説明

硬化性樹脂組成物及び光学フィルム

【課題】 耐擦傷性、耐摩耗性が良好なハードコート層を有する光学フィルム等の積層体を提供することを課題の一つとし、また、前記積層体を得ることができる硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液を提供することを課題の一つとする。
【解決手段】 無機微粒子及び硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物であって、無機微粒子は、モース硬度が7以上であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−1)、モース硬度が4以上7未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−2)、及びモース硬度が4未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−3)であり、硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である硬化性樹脂組成物による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードコート層に用いられる硬化性樹脂組成物、コーティング液及び硬化して得られるハードコート層を有する光学フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種ディスプレイに用いられるプラスチックフィルムなどの光学フィルムには、表面硬度を向上させる目的で、熱硬化性樹脂組成物や活性エネルギー線硬化性樹脂組成物等からなるハードコート層が設けられている。近年、ハードコート層に、機能を付与するための様々な検討が行われている。例えば、離型成分としてフッ素を含むシルセスキオキサンを含有する共重合体を使用し、これをエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂組成物に配合し、ハードコート層を形成させることで、少量の離型成分の配合により優れた離型性能を示す積層体が検討されている(例えば、特許文献1参照)。このハードコート層は、フッ素を含むシルセスキオキサンを含有するため、撥水性、撥油性、防汚性は良好である。しかしながら、このハードコート層には、耐摩耗性能が低いという問題があった。
【0003】
耐摩耗性能を改善するために、粒径が異なる2種類の無機微粒子を添加した硬化性樹脂組成物が開発された(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、前記硬化性樹脂組成物を用いて製造されたハードコート層の耐摩耗性能は、実用的な耐久性の点で不充分であり、また耐擦傷性が低いという新たな問題が生じていた。
これらの問題点を改良した硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液及びこれらを用いたハードコート層を有する光学フィルム等の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−216615号
【特許文献2】特開平10−330647号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、耐擦傷性、耐摩耗性が良好なハードコート層を有する光学フィルム等の積層体を提供することを課題の一つとし、また、前記積層体を得ることができる硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、硬化性樹脂、モース硬度が異なる少なくとも3種類の無機微粒子を混合し、得られた硬化性樹脂組成物または前記硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液を硬化することで得られる積層体が、耐擦傷性、耐摩耗性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の構成を有する。
【0007】
[1] 無機微粒子及び硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物であって、無機微粒子は、モース硬度が7以上であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−1)、モース硬度が4以上7未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−2)、及びモース硬度が4未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−3)であり、硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記硬化性樹脂組成物の全体量に対して、無機微粒子(a−1)の含有量が、20〜60重量%であり、無機微粒子(a−2)の含有量が、5〜20重量%であり、無機微粒子(a−3)の含有量が0.1〜5重量%であり、硬化性樹脂の含有量が、15〜74重量%である硬化性樹脂組成物。
[2] 前記無機微粒子(a−1)が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、及び酸化チタンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記無機微粒子(a−2)が、酸化スズ、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、酸化セリウム、酸化銅、酸化亜鉛、燐灰石、蛍石、及び酸化鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記無機微粒子(a−3)が、酸化アンチモン、氷晶石、方解石、石膏、及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]項記載の硬化性樹脂組成物。
[3] さらに硬化剤を硬化性樹脂組成物の全体量に対して0.1〜10重量%含有する前記[1]項または前記[2]項記載の硬化性樹脂組成物。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物と溶媒とからなるコーティング液。
[5] 前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物または前記[4]項記載のコーティング液を硬化させたハードコート層と、基材とが積層されてなる積層体。
[6] 前記基材が、合成樹脂フィルム、ガラス基板、セラミック基板、半導体基板または金属基板である前記[5]項記載の積層体。
[7] 前記ハードコート層が、基材の片面または基材の両面に積層されてなる前記[5]項記載の積層体。
[8] 前記[5]〜[7]のいずれか1項記載の積層体からなる光学フィルム。
