説明

硬化性ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーベースの防汚コーティング組成物

水中汚損環境において物理的に基材の汚損を阻止する方法であって、(i)コポリマー鎖上に位置する少なくとも2個の反応基Xを有する硬化性ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーと、(ii)有機ケイ素架橋剤および/または触媒とを含むコーティング組成物を、前記環境への曝露前に基材上に形成するステップを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ有機シロキサン含有コーティング組成物および該コーティング組成物で被覆された基材を使用した、水中環境において物理的に基材の汚損を阻止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水中に浸漬されるボートの船体、ブイ、掘削基地、乾ドック機器、石油生産リグ、およびパイプ等の人工構造物は、緑藻および褐藻類、フジツボ、イガイ等の水生生物による汚損を受けやすい。そのような構造物は、一般に金属製であるが、コンクリート等のその他の構造材料を含み得る。この汚損は、ボートの船体においては、水を通過する移動の間の摩擦抵抗を増加させ、その結果速度が低下し燃料費が増加するため、有害である。掘削基地および石油生産リグの脚等の静的構造物においては、第1に、厚い汚損層の波および流れに対する抵抗が、予測不可能で潜在的に危険な応力を構造体にもたらす可能性があるため、第2に、汚損は、応力亀裂および腐食等の欠陥に関する構造体の検査を困難とするため、有害である。冷却水吸水口および出口等のパイプにおいては、有効断面積が汚損により低減され、その結果流速が低下するため、有害である。
【0003】
汚損を抑制する商業的に最も成功している方法は、水生生物に対し有毒な物質、例えば塩化トリブチルスズまたは亜酸化銅等を含有する防汚コーティングの使用を伴っている。しかし、水中環境中に放出された場合にそのような毒素が有し得るダメージの影響により、そのようなコーティングは次第に好ましくないとみなされてきている。したがって、著しく有毒な材料を放出しない汚損防止コーティングが必要とされている。
【0004】
例えばGB1,307,001およびUS3,702,778に開示されているように、シリコーンゴムコーティングが水生生物による汚損に耐えることが長年知られている。そのようなコーティングは、生物が容易に付着できない表面を提供すると考えられ、したがってそれらは防汚コーティングというよりも汚損剥離と呼ぶことができる。シリコーンゴムおよびシリコーン化合物は、一般に、毒性が非常に低い。ボートの船体に塗布された場合のこの防汚システムの欠点は、海洋生物の蓄積は低減されるものの、すべての汚損種を除去するためには比較的高い船速が必要であるという点である。したがって、いくつかの場合において、そのようなポリマーで処理された船体からの効果的な剥離のために、少なくとも14ノットの速度で航行する必要があることが示されている。このため、シリコーンゴムは、限られた商業的成功しか収めておらず、これらの環境に優しいコーティングの防汚および汚損剥離特性の改善が必要とされている。
【0005】
US6,906,161は、各分子内のケイ素原子に結合した式−R2−Si(R32−O−(R4O)b−R5の少なくとも1個の側基を有する有機ポリシロキサンを含む、室温硬化性防汚コーティング組成物を開示している。この式において、bは、1〜30の整数であり、R2およびR3は、1〜6個の炭素原子の炭化水素基であり、R4は、2〜4個の炭素原子のアルキレン基であり、R5は、1〜8個の炭素原子の炭化水素基または−R6−SiX3で表される基であり、この式中、R6は、1〜6個の炭素原子の炭化水素基であり、Xは、加水分解性基である。
【0006】
WO2004/081121は、2個の(メタ)アクリル末端基を有するSi含有モノマーを含むモノマー混合物を重合化することにより得られ、二価金属原子を含有するコポリマーを含む防汚コーティング組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】GB1,307,001号明細書
【特許文献2】US3,702,778号明細書
【特許文献3】US6,906,161号明細書
【特許文献4】WO2004/081121号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
静的条件下であっても、特定のコポリマーを含むコーティング組成物を使用することにより、海洋性汚損の物理的阻止がさらに低減され得ることが現在判明している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、水中汚損環境において物理的に基材の汚損を阻止する方法に関し、該方法は、(i)ポリマー鎖上に位置する少なくとも2個の反応基Xを有する硬化性ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーと、(ii)有機ケイ素架橋剤および/または触媒とを含むコーティング組成物を、前記環境への曝露前に基材上に形成するステップを含む。
【0010】
前記基Xが互いに反応性ではない場合、コーティング組成物は、前記基Xと反応性の少なくとも2個の基Yを有する有機ケイ素架橋剤を含有する。さらに、架橋を促進するために触媒も含有し得る。ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーが、互いに反応性ではない反応基Xを1分子あたり2個のみ有する場合、コーティング組成物は、1分子あたり平均して2個を超える反応基Yを有する有機ケイ素架橋剤を含有する。前記基Xが互いに反応性である場合、コーティング組成物は、架橋を促進するために触媒を含有する。さらに、前記基Xと反応性の少なくとも2個の基Yを有する有機ケイ素架橋剤も含有し得る。
【0011】
コポリマーは、Mg、Zn、またはCu等の二価金属の存在を必要としない。したがって、好ましい実施形態において、コポリマーはそのような金属を含有しない。
【0012】
このコーティング組成物は、基材に塗布および硬化されて、被覆基材を形成する。得られるコーティングは、ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー鎖上の架橋部位間の結合により、および/またはポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー鎖上の架橋部位に結合した有機ケイ素架橋部分を介して互いに連結したポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー鎖を有する、非水溶性親水性ポリマーネットワークからなる。好ましい実施形態において、ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー鎖間の架橋は、実質的にSi−O−C連結を有さない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー
本明細書内において、ブロックコポリマーは、互いに連結されたホモポリマーブロックで構成される鎖を有する実質的に線形のコポリマーと定義される。これらのブロックは、任意の様式で、例えば交互またはランダムに連結され得る。好ましくは、ブロックコポリマー中に存在するポリ有機シロキサンブロックは、互いに独立して、5〜30個のシロキサン単位を含有する。より好ましくは、ポリオキシアルキレンブロックは、互いに独立して、2〜30個のオキシアルキレン単位を含有する。
【0014】
