説明

硬化性樹脂製造用組成物、それによって製造された硬化性樹脂、およびそれを含むインク組成物

【課題】
【解決手段】本発明は、a)化学式1で示される化合物;b)グリシジル(メタ)アクリレート;c)酸一無水物;およびd)溶媒を含む硬化性樹脂製造用組成物、それによって製造された硬化性樹脂、およびそれを含むインク組成物に関し、前記硬化性樹脂は、粘度が低く、流れ特性に優れ、前記インク組成物は、貯蔵安定性、耐熱性および耐化学性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂製造用組成物、それによって製造された硬化性樹脂、およびそれを含むインク組成物に関するものである。
【0002】
本出願は2007年4月12日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2007−0036135号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
従来の液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタの形成方法としては顔料分散法、染色法、電着法、印刷法、インクジェット法などが知られている。
【0004】
現在では顔料分散法が主に使われているが、これは、光硬化性着色組成物を基板に全面塗布してパターンを露光した後、不要な部分を溶解した後に洗浄する工程を、赤色、青色および緑色の3種類それぞれの画素に対して繰り返しカラーフィルタを形成する方法であるために費用面で不利な方法である。その反面、インクジェット法は3種類の画素を1つの工程で形成することができるため、簡便で、着色材料の利用効率が高く、低費用であるという点から注目されている。
【0005】
例えば、日本特開昭59−75205号公報(特許文献1)、日本特開昭61−245106号公報(特許文献2)などにはインクジェット法によるカラーフィルタの形成方法が開示されているが、色材が染料系であるため、これらの方法によって得られるカラーフィルタは耐熱性や溶剤耐性が落ちる。これに対し、より高い耐熱性や溶剤耐性を有する着色層を得る方法として樹脂と顔料を用いる方法が様々に提案されている。
【0006】
例えば、日本特開平5−224007号公報(特許文献3)にはメラミン樹脂と着色剤とからなるインクジェットインクによるカラーフィルタが、日本特開平8−171010号公報(特許文献4)にはアクリルアミド系重合体を含む熱硬化性または光硬化性インクジェットインクを用いたカラーフィルタが各々開示されている。
【0007】
また、日本特開平10−17813号公報(特許文献5)にはメラミン樹脂、ポリカルボン酸誘導体およびアミン系安定剤を主成分とするインクジェットインクを用いたカラーフィルタが開示されており、日本特開平7−188596号公報(特許文献6)には熱硬化性樹脂と分散剤として特定のアミンを用いた熱硬化性インクジェット記録用インクが開示されている。
【0008】
一般的に、硬化性樹脂としてはカルボキシル基やエポキシ基を含有するアクリル樹脂、架橋剤の役割をするエチレン性不飽和基を含有する多官能性モノマーおよび熱重合開始剤からなる組成物が多く用いられている。
【0009】
前記硬化性樹脂を含む従来の熱硬化性樹脂組成物は、機械的物性に優れておらず、特に高温における耐熱性が良くなくて黄変現象が発生する。
【0010】
したがって、このような現象を防止するためにエチレン性不飽和基を含有する多官能性モノマーを過多に用いるが、このような過多使用は高温における黄変現象を深化させる短所がある。
【0011】
また、機械的物性および耐熱性を向上させるために、熱硬化時、架橋剤と共に架橋できるように硬化性樹脂にエチレン性不飽和基を導入する方法がある。
【0012】
この時、硬化性樹脂にエチレン性不飽和基を導入するために、1)(メタ)アクリル酸が共重合された線状高分子にグリシジル(メタ)アクリレートを付加する方法、2)グリシジル(メタ)アクリレートが共重合された線状高分子に(メタ)アクリル酸を付加する方法、3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが共重合された線状高分子にイソシアネートアルキル(メタ)アクリレートを付加する方法、4)エチレン性不飽和基を含むジオール化合物と二無水物化合物を縮合重合する方法など、分子内にアクリル基を導入する方法を利用する。
【0013】
しかし、前記方法のうちの1)〜3)の方法は、線状高分子を形成するステップとアクリル基を導入するステップの2つのステップからなって反応時間が長く、一般的に導入される(メタ)アクリル当量が10wt%以内である(但し、ここで、(メタ)アクリル当量とは、樹脂製造時に導入されたアクリル(CH2=CH−CO2−)あるいはメタアクリル(CH2=CCH3−CO2−)の量を全体樹脂の質量で割った百分率と定義する。)
また、前記4)の方法も十分な分子量を得るためには長時間の反応が必要であり、場合によってはエチレン性不飽和基を含むジオール化合物をジグリシジル化合物と(メタ)アクリル酸の付加反応によって合成するステップが必要であり、導入される(メタ)アクリルの当量が10wt%を超えない。
【0014】
