説明

硬化性樹脂組成物

【課題】高接着且つ低粘度又は高耐熱且つ低硬化収縮・低弾性率の硬化性樹脂組成物を提供すること。液体又は液晶との接触時に汚染性が低い硬化性樹脂組成物並びにこれを用いた封止剤、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子を提供すること。
【解決手段】(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマー、(2)上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを除くラジカル硬化性樹脂、(3)光ラジカル開始剤、(4)エポキシ樹脂及び(5)潜在性エポキシ硬化剤を併用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物に関するものである。詳しくは、液体又は液晶を封止する封止剤に関するものであり、更に詳しくは、重合性液晶組成物を封止する液晶滴下工法用シール剤及びそれを用いた液晶表示素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体又は液晶を封止する材料は、液晶表示素子、色素増感太陽電池、有機EL素子等に用いられている。例えば、液晶表示素子には、液晶材料の封止剤として、色素増感太陽電池には、アセトニトリル、プロピレンカーボネート等の有機溶剤電解液、又はイオン性液体の封止剤として、有機EL素子には、固体封止における液体封止剤を封止するダム材として用いられている。これまでの、封止剤(シール剤)は、未硬化の状態で液体又は液晶に接触するため、封止剤の樹脂成分等が溶出し、汚染することで素子の性能及び信頼性を低下させるという問題がある。また、溶出により封止剤が脆くなり、決壊が起こりやすくなるという問題がある。このように、封止剤から液体又は液晶への樹脂等の溶出性が低い封止剤が求められている。
【0003】
一方、液晶表示素子の製造法は、製造工程の短縮を目的として、従来の真空注入方式から、液晶滴下工法が主流となっている。この工法は、電極付き基板に、シール剤により液晶表示素子枠をディスペンス描画し、該描画枠内へ液晶滴下の後、もう一方の電極付き基板を、真空下にて、貼り合わせる。次に、シール部に、紫外線を照射して仮硬化を行い、その後、液晶アニールと熱硬化を兼ねた加熱による本硬化を行うことで液晶表示素子を作製する工法である。この工法では、光硬化と熱硬化による2段階硬化を採用することで、硬化時間の短縮ができ、液晶表示素子の製造工程の短縮が可能となる。
【0004】
液晶滴下工法において、例えば、側鎖にアルケニル基を有する液晶化合物、又は(メタ)アクリル基、アリル基、マレイミド基等を有する重合性化合物といった炭素−炭素二重結合を有する化合物を含有する液晶組成物に対して、未硬化のシール剤が接触した場合に、該シール剤から該液晶組成物へ光ラジカル開始剤が溶出し、該光ラジカル開始剤が、光劣化を促進させ、不要な重合を引き起こし、液晶表示素子の信頼性を低下させてしまうという問題がある。このように、シール剤から液晶組成物への光ラジカル開始剤の溶出性が低いシール剤が求められている。
尚、本明細書において重合性液晶組成物とは、重合性の炭素−炭素不飽和二重結合を有する重合性液晶化合物を含有する液晶組成物を意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
【0005】
シール剤に求められる特性の一つに、接着強度が高いことが挙げられ、また特に近年の、液晶表示装置においては、同サイズのガラス基板から、より大きな表示領域を得るために、シール幅を細くしたいという要望が強まっている。そのため、シール幅が細くても接着強度の高いシール剤が求められている。接着強度を高める方法としては、十分に硬化させることが挙げられ、例えば、特許文献1〜4には、多価カルボン酸化合物や多価ヒドラジド化合物を添加した液晶シール剤が開示されている。また、シール剤組成物中のエポキシ樹脂成分比を高めることで接着強度を高める検討がなされてきたが、同時にシール剤の粘度が高くなるため、有効な手段ではなかった。一方で、硬化性樹脂組成物の弾性率を低くすることにより、応力緩和を図り、高い接着強度を実現する方法が考えられるが、低弾性率化と同時にガラス転移点温度も低下して、耐熱性が悪化するという問題があり、こちらも有効な手段ではなかった。そこで、接着強度を保持したままシール剤の粘度を低下させる材料、耐熱性(Tg)を保持したままシール剤の硬化収縮率や弾性率を低下させる材料が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−015155号公報
【特許文献2】特開2009−139922号公報
【特許文献3】特開2010−014771号公報
【特許文献4】特開2011−008048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高接着且つ低粘度又は高耐熱且つ低硬化収縮・低弾性率の硬化性樹脂組成物を提供することにある。また本発明の別の目的は、液体又は液晶との接触時に汚染性が低い硬化性樹脂組成物並びにこれを用いた封止剤、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討の結果、特定の分岐した構造を持つ高分子、ラジカル硬化性樹脂、光ラジカル開始剤、潜在性エポキシ硬化剤及びエポキシ樹脂を必須成分とし、必要に応じて充填剤、特に無機フィラーを用いることにより、上記目的を達成し得ることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、下記の(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)成分を含有する硬化性樹脂組成物を提供するものである。
(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマー
(2)上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを除くラジカル硬化性樹脂
(3)光ラジカル開始剤
(4)エポキシ樹脂
(5)潜在性エポキシ硬化剤
【0010】
また、本発明は、上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーが、(1’)分子内に少なくとも2つの(メタ)アクリル基を有する第2〜5世代のデンドリマーであることを特徴とする上記硬化性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記(5)潜在性エポキシ硬化剤が、(5’)1個以上の活性水素と2個以上の窒素原子を分子内に有するポリアミンと、酸性化合物とを反応させて得られる反応生成物であることを特徴とする上記硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、上記硬化性樹脂組成物を用いてなる封止剤及び液晶滴下工法用シール剤を提供するものである。
