説明

硬化性樹脂組成物、及びそれを用いた発光装置

【課題】屈折率が高く、透明性に優れ、蛍光体を安定的に分散可能であり、さらには耐熱性にも優れた硬化体を得ることができ、かつ、蛍光体の種類を変えるだけで硬化体の色相を変更することが可能である硬化性樹脂組成物、およびそれを用いて得られる発光装置を提供する。
【解決手段】(A)シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体、(B)酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、及びこれらの複合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の粒子、及び、(C)蛍光体を含有する硬化性樹脂組成物。本発明の発光装置は、基板2と、第1電極3、発光層4、及び第2電極5からなる積層体(発光素子)と、この積層体の周囲に形成させた前記硬化性樹脂組成物の硬化体である硬化膜1とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物、及びそれを用いて得られる発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)素子等の発光素子は、通常、発光素子の保護や発色変更のために、封止材で被覆されている。特に、この発光素子を、高屈折率を有する材料で被覆することによって、光の取り出し効率が高くなることが知られている。
【0003】
従来、この封止材に用いられる樹脂としてはエポキシ樹脂が一般であったが、発光素子として青色LED素子や紫外線LED素子を用いたLED素子では、青色LED素子から発せられる近紫外光や紫外線LED素子から発せられる紫外光により、発光素子の近傍でエポキシ樹脂からなる封止材が黄変したり、発光素子の発熱により熱劣化したりするという問題があった。特に、電灯などの高輝度が要求される用途では、青色LED素子や紫外線LED素子からの発光量も多く、黄変や熱劣化が起こり易かった。
【0004】
このため、高輝度環境下においても、近紫外光や紫外光による黄変が発生せず、かつ耐熱性を有する封止材として、シリコーン樹脂からなる封止材が検討されてきた。しかしながら、ジメチルシロキサンからなるシリコーン樹脂は、屈折率が低く、LED素子から発せられた光を効率的に取り出すことが難しいとされている。
【0005】
特許文献1および2には、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するシリコーンレジンとSi−H結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含有するシリコーン樹脂組成物が開示されている。特許文献1および2では、このシリコーン樹脂組成物をヒドロシリル化反応により架橋させて硬化物を形成している。しかしながら、この硬化物は屈折率が低いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−186168号公報
【特許文献2】特開2004−221308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決するものであって、屈折率が高く、透明性に優れ、蛍光体を安定的に分散可能であり、さらには耐熱性にも優れた硬化体を得ることができ、かつ、蛍光体の種類を変えるだけで硬化体の色相を変更することが可能である硬化性樹脂組成物、およびそれを用いて得られる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を行い、シロキサン系重合体等の特定の重合体、酸化ジルコニウム等の特定の金属酸化物の粒子、及び蛍光体を含有する硬化性組成物を使用することで、前記の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[11]を提供するものである。
[1] 下記(A)〜(C)成分を含有する、硬化性樹脂組成物。
(A)シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体
(B)酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、及びこれらの複合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の粒子
(C)蛍光体
[2] 上記(B)成分の配合量が、上記(A)成分100質量部に対して50〜1,000質量部である、前記[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3] 上記(C)成分の配合量が、上記(B)成分100質量部に対して10〜500質量部である、前記[1]または[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
[4] 上記(C)成分の配合量が、上記(A)成分100質量部に対して10〜500質量部である、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[5] さらに、(D)有機溶媒を含有する、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[6] 上記(D)成分の配合量が、硬化性樹脂組成物中、上記(D)成分を除く成分の全量100質量部に対して1〜500質量部である、前記[5]に記載の硬化性樹脂組成物。
[7] 上記(D)成分の配合量が、上記(A)成分及び上記(B)成分の合計量100質量部に対して10〜50質量部である、前記[5]または[6]に記載の硬化性樹脂組成物。
[8] 上記(B)成分の数平均一次粒子径が、1〜100nmである、前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[9] 上記(C)成分の数平均一次粒子径が、0.1〜100μmである、前記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[10] 発光素子の被覆用である、前記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[11] 発光素子と、該発光素子の表面上に形成させた、前記[10]に記載の硬化性樹脂組成物の硬化体である硬化膜とを含む、発光装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の硬化性樹脂組成物の硬化体は、屈折率が高く、透明性に優れ、耐熱性にも優れている。
本発明の硬化性樹脂組成物は、蛍光体を安定的に分散することが可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、原料の蛍光体の種類を変えることで、得られる硬化体の色相を簡易に変更することが可能である。また、この場合、LED素子等の発光素子の表面を被覆する材料として用いれば、発光素子から発光される光の色相を変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の硬化性樹脂組成物からなる硬化体で被覆された発光装置を概念的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体、(B)酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、及びこれらの複合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の粒子、及び(C)蛍光体、を含有する。
以下、本発明に用いられる各成分について詳細に説明する。
【0012】
[(A)成分;シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体]
シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体としては、例えば、下記一般式(1)で示される化合物、及び下記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が縮合してなる重合体を挙げることができる。
(RSi(X)4−p・・・(1)
(上記一般式(1)中、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、及びpは0〜3の整数である。)
(RTi(X)4−p・・・(2)
(上記一般式(2)中、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、及びpは0〜3の整数である。)
上記一般式(1)および一般式(2)中のXで表される加水分解性基は、通常、無触媒かつ過剰の水の存在下で室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することにより、アルコキシ基等の加水分解性基が加水分解されてシラノール基またはチタノール基を生成することができる基である。なお、加水分解性基は、加水分解後にさらに縮合してシロキサン縮合物またはチタノキサン縮合物を形成することができる。
上記一般式(1)中の添え字pは、0〜3の整数、好ましくは0〜2の整数である。
【0013】
シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体は、シラノール基およびチタノール基の少なくとも1種を含むことが好ましい。該シラノール基およびチタノール基の少なくとも1種に含まれる水酸基の数は、重合体中のケイ素原子およびチタン原子の数の総和に対して、好ましくは15〜300%、より好ましくは30〜250%、特に好ましくは50〜200%である。シラノール基およびチタノール基の少なくとも1種に含まれる水酸基の数が重合体中のケイ素原子およびチタン原子の数の総和に対して上記範囲内であると、金属酸化物の粒子の分散性に優れた硬化性樹脂組成物が得られ、さらには屈折率が高く、透明性、耐熱性、クラック耐性、及び耐光性に優れた硬化膜(組成物の硬化体)が得られる。
シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体は、一部に未加水分解の加水分解性基が残っていても良い。また、シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体は、一部のシラノール基、チタノール基または加水分解性基同士が縮合した部分縮合物でも良い。
【0014】
上記一般式(1)および一般式(2)中のRは、炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基である。ここでRにおける非加水分解性とは、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そのまま安定に存在する性質であることを意味する。
としては、例えば、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン化炭化水素基等が挙げられる。Rは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの組み合わせであっても良い。また、Rは、ヘテロ原子を含む構造単位を有していても良い。そのような構造単位としては、エーテル結合、エステル結合、スルフィド結合などを例示することができる。このような結合を含むRとしては、例えば、オキセタニル基、オキシラニル基などのエポキシ基を有する基、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基等を挙げることができる。
において炭素数1〜12の炭化水素基としては、反応性および得られる硬化膜のクラック耐性の観点から、炭素数1〜8の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜4の炭化水素基であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の脂環族炭化水素基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基を挙げることができる。中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、フェニル基、メチルフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
【0015】
また、Rにおいて炭素数1〜12のハロゲン化炭化水素基としては、フッ素化炭化水素基、塩素化炭化水素基、臭素化炭化水素基が挙げられ、フッ素化炭化水素基が好ましい。該ハロゲン化炭化水素基の炭素数は、反応性および得られる硬化膜のクラック耐性の観点から、好ましくは1〜4である。
具体的にはクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ペルフルオロ−n−プロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロ−n−ブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ−t−ブチル基等を挙げることができる。中でも、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ペルフルオロ−n−プロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロ−t−ブチル基が好ましく、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基がより好ましい。
【0016】
上記一般式(1)および一般式(2)における加水分解性基Xとしては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、炭素数2〜12のハロゲン化アシルオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子の好ましい例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。炭素数1〜12のアルコキシ基の好ましい例としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。炭素数2〜12のアシルオキシ基の好ましい例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基等が挙げられる。
【0017】
上記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物(以下、シラン化合物と略すことがある。)の具体例を説明する。
4個の加水分解性基を有するシラン化合物としては、テトラクロロシラン、テトラアミノシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベンジロキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等が挙げられる。
【0018】
3個の加水分解性基を有するシラン化合物としては、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、d−メチルトリメトキシシラン、ノナフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0019】
2個の加水分解性基を有するシラン化合物としては、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン等が挙げられる。
1個の加水分解性基を有するシラン化合物としては、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリブチルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリブチルエトキシシラン等が挙げられる。
【0020】
上記一般式(2)で表される加水分解性チタン化合物(以下、チタン化合物と略すことがある。)の具体例を説明する。
4個の加水分解性基を有するチタン化合物としては、テトラクロロチタン、テトラアミノチタン、テトラアセトキシチタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラフェノキシチタン、テトラベンジロキシチタン、トリメトキシチタン、トリエトキシチタン等が挙げられる。
【0021】
3個の加水分解性基を有するチタン化合物としては、メチルトリクロロチタン、メチルトリメトキシチタン、メチルトリエトキシチタン、メチルトリブトキシチタン、エチルトリメトキシチタン、エチルトリイソプロポキシチタン、エチルトリブトキシチタン、ブチルトリメトキシチタン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシチタン、フェニルトリメトキシチタン、d−メチルトリメトキシチタン、ノナフルオロブチルエチルトリメトキシチタン、トリフルオロメチルトリメトキシチタン等が挙げられる。
【0022】
2個の加水分解性基を有するチタン化合物としては、ジメチルジクロロチタン、ジメチルジアミノチタン、ジメチルジアセトキシチタン、ジメチルジメトキシチタン、ジフェニルジメトキシチタン、ジブチルジメトキシチタン等が挙げられる。
1個の加水分解性基を有するチタン化合物としては、トリメチルクロロチタン、トリメチルチタン、トリブチルチタン、トリメチルメトキシチタン、トリブチルエトキシチタン等が挙げられる。
【0023】
(A)成分であるシロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体の分子量について説明する。かかる分子量は、移動相にテトラヒドロフランを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略すことがある。)を用い、ポリスチレン換算の重量平均分子量として測定することができる。
シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体の重量平均分子量は、好ましくは500〜100,000、より好ましくは800〜30,000、さらに好ましくは1,000〜5,000である。該値が500未満では、硬化膜の形成時のクラック耐性が低下する傾向がある。該値が100,000を超えると、(B)成分である金属酸化物の粒子の分散性が低下する傾向がある。
【0024】
シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体を得る際に用いられる触媒は、金属キレート化合物、酸性化合物、及び塩基性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、酸性化合物であることがより好ましい。
(d−1)金属キレート化合物
触媒として使用可能な金属キレート化合物は、下記一般式(3)で表される。
15M(OR16f−e ・・・・・(3)
(上記一般式(3)中、R15はキレート剤、Mは金属原子、R16はアルキル基またはアリール基を示し、fは金属原子Mの原子価を示し、eは1〜fの整数を示す。)
【0025】
ここで、金属原子Mとしては、13族金属(アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム)および4族金属(チタン、ジルコニウム、ハフニウム)より選ばれる少なくとも1種の金属原子であることが好ましく、チタン、アルミニウム、ジルコニウムがより好ましい。
15で表されるキレート剤としては、CHCOCHCOCH、CHCOCHCOOC等を挙げることができる。
16で表されるアルキル基またはアリール基としては、上記一般式(1)におけるRで表されるアルキル基またはアリール基を挙げることができる。