第1の好ましい種類のポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーは、PS−(A−PO−A−PS)nの形態のポリ有機シロキサン末端ブロックコポリマーであり、式中、PSは、ポリ有機シロキサンブロックを表し、POは、ポリオキシアルキレンブロックを表し、Aは、二価部分を表し、nは、少なくとも1、好ましくは10〜250の値を有する。
【0015】
その他のブロックコポリマー、例えば、分岐ブロックコポリマー、ポリオキシアルキレン末端ブロックコポリマー、またはポリ有機シロキサンおよびポリオキシアルキレン末端ブロックを有するブロックコポリマー等を使用することができる。好ましい実施形態において、反応基Xはそれぞれ、ブロックコポリマーのケイ素原子上に位置するが、これは、コポリマーが有機ケイ素架橋剤とともに使用される場合は必須ではない。さらにより好ましくは、反応基Xは、コポリマーのポリ有機シロキサンブロックに位置する。架橋可能な反応基Xは、例えば、コポリマーがPS−(A−PO−A−PS)nの形態である場合は特に、コポリマーのポリ有機シロキサンブロックの末端ケイ素原子上に位置することができる。
【0016】
一実施形態において、ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーは、PS’−(A−PO−A−PS’)nの形態を有し、式中、PS’は、式−Si(R’)(R’)−ORのアルコキシ置換ケイ素原子で終端されたポリ有機シロキサンブロックを表し、式中、Rは、1個から4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、各R’は、1個から6個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、または式−ORのアルコキシ基を表す。そのような基の例は、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、メチルジメトキシシリル、ジメチルメトキシシリル、およびジメチルエトキシシリルである。
【0017】
PS−(A−PO−A−PS)nの形態のポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーは、ヒドロシリル化反応において、2個のSi−H基を有するポリ有機シロキサンを、2個のエチレン性不飽和基を含有するポリエーテルと、Si−H基がエチレン性不飽和基より過剰に存在するような量で反応させることにより調製され得る。エチレン性不飽和基とは、式>CH=CHの基を意味する。反応は、一般に、白金族金属またはその化合物等のヒドロシリル化触媒の存在下で行われる。そのようなヒドロシリル化反応から得られる二価部分Aは、ポリエーテルのエチレン性不飽和基に依存して、例えば2個から6個の炭素原子を有するアルキレン部分である。
【0018】
ポリエーテルと反応するポリ有機シロキサンは、分岐していてもよいが、好ましくは、2から250シロキサン単位、より好ましくは2から100シロキサン単位、最も好ましくは4から40シロキサン単位の重合度(DP)を有する、線形ポリジオルガノシロキサンである。ポリ有機シロキサンの有機基は、好ましくは、フェニル基および1個から18個、好ましくは1個から6個の炭素原子を有するアルキル基から選択される。最も好ましくは、Siに結合した有機基の少なくとも90%がメチル基であり、例えば、ポリ有機シロキサンは、Si−H官能性ポリジメチルシロキサンである。ポリ有機シロキサンは、2個を超えるSi−H基を含有し得るが、これは、分岐ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーへとつながりやすい。最も好ましくは、以下の反応スキームで示されるように、ポリエーテルとの反応により、コポリマーのポリ有機シロキサンブロックの末端ケイ素原子上に反応性Si−H基が位置したポリ有機シロキサン末端ブロックコポリマーが生成されるように、ポリ有機シロキサンは、ポリジオルガノシロキサン鎖の各末端に1つずつ、2個のみのSi−H基を有する。
【0019】
【化1】

【0020】
代替として、非末端シロキサン単位上、または末端および非末端シロキサン単位上の両方にSi−H基を有するポリ有機シロキサンを使用することができる。
【0021】
必要とされる親水性を与えるためには、ポリオキシアルキレンブロックにおけるポリオキシアルキレン単位の少なくとも50%がオキシエチレン単位であることが好ましい。したがって、ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーを調製するために使用されるポリエーテルがポリエチレンオキシドであることが好ましいが、大多数のポリオキシエチレン単位を有するポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)コポリマーもまた使用可能である。ポリエーテルのエチレン性不飽和基は、例えば、アリル、ビニル、ヘキセニル、またはイソブテニル基であってもよい。好ましいポリエーテルの一例は、ポリエチレングリコールジアリルエーテルである。ポリエチレンオキシドは、好ましくは、4から100、より好ましくは4から40オキシエチレン単位の重合度を有する。
【0022】
ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーにおけるシロキサン単位に対するオキシアルキレン単位、例えばオキシエチレン単位のモル比は、好ましくは、0.05:1から0.5:1の範囲内である。
【0023】
Si−H官能性ポリ有機シロキサンおよびエチレン性不飽和基含有ポリエーテルは、好ましくは、1.5:1から6:1、より好ましくは2:1から4:1の範囲内のエチレン性不飽和基に対するSi−H基のモル比で反応する。反応は周囲温度下で行うことができるが、60℃から200℃、例えば100℃から150℃の範囲内の高温が好ましい可能性がある。反応は、一般に、白金またはロジウム等の白金族金属を含む触媒の存在下で行われる。1つの好ましい白金触媒は、ヘキサクロロ白金酸、または塩化白金酸と末端脂肪族不飽和含有有機ケイ素化合物との反応生成物であり、その他には白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体がある。触媒は、好ましくは、Si−H官能性ポリ有機シロキサン100重量部あたり白金またはロジウム0.00001〜0.5部、最も好ましくは0.00001〜0.002部の量で使用される。
【0024】
代替として、Si−H官能性ポリ有機シロキサンおよびエチレン性不飽和基含有ポリエーテルは、モル過剰のエチレン性不飽和基含有ポリエーテルを使用して、例えば1:1.5から1:6の範囲内のエチレン性不飽和基に対するSi−H基のモル比で反応させることができ、それにより、形態PO−(A−PS−A−PO)n(式中、PO、PSおよびAは、上に定義された通りであり、POブロックは、末端エチレン性不飽和基を有する)のブロックコポリマーが生成される。そのようなブロックコポリマーは、反応性Si−H基を有する有機ケイ素架橋剤、例えばポリ(メチル水素シロキサン)またはメチル水素シロキサンジメチルシロキサンコポリマーにより架橋され、本発明による非水溶性親水性ポリマーネットワークを生成し得る。代替として、末端エチレン性不飽和基は、好適なシランと反応して、反応性基Xに変換され得る。
【0025】
有機ケイ素架橋剤
上述のように、コポリマーのポリ有機シロキサンブロック上に位置する基Xが互いに反応性ではない場合、本発明において使用されるコーティング組成物は、前記基Xと反応性の少なくとも2個の基Yを有する有機ケイ素架橋剤の存在を必要とする。さらに、組成物は、触媒を含有し得る。
【0026】
ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが反応基Xを1分子あたり2個のみ有する場合、組成物は、単に鎖の延長ではなくネットワーク形成(架橋)を補助するために、1分子あたり平均して2個を超える反応基Y、例えば1分子あたり2.5個から6個の反応基を有する有機ケイ素架橋剤を含有する。例えば、有機ケイ素架部分が少なくとも3個の反応基Yを含有する分岐ポリ有機シロキサンである場合、それは少なくとも3個のポリマー鎖と結合し得る。
【0027】
好適な基Xの例は、Si−H基、Si−アルコキシ基、シラノール基、アミン基、カルボン酸基、チオール基、エポキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基、およびエチレン性不飽和基である。これらの基Xの1個または複数と反応性である基Yは、同じリストから選択され得るが、その選択は、選択される基Xとのそれぞれの反応性に依存する。
【0028】
基XがSi−H基である場合
反応基XがSi−H基である場合、有機ケイ素架橋剤は、エチレン性不飽和基Yを含有し得る。そのような有機ケイ素架橋剤は、好ましくはポリシロキサンである。ポリシロキサンは、例えば、式(SiO4/2)のQ単位、式RcSiO3/2のT単位、式Rb2SiO2/2のD単位、および式Ra3SiO1/2のM単位から選択されるシロキサン単位からなることができ、式中、Ra、RbおよびRc置換基は、1個から6個の炭素原子を有するアルキルおよびアルケニル基から選択され、少なくとも3個のRa、Rbおよび/またはRc置換基は、アルケニル単位である。
【0029】
ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーがPS−(A−PO−A−PS)nの形態であり、反応性Si−H基Xがポリ有機シロキサンブロックの末端ケイ素原子上に位置する場合、架橋剤の1つの好適な種類は、少なくとも3個の分岐上に位置するエチレン性不飽和基Yを有する分岐ポリ有機シロキサンである。そのような分岐ポリ有機シロキサンは、一般に、Qおよび/またはT単位、M単位、ならびに任意選択でD単位を含む。アルケニル基は、好ましくは、M単位に存在する。ポリ有機シロキサンは、例えば、式(SiO4/2)の1個または複数のQ単位、式Rb2SiO2/2の0個から250個のD単位、および式Rab2SiO1/2のM単位を含む分岐シロキサンであってもよく、式中、RaおよびRb置換基は、1個から6個の炭素原子を有するアルキルおよびアルケニル基から選択され、分岐シロキサンにおける少なくとも3個のRa置換基は、アルケニル単位である。ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが、比較的長い鎖長のコポリマーである場合、低分子量Q分岐シロキサン架橋剤、例えば、Q単位、4個のジメチルビニルシリルM単位、および0個から20個のジメチルシロキサンD単位を含むビニル官能性Q分岐シロキサンが好ましい可能性があり、該シロキサンは以下の式を有し得る。
【0030】
【化2】

【0031】
ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが、2個を超えるSi−H基を含有する場合、有機ケイ素架橋剤は、2個を超えるエチレン性不飽和基を含有する必要はない。例えば、架橋剤は、ジメチルビニルシリル末端ポリジメチルシロキサン等の2個のエチレン性不飽和基を含有するポリジオルガノシロキサンであってもよいか、または2個のエチレン性不飽和基を含有するそのようなポリジオルガノシロキサンと、少なくとも3個の分岐上に位置するエチレン性不飽和基Yを有する分岐ポリ有機シロキサンとの混合物であってもよい。
【0032】
ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが、Si−H基である反応基Xを含有し、有機ケイ素架橋剤が、エチレン性不飽和基Yを含有する場合、それらは、一般に、白金またはロジウム等の白金族金属を含む触媒の存在下で反応する。好ましい白金触媒は、上述の通りである。触媒は、好ましくは、Si−H官能性ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー100重量部あたり白金またはロジウム0.00001〜0.5部の量で使用される。Si−H基を含有するポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーおよび有機ケイ素架橋剤は、好ましくは、1.5:1から6:1、より好ましくは2:1から4:1の範囲内のエチレン性不飽和基に対するSi−H基のモル比で反応する。架橋反応は、室温で行うことができるが、60℃から200℃の範囲内の高温ではより急速に進行する。
【0033】
Si−H基を含有するポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー、エチレン性不飽和基を含有する架橋剤、および触媒がすべて接触している場合には、架橋反応は周囲温度で進行するため、ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー、架橋剤、および触媒がすべて同じ包装内に一緒となることがないように、そのような反応基をベースとした硬化性コーティング組成物を2個の容器内に包装することが好ましい可能性がある。2個の容器の内容物は、塗布直前に混合することができる。例えば、エチレン性不飽和基を含有する架橋剤とともに触媒を包装し、Si−H基を含有するポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーを別個の容器に入れることができる。代替として、ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーおよび架橋剤を一緒に包装することができ、触媒を別個に、任意選択でポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー成分の一部、または架橋剤成分の一部とともに包装することができる。
【0034】
基XがSi−アルコキシまたはシラノール基である場合
反応基XがSi−アルコキシ基である場合、それらは、(i)水分および触媒の存在下で互いに、または、(ii)存在する場合には、Si−アルコキシもしくはシラノール基である架橋剤上の反応基Yと、反応し得る。反応基Xがシラノール基である場合、それらは、ケイ素に結合したアルコキシ、アセトキシ、ケトオキシム、アミド、またはヒドロキシル基から選択される、架橋剤上の反応基Yと反応し得る。
【0035】
したがって、コーティングは、ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー鎖の末端上のSi−アルコキシ架橋部位から生じるSi−O−Si連結を介して互いに連結した、ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー鎖を含み得る。
【0036】
ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー上の反応基Xは、例えば、式−Si(R’)2−ORの基に存在することができ、式中、Rは、1個から4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、各R’は、1個から6個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、または式−ORのアルコキシ基を表す。そのような基の例は、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、メチルジメトキシシリル、ジメチルメトキシシリル、およびジメチルエトキシシリルである。
【0037】
