非置換C1−20アルキル基、置換C7−30アリールアルキル基、および非置換C7−30アリールアルキル基から選択され;ここで、置換C1−20アルキル基および置換C7−30アリールアルキル基における置換は、−OH基、−OR16基、−COR16−基、−COR16基、−C(O)R16基、−CHO基、−COOR16基、−OC(O)OR16基、−S(O)(O)R16基、−S(O)R16基、−S(O)(O)NR16基、−OC(O)NR17基、−C(O)NR17基、−CN基、−N(R17)−基、および−NO基の少なくとも1種(好ましくは、−OH基、−OR16基、−COR16−基、−COR16基、−C(O)R16基、−CHO基、−COOR16基、−OC(O)OR16基、−S(O)(O)R16基、−S(O)R16基、−S(O)(O)NR16基、−OC(O)NR17基、−C(O)NR17基、−CN基、および−NO基の少なくとも1種)から選択され;R16はC1−19アルキル基、C3−19シクロアルキル基、C6−15アリール基、C7−19アリールアルキル基、およびC7−19アルキルアリール基から選択され;R17は、水素、C1−19アルキル基、C3−19シクロアルキル基、C6−15アリール基、C7−19アリールアルキル基、およびC7−19アルキルアリール基から選択され;RおよびRは独立してC1−4アルキル基およびC1−4ヒドロキシアルキル基から選択され(より好ましくは、RおよびRは独立してメチル基およびヒドロキシメチル基から選択され;最も好ましくは、RおよびRは両方ともメチル基である);R10およびR11は独立してC1−4アルキル基およびC1−4ヒドロキシアルキル基から選択され(より好ましくは、R10およびR11は独立してメチル基およびヒドロキシメチル基から選択され;最も好ましくは、R10およびR11は両方ともメチル基である);並びにRは水素、C1−10アルキル基、C1−10ヒドロキシアルキル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、C7−10アルキルアリール基、C7−10アリールアルキル基およびナフチル基から選択される(より好ましくは、Rは水素、C1−4アルキル基、C1−4ヒドロキシアルキル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、Cアルキルアリール基およびCアリールアルキル基から選択され;最も好ましくは、Rはメチル基およびフェニル基から選択される)。R、R、RおよびRが選択される置換C1−20アルキル基および置換C7−30アリールアルキル基は置換の組み合わせを含むことができる。例えば、置換C1−20アルキル基および置換C7−30アリールアルキル基は1つより多い同じ種類の置換(例えば、2つの−OH基)を含むことができ;1種より多い置換(例えば、−OH基および−COR16−基)を含むことができ;同じ種類の置換を1つより多く含む1種より多い置換(例えば、2つの−OH基および1つの−OR16基)を含むことができる。好ましくは、R、R、RおよびRの0〜3つは水素である。より好ましくは、R、R、RおよびRの1〜3つは水素である。さらにより好ましくは、R、R、RおよびRの2〜3つは水素である。さらにより好ましくは、R、R、RおよびRの2つは水素である。最も好ましくは、RおよびRの一方が水素であり、かつRおよびRの一方が水素である。
【0030】
さらにより好ましくは、本発明のフラックス組成物に使用されるアミンフラックス剤は式Iに従い、式中、R、R、RおよびRは独立して水素、−CHCH(OH)R18、および−CHCH(OH)CH−O−R18基から選択され;ここで、R18は水素、C1−28アルキル基、C6−15アリール基、C7−28アリールアルキル基、およびC7−28アルキルアリール基から選択され(好ましくは、R18はC5−10アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C6−15アリール基およびC7−15アルキルアリール基から選択され;最も好ましくは、R18はCアルキル基、Cアルキルアリール基、およびC10ナフチル基から選択され);RおよびRは独立してC1−4アルキル基およびC1−4ヒドロキシアルキル基から選択され(より好ましくは、RおよびRは独立してメチル基およびヒドロキシメチル基から選択され;最も好ましくは、RおよびRは両方ともメチル基である);R10およびR11は独立してC1−4アルキル基およびC1−4ヒドロキシアルキル基から選択され(より好ましくは、R10およびR11は独立してメチル基およびヒドロキシメチル基から選択され;最も好ましくは、R10およびR11は両方ともメチル基である);並びにRは水素、C1−10アルキル基、C1−10ヒドロキシアルキル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、C7−10アルキルアリール基、C7−10アリールアルキル基およびナフチル基から選択される(より好ましくは、Rは水素、C1−4アルキル基、C1−4ヒドロキシアルキル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、Cアルキルアリール基およびCアリールアルキル基から選択され;最も好ましくは、Rはメチル基およびフェニル基から選択される)。好ましくは、R、R、RおよびRの0〜3つは水素である。より好ましくは、R、R、RおよびRの1〜3つは水素である。さらにより好ましくは、R、R、RおよびRの2〜3つは水素である。さらにより好ましくは、R、R、RおよびRの2つは水素である。最も好ましくは、RおよびRの一方が水素であり、かつRおよびRの一方が水素である。
