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硬化性組成物
説明

硬化性組成物

【課題】良好な塗膜密着性、塗膜割れ性(塗膜密着性と塗膜割れ性の2つを合わせて塗装性とする)を有する硬化性組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記一般式(1):
−Si(R13-a)Xa (1)
(式中、R1は炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数6から10のアリール基、炭素原子数7から10のアラルキル基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1、2または3を示す。)で表される反応性ケイ素基を含有する有機重合体100重量部、
(B)下記一般式(2):
2−S(=O)2−O−R3 (2)
(R2とR3はそれぞれ独立に水素原子または有機基である。)
で表わされる化合物を1重量部以上、含有することを特徴とする可塑剤1〜300重量部
(C)エポキシ基含有化合物1〜100重量部、
(D)硬化触媒0.1〜20重量部と
(E)アミン化合物0.1〜100重量部
を含む硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用途や土木用途、工業用途、電気・電子用途等におけるシール材、ボディーシーラー、コーティング材、接着剤、注入材、パテ材、制振材、防音材、緩衝材、自動車部品等に有用な硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、「反応性ケイ素基」ともいう。)を有する有機重合体とエポキシ樹脂を組み合わせた室温硬化性組成物は、適度な作業性や硬化性、幅広い温度領域での安定したゴム弾性、被着体との良好な密着性等の特性から、従来はエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂が使用されていた建築用途や土木用途、工業用途等において、シール材やコーティング材、接着剤等として幅広く使用されている。例えば、特許文献1、特許文献2に例が記載されている。
【0003】
また特許文献3、特許文献4、特許文献5ではA材とB材の2液を混合する2液型硬化性組成物の技術が報告されている。
【0004】
特許文献6ではA材とB材の2液を混合する2液型硬化性組成物において、A材の易作業性、高い内部硬化性と高い貯蔵安定性を達成する技術が記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献6に記載される技術で作製した硬化性組成物に塗料を塗布し、塗膜密着性や塗膜割れ性を評価すると、それらの性能が不良であることが見出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第1727750号公報
【特許文献2】特開2003−213118号公報
【特許文献3】特開2004−225020号公報
【特許文献4】WO2006−006512号公報
【特許文献5】特開2007−291292号公報
【特許文献6】WO2006−075482公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
良好な塗膜密着性、塗膜割れ性(塗膜密着性と塗膜割れ性の2つを合わせて塗装性とする)を有する硬化性組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為に本発明者らが鋭意検討した結果、以下の成分、即ち反応性ケイ素基を含有する有機重合体、特定の可塑剤、エポキシ基含有化合物、硬化触媒およびアミン化合物を含む硬化性組成物が有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、
1).
(A)下記一般式(1):
−Si(R13-a)Xa (1)
(式中、R1は炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数6から10のアリール基、炭素原子数7から10のアラルキル基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1、2または3を示す。)で表される反応性ケイ素基を含有する有機重合体100重量部、
(B)下記一般式(2):
2−S(=O)2−O−R3 (2)
(R2とR3はそれぞれ独立に水素原子または有機基である。)
で表わされる化合物を1重量部以上、含有することを特徴とする可塑剤1〜300重量部
(C)エポキシ基含有化合物1〜100重量部、
(D)硬化触媒0.1〜20重量部と
(E)アミン化合物0.1〜100重量部
を含む硬化性組成物、
2).
前記(A)成分の有機重合体が、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される少なくとも1種の主鎖骨格を有する有機重合体である、1)に記載の硬化性組成物、
3).
さらに(F)シランカップリング剤0.1〜20重量部を含有することを特徴とする1),2)のいずれかに記載の硬化性組成物、
4).
さらに(G)無機充填材50〜800重量部を含有することを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の硬化性組成物、
5).
前記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有するA材と、前記(B)成分、(D)成分および(E)成分を含有するB材からなることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の2液型硬化性組成物、
6).
さらに(F)シランカップリング剤0.1〜20重量部がA材および/またはB材に含有されることを特徴とする5)に記載の2液型硬化性組成物、
7).
さらに(G)無機充填材50〜800重量部がA材 および/またはB材に含有されることを特徴とする5),6)のいずれかに記載の2液型硬化性組成物、
8).
前記(G)成分がA材に含有される場合、平均一次粒子径が0.3μm以上の炭酸カルシウムであることを特徴とする7)に記載の2液型硬化性組成物、
9).
前記(G)成分がA材に含有される場合、平均一次粒子径が0.3μm以上の重質炭酸カルシウムであることを特徴とする7)に記載の2液型硬化性組成物、
10).
A材およびB材の総水分量が10000ppm未満であることを特徴とする5)〜9)のいずれかに記載の2液型硬化性組成物、
11).
1)〜9)のいずれかに記載の硬化性組成物からなるシール材、
12).