架橋剤上の反応基Yはまた、式−Si(R’)2(OR)の基に存在することができ、式中、RおよびR’は、上述の意味を有する。その最も単純な形態において、架橋剤は、テトラメチル、テトラエチル、テトラプロピル、もしくはテトラブチルオルトシリケート等のテトラアルキルオルトシリケート、トリアルコキシシラン、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、もしくはn−オクチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、または、ジアルコキシシラン、例えば、ジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジメトキシシランもしくはジメチルジエトキシシラン等のジアルキルジエトキシシランであってもよい。
【0038】
ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが、Si結合アルコキシ基を2個のみ含有する場合、有機ケイ素架橋剤は、2個を超えるSi結合アルコキシ基を含有するべきであり、例えば、それは、少なくとも1個の−Si(OR)3単位を含有するトリアルコキシシランもしくはポリシロキサン(式中、Rは上に定義された通りである)、少なくとも2個の−Si(R”)(OR)2単位を含有するポリシロキサン、または少なくとも3個の−Si(R”)2(OR)単位を含有するポリシロキサン(式中、R”は、1個から6個の炭素原子を有するアルキル基である)であってもよい。
【0039】
ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが、2個を超えるSi結合アルコキシ基を含有する場合、Si結合アルコキシ基を2個のみ含有する有機ケイ素架橋剤および/または2個を超えるSi結合アルコキシ基を含有する有機ケイ素架橋剤を使用することができる。代替として、2個を超えるSi結合アルコキシ基を含有するそのようなポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーは、さらなる架橋剤の必要なく、水分および好ましくは縮合触媒の存在下でのSi−アルコキシ基同士の反応により硬化され得る。
【0040】
2個を超えるSi結合アルコキシ基を含有するポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーは、硬化して非水溶性親水性ポリマーネットワークとなり得る自己架橋性ポリマーである。そのようなコポリマーの例は、−Si(R’2)(OR)2単位で終端されたポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーであり、式中、RおよびR’は上に定義された通りである。例えば、反応性Si(R’)(OR)2単位がポリ有機シロキサンブロックの末端ケイ素原子上に位置するPS−(A−PO−A−PS)nの形態のブロックコポリマー。代替として、Si結合アルコキシ基を含有するポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーは、PO−(A−PS−A−PO)nの形態のブロックコポリマーであってもよい。末端エチレン性不飽和基を有するそのようなブロックコポリマーは、上述のように調製可能であり、式H−Si(R’)2(OR)(式中、RおよびR’は上に定義された通りである)のシランと反応して、エチレン性不飽和基を、それぞれポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー中のケイ素原子に結合した1個、2個、または3個の反応性アルコキシ基を含有する、式−Si(R’)2(OR)の反応基に変換し得る。そのようなシランの例は、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、およびジメチルエトキシシランである。
【0041】
通常、使用される場合には、架橋剤は、有機ポリシロキサン、例えば、式−Si(R’)2(OR)の末端単位、特にR’基の少なくとも1個がアルコキシ基であるそのような末端単位を有するポリジメチルシロキサン等のポリジオルガノシロキサン、または、各分岐が式−Si(R’)2(OR)の基で終端されている分岐ポリ有機シロキサンであることが好ましい。式−Si(R’)2(OR)の反応基で終端されたポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー鎖間のいくつかの架橋は、架橋剤が存在する場合でも生じ得ることが理解される。硬化ポリマー組成物の特性を制御するために、少量の架橋剤を使用することが好ましい可能性がある。例えば、Si−アルコキシ基を含有する分岐ポリ有機シロキサンを添加して、架橋度および/または架橋密度を増加させることができ、これはより硬い硬化ポリマー組成物につながる。比較的鎖長の長いアルコキシ末端ポリジオルガノシロキサン、例えばDP100から250まで、またはさらに500までのポリジメチルシロキサンを添加して、架橋密度を低下させることができ、これはより柔軟な硬化ポリマー組成物につながる。他のアルコキシ官能性ポリ有機シロキサン(複数可)に対するアルコキシ官能性ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーの全体的な割合は、100:0から1:99の範囲内の任意の値となり得る。
【0042】
Si−アルコキシ基は、水分の存在下で互いに反応してSi−O−Si連結を形成する。この反応は、周囲温度下であっても触媒なしに進行し得るが、シロキサン縮合触媒の存在下では極めてより急速に進行する。任意の好適な重縮合触媒を利用することができる。これらには、プロトン酸、ルイス酸、有機および無機塩基、遷移金属化合物、金属塩、ならびに有機金属錯体が挙げられる。
【0043】
シロキサン縮合触媒は、例えば、チタン、ジルコニウム、およびハフニウムから選択される遷移金属の化合物を含み得る。好ましいチタン化合物は、チタネートエステルとしても知られるチタンアルコキシドである。代替として、ジルコニウムアルコキシド(ジルコネートエステル)またはハフニウムアルコキシドを使用することもできる。チタネートおよび/またはジルコネート系触媒は、それぞれ一般式Ti[OR54およびZr[OR54に従う化合物を含むことができ、式中、各R5は、同じであっても異なってもよく、線形でも分岐していてもよい、1個から10個の炭素原子を含有する、一価の第1級、第2級、または第3級脂肪族炭化水素基を表す。任意選択で、チタネートは、部分的に不飽和の基を含有し得る。しかし、R5の好ましい例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第3級ブチル、および、2,4−ジメチル−3−ペンチル等の分岐第2級アルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、各R5が同じである場合、R5は、イソプロピル、分岐第2級アルキル基または第3級アルキル基、特に第3級ブチルである。代替として、チタネートは、キレート化されていてもよい。キレート化は、任意の好適なキレート剤、例えばメチルまたはエチルアセチルアセトネート等のアルキルアセチルアセトネートによるものであってよい。任意の好適なキレート化チタネートまたはジルコネートを利用することができる。好ましくは、使用されるキレート基は、アセチルアセトネートおよびアルキルアセトアセトネート等のモノケトエステルであり、例えば、ジイソプロピルビス(アセチルアセトニル)チタネート、ジイソプロピルビス(エチルアセトアセトニル)チタネート、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のキレート化チタネートを生成する。好適な触媒の例はさらに、EP1254192およびWO200149774に記載されている。
