説明

硬化性カバーコート組成物、その組成物から得られる硬化生成物及びその硬化生成物の製造方法

硬化性カバーコート組成物は、エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマと光開始剤組成物と硬化剤とを含有する。前記オリゴマにおいてエステル基は、アクリレート基またはメタクリレート基または両方の基を含む。硬化性カバーコート組成物は、2液組成物で形成し得る。これら2液は使用前に混合される。これら2液は貯蔵寿命を確実に長くするため別々に貯蔵される。さらに、これら2液を相異なる比で混合することにより、小さな収縮性と大きなフレキシビリティと長寿命とが望まれている広範な商業的用途のプリント回路基板に使用し得る硬化されたカバーコートが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、硬化性カバーコート組成物、その硬化性カバーコート組成物から得られる硬化生成物、およびその硬化生成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者向け電子商品とコンピュータの需要増加に対応し、プリント回路基板に使用する感光性画像形成インクまたはカバーコート(covercoat)に対する需要が増加してきている。これらの感光性画像形成インクまたはカバーコートは一般に紫外線(UV)硬化性または熱硬化性組成物であり、印刷すべき回路基板にコーティングし、次いでUV放射または熱を使用して硬化し得るものである。例えば、ヨコシマ(Yokoshima)などの米国特許第5,702,820号には、光重合性開始剤、硬化成分、および不飽和基を有するポリカルボン酸樹脂を含有する感光性画像形成インクが開示されている。上記ポリカルボン酸樹脂を、熱またはUV光を使用してエポキシ化合物のような硬化性成分と反応させ、プリント回路基板に用いられるフォトレジストまたはソルダーレジストを形成する。同様に、カマヤチ(Kamayachi)らの米国特許第5,009,982号には、光硬化性、熱硬化性のインクが開示されており、このインクは、開始剤、希釈剤、および多塩基性酸無水物を含むものである。この多塩基性酸無水物は、ノボラックエポキシ樹脂化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物である。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,702,820号明細書
【特許文献2】米国特許第5,009,982号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商業的に入手可能な感光性画像形成カバーコートの幾つかは、多岐にわたる電子製品に適用するのに有用ではあるが、欠点も幾つか見出され、適用は限定的である。これらの欠点の主なものは、硬化されたインクの脆性が大きいことで、この理由で塗布インクの有効寿命が短くなるとともに、柔軟なプリント回路基板には使用さえも不可能である。他の欠点の一つは、硬化の際に起こり得る収縮現象であり、回路の平面性が損なわれる。従って、脆性が少なく、延性が大きく、硬化の際の収縮性が小さい感光性画像形成インクのニーズが存在する。このようなインクがあれば、電子製品およびコンピュータのような他の商品の有効寿命の延長が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の欠陥と欠点は、エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマを約5〜約95重量%含有の硬化性カバーコート組成物を用いることによって緩和される。前記オリゴマにおいて、エステルグループはアクリレート官能性またはメタクリレート官能性または両方の官能性を有し、光開始剤組成物を約0.02〜約16重量%と硬化剤を約1〜約50重量%含有する。以上の量はすべて硬化性カバーコート組成物全重量基準である。
【0006】
硬化されたカバーコートを形成する方法の一つは、硬化性カバーコート組成物を対象物にコーティングし、放射源を用いてフィルムを硬化させるステップを含む。
【0007】
硬化性カバーコート組成物は、2液組成物とし得る。使用の直前にこれらの2液を混合する。これら2液を別々に貯蔵すれば、製品の貯蔵寿命は確実に延び得る。さらに、これら2液を相異なる比で混合すれば、小さな収縮性、大きなフレキシビリティ、そして長寿命が望まれる広範囲の商業的適用におけるプリント回路基板に使用し得る硬化されたカバーコートが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
硬化性カバーコート組成物は、エステル化されたスチレン無水マレイン酸オリゴマ、光開始剤、および硬化剤を含む。思いがけず見出されたことであるが、硬化すると、カバーコートは、同様な市販のカバーコートに比較して柔軟性が改良され(すなわち、脆性が減少し)、収縮性が減少した。他の利点の一つは、光開始剤を活性化させるのに用いられる波長ではオリゴマは比較的透明度が大きいので、オリゴマはUV放射線をそれほど吸収しないということである。従って、硬化反応は、より効率的である。硬化にUVエネルギが少ししか要らないので、より少ないUV照射量で済む。実用的意味では、UV照射量が少ないということは、コーティング生成が高速で進行するということを意味する。
