説明

硬度が不連続に変化するインソール

【課題】従来のインソールでは、必ずしもインソールに載せられる足裏の部分に応じて適した硬度と形状とが実現されていたわけではなく、靴の履き心地を顕著に向上させることはできない。また、歩行・走行時に足の踵が地面から離れ、つま先で地面を蹴る動作が行われる際にインソールが必ずしも十分に足の屈曲動作に追随していたとはいえない。
【解決手段】足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を踵側から囲む略U字状部分を有し、この略U字状部分0101は、略U字状部分によって囲まれる部分0102よりも相対的に硬く又は/及び相対的に厚くなるように構成され、この略U字状部分と0101、略U字状部分によって囲まれる部分0102との境界をまたいで硬度が不連続に変化するインソールを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴に使用するインソールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、歩行・走行時の足への負担軽減や、快適な履き心地、足の骨格の理想的な形状保持、踵の横ぶれ防止等を目的とし、材料や形状、立体構造に特徴のある種々のインソールが提案されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、従来の底敷材(本件明細書における「インソール」に該当)では、単一素材を成型した場合に、厚さの薄い(圧縮率の高い)前半部分が硬くなり、厚さの厚い(圧縮率の小さい)後半部分がやわらかくなるといったように、硬度の分布が理想的な底敷材とは前後逆関係になるとの課題に対して、合成樹脂体又はゴムの発泡体からなる柔軟な底敷材本体の裏面中央部から踵部にかけて、これより硬質で保形性のある裏打材を一体に設けて成る底敷材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭61−22484号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において指摘されているように、従来のインソールでは、必ずしもインソールに載せられる足裏の部分に応じて適した硬度と形状とが実現されていたわけではない。これでは近年要求が厳しくなりつつある靴の履き心地を顕著に向上させることはできない。また、歩行・走行時に足の踵が地面から離れ、つま先で地面を蹴る動作が行われる際(以下、「歩行・走行の足蹴りだし時」という。)にインソールが必ずしも十分に足の屈曲動作に追随していたとはいえない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、以上の課題を解決するため、本願出願人は、次のインソールを提案する。
【0007】
すなわち、第一の発明として、第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を踵側から囲む略U字状部分を有し、この略U字状部分は、これによって囲まれる部分よりも相対的に硬く又は/及び相対的に厚くなるように構成したインソールであって、前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を囲む略U字状部分と、この略U字状部分によって囲まれる部分との境界をまたいで硬度が不連続に変化するインソール、を提案する。
【0008】
第二の発明として、前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部は、前記略U字状部分のうち隣接している部分よりも相対的にやわらかくかつ相対的に厚くなるように構成した第一の発明に記載のインソール、を提案する。
【0009】
第三の発明として、前記相対的にやわらかくかつ相対的に厚くなるように構成されている前記足裏のへこみ対応部分は、足裏の第二及び第三中足骨の中間あたりに対応する部分が最も厚くなるように配置される第二の発明に記載のインソール、を提案する。
【0010】
第四の発明として、前記硬度が不連続に変化する境界は、略U字状部分と、この略U字状部分に囲まれる部分の不連続な継ぎ目である第一の発明から第三の発明いずれか一に記載のインソール、を提案する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のインソールにより、履き心地の良いインソールを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本件発明の実施の形態について、添付の図面を用いて説明する。なお、本件発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。なお、実施形態1は、主に請求項1及び4などに関する。実施形態2は、主に請求項2などに関する。実施形態3は、主に請求項3などに関する。実施形態4及び5は、主にその他の実施形態に関する。
<<実施形態1>>
<実施形態1:概要>
【0013】