【0031】
またさらにより好ましくは、本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用されるアミンフラックス剤は式Iに従い、式中、R、R、RおよびRは独立して水素、−CHCH(OH)R18、および−CHCH(OH)CH−O−R18基から選択され;ここで、R18は水素、C1−28アルキル基、C3−28シクロアルキル基、C6−16アリール基、C7−28アリールアルキル基、およびC7−28アルキルアリール基から選択され(好ましくは、R18はC5−10アルキル基、C6−16アリール基およびC7−15アルキルアリール基から選択され;より好ましくは、R18はCアルキル基、Cアルキルアリール基、ナフチル基、ビフェニル基および置換C12−16ビフェニル基から選択され;最も好ましくは、R18はCアルキル基、Cアルキルアリール基、およびナフチル基から選択され);RおよびRは両方ともメチル基であり;R10およびR11は両方ともメチル基であり;並びにRはメチル基およびフェニル基から選択される。好ましくは、R、R、RおよびRの0〜3つは水素である。より好ましくは、R、R、RおよびRの1〜3つは水素である。さらにより好ましくは、R、R、RおよびRの2〜3つは水素である。さらにより好ましくは、R、R、RおよびRの2つは水素である。最も好ましくは、RおよびRが水素であり、かつRおよびRが−CHCH(OH)R18、および−CHCH(OH)CH−O−R18基から選択される。
【0032】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、場合によっては硬化剤をさらに含む。硬化剤が樹脂成分を硬化させうるという条件で、従来の硬化剤が樹脂成分およびアミンフラックス剤と一緒に使用されうる。従来の硬化剤には、例えば、多官能性フェノール、多官能性アルコール、アミン、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物およびそのハロゲン化物が挙げられる。好ましくは、使用される硬化剤は、支障なくはんだリフローを可能にし、かつワンパックシステムにおける硬化性アミンフラックス組成物の貯蔵安定性を促進する潜在的硬化剤(すなわち、225℃以下の温度で樹脂成分のゲル化を開始させるように機能しない硬化剤)であるべきである。
【0033】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、場合によっては、溶媒をさらに含む。溶媒は、場合によっては、はんだ付けされる表面もしくは複数の表面への樹脂成分およびアミンフラックス剤の送達を容易にするように、本発明の硬化性アミンフラックス組成物中に含まれる。好ましくは、硬化性アミンフラックス組成物は溶媒を1〜70重量%(より好ましくは溶媒を1〜35重量%;最も好ましくは溶媒を1〜20重量%)含む。本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用される溶媒は好ましくは、炭化水素(例えば、ドデカン、テトラデカン);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、安息香酸ブチル、ドデシルベンゼン);ケトン(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン);エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよびテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサラン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル);アルコール(例えば、2−メトキシ−エタノール、2−ブトキシエタノール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、α−テルピネオール、ベンジルアルコール、2−ヘキシルデカノール);エステル(例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸ブチル、アジピン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、ジエチレングリコールモノブチルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソブチル酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート);およびアミド(例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびN,N−ジメチルアセトアミド);グリコール誘導体(例えば、セロソルブ、ブチルセロソルブ);グリコール(例えば、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;トリエチレングリコール;ヘキシレングリコール;1,5−ペンタンジオール);グリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルカルビトール、ブチルカルビトール);および石油溶媒(例えば、石油エーテル、ナフサ)から選択される有機溶媒である。