説明

硬貨選別装置

【課題】
本発明の第1の目的は撮像した画像情報に基づいて真偽判別できる小型の硬貨選別装置を提供すること、第2の目的は画像情報に基づく真偽判別に加え、材質及び厚みに基づく真偽判別が可能な小型の硬貨選別装置を提供すること、第3の目的は、さらに画像情報に基づく真偽判別が可能な安価な小型の硬貨選別装置を提供することである。
【解決手段】
硬貨投入口に投入された硬貨は、硬貨通路を転動する。硬貨通路に対し平行な面投光装置から硬貨通路に向けてハーフミラーを透過して投光する。硬貨通路を転動する硬貨からの反射光は、ハーフミラーによって反射され、硬貨通路と平行に案内され、集光レンズを介して撮像素子に達する。撮像素子によって撮像された画像情報が基準情報と比較され、投入硬貨の真偽が判別される。偽貨と判別された場合、ゲートが開かれず返却される。正貨と判別された場合、ゲートが開かれ、正貨として受け入れられる。。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨の表面又は裏面の模様を撮像してデジタル化し、当該デジタル情報を基準情報と比較して真偽を判別し、当該判別結果に基づいて正貨と偽貨に選別するようにした硬貨選別装置に関する。
詳しくは、撮像装置によって撮像した画像デジタル情報に基づいて硬貨の真偽判別ができる小型の硬貨選別装置に関する。
更に詳しくは、パチスロ遊技機にも採用でき、かつ、撮像装置によって撮像した画像デジタル情報に基づいてゲーム媒体としてのメダルの真偽を判別する小型の硬貨選別装置に関する。
なお、本明細書において、「硬貨」には通貨である硬貨の他、遊技機に用いられるメダルやトークンをも含む概念である。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術として、硬貨が搬送路を横向き水平に搬送され、この搬送路の下側にスリット状の窓が配置され、当該窓の下側から当該搬送される硬貨の表面の模様が覗けるように構成されている。当該窓の下方には、ハーフミラーが斜めに設置され、その下側に読み取り部が位置している。読み取り部はCCD等のラインイメージセンサから構成されており、ハーフミラーを通して硬貨表面の正反射光を受けるように構成されている。ハーフミラーの横にはスリットを介して、光源が設置されている。この光源は、例えば蛍光灯やラインフィラメントランプ等のライン光源からなるものである。これらハーフミラーとスリットによって、光源から硬貨表面に対する照射方向が、硬貨表面の垂直軸上となり、かつ、その垂直軸上に読み取り部が位置し、硬貨表面からの正反射光を受光するよう構成されている硬貨認識装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来技術として、投入されたメダルがメダル通路を進行する際に、CCDカメラにより得られた2次元画像情報に基づいて正規品か不正品かを判別し、不正品と判別したときに、メダルの進行方向をメダル返却通路に設定することによって、不正品のメダルを排除する。一方、正規品と判別したときにメダルの進行方向をメダル通路に設定して投入メダルセンサで検出し、正規品のメダルで遊技を行う硬貨選別装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07-210720(図1、6、10、18、段落番号0006〜0060)
【特許文献2】特開2006-263281(図3、4及び7、段落番号0028〜0030)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術においては、硬貨の読み取り部が硬貨の表面に対し直角をなす延長線上に配置されているため、焦点距離を考慮すると、読み取り部を硬貨の通路から大幅に離れて配置せねばならず、装置が大型化する問題がある。
換言すれば、自動販売機やゲーム機に用いることができないことがあった。
この問題を解消するため、読み取り部にラインセンサを用いることが考えられる。
ラインセンサを用いた場合、撮像したラインを面として認識し、判別するため、硬貨を搬送するための積極的搬送手段が必要になり、耐久性、大型化及び消費電力において不利となる問題があり、俄に採用できない。
【0006】
第2の従来技術のメダル選別装置は、装置を小型にするため、メダルの撮像をCCDカメラによってライン的に行うので、メダルは部分的に撮像される。
メダルが転動する場合、連続的に撮像したとしてもメダルの転動によって位相が異なるため、部分的に撮像した画像を連続して硬貨の面画像として取り扱うことができず、当該部分的画像に基づいて真偽判別せねば成らないことから、判別精度が劣る問題がある。