本実施形態のインソールは、土踏まずを含む足裏のへこみ対応部分が、踵側から略U字状に囲まれ、この略U字状部分は、略U字状部分によって囲まれる部分よりも相対的に硬く又は/及び相対的に厚くなるように構成されている。また、この略U字状部分と、この略U字状部分によって囲まれる部分との境界をまたいで硬度が不連続に変化する。
<実施形態1:構成>
【0014】
(インソール全体の説明)
図1は、本実施形態のインソールの一例を示す図である。(a)は斜視図を、(b)は平面図を示している。また(c)と(d)とは、本実施形態のインソールの他の一例の平面図を示している。これらの図は、左足用のインソールを示している。
【0015】
本実施形態のインソールは、「略U字状部分」と、「略U字状部分に囲まれる部分」とからなる。「略U字状部分」は、第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を踵側から囲む略U字状の部分である。略U字状部分は、略U字状部分によって囲まれる部分よりも相対的に硬く又は/及び相対的に厚くなるように構成されている。さらに、前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を囲む略U字状部分と、この略U字状部分によって囲まれる部分との境界をまたいで硬度が不連続に変化する。図1(a)から(d)において、略U字状部分は0101で示した部分であり、略U字状部分に囲まれる部分が0102で示した斜線の部分である。
【0016】
なお、本明細書において、「インソール」とは、いわゆる中底と中敷のどちらも含む。本明細書において「中底」とは、完成品となる履物の一部品であり、履物の製作工程で組み付けられ取り外しができないものをいう。また、本明細書において「中敷」とは、履物の製作工程で履物の一部品として取り付け可能なもの、又は完成品の履物に追加部品として後で取り付けられ、取り付け、取り外しが可能なものをいう。つまり、本実施形態の「インソール」は「中底」として履物と一体として販売される場合もあれば、「中敷」として、履物に取り付けられた状態で、又は履物とは別個に販売される場合もある。
【0017】
本実施形態のインソールは、平面形状が例えば靴内底面と略同型同大となるように形成される。「靴内底面」は、靴の内底となる面である。この靴内底面の上に本実施形態のインソールが配置され、さらに、インソールの上に直接的又は間接的に足が載せられた状態で使用される。
【0018】
本実施形態のインソールの材質は特に限定されないが、スポンジ素材により形成すれば、インソールが軽量化でき、かつ、通気性が増して履き心地が良いので好ましい。スポンジ素材は、発泡ゴムや、合成樹脂発泡体などである。合成樹脂発泡体(例えばウレタンフォーム)の場合、発泡ゴムよりも軽く、かつ、成型時間も加硫成型が必要な発泡ゴムよりも短いので、さらに好ましい。
【0019】
(インソールと足との位置関係の説明)
図2は、本実施形態のインソールと足との位置関係を説明するための図である。(a)は、右足を足裏から見た場合の骨格図を、(b)は、本実施形態のインソールの使用時の足との位置関係を示している。これらの図を用いて、「第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分」について説明する。
【0020】
図2(a)を用いて、「第二及び第三中足骨頭」を説明する。足(0201)の骨格の一部をなす各中足骨は、足の親指側の第一中足骨から小指側の第五中足骨まで5本あり、これらの各中足骨のつま先側の部分を中足骨頭という。この図では、第二中足骨頭(0202)及び第三中足骨頭(0203)に符号を付した。「第二及び第三中足骨頭対応部分」は、インソールを靴に入れて使用した状態で、第二及び第三中足骨頭に対応する部分である。具体的には、図2(a)(b)で、0204の点線で囲まれた部分である。
【0021】
「足裏のへこみ」は、土踏まずを含む足の凹部(0205で示したグレーの部分)である。「足裏のへこみ対応部分」は、インソールを靴に入れて使用した状態で、足裏のへこみ部分に対応する部分である。「第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分」は、前述した第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側の領域であり、かつ、足のへこみ対応部分にも含まれる領域をいう。具体的には、図2(a)(b)で太い点線で囲まれている0209の部分である。
【0022】
本実施形態のインソールについて、図2(b)を用いて説明する。本実施形態のインソールは、第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を踵側から囲む略U字状を有し、この略U字状部分は、これによって囲まれる部分よりも、相対的に硬く又は/及び相対的に厚くなるように構成されている。
【0023】
「踵側から囲む略U字状」とは、踵側をU字の下側として両側が央に他の部分を囲みながら(挟みながら)つま先側に伸びた形状をいう。これによってこの「他の部分」は三方を囲まれた状態となる。例えば、0206で示した曲線が、略U字状である。「略」U字状は、必ずしも第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分が両側からすっぽりと囲む場合のみをいう趣旨ではない。例えば図1に示した左足用のインソールの(c)のように足の内側(親指側)からは一部しか囲まない場合や、(d)のように足の両側から一部しか囲まない場合を含むといった具合である。