より好ましくは、本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用される溶媒はメチルエチルケトン;2−プロパノール;プロピレングリコールモノメチルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート;乳酸エチルおよび2−ヒドロキシイソブチル酸メチルから選択される有機溶媒である。最も好ましくは、本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用される溶媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
【0034】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は場合によっては増粘剤をさらに含む。好ましくは、硬化性アミンフラックス組成物は増粘剤を0〜30重量%含む。本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用される増粘剤は、非硬化性樹脂材料(すなわち、分子あたり2個未満の反応性官能基)、例えば、非硬化性ノボラック樹脂から選択されうる。硬化性アミンフラックス組成物に使用される増粘剤は、好ましくは、(その未硬化形態の)樹脂成分によって示されるより大きな粘度を示す。存在する場合には、増粘剤は硬化性アミンフラックス組成物の全重量を基準にして0.1〜35重量%の量で使用されうる。
【0035】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は場合によってはチキソトロープ剤をさらに含む。好ましくは硬化性アミンフラックス組成物はチキソトロープ剤を1〜30重量%含む。本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用されるチキソトロープ剤は脂肪酸アミド(例えば、ステアラミド、ヒドロキシステアリン酸ビスアミド);脂肪酸エステル(例えば、キャスターワックス、ビーズワックス、カルナウバワックス);有機チキソトロープ剤(例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジグリセリンモノオレアート、ジグリセリンラウラート、デカグリセリンオレアート、ジグリセリンモノラウラート、ソルビタンラウラート);無機チキソトロープ剤(例えば、シリカ粉体、カオリン粉体)から選択されうる。好ましくは、使用されるチキソトロープ剤はポリエチレングリコールおよび脂肪酸アミドから選択される。
【0036】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、場合によっては、無機充填剤をさらに含む。無機充填剤は、アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、コージライト、リチウムアルミニウムケイ酸塩、アルミン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレイ、タルク、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、コロイダルシリカ、溶融石英、ガラス粉体、石英粉体およびガラスミクロスフェアから選択されうる。存在する場合には、本発明の硬化性アミンフラックス組成物は無機充填剤を好ましくは0〜70重量%(より好ましくは0〜35重量%、さらにより好ましくは0〜20重量%、最も好ましくは0.1〜20重量%)含む。
【0037】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は場合によっては、酸化防止剤をさらに含む。存在する場合には、本発明の硬化性アミンフラックス組成物は酸化防止剤を好ましくは0.01〜30重量%(より好ましくは0.01〜20重量%)含む。
【0038】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、場合によっては、反応性希釈剤をさらに含む。好ましくは、任意の反応性希釈剤は樹脂成分(その未硬化形態)によって示される粘度より低い粘度を示すべきである。反応性希釈剤は好ましくは、一官能性エポキシ(例えば、C6−28アルキルグリシジルエーテル;C6−28脂肪酸グリシジルエステル;C6−28アルキルフェノールグリシジルエーテル)および特定の多官能性エポキシ(例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル;ジグリシジルアニリン)から選択されうる。存在する場合には、反応性希釈剤は樹脂成分の重量を基準にして50重量%未満の量で使用されうる。