【0044】
触媒として存在するチタネートエステル等の遷移金属化合物の量は、例えば、ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーおよび架橋剤の重量を基準として、0.01〜2%となることができる。
【0045】
本発明における重合反応のための触媒として使用され得るさらなる好適な縮合触媒としては、スズ、鉛、アンチモン、鉄、カドミウム、バリウム、マンガン、亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、アルミニウム、ガリウムまたはゲルマニウムを組み込んだ縮合触媒が挙げられる。例としては、鉄ステアレート、鉛オクトエート(lead octoate)、金属トリフレート、有機スズ金属触媒、例えば酒石酸トリエチルスズ(triethyl tin tartrate)、第1スズオクトエート(stannous octoate)、スズオレエート、スズナフテート(tin naphthate)、ブチルスズトリ−2−エチルヘキソエート、スズブチレート、カルボメトキシフェニルスズトリスベレート(carbomethoxyphenyl tin trisuberate)、イソブチルスズトリセロエートおよびジオルガノスズ塩、特にジオルガノスズジカルボキシレート化合物、例えばジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジブチレート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズジアセテート、ジメチルスズビスネオデカノエート、ジブチルスズジベンゾエート、ジメチルスズジネオデカノエート、ジブチルスズアセトアセトネート、またはジブチルスズジオクトエート等が挙げられる。
【0046】
さらに、触媒は、有機ビスマス、またはビス(2−エチル−ヘキシル)水素ホスフェート等の有機ホスフェートであってもよく、あるいは、酸基に対してα位置にある炭素原子上に少なくとも1個のハロゲン置換基、および/もしくは、酸基に対してβ位置にある炭素原子上に少なくとも1個のハロゲン置換基を有するハロゲン化有機酸、または、縮合反応条件化で加水分解してそのような酸を形成し得る誘導体を含んでもよい。
【0047】
代替として、触媒はルイス酸触媒(「ルイス酸」は、電子対を受け取って共有結合を形成する任意の物質である)、例えば、三フッ化ホウ素、FeCl3、AlCl3、ZnCl2、ZnBr2、式M14f1gの触媒であり、式中、M1はB、Al、Ga、In、またはTlであり、各R4は、独立して同じ(同一)または異なり、6個から14個の炭素原子を有する一価芳香族炭化水素部分を表し、そのような一価芳香族炭化水素部分は、好ましくは、少なくとも1個の電子吸引性元素または−CF3、−NO2もしくは−CN等の基を有するか、あるいは少なくとも2個のハロゲン原子で置換されており;X1はハロゲン原子であり;fは、1、2、または3であり;gは、0、1、または2であり;ただしf+g=3である。そのような触媒の一例は、B(C653である。
【0048】
塩基触媒の一例は、アミンまたは水酸化テトラメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム化合物である。アミン触媒は、単独で、またはスズカルボキシレートもしくは有機スズカルボキシレート等の別の触媒と併せて使用することができ、例えば、ラウリルアミンは、そのようなスズ化合物と併用すると特に効果的となり得る。
【0049】
Si−アルコキシ基を有するポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーおよびSi−アルコキシ基を有する架橋剤は、触媒の存在下であっても水分がないと反応しないため、試薬が乾燥しており容器が防湿性である限り、それらをベースとする硬化性組成物を単一の容器に保存することができる。容器を開けた後、硬化性組成物を表面に塗布することができ、一般に、該組成物は大気中の水分の存在下で硬化する。硬化は、触媒、特にチタンテトラアルコキシドまたはキレート化チタンアルコキシドの存在下で、周囲温度で急速に進行する。
【0050】
本発明による硬化性組成物の1つの種類は、Si−アルコキシ基を含有するポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーと、任意選択で、Si−アルコキシ基を有する架橋剤と、シロキサン縮合触媒とを含み、該組成物は、防湿容器内に包装される。
【0051】
反応性Si−H基で終端されたポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーを生成するためのヒドロシリル化反応は、工場での条件下で容易に行うことができるが、そのようなコポリマーをベースとした系は、周囲温度で急速な硬化を示さない。したがって、Si−H終端ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーを、別の反応基で終端されたコポリマーに変換することが好ましい可能性がある。一般に、Si−H基は、Si−H基、および、Si−Hと反応性ではないが得られるポリマーの反応基Xを形成する、Si−アルコキシ等の別の反応基と反応するエチレン性不飽和基を含有する化合物と反応することができる。例えば、式−Si(R’)2(OR)(式中、RおよびR’は、上述の意味を有する)の反応基を、例えば式Z−Si(R’)2(OR)(式中、Zは、ビニル、アリル、イソブテニル、または5−ヘキセニル等のエチレン性不飽和基である)のエチレン性不飽和アルコキシシランとの反応により、Si−H官能性コポリマー中に導入することができる。そのようなエチレン性不飽和アルコキシシランの例は、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、およびメチルビニルジメトキシシランである。Si−H末端ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが、上に定義された通りの式PS−(A−PO−A−PS)nのコポリマーである場合、PS’−(A−PO−A−PS’)n(式中、PS’は、式−Si(R’)2(OR)のアルコキシ置換ケイ素原子で終端されたポリ有機シロキサンブロックを表し、POは、ポリオキシアルキレンブロックを表し、Aは、二価部分を表し、nは、少なくとも1の値を有する)の形態のポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが生成され得る。Si−H末端ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーの、エチレン性不飽和アルコキシシランとの反応は、Si−H末端ポリ有機シロキサンのエチレン性不飽和ポリエーテルとの反応に関して上述されたのと同じ触媒および反応条件を使用して行うことができる。
【0052】
使用される場合、架橋剤もまた、ヒドロシリル化反応により調製され得る。例えば、Si−H末端ポリ有機シロキサンを、エチレン性不飽和アルコキシシランと反応させることができる。代替として、エチレン性不飽和基を含有するポリ有機シロキサンを、Si−H基および少なくとも1個のSi−アルコキシ基を含有するポリシロキサンと反応させることができる。
【0053】