これを解決するため、メダルの全体を撮像する場合、CCDカメラが硬貨の面に対し直角方向に配置されるため、第1の従来技術と同様に大型化し、メダル選別機として遊技機内に配置することは困難である。
【0007】
本発明の第1の目的は、撮像した画像情報に基づいて真偽判別できる小型の硬貨選別装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、画像情報に基づく真偽判別に加え、材質及び厚みに基づく真偽判別が可能な小型の硬貨選別装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、第1及び第2の目的に加え、画像情報に基づく真偽判別が可能な安価な小型の硬貨選別装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、本発明は以下のように構成されている。
上部に配置した硬貨投入口から重力により落下又は転動する硬貨通路に相対配置した二次元撮像装置により転動する硬貨の二次元画像を撮像し、当該撮像画像を基準画像に基づいて判別装置において真偽を判別し、当該判別に基づいて振分装置により正貨と偽貨とに選別するようにした硬貨選別装置において、前記二次元撮像装置は、投光装置、ハーフミラー、レンズ及び撮像素子を含み、前記ハーフミラーは前記硬貨投入口に近接した位置において前記硬貨通路の側方に配置されると共に、その長手軸線は対面する前記硬貨通路における硬貨の進行線に対して直交する方向に配置され、前記投光装置は前記ハーフミラーに対し反前記硬貨通路側に隣接配置された面投光装置を含み、前記レンズ及び撮像素子は、前記硬貨通路に沿い、かつ、前記ハーフミラーの下方に配置され、前記撮像素子からの画像情報を前記基準画像と比較して前記判別装置が真偽判別することを特徴とする硬貨選別装置である。
請求項2の発明は、請求項1の硬貨選別装置において、前記面投光装置は、所定の厚みを有し、かつ、前記硬貨通路に対し平行に配置した板状の光導体、前記光導体の端面から前記光導体の内部に向かって投光するLED、前記光導体の反ハーフミラー側に密接された反射シート、及び前記光導体のハーフミラー側に密接された拡散シートを含んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この構成によれば、ハーフミラーが硬貨投入口の近傍における硬貨通路の側方に配置され、当該ハーフミラーの反硬貨通路側に隣接して面投光装置を配置し、焦点距離を必要とするレンズは硬貨通路に対し平行な面内において配置したので、焦点距離を大きく取ったとしても硬貨通路に対し平行な方向に拡大するのみであるので、硬貨通路から離れる方向には増加しない。
したがって、画像に基づく真偽判断可能な硬貨選別装置を小型にすることができる。
【0010】
請求項2の発明において、ハーフミラーに対し反硬貨通路側に配置した面投光装置から面状に均一に投光し、ハーフミラーを介して硬貨通路、換言すれば、硬貨通路を落下又は転動する硬貨に対し投光する。
光導体は平面な面が硬貨通路に対し平行をなし、かつ、発光体たるLEDがその側端面に投光する。換言すれば、LEDは光導体に対し並置される。
光導体の反硬貨通路側には反射シートが密接され、光導体から漏れ出ようとする光を硬貨通路へ指向させる。さらに、光導体の硬貨通路側に密接させた拡散シートにより投光面に対して均一に拡散させ、結果として硬貨通路に対し、ハーフミラーを介して光導体の投光面の範囲において均一に投光する。
硬貨通路を移動する硬貨からの反射光は、ハーフミラーによって反射されて、硬貨通路と平行に進行し、その延長上に配置されたレンズによって集光された後、撮像素子に達し、撮像される。
投光装置は面投光装置であり、発光源であるLEDはその端面側方に配置される。
さらに、焦点距離を要するレンズは、硬貨通路と平行な面内において配置されるので、硬貨通路からハーフミラーの最大離れ量程度にその大きさを抑えることができ、装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施例の硬貨選別装置の正面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例の硬貨選別装置の左側面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例の硬貨選別装置の作用説明用のフローチャートである。
【本発明の実施の形態】
【0012】