金属キレート化合物の好適な具体例としては、(CH(CH)HCO)4−tTi(CHCOCHCOCH、(CH(CH)HCO)4−tTi(CHCOCHCOOC、(CO)4−tTi(CHCOCHCOCH、(CO)4−tTi(CHCOCHCOOC、(C(CH)HCO)4−tTi(CHCOCHCOCH、(C(CH)HCO)4−tTi(CHCOCHCOOC、(CH(CH)HCO)4−tZr(CHCOCHCOCH、(CH(CH)HCO)4−tZr(CHCOCHCOOC、(CO)4−tZr(CHCOCHCOCH、(CO)4−tZr(CHCOCHCOOC、(C(CH)HCO)4−tZr(CHCOCHCOCH、(C(CH)HCO)4−tZr(CHCOCHCOOC、(CH(CH)HCO)3−tAl(CHCOCHCOCH、(CH(CH)HCO)3−tAl(CHCOCHCOOC、(CO)3−tAl(CHCOCHCOCH、(CO)3−tAl(CHCOCHCOOC、(C(CH)HCO)3−tAl(CHCOCHCOCH、(C(CH)HCO)3−tAl(CHCOCHCOOC等が挙げられる。
これらの化学式中のtは、0〜4の整数を示す。
【0026】
金属キレート化合物の量は、シラン化合物およびチタン化合物の合計量100質量部(完全加水分解縮合物換算)に対して、好ましくは0.0001〜10質量部、より好ましくは0.001〜5質量部である。該量が0.0001質量部未満では、本発明の組成物をスピンコート法等によって基材等に塗布する場合に塗布性が劣る場合がある。該量が10質量部を超えると、ポリマー成長を制御できず、ゲル化を起こす場合がある。
金属キレート化合物の存在下でシラン化合物およびチタン化合物の少なくとも1種を加水分解縮合させる場合、シラン化合物およびチタン化合物の少なくとも1種の合計量1モル当たり0.5〜20モルの水を用いることが好ましく、1〜10モルの水を用いることが特に好ましい。水の量が0.5モル未満であると、加水分解反応が十分に進行せず、塗膜の塗布性および保存安定性に問題が生じる場合があり、20モルを超えると、加水分解および縮合反応中のポリマーの析出やゲル化が生じる場合がある。また、水は断続的あるいは連続的に添加されることが好ましい。
これらの金属キレート化合物は1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
(d−2)酸性化合物
触媒として使用可能な酸性化合物としては、有機酸または無機酸が例示できる。
有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸の加水分解物、無水マレイン酸の加水分解物、無水フタル酸の加水分解物等を挙げることができる。
無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
中でも、加水分解縮合(加水分解及びそれに続く縮合)の反応中のポリマーの析出やゲル化のおそれが少ない点で有機酸が好ましい。有機酸の中でも、カルボキシル基を有する化合物がより好ましい。
カルボキシル基を有する化合物の中でも、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ギ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、無水マレイン酸の加水分解物等が特に好ましい。
これらの酸性化合物は1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
酸性化合物の量は、シラン化合物およびチタン化合物の合計量100質量部(完全加水分解縮合物換算)に対して、好ましくは0.0001〜10質量部、より好ましくは0.001〜5質量部である。該量が0.0001質量部未満では、本発明の組成物をスピンコート法等によって基材等に塗布する場合に塗布性が劣る場合がある。該量が10質量部を超えると、急激に加水分解縮合反応が進行しゲル化を起こす場合がある。
酸性化合物の存在下でシラン化合物およびチタン化合物の少なくとも1種を加水分解縮合させる場合、シラン化合物およびチタン化合物の少なくとも1種の合計量1モル当たり0.5〜20モルの水を用いることが好ましく、1〜10モルの水を用いることが特に好ましい。水の量が0.5モル未満では、加水分解反応が十分に進行せず、塗布性および保存安定性に問題が生じる場合がある。水の量が20モルを超えると、加水分解縮合反応中のポリマーの析出やゲル化が生じる場合がある。また、水は断続的あるいは連続的に添加されることが好ましい。
【0029】
(d−3)塩基性化合物
触媒として使用可能な塩基性化合物としては、例えば、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルメタノールアミン、N−エチルメタノールアミン、N−プロピルメタノールアミン、N−ブチルメタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N,N−ジメチルメタノールアミン、N,N−ジエチルメタノールアミン、N,N−ジプロピルメタノールアミン、N,N−ジブチルメタノールアミン、N−メチルジメタノールアミン、N−エチルジメタノールアミン、N−プロピルジメタノールアミン、N−ブチルジメタノールアミン、N−(アミノメチル)メタノールアミン、N−(アミノメチル)エタノールアミン、N−(アミノメチル)プロパノールアミン、N−(アミノメチル)ブタノールアミン、メトキシメチルアミン、メトキシエチルアミン、メトキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。
塩基性化合物の量は、シラン化合物およびチタン化合物中の加水分解性基の合計量1モルに対して、好ましくは0.00001〜10モル、より好ましくは0.00005〜5モルである。該量が0.00001モル未満では、加水分解縮合が十分に進まない場合がある。該量が10モルを超えると、得られた加水分解縮合物の保存安定性が劣る場合がある。
【0030】
[(B)成分;金属酸化物の粒子]
本発明では、硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜の屈折率を向上させるために、金属酸化物の粒子として、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブおよびこれらの複合体等の金属酸化物の粒子(以下、「金属酸化物粒子」ともいう。)を用いる。また、上記酸化チタンは、TiO構造を有すれば特に限定されず、例えば、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型が挙げられる。
これらの金属酸化物粒子の材質のうち、酸化ジルコニウム、酸化チタンが好ましく、酸化ジルコニウムがより好ましい。
これらの金属酸化物粒子は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
上記金属酸化物粒子を含む硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜の、25℃における波長400nmの光の屈折率は、好ましくは1.55以上、より好ましくは1.60以上、特に好ましくは1.70以上である。
【0031】
金属酸化物粒子の数平均一次粒子径は、好ましくは1〜100nm、より好ましくは3〜70nm、特に好ましくは5〜50nmである。数平均1次粒子径が上記範囲内であると、透明性がより優れた硬化膜を得ることができる。
(B)成分である金属酸化物粒子は、(A)成分および(C)成分との混合前に、粉体状であってもよいし、溶媒分散ゾルであってもよい。溶媒としては、例えば有機溶媒が用いられる。有機溶媒としては、例えば、2−ブタノール、メタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングレコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは50〜1,000質量部、より好ましくは100〜800質量部、さらに好ましくは150〜500質量部である。該量が50質量部未満では、硬化膜の屈折率が低下し、発光装置の発光効率が低下するおそれがあり、該量が1,000質量部を超えると、硬化膜が十分なクラック耐性を有さないおそれがある。
なお、(B)成分が溶媒分散ゾルである場合、(B)成分の配合量は、溶媒を含まない質量を意味する。また、(B)成分が溶媒分散ゾルである場合、(B)成分の溶媒としての有機溶媒の量は、(D)成分である有機溶媒の配合量の一部を構成するものとする。
【0032】
[(C)成分;蛍光体]
次に、本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる蛍光体について説明する。
本発明に用いる蛍光体は特に限定されるものではなく、例えば一般的に公知の無機蛍光体や有機蛍光体を用いることができ、これらの1種または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
任意の蛍光体を用いることによって、得られる硬化体の色相を変更することができる。例えば、発光素子の表面上に本発明の硬化性樹脂組成物の硬化体である硬化膜を形成させることによって、発光素子から発光される光の色相を変更することができる。
以下、蛍光体の具体例を例示するが、例示の一般式においては、構造の一部のみが異なる蛍光体を、適宜省略して示している。例えば、「YSiO:Ce3+」、「YSiO:Tb3+」及び「YSiO:Ce3+,Tb3+」を「YSiO:Ce3+,Tb3+」と、「LaS:Eu」、「YS:Eu」及び「(La,Y)S:Eu」を「(La,Y)S:Eu」とまとめて示している。省略箇所はカンマ(,)で区切って示す。
【0033】
本発明に用いることが好ましい蛍光体としては、例えば母体結晶としてMSiO、MS、MGa、MAlSiN、MSi、及びMSiからなる群(ただし、Mは、Ca、Sr、Baからなる群より選ばれる1種、または2種以上を表す。)より選らばれる少なくとも一つを含有し、かつ付活剤としてCr、Mn、Fe、Bi、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有する蛍光体が挙げられる。
