説明

硬化性樹脂の硬化時間測定装置及び硬化時間測定方法

【課題】シール材として使用される硬化性樹脂の硬化時間を正確に測定できる硬化性樹脂の硬化時間測定装置及び硬化時間測定方法を提供する。
【解決手段】本硬化時間測定装置1は、一対の平板2、3を備え、一方の平板3の対向面に誘電特性センサー4を設置し、他方の平板2の対向面に、液状ガスケット5と接着されると共に、液状ガスケット5と他方の平板2の対向面との接着を遮断する接着遮断シート材6を配置しているので、液状ガスケット5を、誘電特性センサー4と接着遮断シート材6との間に充填し、該液状ガスケット5が硬化収縮しても、液状ガスケット5は接着遮断シート材6と共に他方の平板2の対向面から離れるため、液状ガスケット5と誘電特性センサー4との接着が維持される。これにより、液状ガスケット5の誘電特性を正確に測定することができ、その最適な硬化時間を正確に測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車のエンジンやトランスミッションに、シール材として使用される硬化性樹脂の現場成形液状ガスケットの最適な硬化時間を正確に測定するための硬化性樹脂の硬化時間測定装置及び硬化時間測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のエンジンやトランスミッションには、シール材として硬化性樹脂の現場成形液状ガスケット(以下液状ガスケットという)が多用されているが、硬化時間に多大な時間が必要であり、硬化時間が不十分であるとシール部分からエンジンオイルやATフルードの油漏れが発生する。
そこで、自動車の生産ラインにおいて、硬化不十分を是正すると共にストックを極力最小限にするために、液状ガスケットの最適な硬化時間を正確に把握することが求められている。
ところで、近年、液状ガスケットの最適な硬化時間を正確に測定する方法として、液状ガスケットの誘電特性、すなわち、時間経過に伴うイオン粘度(∝1/誘電損失)及び比誘電率の推移を測定し、所定のイオン粘度値に到達した時間を硬化時間として設定する誘電分析による硬化時間測定方法が着目されている。
【0003】
そして、従来の液状ガスケットの誘電分析による硬化時間測定方法は、図5に示すように、一対の平板2、3の内、一方の平板(図5では下側の平板)3の対向面に誘電特性センサー4を配置し、一対の平板2、3間に液状ガスケット5を充填する。すると、該液状ガスケット5が誘電特性センサー4に接着されることで、液状ガスケット5の誘電特性を測定してその硬化時間を測定していた。なお、符号7はシムを示している。
しかしながら、液状ガスケット5が一対の平板2、3間に充填されると、液状ガスケット5が誘電特性センサー4の他に、他方の平板(図5では上側の平板)2の対向面にも接着されるために、図5(b)の矢印で示すように、液状ガスケット5が硬化収縮を始めると、他方の平板2と液状ガスケット5との接着力>液状ガスケット5の硬化収縮力>誘電特性センサー4と液状ガスケット5との接着力、という関係になる。
その結果、図5(c)に示すように、液状ガスケット5が誘電特性センサー4から剥離する現象が発生し、液状ガスケット5の誘電特性を正確に測定することができず、その硬化時間を正確に測定することができなかった。
【0004】
なお、図6及び図7には、従来の液状ガスケットの硬化時間測定方法によって、同一種類の液状ガスケット5の誘電特性を複数回測定した測定結果が示されており、図6には、時間経過に伴うイオン粘度(∝1/誘電損失)の推移が示され、図7には、時間経過に伴う比誘電率の推移が示されている。
図6に示すように、従来の液状ガスケットの硬化時間測定方法では、液状ガスケット5が誘電特性センサー4から剥離する現象が発生するために、同一種類の液状ガスケット5を測定しているにも関わらず、イオン粘度の測定結果にバラツキがあり、再現性が全くない。なお、バラツキの評価尺度であるS/Nは、測定開始から300分後ではS/N>3.8,500分後ではS/N>9.3,700分後ではS/N>8.6という低い結果であった。
