説明

硬化性パーフルオロエラストマー組成物の製造方法、硬化性パーフルオロエラストマー組成物およびそれからなる成形品

【課題】架橋速度が改善され、機械的強度に優れた架橋成形品を与える硬化性パーフルオロエラストマー組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)と窒素含有単量体との共重合体であるパーフルオロエラストマー、および(B)40〜330℃でアンモニアを発生させる化合物を含む硬化性組成物を製造するに当り、アンモニア発生化合物(B)をアンモニア発生化合物(B)に親和性を有する溶媒(C)の存在下で他の成分と混合することを特徴とする硬化性パーフルオロエラストマー組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性パーフルオロエラストマー組成物および組成物の製造方法に関する。また、この硬化性組成物を架橋させて得られる成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
含フッ素エラストマー、特にテトラフルオロエチレン(TFE)単位を中心とするパーフルオロエラストマーは、優れた耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性を示すことから、過酷な環境下でのシール材などとして広く使用されている。
【0003】
しかし、技術の進歩に伴い要求される特性はさらに厳しくなり、航空宇宙分野や半導体製造装置分野、化学プラント分野では300℃以上の高温環境下におけるシール性が要求されている。
【0004】
かかる要求に対して、架橋系を工夫して耐熱性を向上させる試みが提案されている。それらの一つの方向として、ニトリル基を架橋点として導入した含フッ素エラストマーを使用し、その硬化反応にアンモニアを用いる方法(特許文献1)およびアンモニアを発生させ得る化合物を用いる方法(特許文献2〜11)が知られている。
【0005】
特許文献1においては、未架橋パーフルオロゴム成形体をガス状または水溶液状のアンモニアに曝露する方法が記載されており、特許文献2〜11では固体状のアンモニア発生化合物、たとえば尿素などをパーフルオロゴム組成物に添加して架橋させている。添加方法については特許文献2〜9には記載はなく、特許文献10〜11では2本ロールを用いて練り込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第00/09569号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/107544号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/038165号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/019153号明細書
【特許文献5】米国特許第5677389号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/261431号明細書
【特許文献7】米国特許第6281296号明細書
【特許文献8】米国特許第5789509号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2006/201613号明細書
【特許文献10】米国特許第6638999号明細書
【特許文献11】米国特許第5565512号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、アンモニア発生化合物を固体状ではなく溶液または分散液の形態でテトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)と窒素含有単量体との共重合体であるパーフルオロエラストマーに添加することにより、得られる硬化性組成物の架橋速度が改善され、しかも得られる架橋成形品の機械的強度が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、
(A)テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)と窒素含有単量体との共重合体であるパーフルオロエラストマー、および
(B)40〜330℃でアンモニアを発生させる化合物
を含む硬化性組成物を製造するに当り、
アンモニア発生化合物(B)をアンモニア発生化合物(B)に親和性を有する溶媒(C)の存在下で他の成分と混合することを特徴とする硬化性パーフルオロエラストマー組成物の製造方法に関する。
【0009】
アンモニア発生化合物(B)としては尿素が好ましく、溶媒(C)としては水(C1)が好ましい。また、窒素含有単量体としてはニトリル基含有単量体が好ましい。
【0010】
本発明はまた、(A)テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)と窒素含有単量体との共重合体であるパーフルオロエラストマー、