【0009】
硬化性カバーコート組成物に使用されるエステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマは、ヒドロキシアクリレートまたはヒドロキシメタクリレートとの反応によって修飾され、カルボン酸官能性とアクリレートまたはメタクリレート官能性を有する反応性オリゴマが得られたスチレン無水マレイン酸オリゴマである。カルボン酸官能性により、アルカリ水溶液に対する溶解性が得られ、一方、アクリレートまたはメタクリレート官能性を有することで、光化学で励起される架橋結合を得ることが可能となる。これらの官能性は両方とも、水溶性であり、硬化性カバーコートとして使用の前に水溶液の形で存在し得る硬化性カバーコート組成物を製造するのに望ましい。
【0010】
以下の式(I)のスチレン無水マレイン酸オリゴマは、スチレンと無水マレイン酸の間との反応により製造し得る。
【化1】


式中、nは2〜約20,好ましくは約8〜約12、xは1〜4である。硬化性カバーコート組成物に使用されるスチレン無水マレイン酸オリゴマは、スチレン:無水マレイン酸のモル比が約1:4〜約4:1の範囲である。スチレン:無水マレイン酸のモル比は約1:2〜約2:1が好ましく、約1:1.5〜約1.5:1が、より好ましく、スチレン:無水マレイン酸のモル比は約1:1が最も好ましい。
【0011】
スチレン無水マレイン酸オリゴマは、約115℃〜約155℃のガラス転移温度を有し得る。さらに、スチレン無水マレイン酸オリゴマ全重量基準で約5重量%(wt%)以下、好ましくは約3重量%以下、最も好ましくは約1重量%以下の揮発分を含むスチレン無水マレイン酸オリゴマを使用するのが好ましい。
【0012】
上述のように、式(I)のスチレン無水マレイン酸オリゴマをヒドロキシアクリレートまたはヒドロキシメタクリレートと反応させると、式(II)に示されるようなカルボン酸官能性とアクリレートまたはメタクリレート官能性とを備えるエステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマが得られる。
【化2】


式中、nは約2〜約20、xは約1〜約4、x:(y+z)のモル比は約4:1〜約1:4、好ましくは約2:1〜約1:2、yは好ましくは約0.1〜約0.9、zは好ましくは約0.1〜約0.9、この場合y+zは1で、Rはアクリレート官能性またはメタクリレート官能性または両方の官能性を有する残基で、好ましくはRは、無水物と反応し得る少なくとも一つの基を有するアクリレートまたはメタクリレート、好ましくはヒドロキシアクリレートまたはヒドロキシメタクリレートから誘導される1価の残基である。
【0013】
スチレン無水マレイン酸オリゴマとの反応に使用し得るヒドロキシアクリレート類またはヒドロキシメタクリレート類の好適な例としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、フェニルグリシジルエーテルのアクリレート、フェニルグリシジルエーテルのメタクリレートおよびこれらのアクリレート類の少なくとも一つを組合せたものが挙げられる。
【0014】
式IIのエステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマは一般に、約60℃〜約125℃の範囲のガラス転移温度、約95meq/kg〜約300meq/kgの範囲の酸価を有する。一般に、エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマ全重量基準で約8重量%以下、好ましくは約6重量%以下、最も好ましくは約5重量%以下の揮発分を含むエステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマを使用するのが好ましい。エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマの分子量は約1,000グラム/モル以上、好ましくは約2,000グラム/モル以上であり得る。一般に、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定による約15,000グラム/モル以下、好ましくは約13,000グラム/モル以下、最も好ましくは約11,000グラム/モル以下の分子量を有するエステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマを使用するのが望ましい。最も好ましいエステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマは、xが約1〜約2、yが約0.1〜約0.5、zが約0.5〜約0.9で、(y+z)=約1のものであり、より好ましくはxが約1、(y+z)が約1のものである。特に好適なオリゴマは、サートマー(Sartomer)社からSB405R(登録商標)(SARBOX405)として市販されている。
【0015】
エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマは、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約5重量%以上、好ましくは約7重量%以上、より好ましくは約10重量%以上の量で存在し得る。エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマは、また、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約99重量%以下、好ましくは約95重量%以下、より好ましくは約90重量%以下の量で存在し得る。