本発明は、上部に配置した硬貨投入口から重力により落下又は転動する硬貨通路に相対配置した二次元撮像装置により転動する硬貨の二次元画像を撮像し、当該撮像画像を基準画像に基づいて判別装置において真偽を判別し、当該判別に基づいて振分装置により正貨と偽貨とに選別するようにした硬貨選別装置において、前記二次元撮像装置は、投光装置、ハーフミラー、レンズ及び撮像素子を含み、前記ハーフミラーは前記硬貨投入口に近接した位置において前記硬貨通路の側方に配置されると共に、その長手軸線は対面する硬貨通路における硬貨の進行線に対して直交する方向に配置され、前記投光装置は前記ハーフミラーに対し反硬貨通路側に隣接配置された面投光装置を含み、前記面投光装置は、所定の厚みを有し、かつ、前記硬貨通路に対し平行に配置した板状の光導体、前記光導体の端面から前記光導体の内部に向かって投光するLED、前記光導体の反ハーフミラー側に密接された反射シート、及び前記光導体のハーフミラー側に密接された拡散シートを含み、前記レンズ及び撮像素子は、前記硬貨通路に沿い、かつ、前記ハーフミラーの下方に配置され、前記撮像素子からの画像情報を前記基準画像と比較して前記判別装置が真偽判別することを特徴とする硬貨選別装置である。
【実施例】
【0013】
硬貨選別装置100は自動販売機、ゲーム機、若しくは精算機等に内蔵され、投入された硬貨の真偽を判別して偽貨FCを返却口100Rへ振り分け、及び正貨TCの場合、金種を判別すると共に正貨口100Tへ案内する機能を有する。
実施例の硬貨選別装置100は、本体102、硬貨投入口104、硬貨通路106、ゲート108、二次元撮像装置112、カウントセンサ114、投入センサ116、厚みセンサ118及び材質センサ122を含んでいる。
【0014】
まず、本体102を説明する。
本体102は、硬貨投入口104及び硬貨通路106が形成され、ゲート108、二次元撮像装置112、カウントセンサ114、投入センサ116、厚みセンサ118及び材質センサ122が取り付けられる機能を有する。
本体102は、矩形箱形であって、樹脂により製造されている。
【0015】
硬貨投入口104を説明する。
硬貨投入口104は、自動販売機等の投入口(図示せず)に投入された硬貨を受け入れる機能を有する。
硬貨投入口104は、本体102の上面の左端部に片寄せて形成されている。
硬貨投入口104の大きさは、使用される硬貨の直径及び厚みよりも僅かに大きい縦横寸法に形成された矩形スリット状の孔である。
【0016】
硬貨通路106を説明する。
硬貨通路106は、硬貨投入口104に投入され、落下又は転動する硬貨Cを案内する機能を有する。
硬貨通路106は、本体102内に形成され、断面が硬貨投入口104とほぼ同一のスリット状をし、正面形状は図1に示すように硬貨投入口104から垂下する垂立硬貨通路106V及びその下流において左斜め下方へ下向きに傾斜する傾斜硬貨通路106Sを含んでいる。
よって、硬貨投入口104に投入された硬貨Cは、垂立硬貨通路106Vを垂直に落下した後、ガイドレール124によって右側へ案内され。ガイドレール124上を転動して傾斜硬貨通路106Sを移動する。
【0017】
ゲート108を説明する。
ゲート108は、制御装置126からの偽貨FC信号FS及びリジェクト信号RJによって、硬貨Cを硬貨通路106から排除する機能を有する。換言すれば、ゲート108は振分装置である。
ゲート108は、傾斜硬貨通路106Sに進退自在に配置された振分板128である。
振分板128は、傾斜硬貨通路106Vに進入した場合、転倒する硬貨Cをガイドレール124上から逸らせて落下させ、返却口(図示せず)へ返却する。
振分板128が傾斜硬貨通路106Vから退出した場合、硬貨Cはガイドレール124上を転動してゲート108を通過する。
振分板128は、制御装置118からの偽貨信号FS及びリジェクト信号RSによって傾斜硬貨通路106Sへ進行され、ガイドレール124上を転動する硬貨Cをガイドレール124上から逸らせて落下させる。
【0018】
二次元撮像装置112を説明する。
二次元撮像装置112は、硬貨通路106を移動する硬貨Cの一面の画像を二次元で撮像する機能を有する。
二次元撮像装置112は、投光装置132、ハーフミラー134、集光レンズ136及び撮像素子138を含んでいる。
【0019】
まず投光装置132を説明する。
投光装置132はハーフミラー134を介して硬貨通路106を移動する硬貨Cの一面に光を投光する機能を有する。
本発明に於ける投光装置132は、面投光装置142である。
面投光装置142を用いることにより、硬貨Cの回転位相が異なっても影の影響のない撮像が可能であるからである。
面投光装置142は、LED144、光導体146、反射シート148、及び拡散シート152を含んでいる。
【0020】
次にLED144を説明する。
LED144は、硬貨Cへ投光するための発光源である。
LED144は、三色LEDが使用され、白色可視光にて使用される。