また、既存のメーカーで用いられているアクリル系共重合体を硬化性樹脂として用いる場合、分子量を調節するかモノマー種類を変更してアクリル系共重合体の流れ特性を調節するが、アクリル系共重合体の構造そのものは変わらないために限界がある。よって、全く新しい構造の樹脂が必然的に求められている。
【0015】
メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いるインクの場合には、インク内に有機または無機酸またはこれらのアミン塩やアンモニウム塩などが硬化促進剤として併用され、これらが不純物として膜中に存在し、ITO透明電極の形成時にスパッタリング装置を汚染させるか、一液性インクを形成するとインクのポットライフが短くなるなどの欠点を有する。
【0016】
また、カラーフィルタの製造時、200℃以下の低沸点の溶媒を用いる場合、インクジェット印刷方式の特性上、製作工程中に容易に蒸発して、分散顔料の粒子大きさが増加するか干上がってプリンタヘッドノズル(Printer Head Nozzle)を塞いでしまう問題が発生する。
【0017】
しかし、これを防止するために200℃以上の高沸点の溶媒を用いる場合、溶媒そのものの粘度が高くてインクとして用いられるには適していない。このような点はカラーフィルタの生産収率を落とすため、印刷法の最も大きい長所である生産効率を阻害する要素となる。また、比較的に沸点が高い溶媒は分子間引力が強くて粘度が高く、一般的に用いられる高分子型樹脂との相溶性が良くない場合が多い。よって、沸点は高いがインク溶剤として粘度の高くない溶媒と前記溶剤と互いによく混合しつつ全体インク組成物の粘度を上昇させない樹脂に対する開発必要性が台頭している。
【0018】
また、カラーフィルタは製造工程中に有機溶剤、酸、アルカリ溶液などによって浸漬処理されるか、配線電極層を除膜する場合にスパッタリングによる表面の局部的な高温加熱など、苛酷な処理を受ける過程を経る。よって、カラーフィルタに用いられる硬化性樹脂は耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性などの耐薬品性と耐熱性および耐光性に優れることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開昭59−75205号公報
【特許文献2】特開昭61−245106号公報
【特許文献3】特開平5−224007号公報
【特許文献4】特開平8−171010号公報
【特許文献5】特開平10−17813号公報
【特許文献6】特開平7−188596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、粘度が低く、流れ特性の良い硬化性樹脂を製造できる硬化性樹脂製造用組成物、それによって製造された硬化性樹脂、およびそれを含み、貯蔵安定性、耐熱性および耐化学性に優れたインク組成物を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的を達成するために、本発明は、a)下記化学式1で示される化合物;b)グリシジル(メタ)アクリレート;c)酸一無水物;およびd)溶媒を含む硬化性樹脂製造用組成物を提供する。
【0022】
【化1】

前記化学式1において、
Xは水素、C1〜C6のアルコキシ、フェノキシ、ハロゲンで置換または非置換されたC1〜C10のアルキル、不飽和基を1〜3つ含むC2〜C10のアルケニル、フェニル、ナフチル、またはアントラセニルであり、
YはC1〜C6のアルコキシ、フェノキシ、ハロゲンで置換または非置換されたC1〜C10のアルキレン、不飽和基を1〜3つ含むC2〜C10のアルケニレン、またはフェニレンであり、
XとYは連結されてC5〜C12の環を形成することができ、
Zは水素、またはカルボキシル基で置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1〜C10のアルキルである。
【0023】
また、本発明は前記硬化性樹脂製造用組成物を縮合重合して製造した硬化性樹脂を提供する。
【0024】
また、本発明は、前記硬化性樹脂製造用組成物を100〜150℃で1〜24時間縮合反応させるステップを含む硬化性樹脂の製造方法を提供する。
【0025】
また、本発明は、1)前記硬化性樹脂;
2)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物;
3)熱重合開始剤;および
4)溶媒を含むインク組成物を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る硬化性樹脂製造用組成物は、短い時間内に1つのステップまたは2つのステップの反応だけを進行しても15wt%以上の高い(メタ)アクリル当量の硬化性樹脂を容易に製造することができるため、硬化性樹脂の製造費用を画期的に下げるだけでなく、高い(メタ)アクリル当量により高感度のインク組成物を製造することができる。
【0027】
本発明に係る硬化性樹脂製造用組成物を用いて製造した硬化性樹脂は粘度が低く、流れ特性が良いためにインクの製造に有利である。
【0028】
また、本発明に係る硬化性樹脂は、貯蔵安定性、耐熱性および耐化学性に優れたインク組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】合成例1の硬化性樹脂溶液のNMR測定スペクトルデータである。