また、本発明は、上記液晶滴下工法用シール剤を用いてなる液晶表示素子を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有するデンドリマーを、必須成分とする液晶滴下工法用シール剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の硬化性樹脂組成物は、分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを用いることで、接着強度及び耐熱性を高め、硬化収縮を低下させているため、接着剤及び封止剤に適している。更に、硬化物においては、硬化性樹脂組成物成分が溶出しにくいため、重合性の化合物を含有する液体又は液晶を封止することに適している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
【0015】
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記の(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)成分を含有する。以下、各成分に分けて説明する。
(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマー
(2)上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを除くラジカル硬化性樹脂
(3)光ラジカル開始剤
(4)エポキシ樹脂
(5)潜在性エポキシ硬化剤
【0016】
<(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマー>
デンドリマーとは、中心核から官能基を介して分岐構造を含む反復単位を繰り返し、末端基まで連結した高分子であり、通常、分岐構造を含む反復単位の反復回数を『世代』(1世代、2世代、・・・)として表される。デンドリマーは、反復単位の構造、世代数、末端構造(末端基)の種類等で、様々な機能を有するものである。尚、デンドリマーについては、例えば、『デンドリマーの科学と機能、岡田鉦彦編著(2000)、アイピーシー社』(以下、文献1ともいう)に記載されている。
本発明に用いられる(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマー(以下、単に(1)デンドリマーとも呼ぶ)は、重合性基として後述するラジカル重合性基を有し、紫外線等の光を照射することにより重合して硬化するラジカル硬化性樹脂である。以下(1)デンドリマーについて、中心核、反復単位、末端基、世代数に分けて説明する。
【0017】
(1)デンドリマーの中心核としては、特に限定されないが、少なくとも2つの結合点を有する必要がある。また、入手が容易である点から、中心核には、酸素原子又は窒素原子を有することが好ましい。
(1)デンドリマーの反復単位としては、分岐構造を有していれば特に限定されないが、例として、上記文献1の29〜33頁に記載されている構造単位が挙げられ、中でも、本発明のシール剤の安定性が高い点から、下記〔化1〕に記載の構造単位1〜3が好ましい。
(1)デンドリマーの末端基としては、分子内に少なくとも2つの重合性基であるラジカル重合性基を有していればよく、末端基の全てがラジカル重合性基であってもよく、また、一部のみがラジカル重合性基であってもよい。ラジカル重合性基とは、紫外線等の活性エネルギー線によって重合し得る官能基を意味し、例えば、(メタ)アクリル基、アリル基、スチリル基等が挙げられ、これらの基の中でも、反応性に優れる点から、(メタ)アクリル基が好ましい。重合性基の数は、少なくとも2つ有することが必須であるが、8〜120有することが好ましく、12〜60有することが更に好ましく、14〜32有することが特に好ましい。
(1)デンドリマーの世代は、第2〜5世代であることが必要であり、コストの点から、好ましくは第2〜4世代であり、特に好ましくは第2〜3世代である。世代数が1以下である場合、硬化収縮の低下等の本発明の効果が得られず、第6世代以上である場合、硬化性樹脂組成物への相溶性が低下するため好ましくない。
【0018】
【化1】

(式中、nは2〜5であり、上記説明の世代数を表す。)
【0019】
(1)デンドリマーの具体例としては、下記一般式(2a)〜(2f)で表される化合物が挙げられる。尚、下記一般式(2a)〜(2f)は、第2世代のみを表わしているが特に限定されず、第3〜第5世代であってもよい。
【0020】
【化2】

【0021】
【化3】

【0022】
【化4】

【0023】
【化5】

【0024】
【化6】

【0025】
【化7】

(上記一般式(2a)〜(2f)中のRは、各々独立に水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、(メタ)アクリル基、アリル基又はスチリル基であり、複数あるRの少なくとも2つは、(メタ)アクリル基、アリル基又はスチリル基である。)
【0026】
本発明に用いる(1)デンドリマーとしては、入手が容易な点から、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【0027】
【化8】

(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、(メタ)アクリル基、アリル基又はスチリル基であり、R3は、水素原子又はメチル基であり、lは0〜2の整数を表し、mは2〜5の整数を表す。但し、8×m個存在するR1又はR2の内、少なくとも2つは、(メタ)アクリル基、アリル基又はスチリル基である。)
【0028】
上記一般式(1)において、R1及びR2で表わされる炭素原子数1〜30のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられ、アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスレニル、上記アルキル基で1つ以上置換されたフェニル、ビフェニリル、ナフチル、アンスリル等の炭素原子数6〜30のアリール基が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル、α−メチルベンジル、α、α−ジメチルベンジル、フェニルエチル等の炭素原子数7〜30のアラルキル基が挙げられる。