また、図7に示すように、比誘電率の測定結果においてもバラツキがあり、液状ガスケット5の比誘電率が「3」であるにも関わらず、「3」の値から外れて、空気の誘電率の「1」に向かって推移するものがあり、これは、液状ガスケット5が誘電特性センサー4から剥離された現象を示している。
このように、従来の液状ガスケットの誘電分析による硬化時間測定方法では、その測定結果に全く再現性がなく、正確な硬化時間を測定することができなかった。
【0005】
また、硬化性樹脂の硬化に関連する従来技術として特許文献1には、硬化性材料の硬化挙動観測方法として、硬化性材料が片面上に載置された板状の試料支持手段を振動させながら硬化性材料を硬化させた際の、試料支持手段の振動状態変化を検出することにより、硬化性材料の硬化挙動を観測することが開示されている。
【特許文献1】特開2004−340810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1の硬化性樹脂の硬化挙動観測方法においても、硬化性樹脂の硬化時間を測定することは可能だと推測されるが、加振器や距離センサー等を備える必要があり、装置自体が複雑となってしまう。また、この特許文献1の硬化性樹脂の硬化挙動観測方法は、硬化性樹脂の硬化時間を誘電分析により測定しようとするものではない。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、簡易な構造で、シール材として使用される硬化性樹脂の硬化時間を正確に測定できる硬化性樹脂の硬化時間測定装置及び硬化時間測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1に、本発明の硬化性樹脂の硬化時間測定装置は、互いに対向する一対の平板を備え、一方の平板の対向面に誘電特性センサーを設置して、該誘電特性センサーと、他方の平板の対向面との間にシール材として使用される硬化性樹脂を充填して、該硬化性樹脂の誘電特性を測定してその硬化時間を測定する硬化時間測定装置であって、前記他方の平板の対向面に、前記硬化性樹脂と接着されると共に、該硬化性樹脂と他方の平板の対向面との接着を遮断する接着遮断シート材を配置することを特徴としている。
また、第2に、本発明の硬化性樹脂の硬化時間測定方法は、互いに対向する一対の平板を備え、一方の平板の対向面に誘電特性センサーを設置して、該誘電特性センサーと、他方の平板の対向面との間にシール材として使用される硬化性樹脂を充填して、該硬化性樹脂の誘電特性を測定してその硬化時間を測定する硬化時間測定方法であって、前記硬化性樹脂と前記他方の平板の対向面との間に接着遮断シート材を配置して、前記硬化性樹脂と前記他方の平板の対向面との接着を遮断すると共に、前記硬化性樹脂と前記誘電特性センサーとの接着を維持して、前記硬化性樹脂の誘電特性を測定してその硬化時間を測定することを特徴としている。
これにより、硬化性樹脂は他方の平板の対向面との接着が接着遮断シートにより遮断されるために、硬化性樹脂が硬化収縮を始めると、硬化性樹脂は他方の平板の対向面から接着遮断シート材と共に離れ、硬化性樹脂と誘電特性センサーとの接着は維持される。その結果、硬化性樹脂の誘電特性が正確に測定され、その最適な硬化時間を正確に測定することができる。
なお、本発明の硬化性樹脂の硬化時間測定装置及び硬化時間測定方法の各種態様およびそれらの作用については、以下の(発明の態様)の項において詳しく説明する。
【0009】
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等に参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項乃至(3)項の各々が、請求項1乃至3の各々に相当し、(5)項が請求項4に相当する。
【0010】