1)〜9)のいずれかに記載の硬化性組成物からなるコーティング材、
13).
1)〜9)のいずれかに記載の硬化性組成物からなる接着剤、
に関する。
【発明の効果】
【0009】
良好な塗膜密着性、塗膜割れ性を有する硬化性組成物を提供する。塗膜密着性とは硬化性組成物とその上部に塗布される塗料との密着性を意味し、塗膜割れ性とは硬化性組成物上に塗布された塗膜を焼付け乾燥後に上部から爪で強く圧迫し、塗膜に割れが生じたか否かを判断するものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の(A)成分である反応性ケイ素基を有する有機重合体としては、ポリオキシアルキレン系重合体および/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を挙げることができる。
【0012】
反応性ケイ素基としては、下記一般式(1)で表わされる基が挙げられる。
−Si(R13-a)Xa (1)
(式中、R1は炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数6から10のアリール基、炭素原子数7から10のアラルキル基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1、2または3を示す。)
【0013】
上記加水分解性基の例としては水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられるが、加水分解性が穏やかで取り扱い易いという点からアルコキシ基が好ましく、中でもメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基が特に好ましい。
【0014】
この水酸基や加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜3個結合することができ、反応性ケイ素基中に2個以上存在する場合には、それらは同一であっても異なっていても良い。
【0015】
上記一般式(1)におけるR1の具体例としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。R1としてはメチル基が特に好ましい。
【0016】
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖構造としては、−R−O−で示される構造を繰り返し単位とする重合体であればよく、このとき、Rは炭素数1から20の2価の有機基であればよい。また、繰り返し単位の全てが同一である単独重合体であっても良く、2つ以上の種類の繰り返し単位を含む共重合体であっても良い。さらに、主鎖中に分岐構造を有していても良い。Rの具体例としては、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(C25)CH2−、−C(CH32CH2−、−CH2CH2CH2CH2−等が挙げられる。Rとしては特に−CH(CH3)CH2−が好ましい。
【0017】
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、例えば開始剤と触媒の存在下、モノエポキシドを開環重合することによって得られる。開始剤としては1価のアルコールや2価アルコール、多価アルコール、水酸基を有する各種のオリゴマー等が挙げられ、モノエポキシドとしては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類やブチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類;アリルグリシジルエーテル類;アリールグリシジルエーテル類等が挙げられる。また、触媒としてはKOH、NaOH等のアルカリ触媒、トリフルオロボラン−エーテラート等の酸性触媒、アルミノポルフィリン金属錯体やシアン化コバルト亜鉛−グライム錯体触媒等の複合金属シアン化物錯体触媒等が用いられる。特に、副反応が少ない点からは複合金属シアン化物錯体触媒が好ましいがそれ以外のものであってもよい。
【0018】
この他、ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体を塩基性化合物、例えばKOH、NaOH、KOCH3、NaOCH3等の存在下、2官能以上のハロゲン化アルキル、例えばCH2Cl2、CH2Br2等による鎖延長等によっても得ることができる。また、2官能や3官能のイソシアネート化合物によって水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体を鎖延長する方法等も挙げられる。
【0019】
反応性ケイ素基をポリオキシアルキレン系重合体中に導入する方法としては、例えば、1分子中に一般式(3):
CH2=C(R5)−R4−O− (3)
(R4は炭素数1から20の2価の有機基、R5は水素原子または炭素数10以下の炭化水素基)で示される不飽和基を末端に有するポリオキシアルキレン系重合体と、
一般式(4):
H−Si(R13-a)Xa (4)
(R1,X,aは前記に同じ。)で示される反応性ケイ素基含有化合物とを、VIII族遷移金属触媒の存在下で反応させる方法が好ましい。
【0020】
これ以外にも、水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体と反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物との反応や、イソシアネート基末端ポリオキシアルキレン重合体と反応性ケイ素基含有アミン化合物との反応、イソシアネート基末端ポリオキシアルキレン重合体と反応性ケイ素基含有メルカプタン化合物との反応等によっても得ることができる。
【0021】
末端に一般式(4)で示される不飽和基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造法としては、従来公知の方法を用いればよく、例えば水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体に不飽和結合を有する化合物を反応させて、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合等により結合させる方法等が挙げられる。例えばエーテル結合により不飽和基を導入する場合は、ポリオキシアルキレン重合体の水酸基末端のメタルオキシ化により−OM(MはNaまたはK等)を生成した後、一般式(5):
CH2=C(R5)−R4−X2 (5)
(R4,R5は前記に同じ。X2はハロゲン原子)で示される不飽和基含有化合物を反応させる方法が挙げられる。
【0022】
一般式(5)で示される不飽和基含有化合物の具体例としては、CH2=CH−CH2−Cl、CH2=CH−CH2−Br、CH2=CH−C24−Cl、CH2=C(CH3)−CH2−Cl等が挙げられが、反応性の点よりCH2=CH−CH2−Cl、CH2=C(CH3)−CH2−Clが特に好ましい。
【0023】