【0039】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、場合によっては、従来の気体放出剤(air release agent)をさらに含む。気体放出剤ははんだリフロー中に、はんだ付けされる表面のぬれ性を増大させると考えられる。存在する場合には、気体放出剤は硬化性アミンフラックス組成物の全重量を基準にして1重量%未満の量で使用されうる。
【0040】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、場合によっては、従来の脱泡剤(deforming agent)をさらに含む。脱泡剤ははんだリフロー中にはんだ付けされる表面のぬれ性を増大させ、かつ硬化性アミンフラックス組成物の硬化の際のガス封入欠陥を低減させると考えられる。存在する場合には、脱泡剤は硬化性アミンフラックス組成物の1重量%未満の量で使用されうる。
【0041】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、場合によっては、従来の接着促進剤をさらに含む。従来の接着促進剤には、シラン、例えば、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;γ−アミノプロピルトリトシシラン;トリメトキシシリルプロピル化イソシアヌラート;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;グリシドプロピルジエトキシメチルシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン;N−ベータ−(アミノエチル)−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン;ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン;並びに、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランが挙げられる。存在する場合には、接着促進剤は硬化性アミンフラックス組成物の2重量%未満の量で使用されうる。
【0042】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、場合によっては、従来の難燃剤をさらに含む。従来の難燃剤には、ブロモ化合物(例えば、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモフタル酸無水物、トリブロモフェノール);リン化合物(例えば、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、リン酸トリキシリル、リン酸クレシルジフェニル);金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム);赤リンおよびその修飾生成物;アンチモン化合物(例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン);並びに、トリアジン化合物(例えば、メラミン、シアヌル酸、メラミンシアヌラート)が挙げられる。存在する場合には、難燃剤は硬化性アミンフラックス組成物の0.01〜35重量%(好ましくは0.01〜10重量%)の量で使用されうる。
【0043】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は場合によっては、艶消し剤、着色剤、分散安定化剤、キレート化剤、熱可塑性粒子、UV不透過剤、レベリング剤および還元剤から選択される追加の添加剤をさらに含む。
【0044】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は成分の全てを含むワンパックシステムとして提供されうる。あるいは、硬化性アミンフラックス組成物はツーパックシステムとして提供されることができ、この場合、樹脂成分は第1のパート中に提供され、アミンフラックス剤および場合によって硬化剤は第2のパート中に提供され、第1のパートと第2のパートとが使用前に一緒にされる。
【0045】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は、例えば、電子部品、電子モジュールおよびプリント回路板の製造に使用されうる。硬化性アミンフラックス組成物は、例えば、液体スプレー技術、液体発泡技術、ピックアンドディップ(pick and dip)技術、ウェーブ技術をはじめとする何らかの従来の技術、または液体もしくは半固体をシリコンダイもしくは基体上に分配できる何らかの他の従来の技術によって、はんだ付けされる表面(単一もしくは複数)に適用されうる。
【0046】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物は場合によっては、はんだ粉体をさらに含み、この場合、硬化性アミンフラックス組成物ははんだペーストである。好ましくは、はんだ粉体は、Sn/Pb、Sn/Ag、Sn/Ag/Cu、Sn/Cu、Sn/Zn、Sn/Zn/Bi、Sn/Zn/Bi/In、Sn/Bi、およびSn/Inから選択される合金である(好ましくは、はんだ粉体は63重量%Sn/37重量%Pb、96.5重量%Sn/3.5重量%Ag、96重量%Sn/3.5重量%Ag/0.5重量%Cu、96.4重量%Sn/2.9重量%Ag/0.5重量%Cu、96.5重量%Sn/3重量%Ag/0.5重量%Cu、42重量%Sn/58重量%Bi、99.3重量%Sn/0.7重量%Cu、91重量%Sn/9重量%Zn、および89重量%Sn/8重量%Zn/3重量%Biから選択される合金である)。