(1)互いに対向する一対の平板を備え、一方の平板の対向面に誘電特性センサーを設置して、該誘電特性センサーと、他方の平板の対向面との間にシール材として使用される硬化性樹脂を充填して、該硬化性樹脂の誘電特性を測定してその硬化時間を測定する硬化時間測定装置であって、前記他方の平板の対向面に、前記硬化性樹脂と接着されると共に、該硬化性樹脂と他方の平板の対向面との接着を遮断する接着遮断シート材を配置することを特徴とする硬化性樹脂の硬化時間測定装置。
従って、(1)項の硬化性樹脂の硬化時間測定装置では、硬化性樹脂は他方の平板の対向面との接着が接着遮断シート材により遮断され、接着遮断シート材及び誘電特性センサーと接着されるために、硬化性樹脂が硬化収縮されると、硬化性樹脂は接着遮断シート材と共に他方の平板の対向面から離れるが、硬化性樹脂と誘電特性センサーとの接着は維持される。
これにより、硬化性樹脂の誘電特性が正確に測定されて、その最適な硬化時間を正確に測定することが可能となる。
【0011】
(2)前記接着遮断シート材は、他方の平板の対向面を覆うようにして、該平板の対向面以外の部位に固着されることを特徴とする(1)項に記載の硬化性樹脂の硬化時間測定装置。
従って、(2)項の硬化性樹脂の硬化時間測定装置では、硬化性樹脂が硬化収縮されると、硬化性樹脂が接着遮断シート材と共に容易に他方の平板の対向面から離れる。
【0012】
(3)前記接着遮断シート材は、フィルム状樹脂であることを特徴とする(1)項または(2)項に記載の硬化性樹脂の硬化時間測定装置。
(4)前記接着遮断シート材は、ポリ塩化ビリニデン系フィルムであることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれかに記載の硬化性樹脂の硬化時間測定装置。
従って、(3)項及び(4)項の硬化性樹脂の硬化時間測定装置では、硬化性樹脂が硬化収縮する際、接着遮断シート材が硬化収縮する硬化性樹脂に容易に追従して伸長でき、硬化性樹脂が容易も他方の平板の対向面から離れる。ここで、接着遮断シート材の厚みは、20μm〜30μmであることが好ましい。
【0013】
(5)互いに対向する一対の平板を備え、一方の平板の対向面に誘電特性センサーを設置して、該誘電特性センサーと、他方の平板の対向面との間にシール材として使用される硬化性樹脂を充填して、該硬化性樹脂の誘電特性を測定してその硬化時間を測定する硬化時間測定方法であって、前記硬化性樹脂と前記他方の平板の対向面との間に接着遮断シート材を配置して、前記硬化性樹脂と前記他方の平板の対向面との接着を遮断すると共に、前記硬化性樹脂と前記誘電特性センサーとの接着を維持して、前記硬化性樹脂の誘電特性を測定してその硬化時間を測定することを特徴とする硬化性樹脂の硬化時間測定方法。
従って、(5)項の硬化性樹脂の硬化時間測定方法では、硬化性樹脂が誘電特性センサーと他方の平板の対向面との間に充填された際、硬化性樹脂と他方の平板の対向面との接着が接着遮断シート材により遮断されるので、硬化性樹脂が硬化収縮し始めても誘電特性センサーとの接着が維持される。その結果、硬化性樹脂の誘電特性が正確に測定されて、その最適な硬化時間を正確に測定することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シール材として使用される硬化性樹脂の硬化時間を正確に測定できる硬化性樹脂の硬化時間測定装置及び硬化時間測定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図4に基いて詳細に説明する。なお、従来例と同一部材は同一符号を使用して説明する。
本発明の実施の形態に係る硬化性樹脂の硬化時間測定装置1は、自動車のエンジンやトランスミッションに、シール材として使用される硬化性樹脂の液状ガスケット5の誘電特性を測定してその硬化時間を測定するものであり、図1及び図2に示すように、互いに対向する一対の平板2、3を備え、該一対の平板2、3の内、一方の平板3(図1では下側の平板)の対向面に誘電特性センサー4を設置し、他方の平板2(図1では上側の平板)の対向面に、液状ガスケット5と接着されると共に、液状ガスケット5と他方の平板2の対向面との接着を遮断し、且つ硬化収縮する液状ガスケット5に追従可能な接着遮断シート材6を配置して構成されている。