(B)40〜330℃でアンモニアを発生させる化合物、および
(C1)水
を含む硬化性パーフルオロエラストマー組成物、さらには該硬化性パーフルオロエラストマー組成物を架橋させて得られる成形品にも関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、架橋速度が改善された特定の硬化性パーフルオロエラストマー組成物、およびその製造方法を提供することができる。本発明の硬化性パーフルオロエラストマー組成物から得られる架橋成形品は、機械的強度に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の製造方法では、特定のパーフルオロエラストマー(A)と特定のアンモニア発生化合物(B)を含む硬化性組成物を製造するに当り、アンモニア発生化合物(B)をアンモニア発生化合物(B)に親和性を有する溶媒(C)の存在下で他の成分と混合することを特徴とする。
【0013】
以下、各成分について説明する。
(A)特定のパーフルオロエラストマー
本発明で用いる特定のパーフルオロエラストマー(A)は、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)と窒素含有単量体との共重合体である。
【0014】
パーフルオロエラストマー(A)におけるPAVE単位の含有量は、樹脂に近い性質とならず、ゴム弾性体としての性質が失われないなどの点から、パーフルオロエラストマー(A)中に18モル%以上であり、20モル%以上が好ましく、23モル%以上がより好ましい。また、高温における圧縮永久歪みに優れる点から、パーフルオロエラストマー(A)中に45モル%以下であり、42モル%以下が好ましく、37モル%以下がより好ましい。
【0015】
この場合のPAVEとしては、たとえばパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、パーフルオロプロピルビニルエーテルなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて用いることができる。これらのなかで、硬化物の機械強度が優れるという点から、PMVEが好ましい。
【0016】
窒素含有単量体単位は、架橋密度を上げ、成形品の機械的強度を向上させる点から、パーフルオロエラストマー(A)中に0.3モル%以上であり、0.4モル%以上が好ましい。また、架橋密度の上昇による伸びの低下を抑える点から、パーフルオロエラストマー(A)中に1.0モル%以下であり、0.7モル%以下が好ましい。
【0017】
窒素含有単量体としては、たとえば、式(1):
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2n−X1 (1)
(式中、mは0〜5の整数;nは1〜3の整数;X1は窒素含有基)で表される単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
【0018】
窒素含有基X1としてはニトリル基、アミノ基などが例示できる。この窒素含有基が、架橋点として機能する。
【0019】
窒素含有単量体の具体例としては、式(2)〜(15):
CY2=CY(CF2n−X1 (2)
(式中、Yは水素原子またはフッ素原子、nは1〜8の整数である)
CF2=CFCF2f2−X1 (3)
(式中、Rf2は−(OCF2n−、−(OCF(CF3))n−であり、nは0〜5の整数である)
CF2=CFCF2(OCF(CF3)CF2m
(OCH2CF2CF2nOCH2CF2−X1 (4)
(式中、mは0〜5の整数、nは0〜5の整数である)
CF2=CFCF2(OCH2CF2CF2m
(OCF(CF3)CF2nOCF(CF3)−X1 (5)
(式中、mは0〜5の整数、nは0〜5の整数である)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))mO(CF2n−X1 (6)
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜8の整数である)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))m−X1 (7)
(式中、mは1〜5の整数)
CF2=CFOCF2(CF(CF3)OCF2nCF(−X1)CF3 (8)
(式中、nは0〜5の整数)
CF2=CFO(CF2nOCF(CF3)−X1 (9)
(式中、nは2〜5の整数)
CF2=CFO(CF2n−(C64)−X1 (10)
(式中、nは1〜6の整数)
CH2=CFCF2O(CF(CF3)CF2O)nCF(CF3)−X1 (11)
(式中、nは0〜5の整数)
CH2=CFCF2OCF(CF3)OCF(CF3)−X1 (12)
CH2=CFCF2OCH2CF2−X1 (13)
CF2=CFOCF(CF3)CF2O(CF2n−X1 (14)
(式中、nは1以上の整数)
CF2=CFOCF2OCF2CF(CF3)OCF2−X1 (15)
(一般式(2)〜(15)中、X1は前記と同じ)で表される単量体などがあげられる。
