説明

硬貨包装装置

【目的】 ロール状に集積された硬貨の上端部および下端部から突出するように形成して、加締められた包装硬貨ロールのできる硬貨包装装置を提供する。
【構成】 金種設定ダイヤル80と、包装用フィルム幅検出機構70と、所定枚数の集積硬貨に、包装用フィルム11を巻回する包装ローラ7と、集積硬貨を、上面で支持する硬貨支持ポスト9と、硬貨支持ポスト9を、移動させる硬貨支持ポスト移動機構40とを備えた硬貨包装装置1において、硬貨支持ポスト9包装位置における鉛直方向の位置を調整可能な包装位置設定機構20と、包装すべき硬貨の金種と、包装用フィルム11の幅とに基づいて、硬貨支持ポスト9により支持された集積硬貨15の鉛直方向の中央部と、包装用フィルム11の幅方向の中央部とが一致するように、包装位置設定手段20を駆動するコントロールユニット85を備えている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬貨包装装置に関するものであり、さらに詳細には、ロール状に集積された所定枚数の硬貨の上端部および下端部から、所定の幅で、かつ、同一の幅の包装用フィルムの加締め部分が突出して、残されるように、集積硬貨を包装することのできる硬貨包装装置に関するものである。
【0002】
【先行技術】一般に、硬貨包装装置においては、所定枚数の硬貨を、硬貨集積装置により、集積し、集積されたロール状の硬貨に、包装用フィルムを巻回して、集積されたロール状の硬貨の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルムの部分を加締めて、包装硬貨ロールを生成するように構成されているが、硬貨の厚みは、通常、硬貨の金種より異なるため、金種が異なると、包装すべき集積された硬貨の高さが異なり、その結果、金種に応じて、集積された硬貨の鉛直方向の位置と包装用フィルムの幅方向の位置との相対的関係を調整しないと、ロール状に集積された所定枚数の硬貨に、包装用フィルムを巻回した後、硬貨の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルムの部分の幅が異なって、所望のように、加締められた包装硬貨ロールを得ることができないという問題があった。そこで、実公昭58−56165号公報は、幅が一定の包装用フィルムを用いて、集積された硬貨を包装する際、金種を選択するダイヤルを操作して、包装すべき集積された硬貨の鉛直方向における中央部と、包装用フィルムの幅方向における中央部が一致するように、集積された硬貨の位置を鉛直方向に移動させる硬貨包装装置を提案している。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、この硬貨包装装置においては、集積された硬貨の位置を鉛直方向に移動させるカムのカムプロファイルが、2種類の金種に対してのみ、集積された硬貨の位置を所望のように設定し得るように形成されているため、包装が必要なすべての金種の硬貨を、集積された硬貨の鉛直方向の中央部が、包装用フィルムの幅方向の中央部と一致するように位置させて、包装することができず、したがって、所望のように、硬貨を包装することができないという問題があった。さらには、幅が一定の包装用フィルムに対してのみ、集積された硬貨の鉛直方向の位置を設定するように構成されているため、包装する硬貨の厚みにより、集積された硬貨の鉛直方向の中央部が、包装用フィルムの幅方向の中央部と一致するように、位置させても、集積硬貨の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルムの部分の幅が大きすぎたり、あるいは、小さすぎたりすることがあり、所望のように、硬貨の包装をすることができない場合があるという問題もあった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、厚みの異なる種々の硬貨を包装する場合にも、また、種々の幅の包装用フィルムに対しても、所望の等しい幅の包装用フィルムの加締め部分を、ロール状に集積された所定枚数の硬貨の上端部および下端部から突出するように残されることを保証して、所望のように、加締められた包装硬貨ロールを得ることのできる硬貨包装装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【発明の構成】本発明のかかる目的は、操作者により操作され、包装すべき硬貨の金種を設定する金種設定手段と、包装用フィルムの幅を検出する包装用フィルム幅検出手段と、包装すべき硬貨を集積する硬貨集積手段と、集積された所定枚数の硬貨に、前記包装用フィルムを巻回して、包装する複数の包装ローラと、集積された硬貨を、その上面で支持する硬貨支持手段と、該硬貨支持手段を、集積された硬貨を受け取る待機位置、前記包装ローラにより、集積された硬貨を包装する包装位置および包装位置から退避した退避位置との間で移動させる硬貨支持手段移動機構とを備えた硬貨包装装置において、前記硬貨支持手段の前記包装位置における鉛直方向の位置を無段階的に調整可能な包装位置調整手段と、前記金種設定手段により設定された包装すべき硬貨の金種と、前記包装用フィルム幅検出手段により検出された前記包装用フィルムの幅とに基づいて、前記包装位置において、前記硬貨支持手段により支持された集積硬貨の鉛直方向の中央部と、前記包装用フィルムの幅方向の中央部とが一致するように、前記包装位置調整手段を駆動する制御手段を備えた硬貨包装装置によって達成される。
