説明

磁化水生成供給装置

【課題】髪の毛や肌の洗浄等に好適に用いられる磁化水を水道水から生成しながら、水道水の持つ運動エネルギを有効に利用し、これによって、例えば磁化水に微細空気を自動的に混入できるようにする。
【解決手段】配管24の外部に互いに対向して設置される少なくとも一対の永久磁石30を備え該配管24内を流れる水道水に磁化水処理を施して磁化水を生成する磁化水生成部16と、出口の流路断面積を入口の流路横断面より小さく設定して内部を流れる水の流速を速めるようにした回転自在な回転管34と該回転管34の内周面に設けられた少なくとも1つの羽根36を有する水力タービン18とを有する。水力タービン18の回転管34の回転で発電する発電機42と、発電機42で発電された電力または該発電機42で発電されてバッテリ66に蓄えられた電力を利用して磁化水中に微細気泡を発生させて混入させる気泡発生器22を更に有することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシャワー水や洗顔用水として使用するのに適した性質を有する磁化水を水道水から生成して水道蛇口やシャワーヘッド等の放水装置から放水(供給)するのに使用される磁化水生成供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水の構造は、水分子が水素によって互いに引きつけあった結合体(クラスタ)から成り立っており、水道水のクラスタは、例えば平均12個の水分子からできている。水は、磁気(磁力)の影響を受けると活性化するという性質を有しており、このため、水道水を磁力が働いている磁場を通過させると、例えば平均6個の水分子のクラスタからなる磁化水が生成される。
【0003】
つまり、水が磁場を通ると水の中に電気が流れ、この電気の刺激で水の分子間の結合が分裂する。この分裂は、磁場が強力なほど、また磁場を通る水の流れが速いほど活発に生じる。このため、例えば、互いに対向する位置にN極とS極が対面するように配置された一対の永久磁石の間を、ある流速(例えば2m/s以上)で水道水を通す磁気処理を施すことで、水道水から磁化水が生成される。
【0004】
磁化水は、水道水に比べクラスタが小さくなることで、水道水とは異なる性質を有するようになる。つまり、クラスタが水道水と比べて小さい磁化水は、浸透性、つまり染み込む力が高まり、例えば髪の毛や肌の洗浄に使用すると、髪の毛や肌の表面の固形物や油成分の異物質等により深く浸透して、髪の毛または肌の表面からそれらを容易に分離し易くする効果がある。これにより、水道水を使用した時よりも磁化水を使用した方が洗浄力を高めることができる。また、磁化水は、表面張力と粘性が水道水より高まるため、水の蒸発を抑えて、髪の毛や肌の保湿効果を良くする長所もある。
【0005】
更に、磁化水を飲料水として使用すると、水道水を使用した時に比べて、一般に腸の吸収率が高まり、粘性が上がるため、動く度に抵抗を強くして、ばい菌やバクテリアの活動性を低下させるといった効果や、野菜等の洗浄に磁化水を使用すると、保水効果が高まって、野菜の鮮度が高まる等の効果を併せ持つ。
【0006】
磁化水の上記のような長所を利用するため、水道管の途中に一対の永久磁石を互いに対向させて設置し、水道管を流れる水(水道水)が一対の永久磁石のS極とN極によって形成される磁場を通るようにすることで、水道管を通る水道水から磁化水を生成して、水道蛇口等から放出することが提案されている(特許文献1,2参照)。また、循環水路の途中に、非磁性体からなる細長い形状の断面を有する水路を挟んで、前記断面の長辺に異なる磁性が対向した永久磁石を配置したマグネット装置を設けることで、化粧水等に用いられる磁化水をより小型化した装置で製造することが提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−107764号公報
【特許文献2】特開2003−24949号公報
【特許文献3】特開2002−153881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
磁化水は、水道水に比べて、クラスタが小さいことから、水道水とは異なる性質を有し、髪の毛や肌の洗浄等に好適に用いられる。しかし、磁化水は、石鹸やシャンプー等の洗剤と共に使用すると、洗剤が水(磁化水)に溶け難くなり、洗剤の泡立ちが悪くなって、洗剤の持つ洗浄力を落としてしまうばかりでなく、洗剤を使用して洗った箇所が判らなくなってしまう。
