説明

硬化性樹脂組成物

【課題】防汚性に優れた塗膜(硬化物)が得られる硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】フルオロエーテル部位と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート化合物(A)と、ウレタン(メタ)アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)と、を含有する硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリカーボネート樹脂等のプラスチックの成型品は、その表面を損傷から保護する等の観点から、塗膜で被覆されるのが一般的である。
【0003】
このような塗膜を得るために用いられる硬化性樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、「重量平均分子量が50,000〜100,000であり、ガラス転移温度が90〜120℃である(メタ)アクリレート系重合体(A)、1分子中に6個以上のアクリロイルオキシ基を有するウレタンアクリレート(B)および光重合開始材(C)を含有する硬化性樹脂組成物。」が開示されている([請求項1])。
特許文献1に開示された硬化性樹脂組成物によれば、基材密着性および意匠性に優れた塗膜が得られるとされている([0007])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−12099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、上述したような塗膜を得るために用いられる硬化性樹脂組成物においては、要求される特性は多岐に渡り、また、その要求レベルも増している。
本発明者らが、特許文献1に開示された硬化性樹脂組成物について検討した結果、得られる塗膜(硬化物)の防汚性が不充分であることを見出した。
そこで、本発明は、防汚性に優れた塗膜(硬化物)が得られる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ウレタン(メタ)アクリレートに、フルオロエーテル部位と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート化合物を配合した硬化性樹脂組成物から得られる塗膜が、防汚性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(8)を提供する。
【0007】
(1)フルオロエーテル部位と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート化合物(A)と、ウレタン(メタ)アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)と、を含有する硬化性樹脂組成物。
【0008】
(2)上記フルオロエーテル部位が、下記式(I)〜(III)のいずれかで表されるフルオロエーテル部位である、上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
【0009】
【化1】

【0010】
(3)上記(メタ)アクリレート化合物(A)の質量平均分子量が、500〜10,000である、上記(1)または(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
【0011】
(4)上記(メタ)アクリレート化合物(A)が、上記フルオロエーテル部位と末端ヒドロキシ基とを有する化合物(a1)と、ポリイソシアネート(a2)と、ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)と、を反応させて得られる(メタ)アクリレート化合物である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【0012】
(5)上記(メタ)アクリレート化合物(A)の含有量が、固形分で、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B)100質量部に対して、0.001〜30質量部である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【0013】
(6)上記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が、1分子中に6個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【0014】
(7)さらに、質量平均分子量が10,000以上であるポリ(メタ)アクリル酸エステル(D)を含有する、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【0015】
(8)さらに、多官能(メタ)アクリルモノマー(E)を含有する、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、防汚性に優れた塗膜(硬化物)が得られる硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう)は、フルオロエーテル部位と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート化合物(A)と、ウレタン(メタ)アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)と、を含有する硬化性樹脂組成物である。
以下では、本発明の組成物が含有する各成分について詳述する。
【0018】
〔(メタ)アクリレート化合物(A)〕
本発明の組成物が含有する(メタ)アクリレート化合物(A)は、フルオロエーテル部位と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート化合物である。
ここで、「フルオロエーテル部位」とは、エーテル結合(−O−)を有するフルオロカーボン部位を意味し、「フルオロカーボン部位」とは、主鎖を構成する炭化水素の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子により置換されている繰り返し単位構造を意味し、直鎖構造および分岐構造のいずれであってもよい。
【0019】
また、「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは、アクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基を意味する。
なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート(アクリル酸エステル)および/またはメタクリレート(メタクリル酸エステル)を意味する。
【0020】
本発明の組成物が、(メタ)アクリレート化合物(A)を含有することにより、得られる塗膜(硬化物)は防汚性に優れる。
これは、(メタ)アクリレート化合物(A)におけるフルオロエーテル部位が有する低表面自由エネルギーにより、当該フルオロエーテル部位が塗膜表面に固定される(塗膜表面に出やすくなる)ことで、塗膜表面にレベリング性が与えられ(塗膜表面が平滑になり)、防汚性が発現されるためと推定される。
もっとも、別のメカニズムによって塗膜の防汚性が優れる場合であっても、本発明の範囲内である。
【0021】
(メタ)アクリレート化合物(A)が有するフルオロエーテル部位としては、上述したフルオロエーテル部位であれば特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
【0022】
【化2】