【0020】
これらの中でも、架橋反応性に優れる点から、架橋点となる窒素含有基がニトリル基であるニトリル基含有単量体が好ましい。
【0021】
また、パーフルオロエラストマー(A)の耐熱性が優れ、また、パーフルオロエラストマーを重合反応により合成する際に、連鎖移動による分子量低下を抑えるために、ニトリル基含有単量体は水素原子を含まないパーフルオロ化合物が好ましい。また、テトラフルオロエチレンとの重合反応性に優れる点からは、CF2=CFO−構造をもつ化合物が好ましい。
【0022】
なかでも、共重合性と加硫性が良好な点から式(6)が好ましく、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF21、CF2=CFO(CF251がより好ましい。
【0023】
なお、X1がニトリル基である場合、式(2)〜(15)で表される単量体は、そのニトリル基が環化三量化反応してトリアジン架橋が進行する。
【0024】
かかるパーフルオロエラストマー(A)の具体例としては、特表平9−512569号公報、国際公開00/29479号パンフレット、特開平11−92529号公報などに記載されているものがあげられる。
【0025】
これらのパーフルオロエラストマー(A)は、常法により製造することができる。また、窒素含有基の導入方法としては、国際公開第00/059959号パンフレットに記載の方法も用いることができる。
【0026】
(B)40〜330℃でアンモニアを発生させる化合物(アンモニア発生化合物)
このアンモニア発生化合物(B)は、架橋反応温度(40〜330℃)で発生したアンモニアがパーフルオロエラストマー(A)の架橋を引き起こすことにより硬化を生じさせる触媒的作用を有し、架橋後に成形品中に構造単位として組み込まれる硬化剤とは異なる。また微量の水と反応して、アンモニアを発生させるものもある。なお、架橋反応温度を40〜330℃とした理由は、40℃未満では、アンモニアを発生させる化合物を混合した硬化性パーフルオロエラストマー組成物の保存安定性に劣る問題があり、330℃を超える場合、成形品の高温下での使用に際して、成型品からアンモニアを発生する問題があるためである。
【0027】
アンモニア発生化合物(B)としては、尿素、アンモニウム塩が好ましくあげられ、アンモニウム塩としては有機アンモニウム塩でも無機アンモニウム塩でもよい。
【0028】
尿素としては、尿素のほか、ビウレア、チオウレア、尿素塩酸塩、ビウレットなどの尿素誘導体も含まれる。
【0029】
有機アンモニウム塩としては、特開平9−111081号公報、国際公開第00/09603号パンフレット、国際公開第98/23675号パンフレットに記載された化合物、たとえばパーフルオロヘキサン酸アンモニウム塩、パーフルオロオクタン酸アンモニウム塩、パーフルオロブチル酸アンモニウム塩、パーフルオロアセチル酸アンモニウム塩、パーフルオロドデカン酸アンモニウム塩、パーフルオロヘキサデカン酸アンモニウム塩などのポリフルオロカルボン酸アンモニウム塩;パーフルオロヘキサンスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオロドデカンスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオロヘキサデカンスルホン酸アンモニウム塩などのポリフルオロスルホン酸アンモニウム塩;パーフルオロヘキサンリン酸アンモニウム塩、パーフルオロオクタンリン酸アンモニウム塩、パーフルオロヘキサンホスホン酸アンモニウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸アンモニウム塩などのポリフルオロアルキル基含有リン酸、ホスホン酸のアンモニウム塩;安息香酸アンモニウム塩、アジピン酸アンモニウム、フタル酸アンモニウム塩などの非フッ素系のカルボン酸またはスルホン酸のアンモニウム塩が例示できる。なかでも、パーフルオロエラストマーへの分散性を考慮するとフッ素系のカルボン酸、スルホン酸またはリン酸のアンモニウム塩が好ましく、安価な点から、非フッ素系のカルボン酸、スルホン酸またはリン酸のアンモニウム塩が好ましい。
【0030】
無機アンモニウム塩としては、特開平9−111081号公報に記載された化合物、たとえば硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどが例示できる。
【0031】
そのほか、アセトアルデヒドアンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、ホルムアミジン、ホルムアミジン塩酸塩、ホルムアミジン酢酸塩、t−ブチルカルバメート、ベンジルカルバメート、HCF2CF2CH(CH3)OCONH2、フタルアミドなども使用できる。
【0032】
これらのアンモニア発生化合物(B)は、単独でも2種以上併用してもよい。
【0033】
なかでもアンモニア発生化合物(B)としては、安価で、安全性が高く、また熱分解性に優れている点から尿素が好ましい。
【0034】