【0016】
硬化性カバーコート組成物中の光開始剤組成物は、光との協力で重合を開始させ得る光開始剤を含む。このような光開始剤の好適な例は以下に挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、光開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、およびベンゾインイソプロピルエーテルのようなベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、およびN,N−ジメチルアミノアセトフェノンのようなアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、および2−アミノアントラキノンのようなアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、および2,4−ジイソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン類、メチル−1−[4−(メチルチオフェニル)]−2−モルホリンプロパン−1−オンのようなモルホリン誘導体、アセトフェノンジメチルケタールおよびベンジルジメチルケタールのようなケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス−ジエチルアミノベンゾフェノンのようなベンゾフェノン類、そしてミヒラーズ(Michler's)ケトン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、アシルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドのような他の薬剤、およびこれらの光開始剤の少なくとも一つを組合せたものが挙げられる。
【0017】
光開始剤は、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約0.01重量%以上、好ましくは約0.1重量%以上、より好ましくは約1重量%以上の量で存在し得る。光開始剤は、また、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約8重量%以下、好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約3重量%以下の量で存在し得る。
【0018】
光開始剤に加えて、前記光開始剤組成物は、光増感剤(例えば、エチル N,N−ジメチルアミノベンゾエート、イソアミル N,N−ジメチルアミノベンゾエート、ペンチル 4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、およびトリエタノールアミンのような第3アミン類)、UV吸収剤(例えば、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン類、およびベンゾトリアゾール類)、安定剤など、およびこれらの成分の少なくとも一つを組合せた物のような追加の成分を含有し得る。使用量としては、目先の用途次第ではあるが、硬化されたカバーコートに所望の性質を付与し得るに効果的な量である。前記光増感剤は、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約0.01重量%以上、好ましくは約0.1重量%以上、より好ましくは約1重量%以上の量で存在し得る。前記光増感剤は、また、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約8重量%以下、好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約3重量%以下の量で存在し得る。
【0019】
硬化性カバーコート組成物中の硬化剤は、熱またはUV放射を適用することによって硬化し得るものであることが好ましい。硬化剤は、硬化されたカバーコートの特性、例えば、接着性、耐熱性および/またはメッキ抵抗性を改良するために使用し得る。限定するものではないが、具体的な硬化剤の例を挙げれば、メラミン化合物、尿素化合物、ビスフェノールA化合物、グリコルリル(glycoluril)化合物、ジアミン化合物、ベンゾグアナミンのようなトリアジン類、オキサゾリン化合物、およびこれらの硬化剤の少なくとも一つを組合せたものなどがある。本明細書に記載の、例えば、「メラミン化合物」は、メラミン自体に加えて本発明のカバーコート組成物中の硬化剤として好適に用いられるメラミン誘導体を包含する。好適なメラミン化合物の例としては、ヘキサメトキシメラミン(アルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂)、ヘキサブトキシ化メラミン、および縮合ヘキサメトキシメラミンが挙げられ、一方、尿素化合物の好適例は、ジメチロール尿素である。同様にビスフェノールA化合物の好適例は、テトラメチロールビスフェノールAである。また、カバーコート組成物には相異なる硬化剤を組合せたものを使用するのも望ましくはある。好ましい硬化剤の一つは、ヘキサメトキシメラミン(アルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂)であり、CYMEL300樹脂の商品名の下にサイテック(Cytec)社から市販されている。
