説明

硬化性歯科物品およびその製造方法

硬化性歯科物品の製造方法、包装された硬化性歯科物品、および硬化性歯科物品の包装方法を開示する。様々な実施形態において、製造は、モールドライナーでライニングされてもよいモールドキャビティで硬化性歯科材料を成形することを必要とする場合がある。また、モールド本体が、モールドキャビティ内で形成される硬化性歯科物品の包装を形成してもよい。他の実施形態では、硬化性歯科物品は、犠牲モールド本体に配置されているモールドキャビティに入った状態で提供されてもよく、モールドキャビティ内の硬化性歯科物品を離型させるため、犠牲モールド本体は、引裂、延伸、軟化、溶解等されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
保存修復学は、現代の歯科産業における重要な市場である。特に、暫間クラウンおよび永久クラウンを用いた歯の修復は、一般的な処置であり、典型的には、複数回の歯科予約を必要とする。従来の技術は、ライナー、接着剤、ペースト、2部式の粉末/液体系、予備形成された金属暫間クラウン、および、セラミック又はポーセレン/金属の永久クラウンを使用する。
【0002】
従来の技術に関連する問題の中には、カスタマイズされた歯科物品を所望する場合、歯科医を複数回、受診しなければならないということがある。逆に、カスタマイズすることを所望しない場合、使用する歯科物品は、望ましいとはいえないフィット具合および/又は外観、例えば、メタリックな仕上がり、近心の歯間の大きい間隙、天然歯との顕著な色の違いなどを有することがある。
【0003】
これらの問題の幾つかに対処するため、硬化性歯科材料が開発されてきた。これらの材料の幾つかの例は、例えば、共に「硬化性自己支持構造体および方法(HARDENABLE SELF−SUPPORTING STRUCTURES AND METHODS)」と題されている、(特許文献1)(カリム(Karim)ら)、および、2002年8月15日に出願された(特許文献2)(カリム(Karim)ら)に記載されている。本発明の目的では、「硬化性歯科材料」は、硬化してクラウンなどの歯科物品を形成することができる材料である。
【0004】
これらの材料は、従来の技術に関して認識されている問題に対処し得るが、それらはこのような材料で構成される歯科物品の製造、操作、および包装に関してそれ自体の問題を提起する場合がある。これらの硬化性歯科材料の多くは、製造中、顕著なレベルの接着性を示す場合がある。その結果、製造プロセスの一部として硬化性歯科材料を付形および操作して歯科物品にすることが困難な場合がある。
【0005】
幾つかの硬化性歯科材料に関して提起される、別の起こり得る問題は、硬化性歯科材料を使用可能な歯科物品に形成するのに使用される技術が、完成した歯科物品の外観を左右するか、又はそれを損なう場合があるということである。換言すれば、硬化性歯科材料は、望ましいとは言えない形成技術および/又は包装によって望ましくない粗い外観を示す場合がある。
【0006】
更に、最終硬化前の硬化性材料で製造される歯科物品の正確な形状を調整してもよいが、使用する硬化性歯科材料の特性によっては、材料の顕著な付形は可能でないか、又は望ましくない場合がある。例えば、歯科医は、むしろ、歯科物品の最終的な所望の形状に近い形状で材料が提供され、よりカスタマイズされたフィット具合および/又は外観を提供するように、ある程度の小さい付形が施されることを好む場合がある。歯科医が必要とする最終的な形態に近い形態で硬化性材料を提供することによって、歯科物品を使用する一定の歯科処置を完了するのに歯科医が要する時間を減少させることができる。しかし、このような形成は、前段落に記載した問題を悪化させる場合がある。
【0007】
【特許文献1】国際公開第03/015720号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願第10/219,398号明細書
【特許文献3】米国特許第5,538,129号明細書
【特許文献4】米国特許第5,552,177号明細書
【特許文献5】米国特許第5,636,736号明細書
【特許文献6】米国特許第5,785,178号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、硬化性歯科物品の製造方法、包装された硬化性歯科物品、および硬化性歯科物品の包装方法を提供する。様々な実施形態において、製造は、モールドライナーでライニングされてもよいモールドキャビティで硬化性歯科材料を成形することを必要とする場合がある。また、モールド本体が、モールドキャビティ内で形成される硬化性歯科物品の包装を形成してもよい。他の実施形態では、硬化性歯科物品は、犠牲モールド本体内に配置されるモールドキャビティに入った状態で提供され、モールドキャビティ内の硬化性歯科物品を離型させるため、犠牲モールド本体は、引裂、延伸、軟化、溶解等されてもよい。
【0009】
硬化性歯科材料から硬化性歯科物品を製造する時、モールドライナーを使用すると、モールドキャビティから硬化性歯科物品を離型させるのに役立つ;硬化性歯科物品が汚染から保護される;形成プロセス中、物品に平滑仕上げを提供することによって硬化性歯科物品の仕上がりが向上する(ライナー自体が平滑な場合);および、硬化後の歯科物品の仕上がりが向上する(硬化中、モールドライナーの平滑な内面が硬化性歯科物品の外面と密接した状態に保持される場合)などの、多くの潜在的利点が提供され得る。
【0010】
硬化性歯科物品の製造に関連して、キャビティを有するモールドライナー、外側ライナー、又は、犠牲モールド本体を使用する場合、モールドキャビティから硬化性歯科物品を離型した後、モールドライナー、外側ライナー、又は、犠牲モールド本体のキャビティの内面が、硬化性歯科物品の実質的に全ての外面に追従(conform)することが好ましいことがある。場合によっては、硬化性歯科物品を収容するキャビティの内面が、硬化性歯科物品の実質的に全ての外面と密接していることが好ましいことがある。クラウンの形態の場合、硬化性歯科物品の外面は、クラウンが被験者の口内に配置された後、典型的には歯肉線より上に配置されている表面、例えば、(任意の個々のクラウンにみられる)切縁、咬合面、舌側面、前庭面、近心面、頬面、および遠心面などを備える。或いは、硬化性歯科物品は、モールドキャビティから取り外した後、又は取り外し中に、モールドライナーから離型してもよい。
【0011】
モールドライナーが硬化性歯科物品の外面に保持される場合、様々な利点が得られる可能性がある。例えば、歯科物品がクラウンであり、且つ、硬化性歯科材料が光硬化性材料である場合、モールドライナーは、作用光バリアとして機能し、化学線の通過を妨げ得るが、さもなければ、化学線によって、光硬化性の硬化性歯科材料は尚早に硬化する可能性がある。ライナーに展性がある場合、歯科医は、ライナーを所定の位置に置いた状態でクラウンの形状をカスタマイズ又は調整できることがある。或いは、歯科医はカスタマイズする前にライナーを取り外してもよい。
【0012】
また、ライナーは、硬化性歯科物品の外面のための保護バリアとして機能し得る。ライナーが、硬化中に硬化性歯科物品の外面の所定の位置に維持される場合、ライナーは、例えば、硬化プロセスの前、又は硬化プロセス中、酸素への曝露から外面を保護し得る。硬化中、ライナーが所定の位置に保持される場合、(必要に応じて、)硬化前に歯科医が硬化性歯科物品をカスタマイズ又は付形できるようにライナーは可撓性であってもよい。
【0013】
ライナーを硬化性歯科物品の外面の所定の位置に保持することによって、ライナーは、本発明による硬化性歯科材料で製造される硬化性歯科物品の包装の一部として機能し得る。例えば、(硬化性歯科物品の外面と密接している)ライナーが包装カバーとして機能すると同時に、中に硬化性歯科物品を収容するように、包装ベースが取り付けられる(「ブリスターパック」に類似の方式で)。
【0014】
金属などの従来の材料で製造されている再使用可能なモールド本体に形成されているモールドキャビティを、本発明の硬化性歯科物品の製造に関連して使用してもよいが、本発明は、例えば、硬化性歯科材料を選択された硬化性歯科物品の形状に成形又は形成した後、硬化性歯科物品をモールドキャビティから取り外すため、犠牲モールド本体を弱め線に沿って分離できるように弱め線が形成されている犠牲モールド本体に配置されているモールドキャビティの使用を包含してもよい。他の犠牲モールド本体は、弱め線が形成されていなくても、延伸若しくは引裂されて硬化性歯科物品を取り外すことができる材料で製造されていてもよい。更に他の犠牲モールド本体は、硬化性歯科物品に顕著な悪影響を及ぼさない溶媒(例えば、水など)との接触により軟化又は溶解することができる材料で製造されていてもよい。例えば、好ましくは、硬化性歯科物品の形状を歪ませることなく硬化性歯科物品を取り外すことができるように、水に曝露されると(例えば、スプレー、浴などで)犠牲モールドが軟化又は溶解するように犠牲モールド本体を水溶性の材料で製造することができる。このようなモールド本体は全て、「犠牲」と記載されるが、それは、それらが取り外しプロセス中に破壊されるため、再使用できないからである。
【0015】
犠牲モールド本体からの硬化性歯科物品の取り外しは、製造プロセスの一部として実施されてもよく、硬化性歯科物品が犠牲モールドから取り出された後、付形された硬化性歯科物品は、消費者に送給するため包装される。或いは、犠牲モールド本体自体が、中に配置される硬化性歯科物品の包装の一部を形成してもよく、犠牲モールドキャビティからの硬化性歯科物品の取り外しは、硬化性歯科物品の使用時点で、例えば、歯科医又は歯科助手によって実施される。同様に、このような犠牲モールド本体を、モールドライナーに関連して使用してもよい。
【0016】
本明細書で使用する時、「歯科物品」の用語には、以下に限定されないが、歯科修復材および歯科補綴材(例えば、暫間、中間および永久クラウンおよびブリッジ、インレー、アンレー、インプラント、義歯、および人工歯などを包含する)、並びに、歯科矯正装置(例えば、保定装置、ナイトガードなど)、歯の複製又は副子、顎顔面補綴材、および、カスタマイズされる他の構造体が挙げられる。
【0017】
本明細書で使用する時、「硬化性歯科物品」は、任意に、寸法安定性があり、自立している(即ち、外部の支持がない)とき、室温(即ち、約20℃〜約25℃)で少なくとも2週間、顕著に変形することなくその形状(例えば、予備形成されたクラウンの形状)を維持する、硬化性歯科材料の自己支持構造体と定義され得る。好ましくは、本発明の硬化性歯科物品は、室温で少なくとも約1ヶ月間、更に好ましくは少なくとも約6ヶ月間、寸法安定性がある。また、本発明の硬化性歯科物品は、室温より高温で、更に好ましくは最高約40℃まで、更により好ましくは最高約50℃まで、更により好ましくは最高約60℃まで寸法安定性があることが好ましい場合がある。この定義は、他に硬化性歯科物品を硬化させるように作用する条件又は物質がない場合、および重力以外の外力がない場合に当てはまる。