【0006】本発明の好ましい実施態様においては、硬貨包装装置は、さらに、硬貨の金種毎の集積された硬貨を包装可能な前記包装用フィルムの幅のデータを記憶するフィルム幅データ記憶手段および警告手段を備え、前記制御手段が、前記金種設定手段により設定された包装すべき硬貨の金種に対応する前記包装用フィルムの幅のデータを、前記フィルム幅データ記憶手段から読み出して、前記金種設定手段により設定された金種および前記包装用フィルム幅検出手段により検出された前記包装用フィルムの幅とに基づいて、前記金種設定手段により設定された金種の硬貨が、前記包装用フィルムにより包装可能か否かを判定し、包装可能でないと判定したときは、前記警告手段に警告信号を出力して、警告を発せさせるように構成されている。本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記フィルム幅データ記憶手段が、硬貨の金種毎に、前記包装用フィルムの幅のデータとして、包装可能なフィルム幅の最大値および最小値を記憶しており、前記制御手段が、前記金種設定手段により設定された硬貨の金種と前記包装用フィルム幅検出手段により検出された前記包装用フィルムの幅とに基づいて、前記包装用フィルムの幅と包装すべき集積硬貨の高さとの差を算出して、前記金種設定手段により設定された金種の硬貨が、前記包装用フィルムにより包装可能か否かを判定するように構成されている。
【0007】本発明のさらに他の実施態様においては、前記フィルム幅データ記憶手段が、硬貨の金種毎に、前記包装用フィルムの幅のデータとして、前記包装用フィルムの幅と、前記金種設定手段により設定された金種の硬貨の高さとの差の最大許容値および最小許容値を記憶しており、前記制御手段が、前記包装用フィルム幅検出手段により検出された前記包装用フィルムの幅と前記金種設定手段により設定された包装すべき硬貨の金種とに基づいて、前記包装用フィルムの幅と包装すべき集積硬貨の高さとの差を算出し、その差と、前記最大許容値および最小許容値とを比較することによって、前記金種設定手段により設定された金種の硬貨が、前記包装用フィルムにより包装可能か否かを判定するように構成されている。
【0008】
【発明の作用】本発明によれば、硬貨包装装置は、硬貨支持手段の包装位置における鉛直方向の位置を無段階的に調整可能な包装位置調整手段と、金種設定手段により設定された包装すべき硬貨の金種と、包装用フィルム幅検出手段により検出された包装用フィルムの幅とに基づいて、包装位置において、硬貨支持手段により支持された集積硬貨の鉛直方向の中央部と、包装用フィルムの幅方向の中央部とが一致するように、包装位置調整手段を駆動する制御手段を備えているので、種々の厚みの硬貨を包装する場合に、つねに、集積された硬貨の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルムの部分の幅を等しく設定することが可能になる。本発明の好ましい実施態様によれば、硬貨包装装置は、さらに、さらに、硬貨の金種毎の集積された硬貨を包装可能な包装用フィルムの幅のデータを記憶するフィルム幅データ記憶手段および警告手段を備え、制御手段が、金種設定手段により設定された包装すべき硬貨の金種に対応する包装用フィルムの幅のデータをフィルム幅データ記憶手段から読み出して、金種設定手段により設定された金種および包装用フィルム幅検出手段により検出された包装用フィルムの幅とに基づいて、金種設定手段により設定された金種の硬貨が、包装用フィルムにより包装可能か否かを判定し、包装可能でないと判定したときは、警告手段に警告信号を出力して、警告を発せさせるように構成されているから、操作者は、包装用フィルムの幅が、金種設定手段により、設定された金種の硬貨を所望のように包装することができないときは、包装用フィルムを、交換して、集積硬貨の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルムの部分の幅が、種々の厚みの硬貨を包装する場合に、つねに、等しく、かつ、所望の長さになるように、設定することが可能になり、所望の包装硬貨ロールを得ることができる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の実施例にかかる硬貨包装装置の略斜視図である。図1において、硬貨包装装置1は、硬貨を投入するホッパー2と、ホッパー2に投入された硬貨を、回転円板3上に搬送する搬送ベルト4と、回転円板3に接続され、硬貨の径に応じて、包装すべき硬貨を選別する硬貨選別通路5と、硬貨選別通路5の下流部に接続され、その間に、硬貨を集積する一対の集積ドラム6と、一対の集積ドラム6の下方に位置する三本の包装ローラ7を備えている。硬貨包装装置1のこれらの構造は、周知のものと同様であり、一対の集積ドラム6は、その外表面に、硬貨を、その上面で支持するらせん状突起8が形成され、所定枚数の硬貨が、一対の集積ドラム6の間に集積されると、集積された硬貨は、一対の集積ドラム6の下方に位置しているシャッタ(図示せず)上に移送され、その後、シャッタの直下に待機している移動可能な硬貨支持ポスト9の上面に受け渡されて、硬貨支持ポスト9の下降により、三本の包装ローラ7の間の包装位置に送られ、包装用フィルムロール10から供給された紙、プラスチックなどからなる包装用フィルム11により、巻回される。ここに、包装用フィルム11の幅は、集積された硬貨の高さよりも大きいため、集積硬貨が包装された後、包装用フィルム11が巻回された集積硬貨の上端部および下端部から突出して、残されており、これらの部分が、一対の加締爪(図示せず)により加締められて、包装硬貨ロールが生成され、シュート12から外部へ送り出されるように構成されている。図1において、参照番号13は、集積硬貨のガイドである。