【0020】
実施の形態の一つでは、硬化剤は、尿素2モルとグリオキサール1モルとの反応で調製されるグリコルリルであり、アメリカンサイアナミド(American Cyanamid)社の米国特許第4,064,191号および第4,105,708号に記載されている通りである。テトラメトキシメチルグリコルリルは、グリコルリルをホルムアルデヒド約4モルと反応させ、次いでメタノールとアルキル化反応を起こさせて製造し得る。
【化3】


(III)
【0021】
好ましいグリコルリル硬化剤は、上記の式(III)に示されるテトラメトキシメチルグリコルリルであり、サイテック社からPOWDERLINK1174として市販されている。
【0022】
前記硬化剤は、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約1重量%以上、好ましくは約2重量%以上、より好ましくは約3重量%以上の量で存在し得る。前記硬化剤は、また、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約50重量%以下、好ましくは約25重量%以下、より好ましくは約20重量%以下の量で存在し得る。
【0023】
硬化されたカバーコートにある種の望ましい特性を付与するために、多くのオプションの成分を、硬化性カバーコート組成物中にさらに追加し得る。これらのオプション成分としては、限定されはしないけれども、促進剤、溶媒、不粘着剤(detackifying agent)、無機フィラーなど、およびこれらの成分の少なくとも一つを組合せたものが挙げられる。
【0024】
促進剤は、熱硬化反応を促進するため硬化性カバーコート組成物にオプションとして使用し得る。促進剤を採用すると、硬化反応に用いられる加熱温度が低下する。好適な促進剤は、強酸で、例えば、フッ化水素酸、トリフリック酸(triflic acid)、p-トルエンスルホン酸および硫酸であり、これらの強酸は、存在するアミンと反応して塩を生成するが不溶解物を形成しない。好適な市販の促進剤としては、CYCAT4040、CYCAT600、およびPOWDERLINKMTSI置換アクリルアミド触媒があるが、これらはすべてニュージャージー州ウェストパターソンにあるサイテック社(Cytec Corporation)から販売されている。促進剤は、使用する場合は、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で最大約5重量%、好ましくは約0.2重量%以上、より好ましくは約0.5重量%以上、最も好ましくは約0.8重量%以上の量で存在し得る。促進剤は、また、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約3重量%以下、より好ましくは約2重量%以下の量で存在し得る。
【0025】
溶媒は、多岐にわたる成分相互の溶解度を改良し、貯蔵寿命を延ばし、及び/または塗布性を改良するために硬化性カバーコート組成物にオプションとして使用し得る。多くの普通使用される溶媒が硬化性カバーコート組成物に使用し得る。例としては、水、トルエン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、2−メトキシエチルエーテル(ジグリム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシブタノール、エトキシブタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2塩基性エステル類、プロピレンカーボネート、γ-ブチロールアセトンなどである。相異なる溶媒を組合せたものも使用し得る。好ましい溶媒はジメチルアセトアミドである。溶媒は、使用する場合は、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約1重量%以上、好ましくは約2重量%以上、より好ましくは約3重量%以上の量で存在し得る。溶媒は、また、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約50重量%以下、好ましくは約30重量%以下、より好ましくは約20重量%以下の量で存在し得る。
【0026】
不粘着剤もオプションであるが、水と溶媒の蒸発後に粘着性のない表面にするために硬化性カバーコート組成物に添加し得る。不粘着剤としては、水溶性または水不溶性のモノマ、オリゴマまたはポリマが用いられ、一般に、硬化の際にフォトレジストのUV露光時間を減らし、架橋密度を高くするために添加し得る。不粘着剤を使用すると、カバーコートの非重合部分の溶解性を改良し、硬化されたカバーコートの光重合部分の強靱性と架橋密度とを改良し得る。好適な不粘着剤モノマとしては、一、二、および三官能基アクリレートとメタクリレートがある。水溶性モノマの好適例としては、サートマー社からSR344(登録商標)として市販のポリエチレングリコールジアクリレート、およびサートマー社からSR9035(登録商標)として市販の高度にアルコキシ化されたトリアクリレートがある。水不溶性アクリレートモノマの好適例は、サートマー社からSR244(登録商標)として市販の2−メトキシエチルアクリレートである。水不溶性の三官能基アクリレートモノマの好適例は、サートマー社からSR295(登録商標)として市販のペンタエリスリトールテトラアクリレートである。好適な不粘着剤ポリマは、モンサント(Monsanto)社からSCRIPSET550(登録商標)として市販のスチレン/無水マレイン酸コポリマで、スチレン:無水マレイン酸モノマが1:1の比の反応物から合成され、約105,000グラム/モルの分子量を有しているものである。