【図2】合成例2の硬化性樹脂溶液のNMR測定スペクトルデータである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の硬化性樹脂製造用組成物についてより詳細に説明する。
【0031】
本発明に係る硬化性樹脂製造用組成物において、前記a)化学式1で示される化合物は酸基と酸無水物基を同時に有する化合物である。
【0032】
前記a)化学式1で示される化合物は、下記化学式2〜化学式9で示される化合物のうちから選択することができる:
【0033】
【化2】

前記a)化学式1で示される化合物は前記化学式3で示される化合物であることが好ましい。
【0034】
前記化学式1で示される化合物の酸基は、前記b)グリシジル(メタ)アクリレートのグリシジル基を攻撃して開環反応を起こし、この時、(メタ)アクリル基とアルコール基が同時に生成される。このように生成された前記アルコール基は化学式1の酸無水物基または前記c)酸一無水物の無水物基と結合してエステル基と酸基を生成し、前記生成された酸基は再びb)グリシジル(メタ)アクリレートと反応することができる。
【0035】
前述した形態で反応が進行されて分子量が大きくなり、消尽できるモノマーがなくなると反応が終結する。
【0036】
この時に製造される硬化性樹脂の分子量と酸価は、前記a)化学式1で示される化合物、b)グリシジル(メタ)アクリレート、およびc)酸一無水物のモル比率を変更することによって調節することができる。前記a)化学式1で示される化合物と前記b)グリシジル(メタ)アクリレートだけによっても硬化性樹脂を得ることはできるが、前記c)酸一無水物を添加してこそ、満足するほどの分子量と酸価を容易に得ることができる。
【0037】
前記a)化学式1で示される化合物に対して前記b)グリシジル(メタ)アクリレートのモル比は5:1〜0.2:1の比率から選択することができるが、前記a)化学式1で示される化合物が前記b)グリシジル(メタ)アクリレートに比べて相対的に多くなるほど分子量が小さくなり、未反応のa)化学式1で示される化合物が沢山残って酸価が大きくなる。その逆に、前記b)グリシジル(メタ)アクリレートが前記a)化学式1で示される化合物に比べて過多に多ければ分子量が大きくなって酸価が過度に少なくなるだけでなく、未反応のb)グリシジル(メタ)アクリレートも過多に残る。
【0038】
したがって、硬化性樹脂の物性を調節するために追加成分が必要となり、この時、前記c)酸一無水物を添加することによって硬化性樹脂の分子量と酸価を効果的に調節することができる。前記c)酸一無水物は前記a)化学式1で示される化合物1モルに対して0.1から1のモル比で添加されることが好ましい。
【0039】
前記c)酸一無水物が0.1モル未満添加されると十分な酸基を発生することができず、分子量が大きくなり、1モルを超過して添加されると酸基が導入され過ぎて分子量が小さくなる。
【0040】
前記c)酸一無水物は、本発明に係る硬化性樹脂製造用組成物を縮合重合して硬化性樹脂を製造する時に縮合重合の進行を阻止することができるため、硬化性樹脂の分子量と酸価を調節する用途として用いることができる。
【0041】
前記c)酸一無水物としてはコハク酸無水物、グルタル酸無水物、メチルコハク酸無水物、マレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、フタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、シス−5−ノルボルネン−(エンド、エキソ)−2,3−ジカルボン酸無水物およびその組み合せからなる群から選択されるものを用いることができる。
【0042】
前記d)溶媒は水酸基とカルボン酸基を含まなければ特に制限されず、当業界で通常に用いられる溶媒のうちから選択することができる。
【0043】
本発明に係る硬化性樹脂製造用組成物はe)反応触媒およびf)熱重合禁止剤のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0044】
前記縮合反応は少量のe)反応触媒を添加する場合により容易に起こる。
【0045】
前記e)反応触媒としては当技術分野で縮合反応の触媒として知られている通常の触媒を用いることができ、例えば、塩基性触媒であるアルキルアンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、トリフェニルアンチモン、ジメチルアミノピリジンおよびその組み合せのうちから選択されるものを用いることができる。前記e)反応触媒は前記a)化学式1で示される化合物総重量に対して0.5〜2.0wt%添加されることが好ましい。
【0046】
前記e)反応触媒が0.5wt%未満添加されると反応が十分に行われないために反応率が低くなり、2.0wt%を超過して添加されると副反応が行われるか貯蔵安定性などの物性に影響を及ぼし得る。
【0047】
前記縮合反応の反応温度は100〜150℃範囲であることが好ましく、反応時間は1時間〜24時間であることが好ましい。しかし、反応速度と生産性の側面で1時間〜10時間であることがより好ましい。
【0048】
前記のような温度範囲では縮合反応によって付加されたエチレン基が熱重合によってゲル化を起こさせるため、前記重合反応に前記f)熱重合禁止剤を用いることができる。
【0049】