しかし、白色LEDを用いることもできる。
LED144は図1に示すように、光導体146の側端面に面して配置されているので、硬貨通路106と平行な面内に配置することができ、設置スペースは小さい。なお、図2に示すLED144の位置は便宜的に図示したものである。
【0021】
次に光導体146を説明する。
光導体146は、本実施例では低コストの観点から樹脂にて製造された矩形薄板状をしており、硬貨通路106に対しその面が平行に配置されている。樹脂は透明又は拡散材の混入により乳白色を呈する。拡散材を混入することにより、拡散シート152は不要となる。光導体146は、ガラス基板によって構成することもできる。
本実施例では、硬貨投入口104に隣接した垂立硬貨通路106Vの一側壁に矩形の開口154が設けられ、その開口154に相対している。
開口154は、硬貨Cの直径よりも幅広に形成されている。横方向において硬貨Cの直径に関する情報を取得するためのである。縦方向は、硬貨Cの直径よりも僅かに小さく形成してある。自由落下する硬貨Cが硬貨通路106から外れることを防止、及びハーフミラー134の縦方向の大きさを規制し、硬貨通路106に対し45度の角度で傾斜配置されるハーフミラー134の離れ量を規制し、装置を小型化するためである。しかし、他の飛び出し防止手段を設けることにより、開口154の上下方向の大きさを硬貨Cの直径よりも大きくすることができる。
【0022】
次に反射シート148を説明する。
反射シート148は、光導体146の反硬貨通路106側への拡散を防止し、硬貨通路106側に反射する機能を有する。
反射シート148は、光導体146の反硬貨通路106側に密着させてある。
シートに代えて、光導体146に銀幕を蒸着しても良い。
【0023】
次に拡散シート152を説明する。
拡散シート152は、光導体146の硬貨通路106側の面から投光される光を面均一に拡散させる機能を有する。
したがって、光導体146によって導かれ、または、反射シート148によって反射されたLED144からの投射光は、拡散シート152によって面全体に亘って均一な光量にされて、硬貨通路106、従って、硬貨Cに投光される。
拡散シート152から投射される投射光は、硬貨通路106、換言すれば、硬貨通路106を移動する硬貨Cに対し直角に投射される。
直角に投射されることにより、コイン表面の凹凸による光学的な影を作らないためである。
光導体146、反射シート148及び拡散シート152は薄いので、投光装置132を小型にすることができる。
【0024】
次にハーフミラー134を説明する。
本発明に於けるハーフミラー134は、光の一部は反射し、一部は透過する機能を有する。具体的には、投光装置132からの投光は透過し、硬貨Cからの反射光は反射する機能を有する。
換言すれば、ハーフミラー134は、投光装置132からの投光を硬貨通路106における硬貨Cに対し直角に投光し、かつ、硬貨Cからの反射光を硬貨通路106と平行な面内に反射させる。
本実施例において、ハーフミラー134は薄い透明樹脂にクロムを蒸着メッキしたものである。低コスト化のためである。しかし、ガラス板にクロムをメッキしてもよい。
ハーフミラー134は、開口154の側方において、硬貨通路106の面に対し45度の角度で硬貨通路106から離れるほど下方に位置するよう傾斜配置されている。
具体的には、ハーフミラー134は硬貨投入口104の直下の硬貨通路106に対し45度の角度で傾斜している。
ハーフミラー134の長手軸線LLは、対面する硬貨通路106における硬貨Cの進行線DL(垂立硬貨通路106Vに相対しているので垂線になる)に対して直交する方向に配置されている。
【0025】
集光レンズ136を説明する。
集光レンズ136は、ハーフミーラー134によって反射された光を所定の小さな範囲に集光する機能を有する。
集光レンズ136は、上記機能から、所定の屈折率を有する凸レンズであり、硬貨投入口104の近傍に配置されているハーフミラー134の下方の本体102の中間に配置され、ハーフミーラー134と同様又は小さい直径を有している。
投光装置132等の形状を工夫し、集光レンズ136を小型化することが好ましたい。低価格化及び小型化のためである。
【0026】
次に撮像素子138を説明する。
撮像素子138は集光レンズ136によって集光された像を、撮像する機能を有する。
撮像素子138は、集光レンズ136の下方に配置されている。
撮像素子138は、小型化のため、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが採用される。
【0027】
カウントセンサ114を説明する。