【0018】
一態様では、本発明は、硬化性歯科物品の形状のモールドキャビティを提供する工程であって、モールドキャビティが開口部を有する工程;開口部を通してモールドキャビティに硬化性歯科材料を押し入れる工程;硬化性歯科材料とモールドキャビティの間に外側ライナーを提供する工程;および、硬化性歯科材料および外側ライナーをモールドキャビティから取り外す工程であって、硬化性歯科材料が硬化性歯科物品の形状を有する工程;による硬化性歯科物品の製造方法を提供する。
【0019】
別の態様では、本発明は、硬化性歯科物品の形状の一定量の硬化性歯科材料であって、硬化性歯科物品がベースおよびベースから延びている外面を有する一定量の硬化性歯科材料;硬化性歯科物品の実質的に全ての外面に追従する包装カバーであって、包装カバーが、一定量の硬化性歯科材料によって塑性変形するポリマーフィルムを含む包装カバー;および、硬化性歯科物品のベースに面する包装ベース;を備える包装された硬化性歯科物品を提供し、ここで、包装カバーおよび包装ベースは、硬化性歯科物品が包装ベースと包装カバー内に収容されるように、硬化性歯科物品のベースの周囲で一緒に取り付けられている。
【0020】
別の態様では、本発明は、硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティを有する犠牲モールド本体であって、犠牲モールド本体に少なくとも1つの弱め線が形成されている犠牲モールド本体;および、硬化性歯科材料が硬化性歯科物品の形状になるように、犠牲モールドキャビティの容積内に配置されている一定量の硬化性歯科材料;を備える歯科物品を提供する。
【0021】
別の態様では、本発明は、硬化性歯科物品の形状の一定量の硬化性歯科材料であって、硬化性歯科物品がベースおよびベースから延びている外面を有する一定量の硬化性歯科材料;硬化性歯科物品の実質的に全ての外面に追従する包装カバーであって、包装カバーが硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティ、犠牲モールドキャビティへの開口部を有する犠牲モールド本体を含み、犠牲モールド本体に少なくとも1つの弱め線が形成されている包装カバー;および、犠牲モールドキャビティへの開口部を被覆し、硬化性歯科物品のベースに面する包装ベース;を備える包装された硬化性歯科物品を提供し、ここで、包装カバーおよび包装ベースは、硬化性歯科物品が包装ベースと包装カバー内に収容されるように、硬化性歯科物品のベースの周囲で一緒に取り付けられている。
【0022】
別の態様では、本発明は、硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティを有する犠牲モールド本体であって、犠牲モールドキャビティが硬化性歯科物品の実質的に全ての外面に追従し、犠牲モールド本体が水溶性ポリマーを含む、犠牲モールド本体;および、硬化性歯科材料が硬化性歯科物品の形状になるように、犠牲モールドキャビティの容積内に配置されている一定量の硬化性歯科材料;を備える歯科物品を提供する。
【0023】
別の態様では、本発明は、硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティおよび犠牲モールドキャビティへの開口部を有する犠牲モールド本体を提供する工程であって、犠牲モールド本体が水溶性ポリマーを含有する工程;および、開口部を通して犠牲モールドキャビティに硬化性歯科材料を押し入れる工程であって、硬化性歯科材料が硬化性歯科物品の形状を取る工程;による硬化性歯科物品の製造方法を提供する。
【0024】
別の態様では、本発明は、硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティを有する犠牲モールド本体を提供する工程であって、犠牲モールドキャビティが開口部を有し、犠牲モールド本体に少なくとも1つの弱め線が形成されている工程;および、開口部を通して犠牲モールドキャビティに硬化性歯科材料を押し入れる工程であって、硬化性歯科材料が硬化性歯科物品の形状を取る工程;による硬化性歯科物品の製造方法を提供する。
【0025】
本発明の前記および他の特徴および利点を、下記の本発明の様々な例示的実施形態に関連して更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下の例示的な実施形態の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明が実施され得る具体的な実施形態を例証として示す添付の図面の図を参照する。他の実施形態を使用してもよく、本発明の範囲から逸脱することなく構造的な変更がなされてもよいことを理解すべきである。
【0027】
図1は、本発明による硬化性歯科物品を形成する1つのプロセスを示す組立分解図である。図示されているプロセスでは、本体12内にモールドキャビティ10が形成されている。モールドキャビティ10は、図1に断面が示されているモールドキャビティ自体の容積に通じる開口部14を備える。図示されている実施形態では、モールドキャビティ10は、クラウンの形状である。しかし、本発明の硬化性歯科物品は、前述のように様々な物品を包含し得ることを理解されたい。
【0028】
モールド本体12は、例えば、金属、ポリマー材料などの、本明細書に記載される形成プロセスに耐える十分な構造的一体性を提供する任意の好適な材料又は材料の組合せで形成されていてもよい。場合によっては、モールド本体12は、その中で形成される硬化性歯科物品の取り外しを容易にするため、分離可能なセクションに形成されていてもよい。また、モールド本体12は、モールドキャビティ10の内面から硬化性歯科物品が離型することを助けるように構成された材料で製造されていてもよく、又はそのような材料でコーティングされていてもよい。例えば、モールドキャビティ10の内面は、例えば、フッ素化ポリマー(例えば、PTFEなど)、炭化ホウ素、クロム、シンデンスクロム(thin dense chrome)、窒化クロム、フッ素化ポリマーを含浸させた無電解ニッケル、変性二硫化タングステン(例えば、ジクロナイト(DICRONITE))などでコーティングされていてもよい。
【0029】
他の変形では、例えば、モールドキャビティ10の内面の温度を高くするおよび/又は低くすることにより、モールドキャビティ10を温度制御して、成形プロセスを助けてもよい。更に他の変形では、成形プロセス中、モールドキャビティ10を通気又は排気して成形を向上させてもよい。また、超音波又は他の振動エネルギーを使用して、モールドキャビティ10の充填を向上させても、および/又は、モールドキャビティ10から物品を離型することを助けてもよい。
【0030】
モールドライナー20は、図1に、一定量の硬化性歯科材料30とモールドキャビティ10への開口部14との間に位置決めされるように示されている。ピンライナー40は、一定量の硬化性歯科材料30とコアピン50との間に位置決めされる。好ましくは、コアピン50を使用して一定量の硬化性歯科材料30をモールドキャビティ10に、その開口部14を通して押し入れる。その結果、コアピン50、ピンライナー40の一部、硬化性歯科材料30、およびモールドライナー20の一部は全て、図1に示すように、矢印52の方向に前進する。モールドライナー20は、硬化性歯科材料30とモールドキャビティ10の間に配置される外側ライナーとして機能する。
【0031】
一定量の硬化性歯科材料30は、所望の完成歯科物品に成形するのに好適な形状に予備形成されていてもよい。硬化性歯科材料30は、例えば、円筒、円錐、長方柱、球状ペレットなどの形状で提供されてもよい。
【0032】
更に、コアピン50の形状は、それがモールドキャビティ10内での硬化性歯科材料30の成形を向上させるように、選択されてもよい。更に、例えば、成形された硬化性歯科物品の縁部を画定するため、および/又はモールドキャビティ10内の硬化性歯科材料30に望ましくない空隙が入る可能性を防止又は低減するため、コアピン50は、コアピン50がモールドキャビティを密封又は閉鎖するような形状であることが望ましい場合がある。また、完成した硬化性歯科物品の内部プロファイルに所望の形状が付与されるように、コアピンの形状は、硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成するように選択されてもよい(図2Aのコアピン150および内部キャビティ154参照)。
【0033】
図1に示されるプロセスは、圧縮成形プロセスとして記載されてもよい。しかし、硬化性歯科材料30は、任意の好適なプロセスで硬化性歯科物品の形状に形成されてもよいことを理解されたい。幾つかの好適なプロセスには、以下に限定されないが、例えば、射出成形、鍛造、注型、真空形成、押出し成形、熱成形、トランスファ成形、吹込み成形などが挙げられる。
【0034】
本プロセスでは、モールドライナー20は、モールドキャビティ10の形状に追従するように延伸されてもよい。それと同時に、一定量の硬化性歯科材料30もモールドキャビティ10の形状に追従するように成形される。しかし、モールドライナー20が硬化性歯科材料30とモールドキャビティ10の内面との間に介在するため、硬化性歯科材料30は、モールドキャビティ10より僅かに小さくなる。
【0035】
モールドライナー20が延伸すると、成形された硬化性歯科物品に望ましくない空隙が入る可能性(例えば、モールドライナー20に皺が入るため)が低減し得る。更に、成形プロセス中、モールドライナー20が延伸すると、モールドライナー20と、成形された硬化性歯科物品の外面との密接も向上し得る。
【0036】
モールドライナー20は、成形プロセスの任意選択的な構成要素であることを理解されたい。換言すれば、硬化性歯科材料30をモールドキャビティ10に押し入れ、成型後にモールドキャビティ10から硬化性歯科材料30を取り外すことができる場合がある。しかし、モールドライナー20は、モールドキャビティ10からの硬化性歯科材料の取り外し、硬化性歯科物品の包装などに関して本明細書に記載するように、幾つかの潜在的利点を提供し得る。
【0037】
モールドライナー20は、様々な異なる材料で構成されていてもよい。例えば、モールドライナー20は、モールドキャビティ10の開口部14を覆うシートの形態で提供され、硬化性歯科材料30を所望の形状に形成するのに使用される成形条件(例えば、温度、圧力など)で変形し得る変形可能な材料で製造されていてもよい。