不飽和基の導入方法としては、これ以外にCH2=CH−CH2−基やCH2=C(CH3)−CH2−基等を有するイソシアネート化合物、カルボン酸、エポキシ化合物を用いることもできる。
【0024】
VIII族遷移金属触媒としては、例えば、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体、Ptメタル、RhCl(PPh33、RhCl3、Rh/Al23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2等が挙げられるが、ヒドロシリル化の反応性の点から、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体のいずれかであることが特に好ましい。
【0025】
このような製造法は、例えば、特許第1396791号、特許第1727750号、特許第2135751号、特許第2995568号等の各公報に記載されている。
【0026】
ポリオキシアルキレン系重合体の分子量には特に制限はないが、GPC(ゲルパーミテーションクロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算での数平均分子量が500から100,000であることが好ましい。更には1,000から70,000であることが、取り扱いの容易さ等の点から好ましい。
【0027】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は下記一般式(6):
CH2=C(R6)COO−R7 (6)
(式中R6は水素原子またはメチル基、R7は炭素数1から30アルキル基を示す。)で表される。
【0028】
上記R7の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、炭素数22のアルキル基等が挙げられ、これらは同一であっても異なっていても良い。
【0029】
一般式(6)の具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル等を挙げることができる。これらの単量体は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
【0030】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の単量体単位としては、(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位の外に、これらと共重合性を有する単量体単位を導入することができる。例えばアクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位等が挙げられる。
【0031】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の分子量には特に制限はないが、GPCにおけるポリスチレン換算での数平均分子量が500から100,000であるものが好ましい。さらには1,000〜50,000のものが取り扱いの容易さ等の点からより好ましい。
【0032】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体は、通常のビニル重合の方法によって得ることができる。例えば、ラジカル反応による溶液重合法や塊重合法等によって重合させることで得ることができるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。反応は、通常前記単量体およびラジカル開始剤や連鎖移動剤、溶剤等を加えて50〜150℃で反応させることにより行われる。
【0033】
前記ラジカル開始剤の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等、連鎖移動剤の例としては、n−ドデシルメルカプタン,tert−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン類や含ハロゲン化合物等が挙げられる。溶剤としては、例えばエーテル類、炭化水素類、エステル類のごとき非反応性の溶剤を使用するのが好ましい。
【0034】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体に反応性ケイ素基を導入する方法には種々の方法があるが、例えば、(I)重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物を共重合させる方法、(II)重合性不飽和結合と反応性官能基(以下Y基という)を有する化合物(例えばアクリル酸)を共重合させ、そののち生成した共重合体を反応性ケイ素基およびY基と反応しうる官能基(以下Y’基という)を有する化合物(例えばイソシア
ネート基と−Si(OCH33基を有する化合物)と反応させる方法、(III)連鎖移動剤として反応性ケイ素基を含有するメルカプタンを使用し共重合させる方法、(IV)反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物を開始剤として共重合させる方法、(V)リビングラジカル重合法により単量体を重合させ、分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、(I)〜(V)の方法を各々任意に組み合わせることも可能である。例えば、(I)と(III)の組み合わせとして、連鎖移動剤として反応性ケイ素基を含有するメルカプタンの存在下、重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物を単量体と共重合させる方法も可能である。
【0035】
(I)記載の重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物は、一般式(7):
CH2=C(R6)COO−R8−Si(R13-a)Xa (7)
(R8は炭素数1〜6の2価のアルキレン基を示す。R6,R1,X,aは前記と同じ。)で表される。
【0036】
上記R8としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜6、好ましくは1〜4の2価のアルキレン基を挙げることができる。
【0037】
一般式(7)で表される化合物としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−メタクリロキシプロピルアルキルポリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−アクリロキシプロピルアルキルポリアルコキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
【0038】
(II)記載のY基およびY’基の例としては、種々の基の組み合わせがあるが、例えば、Y基としてアミノ基、水酸基、カルボン酸基を、Y’基としてイソシアネート基を挙