【0027】
不粘着剤は、使用する場合は、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約1重量%以上、好ましくは約5重量%以上、より好ましくは約10重量%以上の量で存在し得る。不粘着剤は、また、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約50重量%以下、好ましくは約40重量%以下、より好ましくは約30重量%以下の量で存在し得る。
【0028】
硬化性カバーコート組成物は、オプションとしてさらに、低縦横比(低アスペクト比)フィラー、繊維状フィラー、ポリマフィラーなどの一種または複数種のフィラーを含有し得る。本技術に周知のそのようなフィラーの例は、1993年ニューヨークのハンセン出版社(Hansen Publishers)刊行の「プラスチック添加物便覧(Plastic Additives Handbook)、第4版」編者R. Gachter、H.Muller、副編者P.P.Klemchuckに記載されている。限定するものではないが、フィラーの例としては、溶融シリカやヒュームドシリカ(fumed silica)や結晶性シリカや天然シリカ砂や多様なシラン被覆シリカ類のようなシリカ粉;ホウ素窒化物粉やホウ素シリケート粉;アルミニウム酸化物やマグネシウム酸化物;表面処理珪灰石を含む珪灰石;硫酸カルシウム(例えば、その無水物、二水和物、または三水和物として);石墨、石灰石、大理石、および合成沈降炭酸カルシウム類を含む炭酸カルシウム類であって、一般に微粉砕された形状で多くは98+%のCaCOを含有し、残りは炭酸マグネシウム、酸化鉄、アルミノシリケート類のような他の無機物である炭酸カルシウム類;表面処理炭酸カルシウム類;繊維状やモジュール状や針状形や薄板状タルクを含むタルク類;中空および中実のガラス球、および一般にシランカップリング剤のようなカップリング剤を有するおよび/または導電性コーティングを含有する表面処理ガラス球;硬質カオリン、軟質カオリン、仮焼カオリン、および様々にコーティングされたカオリンを含むカオリン;金属処理雲母およびアミノシラン類またはアクリロイルシラン類で表面処理された雲母を含む雲母;長石と霞石閃長岩;シリケート球;セノスフェア(cenosphere);シラン処理および金属処理アルミノシリケートを含むアルミノシリケート(アルモスフェア(armosphere));水晶;珪岩;パーライト;珪藻土;シリコンカーバイド;硫化モリブデン;硫化亜鉛;珪酸アルミニウム(ムライト);合成珪酸カルシウム;珪酸ジルコニウム;チタン酸バリウム;バリウムフェライト;硫酸バリウム;ガラス薄片、シリコンカーバイド薄片、アルミニウム二ホウ化物などの薄片フィラーおよび強化材;処理された鉱物性ファイバー、例えば、珪酸アルミニウム類、酸化アルミニウム類、酸化マグネシウム類、および硫酸カルシウム半水和物のうち少なくとも一つを含むブレンドから誘導され処理された鉱物性ファイバー;および前記フィラーの少なくとも一つを組合せたものが挙げられる。最も好ましいフィラーは、デグッサ社(Degussa Corporation)製造のエアロジル(Aerosil)974のようなヒュームドシリカ類、及び硫酸バリウムのような比較的軟質の無機粒子状フィラーである。
【0029】
フィラーが、硬化性カバーコート組成物に充填されるとき、平均粒径約0.001マイクロメートル(μm)以上、好ましくは約0.01μm以上、最も好ましくは約0.1μm以上を有する粒子状フィラーを使用するのが好ましい。また、平均粒径約50μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下を有する粒状フィラーを使用するのが好ましい。フィラーは、使用する場合は、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約0.01重量%以上、好ましくは約0.02重量%以上、より好ましくは約0.05重量%以上の量で存在し得る。フィラーは、一般に、硬化性カバーコート組成物中に硬化性カバーコート組成物全重量基準で約40重量%以下、好ましくは約30重量%以下、より好ましくは約20重量%以下の量で存在し得る。フィラーをこの組成物に使用する場合は、3軸ロールミルまたは等価の機器で十分に微粉砕して、最大粒径を約5μm未満に減少することができる。
【0030】