カウントセンサ114は、ゲート108を通過した硬貨Cを検知する機能を有する。
カウントセンサ114は、ゲート108の下流の傾斜硬貨通路106Sの端部に配置された、光電式や磁気式のセンサであり、1つ又は複数設けられる。
換言すれば、カウントセンサ114は正貨FCに判断された硬貨Cの検知信号DSを出力する。よって、検知信号DSを計数することにより、受け入れた正貨の数を判別することができる。
【0028】
投入センサ116を説明する。
投入センサ116は、硬貨投入口104に投入された硬貨Cを検知する機能を有する。
投入センサ116は、硬貨投入口104に隣接する硬貨通路106の側方に配置され、硬貨Cの先端、換言すれば下端を検知した場合、硬貨信号CSを出力する。
投入センサ116は、透過式の光学センサ、又は磁気センサを使用することができる。
なお、投入センサ116は、図1において符号116‘で示すように、二次元撮像装置112の直下に配置してもよい。この場合、二次元撮像装置112は、さらに硬貨投入口104に近接配置することができる。この場合、投入センサ116’から硬貨Cの検知信号CSが出力されたことに基づいて投光装置132から投光すると共に撮像素子138によって撮像する。投入センサ116‘のように配置することにより、二次元撮像装置112とゲート108との距離を離すことができ、画像判別に必要な時間を増加できる利点がある。
【0029】
次に厚みセンサ118を説明する。
厚みセンサ118は、硬貨通路106をガイドレール124に沿って転動するコインCの厚みを検知する機能を有する。
厚みセンサ118は、従来公知の構成であって、例えば、二次元撮像装置112の下流の傾斜硬貨通路106Sに相対して配置された、一対のコイルからなるセンサである。
厚みセンサ118は、傾斜硬貨通路166Sを転動するコインCに相対した場合、コインCの厚みによって、出力が変動する。
この出力を基準値と比較して厚みの真偽を判別する。
【0030】
次に材質センサ122を説明する。
材質センサ122は、硬貨通路106をガイドレール124に沿って転動するコインCの材質を検知する機能を有する。
材質センサ122は、従来公知の構成であって、例えば、撮像装置112の下流の傾斜硬貨通路106Sに相対して配置された、一対のコイルからなるセンサである。
材質センサ122は、傾斜硬貨通路166Sを転動するコインCに相対した場合、コインCを構成する金属の内部起電力によって、出力が変動する。
この出力を基準値と比較して材質の真偽を判別する。
厚みセンサ118及び材質センサ132は、どちらを上流側に配置してもよい。
【0031】
次に制御装置126を説明する。
制御装置126は、カウントセンサ114、投入センサ116、撮像素子138、厚みセンサ118、材質センサ122及び自動販売機の制御装置から信号VSを受け、所定のプログラムに基づいて投光装置132、撮像素子138及びゲート108を制御する機能を有する。
制御装置126は、例えばマイクロコンピュータによって構成される。
【0032】
次に本実施例の作用を図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1において、投入センサ116から硬貨信号CSが出力されたか判別し、硬貨信号CSが出力されなければステップS1をループする。
投入センサ116から硬貨信号CSが出力された場合、ステップS2へ進む。
【0033】
ステップS2において、投光装置132に投光指令を出力し、ステップS3へ進む。
投光指令を受けた投光装置132において、LED144が発光される。
LED144からの投光は、光導体146の端面から光導体146内に投光され、その硬貨通路106に面する面から投射する投光、反対側の面から投射する投光は反射シート148によって反射されて拡散シート152に進行する。
拡散シート152において、光導体146からの投射光が拡散されて拡散シート152の全面から均一に硬貨通路106に投光される。
拡散シート152からの投射光は、ハーフミーラー134を透過し、硬貨通路106、詳述すれば、垂立硬貨通路106Vを移動(落下)する硬貨Cへ投射する。
硬貨Cからの反射光は、ハーフミラー134によって硬貨通路106に対し平行であって、かつ、下向きに反射される。
この反射光は、集光レンズ136によって集光され、撮像素子138に入光する。
【0034】
ステップS3において、投入センサ116から所定時間T1経過したか判別し、所定時間経過しない場合はステップS3をループし、所定時間経過した場合、ステップS4へ進む。
この所定時間は、投入センサ116によって先端を検知された硬貨Cの面が開口154のほぼ中央に位置するタイミングである。
【0035】