【0009】
一方、水道水は、所定の運動エネルギを持って水道蛇口やシャワーヘッド等の放水装置から放水されるが、放水装置から放水されて使用されると、その運動エネルギは消えてしまう。この放水装置から固有に捨てられる水の運動エネルギを違う用途で活用したり、異なるエネルギ、例えば電気的なエネルギ等に変換させて活用したりする努力は、今まで殆ど成されていなかった。
【0010】
本発明は上記に鑑みて為されもので、髪の毛や肌の洗浄等に好適に用いられる磁化水を水道水から生成しながら、水道水の持つ運動エネルギを有効に利用し、これによって、例えば磁化水に微細空気を自動的に混入できるようにした磁化水生成供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、水道管に連結される配管と該配管の外部に互いに対向して設置される少なくとも一対の永久磁石とを備え、前記配管内を流れる水道水に磁化水処理を施して磁化水を生成する磁化水生成部と、内周面に少なくとも1つの羽根を備え、出口の流路断面積を入口の流路横断面より小さく設定して内部を流れる水の流速を速めるようにした回転自在な回転管を有する水力タービンとを有することを特徴とする磁化水生成装置である。
【0012】
これにより、少なくとも一対の永久磁石を使用した磁化水生成部で水道水から磁化水を生成し、しかも水道水のもつ運動エネルギを有効に利用して水力タービンの回転管を回転させて回転動力を得ることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記水力タービンの前記回転管の回転で発電する発電機と、前記発電機で発電された電力または該発電機で発電されてバッテリに蓄えられた電力を利用して、前記磁化水生成部で生成された磁化水中に微細気泡を発生させて混入させる気泡発生器とを更に有し、前記微細気泡が混入した磁化水を放水装置から放水することを特徴とする磁化水生成供給装置である。
【0014】
これにより、少なくとも一対の永久磁石を使用した磁化水生成部で水道水から磁化水を生成し、この磁化水に、水道水の持つエネルギを有効に利用して微細気泡を混入させ、微細気泡が混入した磁化水として、放水装置から放水(供給)することができる。磁化水中に微細気泡を混入すると、磁化水中に混入した微細気泡は、磁化水の表面から外に出る時に、微細気泡の内外の圧力差によって爆発する。このように、微細気泡が磁化水の表面近傍で爆発すると、例えば髪の毛や肌の表面の固形物質や油成分の異物質が破壊され、同時に、磁化水の表面に付近に浮遊している洗剤を混ぜ合わせて溶かすことで、泡立ちも良くなって、洗浄力が向上する。微細気泡は、例えばサイズが1〜100μm程度のマイクロバブルや、例えばサイズが1μm未満程度のナノバブルである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記配管は、横断面が矩形の矩形配管部を有し、該矩形配管部の外部に複数対の永久磁石を互いに所定間隔離間させて設置して前記磁化水生成部が構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の磁化水生成供給装置である。
【0016】
このように、横断面が矩形の矩形配管部の外部に一対の永久磁石を配置することで、一般に横断面が円形の水道管の外部に一対の永久磁石を配置した場合に比べて、水道水により大きな磁力をより均一に作用させることができる。また、複数対の永久磁石を互いに所定間隔離間させて設置することで、磁化水を段階的に生成することができ、これによって、磁化水である時間をより長くすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、内周面に少なくとも1つの突起を有する円筒管からなり、前記水力タービンの下流側に設置されて、該水力タービンで生成された旋回流に微細気泡を発生させて混入させる補助気泡発生器を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁化水生成供給装置である。
【0018】