【0047】
はんだペーストは、好ましくは、1〜50重量%(より好ましくは5〜30重量%、最も好ましくは5〜15重量%)のアミンフラックス剤および樹脂成分の合計、および50〜99重量%のはんだ粉体を含む。はんだペーストは従来の技術によって、例えば、この操作のための従来の装置を使用して、はんだ粉体をアミンフラックス剤および樹脂成分と混練および混合することによって配合されうる。
【0048】
はんだペーストは、例えば、電子部品、電子モジュールおよびプリント回路板の製造に使用されうる。はんだペーストは、何らかの従来の技術、例えば、はんだプリンターもしくはスクリーンプリンターを用いて、従来のはんだマスクを通して、はんだペーストを印刷することによって、はんだ付けされるべき表面(単一もしくは複数)に適用されうる。
【0049】
本発明の硬化性アミンフラックス組成物に使用される式Iで表されるアミンフラックス剤は当業者に周知の従来の合成技術を使用して製造されうる。
【0050】
本発明の複数の封止された電気的相互接続を形成する方法は、場合によってはフリップチップはんだ付けプロセスの一部分であることができ、この場合には、半導体チップがプリント回路板上に乗せられ、半導体チップが複数の第1の電気接点を含み、かつプリント回路板が対応する複数の第2の電気接点を含む。このフリップチップ方法においては、本発明の硬化性アミンフラックス組成物は複数の第1の電気接点および対応する複数の第2の電気接点のいずれか一方もしくは双方に適用されて、複数の第1の電気接点を対応する複数の第2の電気接点にはんだ結合させ、電気的相互接続を形成するのを容易にする。好ましくは、フリップチップはんだ付け方法は、樹脂成分が硬化され、複数の第1の電気接点と複数の第2の電気接点との間の電気的相互接続を封止する硬化工程をさらに含む。
【0051】
本発明の複数の封止された電気的相互接続を形成する方法の際には、本発明の硬化性アミンフラックス組成物は好ましくは、スムージング適用(smoothing application)を用いるかもしくは用いずに、複数の第1の電気接点上で、プリント回路板上に適用される。はんだは好ましくは、はんだボールの形態で半導体チップ上の対応する複数の第2の電気接点に適用される。次いで、取り付けられたはんだを備えた半導体チップは、硬化性アミンフラックス組成物処理されたプリント回路板の上に配置される。次いで、半導体チップはプリント回路板に対して位置合わせされ、はんだがそのリフロー温度より高く加熱される。リフロー中に硬化性アミンフラックス組成物はフラックスとして機能し、かつプリント回路板上の複数の第1の電気接点へのはんだの接着を促進し、複数の第1の電気接点と対応する複数の第2の電気接点との間の複数の電気的相互接続を形成する。次いで、樹脂成分は硬化されて、この複数の電気的相互接続を封止する。
【0052】
リフロー中に、はんだは溶融し、流れて複数の電気的相互接続を形成する。硬化性アミンフラックス組成物は、好ましくは、はんだが流れた後、複数の電気的相互接続を形成するまでゲル化すべきではない、そうでなければプリント回路板と半導体チップは正確に位置合わせできない。硬化性アミンフラックス組成物中の樹脂成分ははんだリフローの後で完全に硬化して、封止された電気的接続を形成する。
【実施例】
【0053】
ここで、以下の実施例において、本発明のいくつかの実施形態が詳細に説明される。
【0054】
実施例1:アミンフラックス剤の合成
2,6−ジアミノ−2,5,6−トリメチルヘプタン−3−オール アミンフラックス剤が以下の手順を使用して製造された。最初に、2,5,6−トリメチル−2,6−ジニトロヘプタン−3−オール中間体が以下の合成方法を使用して製造された。
【化2】

【0055】
具体的には、3つ口丸底フラスコにスターラーバー、熱電対、窒素入口でキャップされた滴下漏斗、並びに凝縮器を装備させた。次いで、このフラスコに2−ニトロプロパン(50g、0.56mol、5.0当量)および触媒量の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンを入れた。次いで、フラスコの内容物が窒素下で30分間攪拌された。次いで、クロトンアルデヒド(7.9g、9.2mL、0.112mole、1.0当量)が20分間にわたってこのフラスコに滴下添加された。次いで、フラスコの内容物が窒素下で5〜6時間攪拌され、その際に白色固体が観察され、溶液から沈殿した。この時点で、GC分析は反応混合物中にクロトンアルデヒドが存在しないことを示した。フラスコの内容物は窒素下で一晩攪拌された。次いで、この沈殿物が溶液から真空ろ別され、水で充分に洗浄されて、白色固体を得た。この中間体固体は空気乾燥されて、次いで45℃で真空乾燥させられた。望まれる中間体ジニトロアルコールの全収率は72%(27.8g)であった。核磁気共鳴試験(NMR)および液体クロマトグラフィ(LC)はこの中間体が99%を超える純度であったことを示した。
【0056】
第2番目に、次いで、生成物である2,6−ジアミノ−2,5,6−トリメチルヘプタン−3−オール アミンフラックス剤がこの中間体ジニトロアルコールから、以下の合成方法を使用して製造された。