【0010】本実施例にかかる硬貨包装装置1は、包装すべき硬貨の金種にしたがって、硬貨支持ポスト9により支持された集積硬貨の鉛直方向の位置を調整して、所望に包装位置において包装がなされるように設定する包装位置設定機構、硬貨支持ポスト9を、集積ドラム6により集積された硬貨を受け取る待機位置、包装ローラ7による包装および加締爪(図示せず)による包装用フィルム11の加締めが実行される包装位置および包装位置の下方の退避位置の間で移動させる硬貨支持ポスト移動機構、包装用フィルム11の幅を検出する包装用フィルム幅検出機構、包装位置設定機構、硬貨支持ポスト移動機構および駆動手段(図示せず)を制御する制御機構、操作者によって操作される操作機構および操作者に必要な情報を報知する報知機構を備えている。図2は、包装位置設定機構および硬貨支持ポスト移動機構の略側面図であり、図3は、図2のA−A線に沿った略断面図、図4R>4は、図2のB−B線に沿った略断面図である。図2、図3および図4において、包装位置設定機構20は、その一端部が、硬貨包装装置1の本体(図示せず)に回転可能に取付けられた軸21と、軸21に固定されたブロック22と、軸21まわりに揺動可能に取付けられたアーム23を備えており、ブロック22とアーム23は、アーム23に形成された長孔24に挿通されたねじ25により、互いに固定可能に構成されるとともに、図2に示されるように、アーム23の張出し部23aに形成された孔26に挿通され、ブロック22の右側面に当接する調整用ねじ27により、アーム23が、ブロック22に対して、相対的な回転移動が可能に構成されている。アーム23の張出し部23aには、その一端部が、硬貨包装装置1の本体に取付けられた引張りスプリング28の他端部が取付けられており、アーム23は、図2において、軸21まわりに、時計方向に付勢されている。
【0011】アーム23には、カムファロア29が回転自在に取付けられており、他方、モータ30によって、回転されるカム軸31に固定された第1カム32が設けられており、カムファロア29は、引張りスプリング28のスプリング力によって、第1カム32のカム面に当接している。第1カム32のカム面は、インボリュート曲線状のプロファイルを有している。カム軸31は、ロータリーエンコーダー(図示せず)に連結されており、第1カム32の回転量は、このロータリーエンコーダーによって、モニター可能になっている。図2および図4に示されるように、軸21の他端部には、第2カム33が固定されており、第2カム33は、溝状のカム面を有している。本実施例において、包装位置設定機構20は、一対の集積ドラム6により、ロール状に集積された硬貨15を包装ローラ7により包装する際の包装位置が、集積硬貨15の鉛直方向の中央部が、包装用フィルム11の幅方向の中央部と一致するように、設定するものである。また、本実施例にかかる硬貨包装装置1の硬貨支持ポスト移動機構40は、硬貨支持ポスト9を、シャッタ(図示せず)の直下の待機位置から、三本の包装ローラ7の間の包装位置へ移動させて、その上面で支持している集積硬貨15の包装および加締爪(図示せず)による包装用フィルム11の上縁部および下縁部の加締めが完了した後、三本の包装ローラ7の間から下方に退避した退避位置に移動させ、さらに、硬貨支持ポスト9を待機位置へ移動させるように構成されている。
【0012】硬貨支持ポスト移動機構40は、図3に示されるように、その一端部に、硬貨支持ポスト9が固定され、その他端部が、ブロック41を介して、軸42に揺動可能に支持されたアーム43を備えている。図2に示されるように、ブロック41は、軸42に、鉛直方向に移動可能に支持されるとともに、その下面に、溝44が形成されている。ブロック41の溝44には、伝動部材45の一端部に回転自在に取付けられたローラ46が係合している。伝動部材45は、二つのアーム47、アーム48を備え、アーム47およびアーム48は、それぞれ、軸49に、揺動可能に取付けられている。アーム47およびアーム48の間には、引張りスプリング50、51が取付けられ、所定以上の荷重が、伝動部材45に加わったときは、アーム47、アーム48が、軸49まわりに揺動して、その荷重を吸収し、その他の場合には、アーム47およびアーム48が一体の部材として、機能するように構成されている。アーム48は、軸52に、揺動可能に取付けられ、軸52には、アーム53が揺動可能に取付けられている。アーム48の軸52に対して、軸49と反対側の端部には、カムファロア54が、回転自在に取付けられており、カムファロア54は、第2カム33の溝状のカム面に当接している。