このように、補助気泡発生器によって、水力タービンで生成された旋回流に微細気泡、例えばサイズが1〜100μm程度のマイクロバブルを発生させて混入させることで、より多量の微細気泡を磁化水に混入させ、気泡が爆発するポイントを増大させて、洗浄効果を更に高めることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、前記気泡発生器は、所定の周波数で振動する振動板を備え、この振動板の振動によって、前記磁化水を超音波振動させるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の磁化水生成供給装置である。
【0020】
このように、振動板を所定の周波数で振動させて磁化水を超音波振動させることで、例えばマイクロバブルとナノバブルとが混在する微細気泡を磁化水中に混入させることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、前記発電機で発電された電力または該発電機で発電されてバッテリに蓄えられた電力を利用して、前記放水装置から放水される前記微細気泡が混入した磁化水に向けて光を照射するLEDライトを更に有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の磁化水生成供給装置である。
【0022】
これにより、水道水の持つエネルギを有効に利用して、放水装置から放水される微細気泡が混入した磁化水に向けてLEDライトから光を照射することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、前記発電機で発電された電力または該発電機で発電されてバッテリに蓄えられた電力を利用して前記磁化水の温度を検出する温度センサと、前記発電機で発電された電力または該発電機で発電されてバッテリに蓄えられた電力を利用して、前記放水装置から放水される前記微細気泡が混入した磁化水に向けて異なる色の光を照射する複数のLEDライトを更に備え、前記温度センサからの出力信号に応じて、前記LEDライトの内の一つを選択的に点灯させることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の磁化水生成供給装置である。
【0024】
これにより、水道水の持つエネルギを有効に利用して磁化水の温度を検知し、磁化水の温度に応じて、放水装置から放水される微細気泡が混入した磁化水に向けて異なるLEDライトから異なる色の光を照射することで、使用している磁化水の温度の高低を磁化水の色によって認識することができる。
【0025】
請求項8に記載の発明は、前記放水装置は、多数の放水口を有するシャワーヘッドを備えたシャワー設備からなり、前記複数のLEDライトは、前記シャワーヘッドの内周面または外周面に取り付けられていることを特徴とする請求項8記載の磁化水生成供給装置である。
【0026】
これにより、磁化水の温度に応じて、シャワーヘッドから放水される微細気泡が混入した磁化水(シャワー水)に向けて、シャワーヘッドの内周面または外周面に取り付けられている複数のLEDライトのうちの一つから他のLEDライトとは異なる色の光を照射することで、シャワー水として使用している磁化水の温度の高低を該シャワー水の色によって認識することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、少なくとも一対の永久磁石を使用した磁化水生成部で水道水から磁化水を生成し、水道水の持つエネルギを有効に利用して、例えば磁化水に微細気泡を混入させ、微細気泡が混入した磁化水として、放送装置から放水(供給)することができる。これによって、磁化水の持つ性質を生かしつつ、例えば石鹸やシャンプー等の洗剤と共に使用しても、洗剤が水(磁化水)に溶け易くし、洗剤の泡立ち良くして、洗剤の持つ洗浄力が落ちてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態の磁化水生成供給装置の概要を示す図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1に示す磁化水生成供給装置の水力タービン、補助気泡発生器及び気泡発生器を拡大して示す断面図である。
【図4】図1に示す磁化水生成供給装置の照明装置の概要を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の磁化水生成供給装置の概要を示す。この例では、水道管10内を所定の圧力で流れる水道水から磁化水を生成して、内部に多数の放水口を有するシャワーヘッド12を備えたシャワー設備14なる放水装置から磁化水を放水(供給)するようにした例を示す。