【化3】

【0057】
具体的には、25gの中間体ジニトロアルコールが、触媒として14.2gのRaNi3111を含む200mLのメタノール中に溶解された。次いで、この混合物はオートクレーブ中、60℃、4,137kPa(600psi)の水素圧力下で水素化された。触媒のろ別およびメタノールの除去を含む仕上げ作業の後で、11g(59%収率)の低粘度液体生成物が得られた。NMRおよびガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)で、所望の生成物である、2,6−ジアミノ−2,5,6−トリメチルヘプタン−3−オール アミンフラックス剤の存在を確認した。化学イオン化質量分析(CI−MS)は[M+H]=189を示し、GC分析はこの生成物の純度が94%であったことを示した。この材料の沸点は0.68kPa(5.1torr)で125℃〜135℃であった。13C NMR(CDCl):δ16.8、25.2、27.9、30.8、34.7、42.2、51.8、52.8および77.3ppm。
【0058】
実施例2:アミンフラックス剤の合成
2,6−ジアミノ−2,6−ジメチル−5−フェニルヘプタン−3−オール アミンフラックス剤が以下の手順を使用して製造された。最初に、2,6−ジメチル−2,6−ジニトロ−5−フェニルヘプタン−3−オール中間体が以下の合成方法を使用して製造された。
【化4】

【0059】
具体的には、3つ口丸底フラスコにスターラーバー、熱電対、窒素入口でキャップされた滴下漏斗、並びに凝縮器を装備させた。次いで、このフラスコに2−ニトロプロパン(101.1g、1.14mol、6.0当量)および触媒量の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)を入れた。次いで、フラスコの内容物が窒素下で20分間攪拌された。次いで、トランス−シンナムアルデヒド(25.0g、0.19mole、1.0当量)が20分間にわたってこのフラスコに滴下添加された。このトランス−シンナムアルデヒドの添加中に、約22℃の発熱が観察された。トランス−シンナムアルデヒドの完全な添加の後で、フラスコの内容物は50℃に加熱され、その温度で4時間維持された。次いで、この混合物は室温に冷却された。フラスコの内容物が36.8℃に到達したときに、薄黄色固体が溶液から形成した。次いで、フラスコ内容物がブフナー漏斗を通してろ過され、回収された中間体ジアミノアルコール粉体がペンタンおよびエーテルで充分に洗浄された。次いで、この中間体ジアミノアルコール粉体は真空下で1時間乾燥させられた。所望のジアミノアルコール中間体の全収率は62%(36g)であった。NMR分析はジアミノアルコール中間体が99%を超える純度であったことを示した。H NMR(CDCl):δ1.45−2.27(m,15H)、3.52−3.54(m,1H)、3.67−3.74(m,1H)、7.17−7.34(m,5H)。13C NMR(CDCl):δ20.8、22.4、23.2、25.8、31.3、50.3、72.9、91.5、91.6、128.1、128.7、129.4、136.6ppm。
【0060】
第2番目に、次いで、生成物である2,6−ジアミノ−2,6−ジメチル−5−フェニルヘプタン−3−オール アミンフラックス剤がこのジニトロアルコール中間体から、以下の合成方法を使用して製造された。
【化5】

【0061】
具体的には、50gのジニトロアルコール中間体が、触媒として24.3gのRaNi3111を含む300mLのメタノール中に溶解された。次いで、この混合物はオートクレーブ中、60℃、4137kPa(600psi)の水素圧力下で水素化された。触媒のろ別およびメタノールの除去を含む仕上げ作業の後で、40g(68%収率)の高粘度液体生成物が得られた。NMRおよびガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)で、所望の生成物である、2,6−ジアミノ−2,6−ジメチル−5−フェニルヘプタン−3−オール アミンフラックス剤の存在を確認した。化学イオン化質量分析(CI−MS)は[M+H]=251を示し、GC分析はこの生成物の純度が、オートクレーブからのそのままで78%であったことを示した。存在するこの材料の残りはHenry反応の逆から得られたモノ付加物であると思われた。次いで、この生成物は真空蒸留によって96.2%の純度まで精製された。この精製された生成物の沸点は0.67kPa(5.0torr)で150℃〜160℃であると決定された。H NMR(CDCl):δ0.91−0.99(m,12H)、1.67−1.81(m,3H)、2.71−2.76(m,2H)、7.08−7.23(m,5H)。13C NMR(CDCl):δ24.6、27.9、28.3、29.8、31.6、51.8、52.6、54.2、75.9、126.3、127.8、129.4、142.0ppm。
【0062】
実施例3:アミンフラックス剤の合成
下記式
【化6】