アンモニア発生化合物(B)の添加量は発生するアンモニアの量により適宜選択すればよいが、通常、パーフルオロエラストマー100質量部に対して、0.01〜10質量部であり、0.02〜5質量部であることが好ましく、0.05〜3質量部であることがより好ましい。アンモニア発生化合物が、少なすぎると架橋密度が低くなるため、実用上、充分な耐熱性、耐薬品性を発現しない傾向があり、多くなりすぎると、スコーチの懸念があり保存安定性が悪くなるという問題があり、かつ成形品の色目に透明感がなくなる傾向がある。
【0035】
本発明の製造方法は、以上の特定のパーフルオロエラストマー(A)と特定のアンモニア発生化合物(B)を含む硬化性組成物を製造するに当り、アンモニア発生化合物(B)をアンモニア発生化合物(B)に親和性を有する溶媒(C)の存在下で他の成分と混合することを特徴とする。アンモニア発生化合物(B)をアンモニア発生化合物(B)に親和性を有する溶媒(C)の存在下で他の成分と混合することにより、架橋速度を大きく向上させることができると共に、得られる架橋成形品の機械的強度を向上させることができる。
【0036】
溶媒(C)において、アンモニア発生化合物(B)に親和性を有するとは、たとえばアンモニア発生化合物(B)を溶解、分散、または膨潤する性質を有することであり、たとえば、水(C1)、またはアンモニア発生化合物(B)に親和性を有する有機溶媒(C2)が好ましい。
【0037】
具体的な有機溶媒(C2)としては、たとえばメタノール、エタノール、グリセリンなどのアルコール溶剤などがあげられる。
【0038】
特には、水(C1)が、安価な点や取扱いや除去が容易である点、環境に優しい点などから好ましい。
【0039】
溶媒(C)の使用量は、アンモニア発生化合物(B)の種類や量のほか、後述する硬化剤(D)の量、パーフルオロエラストマー(A)の使用量などによって大きく変動するが、アンモニア発生化合物(B)の分散性をより一層向上させる点から、パーフルオロエラストマー(A)100質量部に対して0.1質量部以上、さらには1.0質量部以上が好ましい。上限は特に限定されないが、パーフルオロエラストマー(A)100質量部に対して500質量部、さらに好ましくは100質量部が採用できる。
【0040】
本発明の製造方法では、アンモニア発生化合物(B)と他の成分との混合をアンモニア発生化合物(B)に親和性を有する溶媒(C)の存在下で行う。アンモニア発生化合物(B)に親和性を有する溶媒(水)を混合時に共存させることにより、常態物性の向上および成形品の外観の向上が認められる。なお、ここで「他の成分」とはパーフルオロエラストマー(A)のほか、任意成分としての硬化剤(D)、充填剤(E)、その他の成分などがあげられる。
【0041】
以下、任意成分としての硬化剤(D)および充填剤(E)について説明する。
【0042】
(D)硬化剤
本発明において、硬化剤は任意成分であり、架橋反応に必須ではないが、架橋成形品の機械的強度、耐熱性、耐薬品性、特に耐熱性と耐薬品性のバランスをよくするために使用してもよい。
【0043】
使用可能な硬化剤(D)としては、たとえば式(16):
【化1】

(式中、R1は−NH2、−NHR2、−OHまたは−SHであり、R2は1価の有機基である)
で示される架橋性反応基を少なくとも2個有する、ビスジアミノフェニル系化合物、ビスアミノフェノール系化合物またはビスアミノチオフェノール系化合物(硬化剤(D1))、
式(17):
【化2】

で示されるビスアミドラゾン系化合物またはビスアミドキシム系化合物(硬化剤(D2))、
式(18):
【化3】

(式中、Rf1は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基である)
で示されるビスアミドラゾン系化合物(硬化剤(D3))、および
式(19):
【化4】

(式中、nは1〜10の整数である)
で示されるビスアミドキシム系化合物(硬化剤(D4))
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化剤があげられる。
【0044】
これらのなかでも、硬化剤(D)としては、式(16)で示される架橋性反応基を少なくとも2個有する硬化剤(D1)が好ましい。
【0045】
式(16)で示される架橋性反応基を少なくとも2個有する硬化剤(D1)は、式(16)で示される架橋性反応基を2〜3個有することが好ましく、より好ましくは2個有するものである。
【0046】
硬化剤(D1)としては、式(16)で示される架橋性反応基を2個有する式(20):
【化5】

(式中、R1は前記と同じ、R7は、−SO2−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基、単結合手、または
【化6】

で示される基である)
で示される硬化剤が、合成が容易な点から好ましい。
【0047】
炭素数1〜6のアルキレン基の好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などをあげることができ、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基としては、