【0038】
モールドライナー20は単一の層として示されているが、例えば、硬化性歯科材料30に面する表面に、モールドキャビティ10の内面に面する表面と比較して異なる特性を提供するため、多層又は他の非均質構造体として提供され得ることを理解されたい。多層構造体、コーティングなどによって達成され得る幾つかの異なる特性の例には、以下に限定されないが、モールドライナー20の引張強度、成形性、耐久性などが挙げられる。
【0039】
また、モールドキャビティ10内で硬化性歯科材料30を形成する時、モールドライナー20の成形性が改善するように、モールドライナー20自体を処理又は加工してもよいことを理解されたい。例えば、モールドライナー20の成形性を向上させるため、成形プロセス中又は成形プロセスが開始する直前にモールドライナー20を予備加熱又は加熱することが望ましい場合がある。
【0040】
図示されているプロセスでは、ピンライナー40も任意選択的である、即ち、ピンライナー40は提供されても、又は提供されなくてもよい。コアピン50と硬化性歯科材料30の間にピンライナー40を提供することの1つの潜在的利点は、コアピン50と硬化性歯科材料30の接着が防止され得ることである。別の潜在的利点は、硬化性歯科材料30をモールドキャビティ10の形状に成形した後、ピンライナー40を硬化性歯科材料30用の包装に組み込み得ることである。
【0041】
ピンライナー40が存在しない場合、コアピン50は、成形プロセス中、硬化性歯科材料30に対して限られた接着性を示す又は接着性を示さない外面(即ち、硬化性歯科材料30と接触する表面)を有することが望ましいことがある。例えば、コアピン50は、フッ素化ポリマー(例えば、PTFEなど)、炭化ホウ素、クロム、シンデンスクロム(thin dense chrome)、窒化クロム、フッ素化ポリマーを含浸させた無電解ニッケル、変性二硫化タングステン(例えば、ジクロナイト(DICRONITE))などでコーティングされていてもよい。
【0042】
例えば、コアピン50の温度を高くする、および/又は低くすることによって、コアピン50を温度制御し、成形プロセスを助けてもよい。他の変形では、硬化性歯科材料30の形成を助けるため、コアピン50は通気されるか又は真空オリフィスを備えてもよい。場合によっては、成形プロセス中、コアピン50に超音波又は他の振動エネルギーを供給してもよい。
【0043】
ピンライナー40は、様々な異なる材料で構成されていてもよい。例えば、ピンライナー40は、コアピン50と硬化性歯科材料30の間にシートの形態で提供され、硬化性歯科材料30をモールドキャビティ10の形状に形成するのに使用される成形条件(例えば、温度、圧力など)で変形し得る延伸可能な材料で製造されていてもよい。
【0044】
ピンライナー40が延伸すると、成形された硬化性歯科物品に望ましくない空隙が入る可能性(例えば、ピンライナー40に皺が入るため)が低減し得る。更に、成形プロセス中、ピンライナー40が延伸すると、ピンライナー40と、成形された硬化性歯科物品との密接も向上し得る。
【0045】
ピンライナー40は、コアピン50によって変形する平坦なシート又はフィルムとして示されているが、代替の実施形態では、ピンライナー40がコアピン50の形状に追従するように、ピンライナー40は(一部又は全部)予備形成されていてもよい。このような実施形態では、ピンライナー40はコアピン50を受容するシェルとして構成されていてもよい。このようなピンライナーに好適な材料は、変形可能なモールドライナー20に関して本明細書に記載されているものと同じであってもよいが、予備形成されたピンライナーが、重力に反してその形状を維持できる自己支持構造体となるように、予備形成されたピンライナーに使用されている材料の厚さの方が大きくてもよい。また、予備形成されたこのようなピンライナーは、内部から硬化性歯科物品を支持することによって、モールドキャビティ内で形成される硬化性歯科物品がその形状を維持することを助け得る(しかし、成形プロセス中コアピン50によって変形するピンライナーも、硬化性歯科物品がその形状を内部から維持することを助けるために何らかの支持を提供し得る場合がある)。
【0046】
ピンライナー40は、単一の層として示されているが、例えば、硬化性歯科材料30に面する表面に、コアピン50の外面に面する表面と比較して異なる特性を提供するため、多層又は他の非均質構造体として提供され得ることを理解されたい。多層構造体、コーティングなどによって達成され得る幾つかの異なる特性の例には、以下に限定されないが、ピンライナー40の引張強度、成形性、耐久性、表面エネルギーの制御、離型性の制御などが挙げられる。
【0047】
また、硬化性歯科材料30を形成する時、ピンライナー40の成形性が改善するように、ピンライナー40自体を処理又は加工してもよいことを理解されたい。例えば、ピンライナー40の成形性が向上するように、例えば、成形プロセス中又は成形プロセスが開始する直前に、ピンライナー40を予備加熱又は加熱することが望ましい場合がある。
【0048】
硬化性歯科材料30およびモールドライナー20をモールドキャビティ10から取り外した後、モールドライナー20の少なくとも一部は、硬化性歯科材料30で形成されている硬化性歯科物品の外面と密接した状態に保持されてもよい。このような構成の一例を図2Aに示す。
【0049】
図2Aでは、本発明により製造された、付形され、包装された硬化性歯科物品160の一実施形態を断面図で示す。硬化性歯科物品160は、包装カバー120と密接している外面162を備える。また、硬化性歯科物品160はベース164を備え、包装ベース140がベース164を覆うように配置されている。
【0050】
包装カバー120は、ベース164に近接しているところで硬化性歯科物品160から離れるように延びているフランジ124を備えてもよい。硬化性歯科物品160が包装カバー120および包装ベース140内に密封されるように、フランジ124は、包装ベース140をフランジ124に取り付ける好都合な位置を提供し得る。包装カバー120と包装ベース140とのシール128は、例えば、ヒートシール、接着剤、コールドシール、化学溶接、超音波などの好適な技術又は技術の組合せによって達成されてもよい。シール128は、剥離可能なシールであってもよい、即ち、包装カバー120と包装ベース140の分離は、中に配置される硬化性歯科物品160を顕著に変形させることなく達成され得る。
【0051】
フランジ124の領域(又は、包装カバー120若しくは包装ベース140の他の任意の位置)は、硬化性歯科物品、硬化性歯科材料、硬化性歯科物品の使用期限などの識別に有用となり得る表示に好都合な位置を提供し得る。
【0052】
図1に示すプロセスを参照すると、包装カバー120はモールドライナー20から形成されてもよく、包装ベース140はピンライナー40から形成されてもよい。硬化性歯科物品160が中空のクラウンである場合、図2Aに見られるように、硬化性歯科物品160のベース164に内部キャビティ154が形成されてもよい。
【0053】
包装カバー120および包装ベース140はそれぞれ単一層として示されているが、例えば、硬化性歯科物品160に面する表面に、硬化性歯科物品に面していない表面と比較して異なる特性を提供するため、蒸気バリア特性を提供するため、水分バリア特性を提供するため、密封層(例えば、ヒートシール可能な熱可塑性層、接着剤層など)を提供するため、一方又は両方を、多層又は他の非均質構造体として提供し得ることを理解されたい。
【0054】
図1に示すプロセスの変形では、包装ベース140は硬化性歯科材料を形成するプロセスの一部として変形されなくてもよい。むしろ、包装ベース140は、一定量の硬化性歯科材料(図1の30)に挿入される、図2Aに見られる形状を有する、予備形成された物品として提供されてもよい。包装ベース140が十分な構造的剛性を有する場合、包装ベース140は、それ自体、硬化性歯科物品160を成形するためのコアピンとして機能し得る。図示されるように、包装ベース140は、成形プロセス中、コアピン形のドライバ(例えば、図1のコアピンドライバ50参照)を受容し得る、図2Aに示されるような空隙154を備えてもよい。或いは、包装ベース140は、空隙154の容積の一定量の固体材料を用いて形成されてもよく、その一定量の固体材料は、硬化性歯科物品160の製造中に硬化性歯科材料を変形させるのに十分な強度を有する。
【0055】
硬化性歯科物品160が、例えば、光硬化性材料で製造される場合、包装カバー120および/又は包装ベース140は、作用光バリアとして機能し、化学線からの保護を提供し得るが、さもなければ、化学線によって、硬化性歯科物品160を形成する硬化性歯科材料が尚早に硬化することがある。例えば、包装カバー120および/又は包装ベース140を透過するのは、そこに入射する化学線の1%未満となり得る。このような光バリア特性を提供する方法および材料(例えば、顔料などによる)は、当業者に既知である。例は、(特許文献3)(チェスター(Chester)ら)、(特許文献4)(ジェーコブ(Jacob)ら)、(特許文献5)(ジェーコブ(Jacob)ら)、および(特許文献6)(クビトルード(Kvitrud)ら)などに記載されている。
【0056】
包装カバー120および/又は包装ベース140は、例えば、貯蔵中、中に配置されている硬化性歯科物品160の酸素への曝露を制御するため、所望のレベルの酸素透過性を提供するように選択されてもよい。
【0057】
図2Bは、包装カバー120’を備える代替の包装構成を示し、包装カバー120’の中には、付形された硬化性歯科物品160’が、包装カバー120に入っている硬化性歯科物品160に類似の方式で配置されている。また、包装は、好ましくは包装ベースとして機能し得る中実のコアピン150’も備え、硬化性歯科物品160’は、包装カバー120’およびコアピン150’によって画定される容積内に配置されている。コアピン150’が、成形された硬化性歯科物品160’に取り付けられた状態を維持するように、コアピン150’は、好ましくは、ドライバに取り付けられる別々の部品として提供されてもよい。場合によっては、コアピン150’を使用して硬化性歯科物品160’の操作を助けてもよい。
【0058】