【0016】
図1及び図2に示すように、一対の平板2、3の間には、その両側に間隔をあけてシム7、7がそれぞれ配置されている。各シム7、7の間で一方の平板3の対向面に誘電特性センサー4が設置されている。この誘電特性センサー4にはデータ処理装置8が電気的に接続されている。このデータ処理装置8にて、液状ガスケット5の、時間経過に伴って推移する比誘電率及びイオン粘度(∝1/誘電損失)がデータ処理される。
なお、本実施の形態では、一対の平板2、3の間隔は0.5mm,各シム7、7間の距離は10mm,一対の平板2、3の奥行き方向の長さは25mmにそれぞれ設定されている。
【0017】
接着遮断シート材6は、厚みが20μm〜30μmのポリ塩化ビリニデン系フィルムが採用されている。そして、この接着遮断シート材6は、図1及び図2に示すように、展開形状が矩形状に形成され、他方の平板2の対向面の全域を覆い、一定のテンションが付加されるようにして、その両端部を他方の平板2の両側面に接着材により固着している。
なお、本実施の形態では、接着遮断シート材6は、厚みが20μm〜30μmのポリ塩化ビリニデン系フィルムが採用されているが、同等の厚みがあり伸長するフィルム状樹脂であれば、このポリ塩化ビリニデン系フィルムに限定されることはない。
また、本実施の形態では、接着遮断シート材6は、他方の平板2の対向面の全域を覆うようにして、その両端部が平板2の両側面に固着されているが、接着遮断シート材6を、他方の平板2の対向面の全域を覆い巻き付けるようにして、その両端部を平板2の上面にそれぞれ固着してもよい。さらに、接着遮断シート材6が、各シム7と他方の平板2とにより一定のテンションが付加されるように挟持できれば、接着遮断シート材6を平板2に接着材を使用して必ずしも固着する必要はない。
【0018】
次に、本発明の実施の形態に係る硬化時間測定装置1を使用した液状ガスケット5の硬化時間測定方法を説明する。
まず、図2(a)に示すように、液状ガスケット5を一対の平板2、3間、すなわち、誘電特性センサー4と接着遮断シート材6との間に充填する。すると、液状ガスケット5は接着遮断シート材6及び誘電特性センサー4と接着され、他方の平板2の対向面との接着が遮断される。
次に、図2(b)の矢印で示すように、時間の経過に伴って液状ガスケット5が硬化して収縮するようになる。その後、液状ガスケットが硬化して収縮すると、図2(c)に示すように、液状ガスケット5が接着遮断シート材6と共に他方の平板2の対向面から離れる。
そして、図2(c)に示すように、誘電特性センサー4と液状ガスケット5との接着が維持された状態で液状ガスケット5の誘電特性が測定される。
【0019】
なお、図3及び図4には、図6及び図7と対比するように、本発明の実施の形態に係る硬化時間測定装置1によって、同一種類の液状ガスケット5の誘電特性を複数回測定した測定結果が示されており、図3には、時間経過に伴うイオン粘度(∝1/誘電損失)の推移が示され、図4には、時間経過に伴う比誘電率の推移が示されている。
図3に示すように、本硬化時間測定装置1においては、液状ガスケット5が硬化収縮しても、誘電特性センサー4と液状ガスケット5とが剥離せずにその接着が維持されるので、イオン粘度の測定結果にバラツキがなく、再現性がある。なお、バラツキの評価尺度であるS/Nは、測定開始から300分後ではS/N>20,500分後ではS/N>19,700分後ではS/N>23という高い結果になり、図5に示す従来の液状ガスケットの誘電分析による硬化時間測定方法に比べると、300分後で4倍以上、また、500分後及び700分後においても2倍以上向上しているのが解る。
また、図4に示すように、比誘電率の測定結果においても、略同じ値(液状ガスケット5の比誘電率「3」と略同じ値)でバラツキがなく安定している。
【0020】