[9] 前記[8]項記載の光学フィルムを含むタッチパネル。
【発明の効果】
【0008】
本発明の硬化性樹脂組成物を用いることで、耐擦傷性、耐摩耗性が良好な硬化物を得ることができる。また、この硬化性樹脂組成物から得られた積層体及び光学フィルムは良好な耐擦傷性、耐摩耗性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<硬化性樹脂組成物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、無機微粒子及び硬化性樹脂を含有する。無機微粒子は、モース硬度が7以上であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−1)、モース硬度が4以上7未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−2)、及びモース硬度が4未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−3)であり、硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0010】
<無機微粒子(a−1)>
無機微粒子(a−1)は、モース硬度が7以上であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子であれば、特に問題なく使用できる。モース硬度は、7以上、9以下が特に好ましい。平均粒子径は、好ましくは、1nm〜1μmであり、より好ましくは、10nm〜500nmであり、特に好ましくは、10nm〜50nmである。前記無機微粒子(a−1)としては、酸化アルミニウム(モース硬度9)、二酸化ケイ素(モース硬度7)、酸化チタン(モース硬度7〜7.5)が例示できる。なかでも、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素が好ましい。これらは、1種で利用してもよいし、2種以上を混合して利用してもよい。
【0011】
<無機微粒子(a−2)>
無機微粒子(a−2)は、モース硬度が4以上、7未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子であれば、特に問題なく利用できる。平均粒子径は、好ましくは、1nm〜1μmであり、より好ましくは、10nm〜500nmであり、特に好ましくは、10nm〜50nmである。前記無機微粒子(a−2)としては、酸化スズ(モース硬度6.5)、酸化ジルコニウム(モース硬度6)、フッ化マグネシウム(モース硬度6)、酸化セリウム(モース硬度6)、酸化銅(モース硬度4.5)、酸化亜鉛(モース硬度4)、燐灰石(モース硬度5)、蛍石(モース硬度4)、シリカガラス(モース硬度6)、及び酸化鉄(モース硬度6)が例示できる。なかでも、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化銅が好ましい。これらは、1種で利用してもよいし、2種以上を混合して利用してもよい。
【0012】
<無機微粒子(a−3)>
無機微粒子(a−3)は、モース硬度が4未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子であれば、特に問題なく利用できる。平均粒子径は、好ましくは、1nm〜1μmであり、より好ましくは、10nm〜500nmであり、特に好ましくは、10nm〜50nmである。前記無機微粒子(a−3)としては、酸化アンチモン(モース硬度3)、氷晶石(モース硬度2.5〜3)、方解石(モース硬度3)、石膏(モース硬度2)、層状ケイ酸塩鉱物(モース硬度1〜3)、及びタルク(モース硬度1)が例示できる。なかでも、酸化アンチモン、氷晶石が好ましい。これらは、1種で利用してもよいし、2種以上を混合して利用してもよい。
【0013】
<無機微粒子(a−1)、無機微粒子(a−2)、無機微粒子(a−3)の組み合わせ>
本発明において、モース硬度とは、10種の標準鉱物を選定し、対象鉱物がどの標準物質によってはじめて傷がつくかによって示す硬さの尺度である。
硬化性樹脂組成物の全体量に対して、無機微粒子(a−1)の含有量は、20〜60重量%であり、20〜30重量%が好ましく、22〜28重量%が特に好ましく、無機微粒子(a−2)の含有量は、5〜20重量%であり、5〜10重量%が好ましく、7〜10重量が特に好ましく、無機微粒子(a−3)の含有量は、0.1〜5重量%であり、1〜4重量%が好ましく、1〜3重量%が特に好ましい。含有量を上記範割合とすることで、得られるフィルムの耐擦傷性、耐摩耗性が良好となる。
【0014】
<硬化性樹脂>
硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂が利用でき、活性エネルギー線硬化性樹脂が好ましく利用できる。これらは、1種で利用してもよいし、2種以上を混合して利用してもよい。硬化性樹脂組成物の全体量に対して、硬化性樹脂の含有量は、15〜74重量%であり、20〜50重量%が好ましく、30〜50重量が特に好ましい。
【0015】
<熱硬化性樹脂>
熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが利用できる。メラミン樹脂としては、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂などのアルキル化メラミン樹脂、メチロール型メラミン樹脂、イミノ型メラミン樹脂などが挙げられる。前記ウレタン樹脂としては、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂、ポリエステル型ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート型ポリウレタン樹脂、ポリエステルポリカーボネート型ポリウレタン樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキシランを有するモノマーの重合体、又はオキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。これらは、1種で利用してもよいし、2種以上を混合して利用してもよい。
【0016】
熱硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて硬化剤を添加してもよい。この場合、熱硬化性樹脂組成物の全体量に対して、硬化剤の含有量は、0.1〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、0.1〜4重量が特に好ましい。硬化剤としては、カルボン酸、アミン、酸無水物化合物、酸発生剤、ルイス酸を放出するオニウム塩である複塩又はその誘導体などが利用でき、好ましくはルイス酸を放出するオニウム塩である複塩又はその誘導体などが利用できる。
【0017】
<活性エネルギー線硬化性樹脂>