げることができる。また別の一例として、特開昭54−36395号公報や特開平1−272654号公報、特開平2−214759号公報に記載されているように、Y基としてはアリル基、Y’基としては水素化ケイ素基(H−Si)を挙げることができる。この場合、VIII族遷移金属の存在下で、ヒドロシリル化反応によりY基とY’基は結合しうる。
【0039】
(III)記載の連鎖移動剤として使用する反応性ケイ素基を含有するメルカプタンとしては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0040】
(IV)記載の、反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物としては、特開昭60−23405号公報、特開昭62−70405号公報等に記載されている、アルコキシシリル基を含有するアゾビスニトリル化合物やアルコキシシリル基を含有するジスルフィド化合物を例として挙げることができる。
【0041】
(V)記載の方法としては、特開平9−272714号公報等に記載されている方法を挙げることができる。
【0042】
その他に、特開昭59−168014号公報、特開昭60−228516号公報等に記載されている、反応性ケイ素基をもつメルカプタンと反応性ケイ素基をもつラジカル重合開始剤を併用する方法も挙げることができる。
【0043】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体に含有される反応性ケイ素基の数は、特に限定されるものではないが、接着力やコスト等の点から、共重合体一分子中に平均0.1個以上5個以下、更に好ましくは0.2個以上3個以下がよい。
【0044】
本発明の硬化性組成物では(B)成分の可塑剤を必須とする。
【0045】
本発明における(B)成分の可塑剤の役割は、(C)成分のエポキシ樹脂と共に硬化性組成物に添加されることにより塗膜密着性、塗膜割れ性を良好に保つことである。硬化性組成物内に(B)成分と(C)成分の双方が添加されることが塗膜密着性、塗膜割れ性を良好に保つためには非常に重要である。
【0046】
(B)成分は以下の下記一般式(2)で表される化合物を1重量部以上含有することを特徴とする可塑剤である。
一般式:(2)
2−S(=O)2−O−R3 (2)
(R2とR3はそれぞれ独立に水素原子または有機基である。)
【0047】
一般式(2)で表される化合物の具体例としてはウンデシルスルホン酸フェニルエステル、ドデシルスルホン酸フェニルエステル、ペンタデシルスルホン酸フェニルエステル、オクタデシルスルホン酸フェニルエステルなどのアルキルアリールスルホン酸エステル類などが挙げられる。
【0048】
(B)成分の可塑剤は、一般式(2)で表される化合物を1重量部以上含有した上で、(A)成分100重量部に対し1〜300重量部使用することが好ましく、より好ましくは10〜200重量部、さらに好ましくは50〜150重量部使用すること好ましい。1重量部未満では粘度が高く、作業性が不十分となり、300重量部を超えると接着性の低下、作業性の低下等が起こり好ましくない。
【0049】
また一般式(2)で表される化合物は(A)成分100重量部に対し、(B)成分の可塑剤中において1重量部以上含有することを特徴とするが、良好な塗膜密着性、塗膜割れ性を硬化物に付与するためには10重量以上、より好ましくは50重量部以上、(B)成分中に含まれることが望ましい。
【0050】
上記一般式(2)で表される化合物のいずれか一方を可塑剤として1重量部以上含んでいれば、他の化合物を可塑剤として添加することもできる。例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸ジイソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類、オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類、トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、塩素化パラフィン類、アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水素系油、プロセスオイル類、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤、分子量500以上、さらには1000以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールあるいはこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体等のポリエーテル類、ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記一般式(2)で表される化合物に対し、これらの化合物を単独で添加してもよいし、2種以上添加してもよい、また添加しなくてもよい。
【0051】
本発明の硬化性組成物では(C)成分のエポキシ樹脂を必須とする。
【0052】
エポキシ樹脂の役割として以下のことが挙げられる。
硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の硬度を高めたり、高い強度を付与することが可能である。また(B)成分の詳細な説明においても記載したように、本発明では硬化性組成物内に(B)成分と共に(C)成分が添加されることで高い塗膜密着性、塗膜割れ性を硬化性組成物に付与している。
【0053】
本発明の(C)成分であるエポキシ基含有化合物としては、従来公知のものを広く使用でき、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂やこれらを水添したエポキシ樹脂、ビスフェノールAにオキシプロピレングリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂、ビスフェノールAにオキシプロピレン鎖を導入したジグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂類;n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のエポキシ系希釈剤類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類等が挙げられる。これらのエポキシ基含有化合物は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。これらエポキシ基含有化合物の中では、作業性や硬化性、接着性、接着強度等からエポキシ樹脂がより好ましく、更に耐水性、耐久性等からビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。
【0054】
(C)成分のエポキシ基含有化合物は、(A)成分100重量部に対し、1〜100重量部使用することが好ましく、より好ましくは10〜80重量部である。1重量部未満では硬度、接着強度、塗装性が不十分となり、100重量部を超えると硬化物の伸びが不十分となる為好ましくない。
【0055】
本発明の硬化性組成物では(D)成分の硬化触媒を必須とする。