【0024】
また、足の各中足骨頭に対応する部分、特に第一中足骨頭と、第五中足骨頭に対応する部分は、各中足骨頭をわたって足にかかる荷重を支える横アーチの両端部分である。この横アーチにかかる荷重を受けるインソールは、特に側面がやわらかいと、インソールが大きく変形して、足が横振れしたような感覚を与えるおそれがある。そこで、略U字状部分の両端は、インソールの第一中足骨頭と、第五中足骨頭対応部分にかかる位置となるようにし、かつ、略U字状部分を、相対的に硬く構成すれば良い。この場合には、横アーチにかかる荷重を受けるインソールが大きく変形するのを防止できるので、安定した歩行を得られる。
【0025】
(相対的に硬い構成の説明)
「相対的に硬い」とは、略U字状部分によって囲まれる部分よりも略U字状部分の方が硬度が高いという意味である。歩行・走行時に足をしっかりと支えるためには、インソールにおいて足の踵に対応する部分や足の内側(親指側)と外側(小指側)に対応する部分が比較的硬く構成されていることが好ましい。このように相対的に硬い構成は、本実施形態のインソールを合成樹脂により構成する場合、合成樹脂の種類や合成樹脂材料の配合を異ならせることにより実現可能である。あるいは、合成樹脂の種類や合成樹脂材料の配合が同一であっても低密度のスポンジを圧縮して高密度とすることにより、相対的に硬度を変えて作製しても良い。
【0026】
(相対的に厚い構成の説明)
また、「相対的に厚い」とは、略U字状部分によって囲まれる部分よりも略U字状部分の方が厚く構成されているという意味である。本実施形態のインソールは、略U字状部分が、これによって囲まれる部分よりも相対的に厚くなり、足裏の央対応部分は相対的に薄くなるので、足裏は、相対的に薄く構成されているインソールの前方に納まりやすくなる。したがって、日頃からある程度の高さのヒールを履きなれた足の感覚に遠くない感覚、すなわち、足裏の重心位置がフラットな靴を履いた場合に感じる通常の重心位置よりも前方側に位置する感覚を得やすくなる。したがって、特に女性にとってはある程度のヒールのある靴から本実施形態のインソールを備えたフラットに近い靴に履きかえた際の重心バランスの違和感を少なくできる。さらに、略U字状部分の左右エッジ部分を強調して相対的に厚くした場合(カップ状とした場合)には足裏がインソール左右からはみ出ることを少なくできたり、足をインソール央に納めやすくなるのでしっかりと足を支えることができたりするので、安定した歩行がしやすくなる。特に略U字状の部分を相対的に硬くした場合にはインソールが足をさらにしっかりとホールドし、歩行安定性をさらに高める。ただし、略U字状部分のすべての部分が、略U字状部分によって囲まれる部分のすべてに比べて相対的に厚いという趣旨ではなく、インソールの厚みの平均値を比較した場合に相対的に厚ければ、本実施形態のインソールに該当する。
【0027】
インソールの後方(踵側)が相対的に厚く構成され、インソールの踵側が少し高くなっている場合、略U字状部分の左右両端部に対して足裏からの力がかかりやすくなり、略U字状部分を強めに押さえるので、歩行・走行の足蹴りだし時にインソールの折り曲げ動作が容易に誘発されるようになる。これは、後述する硬度が不連続に変化することとの相乗効果によるものである。また、歩行・走行時に方向転換をする場合など、左に体を傾ける場合、右に体を傾ける場合には、インソールの略U字状部分の左端部又は右端部が特に強く押さえられるので、その部分の略U字状部分とこの略U字状部分に囲まれる部分との境界が折れ曲がりやすくなる。
【0028】
(硬度が不連続に変化するとは:概説)
「前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を囲む略U字状部分と、この略U字状部分によって囲まれる部分との境界をまたいで硬度が不連続に変化する」との構成について説明する。「足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を囲む略U字状部分」は、前述したとおり、「第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を踵側から囲む略U字状」の部分をいう。この部分は、略U字状部分によって囲まれる部分よりも「相相対的に硬く又は/及び相対的に厚くなるように」構成されている。本実施形態のインソールは、略U字状部分とこの略U字状部分によって囲まれる部分との境界をまたいで硬度が不連続に変化する。「不連続に変化する」とは、略U字状部分と略U字状部分によって囲まれている部分とで、硬度に不連続な差があることをいう。
【0029】
(硬度が不連続に変化することの効果1)