【0023】
上記式(1)中、R1は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、複数のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(1)中、mは1〜10の整数を示し、1〜5の整数であるのが好ましく、1〜3の整数であるのがより好ましい。
【0024】
上記式(1)で表されるフルオロエーテル部位としては、後述するウレタン(メタ)アクリレート(B)との相溶性が良好となり、得られる塗膜の意匠性が優れるという理由から、下記式(I)〜(III)のいずれかで表されるフルオロエーテル部位であるのが好ましい。
【0025】
【化3】

【0026】
このような(メタ)アクリレート化合物(A)としては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
【0027】
【化4】

【0028】
上記式(2)中、R1およびmは、上記式(1)中のR1およびmと同義である。
上記式(2)中、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜15の2価の炭化水素基を示し、R3は、炭素数1〜15の2価の炭化水素基を示し、R4は、水素原子またはメチル基を示す。複数のR2〜R4は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
上記式(2)中、nは、(メタ)アクリレート化合物(A)の質量平均分子量に応じて決定される整数である。
【0029】
2が示す、置換基を有していてもよい炭素数1〜15の2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜15の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基およびこれらを組み合わせた基等が挙げられる。
【0030】
上記脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキレン基であるのが好ましく、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル等が挙げられる。
【0031】
上記脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基であるのが好ましく、具体的には、例えば、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、下記式(a)で表される1−メチル−3,3−ジメチルシクロヘキサン−1,5−ジイル基等が挙げられる。なお、下記式(a)中、Meはメチル基を示す(以下同様)。
【0032】
【化5】

【0033】
上記芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜12のアリール基であるのが好ましく、具体的には、例えば、フェニレン基、トルエン−3,5−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
【0034】
2が示す炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜4の1価の脂肪族炭化水素基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;アリル基;等が挙げられる。
【0035】
これらのうち、R2が示す炭化水素基としては、耐黄変性に優れ、入手が容易であるという理由から、上記脂肪族炭化水素基と上記脂環式炭化水素基とを組み合わせた基であるのが好ましく、具体的には、例えば、下記式(b)で表される基等が挙げられる。
【0036】
【化6】

【0037】
3が示す、炭素数1〜15の2価の炭化水素基としては、R2と同様のものが挙げられ、なかでも、合成における経済的観点から、炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基であるのが好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基であるのがより好ましい。
【0038】
nが示す整数は、上述したように、(メタ)アクリレート化合物(A)の質量平均分子量に応じて決定される整数であり、1〜1,000の整数であるのが好ましく、5〜500の整数であるのがより好ましい。
【0039】
上記式(2)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)としては、具体的には、例えば、下記式(3)で表される化合物、下記式(4)で表される化合物、下記式(5)で表される化合物等が挙げられる。なお、下記式中のnは、上記式(2)中のnと同義である。
【0040】
【化7】

【0041】
(メタ)アクリレート化合物(A)の質量平均分子量としては、500〜10,000であるのが好ましく、1,000〜5,000であるのがより好ましい。
分子量が500より大きい場合には、上述したフルオロエーテル部位が適度に長くなることで、塗膜の表面張力が増して防汚性がより優れる。一方、分子量が10,000以下の場合には、ウレタン(メタ)アクリレート(B)に対する相溶性の観点からフルオロエーテル部位が適度な長さとなり、塗膜の意匠性が優れる。
【0042】
なお、質量平均分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(Gel permeation chromatography(GPC))により測定した質量平均分子量(ポリスチレン換算)であり、測定にはテトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いるのが好ましい(以下、同じ)。
【0043】
また、(メタ)アクリレート化合物(A)の含有量は、得られる塗膜の防汚性がより優れ、意匠性も優れるという理由から、固形分で、後述するウレタン(メタ)アクリレート(B)100質量部に対して、0.001〜30質量部であるのが好ましく、0.01〜10.0質量部であるのがより好ましい。
【0044】
(メタ)アクリレート化合物(A)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、フルオロエーテル部位と末端ヒドロキシ基とを有する化合物(a1)と、ポリイソシアネート(a2)と、ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)と、を反応させて(メタ)アクリレート化合物(A)を得る方法(以下、便宜的に「製造方法A」という)が挙げられる。
以下では、まず、製造方法Aに用いられる各成分について説明する。
【0045】
<化合物(a1)>
製造方法Aに用いられる化合物(a1)としては、上述したフルオロエーテル部位と末端ヒドロキシ基とを有する化合物であれば特に限定されず、例えば、下記式(6)で表される化合物が挙げられる。
【0046】
【化8】