【0056】
硬化触媒の役割はシラノール縮合触媒として(A)成分の硬化を促進することである。
【0057】
その具体例としては、反応性ケイ素基含有重合体の縮合に用いられる従来公知のものを広く使用でき、例えば、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズジフェノキシド、ジブチルスズジノニルフェノキシド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジ2−エチルヘキサノエート、ジブチルスズジラウレート、ビス(ジブチルスズラウレート)オキシド、ジブチルスズマレート、ジブチルスズフタレート、ジブチルスズジメチルマレート、ジブチルスズジエチルマレート、ジオクチルスズジメトキシド、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジ2−エチルヘキサノエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズマレート、ジオクチルスズジエチルマレエート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドとフタル酸エステルとの反応物、ジブチルスズオキシドとマレイン酸エステルとの反応物、ジブチルスズジアセテートとテトラエチルシリケートとの反応物、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、オクチル酸スズ、2−エチルヘキサン酸スズ、ナフテン酸スズ、ステアリン酸スズ、バーサチック酸スズ等のスズ化合物類;テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート等のチタン化合物類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等のアルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート等のジルコニウム化合物類;ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等のビスマス化合物類;ナフテン酸鉄等の鉄化合物類;オクチル酸亜鉛等の亜鉛化合物類;酸性リン酸エステル等のリン化合物類;酸性リン酸エステルとアミンの反応物;アミン化合物類;アミン化合物とカルボン酸との塩等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。これら硬化触媒の中では、硬化性や貯蔵安定性、物性バランスの点から、有機錫系化合物がより好ましい。硬化速度や貯蔵安定性の点より、4価のスズ触媒が特に好ましい。
【0058】
なお、以上(D)成分として例示した化合物の中には、酸性リン酸エステルとアミンの反応物;アミン化合物類;アミン化合物とカルボン酸との塩等、のアミン化合物が含まれているが、これらが含まれていることにより(E)成分であるアミン化合物と(D)成分である硬化触媒(シラノール縮合触媒)との区別が不明確となって発明の理解が困難になる場合には、本来はシラノール縮合触媒として作用するアミン化合物であっても(D)成分とは見なさずに(E)のアミン化合物と見なして本発明を理解して良い。
【0059】
(D)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対し0.1〜20重量部であるが、0.1〜10重量部使用することが好ましく、より好ましくは0.2〜6重量部である。0.1重量部未満では硬化性が不十分となり、10重量部を超えると接着性の低下等が起こり好ましくない。
【0060】
本発明の硬化性組成物では(E)成分のアミン化合物を必須とする。
【0061】
アミン化合物の役割としては(C)成分の硬化剤である。またその一方で、シラノール縮合触媒として(A)成分の硬化を促進する場合もある。
【0062】
本発明の(E)成分であるアミン化合物としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、グアニジン、オレイルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン等の脂肪族アミン類;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ピペリジン、N,N'−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ポリシクロヘキシルポリアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、1,2−ビス(ジメチルアミノ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ジメチルアミノ)シクロヘキサン、N,N,N',N'−テトラメチルイソホロンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルノルボルナンジアミン、ビス(4−ジメチルアミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−ジメチルアミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂環族アミン類;メタフェニレンジアミン、4、4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等の芳香族アミン類;m−キシリレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の脂肪芳香族アミン類;3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(ATU)、モルホリン、N−メチルモルホリン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のエーテル結合を有するアミン類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の水酸基含有アミン類;テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸等の酸無水物類;ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のポリアミンを反応させて得られるポリアミド、ダイマー酸以外のポリカルボン酸を使ったポリアミド等のポリアミドアミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジシアンジアミド;ポリオキシプロピレン系ジアミン,ポリオキシプロピレン系トリアミン等のポリオキシプロピレン系アミン類;フェノール類;上記アミン類にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ変性アミン、上記アミン類にホルマリン、フェノール類を反応させて得られるマンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性アミン、ケチミンといった変性アミン類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールの2−エチルヘキサン酸塩等のアミン塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。これらアミン化合物の中では、硬化性や物性バランスの点から、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールやポリオキシプロピレン系ジアミンが好ましい。