【0034】
上記蛍光体の具体例としては、たとえば、BaSiO:Eu、(Sr1−aBaSiO:Eu、SrSiO:Eu、CaS:Eu、SrS:Eu、BaS:Eu、CaS:Ce、SrS:Ce、BaS:Ce、CaGa:Eu、SrGa:Eu、BaGa:Eu、CaGa:Ce、SrGa:Ce、BaGa:Ce、CaAlSiN:Eu、SrAlSiN:Eu、(Ca1−aSr)AlSiN:Eu、CaAlSiN:Ce、SrAlSiN:Ce、(Ca1−aSr)AlSiN:Ce、CaSi:Eu、SrSi:Eu、BaSi:Eu、(Ca1−aSra)Si:Eu、CaSi:Ce、SrSi:Ce、BaSi:Ce、(Ca1−aSrSi:Ce、CaSi:Eu、SrSi:Eu、BaSi:Eu、CaSi:Ce、SrSi:Ce、BaSi:Ce、(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu、BaSi:Eu(以上に関し、aは0≦a≦1を満たす。)等が挙げられる。
また、上記蛍光体以外にも、耐久性向上、分散性向上等、目的に応じてその他の蛍光体を用いることもできる。このような蛍光体の組成には特に制限はないが、Y、ZnSiO等に代表される金属酸化物、SrSi等に代表される金属窒化物、Ca(POCl等に代表されるリン酸塩、及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物等からなる母体結晶に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Cu、Au、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを付活元素又は共付活元素として組み合わせたものが好ましい。
【0035】
上記母体結晶の材質の好ましい例としては、例えば、(Zn,Cd)S、SrGa、SrS、ZnS等の硫化物、YS等の酸硫化物、(Y,Gd)l5O1、YAlO、BaMgAl1017、(Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017、BaAl1219、CeMgAl1119、(Ba,Sr,Mg)O・Al、BaAlSi、SrAl、SrAl1425、YAl12等のアルミン酸塩、YSiO、ZnSiO等の珪酸塩、SnO、Y等の酸化物、GdMgB10、(Y,Gd)BO等の硼酸塩、Ca10(PO(F,Cl)、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POl2等のハロリン酸塩、Sr、(La,Ce)PO等のリン酸塩等を挙げることができる。
【0036】
ただし、上記の母体結晶及び付活元素又は共付活元素は、元素組成には特に制限はなく、同族の元素と一部置き換えることもできる。得られた蛍光体は近紫外から可視領域の光を吸収して可視光を発するものであれば用いることが可能である。
具体的には、蛍光体として以下に挙げるものを用いることが可能であるが、これらはあくまでも例示であり、本発明で使用できる蛍光体はこれらに限られるものではない。
【0037】
(橙色ないし赤色蛍光体)
橙色ないし赤色の蛍光を発する蛍光体(以下、「橙色ないし赤色蛍光体」ともいう。)としては、以下のものが挙げられる。
橙色ないし赤色蛍光体の発光ピーク波長は、好ましくは580〜780nm、より好ましくは585〜700nmの波長範囲である。このような橙色ないし赤色蛍光体としては、例えば、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、赤色領域の発光を行なう(Y,La,Gd,Lu)S:Euで表わされるユウロピウム付活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体等が挙げられる。更に、特開2004−300247号公報に記載された、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有する酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光体であって、Al元素の一部又は全てがGa元素で置換されたアルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光体も、本発明に用いることができる。なお、これらは酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光体である。
【0038】
また、その他の橙色ないし赤色蛍光体としては、(La,Y)S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光体、Y(V,P)O:Eu、Y:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu,Mn、(Ba,Mg)SiO:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、LiW:Eu、LiW:Eu,Sm、Eu、Eu:Nb、Eu:Sm等のEu付活タングステン酸塩蛍光体、(Ca,Sr)S:Eu等のEu付活硫化物蛍光体、YAlO:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、LiY(SiO:Eu、Ca(SiO:Eu、(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu、SrBaSiO:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Y,Gd)Al12:Ce、(Tb,Gd)Al12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)SiN:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu等のEu付活窒化物蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN:Ce等のCe付活窒化物蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、BaMgSi:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)(Zn,Mg)Si:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn等のMn付活ゲルマン酸塩蛍光体、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La):Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO:Eu,Bi等のEu,Bi付活バナジン酸塩蛍光体、SrY:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光体、CaLa:Ce等のCe付活硫化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgP:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn):Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩蛍光体、(Y,Lu)WO:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数を表わす。)等のEu,Ce付活窒化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、((Y,Lu,Gd,Tb)1−x−yScCe(Ca,Mg)1−r(Mg,Zn)2+rSiz−qGe12+δ等のCe付活珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
【0039】
さらに、橙色ないし赤色蛍光体として、β−ジケトネート、β−ジケトン、芳香族カルボン酸、又は、ブレンステッド酸等のアニオンを配位子とする希土類元素イオン錯体からなる赤色有機蛍光体、ペリレン系顔料(例えば、ジベンゾ{[f,f’]−4,4’,7,7’−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン)、アントラキノン系顔料、レーキ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等を用いることも可能である。
【0040】
また、橙色ないし赤色蛍光体のうち、ピーク波長が好ましくは580〜620nm、より好ましくは590〜610nmの波長範囲であるものは、橙色蛍光体として好適に用いることができる。このような橙色蛍光体の例としては、(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu、SrBaSiO:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Sr,Mg)(PO:Sn2+等のSn付活リン酸塩蛍光体等が挙げられる。
【0041】
以上例示した橙色ないし赤色蛍光体は、何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
以上の例示の中でも、赤色蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSiN:Ce、(La,Y)S:Euが好ましく、(Sr,Ca)AlSiN:Eu、(La,Y)S:Euが特に好ましい。
また、以上例示の中でも、橙色蛍光体としては(Sr,Ba)SiO:Euが好ましい。
【0042】
(緑色蛍光体)
