説明

硬質表面用液体洗浄剤組成物

【課題】ポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルを配合した、調理油汚れに優れた洗浄力を有する硬質表面用の洗浄剤組成物において、できるだけ少量の界面活性剤によって均一液体組成物を形成できる組成物を提供すること。
【解決手段】(a)ポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルを1〜15質量%、(b)アミンオキサイド、(c)セッケンを除くアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選択される1種以上の界面活性剤を0.01〜15質量%、並びに水を含有し、(c)成分/((b)成分+(c)成分)の質量比が0.01/1〜1/1であり、(a)成分の60〜100質量%がジプロピレングリコールのアルキル基の炭素数が4〜8のモノアルキルエーテルであり、25℃でのpHが6〜14である硬質表面用液体洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質表面用液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に硬質表面用の洗浄剤としては、浴室、台所、床等の処理対象の異なる汚れを除去するため、それぞれに適した組成のものが用いられている。例えば、レンジ、オーブン、レンジまわりの壁や床、換気扇といった台所まわりに用いられる台所まわり用洗浄剤としては、熱、日光、空気中の酸素等の作用により変質した油汚れを除去するため、界面活性剤、溶剤及びアルカリ剤等を含む洗浄剤が用いられている。また、浴槽、浴室の壁及び床といった浴室に用いられる浴室用洗浄剤としては、金属石鹸、特に脂肪酸のカルシウム塩の汚れを除去するため、界面活性剤、溶剤、金属イオン封鎖剤等を含む洗浄剤が用いられている。
【0003】
これら洗浄剤のうち、厨房に用いられる洗浄剤はレンジ周りの壁や調理台などの硬質表面の一部に適用される。硬質表面への適用後、タオルやスポンジなどの道具を用いて広範囲に塗り広げるとともに、油や埃等の汚れを除去する。日常の調理作業により発生する油煙はレンジ周りの壁や調理台などの硬質表面に付着するが、これらの汚れの多くは1週間程度であれば酸化や熱による変性をあまり受けない状態で存在している。このような調理油汚れを落とすためには界面活性剤の可溶化力や乳化力、溶剤の溶解力や膨潤力などを利用する必要があるが、溶剤であるジアルキレン(炭素数2〜4)グリコールのモノアルキル(炭素数4〜8)エーテル、なかでもアルキル基の炭素数が4〜8のジプロピレングリコールのモノアルキルエーテルは上述した変性度の低い調理油汚れの除去性に優れており、これを配合した洗浄剤が望まれている。上記溶剤は単独では水に溶解しないため、界面活性剤がないと2層分離系になってしまい使い勝手が非常に悪い。
【0004】
特許文献1には、グリコール系溶剤としてジプロピレングリコールモノブチルエーテルを含有する、頑固な変性油汚れに対して優れた洗浄力を示す硬表面用洗浄剤組成物が開示されているが、変性度の低い調理油汚れの除去性に関して何ら示唆していない。
【0005】
特許文献2にはグリコール系溶剤としてジプロピレングリコールモノブチルエーテル、界面活性剤を含有するエアコンフィン用液体洗浄剤組成物が開示されている。しかし、厨房において発生する油汚れに対する洗浄効果や作業容易性を示唆していない。
【0006】
特許文献3には、親油性物質としてジプロピレングリコールモノブチルエーテルを含有し2種以上の層からなる硬質表面用洗浄剤が開示されている。特許文献3の実施例に記載されている処方はいずれも2層に分離した状態になっており、洗浄するたびに容器の内容物を混合して一時的に乳化状態に変化させる必要がある。
【0007】
特許文献3の実施例に示された組成物は使用直前に混合される操作があり、作業が煩雑になるため、1層の液体を用いてスクイズ容器やスプレー容器で簡便に使用できる方法が好ましい。界面活性剤と併用する方法も考えられるが、界面活性剤を多量に使用すると上記溶剤の本来の洗浄効果が失われるばかりでなく、使用後に洗剤が残留しないように行う清め拭きの作業に時間が必要となり、消費者にとって好ましくない。そこで、できるだけ少量の界面活性剤で上記溶剤を均一溶解することが求められる。ところが、少量の界面活性剤を使用した場合は、たとえ室温で均一溶解できたとしても保存時の高温において層が濁ったり、分離したりしてしまう。組成物に濁りや分離がある状態のまま十分混合せずに使用すると、配合組成を最後まで一定に保つことができず、性能の低下を引き起こす原因になってしまう。
【0008】
特許文献4には、親油性物質としてジプロピレングリコールモノブチルエーテルを含有する浴室で遭遇する汚れの除去に適した水性クリーニング組成物が開示されている。しかし、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルは組成物の粘性を上げるためのハイドロトロープ剤として配合されているのであり、特許文献5では親油性物質の洗浄効果については何ら示唆していない。
【0009】
特許文献5にはノニオン界面活性剤、疎水性溶剤としてジプロピレングリコールモノブチルエーテル、アニオン界面活性剤を含有する硬質表面用洗浄剤組成物が開示されているが、変性度の低い調理油汚れの除去性に関して何ら示唆していない。
【0010】
特許文献6にはブトキシプロポキシプロパノール等の溶剤を含んでなる、相安定性液体布帛リフレッシュ組成物が開示されているが、変性度の低い調理油汚れの除去性に関して何ら示唆していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−45108号