硬度が「不連続に変化する」ことの効果について、図4Aを用いて説明する。図4Aは本実施形態のインソールの使用時の形状の変化を説明するための図である。図4A(a)は、従来の(硬度の変化が不連続でない)インソールを、図4A(b)は本実施形態のインソールを示している。また図4A(c)は、本実施形態のインソールの一例を示す平面概念図である。図4A(c)で示されたインソール(0401b)では、略U字状部分(0402)と、略U字状部分に囲まれる部分(0403で示した斜線の部分)との境界をまたいで硬度の変化が不連続になっている。このように、硬度の変化が不連続である場合、インソールは、略U字状部分と、略U字状部分に囲まれる部分との境界付近で折れ曲がりやすくなる。したがって、境界が足裏の適切な位置に対応するインソールを使用すれば、より歩行・走行しやすいインソールを提供することができる。まず、前方にまっすぐ歩行・走行している場合について述べる。前方にまっすぐ歩行・走行している場合の足裏の形状の変化を観察すると、歩行・走行の足蹴りだし時に、足裏は、第一から第五中足骨頭対応付近にまたがる領域から折れ曲がることとなる。その際、この足裏の形状の変化に応じて、インソールの第一中足骨頭と第五中足骨頭にまたがる領域に対応する部分付近を折れ曲がりやすくすれば、歩行・走行がしやすくなって好ましい。そこで、例えば、図4A(c)に示したインソール(0401b)のように、足裏の第一中足骨頭及び第五中足骨頭対応部分付近に、略U字状部分と略U字状部分に囲まれる部分との境界の一部を備えるように構成する。この場合には、図4A(b)に示すように、歩行・走行の足蹴りだし時におけるインソールの形状の変化を観察すると、点線矢印で示した網掛け部分付近が折れ曲がりやすく、歩行・走行時の足裏の形状の変化にならってインソールが変形するために、歩行・走行がしやすい。なお、インソールの第一中足骨頭と第五中足骨頭にまたがる領域に対応する部分付近が折れ曲がりやすくなるとの効果は、硬度が「不連続に変化する」ことのみによって生じる効果ではない。足裏の第一中足骨頭及び第五中足骨頭対応部分付近に、略U字状部分と略U字状部分に囲まれる部分との境界の一部を備えるように構成したことにより、インソールの第一中足骨頭と第五中足骨頭にまたがる領域に対応する部分の多くが、略U字状部分に囲まれた相対的に柔らかい部分で占められる結果となる。このため、足の屈曲に沿って、インソールの第一中足骨頭と第五中足骨頭にまたがる領域に対応する部分付近(図4A(c)の網掛け部分)が折れ曲がりやすくなる。
【0030】
(硬度が不連続に変化することの効果2)
これに対して、図4A(a)で示した従来のインソール(0401a)の形状の変化を観察すると、インソールは特定の部分で折れ曲がりやすいという構造にはない。特に、インソールが厚く、または硬く、折れ曲がりにくい場合には、靴(0404)が脱げてしまう場合や、脱げないまでも靴内底面と足裏との間に必要以上に大きな空間があいてしまう場合もある。したがって、図4A(a)及び図4A(b)に示されるように、従来のインソールと本実施形態のインソールとの両者を比較すると、本実施形態のインソールの方が、足裏の形状の変化に応じた適切な位置で折れ曲がるために、歩行・走行しやすい。
【0031】
また、本実施形態のインソールをある程度の高さのヒールがある靴に入れる場合には、靴の内底面自体がつま先側から踵側に向かって大きく上向きに曲がるので、境界部分で屈曲することによりヒールのある靴の内底面にインソールが倣いやすくなる。
【0032】
(硬度が不連続に変化することの効果3)
次に、歩行・走行時に方向転換をする場合など、斜めに体を傾ける場合について図4Bを用いて説明する。図4Bは、本実施形態のインソールの使用時の形状の変化を説明するための他の図である。(d)は平面概念図、(e)はインソールが斜めに折れ曲がった状態を説明するための図である。本実施形態のインソールは、前述のとおり、略U字状部分と、略U字状部分に囲まれる部分との境界付近で折れ曲がりやすい。例えば図4B(d)(e)で示した0405の点線に沿って折れ曲がりやすい。図4B(e)では、踵側部分付近が持ち上がり、かつ、踵側部分付近が足の左側方向に(この図においては手前側に)斜めに折れ曲がった状態が示されている。
【0033】
このように斜めに折れ曲がることの効果は、以下のとおりである。斜めに体を傾ける場合には、足裏も斜めに折れ曲がる。具体的には、左へ曲がるために左側方向に体を傾ける場合には、右足は、第一中足骨頭付近を基点として踵が左側方向へ斜めに持ち上げられ、第五中足骨頭部分付近が先に地面から離れることとなり、全体として斜めにねじれた形状となる。そこで、この形状の変化にあわせて、インソールも斜めに折れ曲がることとすれば、歩行・走行がしやすい。なお、右へ曲がるために右側方向に体を傾ける場合も同様である。
【0034】
(硬度が不連続に変化する構成 :不連続な継ぎ目がない場合)