R1及びR2で表わされる基の内、ラジカル重合性基である(メタ)アクリル基、アリル基又はスチリル基以外の基としては、製造が容易である点から、水素原子が好ましい。
【0029】
<(2)上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを除くラジカル硬化性樹脂>
上記(2)上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを除くラジカル硬化性樹脂(以下、単に(2)ラジカル硬化性樹脂とも呼ぶ)は、ラジカル重合性基を有し、紫外線等の光を照射することにより重合して硬化するものの内、上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを除いたものである。上記ラジカル重合性基とは、上記(1)デンドリマーの末端基で説明したラジカル重合性基と同様のものである。上記(2)ラジカル硬化性樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、速やかに反応が進行することや接着性が良好であるという点から、(メタ)アクリレート、特に分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーが好適である。
【0030】
上記(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、ウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレート、グリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とから誘導されるエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0031】
上記ウレタン(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートと、アクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート等のイソシアネートと付加反応する反応性化合物との誘導体等が挙げられる。これらの誘導体はカプロラクトンやポリオール等で鎖延長されていてもよい。市販品としては、例えば、U−122P、U−3,40P、U−4HA、U−1084A、NKオリゴUA−53H(以上、新中村化学工業社製);KRM7595、KRM7610、KRM7619(以上、ダイセルユーシービー社製)等が挙げられる。
【0032】
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸とから誘導されたエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられ、原料のエポキシ樹脂としては、本発明に用いられる(4)エポキシ樹脂で挙げるものを用いることができる。
【0033】
また、その他の(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリンジメタクリレート等が挙げられる。
【0034】
また、上記(2)ラジカル硬化性樹脂としては、1分子内に(メタ)アクリル基とエポキシ基とをそれぞれ少なくとも1つ以上有するエポキシ/(メタ)アクリル樹脂も好適に用いることができる。このエポキシ/(メタ)アクリル樹脂は、ラジカル硬化性の官能基((メタ)アクリル基)と熱硬化性の官能基(エポキシ基)を含むため、ラジカル硬化性だけでなく、熱硬化性も有する。上記エポキシ/(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、上記エポキシ樹脂のエポキシ基の一部分を常法に従って、塩基性触媒の存在下(メタ)アクリル酸と反応させることにより得られる化合物、2官能以上のイソシアネート1モルに水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを1/2モル、続いてグリシドールを1/2モル反応させて得られる化合物、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートにグリシドールを反応させて得られる化合物等が挙げられる。上記エポキシ/(メタ)アクリル樹脂は市販品を用いてもよく、例えば、UVAC1561(ダイセルユーシービー社製)等が挙げられる。
【0035】
<(3)光ラジカル開始剤>
上記(3)光ラジカル開始剤としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾインブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール等のベンジルケタール類;1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4’−イソプロピル)ベンゾイルプロパン等のα−ヒドロキシアセトフェノン類;4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン等のクロロアセトフェノン類;1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4’−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4’−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2’−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等のα−アミノアセトフェノン類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド類;ベンジル、ベンゾイル蟻酸メチル等のα−ジカルボニル類;p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−s−トリアジン等のトリアジン類;特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特開2005−97141号公報、特表2006−516246号公報、特許第3860170号公報、特許第3798008号公報、WO2006/018973号公報に記載の化合物等のα−アシルオキシムエステル類;過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、エチルアントラキノン、1,7−ビス(9’−アクリジニル)ヘプタン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、チオキサントン/アミン等が挙げられる。
【0036】