【0063】
なお、(E)成分であるアミン化合物は、エポキシ樹脂用硬化剤として知られているアミン化合物が好ましい。また、反応性ケイ素基を有していると意図しない副反応が進行する虞があるので、反応性ケイ素基非含有のアミン化合物が好ましい。
【0064】
斯かる(E)成分であるアミン化合物は、(A)成分100重量部に対し、0.1〜100重量部使用することが好ましく、より好ましくは2〜80重量部である。0.1重量部未満ではエポキシ樹脂の硬化が不十分となり接着強度が低下したり、塗装性が低下する。また、100重量部を超えると界面へのブリード等が起こって接着性が低下し好ましくない。
【0065】
本発明では高い貯蔵安定性、深部硬化性を硬化性組成物に付与することを目的として2液型の硬化性組成物の形態をとることが可能である。具体的にはA材に(A)成分、(B)成分、(C)成分を配合して、B材に(B)成分、(D)成分、(E)成分を配合した2液型硬化性組成物である。A材には深部硬化性を高めるために水を添加してもよい。B材は貯蔵安定性を高めるために脱水しておく必要がある。後述するが、この2液型硬化性組成物のA材、B材には(F)成分のシランカップリング剤、(G)成分の無機充填材を適宜、目的に応じて配合することができる。なお本発明における2液型硬化性組成物は全て上記の配合形式で作製されたA材とB材を取り、それら2材を混合、脱泡し、作製したものである。
【0066】
上記のA材とB材の2液を混合する際に使用される混合装置としては例えば2液混合装置が挙げられる。具体的には、例えば、スタティックミキサーが挙げられる。なおA材とB材とは予め別の容器にそれぞれ収められ、ポンプによって各容器から混合装置に送り込まれるのが好ましい様態として挙げられる。調整工程は、作業性の確保、混合物の粘度の観点から、混合物塗布工程の直前に行うのが好ましい。
【0067】
本発明では硬化性組成物に(F)成分のシランカップリング剤を添加することができる。
シランカップリング剤の役割としては、硬化性組成物と被着体との接着性を高めたり、配合物中の水と反応し脱水する役割がある。
【0068】
本発明の(F)成分であるシランカップリング剤としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシルエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシルメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;アミノ基含有シラン類と各種ケトンとの脱水縮合により得られるケチミン化シラン類;アミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応物;メルカプト基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応物;アミノ基含有シラン類とエポキシ樹脂との反応物;メルカプト基含有シラン類とエポキシ樹脂との反応物;テトラエトキシシラン、テトラエトキシシラン4量体、テトラエトキシシラン6量体等のエチルシリケート類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニルシラン類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン類等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
【0069】
また、(F)成分の使用量は(A)成分100重量部に対し、0.1〜20重量部使用することが好ましく、より好ましくは0.2〜10重量部である。0.1重量部未満では接着性の低下や貯蔵安定性の低下を招き、20重量部を超えると硬化阻害が起こったり、硬化物の伸びが不十分となるので好ましくない。
【0070】
本発明では硬化性組成物に無機充填材を添加することができる。
【0071】
無機充填材の役割として以下のことが挙げられる。硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の強度を高めたり、硬化性組成物の粘度やチクソトロピー性を調整して取扱い性を改善したり、増量により重量あるいは体積あたりのコストを低減させたりするなどの役割である。
【0072】
本発明の(G)成分である無機充填材の具体例としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、カオリン、タルク、マイカ、シリカ(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸等)、酸化チタン、珪藻土等が挙げられる。これらの無機充填材は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。特に、作業性やコスト、物性バランス等の点から、重質炭酸カルシウムや膠質炭酸カルシウムを使用するのが好ましい。
【0073】
また作製される硬化性組成物が2液型硬化性組成物であって、A材に(G)成分が含有される場合、促進貯蔵後の塗膜密着性を良好に保つことが可能という点でA材の(G)成分には平均一次粒子径が0.3μm以上の炭酸カルシウムを用いるのが良い。さらに0.5μm以上ではA材の促進貯蔵後の粘度変化がほとんど無く、より好ましい。逆に平均一次粒子径が0.3μm未満では促進貯蔵後の塗膜密着性が不良になる傾向が高まる。
【0074】
またさらに、作製される硬化性組成物が2液型硬化性組成物であってA材に含有される(G)成分の平均一次粒子径が0.3μm以上の重質炭酸カルシウムである場合、上述したように促進貯蔵後の塗膜密着性が良好に保たれるばかりでなく、良好な作業性もA材に付与される点において、より好ましい。
【0075】
本発明における促進貯蔵とはA材とB材の貯蔵後の評価を短期間で行うために行う貯蔵方法を意味する。
【0076】
(G)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対し、50〜800重量部使用することが好ましく、より好ましくは70〜500重量部である。50重量部未満では組成物の粘度が低下し、糸切れ性が悪くなる為好ましくない。また、800重量部を超えると組成物の粘度が上昇し、作業性が低下する為好ましくない。
【0077】
反応性ケイ素基を含有する有機重合体である(A)成分は硬化性組成物中に含まれる水によっても硬化が促進される。そのため、硬化性組成物中に含まれる水が多ければ多い程、(A)成分の硬化は促進される。