【0030】
この実施形態の磁化水生成供給装置は、水道管10とシャワー設備(放水装置)14との間に直列に連結された、磁化水生成部16、水力タービン18、補助気泡発生器20及び気泡発生器22を備えている。これによって、水道管10内を所定の圧力で流れてきた水道水は、磁化水生成部16、水力タービン18、補助気泡発生器20及び気泡発生器22を順次通過した後、シャワー設備(放水装置)14のシャワーヘッド12から外部に放水(供給)される。
【0031】
磁化水生成部16は、水道管10から流入して内部を流れる水道水から磁化水を生成するためのもので、両端に横断面円形の円形配管部24aを有し中央部を横断面矩形の矩形配管部24bとした配管24を有している。この配管24は、例えば肉厚が5mmの鉄製で、流路断面積が全長に亘って一定に設定されている。
【0032】
この例では、矩形配管部24bの矩形断面の一方の長辺側(図2の上側)に位置して、合計5個の第1永久磁石26が矩形配管部24bの長手方向に沿って等間隔で配置され、矩形配管部24bの矩形断面の他方の長辺側(図2の下側)に位置して、合計5個の第2永久磁石28が矩形配管部24bの長手方向に沿って等間隔で配置されている。各第1永久磁石26と各第2永久磁石28は、互いに対向して異なる磁極(S極とN極)が対面するように配置されて一対の永久磁石30を構成しており、これによって、配管24の矩形配管部24bに計5対の永久磁石30が備えられている。
【0033】
各第1永久磁石26及び各第2永久磁石28は、例えば縦×横が8mm×8mmで、厚さが6mmの正方形状の形状を有しており、互いに隣接する第1永久磁石26の間隔Lは、互いに隣接する第2永久磁石28の間隔と同じ、例えば8mmに設定されている。また、互いに対向して一対の永久磁石30を構成する永久磁石26,28の間隔Hは、例えば5mmに設定されており、各第1永久磁石26及び各第2永久磁石28として、一対の永久磁石30の間に5000G(ガウス)の磁力(磁場)が生じる永久磁石が使用されている。
【0034】
これにより、水道管10内を流れた水道水は、流速をほぼ一定にしたまま磁化水生成部16の配管24内を流れ、この配管24内を流れる時に、一対の永久磁石30による磁力を複数回(この例では5回)に分けて受ける。これによって、水道水を構成するクラスタが所定の割合で小さくなって、水道水からクラスタの小さな磁力水が生成される。
【0035】
この例のように、横断面矩形の矩形配管部24bに一対の永久磁石30を配置することで、一般に横断面が円形の水道管の外部に一対の永久磁石を配置した場合に比べて、水道水により大きな磁力をより均一に作用させることができる。また。複数対の永久磁石30を互いに所定間隔離間させて設置することで、磁化水を段階的に、つまり所定量づつ複数回に分けて生成することができ、これによって、水道水が磁化水である時間をより長くすることができる。
【0036】
水力タービン18は、図3に示すように、磁化水生成部16の配管24に連続した固定管32と、この固定管32に一端を回転自在に支承された回転管34とを有している。回転管34は、入口側の流路断面積が大きな大径流路部34aと、出口側の流路断面積が小さな小径流路部34bと、大径流路部34aと小径流路部34bを繋ぐ流路断面積が徐々に減少する縮径流路部34cとを有しており、この縮径流路部34cから小径流路部34bに掛けて該縮径流路部34cから小径流路部34b内を流れる磁化水(水道水)によって、回転管34を回転させる複数の羽根36が円周方向に沿って等間隔で設けられている。なお、羽根36は、1枚であっても良い。
【0037】
回転管34の大径流路部34aの直径は、例えば10mmで、小径流路部34bの直径は、例えば5mmである。このように、回転管34の出口側の小径流路部34bの直径を入口側の大径流路部34aの直径の1/2として流路断面積を1/4とすることで、出口側の小径流路部34bを流れる磁化水(水道水)の流速を入口側の大径流路部34aを流れる磁化水(水道水)の流速の4倍に増加させることができる。
【0038】