【0047】
上記式(6)中、R1,mおよびnは、上記式(2)中のR1,mおよびnと同義である。
上記式(6)で表される化合物(a1)としては、具体的には、例えば、下記式(7)、下記式(8)および下記式(9)で表される化合物等が挙げられる。
【0048】
【化9】

【0049】
<ポリイソシアネート(a2)>
製造方法Aに用いられるポリイソシアネート(a2)としては、1分子内にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートであれば特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)などの脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂環式ポリイソシアネート;TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート体;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0050】
このようなポリイソシアネート(a2)としては、上述した式(2)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)が得られるという理由から、下記式(10)で表される化合物であるのが好ましい。
【0051】
【化10】

【0052】
上記式(10)中、R2は、上記式(2)中のR2と同義である。
上記式(10)で表されるポリイソシアネート(a2)としては、具体的には、例えば、下記式(11)で表されるイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)等を好適に用いることができる。
これらは、入手が容易であるという点、上述した化合物(a1)を効率的にジイソシアネートに変性することができるという点、得られる塗膜の耐光性が優れるという点等から、好ましい。
【0053】
【化11】

【0054】
<ヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)>
ヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)としては、ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するヒドロキシ(メタ)アクリレートであれば特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(例えば、ダイセル化学社製のFA1DDM)、骨格がペンタエリスリトールである化合物、骨格がジペンタエリスリトールである化合物等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、骨格がペンタエリスリトールである化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
骨格がジペンタエリスリトールである化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0055】
このようなヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)としては、上述した式(2)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)が得られるという理由から、下記式(12)で表される化合物であるのが好ましい。
【0056】
【化12】

【0057】
上記式(12)中、R3およびR4は、上記式(2)中のR3およびR4と同義である。
上記式(12)で表されるヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)としては、入手の容易さ、反応性、相溶性等の観点から、具体的には、例えば、下記式(13)で表される2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)、カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート等を好適に用いることができる。
【0058】
【化13】

【0059】
製造方法Aは、より詳細には、化合物(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させて中間化合物(a12)を得る第1工程と、得られた中間化合物(a12)とヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)とを反応させて(メタ)アクリレート化合物(A)を得る第2工程と、を備える。
【0060】
(第1工程)
製造方法Aの第1工程においては、化合物(a1)1モルに対して、ポリイソシアネート(a2)2モルを反応させる。
より詳細には、化合物(a1)が有する一方のヒドロキシ基と、ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基のうちの1つの基とを反応させて、残りの1個以上のイソシアネート基を残存させ、かつ、この化合物(a1)の他方のヒドロキシ基と、別のポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基のうちの1つの基とを反応させ、残りの1個以上のイソシアネート基を残存させる。
【0061】
このような第1工程により得られる中間化合物(a12)としては、例えば、下記式(14)で表される化合物が挙げられる。
【0062】
【化14】

【0063】
上記式(14)中、R1,R2,mおよびnは、上記式(2)中のR1,R2,mおよびnと同義である。
上記式(14)で表される中間化合物(a12)の具体例としては、例えば、下記式(15)、下記式(16)および下記式(17)で表される化合物等が挙げられる。
【0064】
【化15】

【0065】
(第2工程)
製造方法Aの第2工程においては、中間化合物(a12)1モルに対して、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)2モルを反応させる。
より詳細には、中間化合物(a12)における一方のポリイソシアネート(a2)に由来する残存イソシアネート基と、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)のヒドロキシ基とを反応させ、かつ、この中間化合物(a12)における他方のポリイソシアネート(a2)に由来する残存イソシアネート基と、別のヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)のヒドロキシ基とを反応させる。
【0066】
このような第2工程により、例えば、上記式(2)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)を得ることができ、具体的には、例えば、上記式(3)〜(5)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)を得ることができる。
【0067】
〔ウレタン(メタ)アクリレート(B)〕
次に、本発明の組成物が含有するウレタン(メタ)アクリレート(B)について説明する。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)は、1分子中にウレタン結合と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するウレタン(メタ)アクリレートであれば特に限定されないが、得られる塗膜の密着性、硬度等の観点から、1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基が6個以上であるものが好ましく、6〜15個であるものがより好ましい。
このようなウレタン(メタ)アクリレート(B)としては、具体的には、例えば、下記式(B1)、および、下記式(B2)で表されるものが挙げられる。
【0068】
【化16】