前記f)熱重合禁止剤は4−メトキシフェノール(MEHQ)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールおよびその組み合せのうちから選択されるものを用いることができる。前記f)熱重合禁止剤は前記a)、b)およびc)酸一無水物の総重量に対して0.05wt%〜0.2wt%で添加されることが好ましい。
【0050】
前記f)熱重合禁止剤が0.05wt%未満添加されると硬化性樹脂の貯蔵安定性が低くなり、0.2wt%を超過して添加されると貯蔵安定性などの物性に影響を及ぼし得る。
【0051】
本発明に係る硬化性樹脂製造用組成物は短時間内に(メタ)アクリル基が熱硬化に参加できる反応性硬化性樹脂を製造することができ、構造的な影響で前記硬化性樹脂を含む溶液の粘度が非常に低い。前記硬化性樹脂製造用組成物によって製造された硬化性樹脂をインク組成物のバインダーとして用いた場合、貯蔵安定性、耐熱性および耐化学性に優れたインク組成物を得ることができる。
【0052】
上記のように、本発明は前記硬化性樹脂製造用組成物を縮合重合して製造した硬化性樹脂を提供する。
【0053】
前記硬化性樹脂は酸価が5〜200KOHmg/gであることが好ましい。
【0054】
また、前記硬化性樹脂は重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜30,000であることがより好ましい。
【0055】
前記硬化性樹脂の重量平均分子量が1,000未満である場合には、バインダーポリマーとして求められる構成成分間の結合機能が弱く、現像時の物理的外力に耐えることができなくてパターンが消失し、カラーフィルタパターンに求められる基本的な貯蔵安定性、耐熱性および耐化学性などの物性を満足させることができない。一方、前記硬化性樹脂の重量平均分子量が100,000を超過する場合には、粘度が高くなり、工程特性が低下し、インク組成物としては不適である。
【0056】
前記硬化性樹脂は(メタ)アクリル当量が15wt%以上であることが好ましい。
【0057】
本発明に係る硬化性樹脂はハイパーブランチポリマー(hyperbranched polymer)の一種であり、分子量と酸価に比べて粘度が低く、流れ特性が良く、粘度調節が容易であるためにインク組成物に有利である。
【0058】
本発明に係る硬化性樹脂製造用組成物を用いて硬化性樹脂を製造する場合、短時間内に1つのステップの反応だけを行っても15wt%以上の高い(メタ)アクリル当量の硬化性樹脂を容易に製造することができる。反応が10時間以内に完結されるためにバインダー樹脂の製造費用を画期的に下げるだけでなく、高い(メタ)アクリル当量により、本発明に係る硬化性樹脂は耐熱性に優れたインク組成物のバインダー樹脂として用いることができる。
【0059】
また、本発明は、前記硬化性樹脂製造用組成物を110〜150℃で1〜24時間縮合重合させるステップを含む硬化性樹脂の製造方法を提供する。このように、前記a)成分〜前記d)成分を同時に投入して縮合反応させることによって硬化性樹脂を製造することができる。反応温度と反応時間はこれに限定されず、反応メカニズムに応じて適切に調節することができる。
【0060】
例えば、(1)a)成分100モルに対し、b)グリシジル(メタ)アクリレート20〜500モル、c)酸一無水物10〜100モル、d)カルボン酸基のない溶媒を加えるステップ;および(2)80℃〜130℃で4時間〜24時間加熱攪拌するステップによって硬化性樹脂を製造することもできる。
【0061】
また他の方法として、前記a)成分および前記b)成分を先に投入し、ある程度分子量を大きくした後に酸基をさらに導入する反応によって硬化性樹脂を製造することもできる。(1)a)成分100モルに対し、b)グリシジル(メタ)アクリレート20〜500モル、d)カルボン酸基のない溶媒を加えるステップ;(2)80℃〜130℃で4時間〜24時間加熱するステップ;および(3)反応温度を70℃〜110℃に調整し、c)酸一無水物を10〜100モル添加して4〜24時間攪拌するステップによって硬化性樹脂を製造することもできる。
【0062】
また、本発明は、1)上記のように製造された硬化性樹脂;2)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物;3)熱重合開始剤;および4)溶媒を含むインク組成物を提供する。
【0063】
ここで、前記インク組成物は、インク組成物100重量部を基準に、1)硬化性樹脂1〜20重量部;前記2)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物0.5〜20重量部;前記3)熱重合開始剤0.1〜5重量部;および前記4)溶媒55〜95重量部を含むことが好ましい。
【0064】