緑色の蛍光を発する蛍光体(以下、「緑色蛍光体」ともいう。)としては、以下のものが挙げられる。緑色蛍光体の発光ピーク波長は、好ましくは490〜560nm、より好ましくは510〜540nm、特に好ましくは515〜535nmの波長範囲である。
【0043】
このような緑色蛍光体として、例えば、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Ba,Ca,Sr,Mg)SiO:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリケート系蛍光体等が挙げられる。
【0044】
また、その他の緑色蛍光体としては、SrAl1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ba)AlSi:Eu、(Ba,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn)Si:Eu、(Ba,Ca,Sr,Mg)(Sc,Y,Lu,Gd)(Si,Ge)24:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、YSiO:Ce,Tb等のCe,Tb付活珪酸塩蛍光体、Sr−Sr:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi8−2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、ZnSiO:Mn等のMn付活珪酸塩蛍光体、CeMgAl1119:Tb、YAl12:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光体、Ca(SiO:Tb、LaGaSiO14:Tb等のTb付活珪酸塩蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Ga:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光体、Y(Al,Ga)12:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)(Al,Ga)12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、CaScSi12:Ce、Ca(Sc,Mg,Na,Li)Si12:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaSc:Ce等のCe付活酸化物蛍光体、SrSi:Eu、(Mg,Sr,Ba,Ca)Si:Eu等のEu付活βサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、BaMgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、SrAl:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(La,Gd,Y)S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光体、LaPO:Ce,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光体、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO:Ce,Tb、NaGd:Ce,Tb、(Ba,Sr)(Ca,Mg,Zn)B:K,Ce,Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光体、CaMg(SiOl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、(Ca,Sr)(Mg,Zn)(SiOl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、MSi:Eu、MSi:Eu、MSi10:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表わす。)等のEu付活酸窒化物蛍光体等を用いることも可能である。
【0045】
さらに、緑色蛍光体として、ピリジン−フタルイミド縮合誘導体、ベンゾオキサジノン系、キナゾリノン系、クマリン系、キノフタロン系、ナルタル酸イミド系等の蛍光色素、テルビウム錯体等の有機蛍光体を用いることも可能である。
【0046】
(青色蛍光体)
青色の蛍光を発する蛍光体(以下、「青色蛍光体」ともいう。)としては以下のものが挙げられる。青色蛍光体の発光ピーク波長は、好ましくは420〜490nm、より好ましくは430〜470nm、特に好ましくは440〜460nmの波長範囲である。
【0047】
このような青色蛍光体としては、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なうBaMgAl1017:Euで表わされるユウロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca,Sr,Ba)(POCl:Euで表わされるユウロピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ立方体形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca,Sr,Ba)Cl:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、青緑色領域の発光を行なう(Sr,Ca,Ba)Al:Eu又は(Sr,Ca,Ba)Al1425:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
【0048】
また、その他の青色蛍光体としては、Sr:Sn等のSn付活リン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)Al:Eu、(Sr,Ca,Ba)Al1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、BaAl13:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、SrGa:Ce、CaGa:Ce等のCe付活チオガレート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POl2:Eu、(Ba,Sr,Ca)(PO(Cl,F,Br,OH):Eu,Mn,Sb等のEu付活ハロリン酸塩蛍光体、BaAlSi:Eu、(Sr,Ba)MgSi:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Sr:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、YSiO:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaWO等のタングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)BPO:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO・nB:Eu、2SrO・0.84P・0.16B:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi・2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
【0049】
さらに、青色蛍光体として、例えば、ナフタル酸イミド系、ベンゾオキサゾール系、スチリル系、クマリン系、ピラゾリン系、トリアゾール系化合物の蛍光色素、ツリウム錯体等の有機蛍光体等を用いることも可能である。
以上の例示の中でも、青色蛍光体としては、BaMgAl1017:Eu、(Ba,Ca,Mg)SiO:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Euが好ましく、BaMgAl1017:Euが特に好ましい。
【0050】
(黄色蛍光体)
黄色の蛍光を発する蛍光体(以下、「黄色蛍光体」ともいう。)としては、以下のものが挙げられる。黄色蛍光体の発光ピーク波長は、好ましくは530〜620nm、より好ましくは540〜600nm、特に好ましくは550〜580nmの波長範囲である。
【0051】
このような黄色蛍光体としては、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。
特に、RE12:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)やMaMbMc12:Ce(ここで、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属元素、Mcは4価の金属元素を表す。)等で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AEMdO:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mdは、Si及び/又はGeを表す。)等で表わされるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSiN:Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)等のCaAlSiN構造を有する窒化物系蛍光体等のCeで付活した蛍光体が挙げられる。
【0052】
また、その他の黄色蛍光体としては、CaGa:Eu、(Ca,Sr)Ga:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al):Eu等の硫化物系蛍光体、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu等のSiAlON構造を有する酸窒化物系蛍光体等のEuで付活した蛍光体を用いることも可能である。また、黄色蛍光体としては、例えば、brilliant sulfoflavine FF (Colour Index Number 56205)、basic yellow HG (Colour Index Number 46040)、eosine (Colour Index Number 45380)、rhodamine 6G(Colour Index Number 45160)等の蛍光染料等を用いることも可能である。