【化7】

などがあげられる。
【0048】
なお、これらの化合物は、特公平2−59177号公報、特開平8−120146号公報などで、ビスジアミノフェニル化合物の例示として知られているものである。
【0049】
これらの中でもより好ましい硬化剤(D1)としては、式(21):
【化8】

(式中、R8は、同じかまたは異なり、いずれも水素原子、炭素数1〜10のアルキル基;フッ素原子を含有する炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基;ベンジル基;フッ素原子および/または−CF3で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基である)
で示される化合物である。
【0050】
具体例としては、限定的ではないが、たとえば2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどがあげられる。これらの中でも、耐熱性が優れており、架橋反応性が特に良好である点から、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンがさらに好ましい。
【0051】
これらのビスアミノフェノール系硬化剤、ビスアミノチオフェノール系硬化剤、ビスジアミノフェニル系硬化剤、ビスアミドラゾン系硬化剤またはビスアミドキシム系硬化剤などは、パーフルオロエラストマー(A)が有する窒素含有基、特にニトリル基などの架橋性官能基と反応し、架橋物を与える。
【0052】
以上に説明した硬化剤(D)は、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、特に耐熱性と耐薬品性にバランスよく優れた架橋物を与えるものである。
【0053】
硬化剤(D)の添加量は、パーフルオロエラストマー(A)100質量部に対して、20質量部以下、さらには10質量部以下であることが好ましく、好ましい下限は0.1質量部、さらには0.5質量部である。硬化剤(D)が、20質量部を超えると、架橋に長時間がかかるうえ、架橋物が硬くなり柔軟性がなくなる傾向がある。
【0054】
(E)充填剤
充填剤(E)としては、有機フィラーがあげられ、耐熱性、耐プラズマ性(プラズマ照射時の低パーティクル性、低重量減少率)の点から有機顔料;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド構造を有するイミド系フィラー;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)などのケトン系エンジニアリングプラスチックが好ましく、特に有機顔料が好ましい。
【0055】
有機顔料としては、縮合アゾ系顔料、イソインドリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料などがあげられるが、それらの中でも、耐熱性、耐薬品性に優れ、成形体特性に与える影響が少ない点から、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料が好ましく、キナクリドン系顔料がより好ましい。
【0056】
さらに、一般的な充填剤を含有していてもよい。一般的な充填剤としては、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾエート、ポリテトラフルオロエチレン粉末などのエンジニアリングプラスチック製の有機物フィラー;酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化チタンなどの金属酸化物フィラー;炭化ケイ素、炭化アルミニウムなどの金属炭化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物フィラー;フッ化アルミニウム、フッ化カーボン、硫酸バリウム、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルクなどの無機物フィラーがあげられる。
【0057】
これらの中でも、各種プラズマの遮蔽効果の点から、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、ポリイミド、フッ化カーボンが好ましい。
【0058】
また、前記無機フィラー、有機フィラーを単独で、または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0059】
充填剤(E)の添加量は、パーフルオロエラストマー(A)100質量部に対して、50質量部以下、さらには40質量部以下であることが好ましく、好ましい下限は10質量部、さらに好ましくは15質量部である。充填剤(E)が、50質量部を超えると、コンパウンドの粘度が上昇し、成形性が低下する傾向がある。
【0060】
本発明の製造方法では、アンモニア発生化合物(B)を溶媒(C)の存在下で他の成分と混合する。
【0061】