を有するアミンフラックス剤が以下の手順を使用して製造された。具体的には、スターラーバーを備えた反応容器に実施例1の生成物0.05molを入れた。次いで、この反応容器を、磁気攪拌能力があるホットプレート上においた。次いで、この反応容器は窒素で不活性化され、次いで、この反応容器に周囲温度で攪拌しつつ0.1molの2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(モメンティブパフォーマンスマテリアルズから入手可能)が添加された。次いで、ホットプレートの設定温度が75℃に上げられ、この反応容器の内容物が2時間攪拌し続けられた。次いで、このホットプレートの設定温度が140℃に上げられ、反応容器の内容物が2時間以上攪拌し続けられた。次いで、ホットプレートの設定温度が80℃に下げられ、反応容器を真空吸引し、容器内の圧力を30mmHgまで下げた。反応容器の内容物はこの条件下でさらに2時間攪拌し続けられ、生成物フラックス剤を提供した。25℃で開始し、10℃/分の温度勾配を使用する熱重量分析(TGA)によって、250℃に加熱した際のこの生成物フラックス剤からの重量喪失パーセントが測定された。生成物フラックス剤について測定された重量喪失(WL)は9重量%であった。
【0063】
実施例4:アミンフラックス剤の合成
下記式
【化7】

を有するアミンフラックス剤が以下の手順を使用して製造された。具体的には、スターラーバーを備えた反応容器に実施例2の生成物0.05molを入れた。次いで、この反応容器を、磁気攪拌能力があるホットプレート上においた。次いで、この反応容器は窒素で不活性化され、次いで、この反応容器に周囲温度で攪拌しつつ0.1molの2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(モメンティブパフォーマンスマテリアルズから入手可能)が添加された。次いで、ホットプレートの設定温度が75℃に上げられ、この反応容器の内容物が2時間攪拌し続けられた。次いで、このホットプレートの設定温度が140℃に上げられ、反応容器の内容物が2時間以上攪拌し続けられた。次いで、ホットプレートの設定温度が80℃に下げられ、反応容器を真空吸引し、容器内の圧力を30mmHgまで下げた。反応容器の内容物はこの条件下でさらに2時間攪拌し続けられ、生成物フラックス剤を提供した。25℃で開始し、10℃/分の温度勾配を使用する熱重量分析(TGA)によって、250℃に加熱した際のこの生成物フラックス剤からの重量喪失パーセントが測定された。生成物フラックス剤について測定された重量喪失(WL)は5重量%であった。
【0064】
実施例5〜6:硬化性アミンフラックス組成物の製造
実施例3〜4のそれぞれに従って製造されたアミンフラックス剤が個別に、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの液体エポキシ樹脂反応生成物(ザダウケミカルカンパニーからD.E.R.商標331商標として入手可能)と1:3重量比で混合されて、それぞれ実施例5および6の硬化性アミンフラックス組成物を形成した。
【0065】
実施例7:フラックス能力の評価
実施例5〜6に従って製造された硬化性アミンフラックス組成物のフラックス能力が、以下の手順を用いて評価された。各評価において、はんだ付けされる電気接点として銅クーポンが使用された。この銅クーポンのそれぞれについてはんだ付けされる表面は(1)まず、微細紙やすり(600グリット)で研磨し、(2)次いで、5%過硫酸NH溶液でクリーニングし、(3)次いで脱イオン水ですすぎ、(4)次いで、30秒間1%ベンゾトリアゾール溶液中に浸漬し、並びに(5)次いで、窒素でブロー乾燥させることによって前処理された。銅クーポンの前処理の後で、それぞれ1種類の硬化性アミンフラックス組成物の小滴が個々に、1枚の銅クーポンのはんだ付けされる表面上に分配された。鉛を含まないはんだ(95.5重量%Sn/4.0重量%Ag/0.5重量%Cu)の直径0.381mmのボール4つが、各銅クーポン上のフラックス組成物の液滴中に配置された。使用されたこの鉛を含まないはんだの溶融範囲は217〜221℃である。次いで、この銅クーポンは、145℃に予備加熱されたホットプレート上に置かれ、そこで2分間保持された。次いで、この銅クーポンは260℃に予備加熱された別のホットプレート上に配置され、そこではんだがリフロー条件(存在するフラックス組成物に応じて45秒〜3分)に到達するまで保持した。次いで、この銅クーポンは加熱から取り外され、(a)元々配置された4つのはんだボールの融合および合体の程度、(b)フローおよび広がりを評価するための得られた合体したはんだのサイズ、並びに(c)銅クーポンの表面へのはんだの結合によって評価された。これらフラックス組成物およびヒドロキシステアリン酸参照材料のフラックス能力を説明するために、以下のような0〜4の等級が使用された:
【0066】
0=はんだ滴どうしの融合なし、およびはんだは銅クーポンと結合せず;
1、2=はんだ滴どうしの部分的〜完全な融合、しかしはんだは銅クーポンと結合せず;
3=はんだ滴どうしの完全な融合、しかし最小限のはんだの広がりおよびフロー;
4=はんだ滴どうしの完全な融合、銅クーポンの表面上での良好なはんだの広がりおよびフロー、並びに銅クーポンへのはんだの結合。
【0067】
アミンフラックス組成物の評価の結果は表2に提供される。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子あたり少なくとも2つのオキシラン基を有する樹脂成分;
式I:
【化1】