硬化性カバーコート組成物は、2液で形成されるシステムとし得る。その1液は、一般に基液または基液組成物と標示され、他の1液は一般に硬化液または硬化液組成物と標示される。基液と硬化液とは、一般に別々に製造される。基液と硬化液それぞれの個々の成分は、一般に高速・強力ミキサで混合される。基液は、エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマと光開始剤組成物を含むのが好ましい。基液に添加され得る他の成分としては、顔料、フィラー、粘度調整剤、脱空気剤(air release agent)、レベリング剤、溶媒、およびこれらの添加物を一つ以上組合せたものが挙げられる。硬化液は、好ましくは硬化剤、触媒、フィラー、粘度調整剤、溶媒、不粘着剤、およびこれらの添加物を一つ以上組合せたものである。フィラーが、硬化性カバーコート組成物に利用される場合、分散と微粉砕をさらに行って、最大径粒子を小さくし得るが、これは3軸ロールミルまたは等価の機器を用いて達成し得る。基液と硬化液とは、一般に、貯蔵寿命を確実に長くするため別々の包装で出荷される。基液と硬化液とは、所望の適用とその適用に望まれる特性に応じて、相異なる比率で混合され得る。一般に、基液:硬化液は、約20:80、好ましくは約50:50、最も好ましくは約70:30の比で混合することが望ましい。
【0031】
実施の形態の一つでは、手順の一つに従って、エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマと光開始剤組成物と硬化剤とを含む硬化性カバーコート組成物を回路基板のようなプリントすべき対象表面に被覆する。この硬化性カバーコート組成物は、スクリーンプリント、スプレー、ローラーコーティング、または他の好適な方法で被覆し得る。硬化性カバーコート組成物を被覆した後、対象物をオーブンに装入し、残った溶媒を蒸発し得る。引火性溶媒除去の好適条件は、例えば、約30〜約60分間約80℃に暖めることである。オーブンから取り出した後、対象物を冷却し、引き続き、乾燥した被膜の上にパターンマスクを設置する。カバーコートが被覆された対象物を、次いでUVランプからの放射線に露光する。露光時間の長さは、マスクで覆われなかった対象物の領域を架橋に至らせるに好適な時間である。ソルダーマスクやフォトレジストを硬化するのにプリント回路工業で一般的に用いられるようなUV源、例えば、水銀蒸気ランプや金属ハロゲンランプなどを用い得る。エネルギの好適量は、約75ミリジュール/平方センチ〜約250ミリジュール/平方センチである。
【0032】
マスクを取り外した後、対象物に現像液、例えば、炭酸ナトリウム現像液を接触させ(すなわち、スプレーし)、対象物の上に記されたパターンを現像する。好適な現像液は1%炭酸ナトリウム液である。UV放射線に露光されたコーティング領域は、架橋が起きているので現像液に不溶であり、ここに硬化されたカバーコートが形成される。マスクで保護された領域は可溶性のままであるので、現像液で取り除かれる。水洗いと乾燥の後、パターンが描かれた硬化されたカバーコートを有する対象物をオーブンで焼き付け、被膜を熱硬化し、最終的な特性を発揮させる。
【0033】
上記の硬化されたカバーコートは、類似の商品に較べて数多くの有利な特性を備えている。硬化されたカバーコートは、破壊伸びは約10%以上、好ましくは約20%以上、より好ましくは約30%以上の値を有する。その上、硬化されたカバーコート組成物は、硬化の間の収縮度が低下し、平坦度が改良される。実施の形態の一つでは、平坦度の変化は、200mmの距離に対し約500μm以下、好ましくは約50μm以下、より好ましくは約0.25μm以下である。なお、この時の条件は、平坦な表面に被覆し、常温で48時間超乾燥・安定化したものである。硬化されたカバーコート組成物は、また、競合する製品と比較すると、同等の光開始剤濃度で、より大きい感光性を示す。この理由は、前記スチレン無水マレイン酸オリゴマが他の樹脂に較べてUV波長に、より透明性があるので、架橋反応が、より少ないUVエネルギで、より効率的に起こるからといえる。好ましくは、硬化を達成するのに利用されるエネルギは、約75ミリジュール/平方センチ以上、好ましくは約80ミリジュール/平方センチ以上、より好ましくは約100ミリジュール/平方センチ以上である。好ましくは、硬化を達成するのに利用されるエネルギは、約250ミリジュール/平方センチ以下、より好ましくは約225ミリジュール/平方センチ以下、最も好ましくは約200ミリジュール/平方センチ以下である。
【0034】
従って、前記硬化性カバーコート組成物は、数多くの商業用途、例えば、硬軟を問わず、プリント回路基板に用い得る。この組成物を用いると、粘着性のない表面が得られ、実質的に平滑で、孔のない被膜が銅のような金属上に得られ、しかも光重合後にはメッキ液やエッチング液に耐えることができる。本開示の多岐にわたる実施の形態については以下の実施例でさらに詳細に記載する。
【実施例】
【0035】
(実施例1)
粘度が低い(すなわち、約500センチポアズ〜約3,000センチポアズ)ことが望ましいスプレー、ロール被覆、スロットダイ被覆によるコーティングに好適な硬化性カバーコート組成物を以下の表1に示されるような基液と硬化液とを含むように製造した。表1に示される重量パーセントは、基液と硬化液と溶媒とを含む硬化性カバーコート組成物全体の重量に対するものである。
【0036】
【表1】

【0037】
基液と硬化液とを、表2に示すように相異なる比率で添加した。組成物を1ミル(1/1,000インチ、25.4μm)の厚さの銅箔にコーティングし、80℃の温度にて30分間オーブンで乾燥した。次いで、金属ハロゲンランプ源からのUV光を使って、これを硬化処理した。エネルギ投入量は、約100〜約200ミリジュール/平方センチであった。試料は、次いで150℃で30分間オーブンに設置し、最終的特性が得られるように硬化処理した。