包装カバー120’は、硬化性歯科物品160’から離れるように延びているフランジ124’を備えてもよい。硬化性歯科物品160’が包装カバー120’および本質的に包装ベースとして機能するコアピン150’内に密封されるように、フランジ124’は、コアピン150’をフランジ124’に取り付け得る好都合な位置を提供し得る。包装カバー120’とコアピン150’とのシール128’は、例えば、ヒートシール、接着剤、コールドシール、化学溶接、超音波などの任意の好適な技術又は技術の組合せによって達成されてもよい。シール128’は、剥離可能なシールであってもよい、即ち、包装カバー120’とコアピン/包装ベース150’の分離は、中に配置される硬化性歯科物品160’を顕著に変形させることなく達成され得る。
【0059】
図2Bの実施形態に示される別の任意選択的特徴は、包装カバー120’の通気を包含する。通気は、包装カバー120’に示される1つ以上の通気穴129’によって提供される。硬化性歯科物品160’を形成するために硬化性歯科材料が挿入される包装カバー120’への開口部に加えて、通気穴129’を設けてもよい。1つ又は複数の通気穴129’は、包装カバー120’から空気を逃がすことができる通路を提供することによって、成形中、包装カバー120’の完全な充填を助け得る。充填/成形プロセス中、硬化性歯科物品160’中の硬化性歯科材料が相当量、穴129’を通過しないように、1つ又は複数の通気穴129’が十分に小さいことが好ましい場合がある。
【0060】
モールドライナー、ピンライナー、包装カバー、包装ベース、および/又はコアピンに好適な材料は、好ましくは、問題の構成要素の必要な物理的特性に基づいて選択される。換言すれば、本明細書に記載されるように硬化性歯科材料によって変形するモールドライナーには、変形可能な材料が選択されてもよいが、本明細書に記載するように硬化性歯科材料を変形させるのに使用され得る予備形成されたモールドライナー、ピンライナー、コアピンなどには、より構造的に堅固で可撓性の低い材料が好ましい場合がある。幾つかの好適な材料の例には、以下に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン、ビニル、熱可塑性エラストマー、エラストマーフィルム(例えば、ゴム、ラテックスなど)、フッ素化ポリマー(例えば、FEP、PFA、THV、ECTFE、TEFLONなど)、PVC、可塑化PVC、ポリビニルアセタール、弾性プラスチックフィルム(例えば、クラトン(KRATON)とポリプロピレンのブレンド)、共重合体、水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、多糖類および合成変性多糖類(例えば、セルロースエーテルポリマー)、アルギネート(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ポリエチルオキサゾリン、ポリエチレンオキシドのエステル、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体のエステル、ポリエチレンオキシドのウレタン、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体のウレタンなどからなる群から選択される)が挙げられる。更に、モールドライナー、ピンライナー、包装カバー、包装ベース、コアピンなどの構成要素は、成形性、硬化性歯科物品から外すことなどを向上させるため、1種類以上のコーティング(例えば、シリコーンなど)を備えてもよい。
【0061】
図3は、モールドライナー220がモールドキャビティ210の開口部214を覆うように配置される製造プロセスの別の変形を示す。図示されているモールドライナー220は、硬化性歯科材料230がモールドキャビティ210に導入される前に、一部変形されている。ライナー220をモールドキャビティ210に押し入れることによって、予備形成を達成してもよい。或いは、モールドライナー220の予備形成はモールドキャビティ210の外側で行われてもよい。このような方式のモールドライナー220の予備形成は、用具(図示せず)を用いて、又は、流体圧力、モールドキャビティ210内の真空などの他の任意の好適な技術で達成されてもよい。モールドライナー220の成形性を改善するため、モールドライナー220を加熱するか又は他の方法で加工することが役立つ場合がある。
【0062】
図4は、また、硬化性歯科材料330をモールドキャビティ310に導入する前にモールドライナー320がモールドキャビティ310の形状を複製するように、モールドライナー320を変形させる製造プロセスの別の変形を示す。前記のように、このような方式のモールドライナー320の予備形成は、用具(図示せず)を用いて、又は、流体圧力、モールドキャビティ310内の真空などの他の任意の好適な技術で達成されてもよい。モールドライナー320の成形性を改善するため、モールドライナー320を加熱するか又は他の方法で加工することが役立つ場合がある。
【0063】
図5および図6は、モールドライナー420および硬化性歯科材料430をモールドキャビティ410に導入する前に、硬化性歯科材料430を、モールドライナー420に形成されているポケット421内に配置する別の製造プロセスを示す。図5に見られるように、本プロセスでは、硬化性歯科材料430とコアピン450の間に任意選択的なピンライナー440が配置されている。図6は、キャビティ410内で硬化性歯科物品460の形状に形成されている硬化性歯科材料を示し、コアピン450によって空隙454が形成されている。
【0064】
モールドライナー420のポケット421は、硬化性歯科材料430自体を使用する圧力、温度などの条件で形成されてもよい。例えば、図5に示す製造プロセスの部分の上流で、ポケット421を形成するモールドライナー420の部分が永久変形又は可塑変形するような温度、圧力などの条件で、硬化性歯科材料430をモールドライナー420に押し当ててもよい。或いは、硬化性歯科材料430を入れる前にポケット421が形成されるように、例えば、真空形成、吹込み成形、冷間形成/エンボス加工、熱成形、射出成形、圧縮成形などによって、モールドライナー420自体を変形させてもよい。
【0065】
必要に応じて(および、本明細書の他の箇所に他の実施形態に関して記載するように)、モールドキャビティ410から取り外した後、モールドライナー420およびピンライナー440を硬化性歯科物品460と密接した状態に保持し、硬化性歯科物品460を収容する包装を形成するように一緒に取り付けてもよい。
【0066】
図7は、硬化性歯科材料530およびモールドライナー520をモールドキャビティ510に導入する前に、硬化性歯科材料530を、モールドライナー520とピンライナー540によって画定される容積内に配置する、本発明による更に別の代替の製造プロセスを示す。この実施形態では、一定量の硬化性歯科材料530は、また、形成前にモールドライナー520およびピンライナー540内に密封されてもよい。例えば、モールドライナー520およびピンライナー540を、一緒に接着、ヒートシール、コールドシール、化学溶接、超音波溶接等して硬化性歯科材料を封入してもよい。
【0067】
図5および図6に関して検討されるように、硬化性歯科材料530を、モールドライナー520に形成されているポケット521内に配置してもよい。しかし、或いは、モールドライナーに形成されているポケット521の他に、又はその代わりに、ピンライナー540を使用してポケットを形成してもよい。
【0068】
図8Aは、外側ライナー620内に配置されている硬化性歯科物品660のベース664の平面図であり、図8Bは、図8Aの線8B−8Bに沿った硬化性歯科物品660および外側ライナー620の断面図である。外側ライナー620は、好ましくは、硬化性歯科物品660の外面662と密接している。図8Aおよび図8Bに示されている硬化性歯科物品660および外側ライナー620は、本明細書に記載される方法を使用して製造されてもよい。
【0069】
図示されている外側ライナー620は、硬化性歯科物品660から離れるように延びているフランジ部分628を備える。外側ライナー620を変形(例えば、延伸、引裂など)させることによって、硬化性歯科物品660の形状をほとんど又は全く変形させることなく外側ライナー620が硬化性歯科物品660の外面662から外れるように、外側ライナー620は延伸可能なフィルム又は他の構造体であってよい。外側ライナー620は、それ自体、本発明による犠牲モールド本体として機能し得る。離型性が改善するように、外側ライナー620のフランジ部分628に1つ以上のスリット626を設け、フランジ部分628を把持して外側ライナー620を矢印627の方向に延伸する、および/又はスリット626に沿って引裂することが望ましい場合がある。外側ライナー620が水溶性ポリマーで製造されている場合、硬化性歯科物品660の取り外しは、外側ライナー620を水と接触させることによって(例えば、スプレー、水浴中での浸漬などによって)容易になり得る。
【0070】
図9A〜図9Cは、硬化性歯科物品660’が、本発明による犠牲モールド本体として機能し得る外側ライナー620’内に配置されている、本発明の別の実施形態を示す。外側ライナー620’は、好ましくは、硬化性歯科物品660’の外面662’と密接している。図9A〜図9Cに示される硬化性歯科物品660’および外側ライナー620’は、本明細書に記載される方法を使用して製造されてもよい。
【0071】
図示されている外側ライナー620’は、硬化性歯科物品660’から離れるように延びているフランジ部分628’を備える。外側ライナー620’を変形(例えば、延伸、引裂など)させることによって、硬化性歯科物品660’の形状をほとんど又は全く変形させることなく外側ライナー620’が硬化性歯科物品660’の外面662’から外れるように、外側ライナー620’は延伸可能なフィルム又は他の構造体であってよい。
【0072】
中に配置されている硬化性歯科物品660’から外側ライナー620’を取り外すことを助けるため、外側ライナー620’に1つ以上の弱め線616’設けることが望ましい場合がある。弱め線616’は、例えば、穿孔線、外側ライナー620’の壁厚が周囲の壁の厚さと比較して減少している薄肉線、外側ライナー620’が製造された後に形成される縦筋など、様々な形態を取ってもよい。更に別の変形では、ライナーがフィラメントに沿って優先的に分離するように、各弱め線は外側ライナー620’のフィラメントによって画定されてもよい。当業者は、外側ライナーの分離手段を提供する他の変形を想到し得る。
【0073】
弱め線616’は、好ましくは、外側ライナー620’のフランジ部分628’上に延びていてもよい。また、フランジ部分628’は、把持できる1つ以上のタブ618’を備えてもよい。タブ618’が硬化性歯科物品660’から外側に移動すると、好ましくは、外側ライナー620’は弱め線616’に沿って分離し得る。