上記(3)光ラジカル開始剤の中でも、400nmより長波長の光でラジカルを発生するものが、可視光を利用して硬化可能なため液晶組成物へのダメージを低減し、遮光部の硬化性に優れているため好ましい。このような光ラジカル開始剤としては、上記のベンジルケタール類、α−ヒドロキシアセトフェノン類、α−アミノアセトフェノン類、アシル
フォスフィンオキシド類、トリアジン類、α−アシルオキシムエステル類、チタノセン類等が挙げられ、これらの中でも、アシルフォスフィンオキシド類、α−アシルオキシムエステル類、チタノセン類が好ましく、市販品としては、N−1414、N−1717、N−1919、PZ−408、NCI−831、NCI−930((株)ADEKA社製)、IRGACURE652、IRGACURE369、IRGACURE907、IRGACURE819、IRGACURE184、DAROCUR TPO、IRGACUREOXE01、IRGACUREOXE02(BASF(株)社製)等が挙げられる。
【0037】
<(4)エポキシ樹脂>
上記(4)エポキシ樹脂としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類、及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化アクリロニトリル−ブタジエン共重合物、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたもの或いは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)で高分子量化したものでもよい。中でも好ましく用いられるものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ベンゾフェノン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−プロピレンオキシド変性エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ化共役ジエン重合体、ナフタレン型エポキシ樹脂、NBR変性型エポキシ樹脂等が挙げられ、更に25℃にて、液体又は過冷却にて液状であるものは本発明の硬化性樹脂組成物中において析出が起こりにくく、エポキシ樹脂が均一に混ざりやすいため特に好ましい。また、分子内にエポキシ基を2個以上有する場合、反応性に優れ、シール剤の接着性にも優れるため好ましい。尚、過冷却にて液状とは、無溶剤又は溶剤で希釈した状態のものを、加熱して溶解させた後、無溶剤の場合は冷却、溶剤にて希釈したものは溶剤を留去後に冷却し、25℃において析出物が無い状態を言う。
【0038】
尚、上記(4)エポキシ樹脂は、上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマー又は上記(2)ラジカル硬化性樹脂がエポキシ基を有する場合、用いなくてもよい。
【0039】
<(5)潜在性エポキシ硬化剤>
上記(5)潜在性エポキシ硬化剤としては、低液晶汚染性、接着強度及び保存安定性の点から、(5’)1個以上の活性水素と2個以上の窒素原子を分子内に有するポリアミンと、酸性化合物とを反応させて得られる反応生成物からなる硬化剤が好ましい。該少なくとも1個以上の活性水素と少なくとも2個以上の窒素原子を分子内に有するポリアミンとしては、特に制限はないが、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、トリブチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、テトラブチレンペンタミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ペンタエチレンヘキサミン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、フェニレンジアミン、4−アミノジフェニルアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、3,5−ジアミノクロロベンゼン、メラミン、ピペラジン、1−アミノエチルピペラジン、モノメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、アミノフェニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリ−3−メチルプロピルイミン、ポリ−2−エチルプロピルイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等や、ビニルアミン、アリルアミン等の不飽和アミンと、ジメチルアクリルアミド、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸等及びその塩類等の、共重合可能な不飽和結合を有する他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。これらのポリアミンの中で好ましいものは、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。
【0040】
更に、上記の少なくとも1個以上の活性水素と少なくとも2個以上の窒素原子を分子内に有するポリアミンとしては、上記のポリアミンにエポキシ化合物を付加させた化合物が好ましく用いられる。
【0041】
上記エポキシ化合物としては、脂環族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物等が適している。これらエポキシ化合物は1種類又は2種類以上混合して使用される。
【0042】
上記脂環族エポキシ化合物の具体例としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル又はシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0043】
上記脂環族エポキシ化合物として好適に使用できる市販品としては、UVR−6100、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6200(以上、ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド2000、セロキサイド3000、サイクロマーA200、サイクロマーM100、サイクロマーM101、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリード401、エポリード403、ETHB、エポリードHD300(以上、ダイセル化学工業社製)、KRM−2110、KRM−2199(以上、ADEKA社製)等を挙げることができる。
【0044】