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、(メタ)アクリレートモノマー、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂などのラジカル重合が可能な不飽和結合を有する樹脂などが利用できる。
【0018】
前記(メタ)アクリレートモノマーとしては、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物が挙げられる。例えば、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレンポリトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、シルセスキオキサン骨格を有する化合物で、官能基に(メタ)アクリレートを有する化合物も挙げられる。
【0019】
前記不飽和ポリエステル樹脂としては、多価アルコールと不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物(不飽和ポリエステル)を、重合性モノマーに溶解したものが挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸などの不飽和酸とエチレングリコールなどのジオールとを重縮合させて製造できる。具体的にはフマル酸、マレイン酸、イタコン酸などの重合性不飽和結合を有する多塩基酸またはその無水物を酸成分とし、これとエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの多価アルコールをアルコール成分として反応させ、また、必要に応じてフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの重合性不飽和結合を有していない多塩基酸又はその無水物も酸成分として加えて製造されるものが挙げられる。
【0020】
前記ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂としては、(1)飽和多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシルのポリエステルにα,β−不飽和カルボン酸エステルを含有するエポキシ化合物を反応して得られる(メタ)アクリレート、(2)飽和多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシルのポリエステルに水酸基含有アクリレートを反応させて得られる(メタ)アクリレート、(3)飽和多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端水酸基のポリエステルに(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの原料として用いられる飽和多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの重合性不飽和結合を有していない多塩基酸またはその無水物が挙げられ、重合性不飽和多塩基酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などの重合性不飽和結合を有している多塩基酸またはその無水物が挙げられる。さらに多価アルコール成分としては、前記不飽和ポリエステルと同様である。
【0021】
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、グリシジルを有する化合物と、アクリル酸などの重合性不飽和結合を有するカルボキシル化合物のカルボキシルとの開環反応により生成する重合性不飽和結合を持った化合物(ビニルエステル)を、重合性モノマーに溶解したものが挙げられる。前記ビニルエステルとしては、公知の方法により製造されるものであり、エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。また、各種エポキシ樹脂をビスフェノール(例えばA型)またはアジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸(ハリダイマー270S:ハリマ化成(株))などの二塩基酸で反応させ、可撓性を付与してもよい。原料としてのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ノボラック型グリシジルエーテル類などが挙げられる。
【0022】
前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反応させた後、更に水酸基含有(メタ)アクリル化合物及び必要に応じて水酸基含有アリルエーテル化合物を反応させることによって得ることができるラジカル重合性不飽和基含有オリゴマーが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、具体的には2,4−トリレンジイソシアネートおよびその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、バノックD−750、クリスボンNK(商品名;大日本インキ化学工業(株)製)、デスモジュールL(商品名;住友バイエルウレタン(株)製)、コロネートL(商品名;日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートD102(商品名;三井武田ケミカル(株)製)、イソネート143L(商品名;三菱化学(株)製)などが挙げられる。
前記ポリヒドロキシ化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどが挙げられ、具体的にはグリセリン−エチレンオキシド付加物、グリセリン−プロピレンオキシド付加物、グリセリン−テトラヒドロフラン付加物、グリセリン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−テトラヒドロフラン付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエスリトール−エチレンオキシド付加物、ジペンタエスリトール−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエスリトール−テトラヒドロフラン付加物、ジペンタエスリトール−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコールなどが挙げられる。
前記水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、特に限定されるものではないが、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌルサンノジ(メタ)アクリレート、ペンタエスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0023】