【0074】
弱め線616’を、略平行な弱め線616’の対にして設けることが好ましい場合がある。更に、タブ618’の1つが、略平行な弱め線616’の対のうち1対以上の間に配置されることが好ましい場合がある。1対の略平行な弱め線の間に配置される外側ライナー620’の部分は、典型的には、硬化性歯科物品660’を変形させ得る顕著な応力を硬化性歯科物品660’に加えることなく硬化性歯科物品660’から剥離することができるため、外側ライナー620’を硬化性歯科物品660’から取り外すことが容易になり得る。ストリップを取り外した後、典型的には、外側ライナー620’の残りの部分は硬化性歯科物品660’から容易に取り外すことができる。外側ライナー620’は4対の略平行な弱め線616’を備えるが、本発明による外側ライナーに、任意の選択された数の対の弱め線を設けてもよい。
【0075】
図9A〜図9Cに示される本発明の別の任意選択的特徴は、外側ライナー620’内に形成されているキャビティが充填されていないことである。図9Bに見られるように、内部キャビティ654’およびベース664’を備える硬化性歯科物品660’は、外側ライナー620’の全容積を占めない。むしろ、硬化性歯科物品660’と開口部の間に充填されていない辺縁621’が設けられるように、キャビティへの開口部に近接している内面の部分には、実質的に硬化性歯科材料がない。取り外しを容易にするための外側ライナー620’の引裂又は他の変形は、充填されていない辺縁621’の領域内で開始され得るため、充填されていない辺縁は、外側ライナー620’の取り外す際の潜在的利点を提供し得る。その結果、硬化性歯科物品660’に伝達される力(硬化性歯科物品660’の形状を歪ませ得る力)は、顕著に低減するか又はなくなる場合がある。
【0076】
図10および図11は、それぞれ、本発明による硬化性歯科物品の製造、および、場合によっては、その包装に使用され得る、別の犠牲モールドキャビティの1つの例示的な実施形態の外面およびベース面の斜視図である。犠牲モールドキャビティ710が犠牲モールド本体712に形成され、犠牲モールド本体712には、犠牲モールド本体12のセクション717を画定する1つ以上の弱め線716が形成されていてもよい。
【0077】
硬化性歯科材料が犠牲モールドキャビティ710に押し入れられるとき、硬化性歯科材料が犠牲モールドキャビティ710自体の中で所望の硬化性歯科物品の形状を取るように、犠牲モールドキャビティ710の内面711(図11参照)は、所望の硬化性歯科物品の形状になっている。
【0078】
弱め線716は、弱め線716全体に張力が掛かるとき、又は弱め線716の両側で剪断力が発生するとき、犠牲モールド本体712が分離し得る線を画定し得る。弱め線716は、例えば、モールド本体712の壁厚が周囲の壁の厚さと比較して減少している薄肉線、モールド本体712が製造された後に形成される縦筋など、様々な形態を取ってもよい。更に別の変形では、本体がフィラメントに沿って優先的に分離するように、各弱め線716は本体712内に成形されたフィラメントによって画定されてもよい。当業者は、犠牲モールドキャビティの分離手段を提供する他の変形を想到し得る。
【0079】
弱め線は、犠牲モールド本体712に任意の所望の向きで設けられてもよい(即ち、図示されている弱め線716は、本発明に関連して使用される弱め線の向きを限定するものと見なすべきではない)。例えば、クラウンを形成する犠牲モールドキャビティ710では、辺縁を形成するモールドキャビティ712の部分からクラウンの切縁/咬合面まで犠牲モールド本体712の周囲に螺旋状に延びる弱め線を代替として設けてもよい。また、本発明の犠牲モールドキャビティに関連して使用される弱め線の向き又は通路の他の変形が提供されてもよい。
【0080】
また、モールド本体712は、モールドセクション717の1つ以上と結合しているフランジ又はタブ718を備えてもよい。タブ718は、モールド本体712の操作を容易にするため、硬化性歯科材料を中に配置した後、犠牲モールドキャビティ710を密封するように包装ベースが取り付けられ得る位置を提供するため、および/又は、モールド本体712の1つ以上の弱め線716を分離するのに必要な力が加えられるようにモールド本体712を把持し得る位置を提供するために使用されてもよい。
【0081】
また、フランジ718(又は、モールド本体712の他の任意の位置)は、硬化性歯科物品、硬化性歯科材料、硬化性歯科物品の使用期限などの識別に有用となり得る表示に好都合な位置を提供し得る。
【0082】
1つ以上の弱め線716に沿った犠牲モールド本体712の分離は、様々な任意選択的特徴によって容易になり得る。例えば、弱め線716の端部に切欠き715を設けてもよい。切欠き715は、弱め線716に沿った分離を開始するための応力集中部分の役割をし得る。図示されている実施形態では、切欠き715は隣接するタブ718間に形成され、切欠き715は薄肉の弱め線716に移行している。
【0083】
犠牲モールド本体712に関連して示されている別の任意選択的特徴は、例えば、モールドキャビティ710によって形成される切縁/咬合面に近接しているモールド本体712の周囲に延びているベース弱め線である。各セクション717が、(例えば、花から花びらを剥ぐのに類似のプロセスで)隣接する1つ又は複数のセクション717から分離される時、セクションはベース弱め線に沿ってモールド本体712から完全に分離されてもよい。セクション717を全て取り外した後、ベース弱め線は、好ましくは、図12に見られるように、硬化性歯科物品760に取り付けられた状態を維持し得るベース772を画定してもよい。図示されるようにベース772に取り付けられているポスト又はスタッド774は、硬化性歯科物品760の操作を容易にし得る。
【0084】
モールド本体712は、所望の形状で提供され得る、且つ硬化性歯科物品760を形成するのに使用される硬化性歯科材料を形成又は付形する機能をする、任意の好適な1種類又は複数種類の材料で製造されていてもよい。モールド本体712に好適な材料の例には、以下に限定されないが、熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート))等が挙げられる。
【0085】
多くの手法を使用して、硬化性歯科物品760を形成するのに使用される硬化性歯科材料から犠牲モールドキャビティ710の内面711が外れることを容易にしてもよい。例えば、モールド本体を形成するのに使用される材料に添加剤を提供してもよい。幾つかの好適な添加剤の例には、以下に限定されないが、フルオロポリマー、グラファイト、脂肪酸、低分子量ポリエチレン、シリコーン、炭化水素蝋、金属ステアリン酸塩などが挙げられる。別の例では、硬化性歯科材料から外し易くするため、犠牲モールドキャビティ710の内面711に、例えば、シリコーン、フッ素化ポリマーなどのコーティングが形成されていてもよい。
【0086】
更に別の手法では、(図1および図3〜図7に関して前述されるような)モールドライナーを、犠牲モールドキャビティ710に関連して使用してもよい。モールドライナーを使用する場合、モールドライナーは、モールド本体712の取り外し後、硬化性歯科物品の外面と密接な状態に保持されてもよい。
【0087】
更に、モールドライナーが犠牲モールドキャビティ710に関連して使用されない場合、弱め線716は、成形プロセス中に硬化性歯科材料で充填することができる空隙、穿孔、又は、他の構造体を備えないことが好ましいが、それは、このような特徴が、このようにして形成される硬化性歯科物品760の形状を変化させるためである。例えば、犠牲モールドキャビティ710の内面711で、弱め線716が、犠牲モールドキャビティ710の内面711の残りの部分と区別できないことが好ましい場合がある。しかし、モールドライナーを使用する場合、弱め線716は、空隙(例えば、モールド本体712に形成される穿孔線)を備えてもよいが、それは、このような穿孔はモールドライナーで密封できるからである。更に、このような穿孔は、犠牲モールドキャビティ710を通気する役割をし得る。
【0088】
図10〜図12の犠牲モールドキャビティの例示的な実施形態には弱め線が形成されているが、本発明の硬化性歯科物品と関連して使用される他の犠牲モールドキャビティは、硬化性歯科物品の取り外しを助ける弱め線を備えなくてもよい。例えば、別の犠牲モールドキャビティは、エラストマー材料(例えば、ゴム、熱可塑性エラストマーなど)又は、低い引裂強度を示す材料で製造されていてもよい。
【0089】
犠牲モールドキャビティの内面は硬化性歯科物品の形状を有してもよく、一方、モールドキャビティが配置されている犠牲モールド本体の外面は、キャビティ内に配置される硬化性歯科物品の形状に追従してもよい。このような犠牲モールド本体およびキャビティの一例は、例えば、図2Aに包装カバー120の形態で示されている。
【0090】
或いは、犠牲モールドキャビティの外形は、モールドキャビティ内に配置される硬化性歯科物品の形状に追従しなくてもよい。例えば、犠牲モールドキャビティの外形は、例えば、ブロック、シリンダなどの一般的な形状であってもよい。
【0091】
本発明に関連して使用される犠牲モールド本体が、それ自体、硬化性歯科材料を成形又は形成するのに十分な強度を有していない場合、犠牲モールド本体(および、その中にあるモールドキャビティ)は、成形プロセス中に支持構造体で支持されてもよい。好適な支持構造体の一例は、例えば、図1に関連して示され、図2Aの包装カバー120を形成するのに使用される構造体の一例として記載されているモールドキャビティ10であってよい。
【0092】
典型的には、支持構造体は、好ましくは、中に犠牲モールドキャビティが配置されている犠牲モールド本体の外形に追従する。その結果、犠牲モールド本体の外形(図2Aの包装カバー/モールド本体120など)が、硬化性歯科物品の形状に追従する場合、モールド本体を支持するのに使用される支持構造体は、犠牲モールド本体の外形に追従する内面を備える。犠牲モールド本体の外形が、一般的、即ち、シリンダ、ブロックなどの形状である場合、モールド本体を支持するのに使用される支持構造体は、典型的には、犠牲モールド本体の一般的な形状に追従する内面を備える。
【0093】
一般的な外形および所望の硬化性歯科物品の形状の内部キャビティを有する犠牲モールドキャビティの一例が図13に示されており、モールド本体812は内面810を有するモールドキャビティを画定している。硬化性歯科物品860は、内面810によって画定されるモールドキャビティ内で形成される。硬化性歯科物品860は内部キャビティ854を備えてもよい。
【0094】