上記脂環族エポキシ化合物の中でも、シクロヘキセンオキシド構造を有するエポキシ樹脂が、硬化性(硬化速度)の点で好ましい。
【0045】
また、上記芳香族エポキシ化合物の具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノール、又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、又はこれらに更にアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテルやエポキシノボラック樹脂等が挙げられる。
【0046】
さらに、上記脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
【0047】
上記芳香族及び脂肪族エポキシ化合物として好適に使用できる市販品としては、エピコート801、エピコート828(以上、油化シェルエポキシ社製)、PY−306、0163、DY−022(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、KRM−2720、EP−4100、EP−4000、EP−4901、EP−4010、EP−4080、EP−4900、ED−505、ED−506(以上、ADEKA社製)、エポライトM−1230、エポライトEHDG−L、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF、エポライト4000、エポライト3002、エポライトFR−1500(以上、共栄社化学社製)、サントートST0000、YD−716、YH−300、PG−202、PG−207、YD−172、YDPN638(以上、東都化成社製)、TEPIC−S(日産化学社製)、エピクロンN−665、エピクロンN−740、エピクロンHP−7200、エピクロンHP-4032(以上、DIC社製)等を挙げることができる。
【0048】
上記酸性化合物としては、フェノール樹脂、多価フェノール化合物、ポリカルボン酸類等が挙げられる。上記フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類より合成され、その例としては、フェノール/ホルマリン樹脂、クレゾール/ホルマリン樹脂、ビスフェノールA(BPA)/ホルマリン樹脂、ビスフェノールF(BPF)/ホルマリン樹脂、アルキルフェノール/ホルマリン樹脂、或いは上記の混合物等があり、特にフェノール又はクレゾールノボラック樹脂が好ましい。上記多価フェノール化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノール等が挙げられる。上記ポリカルボン酸類としては、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジ酸、アゼライン酸等のジカルボン酸類が挙げられる。
【0049】
その他、酸無水物とポリオールとの末端COOH付加物である末端COOHのエステル化合物も使用される。例えば無水フタール酸/エチレングリコール=2/1モル付加物、テトラヒドロフタリックアンハイドライド/プロピレングリコール=2/1モル付加物等が挙げられる。
【0050】
上記酸性化合物として、フェノール樹脂又は多価フェノール化合物を用いる場合、該フェノール樹脂又は多価フェノール化合物の配合量は、上記エポキシ化合物とアミンの付加物1モルに対して、好ましくは0.20〜3.0モル、より好ましくは0.3〜1.2モルである。配合量が0.20モル未満であると貯蔵安定性が著しく劣る場合があり、また配合量が3.0モルを超えると相溶性、硬化性及び物性が低下する場合がある。
【0051】
上記酸性化合物として、ポリカルボン酸類を用いる場合、該ポリカルボン酸類の配合量は、上記エポキシ化合物とアミンの付加物1モルに対して、好ましくは0.01〜2.0モル、より好ましくは0.05〜1.0モルである。ポリカルボン酸類の配合量が2.0モルを超えると硬化性が劣って、物性が著しく低下する場合がある。
【0052】
上記酸性化合物として、フェノール樹脂又は多価フェノール化合物とポリカルボン酸類を併用する場合は、フェノール樹脂又は多価フェノール化合物は、上記エポキシ化合物とアミンの付加物1モルに対して、好ましくは0.3〜1.2モル、ポリカルボン酸類は、上記エポキシ化合物とアミンの付加物1モルに対して、好ましくは0.05〜1.0モルである。
【0053】
本発明では、上記エポキシ化合物とアミンの付加物に対して、フェノール樹脂、多価フェノール及びポリカルボン酸類をそれぞれ併用し反応させるか、又は上記エポキシ化合物とアミンの付加物と、フェノール樹脂との反応物、上記エポキシ化合物とアミンの付加物と、多価フェノールとの反応物、上記エポキシ化合物とアミンの付加物と、ポリカルボン酸との反応物を併用混合し、使用することも本発明に包含される。
【0054】
上記エポキシ化合物とアミンの付加物と、上記酸性化合物との反応は、通常温度80〜200℃で30分〜5時間行う。
【0055】
上記(5)潜在性エポキシ硬化剤としては、上記硬化剤に替えて、又は上記硬化剤と共に、酸無水物、ジシアンジアミド、メラミン、ヒドラジド、イミダゾール類、アルキル尿素類、グアナミン類等の従来の潜在性エポキシ硬化剤を使用することも可能である。
【0056】
上記(5)潜在性エポキシ硬化剤の中でも、融点が50〜110℃であるものは、工程がより簡略化できるため好ましく、融点が60℃〜80℃のものは更に好ましい。また、硬化剤の融点が40℃未満のものは、潜在性が発現しなかったり、シール剤配合時に硬化してしまったりして、安定性に問題が生じる場合があり、120℃より高いものは、熱硬化工程が長くなる場合があり、短時間化させるために加熱温度を上げると液晶組成物へのダメージが大きくなる場合がある。
【0057】
本発明において、上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーと上記(2)ラジカル硬化性樹脂をあわせて光硬化性樹脂と呼び、該光化性樹脂と熱硬化性樹脂である上記(4)エポキシ樹脂をあわせて硬化性樹脂と呼ぶ。
【0058】
本発明の硬化性樹脂組成物において、硬化性樹脂に対する上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーの比率は、本発明の硬化性樹脂組成物における硬化性樹脂全体を100重量部としたとき、1〜50重量部であるのが好ましく、1〜30重量部であるのが更に好ましく、2〜25重量部であるのが特に好ましい。該比率が1重量部未満であると、硬化収縮低下や汚染性低下の効果が得られない場合があり、また該比率が50重量部を超えると、基板との密着性が低下する場合がある。
【0059】