【特許文献2】特開2000−290699号
【特許文献3】特表2003−506561号
【特許文献4】特表2001−524592号
【特許文献5】WO93/04151号
【特許文献6】特開平11−511800号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、アルキレン基の炭素数が2〜4、アルキル基の炭素数が4〜8のポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルを配合した、調理油汚れに優れた洗浄力を有する硬質表面用の洗浄剤組成物において、できるだけ少量の界面活性剤によって均一液体組成物を形成できる組成物を提供することを課題とする。
【0013】
更に、本発明は、調理油汚れの洗浄性に優れ、濁りや分離のない均一液体相を形成し、なおかつ高温や低温での保存安定性に優れた硬質表面用液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【0014】
更に本発明は、特に変性度の低い調理油汚れに対して優れた洗浄性を発揮する硬質表面用液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の課題に対し、本発明者が鋭意検討を行った結果、下記式(a1)で表されるポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテル〔(a)成分)〕、アミンオキサイド〔(b)成分〕、並びにセッケンを除くアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤〔(c)成分〕を必須成分として含有し、(c)成分/((b)成分+(c)成分)の質量比が0.01/1〜1/1であり、(a)成分の60〜100質量%がジプロピレングリコールのアルキル基の炭素数が4〜8のモノアルキルエーテル〔(a−1)成分]である組成物において、濁りや分離のない均一液体相が形成され、なおかつ油汚れに対する洗浄力や保存安定性に優れていること、特に変性度の低い調理油汚れに対して優れた洗浄性を発揮することを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
1a(OR2alOH (a1)
[式中、R1aは炭素数4〜8のアルキル基であり、lは1〜4の数であり、R2aは炭素数2〜4のアルキレン基である。]
【0017】
従って、本発明の要旨は、
〔1〕(a)下記式(a1)で表されるポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルを1〜15質量%、
(b)アミンオキサイド、
(c)セッケンを除くアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選択される1種以上の界面活性剤を0.01〜15質量%、並びに水を含有し、
(c)成分/((b)成分+(c)成分)の質量比が0.01/1〜1/1であり、(a)成分の60〜100質量%が(a−1)ジプロピレングリコールのアルキル基の炭素数が4〜8のモノアルキルエーテルであり、
25℃でのpHが6〜14である硬質表面用液体洗浄剤組成物;
1a(OR2alOH (a1)
[式中、R1aは炭素数4〜8のアルキル基であり、lは1〜4の数であり、R2aは炭素数2〜4のアルキレン基である。]
〔2〕(a)成分/((b)成分+(c)成分)の質量比が1/1〜15/1である前記〔1〕に記載の組成物;
〔3〕(b)成分が、アルキル基の炭素数が8〜18のアルキルジメチルアミンオキサイドである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の組成物;
〔4〕(c)成分がセッケンを除くアニオン性界面活性剤である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物;
【0018】
〔5〕(d)成分として、アルカノールアミン及び/又は水酸化アルカリを0.01〜20質量%含有する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物;
〔6〕(a−1)成分がジプロピレングリコールモノブチルエーテルである、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物;
〔7〕(a)成分が(a−1)成分からなるものである前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の組成物;
〔8〕均一液体相として存在する前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の組成物;
〔9〕25℃でのpHが8〜13である前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の組成物;
〔10〕台所まわり用洗浄剤として適用できる前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の組成物;並びに