これにより、磁化水生成部16で生成された磁化水は、水力タービン18の回転管34内に流入し、回転管34の内部に設けられた羽根36に当たって該回転管34を回転させ、同時に磁化水が旋回流となって、補助気泡発生装置20内に流入する。この時、前述のように、回転管34の出口側の小径流路部34bを流れる磁化水(水道水)の流速が入口側の大径流路部34aを流れる磁化水(水道水)の流速よりも速まって、回転管34をより高速で回転させ、同時に磁化水がより高速な旋回流となる。
【0039】
この例では、水力タービン18の回転管34の外周部に駆動歯車40が固着され、この駆動歯車40は、発電機42の主軸に連結した被動歯車44と噛み合うようなっている。これによって、水力タービン18の回転管34の回転に伴って駆動歯車40が該回転管34と一体に回転し、この駆動歯車40の回転力が被動歯車44に伝えられて発電機42の主軸が回転し、この主軸の回転によって、発電機42で交流電力が発電される。この発電機42は、電源として使用される。
【0040】
なお、この例では、発電機42として、水力タービン18の回転管34の回転で主軸を回転させ、主軸の回転によって発電するタイプの発電機を使用しているが、回転管34の回転に伴って、電力を直接的に発電するようにした発電機を使用しても良い。また、発電機42を直接電源として使用しているが、下記のように、発電機42で発電した電力をバッテリ66に蓄え、この電力を蓄えたバッテリ66を電源として使用してもよい。
【0041】
補助気泡発生器20は、水力タービン18により旋回流となって内部に流入する磁化水中に気泡を発生させて混入させるためのもので、回転管34の他端を回転自在に支承する円筒管50を有している。円筒管50の内周面には、内方に向けて鋭角で突出する多数の突起52が、円周方向及び軸方向に沿った所定のピッチで設けられている。
【0042】
これにより、水力タービン18の回転筒34の回転により旋回流となって補助気泡発生部20の円筒管50の内部に流入した磁化水が、円筒管50の内周面に設けられた多数の突起52に衝突し、これによって、磁化水中に微細気泡、例えばサイズが1〜100μm程度のマイクロバブルが発生して混入する。
【0043】
補助気泡発生器20は、水力タービン18の回転筒34の回転により磁化水が旋回流となることを利用し、比較的簡単な構成で、磁化水中に混入する微細気泡の量を増大させて、例えば洗浄力を更に高めるためのもので、必ずしも必要ではない。
【0044】
気泡発生器22は、磁化水中に微細気泡、例えばサイズが1〜100μm程度のマイクロバブルとサイズが1μm未満のナノバルブとを発生させて混入させるためのもので、補助気泡発生器20から送られてきた磁化水を一旦貯める貯槽54と、貯槽54の底部に設置された超音波振動機56とを備えている。超音波振動機56は、高周波電力を機械振動に変化して超音波を発生させる振動子58と、この振動子58で発生した超音波で振動して貯槽54内の磁化水を超音波振動させる振動板60を有している。
【0045】
超音波振動機56は、発電機42で発生した電力を利用して、振動板60を振動させるように構成されている。つまり、発電機42はAC/DC変換器62に接続され、AC/DC変換器62は超音波発信器64に接続され、超音波発信器64は超音波振動機56の振動子58に接続されている。これによって、発電機42で発生した交流電力は、AC/DC変換器62で直流電力に変換され、このAC/DC変換器62から出力された直流電力は、超音波発信器64で高周波電力に変換される。振動子58は、この超音波発信器64から出力される高周波電力で超音波を発生し、この振動子58から発生した超音波で振動板60が振動し、この振動板60の振動で貯槽54内の磁化水が振動する。
【0046】
なお、この例では、超音波発信器64をAC/DC変換器62を接続して、AC/DC変換器62で変換された直流電力を直接使用するようにしているが、図1に仮想線で示すように、AC/DC変換器62をバッテリ66に接続し、バッテリ66を超音波発信器64に接続することにより、AC/DC変換器62で変換された直流電力をバッテリ66に蓄え、このバッテリ66に蓄えた電力を利用するようにしてもよい。
【0047】
これにより、一対の永久磁石30を使用した磁化水生成部16で水道水から磁化水を生成し、この磁化水に、水道水の持つエネルギを利用して作動する気泡発生器20によって、微細気泡、例えばサイズが1〜100μm程度のマイクロバブルとサイズが1μm未満のナノバルブとを混入させることができる。
【0048】
気泡発生部22の貯槽54の出口は、シャワー設備(放水装置)14のシャワー配管70の一端に接続され、このシャワー配管70の他端にシャワーヘッド12が接続されている。