【0038】
上記銅箔を、塩化第二銅(cupric chloride)/水酸アンモニウムエッチング溶液を使ってフリーカバーコートフィルムを得た。エッチング溶液の温度は50℃に維持し、pH8であった。、次いで、硬化されたフリーカバーコートフィルムを幅0.5インチ(12.7mm)の試料に切断した。引っ張り特性をMTSシステムズ(MTS systems)社製Sintech1/G引っ張り試験機を用いて測定した。ゲージ長さは2インチ(5.08cm)で、試験スピードは1分間当たり2インチ(5.08cm)であった。
【0039】
【表2】

【0040】
(実施例2)
粘度が高い(すなわち、約100ポアズ〜約500ポアズ)ことが望ましいスクリーン印刷によるコーティングに好適な硬化性カバーコート組成物を以下の表3に示されるような基液と硬化液とを含むように製造した。表3に示される重量パーセントは、基液と硬化液と溶媒とを含む硬化性カバーコート組成物全体の重量に対するものである。
【0041】
【表3】

【0042】
この実施例のコーティング液はスクリーン印刷に容易に適用し得るのに必要なレオロジーを有する。基液、硬化液及び混合液の粘度は、それぞれ約135ポアズ、420ポアズ及び200ポアズである。
【0043】
開示の硬化性カバーコート組成物は、スプレー、ロール被覆、スロットダイ被覆、スクリーン印刷を含む様々なコーティング法に好適な粘度を有し得る。他の利点の一つは、光開始剤の活性化に用いられる波長では前記オリゴマは比較的に透明度が高いので、オリゴマは照射したUV放射線をそれほど多くは吸収しないということである。従って、硬化反応は、比較的効率的である。硬化に必要なUVエネルギが少ないので、より少い照射量のUV放射線を使用し得る。実用的意味では、UV放射線の量が少ないということは、コーティング生成が高速で進行することを意味する。より高速のコーティングは、顧客にとって重要な利点である。さらに別の利点は、開示の硬化性カバーコート組成物が、多くの対比し得る市販製品より安価であることである。
【0044】
前記硬化された被膜は、引っ張り強度、破壊伸び、および弾性率(elastic modulus)で測定すると、同様な被膜に比べて改良されたフレキシビリティと機械特性を示す。様々な特性は、例えば、2液システム組成物の基液/硬化液の比を調整することによって調整し得る。フレキシビリティの改良と収縮性の減少が達成されたことは、従来のカバーコートに比較して著しい利点である。
【0045】
以上、本発明は、例示の実施の形態を参照して説明されたが、多岐にわたる変更も行い得るし、本発明の範囲に逸脱することなく本発明の各要素を等価の要素で代替することも可能なことは、当業者には理解されるであろう。さらに、多くの部分修正を行って、本発明の本質的な範囲に逸脱することなく、本発明の教示に特定の状況または材料を適用することも可能である。従って、本発明は、本発明を実施する最良の形態として開示された特定の実施の形態に限定されることなく、前記特許請求の範囲に含まれる実施の形態すべてを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性カバーコート組成物全重量基準で、
エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマを約5重量%〜約95重量%と、
光開始剤組成物を約0.02重量%〜約16重量%と、
硬化剤を約1重量%〜約50重量%と、
を含有し、
前記オリゴマにおいてエステル基がアクリレート官能性またはメタクリレート官能性または両官能性を備えることを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項2】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマが、構造、
【化1】


(式中、
nは約2〜約20、
xは約1〜約4、
x:(y+z)のモル比は約4:1〜約1:4、
yは約0.1〜約0.9、zは約0.1〜約0.9、その際(y+z)は1、
Rはアクリレート官能性またはメタクリレート官能性または両官能性を備える残基)
を有することを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項3】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマが分子量約1,000グラム/モル〜約13,000グラム/モルを有することを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項4】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマが、硬化性カバーコート組成物全重量基準で約10重量%〜約90重量%の量で存在することを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項5】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記光開始剤組成物が、硬化性カバーコート組