(式中、R、R、RおよびRは独立して水素、置換C1−80アルキル基、非置換C1−80アルキル基、置換C7−80アリールアルキル基、および非置換C7−80アリールアルキル基から選択され;RおよびRは独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択されるか、またはRとRはそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている;R10およびR11は独立してC1−20アルキル基、置換C1−20アルキル基、C6−20アリール基および置換C6−20アリール基から選択されるか、またはR10とR11はそれらが結合している炭素と一緒になってC3−20シクロアルキル環を形成し、場合によっては当該C3−20シクロアルキル環はC1−6アルキル基で置換されている;並びに、Rは水素、C1−30アルキル基、置換C1−30アルキル基、C6−30アリール基および置換C6−30アリール基から選択される)で表されるアミンフラックス剤;並びに、
場合によっては硬化剤;
を当初成分として含む硬化性アミンフラックス組成物。
【請求項2】
、R、RおよびRの置換C1−80アルキル基および置換C7−80アリールアルキル基における置換が、−OH基、−OR基、−COR−基、−COR基、−C(O)R基、−CHO基、−COOR基、−OC(O)OR基、−S(O)(O)R基、−S(O)R基、−S(O)(O)NR基、−OC(O)NR基、−C(O)NR基、−CN基、−N(R)−基、および−NO基の少なくとも1種から選択され;RがC1−28アルキル基、C3−28シクロアルキル基、C6−15アリール基、C7−28アリールアルキル基、およびC7−28アルキルアリール基から選択され;Rが、水素、C1−28アルキル基、C3−28シクロアルキル基、C6−15アリール基、C7−28アリールアルキル基、およびC7−28アルキルアリール基から選択される;
請求項1に記載の硬化性アミンフラックス組成物。
【請求項3】
、R、RおよびRの1〜3つが水素である請求項1に記載の硬化性アミンフラックス組成物。
【請求項4】
、R、RおよびRが独立して水素、−CHCH(OH)R18、および−CHCH(OH)CH−O−R18基から選択され;R18が水素、C1−28アルキル基、C3−28シクロアルキル基、C6−28アリール基、C7−28アリールアルキル基、およびC7−28アルキルアリール基から選択され;RおよびRは両方ともメチル基であり;R10およびR11は両方ともメチル基であり;並びにRはメチル基およびフェニル基から選択され;並びにR、R、RおよびRの0〜3つが水素である請求項1に記載の硬化性アミンフラックス組成物。
【請求項5】
およびRの一方が水素であり、かつRおよびRの一方が水素である請求項4に記載の硬化性アミンフラックス組成物。
【請求項6】
溶媒をさらに含み、当該溶媒が炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル、アルコール、エステル、アミド、グリコール、グリコールエーテル、グリコール誘導体および石油溶媒から選択される有機溶媒である、請求項1に記載の硬化性アミンフラックス組成物。
【請求項7】
増粘剤、チキソトロープ剤、無機充填剤、酸化防止剤、反応性希釈剤、気体放出剤、脱泡剤、接着促進剤、および難燃剤の少なくとも1種をさらに含む、請求項1に記載の硬化性アミンフラックス組成物。
【請求項8】
艶消し剤、着色剤、分散安定化剤、キレート化剤、熱可塑性粒子、UV不透過剤、レベリング剤および還元剤から選択される追加の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の硬化性アミンフラックス組成物。
【請求項9】
はんだ粉体をさらに含む請求項1に記載の硬化性アミンフラックス組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の硬化性アミンフラックス組成物を提供し;
複数の第1の電気接点を提供し;
対応する複数の第2の電気接点を提供し;
はんだを提供し;
複数の第1の電気接点および対応する複数の第2の電気接点の少なくとも一方に硬化性アミンフラックス組成物を適用し;
複数の第1の電気接点を対応する複数の第2の電気接点の近くに配置し;
はんだをそのリフロー温度より高く加熱し、溶融したはんだを形成し、そして複数の第1の電気接点および対応する複数の第2の電気接点を溶融したはんだに曝露させ;
複数の第1の電気接点および対応する複数の第2の電気接点における硬化性アミンフラックス組成物を溶融したはんだで置き換えて、そして複数の第1の電気接点と対応する複数の第2の電気接点との間の複数の電気的相互接続を形成し;並びに
樹脂成分を硬化させ、複数の電気的相互接続を封止する;
ことを含む、封止された金属接続を形成する方法。

【公開番号】特開2012−135814(P2012−135814A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−260167(P2011−260167)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【出願人】(591252611)アンガス ケミカル カンパニー (32)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】