また、硬化性樹脂に対する上記(2)ラジカル硬化性樹脂の比率は、本発明の硬化性樹脂組成物における硬化性樹脂全体を100重量部としたとき、40〜85重量部、特に50〜80重量部であると、液晶への溶出を抑制し、且つ接着強度が向上するため好ましい。該比率が40重量部未満であると、樹脂が液体又は液晶へ溶出する場合があり、また該比率が85重量部を超えると、接着力が低下する場合がある。
【0060】
また、光硬化性樹脂に対する上記(3)ラジカル開始剤の配合量は、本発明における光硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、特に0.5〜7重量部であるのが好ましい。配合量が0.1重量部未満であると、反応性二重結合の残存による硬化不足となり、ガラス転移温度の低下を生じたり、耐熱、耐湿熱性能の低下を生じたりする場合がある。20重量部を超えると、開始剤分解物が揮発成分となり、耐熱、耐湿熱の劣化を引き起こしたり、また、未反応の開始剤による液晶汚染を引き起こしたりする場合がある。
【0061】
また、上記(4)エポキシ樹脂に対する上記(5)潜在性エポキシ硬化剤の配合量は、上記(4)エポキシ樹脂100重量部に対して、0.3〜150重量部、特に20〜100重量部であるのが好ましい。配合量が0.3重量部未満であると、未反応のグリシジル基の残存による硬化物のガラス転移温度の低下を生じ、耐熱、耐湿熱性の低下を生じる場合があり、150重量部を超えると、未反応のアミノ基の残存による硬化物のガラス転移温度の低下による耐熱、耐湿熱性の低下を引き起こす場合がある。
【0062】
本発明の硬化性樹脂組成物において、上記(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)成分の好ましい含有量は、以下の通りである。
(1)成分:本発明の硬化性樹脂組成物中、好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%
(2)成分:本発明の硬化性樹脂組成物中、好ましくは30〜80重量%、より好ましくは40〜80重量%
(3)成分:本発明の硬化性樹脂組成物中、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.3〜5重量%
(4)成分:本発明の硬化性樹脂組成物中、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは1〜40重量%
(5)成分:本発明の硬化性樹脂組成物中、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは1〜50重量%
【0063】
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて(6)充填剤を配合することもできる。上記充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、活性炭、ガラスフィラー、アルミナ、チタニア、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、珪石粉、瀝青物、繊維素、粘土、雲母、アルミニウム粉末、エロージール、ベントナイト等の無機フィラーや、コアシェルゴム、ブロック共重合高分子等が挙げられる。これらの(6)充填剤の中でも、無機フィラーが好ましく、耐湿熱バリア性能、接着強度の点から、溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、 水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウムがより好ましく、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルクが更に好ましい。これら充填剤は2種以上を混合して用いても良い。
【0064】
上記(6)充填剤としては、液晶セル製造時の基板張り合わせのギャップ形成を適正にする点から、平均粒径が0.1〜3.0μmの範囲内、特に0.2〜1.0μmの範囲内のものを使用することが好ましい。
【0065】
上記(6)充填剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中、通常10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。
【0066】
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、接着強度を向上させ、耐湿信頼性が優れた硬化性樹脂組成物を得るために、(7)シランカップリング剤を配合することが好ましい。上記シランカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、 2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3− アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、 3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらシランカップリング剤は2種以上を混合して用いても良い。
【0067】
上記(7)シランカップリング剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中、通常0.1〜4重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
【0068】
本発明による硬化性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、その他の添加物を添加しても良い。このような添加物の例としては、例えば有機溶媒、顔料、レベリング剤、消泡剤、導通材料及びこれらに類似する物が挙げられる。又、本発明の硬化性樹脂組成物には必要に応じてその他稀釈剤、難燃剤等を添加してもよい。
【0069】
上記その他の添加物の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中、好ましくは合計で10重量%以下とする。
【0070】
本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば、光硬化性樹脂成分((1)デンドリマー、(2)ラジカル硬化性樹脂及び(3)光ラジカル開始剤)、熱硬化性樹脂成分((4)エポキシ樹脂及び(5)潜在性エポキシ硬化剤)、更に必要に応じ、各種添加剤の所定量を添加し、溶解混合し、次いで、この混合物を公知の混合装置、例えば3本ロール、サンドミル、ボールミル等により均一に混合することにより製造することができる。
【0071】
本発明の硬化性樹脂組成物は、以下で説明する封止剤の他に、フィルムや造形物等の単独の硬化物としても用いることができる。