以上説明したように、本発明の実施の形態では、互いに対向する一対の平板2、3を備え、一方の平板3の対向面に誘電特性センサー4を設置し、他方の平板2の対向面に、液状ガスケット5と接着されると共に、液状ガスケット5と他方の平板2の対向面との接着を遮断する接着遮断シート材6を配置しているので、液状ガスケット5を、一対の平板2、3間、すなわち、誘電特性センサー4と接着遮断シート材6との間に充填すると、液状ガスケット5は、誘電特性センサー4及び接着遮断シート材6と接着され、他方の平板2の対向面との接着が遮断される。
このために、液状ガスケット5が硬化収縮しても、液状ガスケット5は接着遮断シート材6と共に他方の平板2の対向面から離れると共に、液状ガスケット5と誘電特性センサー4との接着が維持される。
これにより、液状ガスケット5の誘電特性を正確に測定することができ、その最適な硬化時間を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る硬化時間測定装置を示す模式図である。
【図2】図2は、本硬化時間測定装置により液状ガスケットの硬化時間を測定する様子を段階的に示した図である。
【図3】図3は、本硬化時間測定装置により同一種類の液状ガスケットのイオン粘度の推移を複数回測定した測定結果を示した図である。
【図4】図4は、本硬化時間測定装置により同一種類の液状ガスケットの比誘電率の推移を複数回測定した測定結果を示した図である。
【図5】図5は、従来の液状ガスケットの誘電分析による硬化時間測定方法を段階的に示した図である。
【図6】図6は、従来の液状ガスケットの誘電分析による硬化時間測定方法により同一種類の液状ガスケットのイオン粘度の推移を複数回測定した測定結果を示した図である。
【図7】図7は、従来の液状ガスケットの誘電分析による硬化時間測定方法により同一種類の液状ガスケットの比誘電率の推移を複数回測定した測定結果を示した図である。
【符号の説明】
【0022】
1 硬化時間測定装置,2、3 平板,4 誘電特性センサー,5 液状ガスケット(硬化性樹脂),6 接着遮断シート材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する一対の平板を備え、一方の平板の対向面に誘電特性センサーを設置して、該誘電特性センサーと、他方の平板の対向面との間にシール材として使用される硬化性樹脂を充填して、該硬化性樹脂の誘電特性を測定してその硬化時間を測定する硬化時間測定装置であって、
前記他方の平板の対向面に、前記硬化性樹脂と接着されると共に、該硬化性樹脂と他方の平板の対向面との接着を遮断する接着遮断シート材を配置することを特徴とする硬化性樹脂の硬化時間測定装置。
【請求項2】
前記接着遮断シート材は、他方の平板の対向面を覆うようにして、該平板の対向面以外の部位に固着されることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂の硬化時間測定装置。
【請求項3】
前記接着遮断シート材は、フィルム状樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性樹脂の硬化時間測定装置。
【請求項4】
互いに対向する一対の平板を備え、一方の平板の対向面に誘電特性センサーを設置して、該誘電特性センサーと、他方の平板の対向面との間にシール材として使用される硬化性樹脂を充填して、該硬化性樹脂の誘電特性を測定してその硬化時間を測定する硬化時間測定方法であって、
前記硬化性樹脂と前記他方の平板の対向面との間に接着遮断シート材を配置して、前記硬化性樹脂と前記他方の平板の対向面との接着を遮断すると共に、前記硬化性樹脂と前記誘電特性センサーとの接着を維持して、前記硬化性樹脂の誘電特性を測定してその硬化時間を測定することを特徴とする硬化性樹脂の硬化時間測定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−202951(P2008−202951A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36173(P2007−36173)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】