〔11〕前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の組成物を、油汚れが存在する硬質表面に適用して洗浄を行う、洗浄方法;に関するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、調理油汚れに対して高い洗浄力を有するだけでなく、濁りや分離のない均一液体相として存在し、高温下及び低温下での優れた保存安定性を発揮する効果を有している。本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、種々の硬質表面に適用できるが、特に台所まわりの硬質表面に好適であるため、台所用液体洗浄剤組成物として適している。本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は変性度の低い油汚れに対して優れた洗浄性を発揮するため、このような油汚れが多く存在する台所まわりの硬質表面に好ましく適用することができる。なお、本明細書において、組成物が「均一液体相として存在する」状態とは、組成物を撹拌し、室温(例えば25℃)で1時間静置後、目視にて濁りや分離が確認できない状態のことである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(a)成分として、洗浄力の観点から、下記式(a1)で表されるポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルを含有する。油汚れに対する洗浄力と保存安定性の観点から、特に低変性油に対する洗浄力の観点から、(a)成分の含有量は本発明の組成物の1〜15質量%、好ましくは2〜10質量%である。油汚れに対する洗浄力の観点から1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、保存安定性の観点から15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。式(a1)におけるR1aとしては、油汚れに対する洗浄力と保存安定性の観点から、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、ブチル基又はヘキシル基が好ましく、ブチル基がより好ましい。式(a1)におけるR2aとしては、油汚れに対する洗浄力と保存安定性の観点から、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましく、エチレン基又はプロピレン基がより好ましく、プロピレン基が更により好ましい。さらに油汚れに対する洗浄力と保存安定性の観点から、lは1〜4であり、2〜3の数がより好ましく、2の数がより更に好ましい。
【0021】
1a(OR2alOH (a1)
[式中、R1aは炭素数4〜8のアルキル基であり、lは1〜4の数であり、R2aは炭素数2〜4のアルキレン基である。]
【0022】
更に、(a)成分としては、(a−1)ジプロピレングリコールのアルキル基の炭素数が4〜8のモノアルキルエーテルが油汚れに対する洗浄力と保存安定性の観点から、特に低変性油に対する洗浄力の観点から好ましく、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルがより好ましく、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテルが更に好ましく、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル又はジプロピレングリコールモノヘキシルエーテルがより更に好ましく、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。(a)成分としては、単独の化合物であってもよく、複数の化合物の混合物であってもよいが、油汚れに対する洗浄力の観点から、(a)成分中の(a−1)成分は60〜100質量%であり、80〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
【0023】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(b)成分として、高温保存安定性、低温保存安定性、低変性油に対する洗浄力の観点から、特に低変性油に対する洗浄力の観点から、アミンオキサイドを含有する。(b)成分の含有量は本発明の組成物の好ましくは0.05〜15質量%、より好ましくは0.06〜5質量%、更に好ましくは0.08〜4質量%、より更に好ましくは0.1〜3.5質量%である。保存安定性の観点から0.05質量%以上が好ましく、0.06質量%以上がより好ましく、0.08質量%以上が更に好ましく、0.1質量%以上がより更に好ましく、洗浄対象への成分残留性の観点から15質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、4質量%以下が更に好ましく、3.5質量%以下がより更に好ましい。
【0024】
(a)成分と、(b)成分及び後述する(c)成分の合計量との質量比として、(a)/((b)+(c))=1/1〜15/1が好ましく、1.2/1〜14/1がより好ましく、1.5/1〜13/1が更に好ましい。油汚れに対する洗浄力の観点から1/1以上が好ましく、1.2/1以上がより好ましく、1.5/1以上が更に好ましく、高温保存安定性の観点から15/1以下が好ましく、14/1以下がより好ましく、13/1が更に好ましい。
【0025】
(b)成分としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0026】
油汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは炭素数8〜18の炭化水素基、より好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する、アルキル又はアルケニルアミンオキサイドを挙げることができる。より好ましいアミンオキサイドとしては、下記の一般式(b1)で表されるアルキル又はアルケニルアミンオキサイドを挙げることができる。