硬度が不連続に変化する構成の一例としては、硬度が不連続に変化する境界がインソールの表面(足裏側)又は/及び裏面(靴底側)に現れている例を挙げることができる。しかし、硬度が不連続に変化する境界は、必ずしもインソールの表面や裏面に現れている必要はなく、インソールの表面にも裏面にも現れない、インソールの内部にのみ設けられるものであってもよい。たとえば、インソールの内部では硬度が不連続に変化するが、それが表面にも裏面にも現れないような構成である。具体的には、インソールを複数層とし、裏面層と表面層は連続的に硬度が変化し、中間層の全部又は一部で硬度が不連続に変化する例を挙げることができる。つまり、「硬度が不連続に変化する構成」は、硬度が不連続に変化する境界で隣接するインソールの部分を異なる硬度とすることで実現できるが、インソールの厚み方向でも硬度が変化する場合には、厚み方向の各所の硬度の中で一部でも隣接するインソールの部分と硬度が不連続に変化していれば、本件発明にいう「硬度が不連続に変化する」構成であるといえる。
【0035】
(硬度が不連続に変化する構成 :硬度が不連続に変化する構成のパターン)
具体的には次の4つの類型に分類できる。まず、硬度を不連続に変化させる構成がインソールの表面に現れるパターン、次に、硬度を不連続に変化させる構成がインソールの裏面に現れるパターン、さらに、硬度を不連続に変化させる構成がインソールの厚み方向中間に現れるパターン、最後に、硬度を不連続に変化させる構成がインソールの表面と裏面に現れるが中間層には現れないパターン(即ち、中間層は連続的に硬度が変化するパターン)である。なお、類型はこの4つであるが、「硬度が不連続に変化する構成」はこれに限定されず、これらにさらに、硬度が不連続に変化する部分と、硬度が連続して変化する部分がインソール厚み方向中間にて組み合わされて備えられている場合も含まれる。
【0036】
なお、略U字状部分と、この略U字状部分に囲まれる部分との境界の全部において、硬度が不連続に変化する必要はなく、境界の一部において硬度が不連続に関する場合も含まれる。また、略U字状部分と、この略U字状部分に囲まれる部分との境界に断続的に硬度が不連続に変化する部分が形成されていても良い。
【0037】
(硬度を不連続に変化させる構成:不連続な継ぎ目を用いる場合)
また、硬度の変化が不連続であるとの構成を実現する際、略U字状部分(0402)と、略U字状部分に囲まれる部分(0403で示した斜線の部分)との境界(硬度が不連続に変化する境界)は、略U字状部分と、この略U字状部分に囲まれる部分の不連続な継ぎ目であっても良い。この場合は、不連続な継ぎ目によってインソールが変形しやすく、足裏の形状の変化にあわせたインソールの形状の変化を実現することが、さらに可能となる。
【0038】
「不連続な継ぎ目」とは、継ぎ目が連続していない(一体化していない)場合をいう。例えば、インソールを上から観察した場合に、略U字状部分と、この略U字状部分に囲まれる部分との間に僅かな隙間や切れ目があるといった場合である。また、断面形状を観察した場合、「不連続な継ぎ目」は、細い溝であっても良いし、単なる切れ込みであっても良い。細い溝である場合には、溝の形状がU字状でもV字状でも良い。図4Cは、不連続な継ぎ目の一例を説明するための図であり、平面図(f)におけるA1−A2断面図(g)、B1−B2断面図(h)を示したものである。不連続な継ぎ目は、図4C(g)のように、わずかな隙間を空けて、細いV字状の溝が設けられていても良いし、図4C(h)のように、単なる切れ込みであっても良い。
【0039】
(硬度が不連続に変化する構成 具体例:不連続な継ぎ目)
不連続な継ぎ目の構成は、前述した硬度が不連続に変化する構成に準じて構成することができる。例えば、不連続な継ぎ目がインソールの表面又は/及び裏面に現れている例や、インソールの内部に溝や切れ込みが設けられるが、それが表面にも裏面にも現れないような構成などが考えられる。また、隣接する部分が同じ硬度を有している場合も、不連続な継ぎ目部分で硬度が不定の状態になるので本件発明にいうところの硬度が不連続に変化する構成といえる。
【0040】
(不連続な継ぎ目が構成されることによるその他の効果)
【0041】
不連続な継ぎ目が裏面に現れる場合には、継ぎ目が足裏に触れることによる違和感は生じない。あるいは、不連続な継ぎ目が表面に現れる場合には、靴を脱いだときなどに、インソールの境界が見えるので、例えば境界部分を境にしてインソールの色を異なる色としたり、境界近傍の色を他の部分の色と異なる色として境界を強調することなどによりデザイン性を向上させることができる。なお、インソールの表面にソフトな素材を貼れば、不連続な継ぎ目が足裏に触れることによる違和感は生じないし、かつ、このソフトな素材を透明な材料で構成すれば、デザイン性を損なうこともない。
【0042】
また、このように、略U字状部分と、この略U字状部分に囲まれる部分との境界が不連続な継ぎ目である場合は、不連続な継ぎ目の部分が広がったり、狭まったりと変化するので、インソールが境界付近で、変形しやすく、足裏の形状の変化にあわせたインソール形状の変化を実現することが、さらに可能となる。
【0043】
なお、略U字状部分と、この略U字状部分に囲まれる部分との境界の全部が不連続な継ぎ目である必要はなく、上記の効果を奏する限り、境界の一部が不連続な継ぎ目である場合も含まれる。また、不連続な継ぎ目が境界に断続的に形成されていても良い。
<実施形態1:効果>
【0044】
本実施形態のインソールは、しっかりと足を支えることができ、また足裏の形状の変化に対応して折れ曲がりやすいため、歩行・走行しやすく、履き心地が良い。
<<実施形態2>>