【0072】
本発明の封止剤は、本発明の硬化性樹脂組成物を用いたものであり、液体又は液晶の化合物又は組成物を封止する封止剤、特に液晶滴下工法用シール剤として好ましく用いられる。封止される化合物又は組成物の種類に制限されず封止することができる。上記液体又は液晶の化合物又は組成物としては、液晶組成物、有機EL材料や、太陽電池等に用いられる有機半導体材料等が例に挙げられる。特に、封止される材料中に重合性官能基(特に(メタ)アクリル基)を有する液晶化合物を含有する場合に好ましく用いられる。
【0073】
液晶滴下工法用シール剤として用いる場合、上記(1)デンドリマーを必須成分として、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%含有することが重要である。
【0074】
本発明の封止剤を液晶滴下工法用シール剤として用いる場合、E型粘度計にて25℃の条件下、ローター回転数0.5〜1.5rpm/minにおける粘度が100〜800Pa・sであることが好ましく、125〜600Pa・sであることがより好ましく、150〜400Pa・sであることが特に好ましい。25℃における粘度が100Pa・s未満の場合、シール剤の形状が保持できず基板上に広がってしまうため好ましくなく、800Pa・sを超える場合、シール剤の塗工が困難であり、生産性も低いため好ましくない。
【0075】
本発明の液晶表示素子は、封止剤(シール剤)として、本発明の液晶滴下工法用シール剤を用いる以外は、従来の液晶表示素子と同様の構成、例えば、所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、その周囲を本発明の液晶滴下工法用シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されてなるという構成をとる。斯かる液晶表示素子は、例えば、本発明の液晶滴下工法用シール剤に、スペーサー(間隙制御材)を添加後、上記一対の基板の一方にディスペンサ等により該シール剤を塗布する。塗布された未硬化の該シール剤の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。ギャップ形成後、紫外線照射機により液晶シール部に紫外線を照射させて光硬化(仮硬化)させる。仮硬化させたシール部を90〜130℃で0.5〜2時間硬化(本硬化)させることにより本発明の液晶表示素子を製造することができる。このようにして得られた本発明の液晶表示素子は、液晶汚染による表示不良が無く、接着性及び耐湿信頼性に優れたものである。
【0076】
上記紫外線の照射量は、好ましくは500mJ/cm2〜6000mJ/cm2、より好ましくは1000mJ/cm2〜4000mJ/cm2である。また、上記スペーサーとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等が挙げられる。その直径は、目的に応じ異なるが、通常2〜8μm、好ましくは4〜7μmである。その使用量は、本発明の液晶滴下工法用シール剤100重量部に対して、通常0.1〜4重量部程度、好ましくは0.5〜2重量部、更に好ましくは0.9〜1.5重量部である。
【実施例】
【0077】
以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0078】
下記の製造例1は、上記(2)ラジカル硬化性樹脂の製造例を示し、製造例2は、上記(5)潜在性エポキシ硬化剤の製造例を示し、製造例3及び4は、上記(1)デンドリマーの製造例を示し、実施例1〜5及び比較例1〜3は、本発明の硬化性樹脂組成物からなるシール剤及び比較用硬化性樹脂組成物からなるシール剤の製造例及び評価例を示す。
【0079】
[製造例1]ラジカル硬化性樹脂No.1の製造
反応フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂であるアデカレジンEP−4100(ADEKA社製、エポキシ価185g/eq)90g、及びトルエン133gを加え撹拌した。そこにトリエチルアミン1g、メトキシフェノール0.55g、及びアクリル酸51.7gを加え95℃まで加熱し、その温度で22時間撹拌した。反応はエポキシ価測定による残量が1%以下になるまで行った。反応終了後、70℃まで冷却し、トルエン400gを加え、水250gで1回洗浄し、次にNaOH水溶液(0.1N)250gで3回洗浄し、続いて純水250gで、水層の電気伝導度が1μS/cmになるまで洗浄を行った。エバポレーターで脱溶媒(60℃)し、収量125.1g(収率94.1%)で、ビスフェノールAエポキシアクリレート変性樹脂であるラジカル硬化性樹脂No.1(粘度(25℃)911Pa・S、酸価0mgKOH/g)を得た。尚、粘度は、E型回転粘度計にて、25℃、1.5rpm/minの条件で測定したものである。
【0080】
[製造例2]潜在性エポキシ硬化剤No.1の製造
フラスコ中の1,3−ビスアミノシクロヘキサン140gに上記アデカレジンEP−4100の250gを100℃で添加した。その後140℃に上げ、2時間付加反応を行い、ポリアミンNo.1を得た。このポリアミンNo.1の25重量部に融点100℃のフェノールノボラック樹脂であるMP−800K(旭有機材工業社製 軟化点73℃)3重量部を加え、150℃にて60分溶融マスキング反応を行い、潜在性エポキシ硬化剤No.1を得た。得られた硬化剤No.1をジェットミルにて5μm以下の粒径に粉砕した。融点は78℃であった。
【0081】
[製造例3]デンドリマーNo.1(上記一般式(2f)で表わされる化合物のアクリル転化率95%品)の製造
ディーンスターク分水器を取り付けた4つ口フラスコに、Boltorn H20(Perstorp Specialty chemicals社製)50g、アクリル酸37g、ニトロベンゼン0.01g、メトキシフェノール2g、メタンスルホン酸0.8g、トルエン20gを入れ、7%酸素入り窒素を吹き込みながら還流下、水が出なくなるまで反応させた。更に、トルエン200gを加え、水洗し、更に、炭酸水素ナトリウム水溶液で中性となるまで水洗を繰り返した。得られたトルエン溶液を、80℃にて減圧留去しデンドリマーNo.1を得た。得られたデンドリマーNo.1は、上記一般式(2f)で表わされる化合物に対応し、酸価0、アクリル変換率95%(ラジカル重合性基数:15.2)、120℃/1時間における重量減少<0.1%であった。
【0082】
[製造例4]デンドリマーNo.2(上記一般式(2f)で表わされる化合物のアクリル転化率74%品)の製造