モールド本体812は、前述のように硬化性歯科物品860の取り外しを容易にするため、エラストマー材料および/又は低い引裂強度を示す材料で製造されていてもよい。或いは、モールド本体は、水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、多糖類および合成変性多糖類(例えば、セルロースエーテルポリマー)、アルギネート(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ポリエチルオキサゾリン、ポリエチレンオキシドのエステル、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体のエステル、ポリエチレンオキシドのウレタン、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体のウレタンなどからなる群から選択される水溶性ポリマー)で形成されていてもよい。適切な溶媒と接触させて(例えば、水溶性ポリマーのための水浴又はスプレーで)可溶性のモールド本体812を軟化および/又は溶解させることにより、形成工程の後のある時点で、犠牲モールド本体812から硬化性歯科物品860を取り外すことができる。
【0095】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する時、単数の形態「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が複数の指示物を包含しないことを明確に規定しない限り、複数の指示物を包含する。
【0096】
本明細書に引用される全ての参考文献および出版物は、参照によりその内容全体が本開示に明示的に援用される。本発明の例示的な実施形態を検討し、本発明の範囲内で可能な変形を参照してきた。例えば、1つの例示的な実施形態に関連して示される特徴を、本発明の他の実施形態に関連して使用してもよい。本発明の前記および他の変形および変更は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかであり、本発明は前述の例示的な実施形態に限定されないことを理解されたい。従って、本発明は、前述の特許請求の範囲およびその同等物によってのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明による1つの例示的な製造プロセスの概略組立分解図である。
【図2A】本発明による、包装に入っている1つの例示的な硬化性歯科物品の断面図である。
【図2B】本発明による、包装に入っている別の例示的な硬化性歯科物品の断面図である。
【図3】本発明による製造プロセスの1つの例示的な変形の概略図である。
【図4】本発明による製造プロセスの別の例示的な変形の概略図である。
【図5】本発明による代替の例示的な製造プロセスの概略図である。
【図6】硬化性歯科材料がモールドキャビティ内に配置されている、図5の製造プロセスの概略図である。
【図7】本発明による更に別の代替の例示的な製造プロセスの概略図である。
【図8A】本発明による、包装に入っている1つの例示的な硬化性歯科物品のベースの平面図である。
【図8B】図8Aの線8B−8Bに沿った図8Aの硬化性歯科物品の断面図である。
【図9A】本発明による、包装に入っている別の例示的な硬化性歯科物品のベースの平面図である。
【図9B】図9Aの線9B−9Bに沿った図9Aの硬化性歯科物品の断面図である。
【図9C】図9Aおよび図9Bの包装された物品の側面立面図である。
【図10】本発明に関連して使用される1つの例示的な犠牲モールドキャビティ/本体の外面の斜視図である。
【図11】中に形成されているモールドキャビティを示す図10の犠牲モールドの反対側の斜視図である。
【図12】モールドセクションを取り外した後の、図10の犠牲モールド本体のベース上にある例示的な硬化性歯科物品の側面立面図である。
【図13】本発明による別の例示的な犠牲モールドキャビティの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性歯科物品の製造方法であって、
硬化性歯科物品の形状のモールドキャビティを提供する工程であって、前記モールドキャビティが開口部を備える工程、
前記開口部を通して前記モールドキャビティに硬化性歯科材料を押し入れる工程、
前記硬化性歯科材料と前記モールドキャビティの間に外側ライナーを提供する工程、および、
前記硬化性歯科材料および前記外側ライナーを前記モールドキャビティから取り外す工程であって、前記硬化性歯科材料が前記硬化性歯科物品の形状を有する工程、
を含む方法。
【請求項2】
前記モールドキャビティの開口部を覆うように前記外側ライナーを配置する工程を更に含む方法であって、前記モールドキャビティに前記硬化性歯科材料を押し入れる工程が、同時に、前記外側ライナーを前記モールドキャビティに押し入れる工程を含み、前記外側ライナーと前記硬化性歯科材料が両方とも前記硬化性歯科物品の形状を取る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モールドキャビティの開口部を覆うように前記外側ライナーを配置する工程、および、
前記硬化性歯科材料を前記モールドキャビティに押し入れる前に、前記外側ライナーを前記モールドキャビティに押し入れる工程、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記外側ライナーを前記モールドキャビティに押し入れる工程が、前記外側ライナーで前記モールドキャビティを一部だけ複製する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記硬化性歯科材料を前記モールドキャビティに押し入れる工程が、更に前記外側ライナーを前記モールドキャビティに押し入れ、前記外側ライナーと前記硬化性歯科材料の両方が前記硬化性歯科物品の形状を取る、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記外側ライナーを前記モールドキャビティに押し入れる工程が、前記外側ライナーで前記モールドキャビティを複製する工程を含み、前記硬化性歯科材料を前記モールドキャビティに押し入れる前に、前記外側ライナーが前記硬化性歯科物品の形状を取る、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記硬化性歯科材料と前記モールドキャビティの間に外側ライナーを提供する工程が、
前記外側ライナーを変形させてポケットを形成する工程、および
前記硬化性歯科材料を前記モールドキャビティに押し入れる前に、前記硬化性歯科材料を前記外側ライナーのポケット内に配置する工程、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硬化性歯科材料と前記モールドキャビティの間に外側ライナーを提供する工程が、前記硬化性歯科材料を前記外側ライナーと接触させることによって、前記外側ライナーを変形させてポケットを形成する工程を含み、前記硬化性歯科材料を前記モールドキャビティに押し入れる前に、前記硬化性歯科材料が前記ポケット内に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記外側ライナーに1つ以上の通気穴が配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記外側ライナーの一部が、前記モールドキャビティの開口部に近接したところに充填されていない辺縁を備えるように、前記硬化性歯科材料が前記モールドキャビティの一部だけを充填する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記開口部を通して前記硬化性歯科材料を押し入れる工程が、前記硬化性歯科材料にコアピンを押し当てる工程を含み、前記モールドキャビティから前記硬化性歯科材料および前記外側ライナーを取り外した後、前記コアピンが、前記硬化性歯科材料に埋設された状態を維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記コアピンが、前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記コアピンが前記内部キャビティを充填する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コアピンが、前記硬化性歯科物品の内部キャビティ内にコアピンキャビティを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記モールドキャビティの開口部に近接しているところで前記コアピンを前記外側ライナーに取り付ける工程を更に含み、前記硬化性歯科物品が前記外側ライナーと前記コアピンによって封入される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記開口部を通して前記硬化性歯科材料を押し入れる工程が、前記硬化性歯科材料にコアピンを押し当てる工程を含む方法であって、前記硬化性歯科材料と前記コアピンの間にピンライナーを提供する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記コアピンが前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記ピンライナーが前記内部キャビティをライニングする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コアピンが前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記硬化性歯科物品の内部キャビティを形成するとき、前記コアピンが前記ピンライナーを永久変形させる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記コアピンが前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記コアピンが前記硬化性歯科物品の内部キャビティを形成する前に、前記ピンライナーが前記コアピンの形状に追従する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記硬化性歯科物品が前記外側ライナーおよび前記コアピンによって封入されるように、前記ピンライナーを前記外側ライナーに取り付ける工程を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記モールドキャビティから前記硬化性歯科物品を取り外した後、前記外側ライナーの少なくとも一部が前記硬化性歯科物品の表面に保持される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記外側ライナーを変形させることによって、前記外側ライナーから前記硬化性歯科物品を取り外す工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記外側ライナーが水溶性ポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記モールドキャビティから前記硬化性歯科物品を取り外した後、前記外側ライナーの少なくとも一部が前記硬化性歯科物品の表面に保持される方法であって、更に、前記外側ライナーを水と接触させることによって前記外側ライナーから前記硬化性歯科物品を取り外す工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記硬化性歯科物品が硬化性クラウンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