成物全重量基準で約0.1重量%〜約10重量%の量で存在することを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項6】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記硬化剤が、メラミン化合物、ビスフェノールA化合物、グリコルリル化合物、ジアミン化合物、トリアジン化合物、ベンゾグアナミン化合物、オキサゾリン化合物、またはこれら硬化剤の少なくとも一つを組合せたものであることを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項7】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記硬化剤が、アルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項8】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記硬化剤が、構造、
【化2】


(III)
を有するグリコルリル硬化剤であることを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項9】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記硬化剤が、硬化性カバーコート組成物全重量基準で約3重量%〜約20重量%の量で存在することを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項10】
請求項1の硬化性カバーコート組成物が、硬化性カバーコート組成物全重量基準で、溶媒を最大約50重量%、不粘着剤を最大約50重量%、フィラーを最大約20重量%、またこれら添加物の一つ以上を組合せたものをさらに含むことを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項11】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記硬化性カバーコート組成物が、UV光線を使って硬化されるとき、破壊伸び約10%超を有する硬化されたカバーコートが製造されることを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項12】
請求項1の硬化性カバーコート組成物において、
前記硬化性カバーコート組成物が、基液組成物と硬化液組成物とから構成される2液型組成物であり、前記基液組成物が前記エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマと前記光開始剤組成物とを含み、前記硬化液組成物が前記硬化剤を含むことを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項13】
請求項12の硬化性カバーコート組成物において、
前記基液組成物が、顔料、フィラー、粘度調整剤、脱空気剤、レベリング剤、溶媒、またはこれら添加物の一つ以上を組合せたものをさらに含むことを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項14】
請求項12の硬化性カバーコート組成物において、
前記硬化液組成物が、触媒、フィラー、粘度調整剤、溶媒、不粘着剤、またはこれら添加物の一つ以上を組合せたものをさらに含むことを特徴とする硬化性カバーコート組成物。
【請求項15】
硬化されたカバーコートを形成する方法が、
エステル化スチレン無水マレイン酸オリゴマと、光開始剤組成物と、フィルムを形成する硬化剤と、を含む硬化性カバーコート組成物で対象物をコーティングするステップと、
前記フィルムを放射源を使用して硬化するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15の方法が、
前記フィルムを硬化する前に前記フィルムにマスクを装着し、前記フィルム部分を放射源から保護するステップと、
前記フィルムを硬化した後、現像液を前記フィルムに接触させ、パターンが描かれた硬化されたカバーコートを形成するステップと
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15の方法において、放射源がUV放射線であることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項1の組成物から製造されたことを特徴とする物。
【請求項19】
請求項15の方法で製造されたことを特徴とする物。

【公表番号】特表2006−507398(P2006−507398A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555769(P2004−555769)
【出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/037832
【国際公開番号】WO2004/049065
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(500105311)ワールド・プロパティーズ・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】