【0013】また、アーム53は、硬貨包装装置1の本体(図示せず)に固定された軸55に、揺動可能に取付けられており、アーム53の長さ方向のほぼ中央部には、カムファロア56が回転自在に取付けられている。カムファロア56は、第3カム57に当接している。第3カム57は、モータ58により回転可能なカム軸59に固定されている。第3カム57は、一回転することによって、そのカム面に当接するカムファロア56、伝動部材45、ローラ46、ブロック41およびアーム43を介して、硬貨支持ポスト9を、シャッタ(図示せず)の直下の待機位置から、三本の包装ローラ7の間の包装位置、三本の包装ローラ7の間から下方に退避した退避位置、さらには、待機位置へ移動可能なカムプロファイルを有している。図5は、本実施例にかかる硬貨包装装置1の包装用フィルム幅検出機構70の略側面図である。図5を参照すると、円筒部材65に、紙、プラスチックなどからなる包装用フィルム11が巻かれた包装用フィルムロール10は、ターンテーブル66上に、ターンテーブル66の表面に固定された円筒部材67が、包装用フィルムロール10の円筒部材65内に嵌め込まれるように、載置されている。
【0014】図5に示されるように、本実施例にかかる硬貨包装装置1の包装用フィルム幅検出機構70は、軸71と、鉛直方向に移動可能に、軸71に取付けられたブロック72と、ブロック72に一端部が固定され、他端部が、包装用フィルムロール10の上縁部に当接可能な検出レバー73を備えている。ブロック72の検出レバー73の反対側には、ラック74が固定され、ラック74には、その軸75がロータリーエンコーダー76に連結されたピニオン77が噛合している。したがって、検出レバー73が、ターンテーブル66の上面に当接している時のロータリーエンコーダー76の値を包装用フィルム11の幅が0として設定しておけば、軸71に沿って、検出レバー73の鉛直方向の移動量を、ロータリーエンコーダー76によって検出することにより、包装用フィルム11の幅を検出することが可能になる。図6は、本発明の実施例にかかる硬貨包装装置1の包装位置設定機構20および硬貨支持ポスト移動機構40を制御する制御機構、操作機構、検出機構、駆動機構ならびに報知機構のブロックダイアグラムである。図6において、本発明の実施例にかかる硬貨包装装置1の操作機構は、操作者によって操作され、包装すべき硬貨の金種を指定する金種設定ダイヤル80を、検出機構は、包装用フィルム幅検出機構70を、駆動機構は、回転円板3、搬送ベルト4、硬貨選別通路5の幅を調整するモータ(図示せず)、一対の集積ドラム6の間の間隔を調整するモータ(図示せず)などを駆動する駆動手段81、モータ30およびモータ58を、報知機構は、警告音を発する警告手段82を、それぞれ、備えている。包装位置設定機構および硬貨支持ポスト移動機構を制御する制御機構は、コントロールユニット85および包装用フィルム幅データを記憶する幅データ記憶手段86を備えている。
【0015】金種設定ダイヤル80が、操作者により操作され、包装すべき硬貨の金種が設定されると、金種設定ダイヤル80は、金種設定信号を、コントロールユニット85に出力し、また、包装用フィルム幅検出機構70は、包装用フィルム11の幅を検出すると、幅検出信号を、コントロールユニット85に出力するように構成されている。幅データ記憶手段86は、ロール状に集積された硬貨15が、包装用フィルム11によって巻回されたときに、包装用フィルム11から突出して、残されている上縁部および下縁部を加締めて、所望のように包装された包装硬貨ロールを得るために必要なデータを記憶している。すなわち、本実施例においては、包装位置設定機構20によって、ロール状に集積された硬貨15を包装ローラ7により包装する際の包装位置が、集積硬貨15の鉛直方向の中央部が、包装用フィルム11の幅方向の中央部と一致するように設定されるように構成されているが、包装用フィルム11の幅と包装すべき集積硬貨15の高さとの差が、所定値未満の場合には、集積硬貨15の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルム11の部分の幅が、所定値未満になり、また、包装用フィルム11の幅と包装すべき集積硬貨15の高さとの差が、所定値を超えている場合には、集積硬貨15の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルム11の部分の幅が、所定値を超えてしまい、いずれの場合にも、包装用フィルム11を加締めて、所望のように包装された包装硬貨ロールを得ることができない。そこで、本実施例においては、包装すべき硬貨の金種に対応して、包装用フィルム11の幅と包装すべき集積硬貨15の高さとの差の最大許容値と最小許容値とが、あらかじめ定められて、幅データ記憶手段86に記憶されている。