活性エネルギー線硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて硬化剤を添加してもよい。この場合、硬化性樹脂組成物の全体量に対して、硬化剤の含有量は、0.1〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、0.1〜4重量が特に好ましい。硬化剤としては、活性エネルギー線重合開始剤が利用できる。活性エネルギー線重合開始剤としては、紫外線や可視光線などの活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する化合物であれば特に限定しない。活性エネルギー線重合開始剤として用いられる化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4′−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、1,4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4′−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(4′−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3′,4′−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2′,4′−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2′−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4′−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2′−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4′−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどである。これらの化合物は単独で使用してもよく、2つ以上を混合して使用することも有効である。3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジ(メトキシカルボニル)−4,4′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4′−ジ(メトキシカルボニル)−4,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4′−ジ(メトキシカルボニル)−3,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが好ましい。
【0024】
<溶媒>
本発明の積層体及び光学フィルムを製造する際には、硬化性樹脂組成物に溶媒を添加して、コーティング液としてもよい。用いられる溶媒の例には、炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエンなど)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼンなど)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼンなど)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、t-ブチルアルコールなど)、ニトリル系溶媒(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなど)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート系溶媒(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド)、ハイドロクロロフルオロカーボン系溶媒(HCFC−141b、HCFC−225)、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)系溶媒(炭素数2〜4、5および6以上のHFCs)、パーフルオロカーボン系溶媒(パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン)、脂環式ハイドロフルオロカーボン系溶媒(フルオロシクロペンタン、フルオロシクロブタン)、酸素含有フッ素系溶媒(フルオロエーテル、フルオロポリエーテル、フルオロケトン、フルオロアルコール)、芳香族系フッ素溶媒(α,α,α-トリフルオロトルエン、ヘキサフルオロベンゼン)、水が含まれる。これらは、1種で利用してもよいし、2種以上を混合して利用してもよい。
用いられる溶媒の量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全体量に対して溶媒は、好ましくは0.1〜2倍であり、より好ましくは1〜1.5倍である。
【0025】
<添加剤>
本発明の積層体及び光学フィルムを製造する際には、硬化性樹脂組成物に酸化防止剤を含有させてもよい。酸化防止剤を含有させることにより、酸化劣化を防止し着色の少ない光学フィルムとすることができる。酸化防止剤の例はフェノール系、硫黄系、およびリン系の酸化防止剤である。酸化防止剤を使用するときの好ましい酸化防止剤の含有割合は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全体量に対して酸化防止剤は、好ましくは0.0001〜0.1重量%であり、より好ましくは0.01〜0.1重量%である。
【0026】
酸化防止剤の具体例は、モノフェノール類(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど)、ビスフェノール類(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど)、高分子型フェノール類(1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノールなど)、硫黄系酸化防止剤(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルル−3,3’−チオジプロピオネートなど)、ホスファイト類(リフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイトなど)、およびオキサホスファフェナントレンオキサイド類(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなど)である。これらの酸化防止剤はそれぞれ単独で使用できるが、フェノール系/硫黄系またはフェノール系/リン系と組み合わせて使用することが特に好ましい。市販のフェノール系の酸化防止剤としては、チバ・ジャパン(株)製IRGANOX 1010(商品名)やIRGAFOS 168(商品名)をそれぞれ単独で利用することができ、また、これらを混合して利用することもできる。