ところで、パーフルオロエラストマー(A)に固形物であるアンモニア発生化合物(B)の粉末を混練機やオープンロールなどで直接混練して、アンモニア発生化合物(B)をパーフルオロエラストマー(A)中に分散させる場合、パーフルオロエラストマー(A)はアンモニア発生化合物(B)との相溶性が低いため、練り込んで均一に分散させることは容易ではない。
【0062】
本発明者らは、アンモニア発生化合物(B)と他の成分との混合を溶媒(C)の存在下に行うことにより、アンモニア発生化合物(B)のパーフルオロエラストマー(A)中への分散を均一にすることができることを見出した。溶媒(C)以外の他の成分をドライ混合後に溶媒(C)を添加するときは、アンモニア発生化合物(B)の分散性が著しく低下し、所期の効果が得られない。
【0063】
本発明の製造方法では、アンモニア発生化合物(B)と他の成分との混合を溶媒(C)の存在下に行う以外は、各成分を混合する方法や順序は特に限定されない。
【0064】
溶媒(C)の存在下とは、アンモニア発生化合物(B)と他の成分との混合時点で溶媒(C)が存在していればよく、事前にいずれかの成分と溶媒(C)を混合した後、その余の成分と混合してもよいが、アンモニア発生化合物(B)を溶媒(C)に溶解または分散させた液を他の成分と混合する方法が、アンモニア発生化合物(B)の高分散性の点で特に優れている。
【0065】
溶媒(C)を使用して本発明の組成物の各成分を混合する方法としては、たとえばつぎの方法が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
(2−1)パーフルオロエラストマー(A)とアンモニア発生化合物(B)と溶媒(C)を同時に混合する方法。
【0067】
(2−2)(B)成分と(C)成分を予め混合した後、(A)成分と混合する方法。
【0068】
(2−3)(A)成分の一部と(B)成分と(C)成分を予め混合してマスターバッチとした後、残りの(A)成分と混合する方法。
【0069】
さらに硬化剤(D)や充填剤(E)を配合する場合は、上記の各方法においていずれかの段階で配合すればよい。
【0070】
なお、マスターバッチを調製するために使用するパーフルオロエラストマー(A)は、アンモニア発生化合物(B)の分散性を良好にする点から、全パーフルオロエラストマー(A)の1〜50質量%が好ましい。また、マスターバッチ用に使用するエラストマーの量が少ない場合は、マスターバッチの調製に使用するエラストマーは必ずしもパーフルオロエラストマー(A)でなくてもよく、別のエラストマー、たとえば、混合中にスコーチしないようなエラストマー、たとえば架橋性の窒素含有基を有していないエラストマーを単独で使用または併用してもよい。別のエラストマーとしては、パーフルオロエラストマー(A)と相溶性が良好な点から、パーフルオロエラストマー、さらにはパーフルオロエラストマー(A)において架橋性の窒素含有単量体単位を含まないパーフルオロエラストマーがより好ましい。
【0071】
また、マスターバッチの組成としては、たとえばマスターバッチ用のエラストマー100質量部に対して、アンモニア発生化合物(B)を5〜120質量部、任意成分として硬化剤(D)をマスターバッチに配合する場合は、硬化剤(D)を5〜120質量部配合することが好ましい。
【0072】
各成分を混合する方法としては、パーフルオロエラストマー(A)との混合以外は、通常の撹拌混合法で充分である。
【0073】
マスターバッチの調製、さらにはパーフルオロエラストマー(A)と混合する場合は、通常のエラストマー用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、または、ニーダーなどの密閉式混合機を用いる方法によっても調製することができる。
【0074】
本発明はまた、前記パーフルオロエラストマー(A)と40〜330℃でアンモニアを発生させる化合物(B)と水(C1)を含む硬化性パーフルオロエラストマー組成物にも関する。
【0075】
本発明の組成物における各成分については、上記の製造方法で説明したものが好ましい範囲も含めて例示できる。
【0076】
本発明はまた、本発明の硬化性パーフルオロエラストマー組成物を架橋させて得られる成形品に関する。
【0077】
本発明の硬化性組成物の架橋は、たとえば、金型にて加熱圧縮する方法、加熱された金型に圧入する方法、押出機で押出した後架橋する方法などの通常の方法で行うことができる。架橋も一次架橋、最後に二次架橋の順で行い、成形品を得ることができる。
【0078】
なお、硬化性組成物の混合において使用した溶媒(C)は、硬化(架橋成形)が完了するまでに除去される。溶媒(C)の除去は、乾燥工程を独立工程として設けてもよいし、混合の後半部分または延長として行ってもよいし、硬化(架橋成形)工程の前半部分または最中に行ってもよい。乾燥工程を独立して行う場合は、混合により得られた混合物を乾燥すればよい。乾燥温度は、溶媒(C)が除去できかつ架橋反応が進行しにくい点から、40℃以下が好ましい。また、乾燥時間は、溶媒(C)の除去をできるだけ進める点から、6〜72時間が好ましい。なお、乾燥工程は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