【0049】
この例では、シャワー設備14の側方に位置して、シャワー設備14のシャワーヘッド12から放水されるシャワー水に向けて光を照射する照明装置72が配置されている。この照明装置72は、図4に示すように、異なる色の光を発する複数(図示では5個)のLEDライト74a〜74eと、この各LEDライト74a〜74eのシャワーヘッド12側の前面に配置され、シャワーヘッド12から放出されるシャワー水を一定の方向から照らすように各LEDライト74a〜74eから出される光の方向を調整する透明レンズ群76とを有している。LEDライト74a〜74eは、スイッチング回路78を介して、AC/DC変換器62にそれぞれ接続され、このAC/DC変換器62から出力される直流電力を利用して点灯するように構成されている。
【0050】
なお、各LEDライト74a〜74eをシャワーベッド12の内周面または外周面に取り付けて、シャワーヘッド12と複数のLEDライト74a〜74eとを一体化させてもよい。
【0051】
このスイッチング回路78は、シャワーヘッド12から放出されるシャワー水(磁化水)の温度、この例では、貯槽54内の磁化水の温度を検知し、シャワーヘッド12から放出されるシャワー水(磁化水)の温度に応じて、LEDライト74a〜74eのいずれか一つを選択的に点灯するようにスイッチングするためのものである。
【0052】
つまり、この例では、貯槽54内に、AC/DC変換器62に接続されて該AC/DC変換器62で変換された直流電力を利用して作動する温度センサ80が配置されている。そして、この温度センサ80からのアナログ信号は、A/D変換器82でデジタル信号に変換されてマイクロコンピュータ84に入力され、このマイクロコンピュータ84からの出力信号(制御信号)でスイッチング回路78が制御される。マイクロコンピュータ84には、デジタル信号を基に、温度の高低を判断するアルゴリズムが内蔵されている。
【0053】
なお、温度センサ80は、貯槽54以外の任意の場所に設置しても良く、また、LEDライト74a〜74e及び温度センサ80の電源として、前述のように、バッテリ66を使用しても良いことは勿論である。
【0054】
これにより、温度センサ80からの温度検知信号に基づいて、マイクロコンピュータ84からスイッチング回路78に制御信号が出力され、スイッチング回路78は、マイクロコンピュータ84からの制御信号に応じて、一つのスイッチのみをオンとする。これによって、このオンとなったスイッチに繋がる一つのLEDライト(例えばLEDライト74a)のみが点灯し、この点灯したLEDライト(例えばLEDライト74a)からの光がシャワー設備14のシャワーヘッド12から放出されるシャワー水に向けて照射される。これによって、シャワーヘッド12から放出されるシャワー水自体に色が付いている如き印象を与えて、洗浄の利便性を高めると共に、シャワーを行っている時の雰囲気や気分を良くし、またシャワーに好奇心を持たせることができる。
【0055】
この例によれば、シャワーの栓を開くと、微細気泡、例えばサイズが1〜100μm程度のマイクロバブルとサイズが1μm未満のナノバルブが混入した磁化水がシャワーヘッド12から放水され、シャワーヘッド12から放水される磁化水に向けて、一つのLEDライト(例えばLEDライト74a)から光が照射され、磁化水中に混入した微細気泡は、磁化水の表面から外に出る時に微細気泡の内外の圧力差によって爆発する。これにより、例えば髪の毛や肌の表面の固形物質や油成分の異物質を破壊し、同時に、磁化水の表面に付近に浮遊している洗剤を混ぜ合わせて溶かすことで、泡立ちも良くなって、洗浄力が向上する。これにより、洗剤の使用量を減少させ、環境を良くすることができる。
【0056】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことはいうまでもない。例えば、上記例では、シャワー設備14を放水装置としている例を示しているが、水道蛇口を放水装置として、水道管と水道蛇口との間に、磁化水生成部16、水力タービン18、補助気泡発生器20及び気泡発生器22を直列に連結するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10 水道管
12 シャワーヘッド
14 シャワー設備(放水装置)