式Si(R’)(OR)2の反応基で終端されたポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーは、コポリマー鎖の各末端に2個または3個の反応性Si結合アルコキシ基を有する。ネットワークを形成するために官能性の高いまたは分岐した架橋剤と反応させる必要はない。そのようなポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーとともに使用される架橋剤は、例えば、式−Si(R’)(OR)2の基等のSi−アルコキシ基で終端されたポリジメチルシロキサン等のポリジオルガノシロキサンであってもよい。そのようなアルコキシ末端ポリジオルガノシロキサンは、白金族金属触媒の存在下での、Si−H末端ポリジオルガノシロキサンと、式Z−Si(R’)(OR)2のエチレン性不飽和アルコキシシランとの反応により調製され得る。ポリジオルガノシロキサンは、例えば、4から500シロキサン単位の範囲内のDPを有するポリジメチルシロキサンであってもよい。式−Si(R’)(OR)2の反応基で終端されたポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーのための架橋剤は、代替として、または追加的に、−Si(R’)2(OR)基(式中、RおよびR’は、上に定義された通りである)を含有する分岐ポリ有機シロキサンを含み得る。分岐ポリ有機シロキサンは、例えば、各分岐が−Si(R’)2(OR)基で終端されたQ分岐ポリシロキサンであってもよい。そのような分岐ポリ有機シロキサンは、エチレン性不飽和分岐ポリ有機シロキサン、例えば上述のビニル官能性Q分岐シロキサンと、Si−H基および式−Si(R’)2(OR)の基を含有する短鎖ポリシロキサン、例えば式
【0054】
【化3】

のポリシロキサンとの、白金族金属触媒の存在下での反応により形成され得る。代替として、分岐ポリ有機シロキサン架橋剤は、Si−H基を含有する分岐ポリ有機シロキサン、例えば末端ジメチル水素シリル基を有するQ分岐ポリシロキサンと、式Z−Si(R’)(OR)2のエチレン性不飽和アルコキシシランとから調製され得る。
【0055】
アルコキシ末端ポリジオルガノシロキサンとアルコキシ末端Q分岐ポリシロキサンとの混合物を使用することが好ましい可能性がある。
【0056】
追加の成分
本発明において使用されるコーティング組成物は、1種または複数種の賦形剤および/または充填剤、1種または複数種の色素または染料、水分捕捉剤(moisture scavenger)、ならびに非反応性流体をさらに含んでもよい。好適な賦形剤または充填剤の例は、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、焼成シリカ、ベントナイトおよびその他の粘土を含むシリカまたはシリケート(タルク、長石、およびカオリン等)、ならびに、一般に縮合分岐ポリシロキサンである固体シリコーン樹脂、例えば式SiO4/2のQ単位および式RSiO1/2のM単位を含むシリコーン樹脂(式中、R置換基は、1個から6個の炭素原子を有するアルキル基から選択され、M単位 対 Q単位の比は、0.4:1から1:1の範囲内である)である。色素の例は、黒色酸化鉄、二酸化チタン、金属フレーク材料(例えばアルミニウムフレーク等)、または、亜鉛粉または亜鉛合金等のその他のいわゆるバリア色素(barrier pigment)もしくは防食色素を含む。色素体積濃度は、好ましくは、0.5〜25%の範囲内である。
【0057】
好適な非反応性流体は、メチルフェニルシリコーン油等のシリコーン油、石油、ポリオレフィン油、多環芳香族油、ポリテトラフルオロエチレンまたは流体フッ素化アルキルもしくはアルコキシ含有ポリマー等のフルオロ樹脂、あるいはこれらの組合せである。好ましい非反応性流体は、メチルフェニルシリコーン油である。非反応性流体の割合は、コーティング組成物の固形分を基準として、好ましくは5〜25wt%、より好ましくは5〜10wt%である。
【0058】
コーティング組成物は、好ましくは35wt%、より好ましくは少なくとも50wt%、さらにより好ましくは少なくとも70wt%の、不揮発性材料の重量パーセントとして定義される固形分を有する。固形分は、100wt%まで、好ましくは95wt%まで、より好ましくは90wt%まで、最も好ましくは80wt%までの範囲となり得る。
【0059】
コーティング
本発明によるコーティング組成物は、本質的に非水溶性であり親水性を有する硬化コーティングの形成を可能とする。
【0060】
乾燥時のコーティング層の厚さは、好ましくは50ミクロンから400ミクロンの範囲内、より好ましくは75ミクロンから250ミクロンの範囲内、最も好ましくは100ミクロンから200ミクロンである。
【0061】
このコーティングは、船の船体、発電所の冷却水入口、養殖機械ならびに石油生産基地の水中および飛沫帯表面等の水中構造物上への、藻類、フジツボおよびイガイ等の水生生物による汚損を物理的に阻止するために特に好適である。
【実施例】
【0062】
実施例1
平均DP10のポリエチレングリコールジアリルエーテル37.5gを、三口フラスコ内のトルエン31.20gに入れ、窒素下で65℃に加熱した後、塩化白金酸触媒165μl、次いで平均DP6.7のジメチル水素シリル末端ポリジメチルシロキサン流体100gを、滴下により添加した。Si:H基 対 アリル基のモル比は3:1であった。混合物を80℃で1時間加熱し、次いで冷却してSi−H含量が5.36%のSi−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーの溶液を形成した。
【0063】
上記のように生成されたポリマー溶液を、白金0.5%でビニルシロキサンコポリマー中に溶解した2重量パーセントの白金ビニルシロキサン錯体、および、合計100シロキサンD単位を有する式
【0064】
【化4】

のビニル末端Q分岐ポリシロキサンと混合し、Si−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーのSi:H基 対 ビニル基のモル比1.4:1を得た。この混合物を試験プレート表面に塗布し、周囲温度で1時間放置した。組成物は硬化して非水溶性コーティングとなった。
【0065】
実施例2
Q分岐架橋剤を、同じ一般式であるが合計225シロキサンD単位を含有するQ分岐ポリシロキサンで置き換え、Si−H対ビニルモル比を1.4:1に維持して、実施例1を繰り返した。この混合物を試験プレート表面に塗布し、周囲温度で1時間放置した。得られたコーティングは、実施例1で得たコーティングよりも柔らかであった。
【0066】
実施例3
Q分岐架橋剤を、同じ一般式であるが合計4シロキサンD単位を含有するQ分岐ポリシロキサンで置き換え、Si−H対ビニルモル比を1.4:1に維持して、実施例1を繰り返した。混合物を試験プレート表面に塗布し、周囲温度で1時間放置した。得られたコーティングは、実施例1で得た硬化組成物よりも硬く脆かった。
【0067】
実施例4および5
実施例1で生成されたSi−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーを、実質的に同じSi−H含量の同重量のSi−H末端ポリジメチルシロキサンと混合した。この混合物を、白金0.5%でビニルシロキサンコポリマー中に溶解した2重量パーセントの白金ビニルシロキサン錯体、およびビニル末端Q分岐ポリシロキサンと混合し、1.4:1のSi−H対ビニル比を得た。Q分岐ポリシロキサンは、100シロキサンD単位(実施例4)または225シロキサンD単位(実施例5)を含有した。実施例1に記載のように、得られた組成物を試験表面に塗布し、硬化した。非水溶性コーティングを生成した。
【0068】
実施例6から8
実施例1で生成されたSi−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーを、実質的に同じSi−H含量のSi−H末端ポリジメチルシロキサンと、50:50(実施例6)、30:70(実施例7)、および10:90(実施例8)の重量比で混合した。これらの混合物のそれぞれを、白金0.5%でビニルシロキサンコポリマー中に溶解した2重量パーセントの白金ビニルシロキサン錯体、および実施例3のビニル末端Q分岐ポリシロキサンと混合し、1.4:1のSi−H対ビニル比を得た。実施例1に記載のように、得られた組成物を試験表面に塗布し、硬化した。非水溶性親水性コーティングを生成した。