<実施形態2:概要>
【0045】
本実施形態のインソールは、実施形態1を基本としつつ、さらに、略U字状部分によって囲まれる部分の形状に特徴を有する。すなわち、足裏のへこみ対応部分の全部又は一部は、略U字状部分のうち隣接している部分よりも相対的にやわらかくかつ相対的に厚くなるように構成されているので、足の第二及び第三中足骨付近を適度な力で支えて荷重を分散することができる。
<実施形態2:構成>
【0046】
本実施形態のインソールは、「略U字状部分」と、「略U字状部分によって囲まれる部分」とからなる。本実施形態のインソールにおいて、前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部は、前記略U字状部分のうち隣接している部分よりも相対的にやわらかくかつ相対的に厚くなるように構成されている。「前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部」は、実施形態1において説明した、「略U字状部分で囲まれている、第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部」である。略U字状部分の構成については、実施形態1において説明したところと同様であるので、説明を省略する。
【0047】
「略U字状部分のうち隣接している部分」は、略U字状部分の中で、略U字状部分によって囲まれている第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分に隣接している部分である。図2(b)では、第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分は、0209の点線で囲まれた部分に対応する部分である。また、略U字状部分は、0206で示した略U字状の踵側部分をいう。「略U字状部分のうち隣接している部分」は、0208の点線で囲まれた斜線の部分である。この形状について、さらに説明する。
【0048】
図3は、本実施形態のインソールの一例の断面の様子を示す図である。1番はつま先側の断面で、番号が大きくなるにつれて踵側の断面を示している。なお、この図は、本実施形態のインソールを等間隔に切断してその切断面を写真撮影して作成したものである。したがって、特に写真の奥行き方向(つま先方向)へ向かってインソールが厚くなっている場合には、インソールの切断面だけでなくインソールの表面が見えている場合がある。
【0049】
図3において、14番付近が、「略U字状部分のうち隣接している部分」(図2(b)において0208の点線で囲まれた斜線の部分)に該当する。14番で示す切断面の中で、「略U字状部分のうち隣接している部分」付近の形状を斜線で示した。10番から13番までにかけて、略U字状部分によって囲まれる部分(点線で囲まれた部分)付近の形状を観察すると、14番の斜線で示した部分の形状に比べて、相対的に厚く構成されている。このように、「略U字状部分のうち隣接している部分」に比べて、略U字状部分によって囲まれる部分は、相対的にやわらかくかつ相対的に厚く構成されている。
<実施形態2:効果>
【0050】
本実施形態のインソールにより、足裏のへこみに生じる空間を埋めて、足の第二中足骨頭及び第三中足骨頭付近にかかる圧力を分散させることができる。足の第二中足骨頭及び第三中足骨頭付近は、歩行・走行の足蹴りだし時に大きな荷重のかかる部分であり、この部分にかかる圧力を分散させることで履き心地をさらに向上させることができる。
【0051】
また、第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を適度な力で支え、履き心地をさらに向上させることができる。
<<実施形態3>>
<実施形態3:概要>
【0052】
本実施形態のインソールは、実施形態2を基本としつつ、さらに、足裏の第二第三中足骨の中間あたりが最も厚くなるように構成することで、特に、足の第二及び第三中足骨付近を適度な力で支えて荷重を分散させる効果が高い。
<実施形態3:構成>
【0053】
本実施形態のインソールは、「略U字状部分」と、「略U字状部分によって囲まれる部分」とからなり、前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部は、前記略U字状部分のうち隣接している部分よりも相対的にやわらかくかつ相対的に厚くなるように構成されている。略U字状部分の構成については、実施形態1において説明したところと同様であるので、説明を省略する。また、「前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部は、前記略U字状部分のうち隣接している部分よりも相対的にやわらかくかつ相対的に厚く」構成されている点については、以下で述べる点を除き、実施形態2において説明したところと同様であるので説明を省略する。本実施形態のインソールはさらに、前記相対的にやわらかくかつ相対的に厚くなるように構成されている前記足裏のへこみ対応部分は、足裏の第二第三中足骨の中間あたりに対応する部分が最も厚くなるように配置されている。
【0054】