【0027】
本発明の積層体及び光学フィルムを製造する際には、耐光性を向上させるために、硬化性樹脂組成物に紫外線吸収剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤としては、一般のプラスチック用紫外線吸収剤を使用でき、その好ましい含有割合は、特に限定されない。硬化性樹脂組成物の全体量に対して、紫外線吸収剤は、好ましくは0.0001〜0.1重量%であり、より好ましくは0.001〜0.1重量%である。
【0028】
紫外線吸収剤の具体例は、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{(2’−ヒドロキシ−3’,3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類、およびビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル}メチル]ブチルマロネート等のヒンダートアミン類である。
【0029】
<その他成分>
また、活性エネルギー線増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、硬化助剤など、任意の成分を硬化性樹脂組成物に含有させてもよい。
【0030】
本発明のハードコート層と基材との密着性を向上させる硬化助剤としては、例えば、1分子中にチオールを2個以上有する化合物が挙げられる。より具体的には、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコネート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(商品名;カレンズMT BD1、昭和電工株式会社製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(商品名;カレンズMT PE1、昭和電工株式会社製)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(商品名;カレンズMT NR1、昭和電工株式会社製)などが挙げられる。
【0031】
<積層体、光学フィルム及びその製造方法>
積層体及び光学フィルムは、本発明の硬化性樹脂組成物または硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液を基材上の片面に塗布等を行うことにより層を形成し、硬化性樹脂組成物または硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液の層を硬化させるのに必要なエネルギー(熱、活性エネルギー線等)を照射し、硬化させることで製造できる。硬化性樹脂組成物または硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液を硬化させた層が、ハードコート層となり、基材の耐擦傷性、耐摩耗性を向上することができる。基材が光学フィルムの場合、光学フィルムの両面にハードコート層を形成させてもよい。
【0032】
下記の方法で、硬化性樹脂組成物から積層体及び光学フィルムを製造することができる。本発明の積層体及び光学フィルムは、本発明の硬化性樹脂組成物または硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液の層を形成する工程と、この層を硬化させる工程とによって得られる。
【0033】
層の形成は、例えば、硬化性樹脂組成物または硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液を基材に塗布することによって行うことができる。
塗布する方法は、特に制限されないが、スピンコート法、ロールコート法、スリットコート法、ディッピング法、スプレーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、キスコート法、リバースキスコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法などが利用できる。
塗布される基材の例としては、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラスなどのガラス基板;ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、トリアセテート、ジアセテートなどの合成樹脂フィルム;ノルボルネン系樹脂を含むシクロオレフィン系樹脂(商品名;ゼオノア、ゼオネックス、日本ゼオン株式会社、商品名;アートン、JSR株式会社)、メタクリルスチレン、ポリサルフォン、脂環式アクリル樹脂、ポリアリレートなどの光学用途に用いる透明樹脂基板;アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板などの金属基板;その他セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板;ウレタンゴム、スチレンゴムなどが挙げられる。これらの基材は前処理をされていてもよく、前処理の例としては、シランカップリング剤などによる薬品処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理、紫外線処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着などが挙げられる。
【0034】
層の硬化は、溶媒を用いた場合など、必要に応じて乾燥を行い、その後、通常、加熱工程及び活性エネルギー線照射工程のうちの少なくとも1工程によって行うことができる。
塗布された硬化性樹脂組成物または硬化性樹脂組成物を含有するコーティング液の乾燥は、用いた溶媒が気化する温度で行えばよく、通常、室温(25℃程度)〜120℃程度で行うことができる。加熱工程では、熱硬化が開始する温度から約200℃の環境下で熱硬化性樹脂を硬化させることができる。硬化剤として、活性エネルギー線重合開始剤を用いる場合は、乾燥後に、活性エネルギー線源により、光活性エネルギー線または電子線を照射して硬化させることができる。活性エネルギー線源としては特に制限はないが、用いる活性エネルギー線重合開始剤の性質に応じて、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、気体レーザー、固体レーザー、電子線照射装置などが挙げられる。
【0035】
ハードコート層の厚みは、特に限定されないが、一般に0.1〜50μmの膜厚であればよく、好ましくは、0.1〜25μmであり、より好ましくは、0.1〜10μmである。また、基材が光学フィルムの場合、その厚みは、特に限定されないが、一般に0.1〜1mmの膜厚であればよく、好ましくは、0.1〜500μm、より好ましくは、20〜300μmである。