【0053】
本発明に用いる(C)蛍光体の粒径には特に制限はないが、数平均一次粒子径は、通常、0.1〜100μm、好ましくは2〜50μm、さらに好ましくは10〜25μmである。数平均一次粒子径が小さすぎると、硬化性樹脂組成物の硬化物の輝度が低下したり、硬化性樹脂組成物中で蛍光体が凝集してしまう場合がある。一方、数平均一次粒子径が大きすぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる場合がある。
また(C)蛍光体の粒度分布(QD)は、硬化性樹脂組成物中での粒子の分散状態を揃えるために小さい方が好ましいが、通常、0.03〜0.4、好ましくは0.05〜0.3、更に好ましくは0.07〜0.2である。また、(C)蛍光体の形状は、特に限定されず、任意の形状のものを用いることが可能である。
【0054】
(C)成分の配合量は、(B)成分100質量部に対して、好ましくは10〜500質量部、より好ましくは15〜200質量部、さらに好ましくは20〜100質量部である。該量が10質量部未満では、硬化膜が発色を変更する効率が低下するおそれがある。該量が500質量部を超えると、十分な保存安定性およびクラック耐性が得られないおそれがある。
また、(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは10〜500質量部、より好ましくは20〜300質量部、さらに好ましくは50〜200質量部である。該量が10質量部未満では、硬化膜が発色を変更する効率が低下するおそれがある。該量が500質量部を超えると、十分な保存安定性およびクラック耐性が得られないおそれがある。
【0055】
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに(D)有機溶媒を配合することもできる。(D)有機溶媒を配合することによって組成物の保存安定性を向上させ、かつ適当な粘度を付与することができる。
(D)有機溶媒としては、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、炭化水素系有機溶媒、アルコール系有機溶媒等が挙げられる。これらのうち大気圧下での沸点が50〜250℃の範囲内の値を有し、各成分を均一に溶解させることのできる有機溶媒を用いることが好ましい。
このような有機溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、モノアルコール系溶媒、多価アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、含窒素系溶媒、含硫黄系溶媒等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、一種単独あるいは二種以上を組み合わせて用いられる。
これらの(D)有機溶媒の中では、ケトン類およびアルコール類が好ましい。組成物の保存安定性をより向上させることができるためである。また、より好ましい有機溶媒としては、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、および2−ブタノールからなる群より選択される少なくとも一つの化合物が挙げられる。
【0056】
また、(D)有機溶媒の種類は、好ましくは、組成物の塗布方法を考慮して選択される。例えば、均一な厚さを有する硬化物が容易に得られることから、スピンコート法を用いることができるが、その場合に使用する有機溶媒としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;乳酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等のエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等が好ましく、特にエチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びメチルアミルケトンが好ましい。
【0057】
(D)成分の配合量は、(D)成分を除く成分全量100質量部に対して、好ましくは1〜500質量部、より好ましくは3〜200質量部、さらに好ましくは5〜100質量部、特に好ましくは10〜30質量部である。該配合量が前記の好ましい範囲内であれば、蛍光体の分散安定性を向上させ、かつ適当な粘度を付与することができる。
(D)成分の配合量は、上記(A)成分及び上記(B)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは10〜50質量部、より好ましくは15〜45質量部、さらに好ましくは18〜40質量部、特に好ましくは20〜35質量部である。該配合量が前記の好ましい範囲内であれば、蛍光体の分散安定性を向上させ、かつ適当な粘度を付与することができる。
なお、(D)成分の添加方法は、特に制限されるものではないが、例えば、(A)成分を製造する際に添加してもよいし、(B)成分の分散液を調製する際に添加してもよいし、(A)成分と(B)成分を混合する際に添加してもよい。
【0058】
(E)分散剤
本発明の組成物は、金属酸化物粒子の分散性向上のために各種分散剤を用いることができる。
分散剤としては、例えば、アルミニウム化合物を用いることができる。アルミニウム化合物の例としては、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムβ−ジケトナート錯体等を挙げることができる。具体的には、トリエトキシアルミニウム、トリ(n−プロポキシ)アルミニウム、トリ(i−プロポキシ)アルミニウム、トリ(n−ブトキシ)アルミニウム、トリ(sec−ブトキシ)アルミニウム等のアルコキシド化合物、アルミニウムトリス(メチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(アセトアセトナト)アルミニウム、アルミニウムモノアセチルアセトナトビス(メチルアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトナトビス(エチルアセテート)等のβ−ジケトナート錯体を挙げることができる。アルミニウム化合物の市販品としては、AIPD、PADM、AMD、ASBD、アルミニウムエトキサイド、ALCH、ALCH−50F、ALCH−75、ALCH−TR、ALCH−TR−20、アルミキレートM、アルミキレートD、アルミキレートA(W)、表面処理剤OL−1000、アルゴマー、アルゴマー800AF、アルゴマー1000SF(以上、川研ファインケミカル社製)等を使用することができる。
【0059】
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、ノニオン型分散剤を含むことができる。ノニオン型分散剤を含むと、分散性を高めることができる。本発明に使用するノニオン型分散剤は、好ましくはポリオキシエチレンアルキル構造を有するリン酸エステル系ノニオン型分散剤である。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、分散性を高めるために、さらに分散助剤を含むことができる。分散助剤としては、アセチルアセトンおよびN,N−ジメチルアセトアセトアミドから選択される一種以上を好適に使用することができる。
【0060】
(F)界面活性剤
本発明の組成物をスピンコート法等によって基材等に塗布する場合に、均一な塗膜を得るために、界面活性剤を配合することが好ましい。
本発明で用いることができる界面活性剤の種類としては、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられ、シリコン系界面活性剤が好ましい。
【0061】
シリコン系界面活性剤の例としては、例えば、SH28PA(東レダウコーニング社製、ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体)、ペインタッド19、54(東レダウコーニング社製、ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体)、SF8428(東レダウコーニング社製、ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体(側鎖OH含有))、BYKUV3510(ビックケミー・ジャパン社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)、DC57(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)、DC190(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)、サイラプレーンFM−4411、FM−4421、FM−4425、FM−7711、FM−7721、FM−7725、FM−0411、FM−0421、FM−0425、FM−DA11、FM−DA21、FM−DA26、FM0711、FM0721、FM−0725、TM−0701、TM−0701T(チッソ社製)、UV3500、UV3510、UV3530(ビックケミー・ジャパン社製)、BY16−004、SF8428(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、VPS−1001(和光純薬製)等が挙げられる。これらの中でもサイラプレーンFM−7711、FM−7721、FM−7725、FM−0411、FM−0421、FM−0425、FM0711、FM0721、FM−0725、VPS−1001が好ましい。