【0027】
【化1】

【0028】
(式中、R1bは好ましくは炭素数8〜18の炭化水素基、より好ましくはアルキル基又はアルケニル基を示し、R2b及びR3bは同一又は異なる炭素数1〜3のアルキル基を示し、Dは−NHC(=O)−基又は−C(=O)NH−基を示し、Eは炭素数1〜5のアルキレン基を示し、m及びnはm=0かつn=0又はm=1かつn=1を示す。)
【0029】
上記一般式(b1)において、R1bは油汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは炭素数8〜18の炭化水素基、より好ましくはアルキル基又はアルケニル基であるが、炭素数10〜16のアルキル基が好ましく、炭素数12〜14のアルキル基がより好ましく、炭素数12のアルキル基が更に好ましい。R2b、R3bは炭素数1〜3のアルキル基であるが、炭素数1のメチル基がより好ましい。
【0030】
一般式(b1)で示されるアルキル又はアルケニルアミンオキサイドの好ましい例としては、油汚れに対する洗浄力の観点から、R1bが炭素数8〜18のアルキル基であるアルキルジメチルアミンオキサイドが挙げられ、その具体例としては、例えば、カプリリルジメチルアミンオキサイド、カプリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。更に、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等も好ましい例に含まれる。
【0031】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(c)成分として、高温保存安定性の観点から、セッケンを除くアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有する。
【0032】
セッケンを除くアニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアミドアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、単独の化合物であってもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
【0033】
上記アニオン性界面活性剤におけるアルキル又はアルケニル炭素鎖長は8〜18が好ましく、10〜14がより好ましい。
【0034】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアミドアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩におけるEO付加モル数は、油汚れに対する洗浄力の観点から平均1〜10が好ましい。
【0035】
上記アニオン性界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルカノールアミン、アンモニウムが好適であり、油汚れに対する洗浄力の観点から、ナトリウム、カリウム、アルカノールアミンが好ましい。
【0036】
両性界面活性剤としては特に限定されないが、本発明においては下記の一般式(c1)、(c2)、(c3)及び(c4)で表されるベタインから選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。両性界面活性剤としては、単独の化合物であってもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
【0037】
【化2】

【0038】
(式中、R1cは炭素数8〜18の炭化水素基、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2c、R3cは水酸基が置換していてもよい、同一又は異なる炭素数1〜5のアルキル基を示し、R4cは炭素数7〜17の炭化水素基、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Yは水素原子又は水酸基を示し、r、s、tは1〜3の数を示し、uは1〜5の数を示し、vは1以上の数を示し、w、xは、0≦w+x≦4である数を示す。)
【0039】
一般式(c1)中、R1cは油汚れに対する洗浄力の点で炭素数8〜18のアルキル基が好ましく、炭素数10〜16のアルキル基がより好ましい。同様の理由で、R2c、R3cはそれぞれメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、rは1が好ましい。
【0040】
一般式(c2)中、R1cは油汚れに対する洗浄力の点で炭素数8〜18のアルキル基が好ましく、炭素数10〜16のアルキル基がより好ましい。同様の理由で、R2c、R3cはそれぞれメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、sは1が好ましく、tは1が好ましい。
【0041】
一般式(c3)及び(c4)中、R4cは油汚れに対する洗浄力の点で炭素数9〜15のアルキル基が好ましい。同様の理由で、R2c、R3cはそれぞれメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、uは2又は3が好ましく、vは1が好ましく、wは1が好ましく、xは1が好ましい。
【0042】