製造例3と同様の操作で、製造例3の反応で生成した水の量の80%となった時点で反応を終了した。反応終了後は、同様にトルエン200gを加え、水洗、減圧留去しデンドリマーNo.2を得た。得られたデンドリマーNo.2は、上記一般式(2f)で表わされる化合物であり、酸価0、アクリル変換率94%(ラジカル重合性基数:11.8)、120℃/1時間における重量減少は<0.1%であった。
【0083】
[実施例1〜5及び比較例1〜3]
以下の原料を[表1]に従い配合し、三本ロールミルにて分散、混練を行った後、更に遊星式攪拌脱泡装置にて脱泡し、本発明の硬化性樹脂組成物からなるシール剤及び比較用の硬化性樹脂組成物からなるシール剤を得た。尚、シール剤におけるエポキシ樹脂と硬化剤の配合は、対応する原料の反応基のモル比を合わせることで決定した。得られたシール剤に関し、以下の評価方法により、粘度、硬化物のガラス転移点温度(Tg)、弾性率及び硬化収縮率、並びにシール剤を用いた試験片の接着強度を評価した。シール剤の硬化は、高圧水銀灯によるUV硬化(365nmにおける積算光量3000mJ/cm2)の後、ホットプレート(120℃にて1時間)による熱硬化により行った。結果を下記[表1]に示す。
<原料>
(1−1)製造例3で得られたデンドリマーNo.1:ラジカル重合性基数15.2、第2世代デンドリマー
(1−2)製造例4で得られたデンドリマーNo.2:ラジカル重合性基数11.8、第2世代デンドリマー
(2−1)製造例1で得られたラジカル硬化性樹脂No.1:ラジカル重合性基数2、非デンドリマー
(2−2)カヤラッドDPS−100(日本化薬社製):ラジカル重合性基数5〜6、第1世代デンドリマー(具体的には、下記〔化9〕に示す化合物で、上記一般式(3c)で表わされる化合物の第1世代に対応)
【化9】

(2−3)アロニックスM−450(東亜合成社製):ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート、ラジカル重合性基数3〜4、非デンドリマー
(2−4)NKオリゴUA−53H(新中村化学工業社製):ウレタンアクリレート、ラジカル重合性基数15、非デンドリマー
(3)IRGACURE 651(BASF社製)
(4−1)EP−4000(ADEKA社製):ビスフェノールA−プロピレンオキシド変性グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
(4−2)EPR−4030(ADEKA社製):NBR変性型エポキシ樹脂
(5)製造例2で得られた潜在性硬化剤No.1
(6−1)シリカゲルSE−1030(アドマテックス社製):平均粒径0.3μm: 充填剤
(6−2)F.351(ガンツ化成社製:コアシェルゴムフィラー):平均粒径0.3μm:充填剤
(7)Z−6040N(東レ・ダウコーニング社製):シランカップリング剤
【0084】
【表1】

【0085】
<粘度>
得られたシール剤の粘度を、E型回転粘度計にて、25℃、1.5rpm/minの条件で測定した。
【0086】
<ガラス転移点温度(Tg)及び弾性率>
得られたシール剤の硬化物のTg及び25℃における弾性率を、SII社製EXSTAR6100DMSを用いて測定した。
【0087】
<接着強度の評価>
得られたシール剤を、25×50mmで厚さ4mmガラス板の中央に、ディスペンス塗布し、もう1方のガラス板で十字型になるよう貼り付けし、超高圧水銀灯で400nmより短波長の光をカットした光を3000mJ/cm2照射した後、120℃にて1時間オーブンで加熱することにより、評価用の試験片を作製した。得られた試験片の引張り強度を、万能試験機(島津製作所)にて測定し、接着強度を評価した。
【0088】
<硬化収縮率>
得られたシール剤の硬化前後の密度を測定(島津製作所製 密度測定装置アキュピック1330−10CC)し、硬化収縮率(%)={1−(硬化前の比重)/(硬化後の比重)}×100として算出した。
【0089】
上記[表1]から明らかなように、本発明の硬化性樹脂組成物は、(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを用いることで、接着強度を低下させずに粘度の低下が可能であり、また耐熱性(Tg)を低下させずに硬化収縮率及び弾性率の低下が可能であることが明らかなため、液体又は液晶の封止剤として有用であり、特に液晶滴下工法用のシール剤として有用なことは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)成分を含有する硬化性樹脂組成物。
(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマー
(2)上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを除くラジカル硬化性樹脂
(3)光ラジカル開始剤
(4)エポキシ樹脂
(5)潜在性エポキシ硬化剤
【請求項2】
上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーが、(1’)分子内に少なくとも2つの(メタ)アクリル基を有する第2〜5世代のデンドリマーであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
上記(5)潜在性エポキシ硬化剤が、(5’)1個以上の活性水素と2個以上の窒素原子を分子内に有するポリアミンと、酸性化合物とを反応させて得られる反応生成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマー0.5〜40重量%、上記(2)上記(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを除くラジカル硬化性樹脂30〜80重量%、上記(3)光ラジカル開始剤0.1〜10重量%、上記(4)エポキシ樹脂0.1〜50重量%、及び上記(5)潜在性エポキシ硬化剤1〜60重量%を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
更に(6)充填剤を含有してなる請求項1〜4の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物を用いてなる封止剤。
【請求項7】
請求項6に記載の封止剤を用いてなる液晶滴下工法用シール剤。
【請求項8】
請求項7に記載の液晶滴下工法用シール剤を用いてなる液晶表示素子。
【請求項9】
(1)分子内に少なくとも2つの重合性基を有する第2〜5世代のデンドリマーを、必須成分とする液晶滴下工法用シール剤。

【公開番号】特開2013−18810(P2013−18810A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151064(P2011−151064)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】