【0069】
【化17】

【0070】
ウレタン(メタ)アクリレート(B)の製造方法としては、例えば、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b1)と、1分子中に1個以上のヒドロキシ基と1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するヒドロキシ(メタ)アクリレート(b2)とを反応させることによりウレタン(メタ)アクリレート(B)を得る方法が挙げられる。
【0071】
ポリイソシアネート(b1)としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されず、例えば、上述したポリイソシアネート(a2)として説明したものが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、密着性等の観点から、IPDI、HDIのイソシアヌレート体であるのが好ましい。
【0072】
ヒドロキシ(メタ)アクリレート(b2)としては、1分子中に1個以上のヒドロキシ基と1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するものであれば特に限定されず、例えば、上述したヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)として説明したものが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、得られる塗膜の硬度等の観点から、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETIA)、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)が好ましい。
【0073】
ウレタン(メタ)アクリレート(B)の製造方法においては、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(b2)の量は、ポリイソシアネート(b1)1モルに対して、1.5〜3.5モルであるのが好ましい。
【0074】
ウレタン(メタ)アクリレート(B)の製造方法としては、ポリイソシアネート(b1)とヒドロキシ(メタ)アクリレート(b2)とを、例えば、50〜80℃の条件下において、触媒として既存の有機スズ触媒(例えばジブチルスズジラウレート)を使用し、溶媒としてメチルエチルケトン、酢酸エチルを使用する方法であるのが好ましい。
【0075】
〔光重合開始剤(C)〕
本発明の組成物が含有する光重合開始剤(C)は、光によって例えばラジカル重合性官能基を有する化合物を重合させうるものであれば特に制限されない。
【0076】
光重合開始剤(C)としては、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、ベンゾイン類、ベンゾインメチルエーテル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0077】
これらのうち、光安定性、光開裂の高効率性、表面硬化性、樹脂との相溶性、低揮発、低臭気という観点から、アルキルフェノン系光重合開始剤であるのが好ましい。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられ、なかでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンであるのが好ましい。
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとしては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、イルガキュア184(BASF社製)が挙げられる。
【0078】
光重合開始剤(C)の含有量は、硬度、耐摩耗性等の塗膜物性の確保という観点から、上述した(メタ)アクリレート化合物(A)100質量部に対して1〜10質量部であるのが好ましく、2〜5質量部であるのがより好ましい。
【0079】
〔ポリ(メタ)アクリル酸エステル(D)〕
本発明の組成物は、さらに、質量平均分子量は10,000以上であるポリ(メタ)アクリル酸エステル(D)を含有していてもよい。これにより、塗膜の乾燥性が良好となり、意匠性が優れる。
【0080】
ポリ(メタ)アクリル酸エステル(D)の質量平均分子量は10,000以上であれば特に限定されないが、10,000〜100,000であるのが好ましく、10,000〜80,000であるのがより好ましい。
【0081】
ポリ(メタ)アクリル酸エステル(D)のガラス転移温度は90〜120℃が好ましく、100〜110℃がより好ましい。なお、ガラス転移点は、示差熱分析計(DSC)を用い、ASTMD3418−82に従い、昇温速度10℃/分にて測定した値である。
【0082】
ポリ(メタ)アクリル酸エステル(D)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを重合したものを用いることができ、その(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、塗膜の乾燥性がより優れるという理由から、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルであるのが好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸メチルであるのがより好ましい。
【0083】
ポリ(メタ)アクリル酸エステル(D)の含有量は、固形分で、上述した(メタ)アクリレート化合物(A)およびウレタン(メタ)アクリレート(B)の合計100質量部に対して、0〜30質量部であるのが好ましく、5〜15質量部であるのがより好ましい。
【0084】
〔多官能(メタ)アクリルモノマー(E)〕
本発明の組成物は、硬化性等の観点から、多官能(メタ)アクリルモノマー(E)をさらに含有していてもよい。
多官能(メタ)アクリルモノマー(E)としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0085】
多官能(メタ)アクリルモノマー(E)の含有量は、固形分で、上述した(メタ)アクリレート化合物(A)およびウレタン(メタ)アクリレート(B)の合計100質量部に対して、0〜50質量部であるのが好ましく、10〜20質量部であるのがより好ましい。
【0086】
〔溶剤〕
本発明の組成物は、作業性等の観点から、溶剤を含有するのが好ましい。
溶剤は、有機溶剤であり、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類;メチレンクロライド、クロロホルム、エチレンクロライド、クロロベンゼンなどのハロゲン化物;THF、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、ヘキサメチレンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、ブチルセルソルブなどのグリコールエーテル類;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、塗装作業性、基材との濡れ性に優れるという理由から、エステル類、グリコールエーテル類であるのが好ましく、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルセルソルブであるのがより好ましい。