一般式(c1)、(c2)、(c3)又は(c4)で表されるベタインの具体例として、脂肪酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−プロピルスルホベタイン、アルキル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン等を挙げることができる。これらの中でも、油汚れに対する洗浄力、起泡力の点で、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、コカミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ラウリル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルベタイン等が好ましい。
【0043】
(c)成分の含有量は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物中において0.01〜15質量%であり、0.05〜1質量%の範囲が好ましく、0.1〜0.7質量%の範囲がより好ましく、0.1〜0.5質量%の範囲が特に好ましい。保存安定性の観点から0.01質量%以上であり、0.05質量%が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、洗浄性の観点から15質量%以下であり、1質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。(c)成分としてセッケンを除くアニオン性界面活性剤を用いる場合、当該含有量としては0.02〜0.6質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましい。(c)成分として両性界面活性剤を用いる場合、当該含有量としては0.1〜0.6質量%がより好ましく、0.3〜0.5質量%が更に好ましい。
【0044】
(c)成分は、本発明の組成物を保存条件下で安定な均一液体相とせしめるために必要となる成分である。更に、洗浄性能及び保存安定性の観点からは、(c)成分と、(b)成分及び(c)成分の合計量との質量比として(c)/((b)+(c))=0.01/1〜1/1であり、0.04/1〜0.6/1が好ましく、0.07/1〜0.5/1がより好ましく、0.079/1〜0.5/1がより好ましく、0.2/1〜0.35/1が特に好ましい。
【0045】
(c)成分を配合することで組成物の高温安定性及び低温安定性、特に高温保存安定性が向上する原因は現時点では明確ではないが、可能性として考えられるメカニズムを以下に説明する。
【0046】
(b)成分の親水基と水との主な相互作用である双極子間力は温度上昇とともに減少する。よって、温度上昇に伴い、(b)成分は水と層分離を起こす傾向を有する。そうなると(b)成分は界面活性剤として(a)成分を可溶化できなくなる。
【0047】
ところが、(b)成分のアミンオキサイド部の酸素は電子吸引性であるため、(b)成分の親水基における酸素に隣接する窒素原子はわずかに正に帯電すると考えられる。そのため、(b)成分と、アニオン性部分を有する(c)成分との間に弱い電気的相互作用が働くと考えられる。このため、(c)成分を配合すると(b)成分は水との層分離を起こしにくくなり、(b)成分は界面活性剤として機能することができ、温度上昇時に生じうる(a)成分及び(b)成分と水の分離を抑制することができると考えられる。
【0048】
上記メカニズムを推定すると、(c)成分としてはアニオン性が強い成分の効果がより高いと推定される。アニオン性界面活性剤の方が両性界面活性剤よりも少量で効果を発揮する傾向が認められるのは、上記の安定化メカニズムが起こっている可能性を示唆するものである。よって、(c)成分としてはセッケンを除くアニオン性界面活性剤がより好ましい。
【0049】
また、(c)成分の特性の一つとして、混合ミセルを形成しうる程度に長い疎水基の存在が重要と考えられる。この仮説は、疎水基の炭素数6以下のアルキル基や、炭素数が10以下のアリール基しか含まないアニオン性化合物(例えばクエン酸、プロピオン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の酸及びその塩)は、本発明における(c)成分としての効果が弱い傾向にあることから推定される。
【0050】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物には、洗浄性能を更に向上させる観点から、(d)成分として、アルカノールアミン及び/又は水酸化アルカリを含有することが好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられ、油汚れに対する洗浄力の点から、モノエタノールアミンがより好ましい。本明細書における水酸化アルカリとは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物のことである。水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0051】
(d)成分の含有量は、油汚れに対する充分な洗浄力を付与するため、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物中において0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜15質量%、より好ましくは1.5〜15質量%、更に好ましくは2〜10質量%、より更に好ましくは3〜7質量%であり、よりさらに好ましくは3〜5質量%である。(d)成分としては、単独の化合物であってもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