【0078】
しかし一方で2液型硬化性組成物であってA材に10000ppm以上の水が含まれる場合、A材の粘度が促進貯蔵後に増粘しやすくなり、貯蔵安定性が不良となる。そこで、A材粘度の貯蔵安定性と硬化性の両立を図るためにはA材に含まれる水分量を10000ppm未満、さらに好ましくは7000ppm未満とするのが良い。
【0079】
なお硬化性組成物中の水分量はカールフィッシャー水分計を用いて測定することができる。
【0080】
本発明の硬化性組成物には、必要に応じ、チクソ性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤等を添加することができる。
【0081】
チクソ性付与剤の具体例としては、例えば、ポリアミドワックス類、水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。これらチクソ性付与剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0082】
本発明の硬化性組成物は、被着体へビード状に塗布しても良いし、スプレーで塗布しても良く、場合によっては流し出したりしても良い。また塗工した後、加熱によって硬化させても良いし、室温下で放置し硬化させても良い。
【0083】
また本発明の硬化性組成物はその上から塗料を塗布することも可能である。
【0084】
塗料としては例えば、中塗り剤、上塗りベース剤、上塗りクリア剤が挙げられる。
硬化性組成物の上に塗料を塗布する方法は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
【0085】
塗料塗布工程後、塗料が塗布された硬化性組成物を加熱することにより塗料を硬化させることができる。加熱せずに室温下で放置することにより塗料を硬化させることも可能である。
【0086】
塗料を加熱する際に使用される加熱装置は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。加熱温度は70℃〜200℃であるのが好ましい。通常加熱温度は90℃〜140℃である。加熱時間は10分〜1時間であるのが好ましい。
【0087】
また1つの塗料を使用するたびに、また複数の塗料を続けて塗布して上記の塗料塗布工程と加熱工程とを行い、これを繰り返すことによって、硬化性組成物の上に複数の塗料の塗膜を有する硬化性組成物を作製することができる。
【0088】
本発明の硬化性組成物を用いる用途は特に限定されず、建築用途や土木用途、工業用途、電気・電子材料用途、医療材料用途等に幅広く使用できる。建築用途においては各種金属パネル・サイジングボード等の外装材の目地用シール材、コーティング材、プライマー等、外装材・下地材・天井材と内装材の間に使用するシール材、接着剤、注入材、制振材、防音材、電磁波遮蔽用導電性材料、パテ材等、外壁材・下地材へのタイル・石材接着用の接着剤、各種床への木質フローリング材・高分子材料系床シート・床タイル接着用の接着剤、粘着剤等、各種外装材・内装材のクラック補修用注入材等が挙げられる。土木用途においては、道路・橋梁・トンネル・防波堤・各種コンクリート製品の目地用シール材、コーティング材、プライマー、塗料、注入材、パテ材、型取材、吹付材等が挙げられる。工業用途においては、自動車部品、自動車ボディーシーラー、コーティング材、緩衝材、制振材、防音材、吹付材等、自動車内装用の接着剤、粘着材、コーティング材、発泡材料等、自動車部品のシール材、接着剤等、トラック・バス等の各種鋼板継ぎ目用のシール材、接着剤、コーティング材等が挙げられる。その他用途においては、各種電気・電子製品の部品用接着剤、シール材、太陽電池裏面封止材等の電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材等の電気絶縁材料、熱伝導性材料、ホットメルト材料、電気電子用ポッティング剤、医療用ゴム材料、医療用粘着剤、医療機器シール材、食品包装材・フィルム・ガスケット・各種成形材料・電機部品・各種機械部品等において使用される液状シール剤等の様々な用途が挙げられる。
【実施例】
【0089】
本発明をより一層明らかにする為に、以下具体的な実施例を揚げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0090】
(合成例1)
数平均分子量3,000のポリプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛へキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量12,000のポリオキシプロピレントリオールを得た。続いてこの水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加して反応させた後、メタノールを除去し、更に3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。続いて、得られた重合体500gに対しへキサン10gを加えて90℃で共沸脱水を行い、へキサンを減圧下除去した後、窒素置換した。これに対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のキシレン溶液)30μlを加え、攪拌しながら、ジメトキシメチルシラン(DMS)9.25gをゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のDMSを減圧下除去し反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体のGPC分析(ポリスチレン換算)より数平均分子量12,500、また1H−NMR分析より、末端への反応性ケイ素基導入率は73%であることを確認した。(ポリマーA)
【0091】
(合成例2)
数平均分子量2,000のポリプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛へキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量10,000のポリオキシプロピレンジオールを得た。続いてこの水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加して反応させた後、メタノールを除去し、更に3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。続いて、得られた重合体500gに対しへキサン10gを加えて90℃で共沸脱水を行い、へキサンを減圧下除去した後、窒素置換した。これに対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のキシレン溶液)30μlを加え、攪拌しながら、ジメトキシメチルシラン(DMS)9.15gをゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のDMSを減圧下除去し反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体のGPC分析(ポリスチレン換算)より数平均分子量10,500、また1H−NMR分析より、末端への反応性ケイ素基導入率は83%であることを確認した。(ポリマーB)