前記2)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の非制限的な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2−トリスアクリロイルオキシメチルエチルフタル酸、プロピレン基の数が2〜14であるプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールをα,β−不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物などのグリシジル基を含有する化合物に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物;β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのフタル酸ジエステル、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのトルエンジイソシアネート付加物などの水酸基またはエチレン性不飽和結合を有する化合物と多価カルボン酸とのエステル化合物、またはポリイソシアネートとの付加物;およびメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル; 9,9’−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンおよびその組み合せからなる群から選択されるものを用いることができる。しかし、これらに限定されず、当技術分野で知られているものなどを用いることができる。また、場合によってはこれらの化合物にシリカ分散体を用いることができ、例えば、Hanse Chemie社製のNanocryl XP series(0596,1045,21/1364)とNanopox XP series(0516,0525)などが挙げられる。
【0065】
前記3)熱重合開始剤の非制限的な例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、V−40、VA−086、VA−085、VF096、VAm−110、Vam−111(以上、6種の開始剤は和光純薬製である)、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1’−ビス−(ビス−t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンおよびその組み合せからなる群から選択されるものを用いることができる。しかし、これらに限定されず、当技術分野に知られているものなどを用いることができる。
【0066】
前記4)溶媒の非制限的な例としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(DPMA)、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、2−エトキシプロパノール、2−メトキシプロパノール、3−メトキシブタノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、エチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチル3−エトキシプロピオネート、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびその組み合せのうちから選択されるものを用いることもできる。しかし、これらに限定されず、当技術分野に知られているものなどを用いることができる。
【0067】
本発明に係るインク組成物は5)着色剤をさらに含むことができる。
【0068】
前記5)着色剤は前記インク組成物100重量部を基準に0.5〜20重量部含まれることが好ましい。
【0069】
前記5)着色剤としては、1種以上の顔料、染料またはこれらの混合物を用いることができる。
【0070】
着色剤の例としては、カーミン6B(C.I.12490)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ペリレンブラック(BASF K0084.K0086)、シアニンブラック、リオノールイエロー(C.I.21090)、リオノールイエローGRO(C.I.21090)、ベンジジンイエロー4T−564D、ビクトリアピュアブルー(C.I.42595)、C.I.PIGMENT RED 3、23、97、108、122、139、140、141、142、143、144、149、166、168、175、177、180、185、189、190、192、202、214、215、220、221、224、230、235、242、254、255、260、262、264、272;C.I.PIGMENT GREEN 7、36;C.I.PIGMENT blue 15:1、15:3、15:4、15:6、16、22、28、36、60、64;C.I.PIGMENT yellow 13、14、35、53、83、93、95、110、120、138、139、150、151、154、175、180、181、185、194、213;C.I.PIGMENT VIOLET 15、19、23、29、32,37などが挙げられ、この他に白色顔料、蛍光顔料なども用いることができる。しかし、これらに限定されず、当技術分野に知られているものなどを用いることができる。
【0071】
また、本発明に係るインク組成物は6)添加剤をさらに含むことができる。
【0072】
前記6)添加剤は熱硬化促進剤、接着促進剤、充填剤および界面活性剤のうちから選択された1種以上を含むことができる。しかし、これらに限定されず、当技術分野に知られているものなどを用いることができる。
【0073】
前記6)添加剤は前記インク組成物100重量部を基準に0.01〜20重量部含まれることが好ましい。
【0074】