【0052】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物には、洗浄性能を更に向上させる観点から、(e)成分としてビルダー成分を配合することができる。ビルダー成分としては、下記に挙げる1種又は2種以上を用いることができる。
【0053】
(1)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0054】
(2)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸等の有機酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0055】
これらの中でも、クエン酸、リンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸又はこれらの塩が好ましい。塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が好ましい。
【0056】
(e)成分の組成物中の含有量は、油汚れに対する洗浄力の点から、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%、更に好ましくは0.2〜1質量%である。
【0057】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物には、上記成分以外にも、本発明の目的又は効果を損なわない範囲の他の成分を配合することができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド等の界面活性剤、エタノール、プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アルキル基の炭素数が3〜8のアルキルモノグリセリルエーテル、EO平均付加モル数が1〜5のポリオキシエチレンフェニルエーテルあるいはベンジルエーテル等の溶剤、BHT等の酸化防止剤、防菌・防カビ剤、及び防腐剤を挙げることができる。なお、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物では、任意成分としてポリアクリル酸及びその塩、オレフィンと無水マレイン酸との共重合物及びその塩、その他、特開平7−292398号公報の段落0035〜0038に記載されたカルボン酸系ポリマーやスルホン酸系ポリマーなどの分散剤を配合することもできる。
【0058】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、以下に示す(1)又は(2)のものを挙げることができる。
(1)ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はアルケニルエーテルであって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が油汚れに対する洗浄力の観点から10〜18、好ましくは10〜16であり、エチレンオキサイド(以下EOと表記する)付加モル数が平均で1〜30モル、好ましくは平均で6〜20であるもの。このような(1)の好ましい例としては、アルキル基の炭素数が8〜18のポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。
【0059】
(2)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであって、アルキル基の平均炭素数が油汚れに対する洗浄力の観点から6〜12であり、EO付加モル数が平均で1〜25モルであるもの。
【0060】
アルキル(ポリ)グリコシドとしては、油汚れに対する洗浄力の観点から、下記の一般式(b2)で表されるアルキル(ポリ)グリコシドが好ましい例である。
【0061】
4b(OR5bxy (b2)
(式中、R4bは、炭化水素基、好ましくは直鎖又は分岐鎖の総炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を示し、R5bは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Gは炭素数5〜6を有する還元糖に由来する残基を示し、xは0〜5を示し、yは1〜5を示す。)
【0062】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物においては、上記各成分とともに水を配合する。水の配合量は、合計で100質量%となるように調整する量である。つまり、組成物の残部は水である。水の量としては、油汚れに対する洗浄力と高温安定性の観点から、組成物の70〜98質量%が好ましく、75〜96質量%がより好ましく、80〜94質量%が更に好ましい。また、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の25℃でのpHは、油汚れに対する洗浄力と使用時の安全性確保の観点から6〜14、好ましくは7.5〜14である。高い洗浄力を得るためにpH6以上であり、pH8以上が好ましく、より好ましくはpH8.5以上であり、より好ましくはpH9以上であり、更に好ましくはpH10以上である。一方、使用時の安全性を確保する観点からは、当該pHは14以下であり、好ましくはpH13以下であり、より好ましくは12以下であり、特に好ましくはpH11.5以下である。即ち、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の25℃でのpHは、好ましくは7.5〜14であり、より好ましくは8〜13であり、より好ましくは9〜12であり、更に好ましくは10〜11.5である。pHは、(株)堀場製作所製pHメータD−52S、pH電極6367−10Dを用いて測定したものである。