【0036】
積層体を光学フィルムとして用いる場合、基材は、光学フィルムに用いられる素材であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリイミド、及びポリエーテルスルホンが挙げられる。これらの中でも、ディスプレイ、タッチパネルの用途に適している点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースが好ましい。これらのフィルムは、市販品を購入して用いてもよい。例えば、膜厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムとしては、東レ(株)製「ルミラー100−U34(商品名)」が利用できる。
【0037】
<用途>
本発明の光学フィルムは、LCD、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイ等のディスプレイ、家電製品等のタッチパネル、ガラス等の保護フィルムに用いることができる。特に、耐摩耗性が要求されるタッチパネル用途に好適である。
【実施例】
【0038】
本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されない。
【0039】
本発明では、次の測定方法を利用した。
1)無機微粒子のモース硬度、平均粒子径
無機微粒子のモース硬度は、(株)ニチカ製モース硬度計を使用し、測定対象の無機微粒子で標準物質を擦り、引っ掻き傷の有無で硬さを測定することができる。また、無機微粒子の平均粒子径は、大塚電子(株)製粒径測定装置(ELS−500SD)を使用し、動的光散乱法にて測定する。メチルイソブチルケトン(MIBK)で測定対象の無機微粒子を0.1重量%に希釈、分散し、得られた分散液を前記装置で測定することで、キュムラント法により平均粒子径が算出できる。
2)膜厚
・ハードコート層の膜厚
(株)ニコン製デジマイクロ「MF−501+カウンタTC−101」にて塗工面と未塗工面の膜厚を測定し、その膜厚差から算出した。
・基材の膜厚
(株)ニコン製デジマイクロ「MF−501+カウンタTC−101」にて基材の膜厚を測定した。
3)耐擦傷性及び耐摩耗性
(株)井元製作所製耐摩耗試験機「IMC−1557型」を使用した。測定条件は垂直荷重1kg、往復速度30回/分、往復距離100mm、往復回数1000回、摩耗布取付部形状は直径10mm。摩耗布としてスチールウール(#0000)を使用した。
1000回往復後の積層体の塗膜表面の擦り傷を目視で評価した(耐擦傷性評価)。
評価基準は、次のとおりである。
×:擦り傷が目視で明らかに確認できた。
○:擦り傷が目視で僅かであるが確認できた。
◎:擦り傷が目視で確認できなかった。
また、耐磨耗試験前後の積層体のを日本電色工業(株)製ヘーズメーター「NDH5000」を用いて、JIS K 7105に基づき、ヘーズを測定。耐摩耗性評価として、耐磨耗試験前後のヘーズ差を算出した。
ここで、初期ヘーズは、耐磨耗試験前後の積層体のヘーズ(%)であり、ヘーズ差は、耐磨耗試験前の積層体のヘーズ(%)と耐磨耗試験後の積層体のヘーズ(%)の差である。評価基準において、3以下のヘーズ差であった場合に、耐磨耗性を良好とした。
【0040】
実施例1
無機微粒子(a−1)として、モース硬度が9であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化アルミナ(シーアイ化成(株))を25重量%、無機微粒子(a−2)として、モース硬度が6.5であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化スズ(シーアイ化成(株))を10重量%、無機微粒子(a−3)としてモース硬度が2.5〜3であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である氷晶石(シーアイ化成(株))を5重量%、硬化性樹脂として、活性エネルギー線硬化性樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株);アロニックス(商品名) M−305)40重量%、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株);NKエステル(商品名) APG−200)を15重量%、硬化剤として、イルガキュア(チバ・ジャパン(株);(登録商標)907))を5重量%の比で混合し、硬化性樹脂組成物とした。
得られた硬化性樹脂組成物10gに、溶媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK)を15g加え、分散・混合し、コーティング液とした。
得られたコーティング液を、R.D.スペシャリティーズ社製コーティングロッド(#12)を用いて、東洋紡(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:100μm、コスモシャイン(商品名) A4300)の210cm×297cmの片面上に塗布した。
得られた塗膜付きフィルムを、80℃の高温チャンバーで1分間乾燥させ、岩崎電気(株)製高圧水銀ランプ(H08−L41、定格 160W/cm)が付属したコンベア式UV照射装置を用いて、照度200mW/cm2、露光量500mJ/cm2で紫外線を照射し、膜厚5μmの透明なハードコート層を有する積層体を得た。露光量は、岩崎電気(株)製照度計(UVPF−A1/PD−365)で測定した。
得られた積層体を前述の耐摩耗性試験機にて、擦り傷、ヘーズを測定し、耐擦傷性、耐摩耗性を評価した。評価結果は表1に示す。
【0041】
実施例2
無機微粒子(a−1)として、モース硬度が9であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化アルミニウム(シーアイ化成(株))を30重量%、無機微粒子(a−2)として、モース硬度が6〜7であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化スズ(シーアイ化成(株))を5重量%、無機微粒子(a−3)として、モース硬度が2.5〜3であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である氷晶石(シーアイ化成(株))を5重量%、硬化性樹脂として、活性エネルギー線硬化性樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株);アロニックス(商品名) M−305)を40重量%、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株);NKエステル(商品名) APG−200)を15重量%、硬化剤として、イルガキュア(チバ・ジャパン(株);(登録商標)907))を5重量%の比で混合し、硬化性樹脂組成物とした。