また、本発明は、本発明に係るインク組成物を用いて形成されたカラーフィルタを提供する。
【0075】
本発明に係るカラーフィルタは、本発明に係るインク組成物を用いてインクジェット印刷法またはオフセット印刷法によって印刷して形成することができる。
【0076】
また、本発明は、本発明に係るカラーフィルタを含む電子装置を提供する。ここで、電子装置は各種ディスプレイ装置であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0077】
以下、実施例によって本発明についてより詳細に説明する。但し、これらの実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0078】
[合成例]硬化性樹脂の製造
<合成例1>
トリメリット酸無水物(trimellitic anhydride)0.3kg、グリシジルメタクリレート1.5kg、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物0.3kg、溶媒DPMA7.5kg、テトラブチルアンモニウムブロミド32g、熱重合禁止剤MEHQ2gを酸素雰囲気下で機械的攪拌器(mechanical stirrer)を用いて120℃で10時間攪拌して樹脂溶液を得た(重量平均分子量(Mw):8500、Acid Value(AV):3)。
【0079】
<合成例2>
トリメリット酸無水物(trimellitic anhydride)1.0kg、グリシジルメタクリレート1.8kg、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物0.3kg、溶媒DPMA7.0kg、テトラブチルアンモニウムブロミド40g、MEHQ2gを酸素雰囲気下で機械的攪拌器(mechanical stirrer)を用いて120℃で10時間攪拌して樹脂溶液を得た(重量平均分子量(Mw):14500、Acid Value(AV):18)。
【0080】
<比較合成例1>
ベンジルメタクリレート3.17kg、メタアクリル酸1.33kg、ドデカンチオール120g、溶媒DPMA12.5kgを窒素雰囲気下で機械的攪拌器を用いて30分間混合した。窒素雰囲気下で反応器の温度を70℃に高めて混合物の温度が70℃になった時、熱重合開始剤AIBN120gを入れて8時間攪拌した。その後、反応器の温度を90℃に高め、トリフェニルホスフィン10gを投入した。熱重合禁止剤MEHQ5gを入れて30分間攪拌した後、グリシジルメタクリレート860gを入れ、酸素雰囲気を維持しつつ、110℃に反応器の温度を高めて12時間攪拌し、所望の樹脂の合成を完結した(重量平均分子量(Mw):11,000、Acid Value(AV):94)。
【0081】
<比較合成例2>
トリメリット酸無水物1.7kg、グリシジルメタクリレート2.8kg、溶媒DPMA10.5kg、テトラブチルアンモニウムブロミド40g、MEHQ2gを酸素雰囲気下で機械的攪拌器(mechanical stirrer)を用いて120℃で10時間攪拌して樹脂溶液を得た(重量平均分子量(Mw):3,000、Acid Value(AV):150)。
【0082】
[実施例]インク組成物の製造
<実施例1>
顔料C.I.Pigment Blue15:6が15%、分散剤10%、溶媒DPMAが75%含まれた分散液5.50kg、合成例1で製造された樹脂溶液1.50kg(固形分30%)、重合性化合物ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.00kg、熱重合開始剤50g、フッ素系界面活性剤35g、有機溶媒DPMA5.90kgを3時間混合してインク組成物を製造した(固形分27%)。
【0083】
<実施例2>
顔料C.I.Pigment Blue15:6が15%、分散剤10%、溶媒DPMAが75%含まれた分散液5.50kg、合成例2で製造された樹脂溶液1.5kg(固形分30%)、重合性化合物ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.0kg、熱重合開始剤50g、フッ素系界面活性剤35g、有機溶媒DPMA5.90kgを3時間混合してインク組成物を製造した(固形分27%)。
【0084】
<比較例1>
顔料C.I.Pigment Blue15:6が15%、分散剤10%、溶媒DPMAが75%含まれた分散液5.50kg、比較合成例1で製造された樹脂溶液1.2kg(固形分30%)、重合性化合物ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.0kg、熱重合開始剤50g、フッ素系界面活性剤35g、有機溶媒DPMA6.90kgを3時間混合してインク組成物を製造した(固形分24%)。
【0085】
<比較例2>
顔料C.I.Pigment Blue15:6が15%、分散剤10%、溶媒DPMAが75%含まれた分散液5.50kg、比較合成例2で製造された樹脂溶液1.2kg(固形分30%)、重合性化合物ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.0kg、熱重合開始剤50g、フッ素系界面活性剤35g、有機溶媒DPMA6.90kgを3時間混合してインク組成物を製造した(固形分24%)。
【0086】
[カラーフィルタ基板の製造]