「足裏の第二第三中足骨の中間あたり」とは、足裏の第二中足骨と第三中足骨をそれぞれ長さ方向に見た場合の中間あたりであり、具体的には、図2(a)(b)において点線で囲まれた0207の部分である。
<実施形態3:効果>
【0055】
足の第二中足骨頭及び第三中足骨頭付近は、歩行・走行の足蹴りだし時に大きな荷重のかかる部分であることから、この部分から見て踵側にある足裏の第二第三中足骨の中間あたりの足裏のへこみ部分を適度な力で支えることにより、履き心地をさらに向上させることができる。
<<実施形態4>>
<実施形態4:概要>
【0056】
本実施形態は、実施形態1から3のインソールを、スポンジ素材により製造するための製造工程に関する。前述のとおり、スポンジを押圧して本実施形態のインソールを製造する際、圧縮前のスポンジの厚さの分布、スポンジの質の分布、スポンジの圧縮率の分布を調整することによって、圧縮後の製品であるインソールの厚さの分布、硬度の分布をコントロールすることができる。そこで、本実施形態のインソールの製造工程では、適切な質又は/及び厚みのスポンジをインソール型の平面内に適切に配置することにより、成型されたスポンジの硬度及び厚みを適切に分布させた実施形態1から3のインソールを製造できる。
<実施形態4:構成>
【0057】
本実施形態のインソールの製造工程は、スポンジ配置工程と、スポンジ成型工程とを有する。
<スポンジ配置工程>
【0058】
スポンジ配置工程は、押圧面が靴内底面の全部又は一部の形状に対応する雌金型に、靴内底面の全部又は一部に対応する押圧面の位置に応じて質又は/及び厚さが異なるスポンジを配置する工程である。
【0059】
本実施形態のインソールの製造方法における金型とスポンジとを説明する。
【0060】
押圧面が靴内底面の全部又は一部の形状に対応している雌金型へのスポンジの配置方法は、実施形態1から3までに記載したインソールの構成を実現し得るようにされる。
【0061】
「スポンジ」は、本実施形態においては、合成樹脂発泡体をいう。
【0062】
「厚さ」とは、雌金型の上にスポンジを配置したときの押圧面から垂直方向への厚さである。
【0063】
厚さが異なるスポンジを配置する際には、配置するスポンジを加工して、部分的に厚みが異なることとしても良いし、あるいは、同一厚のスポンジを部分的に積層することにより、部分的に厚みが異なることとしても良い。
【0064】
「質」とは、スポンジの硬度、色、触り心地などが異なるという意味である。合成樹脂の種類や合成樹脂材料の配合を異ならせることにより実現可能である。あるいは、合成樹脂の種類や合成樹脂材料の配合が同一であっても低密度のスポンジを圧縮して高密度とすることにより、相対的に硬度を変えて作製しても良い。前述のように厚さが異なる構成とするために、スポンジを部分的に積層する場合には、合成樹脂の種類は同一であるほうが、成型時に密着しやすいので好ましい。
【0065】
なお、雌金型に載せたスポンジの上に、部分的にスポンジを配置しても良いが、この上下の関係は限定されず、配置されたスポンジをさらに覆うようにスポンジを積層することとしても良い。
<スポンジ成型工程>
【0066】
スポンジ成型工程は、雄金型と前記雌金型との間で前記スポンジを押圧することにより、スポンジを成型する工程である。
【0067】
雌金型に対応する面形状で靴内底面の全部または一部と同じ形状である雄金型は、前記雌金型との間で前記スポンジを押圧する機能を有する。例えば、金型を十分に加熱し、熱可塑性樹脂からなるスポンジを雌金型と雄金型との間で圧縮することで、スポンジを成型することができる。
【0068】
前述のとおり、押圧される前のスポンジは、靴内底面の全部又は一部に対応する押圧面の位置に応じて質又は/及び厚さが異なるように配置されているので、部分的に圧縮率が異なることとなる結果、成型されたスポンジの硬度が部分的に異なることとなる。具体的には、相対的に厚い部分が、高圧縮率となるので、相対的に硬くなるといった具合である。
<実施形態4:効果>
【0069】
本発明のインソールの製造方法により、部分的に硬度が異なるインソールを短時間で安価に製造することができる。
<<実施形態5>>
<実施形態5:概要>
【0070】
本実施形態のインソールの製造方法は、実施形態4を基本としつつ、前記雌金型と前記雄金型との間の距離が、前記押圧の際に靴内底面に対応する金型の押圧面の位置に応じて異なる点に特徴を有する。本発明のインソールの製造方法により、実施形態1から3において説明したような、対応する足裏の位置に応じて適した形状(厚み)を有するインソールを製造することができる。さらに、実施形態4と組み合わせることで、実施形態1から3において説明したような、対応する足裏の位置に応じて適した形状(厚み)と硬さを有する様々なインソールを製造することができる。
<実施形態5:構成>
【0071】
本実施形態のインソールの製造工程は、スポンジ配置工程と、スポンジ成型工程とを有する。スポンジ配置工程及びスポンジ成型工程については、以下で述べる点を除き、実施形態4で述べたところと同様であるので、説明を省略する。本実施形態のインソールの製造方法は、さらに、前記雌金型と前記雄金型との間の距離が、前記押圧の際に靴内底面に対応する金型の押圧面の位置に応じて異なる点に特徴を有する。