実施例1と同様の操作を行い、コーティング液を作製した。
得られたコーティング液を用いて、実施例1と同様の操作を行い、積層体を製造した。得られたハードコート層の膜厚は5μmであった。得られた積層体の耐摩耗性試験及び耐擦傷性試験を行った。評価結果は表1に示す。
【0042】
実施例3
無機微粒子(a−1)として、モース硬度が9であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化アルミニウム(シーアイ化成(株))を20重量%、無機微粒子(a−2)として、モース硬度が6〜7であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化スズ(シーアイ化成(株))を15重量%、無機微粒子(a−3)として、モース硬度が2.5〜3であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である氷晶石(シーアイ化成(株))を5重量%、硬化性樹脂として、活性エネルギー線硬化性樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株);アロニックス(商品名) M−305)を40重量%、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株);NKエステル(商品名) APG−200)15重量%、硬化剤として、イルガキュア(チバ・ジャパン(株);(登録商標)907))を5重量%の比で混合し、硬化性樹脂組成物とした。
実施例1と同様の操作を行い、コーティング液を作製した。
得られたコーティング液を用いて、実施例1と同様の操作を行い、積層体を製造した。得られたハードコート層の膜厚は5μmであった。得られた積層体の耐摩耗性試験及び耐擦傷性試験を行った。評価結果は表1に示す。
【0043】
比較例1
無機微粒子(a−1)として、モース硬度が9であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化アルミニウム(シーアイ化成(株))を40重量%、硬化性樹脂として、活性エネルギー線硬化性樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株);アロニックス(商品名) M−305)を40重量%、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株);NKエステル(商品名) APG−200)を15重量%、硬化剤として、イルガキュア(チバ・ジャパン(株);(登録商標)907))を5重量%の比で混合し、硬化性樹脂組成物とした。
実施例1と同様の操作を行い、コーティング液を作製した。
得られたコーティング液を用いて、実施例1と同様の操作を行い、ハードコート層が膜厚5μmのハードコート層を有する積層体を製造した。得られた積層体の耐摩耗性試験及び耐擦傷性試験を行った。評価結果は表1に示す。
【0044】
比較例2
無機微粒子(a−1)として、モース硬度が9であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化アルミニウム(シーアイ化成(株))を20重量%、無機微粒子(a−2)として、モース硬度が6〜7であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化スズ(シーアイ化成(株))を20重量%、硬化性樹脂として、活性エネルギー線硬化性樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株);アロニックス(商品名) M−305)を40重量%、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株);NKエステル(商品名) APG−200)を15重量%、硬化剤として、イルガキュア(チバ・ジャパン(株);(登録商標)907))を5重量%の比で混合し、硬化性樹脂組成物とした。
実施例1と同様の操作を行い、コーティング液を作製した。
得られたコーティング液を用いて、実施例1と同様の操作を行い、積層体を製造した。得られたハードコート層の膜厚は5μmであった。得られた積層体の耐摩耗性試験及び耐擦傷性試験を行った。評価結果は表1に示す。
【0045】
比較例3
無機微粒子(a−1)として、モース硬度が9であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化アルミニウム(シーアイ化成(株))を20重量%、無機微粒子(a−3)として、モース硬度が2.5〜3であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である氷晶石(シーアイ化成(株))を20重量%、硬化性樹脂として、活性エネルギー線硬化性樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株);アロニックス(商品名) M−305)を40重量%、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株);NKエステル(商品名) APG−200)を15重量%、硬化剤として、イルガキュア(チバ・ジャパン(株);(登録商標)907))を5重量%の比で混合し、硬化性樹脂組成物とした。
実施例1と同様の操作を行い、コーティング液を作製した。
得られたコーティング液を用いて、実施例1と同様の操作を行い、積層体を製造した。得られたハードコート層の膜厚は5μmであった。得られた積層体の耐摩耗性試験及び耐擦傷性試験を行った。評価結果は表1に示す。
【0046】
比較例4
無機微粒子(a−1)として、モース硬度が9であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化アルミニウム(シーアイ化成(株))を25重量%、無機微粒子(a−2)として、モース硬度が6.5であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化スズ(シーアイ化成(株))を2重量%、無機微粒子(a−3)として、モース硬度が2.5〜3であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である氷晶石(シーアイ化成(株))を13重量%、硬化性樹脂として、活性エネルギー線硬化性樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株);アロニックス(商品名) M−305)を40重量%、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株);NKエステル(商品名) APG−200)を15重量%、硬化剤として、イルガキュア(チバ・ジャパン(株);(登録商標)907))を5重量%の比で混合し、硬化性樹脂組成物とした。