実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2で製造されたそれぞれのインク組成物を予め準備したブラックマトリクスパターン上の画素空間にインク噴射ノズルを通して滴定した。前記インク組成物が注入されたカラーフィルタ基板を140℃に加熱して15分間維持した。再び200℃に加熱して30分間前記カラーフィルタ基板を硬化させて色画素層を形成することによってカラーフィルタ基板を製造した。
【0087】
[性能試験および評価基準]
1)粘度:実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2で製造されたインク組成物の粘度測定はブルックフィールド(Brookfield)社製のDV−II+粘度計を用いた。
【0088】
2)貯蔵安定性:実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2で製造されたインク組成物を45℃で5日間保存した時の粘度を測定し、初期値に対する変化率で評価した。
【0089】
−O:初期値に対する変化率が10%未満であるもの。
【0090】
−X:初期値に対する変化率が10%以上であるもの。
【0091】
3)耐熱性評価:実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2によるインク組成物で製造されたカラーフィルタ基板を230℃で1時間加熱し、加熱前後の色特性および収縮程度を測定し、次の基準によって耐熱性を評価した。
【0092】
−O:色変化(ΔE*ab)が3未満
−X:色変化(ΔE*ab)が3以上
4)耐化学性の評価:NMP(N−Methyl pyrrolidone)を用いて実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2によるインク組成物で製造されたカラーフィルタ基板を1時間45℃/25℃に放置した後に厚さ変化を観察することによって耐化学性を評価した。常温で1時間浸した時、膨潤比(swelling ratio)が103%以下であれば良好、それ以上であれば不良であると判定した。
【0093】
各項目の評価結果は表1に示す。
【0094】
【表1】

表1により、比較例1によるインク組成物の場合、貯蔵安定性の評価結果、変化率が激しくはないが、比較例1によるインク組成物で製造されたカラーフィルタ基板の耐熱性および耐化学性の評価結果は不良であることが確認できる。また、比較例2によるインク組成物で製造されたカラーフィルタ基板の場合、耐熱性の評価結果、色変化(ΔE*ab)は3未満であるが、比較例2によるインク組成物の貯蔵安定性および比較例2によるインク組成物で製造されたカラーフィルタ基板の耐化学性の評価結果は不良であることが確認できる。
【0095】
これに対し、本発明の実施例1および2によるインク組成物、それによって製造されたカラーフィルタ基板は貯蔵安定性、耐熱性、および耐化学性の全てに優れていることが確認できる。
【0096】
このように、本発明に係る硬化性樹脂製造用組成物を用いることにより、貯蔵安定性、耐熱性および耐化学性に優れたインク組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)下記化学式1で示される化合物;
b)グリシジル(メタ)アクリレート;
c)酸一無水物;および
d)溶媒を含む硬化性樹脂製造用組成物:
【化3】

前記化学式1において、
Xは水素、C1〜C6のアルコキシ、フェノキシ、ハロゲンで置換または非置換されたC1〜C10のアルキル、不飽和基を1〜3つ含むC2〜C10のアルケニル、フェニル、ナフチル、またはアントラセニルであり、
YはC1〜C6のアルコキシ、フェノキシ、ハロゲンで置換または非置換されたC1〜C10のアルキレン、不飽和基を1〜3つ含むC2〜C10のアルケニレン、またはフェニレンであり、
XとYは連結されてC5〜C12の環を形成することができ、
Zは水素、またはカルボキシル基で置換された直鎖もしくは分枝鎖のC1〜C10のアルキルである。
【請求項2】
前記a)成分と前記b)成分のモル比は5:1〜0.2:1である、請求項1に記載の硬化性樹脂製造用組成物。
【請求項3】
前記a)化学式1で示される化合物は、下記化学式2〜化学式9で示される化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性樹脂製造用組成物:
【化4】

【請求項4】
前記c)酸一無水物は前記a)成分1モルに対して0.1〜1のモル比で含まれる、請求項1に記載の硬化性樹脂製造用組成物。
【請求項5】
前記c)酸一無水物は、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、メチルコハク酸無水物、マレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、フタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、シス−5−ノルボルネン−(エンド、エキソ)−2,3−ジカルボン酸無水物およびその組み合せからなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性樹脂製造用組成物。
【請求項6】