【0079】
一次架橋条件としては、150〜230℃で5〜120分間行うことが好ましく、160〜200℃で5〜60分間行うことがより好ましく、170〜190℃で5〜60分間行うことが特に好ましい。架橋手段としては、公知の架橋手段を用いればよく、たとえばプレス架橋などをあげることができる。
【0080】
二次架橋条件としては、160〜320℃で2〜24時間行うことが好ましく、180〜310℃で4〜20時間行うことがより好ましい。架橋手段としては、公知の架橋手段を用いればよく、たとえばオーブン架橋などをあげることができる。
【0081】
本発明の架橋された成形品は、耐薬品性、耐熱性、さらには機械的強度に優れるため、たとえば半導体製造装置の封止用のシール材などとして好適である。シール材としてはO−リング、角−リング、ガスケット、パッキン、オイルシール、ベアリングシール、リップシールなどがあげられる。
【0082】
なお、本発明でいう半導体製造装置は、特に半導体を製造するための装置に限られるものではなく、広く、液晶パネルやプラズマパネルを製造するための装置など、高度なクリーン度が要求される半導体分野において用いられる製造装置全般を含むものであり、たとえば次のようなものをあげることができる。
【0083】
(1)エッチング装置
ドライエッチング装置
プラズマエッチング装置
反応性イオンエッチング装置
反応性イオンビームエッチング装置
スパッタエッチング装置
イオンビームエッチング装置
ウェットエッチング装置
アッシング装置
(2)洗浄装置
乾式エッチング洗浄装置
UV/O3洗浄装置
イオンビーム洗浄装置
レーザービーム洗浄装置
プラズマ洗浄装置
ガスエッチング洗浄装置
抽出洗浄装置
ソックスレー抽出洗浄装置
高温高圧抽出洗浄装置
マイクロウェーブ抽出洗浄装置
超臨界抽出洗浄装置
(3)露光装置
ステッパー
コータ・デベロッパー
(4)研磨装置
CMP装置
(5)成膜装置
CVD装置
スパッタリング装置
(6)拡散・イオン注入装置
酸化拡散装置
イオン注入装置
【実施例】
【0084】
つぎに本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0085】
本発明における各種特性は以下の方法で測定した。
【0086】
<架橋特性>
実施例および比較例で製造したパーフルオロエラストマー組成物について、ALPHA TECHNOLOGIES社製RPA2000を用いて180℃における架橋曲線を求め、最低トルク(ML)、最大トルク(MH)、誘導時間(T10)および最適架橋時間(T90)を求めた。
【0087】
<常態物性>
実施例および比較例で製造したパーフルオロエラストマー組成物を熱プレス機により180℃にて20分間プレス架橋して厚さ2mmのシートとし、ついでオーブン架橋を200℃にて18時間、250℃にて18時間、または300℃にて18時間行い、3種類の試験サンプルを作製し、JIS−K6251に準じて、100%モジュラス、引張破断強度および引張破断伸びを測定した。
【0088】
<硬度>
常態物性の測定で作製した試験サンプルについて、JIS−K6253に準じて硬度(ショアA硬度)を測定した(ピーク値)。
【0089】
<成形品の外観>
成形品を目視で観察し、色および異物(アンモニア発生化合物の残渣など)の有無を調べた。
【0090】
製造例1(パーフルオロエラストマーの合成)
着火源をもたない内容積6リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水2340gおよび乳化剤として
37OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4
を23.4g、pH調整剤として炭酸アンモニウム0.21gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、52℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=28.6/71.4モル比)を、内圧が0.78MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、CF2=CFO(CF2CF(CF3))OCF2CF2CN0.87gを窒素で圧入後、過硫酸アンモニウム(APS)の12.3gを純水30gに溶解し、窒素で圧入して反応を開始した。
【0091】
以後、重合の進行に伴い、槽内圧力が低下するので、圧力が0.78MPaGになるように、TFEおよびPMVEを圧入し、重合終了するまでにTFE、PMVEを363g及び324gを圧入した。途中、CF2=CFO(CF2CF(CF3))OCF2CF2CN14.89gを17分割して圧入した。重合反応時間は6時間であった。反応終了後、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度22.6質量%の水性分散体2990gを得た。
【0092】