(前記雌金型と前記雄金型との間の距離)
【0072】
前記雌金型と前記雄金型との間の距離とは、各金型の対向する押圧面の間の距離である。
【0073】
「前記押圧の際に靴内底面に対応する金型の押圧面の位置に応じて異なる」とは、雄金型と雌金型との間にできる空間高さを押圧面の位置に応じて変化することをいう。たとえば、平坦な押圧面を有する雌金型に対して、雄金型の押圧面に足の各部分の凹凸に対応して、凸凹を設けるといった具合である。
(金型間距離の構成の一例)
【0074】
例えば、第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を踵側から囲む略U字状に金型間距離の大きい部分を設けることで、第一の発明のインソールの一例である、略U字状の部分が相対的に厚いインソールを製造することができるといった具合である。
(金型間距離の構成の他の一例)
【0075】
本実施形態のインソールの製造方法は、さらに、前記押圧の際の金型間距離は、前記第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部にてその境界近辺での金型間距離よりも大きくなっていても良い。
【0076】
金型間距離は、前記雌金型と前記雄金型との間の距離である。押圧されるスポンジの厚さが同じであれば、金型間距離が大きいほうが圧縮率が低くなるので柔らかくなる。
【0077】
したがって、押圧の際の金型間距離について、前記第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部にてその境界近辺での金型間距離よりも大きくなっている場合には、第二の発明のように、足裏のへこみ対応部分の全部又は一部はその境界付近部分よりも相対的にやわらかくかつ相対的に厚く構成されたインソールを製造することができる。
<実施形態5:効果>
【0078】
本実施形態のインソールの製造方法により、履き心地の良いインソールを短時間で安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施形態1のインソールの一例を示す図
【図2】実施形態1のインソールについてインソールと足との位置関係を説明するための図
【図3】実施形態2のインソールの一例の断面の様子を示す図である
【図4A】実施形態1のインソールの使用時の形状の変化を説明するための図
【図4B】実施形態1のインソールの使用時の形状の変化を説明するための他の図
【図4C】実施形態1のインソールの不連続な継ぎ目の一例を説明するための図
【符号の説明】
【0080】
略U字状部分 0101、0402
略U字状部分に囲まれる部分 0102、0403
足 0201
第二中足骨頭 0202
第三中足骨頭 0203
第二及び第三中足骨頭対応部分 0204
足裏のへこみ 0205
足裏の第二第三中足骨の中間あたり 0207
略U字状部分のうち隣接している部分 0208
第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分 0209
従来のインソール 0401a
本件発明のインソール 0401b
靴 0404
インソールの折れ曲がりやすい位置を示す点線 0405

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第二及び第三中足骨頭対応部分から見て踵側にある足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を踵側から囲む略U字状部分を有し、この略U字状部分は、これによって囲まれる部分よりも相対的に硬く又は/及び相対的に厚くなるように構成したインソールであって、
前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部を囲む略U字状部分と、この略U字状部分によって囲まれる部分との境界をまたいで硬度が不連続に変化するインソール。
【請求項2】
前記足裏のへこみ対応部分の全部又は一部は、前記略U字状部分のうち隣接している部分よりも相対的にやわらかくかつ相対的に厚くなるように構成した請求項1に記載のインソール。
【請求項3】
前記相対的にやわらかくかつ相対的に厚くなるように構成されている前記足裏のへこみ対応部分は、足裏の第二及び第三中足骨の中間あたりに対応する部分が最も厚くなるように配置される請求項2に記載のインソール。
【請求項4】
前記硬度が不連続に変化する境界は、略U字状部分と、この略U字状部分に囲まれる部分の不連続な継ぎ目である請求項1から3のいずれか一に記載のインソール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2013−48822(P2013−48822A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189676(P2011−189676)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(591025901)株式会社村井 (18)
【Fターム(参考)】