【0087】
〔その他の添加剤〕
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料等を含有することができる。
【0088】
[製造方法]
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等の攪拌機を用いて十分に混練する方法等により製造することができる。
【0089】
[使用方法等]
本発明の組成物は、プラスチック基材の表面に直接接着する用途に用いることができ、例えば、アンダーコート剤組成物として使用できる。
プラスチック基材としては、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックを問わず種々のプラスチック基材を用いることができる。具体的には、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、ポリカーボネート樹脂であるのが好ましい。
【0090】
本発明の組成物を塗布する方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
なお、本発明の組成物の塗布量としては、硬化時の塗膜の膜厚が1〜30μmとなるようにするのが好ましい。
【0091】
本発明の組成物の硬化は、紫外線により行うことができる。本発明の組成物を硬化させる際に使用する紫外線の照射量としては、速硬化性、作業性の観点から、500〜3000mJ/cm2が好ましい。本発明の組成物を紫外線照射により硬化させる際の温度は、20〜80℃であるのが好ましい。紫外線を照射するために使用する装置は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
【実施例】
【0092】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0093】
[成分(A)の製造]
まず、後述する実施例において用いられる成分(A)を製造した。
【0094】
〔(メタ)アクリレート化合物A1の製造〕
下記のとおり、上記式(4)で表され、当該式中のnが12である化合物を製造し、これを(メタ)アクリレート化合物A1とした。得られた(メタ)アクリレート化合物A1の質量平均分子量は、2000であった。
【0095】
<第1工程>
まず、上記式(8)で表され、nが12である化合物10.0g(0.0071モル)と、上記式(11)で表されるイソホロンジイソシアネート(トーメンケミカル社製)3.15g(0.0142モル)とを反応させて、上記式(16)で表される中間化合物を得た。
【0096】
第1工程では、より詳細には、まず、上記式(8)で表される上記化合物を酢酸ブチル32.6gに溶解させた溶液を調製し、次いで、この溶液に上記イソホロンジイソシアネートを添加し、70℃で6時間攪拌した。
攪拌終了後、IR分析により、イソシアネート基およびウレタン結合の存在を確認し、上記式(16)で表される中間化合物の生成を確認した。
【0097】
<第2工程>
次に、得られた中間化合物45.75g(0.0071モル)と、上記式(13)で表される2−ヒドロキシエチルアクリレート(東亞合成社製)1.64g(0.0142モル)とを反応させて、(メタ)アクリレート化合物A1を得た。
【0098】
第2工程では、より詳細には、上記イソホロンジイソシアネートを反応させた後に溶液に、上記2−ヒドロキシエチルアクリレートを添加し、70℃で5時間攪拌した。
攪拌終了後、IR分析により、イソシアネート基の消失を確認し、上記式(4)で表される化合物である(メタ)アクリレート化合物A1の生成を確認した。
【0099】
[成分(B)の製造]
〔ウレタン(メタ)アクリレートB1の製造〕
イソホロンジイソシアネート(トーメンケミカル社製)1モルと、ペンタエリスリトールトリアクリレート(M−306、東亞合成社製)2モルとを、80℃、RH30%の条件下で反応させることによって、上記式(B1)で表される化合物を得た。これを、ウレタン(メタ)アクリレートB1とした。
なお、反応後の残留イソシアネートパーセントを測定し、測定値が0.1%未満になった時点で反応を終了した。
【0100】
〔ウレタン(メタ)アクリレートB2の製造〕
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(旭化成ケミカルズ社製)1モルと、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(M−403、東亞合成社製)3モルとを反応させた以外は、上記と同様にして、上記式(B2)で表される化合物を得た。これを、ウレタン(メタ)アクリレートB2とした。
【0101】
[実施例1〜5、比較例1〜2]
下記第1表に示す各成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で、攪拌機を用いて混合し、各硬化性樹脂組成物を得た。なお、下記第1表中に示す「組成比」とは、各成分の固形分の合計量に対する質量比(質量%)を表す。
【0102】
〔評価〕
得られた各硬化性樹脂組成物を、ポリカーボネート基板に10μmの膜厚となるようにスプレーを用いて塗布した。その後、日本電池社製のGS UV SYSTEMを用いて、ピーク強度が80mW/cm2、積算光量が900mJ/cm2となるようにUV照射を行って塗膜を形成し、評価用サンプルを得た。
この評価用サンプルを用いて、各特性を以下の方法により評価した。
【0103】
<ヘイズ>
評価用サンプルのヘイズを、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定した。測定結果を下記第1表に示す。
ヘイズの値が1.0以下である場合には、成分(A)と成分(B)との相溶性が良好であり、塗膜の意匠性が優れると評価できる。
【0104】
なお、ポリカーボネート基板のヘイズは略0であることから、測定されたヘイズの値は、塗膜のヘイズを示すものとする。
【0105】
<密着性>
密着性の評価は、碁盤目テープはく離試験によって行った。
まず、評価用サンプルの塗膜に、1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端をポリカーボネート製基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。
下記第1表には、残った基盤目の数を分子として、碁盤目の全数(100個)を分母として結果を記載した。
【0106】
<鉛筆硬度>
評価用サンプルを使用して、JIS K5600−5−4:1999に準拠して、塗膜の鉛筆硬度を測定した。
【0107】
<水接触角>
評価用サンプルの塗膜表面に、接触角計(エキシマ社製)にて、1μm3の水滴を滴下し、水接触角を測定した。
水接触角が90°以上であれば、防汚性に優れるものとして評価できる。
【0108】
【表1】