この水性分散体のうち1000gを水1000gで希釈し、3.5質量%塩酸水溶液6000g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後5分間攪拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーをさらに2Kgの1,1-ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)中にあけ、5分間攪拌し、再びろ別した。この後、このHCFC−141bによる洗浄、ろ別の操作をさらに4回繰り返したのち、60℃で72時間真空乾燥させ、225gのパーフルオロエラストマーを得た。
【0093】
19F−NMR(溶融)分析の結果、このパーフルオロエラストマーのモノマー単位組成は、TFE/PMVE/CF2=CFO(CF2CF(CF3))OCF2CF2CN(=63.3/36.2/0.5モル%)であった。
【0094】
実施例1
オープンロールを用い、製造例1で得られたパーフルオロエラストマー100質量部と予め0.3質量部の水に溶解した0.3質量部の尿素を混練して硬化性パーフルオロエラストマー組成物を調製した。
【0095】
この組成物について、架橋特性、常態物性、および成形品の外観について評価を行った。結果を表1に示す。
【0096】
比較例1
オープンロールを用い、製造例1で得られたパーフルオロエラストマー100質量部と尿素0.3質量部を混練して硬化性パーフルオロエラストマー組成物を調製した。
【0097】
この組成物について、架橋特性、常態物性、および成形品の外観について評価を行った。結果を表1に示す。
【0098】
【表1】

【0099】
表1の結果から、尿素と親和性を有する溶媒(水)を併用することにより尿素の単独使用に比べて架橋速度が大幅に向上していることが分かる。さらに、尿素と親和性を有する溶媒(水)の存在により、常態物性の引張破断強度および成形品の外観が向上していることも分かる。
【0100】
実施例2
オープンロールを用い、製造例1で得られたパーフルオロエラストマー100質量部とカーボンブラック(MTカーボン)20質量部と予め0.3質量部の水に溶解した0.3質量部の尿素を混練して硬化性パーフルオロエラストマー組成物を調製した。
【0101】
この組成物について、架橋特性、常態物性を評価した。結果を表2に示す。
【0102】
比較例2
オープンロールを用い、製造例1で得られたパーフルオロエラストマー100質量部とカーボンブラック(MTカーボン)20質量部と尿素0.3質量部を混練して硬化性パーフルオロエラストマー組成物を調製した。
【0103】
この組成物について、架橋特性、常態物性を評価した。結果を表2に示す。
【0104】
【表2】

【0105】
表2の結果から、尿素と親和性を有する溶媒(水)を併用することにより尿素の単独使用に比べて架橋速度が大幅に向上していることが分かる。さらに、尿素と親和性を有する溶媒(水)の存在により、常態物性の引張破断強度と引張破断伸びが向上していることも分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)と窒素含有単量体との共重合体であるパーフルオロエラストマー、および
(B)40〜330℃でアンモニアを発生させる化合物
を含む硬化性組成物を製造するに当り、
アンモニア発生化合物(B)をアンモニア発生化合物(B)に親和性を有する溶媒(C)の存在下で他の成分と混合することを特徴とする硬化性パーフルオロエラストマー組成物の製造方法。
【請求項2】
アンモニア発生化合物(B)が、尿素である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
溶媒(C)が、水(C1)である請求項1または2記載の製造方法。
【請求項4】
窒素含有単量体が、ニトリル基含有単量体である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
(A)テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)と窒素含有単量体との共重合体であるパーフルオロエラストマー、
(B)40〜330℃でアンモニアを発生させる化合物、および
(C1)水
を含む硬化性パーフルオロエラストマー組成物。
【請求項6】
アンモニア発生化合物(B)が、尿素である請求項5記載の組成物。
【請求項7】
窒素含有単量体が、ニトリル基含有単量体である請求項5または6記載の組成物。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれかに記載の硬化性パーフルオロエラストマー組成物を架橋させて得られる成形品。

【公開番号】特開2011−21187(P2011−21187A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144858(P2010−144858)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】