【0092】
(実施例1〜3と比較例1〜4)
表1に示す重量組成比でA材およびB材を作製し、恒温恒湿(23℃50%RH)に管理された室内において、A材とB材をスタティックミキサーを用いて混合、脱泡し、金属へらとスパチュラを用いて1〜3mm厚に調整した硬化性組成物を0.8mm厚のカチオン電着塗装鋼板(エンジニアリングテストサービス(株)社製)上に作製した。これをその室内において60分間静置した後、塗料(関西ペイント(株)社製、主成分:ポリエステルメラミン)を用いて乾燥後に膜厚が5μm〜60μmになるようにスプレー塗装を行った。スプレー塗装後に室温下で5分間の静置時間をとり、その後、塗装された硬化性組成物サンプルを130度オーブンに12分間入れ、塗料の焼付け乾燥を行った。
【0093】
塗料の焼付けを終えたサンプルは恒温恒湿(23℃50%RH)に管理された室内で1日間静置させ、塗装性(塗膜割れ性+塗膜密着性)、促進貯蔵後の塗装性の評価を行った。
【0094】
塗装性
(1)塗膜割れ性
硬化性組成物上に塗布された塗膜を焼付け乾燥後に上部から爪で強く圧迫し、塗膜に割れが生じたサンプルは×、生じなかったサンプルは○とした。
(2)塗膜密着性
−浸水なし−
焼付け後1日間静置したサンプルに対してニチバン製セロテープを用いて2mm間隔の碁盤目試験(100個)を行い、塗膜密着性を評価した。評価は全碁盤目数に対する硬化性組成物表面に残存する塗膜碁盤目数により判定し、それらを百分率(%)とし100〜90%を○、90〜0%を×、未評価ものは−とした。
−浸水なし−
塗膜密着性−浸水なし で評価したサンプルを適当な大きさのプラスチック製容器に入れ、サンプル全体が十分に浸水する程度まで容器に水を入れる。この水を入れた容器を40℃に管理されたオーブンに入れ、10日間静置する。10日後に容器からサンプルを取り出し、紙タオルなどを用いてサンプルに付いた水を軽くふき取り、恒温恒湿(23℃50%RH)に管理された室内において、1日間静置する。1日静置したサンプルに対して、上記塗膜密着性−浸水なし で実施した碁盤目試験と同様の試験を実施した。評価方法も上記と同じ。
(3)促進貯蔵後の塗膜密着性
A材およびB材を封入したカートリッジを50℃オーブンで7日間養生し、その後1日間、室温下でA材およびB材を放冷し、その後はオーブンで養生を行わない場合と同様にA材およびB材を用いて塗膜密着性を評価する。評価方法は上記と同じ。
(4)総合評価
上記(1)〜(3)の塗装性の評価結果において1つでも評価結果に×があるものは総合評価で×、各評価結果全てが○であるものは総合評価で○とした。
【0095】
配合組成および評価結果を表1に示す。
【0096】
【表1】

【0097】
実施例の配合は塗装性が良好(○)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1):
−Si(R13-a)Xa (1)
(式中、R1は炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数6から10のアリール基、炭素原子数7から10のアラルキル基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1、2または3を示す。)で表される反応性ケイ素基を含有する有機重合体100重量部、
(B)下記一般式(2):
2−S(=O)2−O−R3 (2)
(R2とR3はそれぞれ独立に水素原子または有機基である。)
で表わされる化合物を1重量部以上、含有することを特徴とする可塑剤1〜300重量部
(C)エポキシ基含有化合物1〜100重量部、
(D)硬化触媒0.1〜20重量部と
(E)アミン化合物0.1〜100重量部
を含む硬化性組成物。
【請求項2】
前記(A)成分の有機重合体が、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される少なくとも1種の主鎖骨格を有する有機重合体である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
さらに(F)シランカップリング剤0.1〜20重量部を含有することを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項4】
さらに(G)無機充填材50〜800重量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有するA材と、前記(B)成分、(D)成分および(E)成分を含有するB材からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の2液型硬化性組成物。
【請求項6】
さらに(F)シランカップリング剤0.1〜20重量部がA材および/またはB材に含有されることを特徴とする請求項5に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項7】
さらに(G)無機充填材50〜800重量部がA材および/またはB材に含有されることを特徴とする請求項5、6のいずれかに記載の2液型硬化性組成物。
【請求項8】
前記(G)成分がA材に含有される場合、平均一次粒子径が0.3μm以上の炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項7に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項9】
前記(G)成分がA材に含有される場合、平均一次粒子径が0.3μm以上の重質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項7に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項10】
A材およびB材の総水分量が10000ppm未満であることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の2液型硬化性組成物。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物からなるシール材。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物からなるコーティング材。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物からなる接着剤。


【公開番号】特開2011−219654(P2011−219654A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91378(P2010−91378)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】