【0109】
【表2】

【0110】
【表3】

【0111】
上記第1表に示すその他の成分は、以下に示すとおりである。
・光重合開始剤:イルガキュア184(BASF社製)
・ポリ(メタ)アクリル酸エステル:ポリメタクリル酸メチル(Mw:15,000)
・多官能(メタ)アクリルモノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・溶剤:下記溶剤を下記質量比で混合したものを用いた。
・酢酸ブチル:40質量%
・プロピレングリコールモノメチルエーテル:40質量%
・ブチルセルソルブ:20質量%
【0112】
上記第1表に示す結果から、(メタ)アクリレート化合物A1を用いた実施例1〜5は、いずれも水接触角が90°以上であり、防汚性に優れることが分かった。
また、実施例1〜5は、意匠性および密着性にも優れ、かつ、高硬度であった。
これに対して、(メタ)アクリレート化合物A1を使用しなかった比較例1および比較例2は、水接触角が90°未満であり、防汚性に劣ることが分かった。
また、比較例1は、意匠性にも劣ることが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルオロエーテル部位と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート化合物(A)と、
ウレタン(メタ)アクリレート(B)と、
光重合開始剤(C)と、を含有する硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記フルオロエーテル部位が、下記式(I)〜(III)のいずれかで表されるフルオロエーテル部位である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【化1】

【請求項3】
前記(メタ)アクリレート化合物(A)の質量平均分子量が、500〜10,000である、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(メタ)アクリレート化合物(A)が、
前記フルオロエーテル部位と末端ヒドロキシ基とを有する化合物(a1)と、
ポリイソシアネート(a2)と、
ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するヒドロキシ(メタ)アクリレート(a3)と、
を反応させて得られる(メタ)アクリレート化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(メタ)アクリレート化合物(A)の含有量が、固形分で、前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)100質量部に対して、0.001〜30質量部である、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が、1分子中に6個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
さらに、質量平均分子量が10,000以上であるポリ(メタ)アクリル酸エステル(D)を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
さらに、多官能(メタ)アクリルモノマー(E)を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。

【公開番号】特開2012−241060(P2012−241060A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110460(P2011−110460)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】