ステップS4において、撮像素子138によって撮像し、ステップS5へ進む。
ステップS4において、硬貨通路106を移動する硬貨Cのほぼ全面が撮像される。
【0036】
ステップS5において、厚みセンサ118からの物理的情報を取得し、ステップS6へ進む。
【0037】
ステップS6において、材質センサ122からの物理的情報を取得し、ステップS7へ進む。
【0038】
ステップS7において、撮像素子138からの撮像情報を基準画像情報と比較し、正貨であると判別された場合、ステップS8へ進む。
偽貨FCに判別された場合、ステップS1へ戻る。
これにより、偽貨FCは、ゲート108によって阻止され、返却口100Rへ落下され、返却される。
【0039】
ステップS8において、厚みセンサ118からの物理的情報を基準情報と比較し、正貨である場合、ステップS9へ進む。
偽貨FCに判別された場合、ステップS1へ戻る。
これにより、偽貨FCは、ゲート108によって阻止され、返却口100Rへ落下され、返却される。
【0040】
ステップS9において、材質センサ122からの物理的情報を基準情報と比較し、正貨である場合、ステップS10へ進む。
偽貨FCに判別された場合、ステップS1へ戻る。
これにより、偽貨FCは、ゲート108によって阻止され、返却口100Rへ落下され、返却される。
【0041】

ステップS10において、ゲート108を開き、ステップS11へ進む。
【0042】
ステップS11において、カウントセンサ114からの検知信号DSを判別し、検知信号DSを判別した場合、ステップS12へ進む。
カウント信号DSを判別しない場合、ステップS11をループする。
【0043】
ステップS12において、ゲート108を閉じ、ステップS13へ進む。
したがって、正貨TCは正貨口100Tから落下する。
【0044】
ステップS13において、硬貨Cのカウントを1つアップし、ステップS1へ戻る。
【0045】
本発明において、厚みセンサ118及び材質センサ122は必須ではない。
したがって、二次元撮像装置112で撮像した画像のみによる真偽判別で許容される場合、厚みセンサ118及び材質センサ122を設ける必要はない。例えば、パチスロ等の遊技機に硬貨選別装置100が用いられる場合、二次元撮像装置112のみで許容され得る。
【符号の説明】
【0046】
C 硬貨
DL 進行線
LL 長手軸線
104 硬貨投入口
106 硬貨通路
108 振分装置
112 二次元撮像装置
126 判別装置
132 投光装置
134 ハーフミラー
136 レンズ
138 撮像素子
142 面投光装置
144 LED
146 光導体
148 反射シート
152 拡散シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に配置した硬貨投入口(104)から重力により落下又は転動する硬貨通路(106)に相対配置した二次元撮像装置(112)により転動する硬貨(C)の二次元画像を撮像し、当該撮像画像を基準画像に基づいて判別装置(126)において真偽を判別し、当該判別に基づいて振分装置(108)により正貨と偽貨とに選別するようにした硬貨選別装置において、
前記二次元撮像装置は、投光装置(132)、ハーフミラー(134)、レンズ(136)及び撮像素子(138)を含み、
前記ハーフミラーは前記硬貨投入口に近接した位置において前記硬貨通路の側方に配置されると共に、その長手軸線(LL)は対面する前記硬貨通路における硬貨の進行線(DL)に対して直交する方向に配置され、
前記投光装置は前記ハーフミラーに対し反前記硬貨通路側に隣接配置された面投光装置(142)を含み、
前記レンズ及び撮像素子は、前記硬貨通路に沿い、かつ、前記ハーフミラーの下方に配置され、
前記撮像素子からの画像情報を前記基準画像と比較して前記判別装置が真偽判別することを特徴とする硬貨選別装置。
【請求項2】
請求項1の硬貨選別装置において、
前記面投光装置は、所定の厚みを有し、かつ、前記硬貨通路に対し平行に配置した板状の光導体(146)、前記光導体の端面から前記光導体の内部に向かって投光するLED(144)、前記光導体の反ハーフミラー側に密接された反射シート(148)、及び前記光導体のハーフミラー側に密接された拡散シート(152)を含んでいることを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−248543(P2011−248543A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119902(P2010−119902)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】