e)反応触媒およびf)熱重合禁止剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の硬化性樹脂製造用組成物。
【請求項7】
前記e)反応触媒は、アルキルアンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、トリフェニルアンチモン、ジメチルアミノピリジンおよびその組み合せのうちから選択される、請求項6に記載の硬化性樹脂製造用組成物。
【請求項8】
前記f)熱重合禁止剤は、4−メトキシフェノール(MEHQ)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールおよびその組み合せのうちから選択される、請求項6に記載の硬化性樹脂製造用組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のうちのいずれか1つによる硬化性樹脂製造用組成物を縮合重合して製造した硬化性樹脂。
【請求項10】
前記硬化性樹脂の重量平均分子量は1,000〜100,000であり、酸価は5〜200KOHmg/gである、請求項9に記載の硬化性樹脂。
【請求項11】
(メタ)アクリル当量が15wt%以上である、請求項9に記載の硬化性樹脂。
【請求項12】
請求項1〜8のうちのいずれか1つによる硬化性樹脂製造用組成物を100〜150℃で1〜24時間縮合反応させるステップを含む硬化性樹脂の製造方法。
【請求項13】
1)請求項9による硬化性樹脂;
2)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物;
3)熱重合開始剤;および
4)溶媒を含むインク組成物。
【請求項14】
前記インク組成物100重量部を基準に、前記1)硬化性樹脂1〜20重量部;前記2)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物0.5〜20重量部;前記3)熱重合開始剤0.1〜5重量部;および前記4)溶媒55〜95重量部を含む、請求項13に記載のインク組成物。
【請求項15】
前記2)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物は、多価アルコールをα,β−不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;グリシジル基を含有する化合物に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物;水酸基またはエチレン性不飽和結合を有する化合物と多価カルボン酸とのエステル化合物、またはポリイソシアネートとの付加物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル;9,9’−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンおよびその組み合せからなる群から選択される、請求項13に記載のインク組成物。
【請求項16】
前記3)熱重合開始剤は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、V−40、VA−086、VA−085、VF096、VAm−110、Vam−111、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1’−ビス−(ビス−t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンおよびその組み合せからなる群から選択される、請求項13に記載のインク組成物。
【請求項17】
前記4)溶媒は、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(DPMA)、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、2−エトキシプロパノール、2−メトキシプロパノール、3−メトキシブタノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチル3−エトキシプロピオネート、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびその組み合せのうちから選択される、請求項13に記載のインク組成物。
【請求項18】
熱硬化促進剤、接着促進剤、充填剤、着色剤および界面活性剤のうちから選択された1種以上の添加剤をさらに含む、請求項13に記載のインク組成物。
【請求項19】
請求項13によるインク組成物を用いて形成したカラーフィルタ。
【請求項20】
請求項19によるカラーフィルタを含む電子装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−523787(P2010−523787A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502946(P2010−502946)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002058
【国際公開番号】WO2008/127039
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】