【0016】コントロールユニット85は、金種設定ダイヤル80から入力された金種設定信号、幅データ記憶手段86から読み出した包装すべき硬貨の金種の最大許容値および最小許容値および包装用フィルム幅検出機構70から入力された幅検出信号とに基づき、包装用フィルム11の幅と、包装すべき金種の集積硬貨15の高さとの差を算出して、この値が、幅データ記憶手段86から読み出した最大許容値以下で、かつ、最小許容値以上か否かを判定することにより、ターンテーブル66上に載置されている包装用フィルムロール10を用いて、設定された金種の硬貨を、所望のように、包装することが可能か否かを判定するように構成され、ターンテーブル66上に載置されている包装用フィルムロール10を用いて、設定された金種の硬貨を、所望のように、包装することはできないと判定したときは、駆動手段81に、駆動停止信号を出力して、硬貨包装装置1の駆動を停止するとともに、警告手段82に、警告信号を出力して、警告音を発せさせ、他方、ターンテーブル66上に載置されている包装用フィルムロール10を用いて、設定された金種の硬貨を、所望のように包装することができると判定したときは、包装位置設定機構20のモータ58に駆動信号を出力して、集積硬貨15の鉛直方向の中央部が、包装用フィルム11の幅方向の中央部と一致した状態で、集積硬貨15の包装がなされるように、第1カム32を回転させるように構成されている。
【0017】以上のように構成された本発明の実施例にかかる硬貨包装装置1においては、まず、装置の初期設定が実行される。すなわち、ねじ25を緩めて、調整用ねじ27を回転させることにより、軸21およびブロック22を、アーム23に対して、相対的に回転させ、第2カム33、カムファロア54、伝動部材45、ローラ46、ブロック41、アーム43を介して、硬貨支持ポスト9を鉛直方向の位置を、待機位置が所定の位置になるように調整した後、ねじ25を締めて、ブロック22とアーム23とを固定する。こうして、初期設定が完了すると、硬貨包装装置1は、以下のようにして、硬貨の包装を開始する。まず、操作者により、金種設定ダイヤル80が操作されて、包装すべき硬貨の金種が指定されると、金種設定信号が、金種設定ダイヤル80からコントロールユニット85に入力される。コントロールユニット85は、金種設定ダイヤル80から入力された金種設定信号に基づいて、硬貨選別通路5の幅を調整するモータ(図示せず)および一対の集積ドラム6の間の間隔を調整するモータ(図示せず)に、駆動信号を出力して、硬貨選別通路5の幅を、包装すべき金種の硬貨のみが通過可能なように設定するとともに、一対の集積ドラム6の間の間隔を、包装すべき金種の硬貨が集積可能なように設定する。
【0018】同時に、コントロールユニット85は、金種設定信号に基づいて、幅データ記憶手段86から、包装すべき硬貨の金種の包装用フィルム幅の最大許容値および最小許容値とを読み出す。他方、包装用フィルム幅検出機構70は、包装用フィルムロ−ル10の上縁部に当接している検出レバー73の鉛直方向の位置を、検出レバー73が固定されているブロック72に固定されたラック74に噛合しているピニオン77の回転量をロータリーエンコーダー76によって検出することにより、検出し、幅検出信号を生成して、コントロールユニット85に出力する。コントロールユニット85は、金種設定ダイヤル80から入力された金種設定信号および包装用フィルム幅検出機構70から入力された幅検出信号に基づき、ターンテーブル66上に載置されている包装用フィルムロール10の幅と、包装すべき集積硬貨15の高さとの差を算出する。次いで、コントロールユニット85は、こうした算出した包装用フィルムロール10、すなわち、包装用フィルム11の幅と、包装すべき集積硬貨15の高さとの差が、幅データ記憶手段86から読み出した最大許容値以下で、かつ、最小許容値以上か否かを判定する。
【0019】その結果、包装用フィルム11の幅と、包装すべき金種の集積硬貨15の高さとの差が、幅データ記憶手段86から読み出した最大許容値を超えているか、あるいは、最小許容値未満のときは、ターンテーブル66上に載置されている包装用フィルムロール10を用いて、設定された金種の硬貨を、所望のように、包装することはできないので、コントロールユニット85は、駆動手段81に、駆動停止信号を出力して、硬貨包装装置1の駆動を停止するとともに、警告手段82に、警告信号を出力して、警告音を発生させる。その結果、操作者は、ターンテーブル66上に載置された包装用フィルムロール10が、包装すべき金種の硬貨を包装するのに不適当であることを知り、包装用フィルムロール10を、所望の幅の包装用フィルムロール10に交換して、硬貨の包装をおこなうことが可能になる。これに対して、包装用フィルム11の幅と、包装すべき金種の集積硬貨15の高さとの差が、幅データ記憶手段86から読み出した最大許容値以下で、かつ、最小許容値以上のときは、包装位置設定機構20により、包装位置において、集積硬貨15の鉛直方向の中央部が、包装用フィルム11の幅方向の中央部と一致するように設定すれば、ターンテーブル66上に載置されている包装用フィルムロール10を用いて、設定された金種の硬貨を、所望のように、包装することが可能であるので、コントロールユニット85は、包装位置設定機構20のモータ58に駆動信号を出力して、包装位置において、集積硬貨15の鉛直方向の中央部が、包装用フィルム11の幅方向の中央部と一致するように、包装位置設定機構20の第1カム32を回転させる。