硬化性歯科物品の形状の一定量の硬化性歯科材料であって、前記硬化性歯科物品がベースおよび前記ベースから延びている外面を備える一定量の硬化性歯科材料、
前記硬化性歯科物品の実質的に全ての外面に追従する包装カバーであって、前記包装カバーが、前記一定量の硬化性歯科材料によって塑性変形するポリマーフィルムを含む包装カバー、および、
前記硬化性歯科物品のベースに面する包装ベース、
を備える、包装された硬化性歯科物品であって、
前記包装カバーおよび前記包装ベースは、前記硬化性歯科物品が前記包装ベースおよび前記包装カバー内に収容されるように、前記硬化性歯科物品のベースの周囲で一緒に取り付けられている、包装された硬化性歯科物品。
【請求項26】
前記包装カバーが犠牲モールド本体を含む、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項27】
前記ポリマーフィルムが水溶性ポリマーを含む、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項28】
前記包装カバーに1つ以上の通気穴が配置されている、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項29】
前記包装カバーが開口部を備え、前記開口部を覆うように前記包装ベースが取り付けられており、更に、前記包装カバーの一部が前記包装カバーの開口部に近接したところに充填されていない辺縁を備えるように、前記硬化性歯科物品が前記包装カバーの一部だけを占める、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項30】
包装ベースが、前記硬化性歯科物品の内部キャビティを占める中実のコアピンを含む、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項31】
前記硬化性歯科物品が内部キャビティを備え、更に、前記包装ベースが前記硬化性歯科物品の内部キャビティに追従する、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項32】
前記包装ベースがポリマーフィルムを含む、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項33】
前記包装ベースおよび前記包装カバーが、ヒートシール結合により一緒に取り付けられている、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項34】
前記包装ベースおよび前記包装カバーが、接着して一緒に取り付けられている、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項35】
前記硬化性歯科物品が硬化性クラウンを含む、請求項25に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項36】
硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティを備える犠牲モールド本体であって、前記犠牲モールド本体に少なくとも1つの弱め線が形成されている犠牲モールド本体、および、
硬化性歯科材料が前記硬化性歯科物品の形状になるように、前記犠牲モールドキャビティの容積内に配置されている一定量の硬化性歯科材料、
を備える歯科物品。
【請求項37】
前記少なくとも1つの弱め線が、前記犠牲モールド本体を二等分する弱め線を含み、前記弱め線の分離によって前記犠牲モールド本体が半分に分離する、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項38】
前記少なくとも1つの弱め線が、複数の弱め線を含む、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項39】
前記少なくとも1つの弱め線が、前記弱め線によって分離される2つ以上のモールドセクションを画定する、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項40】
各モールドセクションがタブを備える、請求項39に記載の歯科物品。
【請求項41】
前記少なくとも1つの弱め線が、1対以上の略平行な弱め線を含む、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項42】
各対の略平行な弱め線の間にタブを更に備える、請求項41に記載の歯科物品。
【請求項43】
前記犠牲モールド本体が、水溶性ポリマーを含む、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項44】
前記犠牲モールド本体が、前記犠牲モールドキャビティへの開口部、および前記開口部に加えて前記犠牲モールド本体に1つ以上の通気穴を備える、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項45】
前記犠牲モールド本体が、前記犠牲モールドキャビティへの開口部を備え、更に、前記犠牲モールドキャビティの一部が前記犠牲モールドキャビティへの開口部に近接したところに充填されていない辺縁を備えるように、前記硬化性歯科材料が前記犠牲モールドキャビティの一部だけを占める、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項46】
前記犠牲モールド本体が、前記犠牲モールドキャビティへの開口部を備え、前記硬化性歯科物品が前記開口部に面する内部キャビティを備え、更に、前記歯科物品が、前記犠牲モールド本体の開口部にコアピンを備え、前記コアピンが前記硬化性歯科物品の内部キャビティを占める、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項47】
前記犠牲モールド本体が、前記犠牲モールドキャビティへの開口部を備え、前記硬化性歯科物品が前記開口部に面する内部キャビティを備え、更に、前記歯科物品が、前記硬化性歯科物品の内部キャビティに追従するコアピンライナーを備える、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項48】
前記硬化性歯科物品が硬化性クラウンを含む、請求項36に記載の歯科物品。
【請求項49】
硬化性歯科物品の形状の一定量の硬化性歯科材料であって、前記硬化性歯科物品がベースおよび前記ベースから延びている外面を備える一定量の硬化性歯科材料、
硬化性歯科物品の実質的に全ての外面に追従する包装カバーであって、前記包装カバーが、前記硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティ、前記犠牲モールドキャビティへの開口部を備える犠牲モールド本体を含み、前記犠牲モールド本体に少なくとも1つの弱め線が形成されている包装カバー、および、
前記犠牲モールドキャビティへの開口部を被覆し、前記硬化性歯科物品のベースに面する包装ベース、
を備える包装された硬化性歯科物品であって、
前記包装カバーおよび前記包装ベースは、前記硬化性歯科物品が前記包装ベースおよび前記包装カバー内に収容されるように、前記硬化性歯科物品のベースの周囲で一緒に取り付けられている、包装された硬化性歯科物品。
【請求項50】
前記包装ベースが、前記モールドセクションのそれぞれのフランジに取り付けられている、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項51】
前記少なくとも1つの弱め線が、1対以上の略平行な弱め線を含む、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項52】
各対の略平行な弱め線の間にタブを更に備える、請求項51に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項53】
前記犠牲モールド本体が、前記開口部に加えて前記犠牲モールド本体に1つ以上の通気穴を備える、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項54】
前記犠牲モールドキャビティの一部が前記犠牲モールドキャビティへの開口部に近接したところに充填されていない辺縁を備えるように、前記硬化性歯科材料が前記犠牲モールドキャビティの一部だけを占める、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項55】
前記硬化性歯科物品が、前記犠牲モールドキャビティへの開口部に面する内部キャビティを備え、更に、前記包装ベースが、前記犠牲モールド本体の開口部内のコアピンを含み、前記コアピンが前記硬化性歯科物品の内部キャビティを占める、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項56】
前記硬化性歯科物品が、前記犠牲モールドキャビティへの開口部に面する内部キャビティを備え、更に、前記包装ベースが、前記硬化性歯科物品の内部キャビティに追従するコアピンライナーを含む、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項57】
前記包装ベースおよび前記包装カバーが、ヒートシール結合により一緒に取り付けられている、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項58】
前記包装ベースおよび前記包装カバーが、接着して一緒に取り付けられている、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項59】