実施例1と同様の操作を行い、コーティング液を作製した。
得られたコーティング液を用いて、実施例1と同様の操作を行い、積層体を製造した。得られたハードコート層の膜厚は5μmであった。得られた積層体の耐摩耗性試験及び耐擦傷性試験を行った。評価結果は表1に示す。
【0047】
比較例5
無機微粒子(a−1)として、モース硬度が9であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化アルミニウム(シーアイ化成(株))を7重量%、無機微粒子(a−2)として、モース硬度が6.5であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である酸化スズ(シーアイ化成(株))を30重量%、無機微粒子(a−3)として、モース硬度が2.5〜3であり、平均粒子径が30nm(カタログ値)である氷晶石(シーアイ化成(株))を3重量%、硬化性樹脂として、活性エネルギー線硬化性樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株);アロニックス(商品名) M−305)を40重量%、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株);NKエステル(商品名) APG−200)15重量%、硬化剤として、イルガキュア(チバ・ジャパン(株);(登録商標)907))を5重量%の比で混合し、硬化性樹脂組成物とした。
実施例1と同様の操作を行い、コーティング液を作製した。
得られたコーティング液を用いて、実施例1と同様の操作を行い、積層体を製造した。得られたハードコート層の膜厚は5μmであった。得られた積層体の耐摩耗性試験及び耐擦傷性試験を行った。評価結果は表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
モース硬度9の酸化アルミナの無機微粒子、モース硬度6.5の酸化スズの無機微粒子、そしてモース硬度2.5〜3の氷晶石の3種類を組み合わせて用いた実施例1の積層体は、モース硬度9の酸化アルミナの無機微粒子を単独で用いた比較例1、モース硬度9の酸化アルミナの無機微粒子とモース硬度6.5の酸化スズの無機微粒子との2種類を用いた比較例2、またはモース硬度9の酸化アルミナの無機微粒子とモース硬度2.5〜3の氷晶石の2種類を用いた比較例3の積層体に比べて、耐擦傷性、耐摩耗性において、傷が付き難く、また、ヘーズ差の幅が小さいという良好な結果が得られた。
また、比較例4、5の積層体は、実施例1と同様に3種類の無機微粒子を組み合わせて用いているものの、擦傷性において、傷が付き易い結果となった。これは、積層体におけるコーティング層中の3種類の無機微粒子の含有量が、本発明の含有量の範囲と異なるため、擦傷性能が十分に付与できていないためである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の積層体は、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、タッチパネルフィルムなどの光学フィルム、三次元加飾フィルム、フラットパネルディスプレイ用フィルム基板、液晶ディスプレイ用プラスチックフィルム基板、有機EL表示用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、光ディスク基板、透明導電フィルム基板、TFT基板などの基板として利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機微粒子及び硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物であって、無機微粒子は、モース硬度が7以上であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−1)、モース硬度が4以上7未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−2)、及びモース硬度が4未満であり、平均粒子径が1μm以下である無機微粒子(a−3)であり、硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記硬化性樹脂組成物の全体量に対して、無機微粒子(a−1)の含有量が、20〜60重量%であり、無機微粒子(a−2)の含有量が、5〜20重量%であり、無機微粒子(a−3)の含有量が0.1〜5重量%であり、硬化性樹脂の含有量が、15〜74重量%である硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記無機微粒子(a−1)が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、及び酸化チタンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記無機微粒子(a−2)が、酸化スズ、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、酸化セリウム、酸化銅、酸化亜鉛、燐灰石、蛍石、及び酸化鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記無機微粒子(a−3)が、酸化アンチモン、氷晶石、方解石、石膏及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
さらに硬化剤を硬化性樹脂組成物の全体量に対して0.1〜10重量%含有する請求項1または請求項2記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物と溶媒とからなるコーティング液。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物または請求項4記載のコーティング液を硬化させたハードコート層と、基材とが積層されてなる積層体。
【請求項6】
前記基材が、合成樹脂フィルム、ガラス基板、セラミック基板、半導体基板または金属基板である請求項5記載の積層体。
【請求項7】
前記ハードコート層が、基材の片面または基材の両面に積層されてなる請求項5記載の積層体。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項記載の積層体からなる光学フィルム。
【請求項9】
請求項8記載の光学フィルムを含むタッチパネル。

【公開番号】特開2011−105929(P2011−105929A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227170(P2010−227170)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(311002067)JNC株式会社 (208)
【Fターム(参考)】