【0020】すなわち、コントロールユニット85は、金種設定信号にしたがって、包装すべき所定枚数の集積硬貨15の鉛直方向の中央部の位置を算出するとともに、幅検出信号にしたがって、包装用フィルムロール10の幅方向の中央部の位置を算出して、さらに、算出値の差に基づいて、包装位置設定機構20の第1カム32の回転量を算出する。第1カム32の回転量が算出されると、コントロールユニット85は、モータ30に駆動信号を出力して、第1カム32を、カム軸31まわりに、算出された回転量だけ、回転させる。第1カム32が回転すると、カムファロア29が回転され、アーム23が、軸21まわりに揺動される。その結果、第2カム33が、アーム23とともに、移動して、第2カム33の溝状のカム面に当接しているカムファロア54を移動させ、伝動部材45が、軸52まわりに揺動され、ローラ46、溝44、ブロック41、アーム43を介して、硬貨支持ポスト9が、包装位置において、包装用フィルムロール10の幅方向の中央部と、包装すべき金種の集積硬貨15の鉛直方向の中央部とが一致するように、鉛直方向に移動される。
【0021】こうして、硬貨支持ポスト9の鉛直方向の位置が、包装位置において、包装用フィルムロール10の幅方向の中央部と、包装すべき金種の集積硬貨15の鉛直方向の中央部とが一致するように設定されると、硬貨の包装が開始される。ホッパー2に投入された硬貨は、搬送ベルト4により、回転円板3上に供給され、回転円板3の回転により生じた遠心力によって、一枚づつ、硬貨選別通路5内に送り出される。硬貨選別通路5内に送り出されると、周知のように、硬貨の径にしたがって、包装すべき金種の硬貨のみが選別され、一対の集積ドラム6の間に送られて、らせん状突起8の上面で支持される。一対の集積ドラム6は、硬貨をその間に受け入れるたびに、所定量だけ回転して、包装すべき所定枚数の硬貨が、その間に集積されると、集積された硬貨15を、シャッタ(図示せず)上に送る。他方、硬貨支持ポスト9は、集積ドラム6により集積された硬貨15が、シャッタ上に送られた時は、シャッタの直下の待機位置に位置し、シャッタが開かれた時に、集積された硬貨15を、その上面で受け取ることができるように移動される。
【0022】すなわち、コントロールユニット85は、硬貨選別通路5内に設けられたセンサ(図示せず)から入力された硬貨検出信号にしたがって、モータ58を駆動して、第3カム57を、図2において、反時計方向に回転させる。ここに、第3カム57のカム面には、アーム53に回転自在に取付けられたカムファロア56が当接しているので、第3カム57が回転すると、図2において、アーム53が、軸55まわりに、時計方向に揺動し、アーム53の軸52が上方に移動する。この時、伝動部材45のカムファロア54は、第3カム33の溝状のカム面により案内されるため、伝動部材45が、軸52まわりに、時計方向に揺動され、ローラ46、溝44、ブロック41、アーム43を介して、硬貨支持ポスト9が、上方方向に移動される。第3カム57のカムプロファイルは、第3カム57が一回転することにより、硬貨支持ポスト9が、シャッタの直下の待機位置、三本の包装ローラ7の間の包装位置および三本の包装ローラ7の間から下方に退避した退避位置との間を、移動するように、形成されている。図2においては、硬貨支持ポスト9が、退避位置にある状態が示されている。こうして待機位置に位置された硬貨支持ポスト9は、シャッタが開かれると、集積された硬貨15を、その上面で受け取り、支持しつつ、第3カム57の回転にしたがって、下降し、三本の包装ローラ7の間の包装位置に位置させられる。
【0023】硬貨支持ポスト9が、包装位置に達すると、コントロールユニット85は、周知のように、包装用フィルム供給ローラ(図示せず)を駆動して、ターンテーブル66上に載置された包装用フィルムロール10から包装用フィルム11を、包装ローラ7に供給し、包装ローラ7により、硬貨支持ポスト9の上面に支持された集積硬貨15の周囲に巻回させる。図7は、硬貨の包装開始時における集積硬貨15と、包装用フィルム11との関係を示す略正面図である。図7に示されるように、本実施例においては、包装すべき硬貨の金種に応じて、あらかじめ、包装位置における硬貨支持ポスト9の鉛直方向の位置が、硬貨支持ポスト9の上面に支持された集積硬貨15の鉛直方向の中央部C0が、包装ローラ7に供給された包装用フィルム11の幅方向の中央部F0と一致するように、包装位置設定機構20により定められているので、集積硬貨15の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルム11の上縁部および下縁部の幅Lは、同一である。包装ローラ7によって、包装用フィルム11が、集積硬貨15の周囲に巻回されると、加締爪(図示せず)により、集積硬貨15の上端部および下端部から、突出して、残されている包装用フィルム11の上縁部および下縁部が加締められる。本実施例においては、集積硬貨15の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルム11の上縁部および下縁部の幅Lは、同一であり、かつ、加締爪により、加締めた時、所望のように、集積硬貨15が包装されるように設定されているので、所望の包装硬貨ロールが得ることができる。