前記少なくとも1つの弱め線が、複数の弱め線を含む、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項60】
前記硬化性歯科物品が硬化性クラウンを含む、請求項49に記載の包装された硬化性歯科物品。
【請求項61】
硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティを備える犠牲モールド本体であって、前記犠牲モールドキャビティが、前記硬化性歯科物品の実質的に全ての外面に追従し、前記犠牲モールド本体が水溶性ポリマーを含む、犠牲モールド本体、および、
硬化性歯科材料が前記硬化性歯科物品の形状になるように、前記犠牲モールドキャビティの容積内に配置されている一定量の硬化性歯科材料、
を備える、歯科物品。
【請求項62】
前記硬化性歯科物品が硬化性クラウンを含む、請求項61に記載の歯科物品。
【請求項63】
前記犠牲モールド本体が、前記犠牲モールドキャビティ内に配置されている硬化性歯科物品の形状に追従する外形を備える、請求項61に記載の歯科物品。
【請求項64】
硬化性歯科物品の製造方法であって、
硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティ、および前記犠牲モールドキャビティへの開口部を備える犠牲モールド本体を提供する工程であって、前記犠牲モールド本体が水溶性ポリマーを含む工程、および、
前記開口部を通して前記犠牲モールドキャビティに硬化性歯科材料を押し入れる工程であって、前記硬化性歯科材料が前記硬化性歯科物品の形状を取る工程、
を含む、方法。
【請求項65】
前記硬化性歯科材料を前記犠牲モールドキャビティに押し入れるとき、前記犠牲モールド本体が支持構造体内で支持される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記犠牲モールド本体を水と接触させることによって前記犠牲モールドキャビティから前記硬化性歯科物品を取り外す工程を更に含む、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記犠牲モールド本体が、前記開口部に加えて前記犠牲モールド本体に1つ以上の通気穴を備える、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記開口部を通して前記硬化性歯科材料を押し入れる工程が、前記硬化性歯科材料にコアピンを押し当てる工程を含み、前記モールドキャビティから前記硬化性歯科材料および前記外側ライナーを取り外した後、前記コアピンが前記硬化性歯科材料に埋設された状態を維持する、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記コアピンが、前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記コアピンが前記内部キャビティを充填する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記コアピンが、前記硬化性歯科物品の内部キャビティ内にコアピンキャビティを備える、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記犠牲モールドキャビティの開口部に近接しているところで前記コアピンを前記犠牲モールド本体に取り付ける工程を更に含み、前記硬化性歯科物品が前記犠牲モールド本体と前記コアピンによって封入されている、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記開口部を通して前記硬化性歯科材料を押し入れる工程が、前記硬化性歯科材料にコアピンを押し当てる工程を含む方法であって、前記硬化性歯科材料と前記コアピンの間にピンライナーを提供する工程を更に含む、請求項64に記載の方法。
【請求項73】
前記コアピンが前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記ピンライナーが前記内部キャビティをライニングする、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記コアピンが前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記硬化性歯科物品の内部キャビティを形成するとき、前記コアピンが前記ピンライナーを永久変形させる、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記コアピンが前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記コアピンが前記硬化性歯科物品の内部キャビティを形成する前に、前記ピンライナーが前記コアピンの形状に追従する、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記硬化性歯科物品が前記犠牲モールド本体および前記コアピンによって封入されるように、前記ピンライナーを前記犠牲モールド本体に取り付ける工程を更に含む、請求項72に記載の方法。
【請求項77】
硬化性歯科物品の製造方法であって、
前記硬化性歯科物品の形状の犠牲モールドキャビティを備える犠牲モールド本体を提供する工程であって、前記犠牲モールドキャビティが開口部を備え、前記犠牲モールド本体に少なくとも1つの弱め線が形成されている工程、および、
前記開口部を通して前記犠牲モールドキャビティに硬化性歯科材料を押し入れる工程であって、前記硬化性歯科材料が前記硬化性歯科物品の形状を取る工程、
を含む、方法。
【請求項78】
前記犠牲モールド本体を前記少なくとも1つの弱め線に沿って分離することによって、前記犠牲モールドキャビティから前記硬化性歯科物品を取り外す工程を更に含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記少なくとも1つの弱め線が、前記犠牲モールド本体内に少なくとも2つのモールドキャビティセクションを画定し、前記犠牲モールド本体が、前記モールドキャビティセクションの1つ以上にフランジを備え、前記フランジが前記犠牲モールドキャビティへの開口部に近接したところに配置され、前記少なくとも1つの弱め線を分離する工程が、前記モールドキャビティセクションの少なくとも1つのフランジを把持する工程を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記少なくとも1つの弱め線が、1対以上の略平行な弱め線を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
各対の略平行な弱め線の間にタブを更に備える、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記犠牲モールド本体が、前記開口部に加えて前記犠牲モールド本体に1つ以上の通気穴を備える、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
前記犠牲モールド本体の一部が前記犠牲モールドキャビティへの開口部に近接したところに充填されていない辺縁を備えるように、前記硬化性歯科材料が前記犠牲モールドキャビティの一部だけを充填する、請求項77に記載の方法。
【請求項84】
前記開口部を通して前記硬化性歯科材料を押し入れる工程が、前記硬化性歯科材料にコアピンを押し当てる工程を含み、前記モールドキャビティから前記硬化性歯科材料および前記外側ライナーを取り外した後、前記コアピンが前記硬化性歯科材料に埋設された状態を維持する、請求項77に記載の方法。
【請求項85】
前記コアピンが、前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記コアピンが前記内部キャビティを充填する、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記コアピンが、前記硬化性歯科物品の内部キャビティ内にコアピンキャビティを備える、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記犠牲モールドキャビティの開口部に近接しているところで前記コアピンを前記犠牲モールド本体に取り付ける工程を更に含み、前記硬化性歯科物品が前記犠牲モールド本体と前記コアピンによって封入されている、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記開口部を通して前記硬化性歯科材料を押し入れる工程が、前記硬化性歯科材料にコアピンを押し当てる工程を含む方法であって、前記硬化性歯科材料と前記コアピンの間にピンライナーを提供する工程を更に含む、請求項77に記載の方法。
【請求項89】
前記コアピンが前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記ピンライナーが前記内部キャビティをライニングする、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記コアピンが前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記硬化性歯科物品の内部キャビティを形成するとき、前記コアピンが前記ピンライナーを永久変形させる、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記コアピンが前記硬化性歯科物品内に内部キャビティを形成し、前記コアピンが前記硬化性歯科物品の内部キャビティを形成する前に、前記ピンライナーが前記コアピンの形状に追従する、請求項88に記載の方法。
【請求項92】
前記硬化性歯科物品が前記犠牲モールド本体および前記コアピンによって封入されるように、前記ピンライナーを前記犠牲モールド本体に取り付ける工程を更に含む、請求項88に記載の方法。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−502672(P2007−502672A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524058(P2006−524058)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/026991
【国際公開番号】WO2005/018484
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】