【0069】
実施例9から11
Si−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーを、実施例1に記載のように調製したが、ポリジメチルシロキサン流体を、平均DP19のジメチル二水素シリル末端ポリジメチルシロキサン流体で置き換え、ポリエチレングリコールジアリルエーテルを、平均DP4.5のポリエチレングリコールジアリルエーテル6.20gで置き換えた(Si−H:アリル比3:1)。生成されたポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーは、2.85%のSi−H含量を有していた。実施例9から11において、このポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーを、それぞれ実施例1、2、および3のビニル末端Q分岐ポリシロキサンで硬化した。ビニル末端ポリシロキサンの量は、1.2(実施例9および10)または1.4(実施例11)のSi−H対ビニル比を得るような量であった。各実施例において、非水溶性親水性コーティングが生成された。一般に、コーティングは、実施例1から3の対応するコーティングよりも幾分硬かった。
【0070】
実施例12から14
実施例9で生成されたSi−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーを、実質的に同じSi−H含量のSi−H末端ポリジメチルシロキサンと、50:50(実施例12)、30:70(実施例13)、および10:90(実施例14)の重量比で混合した。これらの混合物のそれぞれを、白金0.5%でビニルシロキサンポリマー中に溶解した2重量パーセントの白金ビニルシロキサン錯体、および実施例3のビニル末端Q分岐ポリシロキサンと混合し、1.4:1のSi−H対ビニル比を得た。実施例1に記載のように、得られた組成物を試験表面に塗布し、硬化した。非水溶性親水性コーティングを生成した。
【0071】
実施例15
Si−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーを、実施例9に記載のように調製した。ブロックコポリマーは、2.42%のSi−H含量を有し、残留触媒を含有していた。Si−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマー100gを、三口フラスコ内のトルエン30gに入れ、窒素下で65℃に加熱した。ビニルトリメトキシシラン37.16gを滴下により添加した。Si:H基 対 ビニル基のモル比は1:3であった。混合物を80℃で1時間加熱し、次いで冷却してSi(CH32−CH2CH2−Si(OCH33基で終端されたポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーの溶液を形成した。このコポリマーは、3,535の数平均分子量Mnを有し、6.95重量%のメトキシ基を含有していた。実施例15のSi−メトキシ末端コポリマーを、コポリマーを基準として0.1重量%のTiレベルまでチタンテトラ−n−ブトキシド触媒と混合し、試験表面に塗布し、周囲温度で湿性雰囲気下で硬化させた。親水性コーティングを生成した。
【0072】
実施例16
実施例3のビニル末端Q分岐ポリシロキサンを、DPが4の形態
【0073】
【化5】

のSi−H末端トリメトキシシリル官能性ポリジメチルシロキサンと、白金0.5%でビニルシロキサンコポリマー中に溶解した2重量%の白金ビニルシロキサン錯体の存在下で反応させ、Mnが1,657およびメトキシ含量が25.55重量%の分岐Si−メトキシ官能性架橋剤を生成した。
【0074】
実施例15のSi−メトキシ末端コポリマー(9.09g)を、Si−メトキシ末端分岐架橋剤0.91g、および総シロキサンを基準として0.1重量%のTiレベルまでチタンテトラ−n−ブトキシド触媒とブレンドし、混合物を試験表面に塗布し、周囲温度で湿性雰囲気下で硬化させた。親水性コーティングを生成した。
【0075】
実施例17から19
実施例16を繰り返したが、ただし実施例15のSi−メトキシ末端コポリマーを、50:50(実施例17)、30:70(実施例18)、および10:90(実施例19)の重量比で、Si−メトキシ末端ポリジメチルシロキサンで部分的に置き換えた。ポリジメチルシロキサンは、Si(CH32−CH2CH2−Si(OCH33基で終端され、実施例15のコポリマーと類似した分子量およびメトキシ含量を有していた。各組成物は硬化して親水性コーティングとなった。
【0076】
実施例20
実施例15の手順に従い、実施例1で調製されたSi−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマー100gを、ビニルトリメトキシシラン85.46g(Si−H対ビニル比1:3)と反応させ、Si(CH32−CH2CH2−Si(OCH33基で終端され18.47重量%のメトキシ含量を有する、Mnが1,754のポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーを生成した。実施例20のSi−メトキシ末端コポリマーを、0.1重量%のTiレベルまでチタンテトラ−n−ブトキシド触媒と混合し、試験表面に塗布し、周囲温度で湿性雰囲気下で硬化させた。親水性コーティングを生成した。
【0077】
実施例21
実施例20のSi−メトキシ末端コポリマー(9.03g)を、実施例16に記載のSi−メトキシ末端分岐架橋剤0.97gおよび0.1重量%のTiレベルまでチタンテトラ−n−ブトキシド触媒とブレンドし、混合物を試験表面に塗布し、周囲温度で湿性雰囲気下で硬化させた。親水性コーティングを生成した。
【0078】
実施例22から24
実施例21を繰り返したが、ただし実施例20のSi−メトキシ末端コポリマーを、50:50(実施例22)、30:70(実施例23)、および10:90(実施例24)の重量比でSi−メトキシ末端ポリジメチルシロキサンで部分的に置き換えた。ポリジメチルシロキサンは、Si(CH−CHCH−Si(OCH基で終端され、実施例20のコポリマーと類似した分子量およびメトキシ含量を有していた。各ブレンドを、0.1重量%のTiレベルまでチタンテトラ−n−ブトキシド触媒と混合し、試験表面に塗布し、周囲温度で湿性雰囲気下で硬化させた。各組成物は硬化して親水性コーティングとなった。
【0079】
実施例25
平均DP11.8のジメチル水素シリル末端ポリジメチルシロキサン流体100gを、三口フラスコ内のトルエン50gに入れ、窒素下で80℃に加熱した。平均DP7のポリエチレングリコールジアリルエーテルを一滴添加した後、塩化白金酸触媒30μl、次いでポリエチレングリコールジアリルエーテル12.76gを、滴下により添加した。Si:H基 対 アリル基のモル比は3:1であった。混合物を80℃で1時間加熱し、次いで冷却してSi−H含量が3.10%のSi−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーの溶液を形成した。
【0080】