また、エチレン性不飽和基を有するシリコン系界面活性剤の市販品としては、例えば、TegoRad2300、2200N(テゴ・ケミー社製)等を挙げることができる。
【0062】
フッ素系界面活性剤の例として、例えば、メガファックF−114、F410、F411、F450、F493、F494、F443、F444、F445、F446、F470、F471、F472SF、F474、F475、R30、F477、F478、F479、F480SF、F482、F483、F484、F486、F487、F172D、F178K、F178RM、ESM−1、MCF350SF、BL20、R08、R61、R90(DIC社製)が挙げられる。
【0063】
本発明の組成物中における成分(F)の配合量は、有機溶剤を除く成分の全量を100質量%としたときに、通常0〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。成分(F)の配合量が10質量%を超えると、硬化膜の屈折率が低下するおそれがある。
【0064】
本発明の硬化性樹脂組成物は脱水剤を含有することもできる。このように脱水剤を添加することにより、組成物の放射線硬化反応を促進させるとともに、組成物の保存安定性をより向上させることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物に使用される脱水剤は、化学反応により水以外の物質に変換する化合物、または、物理吸着または包接により、放射線硬化性および保存安定性に影響を与えなくする化合物と定義される。すなわち、このような脱水剤を含有することにより、硬化膜の耐光性や耐熱性を損なうことなく、保存安定性や放射線硬化性という相反する特性を向上させることができる。この理由として、外部から侵入してくる水を、脱水剤が有効に吸収することによって、組成物の保存安定性が向上し、一方、放射線硬化反応である縮合反応においては、生成した水を順次に脱水剤が有効に吸収することによって、組成物の放射線硬化性が向上することによると考えられる。
【0065】
本発明の硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記以外の各種の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、上記成分以外の硬化性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0066】
本発明の硬化性樹脂組成物は、発光素子の被覆用として用いることができる。具体的には、発光素子の表面上にスピンコート法等で硬化性樹脂組成物を塗布し、熱及び/又は放射線によって硬化体である硬化膜が形成された発光装置等が挙げられる。
次に本発明の発光装置の一例を説明する。図1中、基板2上に、第1電極3、発光層4、及び第2電極5からなる積層体(発光素子)が形成されている。この積層体の周囲に本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化膜1が被覆されている。なお、図1に示す各部を含む装置が本発明の発光装置である。
【実施例】
【0067】
以下の合成例、実施例及び比較例中の「部」は、特に断らない限り、「質量部」を表す。
(合成例1)
還流冷却器および攪拌機を備えた反応器に、シリコーンアルコキシオリゴマー(信越化学工業社製、X−40−9227)100部、プロピレングリコールモノメチルエーテル304部、0.7%シュウ酸水溶液13部を加えて混合した後、攪拌しながら75℃に加温し、4時間反応させた。冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテル304部を加えた後、減圧蒸留にて溶剤を除去し、反応混合物が200部になるまで濃縮した。同様の操作をもう一度行い、アルコキシ部位が加水分解されたシリコーンオリゴマー(A−1)を含む溶液を200部得た。
(合成例2)
還流冷却器および攪拌機を備えた反応器に、シリコーンアルコキシオリゴマー(信越化学工業社製、X−40−9247)100部、プロピレングリコールモノメチルエーテル304部、0.7%シュウ酸水溶液13部を加えて混合した後、攪拌しながら75℃に加温し、4時間反応させた。冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテル304部を加えた後、減圧蒸留にて溶剤を除去し、反応混合物が200部になるまで濃縮した。同様の操作をもう一度行い、アルコキシ部位が加水分解されたシリコーンオリゴマー(A−2)を含む溶液を200部得た。
【0068】
(組成物の調製1)
酸化ジルコニウムの微粒子(数平均一次粒子径:15nm)を15.9部、PLADD ED−151(化合物名:ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)を1.9部、トリ(sec−ブトキシ)アルミニウム2.2部、アセチルアセトン0.9部、2−ブタノール2.3部、メチルエチルケトン54.3部を容器に入れ、これに粒径0.1mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製)300部を加えて、ビーズミルにより、1,500rpmで10時間攪拌して、酸化ジルコニウムの微粒子を分散させた。
得られた酸化ジルコニウムの微粒子を含む分散液600部に、「A−1」を196部(固形分98部を含む。)、プロピレングリコールモノメチルエーテル173部、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体0.3部を添加し、混合物を減圧蒸留し溶剤を除去することによって、122部の酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−1」(固形分濃度=82%、粘度=10,000mPa・s)を得た。
【0069】
(組成物の調製2)
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の量を変えた以外は前記「組成物の調製1」と同様にして、125部の酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−2」(固形分濃度=80%、粘度=1,100mPa・s)を得た。
(組成物の調製3)
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の量を変えた以外は前記「組成物の調製1」と同様にして、135部の酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−3」(固形分濃度=74%、粘度=170mPa・s)を得た。
【0070】
(組成物の調製4)
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の量を変えた以外は前記「組成物の調製1」と同様にして、123部の酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−4」(固形分濃度=81%、粘度=9,000mPa・s)を得た。
(組成物の調製5)
「A−1」を「A−2」に変更し、かつ、酸化ジルコニウムの微粒子等の量を変えた以外は前記「組成物の調製1」と同様にして、133部の酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−5」(固形分濃度=75%、粘度=220mPa・s)を得た。
【0071】
(実施例1)
上記「組成物の調製1」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−1」71部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体29部を容器に入れ、自転公転式ミキサー(THINKY社製;製品名:あわとり練太郎ARE−250;以下の実施例及び比較例でも同じミキサーを用いた。)にて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0072】
(実施例2)
上記「組成物の調製1」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−1」83部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体17部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0073】
(実施例3)
上記「組成物の調製1」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−1」91部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体9部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0074】
(実施例4)
上記「組成物の調製2」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−2」71部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体29部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0075】
(実施例5)
上記「組成物の調製3」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−3」73部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体27部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0076】
(実施例6)