【0063】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、各成分を適宜混合することによって製造することができる。
【0064】
本発明は、硬質表面を対象とした液体洗浄剤組成物に関するものであるが、ここで「硬質表面」とは、平面的であるか又は立体的であるかを問わず、一定の形状を保持しているものを意味するものであり、洗浄処理ができるものであれば、硬さの程度は限定されるものではない。この硬質表面としては、プラスチック、ゴム、金属、タイル、レンガ、コンクリート、セメント、ガラス、木等からなる床、階段、壁等の固定物のほか、それらからなる各種器械、器具、道具、家具、食器等の人が接触するもの全般を挙げることができる。より好ましくは、プラスチック、金属、ガラスなどを挙げることができる。
【0065】
よって、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、台所まわり用洗浄剤、浴室用洗浄剤、床用洗浄剤、食器用洗浄剤、全自動洗濯機洗濯槽用洗浄剤、排水パイプ用洗浄剤、台所や洗面所の小物用洗浄剤等として適用することができるが、より好ましくは台所まわり用洗浄剤として適用できる。
【実施例】
【0066】
実施例1〜14、比較例1〜16
下記の表に示す各成分を用い、実施例、比較例の各硬質表面用液体洗浄剤組成物を得た。表中の各成分の量についての数値は質量%であり、残部は脱イオン水であった。表中の成分の質量比の値は、分母(/1)を省略して記載した。
【0067】
調製された実施例並びに比較例1〜4、6及び8〜16の各組成物は、濁りや分離のない均一液体相として存在していた。一方、比較例5及び7の各組成では、均一液体の組成物とすることができず、評価を行うことができなかった。よって、比較例5及び7の評価としてはFを記した。
【0068】
組成物のpH(25℃)は必要に応じ、6N−水酸化ナトリウム水溶液又は6N−塩酸で調整した。各硬質表面用液体洗浄剤組成物を用い、下記の方法により、洗浄性能、保存安定性の各試験を行った。結果を下記の表に示す。
【0069】
(洗浄性能I)
組成物原液を用いて変性大豆油汚れに対する洗浄効果を評価した。
変性大豆油汚れを予め塗布しておいた下記のステンレス板に、1gの組成物を直径約35mmの円形状となるように適用した。室温にて5分間接触させた後、脱イオン水にてすすぎ操作を行った。以上の洗浄操作を行った試料と洗浄操作を行っていない下記のステンレス板(リファレンス)をデジタルカメラで撮影した。すすぎ後の試料の円形部分の汚れ除去部面積を数値化した。即ち、円形部分の汚れが完全に落ちた場合を100とし、全く落ちなかった場合を0として、面積に対応した洗浄率(5%刻みで数値化)に変換した。
【0070】
[変性大豆油汚れの作成法]
市販大豆油(和光純薬工業品を使用。購入後3ヶ月以内のものを使用)をステンレス製50mLビーカーに40mL加え、上部を大気に開放した状態で180℃1時間加熱し、室温(25±5℃)に自然冷却した。この熱処理油99重量部に対しオイルオレンジSSを1質量部添加し、室温でよく混合した。このモデル汚れをステンレス板に1平方センチメートルあたり1.4〜1.6mgとなるようにできるだけ均一に塗布し、室温で1週間放置した。この汚れを洗浄評価に用いた。
【0071】
(洗浄性能II)
市販大豆油(和光純薬工業品を使用。購入後3ヶ月以内のものを使用)をステンレス製50mLビーカーに40mL加え、上部を大気に開放した状態で180℃50hr熱処理(電気恒温機使用)し、室温に自然冷却した。この熱処理油99重量部に対しオイルオレンジSSを1質量部添加し、室温(25℃±5℃)でよく混合した。このモデル汚れをステンレス板に1平方センチメートルあたり1.4〜1.6mgとなるようにできるだけ均一に塗布し、直ちに上記と同様の洗浄評価を行った。
【0072】
[汚れ除去部面積の数値化方法]
デジタルカメラで撮影した画像を画像処理ソフト(Win ROOF Ver.3.30(MITANI Corporation社))を用いて、グレー化処理を行った。処理後の画像を2値化することにより、汚れ除去部分をカウントし、汚れ除去部面積を数値化した。各画像で2値化時に用いた閾値は、画像中のリファレンスの汚れ部分がすべてカウントされない値を用いた。
【0073】
(保存安定性)
下記の表に示される液体洗浄剤組成物について、5℃及び50℃保存時の外観変化を調べた。外観の確認は1週間ごとに行った。容量が50mLの容器(マルエムスクリュー管No.7)に組成物40gを入れて保存試験を行い、下記基準により評価した。
【0074】
4:保存4週間後の時点で、濁り及び/又は分離が発生しない。
3:保存3週間後の時点で、濁り及び/又は分離が発生する。
2:保存2週間後の時点で、濁り及び/又は分離が発生する。
1:保存1週間後の時点で、濁り及び/又は分離が発生する
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

【0078】
上記の表にまとめられた結果から、以下のことが分かった。
【0079】
本発明品は洗浄性能、高温及び低温保存安定性で優れていることが分かった。