【0024】こうして、加締爪による加締め動作が、ある程度、実行されると、硬貨支持ポスト9は、三本の包装ローラ7の間から下方に移動させられ、退避位置に保持される。その後、三本の包装ローラ7が、互いに、離間するように移動され、その結果、包装硬貨ロールは、シュート12から、硬貨包装装置1の外部に取り出される。本実施例によれば、第1カム32および第2カム33のカムプロファイルを、所望のように設定することにより、種々の厚みを有する硬貨を包装する場合に、所定枚数の集積された硬貨15の鉛直方向の中央部を、包装用フィルム11の幅方向の中央部に、つねに、一致させて、集積硬貨15の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルム11の上縁部および下縁部の幅Lを同一にして、加締めることが可能になる。さらには、包装すべき硬貨の金種毎に、包装用フィルム11の幅と包装すべき集積硬貨15の高さとの差の最大許容値と最小許容値とが、あらかじめ定められて、幅データ記憶手段86に記憶されているので、(a)包装用フィルム11の幅と包装すべき集積硬貨15の高さとの差が、所定値未満で、集積硬貨15の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルム11の部分の幅が、所定値未満になる場合、および、(b)包装用フィルム11の幅と包装すべき集積硬貨15の高さとの差が所定値を超え、集積硬貨15の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルム11の部分の幅が、所定値を超えてしまう場合、いずれも、包装用フィルム11を加締めて、所望のように包装された包装硬貨ロールを得ることができない場合には、コントロールユニット85から、警告手段82に警告信号が出力されて、警告音が発せられ、したがって、操作者は、ターンテーブル66上に載置された包装用フィルムロール11を、所望の幅の包装用フィルムロール10に交換することができるので、種々の厚みの硬貨を、つねに、所望のように包装することが可能になる。
【0025】本発明は、以上の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも、本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。たとえば、前記実施例においては、集積硬貨15の上端部および下端部から突出して、残されている包装用フィルム11の部分の幅の最大許容値および最小許容値が、幅データ記憶手段86に記憶され、コントロールユニット85は、包装用フィルム幅検出機構70から入力された幅検出信号と金種設定ダイヤル80から入力された金種設定信号とに基づき、包装用フィルム11の幅と、包装すべき集積硬貨15の高さの差を算出し、こうして算出された差と、最大許容値および最小許容値とを比較して、ターンテーブル66上に載置された包装用フィルムロール10を用いて、硬貨の包装が可能か否かを判定しているが、硬貨の金種毎に、最大許容値および最小許容値を、各金種の集積硬貨の高さに加算して、最大幅許容値および最小幅許容値を、あらかじめ決定して、幅データ記憶手段86に記憶させておけば、幅データ記憶手段86から、最大幅許容値および最小幅許容値を読み出し、これらと、包装用フィルム幅検出機構70により検出された包装用フィルム11の幅とを比較することにより、包装用フィルム11の幅と、包装すべき集積硬貨15の高さの差を算出することなく、ターンテーブル66上に載置された包装用フィルムロール10を用いて、設定された金種の硬貨の包装が可能か否かを判定することもできる。
【0026】さらに、前記実施例においては、包装すべき硬貨の金種を、金種設定ダイヤル80により、設定しているが、操作部に、金種毎のボタンを設けておいて、包装すべき金種の硬貨を、ボタンを操作することによって、設定してもよく、さらには、硬貨の金種別枚数を計数する計数手段を設けるとともに、計数された硬貨を、回転円板3に送り返す機構を設けて、枚数の多い金種順に、あるいは、径の大きい金種順に、あるいは、径の小さい金種順に、硬貨を自動的に包装するようにすることもできる。また、前記実施例においては、警告手段82として、警告音を発生する手段を用いているが、警告を表示する手段を用いることもできる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、厚みの異なる種々の硬貨を包装する場合にも、また、種々の幅の包装用フィルムに対しても、所望の等しい幅の包装用フィルムの加締め部分を、ロール状に集積された所定枚数の硬貨の上端部および下端部から突出するように残されることを保証して、所望のように、加締められた包装硬貨ロールを得ることのできる硬貨包装装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例にかかる硬貨包装装置の略斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例にかかる硬貨包装装置の包装位置設定機構および硬貨支持ポスト移動機構の略側面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線に沿った略断面図である。
【図4】図4は、図2のB−B線に沿った略断面図である。