上記「組成物の調製3」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−3」84部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体16部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0077】
(実施例7)
上記「組成物の調製3」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−3」92部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体8部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0078】
(実施例8)
上記「組成物の調製4」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−4」71部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体29部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0079】
(実施例9)
上記「組成物の調製4」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−4」92部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体8部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0080】
(実施例10)
上記「組成物の調製5」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−5」71部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体29部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0081】
(実施例11)
上記「組成物の調製5」で製造した酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−5」92部、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体8部を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、及び2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0082】
(比較例1)
両末端シラノールジメチルシリコーンオイル(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、XC96−723)385g、メチルトリメトキシシラン10.28g、及び、触媒としてのジルコニウムテトラアセチルアセトネート粉末0.791gを、攪拌翼と分留管、ジムロートコンデンサ及びリービッヒコンデンサとを取り付けた500ml三つ口コルベン中に計量し、室温にて15分間、触媒の粗大粒子が溶解するまで攪拌した。この後、反応液を100℃まで昇温して触媒を完全溶解し、100℃にて全還流下で30分間、500rpmで攪拌しつつ初期加水分解を行った。
続いて留出をリービッヒコンデンサ側に接続し、窒素をSV20で液中に吹き込み、生成メタノール、水分、及び副生物の低沸ケイ素成分を窒素に随伴させて留去しつつ、100℃、500rpmにて1時間攪拌した。窒素をSV20で液中に吹き込みながらさらに130℃に昇温し、この温度に保持しつつ5.5時間重合反応を継続し、粘度389mPa・sの反応液を得た。なお、ここで「SV」とは「Space Velocity」の略称であり、単位時間当たりの吹き込み体積量を指す。よって、SV20とは、1時間に反応液の20倍の体積の窒素(N)を吹き込むことをいう。
窒素の吹き込みを停止し、反応液をいったん室温まで冷却した後、ナス型フラスコに反応液を移し、ロータリーエバポレーターを用いて、オイルバス上において120℃、1kPaで20分間、微量に残留しているメタノール、水分、及び低沸ケイ素成分を留去し、粘度584mPa・sのシリコーン系材料「A−3」を得た。
得られたシリコーン系材料「A−3」と疎水性ヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジルRX−200)0.12g、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を容器に入れ、自転公転式ミキサーにて2,000rpmで5分間、2,200rpmで5分間の攪拌分散を行って、硬化性樹脂組成物を得た。
【0083】
<硬化膜の作製>
4インチ径の溶融石英またはシリコン基板上に、上記「組成物の調製1」〜「組成物の調製5」で得られた酸化ジルコニウム微粒子分散液「J−1」〜「J−5」または比較例1で得られたシリコーン系材料「A−3」を供給して、厚さ約1μmになるようにスピンコート塗布し、120℃で1分間、及び150℃で60分間加熱して、硬化膜(膜厚:1μm)を作製した。
【0084】
<硬化膜の特性評価>
前記の硬化膜について、下記の特性を測定し評価した。結果を表1に示す。
(1)透明性
日本分光社製の分光光度計を使用して、前記の硬化膜の波長400nmにおける透過率(%)を測定した。
(2)屈折率
メトリコン社製のプリズムカップラーを使用して、23℃、波長633nmにおける前記の硬化膜の屈折率を測定した。
(3)耐熱性
オーブンを用いて、前記の硬化膜を温度270℃で5分間加熱処理した。処理後の硬化膜の透過率(%)を測定した。
以上の結果を表1に示す。
【0085】
<硬化膜の作製>
4インチ径の溶融石英またはシリコン基板上に、実施例1〜7および比較例1で得られた硬化性樹脂組成物を供給して、厚さが約1μmになるようにスピンコート塗布し、120℃で1分間、及び150℃で60分間加熱して、硬化膜(膜厚:1μm)を作製した。
【0086】
<硬化膜の特性評価>
前記の硬化膜について、下記の特性を測定し評価した。結果を表2に示す。
(4)硬化性
前記の硬化膜の表面を指で触り、べとつきがないものを「○」、べとつきがあるものを「×」とした。結果を表2に示す。
(5)クラック耐性
前記の硬化膜の外観を目視で観察し、クラックのないものを「○」、クラックがあるものを「×」とした。結果を表2に示す。
(6)空孔の有無
前記の硬化膜の断面をSEMで観察し、空孔のないものを「○」、空孔があるものを「×」とした。結果を表2に示す。
(7)保存安定性
実施例1〜11及び比較例1で得られた硬化性樹脂組成物を2時間静置した後と8時間静置した後に、それぞれを目視にて蛍光体の沈降の有無を評価した。2時間静置した後に蛍光体の沈降が観察された場合を「×」、2時間静置した後は蛍光体の沈降が観察されなかったが8時間静置した後には蛍光体の沈降が観察された場合を「△」、8時間静置した後も蛍光体の沈降が観察されなかった場合を「○」として評価した。結果を表2に示す。
【0087】
【表1】

【0088】
【表2】

【符号の説明】
【0089】
1 硬化膜
2 基板
3 第1電極
4 発光層
5 第2電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)〜(C)成分を含有する、硬化性樹脂組成物。
(A)シロキサン系重合体、チタノキサン系重合体、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体
(B)酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、及びこれらの複合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の粒子
(C)蛍光体
【請求項2】
上記(B)成分の配合量が、上記(A)成分100質量部に対して50〜1,000質量部である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
上記(C)成分の配合量が、上記(B)成分100質量部に対して10〜500質量部である、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
上記(C)成分の配合量が、上記(A)成分100質量部に対して10〜500質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
さらに、(D)有機溶媒を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
上記(D)成分の配合量が、硬化性樹脂組成物中、上記(D)成分を除く成分の全量100質量部に対して1〜500質量部である、請求項5に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
上記(D)成分の配合量が、上記(A)成分及び上記(B)成分の合計量100質量部に対して10〜50質量部である、請求項5または6に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
上記(B)成分の数平均一次粒子径が、1〜100nmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
上記(C)成分の数平均一次粒子径が、0.1〜100μmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項10】
発光素子の被覆用である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項11】
発光素子と、該発光素子の表面上に形成させた、請求項10に記載の硬化性樹脂組成物の硬化体である硬化膜とを含む、発光装置。

【図1】
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