16 磁化水生成部
18 水力タービン
20 補助気泡発生器
22 気泡発生器
24 配管
24b 矩形配管部
26,28 永久磁石
30 一対の永久磁石
32 固定管
34 回転管
34a 大径流路部
34b 小径流路部
34c 縮径流路部
36 羽根
40,44 歯車
42 発電機
50 円筒管
52 突起
54 貯槽
56 超音波振動機
58 振動子
60 振動板
62 AC/DC変換器
64 超音波発信器
66 バッテリ
70 シャワー配管
72 照明装置
74 LEDライト
76 透明レンズ群
78 スイッチング回路
80 温度センサ
82 A/D変換器
84 マイクロコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道管に連結される配管と該配管の外部に互いに対向して設置される少なくとも一対の永久磁石とを備え、前記配管内を流れる水道水に磁化水処理を施して磁化水を生成する磁化水生成部と、
内周面に少なくとも1つの羽根を備え、出口の流路断面積を入口の流路横断面より小さく設定して内部を流れる水の流速を速めるようにした回転自在な回転管を有する水力タービンとを有することを特徴とする磁化水生成供給装置。
【請求項2】
前記水力タービンの前記回転管の回転で発電する発電機と、
前記発電機で発電された電力または該発電機で発電されてバッテリに蓄えられた電力を利用して、前記磁化水生成部で生成された磁化水中に微細気泡を発生させて混入させる気泡発生器とを更に有し、
前記微細気泡が混入した磁化水を放水装置から放水することを特徴とする請求項1記載の磁化水生成供給装置。
【請求項3】
前記配管は、横断面が矩形の矩形配管部を有し、該矩形配管部の外部に複数対の永久磁石を互いに所定間隔離間させて設置して前記磁化水生成部が構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の磁化水生成供給装置。
【請求項4】
内周面に少なくとも1つの突起を有する円筒管からなり、前記水力タービンの下流側に設置されて、該水力タービンで生成された旋回流に微細気泡を発生させて混入させる補助気泡発生器を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁化水生成供給装置。
【請求項5】
前記気泡発生器は、所定の周波数で振動する振動板を備え、この振動板の振動によって、前記磁化水を超音波振動させるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の磁化水生成供給装置。
【請求項6】
前記発電機で発電された電力または該発電機で発電されてバッテリに蓄えられた電力を利用して、前記放水装置から放水される前記微細気泡が混入した磁化水に向けて光を照射するLEDライトを更に有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の磁化水生成供給装置。
【請求項7】
前記発電機で発電された電力または該発電機で発電されてバッテリに蓄えられた電力を利用して前記磁化水の温度を検出する温度センサと、
前記発電機で発電された電力または該発電機で発電されてバッテリに蓄えられた電力を利用して、前記放水装置から放水される前記微細気泡が混入した磁化水に向けて異なる色の光を照射する複数のLEDライトを更に備え、
前記温度センサからの出力信号に応じて、前記LEDライトの内の一つを選択的に点灯させることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の磁化水生成供給装置。
【請求項8】
前記放水装置は、内部に多数の放水口を有するシャワーヘッドを備えたシャワー設備からなり、
前記複数のLEDライトは、前記シャワーヘッドの内周面または外周面に取り付けられていることを特徴とする請求項7記載の磁化水生成供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−230025(P2011−230025A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100678(P2010−100678)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(510116370)
【出願人】(510116381)
【Fターム(参考)】