このSi−H末端ポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマー100gを、三口フラスコ内のトルエン50gに入れ、窒素下で80℃に加熱した。塩化白金酸触媒30μlを滴下により添加し、次いでビニルトリメトキシシラン54.75gを滴下により添加した。Si:H基 対 ビニル基のモル比は1:3であった。混合物を80℃で1時間加熱し、次いで冷却してSi(CH32−CH2CH2−Si(OCH33基で終端されたポリシロキサンポリオキシエチレンブロックコポリマーの溶液を形成した。このコポリマーは、2,611の数平均分子量Mnを有し、10.26重量%のメトキシ基を含有していた。実施例25のSi−メトキシ末端コポリマーを、コポリマーを基準として0.1重量%のTiレベルまでチタンテトラ−n−ブトキシド触媒と混合し、試験表面に塗布し、周囲温度で湿性雰囲気下で硬化させた。親水性ポリマーコーティングを生成した。
【0081】
実施例26:防汚試験
実施例11〜14のコーティング組成物を、エポキシプライマおよびアクリルタイコートの2種のコーティングで下塗りした60cm×60cmの船舶用合板パネルに、(約300μmの厚さの乾燥フィルムとして)刷毛で塗布した。各コーティング組成物の6試料を塗布した。相対的性能ならびに本発明によるコーティング上への汚損沈積の存在量および多様性を評価するために、標準的な防汚コーティングおよび非毒性対照を参照として塗布した。
【0082】
試験パネルを、実験用試験表面の含浸用に設計された浮き台から含浸させ、条件は、娯楽船または船舶の船体が受ける典型的条件であった。
【0083】
パネルを試験フレームに取り付け、各試験サイトで水面下0.5mから1.5mに垂直に懸架した。生物付着の存在およびコーティングの完全性について、定期的にパネルを検査した。
【0084】
試験サイトは、すべての主要な汚損の種類のうちの典型的な汚損を示す、シンガポールのチャンギおよび英国のニュートンフェラーズを含んでいた。
【0085】
汚損の被覆率を、微生物汚損、海藻、軟体動物、および硬体動物(Hard-bodied animal)の4つの主要な生態学的起源の汚損種別で評価し、分析をこれらの4つの汚損種別に対し視覚的に行ったが、これは、コーティング性能間を区別するのに十分な情報を提供するとともに、試験サイト間で行われるある程度全般的な比較を可能とするためである。結果を以下の表に示す。この表中のデータは、試験パネル表面の総汚損被覆率をパーセンテージで示している。
【0086】
【表1】

【0087】
この表は、シンガポールの水中での4カ月の含浸、および英国での6カ月の含浸後、蓄積した汚損は、防食プライマーのみを被覆した対照基材の汚損よりも顕著に少なく、また標準の基材の汚損よりも少なかったことを示している。実施例11〜14のコーティング上のいかなる汚損も、軽く擦ることによって非常に容易に除去することができがたが、一方対照基材上に堆積した汚損は、同様の手法では除去できなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中汚損環境において基材の汚損を物理的に阻止する方法であって、(i)コポリマー鎖上に位置する少なくとも2個の反応基Xを有する硬化性ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーと、(ii)有機ケイ素架橋剤および/または触媒とを含むコーティング組成物を、前記環境への曝露前に基材上に形成するステップを含む方法。
【請求項2】
前記基Xが互いに反応性であり、前記コーティング組成物が、触媒と、任意選択で架橋剤とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基Xが互いに反応性ではなく、前記コーティング組成物が、前記基Xと反応性である少なくとも2個の基Yを有する有機ケイ素架橋剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが1分子あたりポリ有機シロキサンブロック上に2個の反応基Xを有し、前記有機ケイ素架橋剤が1分子あたり平均して2個を超える反応基Yを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーが、PS−(A−PO−A−PS)nの形態のブロックコポリマーであり、式中、PSは、ポリ有機シロキサンブロックを表し、POは、ポリオキシアルキレンブロックを表し、Aは、二価部分を表し、nは、少なくとも1の値を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記反応基XがSi−H基であり、前記架橋剤がエチレン性不飽和基Yを含有する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記コーティング組成物が白金族金属を含む触媒を含有し、前記ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー、前記架橋剤および前記触媒がすべて同じ包装内で一緒となることがないように2個の容器内に包装される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記反応基Xが互いに反応性のSi−アルコキシ基であり、有機ケイ素架橋剤が存在する場合は、前記反応基YもまたSi−アルコキシ基である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記反応基Xが式−Si(R’)2(OR)であり、式中、Rは、1個から4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、各R’は、1個から6個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、または式−ORのアルコキシ基を表す、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物がシロキサン縮合触媒を含有し、かつ防湿容器中に包装される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
各PSブロックがポリジメチルシロキサンブロックである、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記反応基Xが互いに反応性のSi−アルコキシ基であり、有機ケイ素架橋剤が存在する場合は、前記反応基Yがシラノール基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記反応基Xが互いに反応性のシラノール基であり、有機ケイ素架橋剤が存在する場合は、前記反応基Yが、ケイ素に結合したアルコキシ、アセトキシ、ケトオキシム、アミド、またはヒドロキシル基から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
コーティングで被覆された基材であって、
a)(i)コポリマー上に位置する少なくとも2個の反応基Xを有する硬化性ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーと、(ii)有機ケイ素架橋剤および/または触媒とを含むコーティング組成物を、表面上に塗布するステップ、ならびに
b)その後コーティング組成物を硬化させるステップ
により得られる基材。
【請求項15】
水中構造物である、請求項15に記載の基材。

【公表番号】特表2010−524676(P2010−524676A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504719(P2010−504719)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055130
【国際公開番号】WO2008/132196
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(500286643)アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ (67)
【Fターム(参考)】