比較例1、3〜5から、(a)成分を含有しない場合、油汚れに対する洗浄力が十分ではなかった。比較例7から、(a)成分を過剰に含有する場合、均一液体の組成物とすることができなかった。比較例2、6から、(a)成分中の(a−1)成分が過小な場合、洗浄力が十分ではなかった。実施例14と比較例12から、組成物のpHが7.5以上の場合、洗浄性能が高くなる傾向が見られることが分かった。さらに、比較例9〜11、13〜16から、(b)成分に代えてポリオキシエチレンアルキルエーテルやアルキル(ポリ)グリコシドを用いた場合、低変性油に対する洗浄性能に劣ることが分かった。
【0080】
比較例13と比較例8を比較すると、(c)成分を含有しない場合、高温保存安定性が十分ではないことが分かった。
【0081】
各表中の(a)成分、非(a)成分は次の通りである。
a−1−1:ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
a−1−2:ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル
a−2:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
DPG:ジプロピレングリコール
PG:プロピレングリコール
【0082】
各表中の(b)成分、非(b)成分は次の通りである。
b−1:ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数=8)ラウリルエーテル
b−2:ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数=7)2級アルキル(炭素数12〜14の混合)エーテル
b−3:ラウリルジメチルアミンオキサイド
b−3’:カプリルジメチルアミンオキサイド
b−3’’:ステアリルジメチルアミンオキサイド
b−4:ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド
b−5:アルキル(炭素数10〜14の混合)グリコシド(グルコシドの平均縮合度=1.3)
【0083】
各表中の(c)成分は次の通りである。
c−1:直鎖アルキル(炭素数10〜14の混合)ベンゼンスルホン酸ナトリウム
c−2:ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン
c−3:ラウリル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、種々の硬質表面に適用できるが、台所まわりの硬質表面により好適であるため、台所用液体洗浄剤組成物として適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記式(a1)で表されるポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルを1〜15質量%、
(b)アミンオキサイド、
(c)セッケンを除くアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選択される1種以上の界面活性剤を0.01〜15質量%、並びに水を含有し、
(c)成分/((b)成分+(c)成分)の質量比が0.01/1〜1/1であり、(a)成分の60〜100質量%が(a−1)ジプロピレングリコールのアルキル基の炭素数が4〜8のモノアルキルエーテルであり、
25℃でのpHが6〜14である硬質表面用液体洗浄剤組成物。
1a(OR2alOH (a1)
[式中、R1aは炭素数4〜8のアルキル基であり、lは1〜4の数であり、R2aは炭素数2〜4のアルキレン基である。]
【請求項2】
(a)成分/((b)成分+(c)成分)の質量比が1/1〜15/1である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(b)成分が、アルキル基の炭素数が8〜18のアルキルジメチルアミンオキサイドである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(c)成分がセッケンを除くアニオン性界面活性剤である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
(d)成分として、アルカノールアミン及び/又は水酸化アルカリを0.01〜20質量%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
(a−1)成分がジプロピレングリコールモノブチルエーテルである、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
(a)成分が(a−1)成分からなるものである請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
均一液体相として存在する請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
25℃でのpHが8〜13である請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
台所まわり用洗浄剤として適用できる請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の組成物を、油汚れが存在する硬質表面に適用して洗浄を行う、洗浄方法。

【公開番号】特開2012−126884(P2012−126884A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200608(P2011−200608)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】