【図5】図5は、本実施例にかかる硬貨包装装置の包装用フィルム幅検出機構の略側面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例にかかる硬貨包装装置の包装位置設定機構および硬貨支持ポスト移動機構を制御する制御機構、操作機構、検出機構、駆動機構、報知機構のブロックダイアグラムである。
【図7】図7は、硬貨の包装開始時における集積硬貨と、包装用フィルムとの関係を示す略正面図である。
【符号の説明】
1 硬貨包装装置
2 ホッパー
3 回転円板
4 搬送ベルト
5 硬貨選別通路
6 集積ドラム
7 包装ローラ
8 らせん状突起
9 硬貨支持ポスト
10 包装用フィルムロール
11 包装用フィルム
12 シュート
15 集積硬貨
20 包装位置設定機構
21 軸
22 ブロック
23 アーム
23a アームの張出し部
24 長孔
25 ねじ
26 孔
27 調整用ねじ
28 引張りスプリング
29 カムファロア
30 モータ
31 カム軸
32 第1カム
33 第2カム
40 硬貨支持ポスト移動機構
41 ブロック
42 軸
43 アーム
44 溝
45 伝動部材
46 ローラ
47、48 アーム
49 軸
50、51 引張りスプリング
52 軸
53 アーム
54 カムファロア
55 軸
56 カムファロア
57 第3カム
58 モータ
59 カム軸
65 円筒部材
66 ターンテーブル
67 円筒部材
70 包装用フィルム幅検出機構
71 軸
72 ブロック
73 検出レバー
74 ラック
75 軸
76 ロータリーエンコーダー
77 ピニオン
80 金種設定ダイヤル
81 駆動手段
82 警告手段
85 コントロールユニット
86 幅データ記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作者により操作され、包装すべき硬貨の金種を設定する金種設定手段と、包装用フィルムの幅を検出する包装用フィルム幅検出手段と、包装すべき硬貨を集積する硬貨集積手段と、集積された所定枚数の硬貨に、前記包装用フィルムを巻回して、包装する複数の包装ローラと、集積された硬貨を、その上面で支持する硬貨支持手段と、該硬貨支持手段を、集積された硬貨を受け取る待機位置、前記包装ローラにより、集積された硬貨を包装する包装位置および包装位置から退避した退避位置との間で移動させる硬貨支持手段移動機構とを備えた硬貨包装装置において、前記硬貨支持手段の前記包装位置における鉛直方向の位置を無段階的に調整可能な包装位置調整手段と、前記金種設定手段により設定された包装すべき硬貨の金種と、前記包装用フィルム幅検出手段により検出された前記包装用フィルムの幅とに基づいて、前記包装位置において、前記硬貨支持手段により支持された集積硬貨の鉛直方向の中央部と、前記包装用フィルムの幅方向の中央部とが一致するように、前記包装位置調整手段を駆動する制御手段を備えたことを特徴とする硬貨包装装置。
【請求項2】 さらに、硬貨の金種毎の集積された硬貨を包装可能な前記包装用フィルムの幅のデータを記憶するフィルム幅データ記憶手段および警告手段を備え、前記制御手段が、前記金種設定手段により設定された包装すべき硬貨の金種に対応する前記包装用フィルムの幅のデータを、前記フィルム幅データ記憶手段から読み出して、前記金種設定手段により設定された金種および前記包装用フィルム幅検出手段により検出された前記包装用フィルムの幅とに基づいて、前記金種設定手段により設定された金種の硬貨が、前記包装用フィルムにより包装可能か否かを判定し、包装可能でないと判定したときは、前記警告手段に警告信号を出力して、警告を発せさせることを特徴とする請求項1に記載の硬貨包装装置。
【請求項3】 前記フィルム幅データ記憶手段が、硬貨の金種毎に、前記包装用フィルムの幅のデータとして、包装可能なフィルム幅の最大値および最小値を記憶しており、前記制御手段が、前記金種設定手段により設定された硬貨の金種と前記包装用フィルム幅検出手段により検出された前記包装用フィルムの幅とに基づいて、前記包装用フィルムの幅と包装すべき集積硬貨の高さとの差を算出し、前記金種設定手段により設定された金種の硬貨が、前記包装用フィルムにより包装可能か否かを判定するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の硬貨包装装置。
【請求項4】 前記フィルム幅データ記憶手段が、硬貨の金種毎に、前記包装用フィルムの幅のデータとして、前記包装用フィルムの幅と、前記金種設定手段により設定された金種の硬貨の高さとの差の最大許容値および最小許容値を記憶しており、前記制御手段が、前記包装用フィルム幅検出手段により検出された前記包装用フィルムの幅と前記金種設定手段により設定された包装すべき硬貨の金種とに基づいて、前記包装用フィルムの幅と包装すべき集積硬貨の高さとの差を算出し、その差と、前記最大許容値および最小許容値とを比較することによって、前記金種設定手段により設定された金種の硬貨が、前記包装用フィルムにより包装可能か否かを判定するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の硬貨包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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